JP4759833B2 - 減速機一体型原動機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、各種機械装置の駆動部に組み込んで、原動機の回転駆動力を減速すると同時にトルクを増大させて取り出す減速機一体型原動機の改良に関し、安価で小型に構成でき、しかも優れた耐久性を有する構造を実現するものである。
【0002】
【従来の技術】
摩擦ローラ式減速機は、遊星歯車式等、歯車式減速機に比べて高速で運転した場合にも発生する騒音が小さい。この為、摩擦ローラ式減速機を原動機の出力部に組み付けて減速機として使用し、この原動機の回転運動を減速すると共にトルクを増大させる構造が、例えば特開平8−210455号公報、同10−252851号公報等に記載されている。図2〜3は、これら各公報に記載されて従来から知られている減速機一体型原動機の1例を示している。
【0003】
電動モータ1を構成するモータケース2は、有底円筒状のケース本体3と、このケース本体3の一端(図2の下端)開口部を塞ぐ蓋体4とから成る。そして、この様なモータケース2の内側中心部に回転駆動軸5を、このモータケース2の底部に設けた転がり軸受6と後述する遊星ローラ14、14とにより、回転自在に支持している。上記ケース本体3の内周面にはステータ7を、上記回転駆動軸5の中間部外周面でこのステータ7の内周面に対向する部分にはロータ8を、それぞれ固定し、上記ステータ7への通電に基づいて、上記回転駆動軸5を回転駆動自在としている。そして、上記蓋体4の外面(図2の下面)に、摩擦ローラ式減速機9を設けている。上記回転駆動軸5の先端部(図2の下端部)で上記蓋体4の外面から突出した部分は、上記摩擦ローラ式減速機9の入力軸としての役目を有する。
【0004】
この摩擦ローラ式減速機9は、この様に入力軸でもある上記回転駆動軸5の先端部を、中心ローラ10として機能させている。この中心ローラ10は、上記回転駆動軸5と同心であり、外周面を円筒面としている。そして、この中心ローラ10の周囲に外側ドラム11を、上記蓋体4の外面(図2の下面)に固定した状態で配置している。上記中心ローラ10は、この外側ドラム11の内側で回転する。この様な外側ドラム11の内周面は、上記中心ローラ10の外周面と同心の円筒面としている。
【0005】
又、上記外側ドラム11の内周面と上記中心ローラ10の外周面との間の環状空間12内に、それぞれ上記回転駆動軸5と平行に配置した複数本(図示の例では4本)の枢軸13、13の一部を挿入している。そして、これら各枢軸13、13の一部で上記環状空間12の内側に位置する部分に遊星ローラ14、14を、これら各枢軸13、13に対する回転自在に支持している。上記各遊星ローラ14、14の外周面は、それぞれ上記中心ローラ10の外周面及び上記外側ドラム11の内周面に当接する円筒面としている。従って、上記回転駆動軸5の先端部は、上記各遊星ローラ14、14により、回転自在に支持している。更に、上記各枢軸13、13の端部で上記環状空間12から突出した部分を、円輪状のキャリア15に結合固定している。そして、このキャリア15の中心部に、出力軸16の基端部を結合固定している。この出力軸16は、上記蓋体4に対し連結固定したカバー17の中心部に設けた円筒部18の内側に、回転自在に支持している。
【0006】
上述の様に構成される減速機一体型原動機の使用時、前記ステータ7への通電に基づいて前記回転駆動軸5が回転すると、上記中心ローラ10の外周面と上記各遊星ローラ14、14の外周面との摩擦に基づき、これら各遊星ローラ14、14が、上記中心ローラ10の周囲で自転しつつ公転する。この公転運動は、上記各枢軸13、13及び上記キャリア15を介して上記出力軸16に伝達され、この出力軸16が、上記回転駆動軸5よりも低速で回転する。
【0007】
尚、摩擦ローラ式減速機の伝達効率を確保すべく、上記各遊星ローラ14、14の外周面と上記中心ローラ10の外周面及び前記外側ドラム11の内周面との転がり接触部の滑りを防止する為には、これら各周面同士の当接圧を確保する必要がある。この当接圧を確保する為に図2〜3に示した構造の場合、焼きばめにより、上記各遊星ローラ14、14を上記中心ローラ10の外周面と上記外側ドラム11の内周面との間の環状空間12内に挿入している。即ち、上記外側ドラム11を加熱してこの外側ドラム11を熱膨張させてその内径を広げた状態で、上記各遊星ローラ14、14を上記環状空間12内に挿入する。挿入後、上記外側ドラム11が冷却されてこの外側ドラム11の内径が縮めば、上記各周面同士が、摩擦ローラ式減速機9の構成各部材10、11、14の弾性変形に基づいて、十分に大きな圧力で当接する。
【0008】
