JP2003028253A - 摩擦ローラ式減速機付電動モータ - Google Patents

摩擦ローラ式減速機付電動モータ

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JP2003028253A
JP2003028253A JP2001214221A JP2001214221A JP2003028253A JP 2003028253 A JP2003028253 A JP 2003028253A JP 2001214221 A JP2001214221 A JP 2001214221A JP 2001214221 A JP2001214221 A JP 2001214221A JP 2003028253 A JP2003028253 A JP 2003028253A
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speed reducer
reduction gear
case
end portion
outer ring
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JP2001214221A
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Hiroyuki Ito
裕之 伊藤
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型で大きなトルクを得られ、しかも取り扱
い性が良好な構造を実現する。 【解決手段】 電動モータ24aと、それぞれがウェッ
ジローラ型の摩擦ローラ式減速機である第一、第二両減
速機41、42とを、動力の伝達方向に関して互いに直
列に結合する。この為に、上記電動モータ24aを構成
するモータケース27aと上記第一減速機41を構成す
る第一減速機ケース43とを結合固定する。又、この第
一減速機ケース43と、上記第二減速機42を構成する
第二減速機ケース55とを結合固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車用エ
ンジンのスタータモータとして、或は工作機械等、各種
機械装置の駆動部に組み込んで、電動モータの回転駆動
力を減速すると同時にトルクを増大させて取り出す摩擦
ローラ式減速機付電動モータの改良に関し、安価で小型
に構成でき、しかも優れた耐久性を有する構造を実現す
るものである。
【0002】
【従来の技術】摩擦ローラ式減速機は、遊星歯車式等、
歯車式減速機に比べて高速で運転した場合にも発生する
騒音が小さい。この為、摩擦ローラ式減速機を原動機の
出力部に組み付けて減速機として使用し、この原動機の
回転運動を減速すると共にトルクを増大させる構造が、
例えば特開平8−210455号公報、同10−252
851号公報、米国特許第4709589号明細書等に
記載されている。このうちの米国特許第4709589
号明細書に記載された構造は、摩擦係合により動力を伝
達する部分(トラクション部)の面圧を、伝達すべきト
ルクの大きさに応じて変化させる為、優れた伝達効率を
確保できる面からは好ましい。
【0003】図3〜5は、上記米国特許明細書に記載さ
れている摩擦ローラ式減速機を示している。この摩擦ロ
ーラ式減速機1は、有底円筒状の本体2とこの本体2の
基端開口部を塞ぐ蓋体3とから成る減速機ケース4内に
中心ローラ5の内半部(図3の右半部)を、上記蓋体3
の略中央部に形成した通孔6を通じて挿入している。
尚、この通孔6は、上記蓋体3の中心から、少しだけ外
れた位置に設けている。又、上記中心ローラ5の外半部
(図3の左半部)で上記蓋体3から突出した部分に、入
力軸7の端部を結合固定している。
【0004】又、上記減速機ケース4の内側で上記中心
ローラ5の周囲部分に3本の支持軸8a、8bを、それ
ぞれこの中心ローラ5と平行に配置している。即ち、こ
れら各支持軸8a、8bの一端部(図3の左端部)を上
記蓋体3に支持すると共に、他端部(図3の右端部)を
連結板9に支持している。尚、これら3本の支持軸8
a、8bのうち、図3〜5の上部中央に位置する1本の
支持軸8aは、その両端部を上記蓋体3及び連結板9に
形成した嵌合孔に圧入固定している。従って、この支持
軸8aが、上記減速機ケース4内で円周方向或は直径方
向に変位する事はない。
【0005】これに対して、図4〜5の下部左右両側に
位置する残り2本の支持軸8b、8bは、両端部を上記
蓋体3及び連結板9に対し、上記減速機ケース4の円周
方向及び直径方向に関する若干の変位可能に支持してい
る。この為に、上記蓋体3及び連結板9の一部で上記支
持軸8b、8bの両端部に整合する部分には、図5に示
す様に、上記両支持軸8b、8bの外径よりも大きな内
径を有する支持孔10、10を形成し、これら各支持孔
10、10に、上記両支持軸8b、8bの両端部を緩く
係合させている。そして、これら各支持軸8a、8bの
中間部周囲に、それぞれガイドローラ11及びウェッジ
ローラ12a、12bを、回転自在に支持している。
尚、上記連結板9は、上記蓋体3の内面(上記ガイドロ
ーラ11及びウェッジローラ12a、12bを設置した
空間側の面で、図3の右面)の一部で、上記ガイドロー
ラ11及びウェッジローラ12a、12bから外れた位
置に突設した突部13、13に突き当て、連結ボルト1
4、14により、上記蓋体3に連結固定している。
【0006】又、上記減速機ケース4の内側で上記ガイ
ドローラ11及びウェッジローラ12a、12bを囲む
部分には、円環状の外輪15を、回転自在に設けてい
る。そして、この外輪15の内周面と、上記ガイドロー
ラ11及びウェッジローラ12a、12bの外周面とを
当接自在としている。又、上記外輪15には、結合ブラ
ケット16の外径側端部を外嵌固定し、この結合ブラケ
ット16の中心部に、出力軸17の基端部を結合固定し
ている。この出力軸17は、前記減速機ケース4を構成
する本体2の中央部に形成した第二通孔18を回転自在
に挿通して、この減速機ケース4外に突出させている。
【0007】上記ガイドローラ11及びウェッジローラ
12a、12bの外周面は、前記中心ローラ5の外周面
と上記外輪15の内周面とに当接させている。上記中心