一方、米国特許第4709589号明細書には、図4〜6に示す様な摩擦ローラ式減速機が記載されている。この従来構造の第2例の摩擦ローラ式減速機9aは、有底円筒状の本体19とこの本体19の基端開口部を塞ぐ蓋体20とから成る固定のハウジング21内に中心ローラ10aの内半部(図4の右半部)を、上記蓋体20の略中央部に形成した通孔22を通じて挿入している。尚、この通孔22は、上記蓋体20の中心から、少しだけ外れた位置に設けている。又、上記中心ローラ10aの外半部(図4の左半部)で上記蓋体20から突出した部分に、入力軸23の端部を結合固定している。
【0009】
又、上記ハウジング21の内側で上記中心ローラ10aの周囲部分に3本の枢軸13a、13bを、それぞれこの中心ローラ10aと平行に配置している。即ち、これら各枢軸13a、13bの一端部(図4の左端部)を上記蓋体20に支持すると共に、他端部(図4の右端部)を連結板24に支持している。尚、これら3本の枢軸13a、13bのうち、図4〜6の上部中央に位置する1本の枢軸13aは、その両端部を上記蓋体20及び連結板24に形成した嵌合孔に圧入固定している。従って、この枢軸13aが、上記ハウジング21内で円周方向或は直径方向に変位する事はない。
【0010】
これに対して、図5〜6の下部左右両側に位置する残り2本の枢軸13b、13bは、両端部を上記蓋体20及び連結板24に対し、上記ハウジング21の円周方向及び直径方向に関する若干の変位自在に支持している。この為に、上記蓋体20及び連結板24の一部で上記枢軸13b、13bの両端部に整合する部分には、図6に示す様に、上記両枢軸13b、13bの外径よりも大きな内径を有する支持孔25、25を形成し、これら各支持孔25、25に、上記両枢軸13b、13bの両端部を緩く係合させている。そして、これら各枢軸13a、13bの中間部周囲に、それぞれが中間ローラであるガイドローラ26及びウェッジローラ27a、27bを、回転自在に支持している。尚、上記連結板24は、上記蓋体20の内面(上記ガイドローラ26及びウェッジローラ27a、27bを設置した空間側の面で、図4の右面)の一部で、上記ガイドローラ26及びウェッジローラ27a、27bから外れた位置に突設した突部28、28に突き当て、連結ボルト29、29により、上記蓋体20に連結固定している。
【0011】
又、上記ハウジング21の内側で上記ガイドローラ26及びウェッジローラ27a、27bを囲む部分には、円環状の外輪30を、回転自在に設けている。この外輪30の内周面中央部は直径方向内方に突出させる事により、土手状の凸部31とし、この凸部31の内周面を円筒面としている。そして、この凸部31の内周面と、上記ガイドローラ26及びウェッジローラ27a、27bの外周面とを当接自在としている。又、上記外輪30には、結合ブラケット32の外径側端部を外嵌固定し、この結合ブラケット32の中心部に、出力軸16aの基端部を結合固定している。この出力軸16aは、前記ハウジング21を構成する本体19の中央部に形成した第二の通孔33を回転自在に挿通して、このハウジング21外に突出させている。
【0012】
上記ガイドローラ26及びウェッジローラ27a、27bの外周面は、前記中心ローラ10aの外周面と上記外輪30の内周面とに当接させている。上記中心ローラ10aの中心と上記出力軸16a及び外輪30の中心とは互いに偏心している。即ち、前述の様に、上記中心ローラ10aを挿通する通孔22は、上記ハウジング21の中心から少しだけ外れた位置に設けているのに対して、上記出力軸16aを挿通する第二の通孔33は上記ハウジング21の中心に設けている。又、この第二の通孔33の内側に回転自在に支持した出力軸16aと外輪30とは互いに同心である。従って、上記中心ローラ10aと上記外輪30及び出力軸16aとは、上記通孔22のハウジング21の中心からのずれ量δ(図4参照)分だけ、互いに偏心している。そして、上記中心ローラ10aの外周面と上記外輪30に形成した凸部31の内周面との間に存在して上記ガイドローラ26及びウェッジローラ27a、27bが設けられた環状空間12aの幅寸法が、このδ分の偏心量に見合う分だけ、円周方向に関して不同になっている。
【0013】
この様に、上記環状空間12aの幅寸法を円周方向に関して不同にした分、上記ガイドローラ26及びウェッジローラ27a、27bの外径を異ならせている。即ち、上記外輪30に対して中心ローラ10aが偏心している側(図4〜6の下側)に位置するウェッジローラ27a、27bの径を、互いに同じとすると共に比較的小径にしている。これに対して、上記外輪30に対して中心ローラ10aが偏心しているのと反対側(図4〜6の上側)に位置するガイドローラ26の径を、上記両ウェッジローラ27a、27bよりも大きくしている。そして、これら3個の、それぞれが中間ローラであるガイドローラ26及びウェッジローラ27a、27bの外周面を、上記中心ローラ10aの外周面及び上記外輪30の内周面に当接させている。