ローラ5の中心と上記出力軸17及び外輪15の中心と
は互いに偏心している。即ち、前述の様に、上記中心ロ
ーラ5を挿通する通孔6は、上記減速機ケース4の中心
から少しだけ外れた位置に設けているのに対して、上記
出力軸17を挿通する第二通孔18は上記減速機ケース
4の中心に設けている。又、この第二通孔18の内側に
回転自在に支持した出力軸17と外輪15とは互いに同
心である。従って、上記中心ローラ5と上記外輪15及
び出力軸17とは、上記通孔6の減速機ケース4の中心
からのずれ量δ(図3参照)分だけ、互いに偏心してい
る。そして、上記中心ローラ5の外周面と上記外輪15
の内周面との間に存在して上記ガイドローラ11及びウ
ェッジローラ12a、12bが設けられた環状空間19
の径方向に関する幅寸法が、このδ分の偏心量に見合う
分だけ、円周方向に関して不同になっている。
【0008】この様に、上記環状空間19の幅寸法を円
周方向に関して不同にした分、上記ガイドローラ11及
びウェッジローラ12a、12bの外径を異ならせてい
る。即ち、上記外輪15に対して中心ローラ5が偏心し
ている側(図3〜5の下側)に位置するウェッジローラ
12a、12bの径を、互いに同じとすると共に比較的
小径にしている。これに対して、上記外輪15に対して
中心ローラ5が偏心しているのと反対側(図3〜5の上
側)に位置するガイドローラ11の径を、上記両ウェッ
ジローラ12a、12bよりも大きくしている。そし
て、これら3個の、それぞれが中間ローラであるガイド
ローラ11及びウェッジローラ12a、12bの外周面
を、上記中心ローラ5の外周面及び上記外輪15の内周
面に当接させている。
【0009】尚、それぞれが中間ローラである、上記1
個のガイドローラ11及び2個のウェッジローラ12
a、12bのうち、ガイドローラ11を支持した支持軸
8aは、前述の様に、上記減速機ケース4内に固定して
いる。これに対して、ウェッジローラ12a、12bを
支持した支持軸8b、8bは、やはり前述した様に上記
減速機ケース4内に、円周方向及び直径方向に関して若
干の変位を可能に支持している。従って、上記ウェッジ
ローラ12a、12bも、上記減速機ケース4内で円周
方向及び直径方向に若干の変位可能である。そして、前
記蓋体3のシリンダ孔20、20内に装着した圧縮コイ
ルばね21、21等の弾性材により、上記各ウェッジロ
ーラ12a、12bを支持した支持軸8b、8bを、こ
れら各支持軸8b、8bに回転自在に支持したウェッジ
ローラ12a、12bを前記環状空間19の幅の狭い部
分に向け移動させるべく、弾性的に軽く押圧している。
【0010】上述の様に構成される従来の摩擦ローラ式
減速機1の場合、入力軸7に結合した中心ローラ5の回
転は、この中心ローラ5の外周面とガイドローラ11及
びウェッジローラ12a、12bの外周面との当接部で
ある、各内径側当接部22、22を介して、これらガイ
ドローラ11及びウェッジローラ12a、12bに伝わ
る。更に、これらガイドローラ11及びウェッジローラ
12a、12bの回転は、上記ガイドローラ11及びウ
ェッジローラ12a、12bの外周面と前記外輪15の
内周面との当接部である、各外径側当接部23、23を
介して、この外輪15に伝わる。そして、この外輪15
に結合固定した前記出力軸17が回転する。
【0011】上記中心ローラ5が図4〜5の時計方向
(又は反時計方向)に、外輪15が同じく反時計方向
(又は時計方向)に、それぞれ回転すると、図4〜5の
右側の支持軸8b(又は左側の支持軸8b)に回転自在
に支持したウェッジローラ12a(又は12b)が、上
記中心ローラ5の外周面と外輪15の内周面との間に存
在する環状空間19内で、この環状空間19の幅の狭い
部分(図4〜5の下側中央部分)に向け移動する。この
結果、上記右側の支持軸8b(又は左側の支持軸8b)
に回転自在に支持したウェッジローラ12a(又は12
b)の外周面が、上記中心ローラ5の外周面と外輪15
の内周面とを強く押圧する。そして、当該ウェッジロー
ラ12a(又は12b)の外周面と上記中心ローラ5の
外周面との当接部である内径側当接部22、及び、当該
ウェッジローラ12a(又は12b)の外周面と上記外
輪15の内周面との当接部である外径側当接部23の当
接圧が高くなる。
【0012】上記1個のウェッジローラ12a(又は1
2b)に関する内径側、外径側両当接部22、23の当
接圧が高くなると、上記中心ローラ5と外輪15とのう
ちの少なくとも一方の部材が、組み付け隙間、或は弾性
変形等に基づき、それぞれの直径方向に関して僅かに変
位する。この結果、残り2個の中間ローラである、ガイ
ドローラ11及びウェッジローラ12b(又は12a)
の外周面と上記中心ローラ5の外周面との当接部である
2個所の内径側当接部22、22、及びこれらウェッジ
ローラ12b(又は12a)及びガイドローラ11の外
周面と外輪15の内周面との当接部である2個所の外径
側当接部23、23の当接圧が高くなる。
【0013】上記1本の支持軸8bに回転自在に支持し
たウェッジローラ12a(又は12b)を、上記環状空
間19内でこの環状空間19の幅の狭い部分に向け移動
させようとする力は、上記中心ローラ5から上記外輪1
5に伝達するトルクの大きさに応じて変化する。即ち、
上記中心ローラ5の駆動トルクが大きくなる程、上記ウ
ェッジローラ12a(又は12b)を上記環状空間19
の幅の狭い部分に向け移動させようとする力が大きくな
る。そして、この力が大きくなる程、上記各内径側、外
径側両当接部22、23の当接圧が大きくなる。逆に言
えば、上記駆動トルクが小さい場合には、これら各内径
側、外径側両当接部22、23の当接圧が小さい。
【0014】
【本発明に先立って考えた構造】図3〜5には、ウェッ
ジローラ型の摩擦ローラ式減速機単体の構造を示してい
るが、この様なウェッジローラ型の摩擦ローラ式減速機
と電動モータ或はエンジン等の原動機とを組み合わせて
摩擦ローラ式減速機付電動モータを構成する事も、勿論
可能である。そして、ウェッジローラ型の摩擦ローラ式
減速機と原動機とを組み合わせれば、前述の特開平8−
210455号公報に記載された様な、遊星ローラ型の
摩擦ローラ式減速機を利用した場合よりも、効率の良い
摩擦ローラ式減速機付電動モータを実現できる。図6〜
7は、この様な観点で本発明に先立って考えた、摩擦ロ
ーラ式減速機付電動モータを示している。
【0015】この摩擦ローラ式減速機付電動モータは、
電動モータ24の回転駆動軸25の回転を、ウェッジロ
ーラ型の摩擦ローラ式減速機1aにより減速してから、
出力軸17aを通じて送り出し自在としている。中間部
にロータ26を固定した上記回転駆動軸25は、基端部
(図6の左端部)をモータケース27の底部中央に転が
り軸受28aにより、中間部先端寄り(図6の右端寄
り)部分を上記モータケース27の先端開口部に結合固
定した端板29の略中央部に転がり軸受28bにより、
それぞれ回転自在に支持している。そして、上記モータ
ケース27の内周面に、上記ロータ26と対向する状態
でステータ30を固定している。運転時には上記ロータ
26への通電に基づいて、上記回転駆動軸25を回転駆
動自在としている。尚、この回転駆動軸25の先端部は
上記端板29の外面よりも突出させて、上記摩擦ローラ
式減速機1aの入力部である中心ローラとしての機能を
持たせている。
【0016】上記端板29の上記モータケース27と反
対側面には、減速機ケース31を結合固定している。そ
して、この減速機ケース31と上記端板29とにより囲
まれる空間内に、上記回転駆動軸25の先端部を配置し
ている。尚、この回転駆動軸25の先端寄り部分を挿通
すべく、上記端板29に設けた通孔6aは、上記モータ
ケース27の中央部であって、この端板29及び上記減
速機ケース31の中心から少しだけ外れた位置に設けて
いる。
【0017】又、この減速機ケース31の内側で上記回
転駆動軸25の先端部の周囲部分に3本の支持軸8a、
8bを、この回転駆動軸25の先端部と平行に配置して
いる。即ち、これら各支持軸8a、8bの一端部(図6
の左端部)を上記端板29に支持すると共に、同じく他
端部(図6の右端部)を上記減速機ケース31の軸方向
中間部内側に配置した連結板9aに支持している。この
連結板9aは円板状とし、片面(図6の左面)の略中央
部には凹部32を形成して、上記回転駆動軸25の先端
部との干渉を防止している。
【0018】上記3本の支持軸8a、8bのうち、図7
の下部及び上部左側に位置する2本の支持軸8a、8a
は、それぞれの両端部を上記端板29及び連結板9aに
形成した嵌合孔に圧入固定している。一方、上記連結板
9aは、上記端板29に対し結合固定している。従っ
て、上記2本ずつの支持軸8a、8aが、上記減速機ケ
ース31内で円周方向或は直径方向に変位する事はな
い。これに対して、上記3本の支持軸8a、8bのう
ち、図7の上部右側に位置する残り1本の支持軸8b
は、両端部を上記端板29及び連結板9aに対し、上記
減速機ケース31の円周方向及び直径方向に関する若干
の変位可能に支持している。この為に、上記端板29及
び連結板9aの一部で上記1本の支持軸8bの両端部に
整合する部分に、この支持軸8bの外径よりも大きな内
径を有する支持孔10a、10aを形成し、これら各支
持孔10a、10aに、上記支持軸8bの両端部を緩く
係合させている。
【0019】そして、上述の様に支持した各支持軸8
a、8bの中間部周囲に、それぞれが中間ローラである
ガイドローラ11a、11b及びウェッジローラ12
を、それぞれラジアルニードル軸受等の転がり軸受によ
り、回転自在に支持している。尚、上記連結板9aは、
上記端板29の内面(図6の左面)の一部で、上記軸方
向片側に配置したガイドローラ11a、11b及びウェ
ッジローラ12から外れた位置に突設した突部13a、
13aに突き当て、連結ボルト14、14により、上記
端板29に連結固定している。
【0020】又、前記減速機ケース31の内側に円筒状
の外輪15aを、回転自在に設けている。そして、この
外輪15aの内周面である被駆動側円筒面33と、上記
各ガイドローラ11a、11b及びウェッジローラ12
の外周面である動力伝達用円筒面34、34とを当接自
在としている。又、上記外輪15aの端部(図6の右端
部)は、前記出力軸17aの一端部(図6の左端部)
と、回転力の伝達自在に、且つ、ラジアル方向に関する
若干の位置調節可能に結合している。
【0021】この為に、図示の例では、上記外輪15a
の端部の円周方向複数個所に切り欠き35を、上記出力
軸17aの基端部に結合固定した連結板36の外周縁複
数個所に突片37、37を、それぞれ形成している。そ
して、これら各突片37、37を上記各切り欠き35に
係合させている。又、上記外輪15aの端部内周面に形
成した係止溝に止め輪38を係止して、上記各突片3
7、37が上記各切り欠き35から抜け出る事を防止し
ている。
【0022】上記各ガイドローラ11a、11b及びウ
ェッジローラ12の外周面である、上記動力伝達用円筒
面34、34は、それぞれ前記回転駆動軸25の先端部
の外周面である駆動側円筒面39と上記外輪15aの内
周面である上記被駆動側円筒面33とに当接させてい
る。又、この状態で、前記回転駆動軸25及び回転駆動
軸25の先端部の中心と上記出力軸17a及び外輪15
aの中心とは互いに偏心している。即ち、前述の様に、
上記回転駆動軸25の先端部と同心の回転駆動軸25を
挿通支持する為、前記端板29に形成した通孔6aは、
前記減速機ケース31の中心から少しだけ外れた位置に
設けているのに対して、上記外輪15aと同心の出力軸
17aの中心は、上記減速機ケース31の中心に一致さ
せている。従って、上記回転駆動軸25の先端部と上記
外輪15aとは、上記通孔6aの減速機ケース31の中
心からのずれ量δ分だけ、互いに偏心している。そし
て、上記回転駆動軸25の先端部の外周面である上記駆
動側円筒面39と上記外輪15aの内周面である上記被
駆動側円筒面33との間に存在して上記各ガイドローラ
11a、11b及びウェッジローラ12が設けられた環
状空間19の径方向に関する幅寸法が、このδ分の偏心
量に見合う分だけ、円周方向に関して不同になってい
る。
【0023】この様に、上記環状空間19の幅寸法を円
周方向に関して不同にした分、上記ガイドローラ11
a、11b及びウェッジローラ12の外径を異ならせて
いる。即ち、上記ガイドローラ11a、11b及びウェ
ッジローラ12のうち、それぞれ上記外輪15aに対し
回転駆動軸25の先端部が偏心している側(図6〜7の