【0014】
尚、それぞれが中間ローラである、上記1個のガイドローラ26及び2個のウェッジローラ27a、27bのうち、ガイドローラ26を支持した枢軸13aは、前述の様に、上記ハウジング21内に固定している。これに対して、ウェッジローラ27a、27bを支持した枢軸13b、13bは、やはり前述した様に上記ハウジング21内に、円周方向及び直径方向に関して若干の変位を自在に支持している。従って、上記ウェッジローラ27a、27bも、上記ハウジング21内で円周方向及び直径方向に若干の変位自在である。そして、前記蓋体20のシリンダ孔34、34内に装着した圧縮コイルばね35、35等の弾性材により、上記各ウェッジローラ27a、27bを支持した枢軸13b、13bを、これら各枢軸13b、13bに回転自在に支持したウェッジローラ27a、27bを前記環状空間12aの幅の狭い部分に向け移動させるべく、弾性的に軽く押圧している。
【0015】
上述の様に構成される従来構造の第2例の摩擦ローラ式減速機9aの場合、入力軸23に結合した中心ローラ10aの回転は、この中心ローラ10aの外周面とガイドローラ26及びウェッジローラ27a、27bの外周面との当接部である、各内径側当接部36、36を介して、これらガイドローラ26及びウェッジローラ27a、27bに伝わる。更に、これらガイドローラ26及びウェッジローラ27a、27bの回転は、上記ガイドローラ26及びウェッジローラ27a、27bの外周面と前記外輪30の内周面との当接部である、各外径側当接部37、37を介して、この外輪30に伝わる。そして、この外輪30に結合固定した前記出力軸16aが回転する。
【0016】
上記中心ローラ10aが図5〜6の時計方向(又は反時計方向)に、外輪30が同じく反時計方向(又は時計方向)に、それぞれ回転すると、図5〜6の右側の枢軸13b(又は左側の枢軸13b)に回転自在に支持したウェッジローラ27a(又は27b)が、上記中心ローラ10aの外周面と外輪30の内周面との間に存在する環状空間12a内で、この環状空間12aの幅の狭い部分(図5〜6の下側中央部分)に向け移動する。この結果、上記右側の枢軸13b(又は左側の枢軸13b)に回転自在に支持したウェッジローラ27a(又は27b)の外周面が、上記中心ローラ10aの外周面と外輪30の内周面とを強く押圧する。そして、当該ウェッジローラ27a(又は27b)の外周面と上記中心ローラ10aの外周面との当接部である内径側当接部36、及び、当該ウェッジローラ27a(又は27b)の外周面と上記外輪30の内周面との当接部である外径側当接部37の当接圧が高くなる。
【0017】
上記1個のウェッジローラ27a(又は27b)に関する内径側、外径側両当接部36、37の当接圧が高くなると、上記中心ローラ10aと外輪30とのうちの少なくとも一方の部材が、組み付け隙間、或は弾性変形等に基づき、それぞれの直径方向に関して僅かに変位する。この結果、残り2個の中間ローラである、ガイドローラ26及びウェッジローラ27b(又は27a)の外周面と上記中心ローラ10aの外周面との当接部である2個所の内径側当接部36、36、及びこれらウェッジローラ27b(又は27a)及びガイドローラ26の外周面と外輪30の内周面との当接部である2個所の外径側当接部37、37の当接圧が高くなる。
【0018】
上記1本の枢軸13bに回転自在に支持したウェッジローラ27a(又は27b)を、上記環状空間12a内でこの環状空間12aの幅の狭い部分に向け移動させようとする力は、上記中心ローラ10aから上記外輪30に伝達するトルクの大きさに応じて変化する。即ち、上記中心ローラ10aの駆動トルクが大きくなる程、上記ウェッジローラ27a(又は27b)を上記環状空間12aの幅の狭い部分に向け移動させようとする力が大きくなる。そして、この力が大きくなる程、上記各内径側、外径側両当接部36、37の当接圧が大きくなる。逆に言えば、上記駆動トルクが小さい場合には、これら各内径側、外径側両当接部36、37の当接圧が小さい。
【0019】
【本発明に先立って考えた構造】
図4〜6には、ウェッジローラ型の摩擦ローラ式減速機単体の構造を示しているが、この様なウェッジローラ型の摩擦ローラ式減速機と電動モータ或はエンジン等の原動機とを組み合わせて減速機一体型原動機を構成する事も、勿論可能である。そして、ウェッジローラ型の摩擦ローラ式減速機と原動機とを組み合わせれば、前述の図2〜3に示した様な、遊星ローラ型の摩擦ローラ式減速機を利用した場合よりも、効率の良い減速機一体型原動機を実現できる。図7〜8は、この様な観点で本発明に先立って考えた、減速機一体型原動機を示している。