上側)に位置するウェッジローラ12及びガイドローラ
11bの外径を、互いに同じにすると共に比較的小径に
している。これに対し、上記外輪15aに対し回転駆動
軸25の先端部が偏心しているのと反対側(図6〜7の
下側)に位置するガイドローラ11aの外径を、上記ウ
ェッジローラ12及びガイドローラ11bの外径よりも
大きくしている。そして、上記ガイドローラ11a、1
1b及びウェッジローラ12の外周面である動力伝達用
円筒面34、34を、それぞれ上記駆動側、被駆動側円
筒面39、33に当接させている。
【0024】尚、上記ガイドローラ11a、11b及び
ウェッジローラ12のうち、各ガイドローラ11a、1
1bを支持した支持軸8a、8aは、前述の様に、上記
減速機ケース31内に固定している。これに対して、上
記ウェッジローラ12を支持した支持軸8bは、やはり
前述した様に前記減速機ケース31内に、円周方向及び
直径方向に関する若干の変位を可能に支持している。従
って、上記ウェッジローラ12も、上記減速機ケース3
1内で円周方向及び直径方向に若干の変位可能である。
そして、前記端板29及び連結板9aのシリンダ孔20
a内に嵌挿した押圧ピン40により、上記ウェッジロー
ラ12を支持した支持軸8bを、これら支持軸8bに回
転自在に支持したウェッジローラ12を前記環状空間1
9の幅の狭い部分に向け移動させるべく、弾性的に軽く
押圧している。尚、上記各押圧ピン40の押圧力は、こ
れら各押圧ピン40の先端部に形成した鍔部と上記シリ
ンダ孔20aの奥面との間に設けた、圧縮コイルばね2
1aにより発生させている。
【0025】上述の様に構成する摩擦ローラ式減速機1
aを組み込んだ摩擦ローラ式減速機付電動モータの場合
には、前記ステータ30への通電に基づいて前記回転駆
動軸25及び前記回転駆動軸25の先端部を、図7の反
時計方向に回転させる。これら回転駆動軸25及び回転
駆動軸25の先端部が回転すると、上記ウェッジローラ
12が、上記回転駆動軸25の先端部の外周面である駆
動側円筒面39及び上記外輪15aの内周面である被駆
動側円筒面33から、上記押圧ピン40による押圧力と
同方向の力を受けて、上記環状空間19の幅の狭い部
分、即ち、図7の上部中央に向け移動する傾向となる。
【0026】この結果、上記ウェッジローラ12の外周
面である動力伝達用円筒面34が、上記駆動側円筒面3
9と上記被駆動側円筒面33とを強く押圧する。そし
て、この動力伝達用円筒面34と上記駆動側円筒面39
との当接部である内径側当接部22、及び、この動力伝
達用円筒面34と上記被駆動側円筒面33との当接部で
ある外径側当接部23の当接圧が高くなる。この様に上
記ウェッジローラ12に関する内径側、外径側両当接部
22、23の当接圧が高くなると、このウェッジローラ
12の外周面に設けた動力伝達用円筒面34により押圧
される部材であり、前述の様に、出力軸17aに対しラ
ジアル方向に関して若干の変位自在に設けられた上記外
輪15aが、直径方向に僅かに変位する。この結果、前
記各ガイドローラ11a、11bに関する内径側、外径
側両当接部22、23の当接圧が高くなる。そして、こ
れら各内径側、外径側両当接部22、23での摩擦係合
に基き、上記回転駆動軸25及び回転駆動軸25の先端
部の回転力を、上記ガイドローラ11a、11b及びウ
ェッジローラ12を介して上記外輪15a及び出力軸1
7aへ伝達自在となる。
【0027】尚、上記ウェッジローラ12を上記環状空
間19の幅の狭い部分に向け移動させようとする力は、
上記回転駆動軸25の先端部から上記外輪15aに伝達
する回転駆動力の大きさに応じて変化する。そして、こ
の力が大きくなる程、上記内径側、外径側両当接部2
2、23の当接圧が高くなる。従って、この様な作用に
基づき、上記伝達する回転駆動力に応じた当接圧を自動
的に選定して、摩擦ローラ式減速機の伝達効率を確保で
きる。
【0028】又、図6〜7に示した摩擦ローラ式減速機
付電動モータに組み込む摩擦ローラ式減速機1aの場合
には、上記回転駆動力の伝達を行なう上記各ガイドロー
ラ11a、11bの外径や取付位置が多少ずれたり、構
成各部材が弾性変形したり、更には上記外輪15aが熱
膨張した場合でも、これら各ガイドローラ11a、11
bに関する内径側、外径側両当接部22、23の当接圧
を、設計値通りに規制できる。即ち、上述の様に、上記
外輪15aを上記出力軸17aに対し、若干の変位可能
に支持している為、上記各ガイドローラ11a、11b
の外径や取付位置がずれた場合には、上記ウェッジロー
ラ12が上記環状空間19の幅寸法が狭い部分に変位す
るのに伴って、上記外輪15aがラジアル方向に変位す
る。そして、上記ガイドローラ11a、11b及びウェ
ッジローラ12(総ての中間ローラ)に関する内径側、
外径側両当接部22、23の当接圧を設計値通りにす
る。従って、上記外径や取付位置が多少ずれたり、構成
各部材が弾性変形したり、更には上記外輪15aが熱膨
張した場合でも、高い伝達効率を得られる。
【0029】一方、前記回転駆動軸25及び回転駆動軸
25の先端部の回転時に上記外輪15aが回転する場合
の様に、この回転駆動軸25の先端部の回転速度よりも
この外輪15aの回転速度が早くなる場合、上記ウェッ
ジローラ12は、前記駆動側円筒面39及び被駆動側円
筒面33から、前記押圧ピン40の押圧力に抗する方向
の力を受けて、前記環状空間19の幅の広い部分に向け
退避する傾向となる。この結果、上記ガイドローラ11
a、11b及びウェッジローラ12(総ての中間ロー
ラ)に関する内径側、外径側両当接部22、23の当接
圧が低下若しくは喪失する。この結果上記摩擦ローラ式
減速機1aは、上記外輪15a及び出力軸17aから上
記回転駆動軸25及び回転駆動軸25の先端部への回転
力の伝達を行なわない状態となる。この為、前記電動モ
ータ24が、上記出力軸17aの回転力に対する抵抗と
なる事はない。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】上述の図6〜7に示し
た構造の場合、電動モータ24の出力を1段の摩擦ロー
ラ式減速機1aでのみ減速している為、減速比が限られ
る。一方、小型でしかも大きなトルクを得られる駆動装
置を実現する為には、小型で高速回転する電動モータと
減速比の大きな減速機とを組み合わせる事が好ましい。
上記図6〜7に示した摩擦ローラ式減速機付電動モータ
を構成する摩擦ローラ式減速機1aの減速比を大きくす
る為には、回転駆動軸25の先端部の外径を小さく、外
輪15aの内径を大きくする必要がある。このうち、回
転駆動軸25の先端部の外径を小さくする事は、この先
端部の強度を確保する面と、この先端部外周面に関する
内径側当接部22、22の接触面積を確保して伝達効率
を確保する面とから限度がある。又、上記外輪15aの
内径を大きくする事は、大型化を抑える面から、やはり
限度がある。
【0031】これに対して、特開平11−37240号
公報には、2個の摩擦ローラ式減速機を、動力の伝達方
向に関して互いに直列に接続する事により、大きな減速
比を得る構造が記載されている。但し、上記公報に記載
された構造は、上記2個の摩擦ローラ式減速機を互いに
独立して設置している為、軸方向寸法が嵩み、必ずしも
十分な小型化を図れない他、実際に機械装置に組み付け
る作業が面倒になる。本発明の摩擦ローラ式減速機付電
動モータは、この様な事情に鑑みて発明したものであ
る。
【0032】
【課題を解決するための手段】本発明の摩擦ローラ式減
速機付電動モータは、電動モータと、それぞれが摩擦ロ
ーラ式減速機である第一減速機及び第二減速機とを、動
力の伝達方向に関して互いに直列に接続して成る。そし
て、上記電動モータの出力を上記第一減速機により減速
した後、更に第二減速機により減速してから取り出す。
この様な摩擦ローラ式減速機付電動モータを構成する、
上記電動モータは、モータケースを有し、このモータケ
ースの先端部に固定した端板の外面から回転駆動軸を突
出させたものである。又、上記第一減速機は、第一減速
機ケースと、第一外輪と、少なくとも1個の第一ガイド
ローラ及び少なくとも1個の第一ウェッジローラと、第
一減速機出力軸とを備える。そして、上記第一減速機ケ
ースは、上記端板の外面に上記回転駆動軸の先端部を囲
む状態でその基端部を結合固定されている。又、上記第
一外輪は、上記第一減速機ケース内で上記回転駆動軸の
周囲に、この回転駆動軸に対し偏心した状態で回転自在
に設けられている。又、上記第一ガイドローラ及び第一
ウェッジローラは、上記回転駆動軸の外周面である第一
駆動側円筒面とこの第一外輪の内周面である第一被駆動
側円筒面との間に存在する、径方向に関する幅が円周方
向に関して不同である第一環状空間内に配置され、それ
ぞれの外周面を第一動力伝達用円筒面としている。更
に、上記第一減速機出力軸は、その基端部を上記第一外
輪に対し回転力の伝達を自在に結合すると共に、その先
端部を上記第一減速機ケースの先端部外面から突出させ
ている。又、上記第二減速機は、第二減速機ケースと、
第二外輪と、少なくとも1個の第二ガイドローラ及び少
なくとも1個の第二ウェッジローラと、第二減速機出力
軸とを備える。そして、上記第二減速機ケースは、上記
第一減速機ケースの先端部外面に、上記第一減速機出力
軸の先端部を囲む状態でその基端部を結合固定されてい
る。又、上記第二外輪は、上記第二減速機ケース内で上
記第一減速機出力軸の周囲に、この第一減速機出力軸に
対し偏心した状態で回転自在に設けられている。又、上
記第二ガイドローラ及び第二ウェッジローラは、上記第
一減速機出力軸の外周面である第二駆動側円筒面とこの
第二外輪の内周面である第二被駆動側円筒面との間に存
在する、径方向に関する幅が円周方向に関して不同であ
る第二環状空間内に配置され、それぞれの外周面を第二
動力伝達用円筒面としている。更に、上記第二減速機出
力軸は、その基端部を上記第二外輪に対し回転力の伝達
を自在に結合すると共に、その先端部を上記第二減速機
ケースの先端部外面から突出させている。
【0033】
【作用】上述の様に構成する本発明の摩擦ローラ式減速
機付電動モータの場合、電動モータの回転駆動軸の回転
は、先ず第一減速機により減速されると共にトルクを増
大されて、この第一減速機を構成する第一減速機出力軸
に伝わる。更にこの第一減速機出力軸の回転は、第二減
速機により減速されると共にトルクを増大されて、この
第二減速機を構成する第二減速機出力軸に伝わる。この
第二減速機出力軸と上記回転駆動軸との間での減速比及
びトルクの増大比は、上記第一減速機の減速比及びトル
クの増大比と上記第二減速機の減速比及びトルクの増大
比との積となる。この為、大きな減速比及びトルク増大
比を得られる。更に、上記電動モータと上記第一減速機
と上記第二減速機とは、モータケースと第一減速機ケー
スとを結合固定し、更にこの第一減速機ケースと第二減
速機ケースとを結合固定する事により、互いに一体とし
て取り扱える様に、互いの間に隙間を設ける事なく結合
固定している。この為、摩擦ローラ式減速機付電動モー
タ全体としての小型・軽量化を図れると共に、各種機械
装置への組み付け作業も容易に行なえる。
【0034】
【発明の実施の形態】図1〜2は、本発明の実施の形態
の1例を示している。本発明の摩擦ローラ式減速機付電
動モータは、電動モータ24aと、それぞれが摩擦ロー
ラ式減速機である第一減速機41及び第二減速機42と
を、動力の伝達方向に関して互いに直列に接続して成
る。そして、上記電動モータ24aの出力を上記第一減
速機41により減速した後、更に第二減速機42により
減速してから取り出す様に構成している。この様な摩擦
ローラ式減速機付電動モータを構成する、上記電動モー
タ24aは、モータケース27aを有し、このモータケ
ース27aの先端部に被着固定した端板29aの外面か
ら回転駆動軸25aを突出させたものである。この回転
駆動25aは、上記第一減速機41の入力軸となるもの
であるが、この回転駆動軸25aは、上記電動モータ2
4aのモータ軸そのものであっても良いし、別体のもの
を結合しても良い。尚、本例の場合、前述の図6〜7に
示した先に考えた構造とは異なり、この回転駆動軸25
aの先端寄り部分は、上記端板29aに形成した通孔6
b内に緩く挿通しているだけである。この点に就いて
は、後で詳しく述べる。
【0035】又、上記第一減速機41は、第一減速機ケ
ース43と、第一外輪44と、2個の第一ガイドローラ
45a、45b及び1個の第一ウェッジローラ46と、
第一減速機出力軸47とを備える。そして、上記第一減