【0020】
この減速機一体型原動機は、原動機である電動モータ1aの回転駆動軸5aの回転を、ウェッジローラ型の摩擦ローラ式減速機9bにより減速してから、出力軸16bから送り出し自在としている。中間部にロータ8aを固定した上記回転駆動軸5aは、基端部(図7の左端部)をモータケース2aの底部中央に転がり軸受6aにより、中間部先端寄り(図7の右端寄り)部分を上記モータケース2aの開口端部に結合固定した仕切板38の略中央部に転がり軸受6bにより、それぞれ回転自在に支持している。そして、上記モータケース2aの内周面に、上記ロータ8aと対向する状態でステータ7aを固定している。運転時には上記ロータ8aへの通電に基づいて、上記回転駆動軸5aを回転駆動自在としている。尚、この回転駆動軸5aは、上記摩擦ローラ式減速機9bの入力部である中心ローラ10bと一体に構成している。
【0021】
上記仕切板38の上記モータケース2aと反対側面には、減速機ケース39を結合固定している。そして、この減速機ケース39と上記仕切板38とにより囲まれる空間内に、上記回転駆動軸5aと一体に設けた中心ローラ10bを配置している。尚、この中心ローラ10bと同心の上記回転駆動軸5aの先端寄り部分を挿通すべく、上記仕切板38に設けた通孔22aは、上記モータケース2aの中央部であって、この仕切板38及び上記減速機ケース39の中心から少しだけ外れた位置に設けている。
【0022】
又、この減速機ケース39の内側で上記中心ローラ10bの周囲部分に3本の枢軸13a、13bを、この中心ローラ10bと平行に配置している。即ち、これら各枢軸13a、13bの一端部(図7の左端部)を上記仕切板38に支持すると共に、同じく他端部(図7の右端部)を上記減速機ケース39の軸方向中間部内側に配置した連結板24aに支持している。この連結板24aは円板状とし、片面(図7の左面)の略中央部には凹部40を形成して、上記中心ローラ10bとの干渉を防止している。
【0023】
上記3本の枢軸13a、13bのうち、図8の下部及び上部左側に位置する2本の枢軸13a、13aは、それぞれの両端部を上記仕切板38及び連結板24aに形成した嵌合孔に圧入固定している。一方、上記連結板24aは、上記仕切板38に対し結合固定している。従って、上記2本ずつの枢軸13a、13aが、上記減速機ケース39内で円周方向或は直径方向に変位する事はない。これに対して、上記3本の枢軸13a、13bのうち、図8の上部右側に位置する残り1本の枢軸13bは、両端部を上記仕切板38及び連結板24aに対し、上記減速機ケース39の円周方向及び直径方向に関する若干の変位自在に支持している。この為に、上記仕切板38及び連結板24aの一部で上記1本の枢軸13bの両端部に整合する部分に、この枢軸13bの外径よりも大きな内径を有する支持孔25a、25aを形成し、これら各支持孔25a、25aに、上記枢軸13bの両端部を緩く係合させている。
【0024】
そして、上述の様に支持した各枢軸13a、13bの中間部周囲に、それぞれが中間ローラであるガイドローラ26a、26b及びウェッジローラ27を、それぞれラジアルニードル軸受等の転がり軸受により、回転自在に支持している。尚、上記連結板24aは、上記仕切板38の内面(図7の左面)の一部で、上記軸方向片側に配置したガイドローラ26a、26b及びウェッジローラ27から外れた位置に突設した突部28a、28aに突き当て、連結ボルト29、29により、上記仕切板38に連結固定している。
【0025】
又、前記減速機ケース39の内側に円筒状の外輪30aを、回転自在に設けている。そして、この外輪30aの内周面である被駆動側円筒面41と、上記各ガイドローラ26a、26b及びウェッジローラ27の外周面である動力伝達用円筒面42、42とを当接自在としている。又、上記外輪30aの端部(図7の右端部)は、前記出力軸16bの一端部(図7の左端部)と、回転力の伝達自在に、且つ、ラジアル方向に関する若干の位置調節自在に結合している。
【0026】
この為に、図示の例では、上記外輪30aの端部の円周方向複数個所に切り欠き43を、上記出力軸16bの基端部に結合固定した連結板44の外周縁複数個所に突片45、45を、それぞれ形成している。そして、これら各突片45、45を上記各切り欠き43に係合させている。又、上記外輪30aの端部内周面に形成した係止溝に止め輪46を係止して、上記各突片45、45が上記各切り欠き43から抜け出る事を防止している。
【0027】