速機ケース43は、上記端板29aの外面に上記回転駆
動軸25aの先端部を囲む状態でその基端部を結合固定
している。即ち、上記第一減速機ケース43は、円筒部
48と円輪状の端板部49とを有する断面L字形で全体
を略円筒状に形成している。このうちの円筒部48の径
方向に関する肉厚は、円周方向に関して不同になってい
る。言い換えれば、この円筒部48の内周面は外周面に
対し偏心している。又、上記端板部49の中央部に設け
た第一取り出し孔50の中心軸は、上記円筒部48の内
周面の中心軸と一致している。これに対して、上記端板
29aに形成した通孔6bの中心軸は、図示の例では、
上記円筒部48の外周面の中心軸と一致している。但
し、これら通孔6bと円筒部48の外周面との中心軸
は、必ずしも一致させる必要はない。この様な第一減速
機ケース43は、この円筒部48の端面を上記端板29
aに、パッキングを介して突き当てた状態で、複数本の
ねじ51、51により、前記モータケース27a及び上
記端板29aに対し結合固定している。
【0036】この様な第一減速機ケース43内で前記回
転駆動軸25aの周囲には上記第一外輪44を、上記円
筒部48の内周面と同心に、上記回転駆動軸25aに対
し偏心した状態で回転自在に設けている。そして、上記
第一外輪44と上記第一減速機出力軸47とを、互いに
同心に配置すると共に回転力の伝達を自在に結合してい
る。又、上記第一減速機出力軸47の先端部を、上記第
一減速機ケース43を構成する上記端板部49の外面か
ら突出させている。この為に本例の場合には、上記第一
減速機出力軸47を上記第一取り出し孔50の内側に、
深溝型玉軸受等のラジアル、アキシアル両方向の荷重を
支承可能な第一転がり軸受52により、軸方向の位置を
規制した状態で回転自在に支持している。そして、上記
第一減速機出力軸47の基端部と上記第一外輪44の先
端部とを、連結板36aを介して、回転力の伝達を自在
に結合している。この様に第一減速機出力軸47の基端
部と第一外輪44の先端部とを結合している部分の構造
は、前述の図6に示した、先に考えた構造と同様である
から、同等部分には同一符号を付して重複する説明は省
略する。
【0037】上述の様に上記第一減速機ケース43内に
回転自在に配置した上記第一外輪44の内周面と、前記
回転駆動軸25aの先端部外周面との間に存在する、径
方向に関する幅が円周方向に関して不同である第一環状
空間53内に、前記第一ガイドローラ45a、45b及
び第一ウェッジローラ46を配置して、ウェッジローラ
型の摩擦ローラ式減速機である、前記第一減速機41を
構成している。尚、この第一減速機41の構成及び作用
に就いては、前述の図6に示した、先に考えた構造とほ
ぼ同様である。特に、本例の場合には、支持軸8a、8
bの片端部(図1の左端部)を支持する連結板9bの中
心部に、上記回転駆動軸25aとの干渉防止を図る為の
凹部32(図6)は設けていない。又、上記第一ガイド
ローラ45a、45b及び第一ウェッジローラ46の軸
方向両端面と上記連結板9b及び前記端板29aとの間
に、スラストニードル軸受54、54を設けて、上記各
ローラ45a、45b、46の回転が円滑に行なわれる
様にしている。尚、上記スラストニードル軸受54、5
4に代えて、スラストワッシャ等の滑り軸受を使用する
事もできる。同様に、上記各ローラ45a、45b、4
6と上記各支持軸8a、8bとの間に設ける軸受に就い
ても、図示の様なラジアルニードル軸受に代えて、滑り
軸受とする事もできる。その他、上記図6〜7に示した
先に考えた構造と同様の部分に就いては、同等部分には
同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0038】又、前記第二減速機42は、第二減速機ケ
ース55と、第二外輪56と、2個の第二ガイドローラ
57及び1個の第二ウェッジローラ58と、第二減速機
出力軸59とを備える。そして、上記第二減速機ケース
55は、前記第一減速機ケース43の先端部外面、即ち
前記端板部49の外面に、前記第一減速機出力軸47の
先端部を囲む状態でその基端部を結合固定している。即
ち、上記第二減速機ケース55は、円筒部60とこの円
筒部60の先端部から径方向内方に折れ曲がった円輪状
の端板部61とを有し、この円筒部60の基端部に、径
方向外方に折れ曲がった取付フランジ62を設けてい
る。又、上記端板部61の内周縁部には、円筒状の支持
筒部63を設けている。この支持筒部63と上記円筒部
60との中心軸は、互いに一致している。これに対し
て、上記取付フランジ62の外周縁の中心軸は、上記支
持筒部63及び上記円筒部60の中心軸と不一致で、上
記第一減速機ケース43の外周面の中心軸と一致してい
る。この様な第二減速機ケース55は、上記取付フラン
ジ62を上記第一減速機ケース43を構成する端板部4
9の外面に突き当てた状態で、複数本のねじ67によ
り、上記第一減速機ケース43に対し結合固定してい
る。
【0039】この様な第二減速機ケース55内で上記第
一減速機出力軸47の先端部周囲には前記第二外輪56
を、上記円筒部60と同心に、この第一減速機出力軸4
7に対し偏心した状態で回転自在に設けている。そし
て、上記第二外輪56と前記第二減速機出力軸59と
を、互いに同心に配置すると共に回転力の伝達を自在に
結合している。又、上記第二減速機出力軸59の先端部
を、上記第二減速機ケース55を構成する上記端板部6
1の外面から突出させている。この為に本例の場合に
は、上記第二減速機出力軸59を上記支持筒部63の内
側に、深溝型玉軸受等のラジアル、アキシアル両方向の
荷重を支承可能な第二転がり軸受64により、軸方向の
位置を規制した状態で回転自在に支持している。そし
て、上記第二減速機出力軸59の基端部と上記第二外輪
56の先端部とを、前記第一減速機41の場合と同様
に、連結板36bを介して、回転力の伝達自在に結合し
ている。尚、上記支持筒部63の先端部内周面と上記第
二減速機出力軸59の中間部外周面との間には、オイル
シール65を設けている。
【0040】上述の様に上記第二減速機ケース55内に
回転自在に配置した上記第二外輪56の内周面と、上記
第一減速機出力軸47の先端部外周面との間に存在す
る、径方向に関する幅が円周方向に関して不同である第
二環状空間66内に、前記第二ガイドローラ57及び第
二ウェッジローラ58を配置して、ウェッジローラ型の
摩擦ローラ式減速機である、前記第二減速機42を構成
している。尚、この第二減速機42の構成及び作用に就
いては、基本的には、前記第一減速機41と同様であ
る。但し、この第一減速機41の入力部である、前記回
転駆動軸25aが、図2で時計方向に回転するのに対し
て、上記第二減速機42の入力部である上記第一減速機
出力軸47は、上記回転駆動軸25aとは逆方向に回転
する。この為、上記第二環状空間66部分での上記第二
ガイドローラ57及び第二ウェッジローラ58の配列
を、上記第一減速機41の場合とは逆にしている。即
ち、上記第一減速機42の配列は、図2とは鏡面対称で
ある。その他、上記第一減速機41と同様の部分に就い
ては、同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0041】上述の様に構成する本発明の摩擦ローラ式
減速機付電動モータの場合、前記電動モータ24aの回
転駆動軸25aの回転は、先ず前記第一減速機41によ
り減速されると共にトルクを増大されて、この第一減速
機41を構成する第一減速機出力軸47に伝わる。更に
この第一減速機出力軸47の回転は、前記第二減速機4
2により減速されると共にトルクを増大されて、この第
二減速機42を構成する第二減速機出力軸59に伝わ
る。この第二減速機出力軸59と上記回転駆動軸25a
との間での減速比及びトルクの増大比は、上記第一減速
機41の減速比及びトルクの増大比と上記第二減速機4
2の減速比及びトルクの増大比との積となる。この為、
大きな減速比及びトルク増大比を得られる。更に、上記
電動モータ24aと上記第一減速機41と上記第二減速
機42とは、前記モータケース27aと前記第一減速機
ケース43とを結合固定し、更にこの第一減速機ケース
43と第二減速機ケース55とを結合固定する事によ
り、互いに一体として取り扱える様に、互いの間に隙間
を設ける事なく結合固定している。この為、摩擦ローラ
式減速機付電動モータ全体としての小型・軽量化を図れ
ると共に、各種機械装置への組み付け作業も容易に行な
える。
【0042】更に、図示の例では、摩擦ローラ式減速機
付電動モータを構成する端板29aの略中央部に、上記
回転駆動軸25aを緩く挿通自在な通孔6bを形成して
いる。この通孔6bの内周面は、上記回転駆動軸25a
の先端部の外径よりも大きな内径を有する。この回転駆
動軸25aは、上記通孔6bを緩く挿通した状態で、上
記端板29aの片面(図1の左面)から、第一減速機ケ
ース43内に突出している。そして、上記回転駆動軸2
5aの先端部でこの第一減速機ケース43内に突出した
部分の外周面である駆動側円筒面39に、上記第一減速
機41を構成する第一ガイドローラ45a、45bと第
一ウェッジローラ46との、合計3個のローラの外周面
である動力伝達用円筒面34、34を当接させている。
この状態で、上記回転駆動軸25aの先端部は、ラジア
ル方向の変位を抑えられた状態で、回転自在に支持され
る。一方、上記回転駆動軸25aの基端部は、電動モー
タ24aのモータケース27aに対し、転がり軸受28
a(図6参照)により回転自在に支持している。
【0043】上述の様に本例の摩擦ローラ式減速機付電
動モータの場合には、上記電動モータ24aの回転駆動
軸25aの先端部を、前記端板29aに対しては特に支
持していない。従ってこの回転駆動軸25aの先端部
は、この先端部外周面と上記通孔6bの内周面との間に
存在する隙間分だけ、ラジアル方向に変位自在である。
従って、前述の図6に示した、先に考えた構造の様に、
回転駆動軸25の先端寄り部分にも転がり軸受28bを
設けた場合とは異なり、上記通孔6bのラジアル方向に
関する位置を厳密に規制しなくても、上記回転駆動軸2
5aの先端側と、上記各第一ガイドローラ45a、45
b及び第一ウェッジローラ46との位置関係を設計通り
にできる。即ち、上記回転駆動軸25aの先端部の外周
面である上記駆動側円筒面39と、上記各ローラ45
a、45b、46の外周面である動力伝達用円筒面3
4、34との当接状態を適正にできる。尚、上記回転駆
動軸25aの先端部外周面と上記通孔6bの内周面との
間には、必要に応じて弾性材製のシールリングを設け
る。この理由は、上記第一減速機ケース43内に存在す
るトラクショングリース等の潤滑剤が、上記モータケー
ス27a内に入り込むのを防止する為である。この様な
目的で上記シールリングを設けても、上記各ローラ45
a、45b、46に倣っての上記回転駆動軸25aのラ
ジアル方向の変位は十分に行なえる。
【0044】しかも図示の例では、第一、第二両減速機
41、42を構成する、第一、第二両外輪44、56
も、径方向に関して若干の変位自在に支持している為、
これら各外輪44、56の内周面である被駆動側円筒面
33と上記各動力伝達用円筒面34、34との当接状態
も適正にできる。即ち、本例の場合には、ラジアル方向
の変位を不能とされた第一、第二各ガイドローラ45
a、45b、57の外周面である動力伝達用円筒面3
4、34に倣って、第一、第二各外輪44、56のラジ
アル方向位置が、自動的に適正になる。この為、運転時
に前記第一、第二各ウェッジローラ46、58が第一、
第二各環状空間53、66の幅の狭い部分に食い込む事
に伴う、被駆動側、動力伝達用、駆動側、各円筒面3
3、34、39同士の当接状態を均一にできる。本例の
場合には、上記回転駆動軸25aの先端寄り部分を支持
する転がり軸受を省略した事と、上記第一、第二各外輪
44、56を径方向に関して若干の変位自在にした事と
により、電動モータ24aと第一、第二各減速機41、
42とを結合固定した構造で、構成各部に極度に厳密な
寸法精度を要求しないで済む様にしている。
【0045】尚、図示の例では、上記第一、第二各減速
機41、42として、2個のガイドローラと1個のウェ
ッジローラとを備え、一方向の回転のみを伝達する構造
のものを使用している。これに対して、第一、第二各減
速機として、前述の図3〜5に示した従来例の様に、1
個のガイドローラと2個のウェッジローラとを備え、両
方向の回転を伝達するウェッジローラ型の摩擦ローラ式
減速機を使用する事もできる。但し、この場合には、電
動モータの回転駆動軸の両端部を、それぞれ転がり軸受