上記各ガイドローラ26a、26b及びウェッジローラ27の外周面である、上記動力伝達用円筒面42、42は、それぞれ前記中心ローラ10bの外周面である駆動側円筒面47と上記外輪30aの内周面である上記被駆動側円筒面41とに当接させている。又、この状態で、前記回転駆動軸5a及び中心ローラ10bの中心と上記出力軸16b及び外輪30aの中心とは互いに偏心している。即ち、前述の様に、上記中心ローラ10bと同心の回転駆動軸5aを挿通支持する為、前記仕切板38に形成した通孔22aは、前記減速機ケース39の中心から少しだけ外れた位置に設けているのに対して、上記外輪30aと同心の出力軸16bの中心は、上記減速機ケース39の中心に一致させている。従って、上記中心ローラ10bと上記外輪30aとは、上記通孔22aの減速機ケース39の中心からのずれ量δ分だけ、互いに偏心している。そして、上記中心ローラ10bの外周面である上記駆動側円筒面47と上記外輪30aの内周面である上記被駆動側円筒面41との間に存在して上記各ガイドローラ26a、26b及びウェッジローラ27が設けられた環状空間12aの径方向に関する幅寸法が、このδ分の偏心量に見合う分だけ、円周方向に関して不同になっている。
【0028】
この様に、上記環状空間41の幅寸法を円周方向に関して不同にした分、上記ガイドローラ26a、26b及びウェッジローラ27の外径を異ならせている。即ち、上記ガイドローラ26a、26b及びウェッジローラ27のうち、それぞれ上記外輪30aに対し中心ローラ10bが偏心している側(図7〜8の上側)で、前記環状空間12aの円周方向に関してこの環状空間12aの径方向に関する幅が最小になっている部分を挟んだ両側部分に位置するウェッジローラ27及び(第一の)ガイドローラ26bの外径を、互いに同じにすると共に比較的小径にしている。これに対し、上記外輪30aに対し中心ローラ10bが偏心しているのと反対側(図7〜8の下側)に位置する(第二の)ガイドローラ26aの外径を、上記ウェッジローラ27及びガイドローラ26bの外径よりも大きくしている。そして、上記ガイドローラ26a、26b及びウェッジローラ27の外周面である動力伝達用円筒面42、42を、それぞれ上記駆動側、被駆動側円筒面47、41に当接させている。
【0029】
尚、上記ガイドローラ26a、26b及びウェッジローラ27のうち、各ガイドローラ26a、26bを支持した枢軸13a、13aは、前述の様に、上記減速機ケース39内に固定している。これに対して、上記ウェッジローラ27を支持した枢軸13bは、やはり前述した様に前記減速機ケース39内に、円周方向及び直径方向に関する若干の変位を自在に支持している。従って、上記ウェッジローラ27も、上記減速機ケース39内で円周方向及び直径方向に若干の変位自在である。そして、前記仕切板38及び連結板24aのシリンダ孔34a内に嵌挿した押圧ピン48により、上記ウェッジローラ27を支持した枢軸13bを、これら枢軸13bに回転自在に支持したウェッジローラ27を前記環状空間12aの幅の狭い部分に向け移動させるべく、弾性的に軽く押圧している。尚、上記各押圧ピン48の押圧力は、これら各押圧ピン48の先端部に形成した鍔部と上記シリンダ孔34aの奥面との間に設けた圧縮コイルばね35aにより発生させている。
【0030】
上述の様に構成する摩擦ローラ式減速機9bを組み込んだ減速機一体型原動機の場合には、前記ステータ7aへの通電に基づいて前記回転駆動軸5a及び前記中心ローラ10bを、図8の反時計方向に回転させる。これら回転駆動軸5a及び中心ローラ10bが回転すると、上記ウェッジローラ27が、上記中心ローラ10bの外周面である駆動側円筒面47及び上記外輪30aの内周面である被駆動側円筒面41から、上記押圧ピン48による押圧力と同方向の力を受けて、上記環状空間12aの幅の狭い部分、即ち、図8の上部中央に向け移動する傾向となる。
【0031】
この結果、上記ウェッジローラ27の外周面である動力伝達用円筒面42が、上記駆動側円筒面47と上記被駆動側円筒面41とを強く押圧する。そして、この動力伝達用円筒面42と上記駆動側円筒面47との当接部である内径側当接部49、及び、この動力伝達用円筒面42と上記被駆動側円筒面41との当接部である外径側当接部50の当接圧が高くなる。この様に上記ウェッジローラ27に関する内径側、外径側両当接部49、50の当接圧が高くなると、このウェッジローラ27の外周面に設けた動力伝達用円筒面42により押圧される部材であり、前述の様に、出力軸16bに対しラジアル方向に関して若干の変位自在に設けられた上記外輪30aが、直径方向に僅かに変位する。この結果、前記各ガイドローラ26a、26bに関する内径側、外径側両当接部49、50の当接圧が高くなる。そして、これら各内径側、外径側両当接部49、50での摩擦係合に基き、上記回転駆動軸5a及び中心ローラ10bの回転力を、上記ガイドローラ26a、26b及びウェッジローラ27を介して上記外輪30a及び出力軸16bへ伝達自在となる。
【0032】
尚、上記ウェッジローラ27を上記環状空間12aの幅の狭い部分に向け移動させようとする力は、上記中心ローラ10bから上記外輪30aに伝達する回転駆動力の大きさに応じて変化する。そして、この力が大きくなる程、上記内径側、外径側両当接部49、50の当接圧が高くなる。従って、この様な作用に基づき、上記伝達する回転駆動力に応じた当接圧を自動的に選定して、摩擦ローラ式減速機の伝達効率を確保できる。
【0033】
又、図7〜8に示した減速機一体型原動機に組み込む摩擦ローラ式減速機9bの場合には、上記回転駆動力の伝達を行なう上記各ガイドローラ26a、26bの外径や取付位置が多少ずれたり、構成各部材が弾性変形したり、更には上記外輪30aが熱膨張した場合でも、これら各ガイドローラ26a、26bに関する内径側、外径側両当接部49、50の当接圧を、設計値通りに規制できる。即ち、上述の様に、上記外輪30aを上記出力軸16bに対し、若干の変位自在に支持している為、上記各ガイドローラ26a、26bの外径や取付位置がずれた場合には、上記ウェッジローラ27が上記環状空間12aの幅寸法が狭い部分に変位するのに伴って、上記外輪30aがラジアル方向に自在に変位する。そして、上記ガイドローラ26a、26b及びウェッジローラ27(総ての中間ローラ)に関する内径側、外径側両当接部49、50の当接圧を設計値通りにする。従って、上記外径や取付位置が多少ずれたり、構成各部材が弾性変形したり、更には上記外輪30aが熱膨張した場合でも、高い伝達効率を得られる。
【0034】
一方、前記回転駆動軸5a及び中心ローラ10bの回転時に上記外輪30aが回転する場合の様に、この中心ローラ10bの回転速度よりもこの外輪30aの回転速度が早くなる場合、上記ウェッジローラ27は、前記駆動側円筒面47及び被駆動側円筒面41から、前記押圧ピン48の押圧力に抗する方向の力を受けて、前記環状空間12aの幅の広い部分に向け退避する傾向となる。この結果、上記ガイドローラ26a、26b及びウェッジローラ27(総ての中間ローラ)に関する内径側、外径側両当接部49、50の当接圧が低下若しくは喪失する。この結果上記摩擦ローラ式変速機9bは、上記外輪30a及び出力軸16bから上記回転駆動軸5a及び中心ローラ10bへの回転力の伝達を行なわない状態となる。この為、前記電動モータ1aが、上記出力軸16bの回転力に対する抵抗となる事はない。
【0035】
【発明が解決しようとする課題】
図7〜8に示す様な減速機一体型原動機を構成する場合、仕切板38の中央部に形成する通孔22aの精度を十分に確保する必要がある。この理由は、この通孔22aの内側に転がり軸受6bを介して支持する、回転駆動軸5aの先端部の位置決め精度を確保する為である。即ち、この回転駆動軸5aの先端部にこの回転駆動軸5aと一体に形成した中心ローラ10bのラジアル方向に関する位置は、この中心ローラ10bの外周面に設けた駆動側円筒面47と、ガイドローラ26a、26b及びウェッジローラ27の外周面である動力伝達用円筒面42、42(特にラジアル方向に変位しないガイドローラ26a、26aに関する動力伝達用円筒面42、42)との当接状態を適正にする為、厳密に規定する必要がある。
【0036】
一方、上記通孔22aは、上記仕切板38の中央部から少し外れた位置に設けている為、この通孔22aを、ラジアル方向位置を厳密に規制しつつ加工する事は難しい。即ち、上記仕切板38の片面で減速機ケース39の基端開口部を結合固定する部分には、これら仕切板38と減速機ケース39とのラジアル方向に関する位置決めを図る為の嵌合用段差部51を形成しているが、この嵌合用段差部51は、上記仕切板38の外周縁及び上記減速機ケース39と同心である。これに対して上記通孔22aの中心軸は、前述した通り、これら仕切板38及び減速機ケース39の中心軸に対し少しだけ偏心している。この為、上記嵌合用段差部51と上記通孔22aとを旋盤や研削盤で加工する際に、ワンチャックで加工する事はできない。即ち、上記嵌合用段差部51を加工する場合と上記通孔22aを加工する場合とで、上記仕切板38を上記旋盤や研削盤のチャックに対し付け替える必要がある。
【0037】
特に、図7に示した様に、上記通孔22aの内周面に、前記転がり軸受6bの外輪を突き当てる為の段差部52を、モータケース2aの側に向けて形成した場合、この段差部52は図7の左側から、上記嵌合用段差部51は同じく右側から、それぞれ加工する必要がある。従って、上記仕切板38のチャックへの付け替え作業は必須となる。この様な付け替え作業に拘らず上記通孔22aのラジアル位置を厳密に規制する作業は面倒で、この通孔22aを有する上記仕切板38の加工コストを高くする原因となる。