により回転自在に支持する必要がある。この理由は、1
個のガイドローラと2個のウェッジローラとを備えた構
造の場合、回転方向が何れの場合でも、何れか1個のウ
ェッジローラが、回転駆動軸の外周面を十分に支えなく
なる為、この回転駆動軸の先端部を転がり軸受により支
持しない限り、内径側当接部の面圧が不足し易い為であ
る。又、第一、第二各減速機41、42を構成する各ロ
ーラの外径をこれら両減速機41、42で同じとし、部
品の共通化を図る事により、コスト低減を図る事もでき
る。
【0046】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成され作
用するので、小型でしかも大きなトルクを得られる摩擦
ローラ式減速機付電動モータを実現して、摩擦ローラ式
減速機付電動モータの用途拡大並びに実用性向上を図る
事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す、図2のA−
A断面図。
【図2】図1のB−B断面図。
【図3】従来構造の1例を示す断面図。
【図4】図3のC−C断面図。
【図5】同D−D断面図。
【図6】本発明に先立って考えた摩擦ローラ式減速機付
電動モータを示す、図7のE−E断面図。
【図7】図6のF−F断面図。
【符号の説明】
1、1a 摩擦ローラ式減速機 2 本体 3 蓋体 4 減速機ケース 5 中心ローラ 6、6a、6b 通孔 7 入力軸 8a、8b 支持軸 9、9a、9b 連結板 10、10a 支持孔 11、11a、11b ガイドローラ 12、12a、12b ウェッジローラ 13、13a 突部 14 連結ボルト 15、15a 外輪 16 結合ブラケット 17、17a 出力軸 18 第二通孔 19 環状空間 20、20a シリンダ孔 21、21a 圧縮コイルばね 22 内径側当接部 23 外径側当接部 24、24a 電動モータ 25、25a 回転駆動軸 26 ロータ 27、27a モータケース 28a、28b 転がり軸受 29、29a 端板 30 ステータ 31 減速機ケース 32 凹部 33 被駆動側円筒面 34 動力伝達用円筒面 35 切り欠き 36、36a、36b 連結板 37 突片 38 止め輪 39 駆動側円筒面 40 押圧ピン 41 第一減速機 42 第二減速機 43 第一減速機ケース 44 第一外輪 45a、45b 第一ガイドローラ 46 第一ウェッジローラ 47 第一減速機出力軸 48 円筒部 49 端板部 50 第一取り出し孔 51 ねじ 52 第一転がり軸受 53 第一環状空間 54 スラストニードル軸受 55 第二減速機ケース 56 第二外輪 57 第二ガイドローラ 58 第二ウェッジローラ 59 第二減速機出力軸 60 円筒部 61 端板部 62 取付フランジ 63 支持筒部 64 第二転がり軸受 65 オイルシール 66 第二環状空間 67 ねじ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動モータと、それぞれが摩擦ローラ式
    減速機である第一減速機及び第二減速機とを、動力の伝
    達方向に関して互いに直列に接続して成り、上記電動モ
    ータの出力を上記第一減速機により減速した後更に第二
    減速機により減速してから取り出す摩擦ローラ式減速機
    付電動モータであって、 上記電動モータは、モータケースを有し、このモータケ
    ースの先端部に固定した端板の外面から回転駆動軸を突
    出させたものであり、 上記第一減速機は、上記端板の外面に上記回転駆動軸の
    先端部を囲む状態でその基端部を結合固定された第一減
    速機ケースと、この第一減速機ケース内で上記回転駆動
    軸の周囲に、この回転駆動軸に対し偏心した状態で回転
    自在に設けられた第一外輪と、この回転駆動軸の外周面
    である第一駆動側円筒面とこの第一外輪の内周面である
    第一被駆動側円筒面との間に存在する、径方向に関する
    幅が円周方向に関して不同である第一環状空間内に配置
    され、それぞれの外周面を第一動力伝達用円筒面とし
    た、少なくとも1個の第一ガイドローラ及び少なくとも
    1個の第一ウェッジローラと、その基端部を上記第一外
    輪に対し回転力の伝達を自在に結合すると共にその先端
    部を上記第一減速機ケースの先端部外面から突出させた
    第一減速機出力軸とを備えたものであり、 上記第二減速機は、上記第一減速機ケースの先端部外面
    に上記第一減速機出力軸の先端部を囲む状態でその基端
    部を結合固定された第二減速機ケースと、この第二減速
    機ケース内で上記第一減速機出力軸の周囲に、この第一
    減速機出力軸に対し偏心した状態で回転自在に設けられ
    た第二外輪と、この第一減速機出力軸の外周面である第
    二駆動側円筒面とこの第二外輪の内周面である第二被駆
    動側円筒面との間に存在する、径方向に関する幅が円周
    方向に関して不同である第二環状空間内に配置され、そ
    れぞれの外周面を第二動力伝達用円筒面とした、少なく
    とも1個の第二ガイドローラ及び少なくとも1個の第二
    ウェッジローラと、その基端部を上記第二外輪に対し回
    転力の伝達を自在に結合すると共にその先端部を上記第
    二減速機ケースの先端部外面から突出させた第二減速機
    出力軸とを備えたものである摩擦ローラ式減速機付電動
    モータ。
  2. 【請求項2】 第一ウェッジローラを支持した状態で第
    一環状空間の円周方向に変位する第一変位支持軸及び第
    一ガイドローラを支持した状態で上記環状空間の所定位
    置に固定された第一固定支持軸の基端部を、それぞれ端
    板に支持しており、第二ウェッジローラを支持した状態
    で第二環状空間の円周方向に変位する第二変位支持軸及
    び第二ガイドローラを支持した状態で上記環状空間の所
    定位置に固定された第二固定支持軸の基端部を、それぞ
    れ第一減速機ケースに支持している、請求項1に記載し
    た摩擦ローラ式減速機付電動モータ。
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