【0038】
更に、図7〜8に示したウェッジローラ型の摩擦ローラ式減速機9bは、図2〜3に示した遊星ローラ型の摩擦ローラ式減速機に比べて伝達効率が良い代わりに、次の様な理由からも、前記回転駆動軸5aの先端側の支持部の構造を工夫する事が望まれている。即ち、前述した通り上記ウェッジローラ型の摩擦ローラ式減速機9bによる動力伝達時には、ウェッジローラ27が環状空間12aの幅の狭い部分に楔状に食い込む結果、外輪30aが径方向に変位する他、上記回転駆動軸5aと一体の中心ローラ10bも、僅かとは言え径方向に変位する傾向になる。図7〜8に示した先に考えた構造の場合には、この変位を転がり軸受6b部分で吸収する必要がある。
【0039】
この転がり軸受6b部分で上記径方向の変位を吸収する為には、この転がり軸受6bを構成する内輪と上記回転駆動軸5aとの嵌合部と、同じく外輪と通孔22aとの嵌合部とのうちの、少なくとも一方の嵌合部の嵌め合いを緩くするか、上記転がり軸受6bの内部隙間を大きくする事が考えられる。但し、上記嵌合部の嵌め合いを緩くし過ぎると、当該嵌合部でクリープが発生して嵌合面が摩耗し、減速機一体型原動機の耐久性が損なわれる。一方、上記内部隙間を大きくする事に関しても、運転時に発生する騒音を抑え、損傷防止を図る事を考慮した場合には限度がある。
本発明はこの様な事情に鑑みて、減速機一体型原動機のコスト低減を、性能を維持しつつ図るべく発明したものである。
【0040】
【課題を解決するための手段】
本発明の減速機一体型原動機は、先に考えた減速機一体型原動機と同様に、電動モータ或はエンジン等の原動機と、この原動機の回転駆動軸と、この回転駆動軸の先端部に一体に設けた入力軸と、この入力軸の回転を減速してから出力軸を通じて取り出す減速機とを備える。
又、この減速機は、上記回転駆動軸及び入力軸と一体の中心ローラと、この中心ローラの周囲にこの中心ローラに対し偏心した状態で配置された外輪と、この中心ローラの外周面である駆動側円筒面とこの外輪の内周面である被駆動側円筒面との間に存在する、径方向に関する幅が円周方向に関して不同である環状空間内に配置され、それぞれの外周面を動力伝達用円筒面とした、それぞれ少なくとも1個ずつのガイドローラ及びウェッジローラを含む3個以上の中間ローラとを備えるウェッジローラ型の摩擦ローラ式減速機である。そして、このうちのガイドローラを支持軸を中心とする回転のみ自在として支持する一方、上記ウェッジローラを、支持軸を中心とする回転及び少なくとも上記環状空間の円周方向に関する移動自在に支持すると共に、上記ウェッジローラをこの環状空間の幅の狭い側に向け弾性的に押圧している。
更に、上記原動機の回転駆動軸は、この原動機のモータケースの内部空間と上記摩擦ローラ式減速機の減速機ケースの内部空間との間を仕切る仕切板に設けた通孔に緩く挿通した状態で、その先端部に設けた上記中心ローラを上記減速機ケース内に突出させており、且つ、その基端部のみを上記モータケースに対し、転がり軸受により回転自在に支持されている。
上述の様な本発明の減速機一体型原動機を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した発明の様に、上記外輪の端部の円周方向複数個所に形成した切り欠きと、上記出力軸の基端部に結合固定した連結板の外周縁複数個所に形成した突片とを係合させる事により、これら外輪と出力軸とを、回転力の伝達自在に、且つ、ラジアル方向に関する位置調節自在に結合する。
又、好ましくは、請求項3に記載した発明の様に、上記環状空間のうち、上記外輪に対し上記中心ローラが偏心している側で、円周方向に関してこの環状空間の径方向に関する幅が最小になっている部分を挟んだ両側部分に、第一のガイドローラとウェッジローラとを位置させる。又、上記環状空間のうち、上記外輪に対し上記中心ローラが偏心しているのと反対側の部分に、第二のガイドローラを位置させる。そして、上記第一のガイドローラの外径と上記ウェッジローラの外径とを互いに同じにすると共に、上記第二のガイドローラの外径を、これら第一のガイドローラ及びウェッジローラの外径よりも大きくする。
【0041】
【作用】
上述の様に構成する本発明の減速機一体型原動機の場合、原動機の回転駆動軸の先端部(中心ローラ)は、摩擦ローラ式減速機を構成する3個以上の中間ローラにより、回転自在に支持される。従って、これら中間ローラに対する上記回転駆動軸の先端部のラジアル方向位置は自動的に適正に規制される。この為、この回転駆動軸の先端部を回転自在に支持する部分の加工に要求される精度を低くして、減速機一体型原動機のコスト低減を図れる。又、ウェッジローラ型の摩擦ローラ式減速機を構成する中心ローラの径方向に関する変位を、クリープや騒音の発生、更には構成部品の耐久性低下を招来する事なく吸収できる。
【0042】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の形態の1例を示している。尚、本発明の特徴は、コスト低減及び耐久性向上を図るべく、電動モータ1a等の原動機を構成する回転駆動軸5aの先端部を回転自在に支持する部分の構造に関する。その他の部分の構造及び作用は、前述の図7〜8に示した、先に考えた減速機一体型原動機と同様であるから、同等部分に関する説明は省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。
【0043】
本発明の減速機一体型原動機を構成する仕切板38の略中央部に、上記回転駆動軸5aを緩く挿通自在な通孔22bを形成している。この通孔22bの内周面は、上記回転駆動軸5aの先端部の外径よりも大きな内径を有する、単なる円筒面としている。この回転駆動軸5aは、上記通孔22b緩く挿通した状態で、上記仕切板38の片面(図1の右面)から、減速機ケース39内に突出している。上記回転駆動軸5aの先端部でこの減速機ケース39内に突出した部分は、摩擦ローラ式減速機9bの中心ローラ10bとしている。そして、この中心ローラ10bの外周面である駆動側円筒面47に、上記摩擦ローラ式減速機9bを構成するガイドローラ26a、26bとウェッジローラ27との、合計3個のローラの外周面である動力伝達用円筒面42、42を当接させている(図1の他、前述の図8参照)。この状態で、上記中心ローラ10bをその先端部に一体に設けた上記回転駆動軸5aは、ラジアル方向の変位を抑えられた状態で、回転自在に支持される。一方、上記回転駆動軸5aの基端部は、電動モータ1aのモータケース2aに対し、転がり軸受6aにより回転自在に支持している。この部分の構造は、前述の図7〜8に示した、先に考えた構造の場合と同様である。
【0044】
上述の様に本発明の減速機一体型原動機の場合には、上記電動モータ1aの回転駆動軸5aの先端部を、前記仕切板38に対しては特に支持していない。従ってこの回転駆動軸5aの先端部は、この先端部外周面と上記通孔22bの内周面との間に存在する隙間分だけ、ラジアル方向に変位自在である。従って、上記通孔22bのラジアル方向に関する位置を厳密に規制しなくても、上記回転駆動軸5aの先端側に一体に設けた上記中心ローラ10bと、上記各ガイドローラ26a、26b及びウェッジローラ27との位置関係を設計通りにできる。即ち、上記中心ローラ10bの外周面である上記駆動側円筒面47と、上記各ローラ26a、26b、27の外周面である動力伝達用円筒面42、42との当接状態を適正にできる。尚、上記回転駆動軸5aの先端部外周面と上記通孔22bの内周面との間には、必要に応じて弾性材製のシールリングを設ける。この理由は、上記減速機ケース39内に存在するトラクショングリース等の潤滑剤が、上記モータケース2a内に入り込むのを防止する為である。この様な目的で上記シールリングを設けても、上記各ローラ26a、26b、27に倣っての上記回転駆動軸のラジアル方向の変位は十分に行なえる。
【0045】
しかも図示の例では、外輪30aも径方向に関して若干の変位自在に支持している為、この外輪30aの内周面である被駆動側円筒面41と上記各動力伝達用円筒面42、42との当接状態も適正にできる。即ち、本例の場合には、ラジアル方向の変位を不能とされた上記各ガイドローラ26a、26bの外周面である動力伝達用円筒面42、42に倣って、上記中心ローラ10b及び上記外輪30aのラジアル方向位置が、自動的に適正になる。又、この状態では、摩擦ローラ式減速機9bを構成する3個のローラ26a、26b、27により、上記回転駆動軸5aの先端部が回転自在に支持される。この為、この回転駆動軸5aの先端部を回転自在に支持する部分の加工に要求される精度を低くできる。そして、加工精度を低くできる事と、上記通孔22bの形状を単純にできる事と、この通孔22bの内側の転がり軸受を省略できる事とにより、減速機一体型原動機のコスト低減を図れる。又、運転時に前記ウェッジローラ27が環状空間の幅の狭い部分に食い込む事に伴う、上記中心ローラ10bの径方向に関する変位を、クリープや騒音の発生、更には構成部品の耐久性低下を招来する事なく吸収できる。
【0046】
尚、前記摩擦ローラ式減速機9bによる動力の非伝達時に、上記回転駆動軸5aの先端部を回転自在に支持する3個のローラ26a、26b、27のうちのウェッジローラ27は、圧縮コイルばね35aの弾力に抗して環状空間12aの幅の広い側(図8参照)に変位する可能性がある。そして、変位した場合には、上記ウェッジローラ27のラジアル方向に関する位置が僅かに変化し、上記中心ローラ10bの先端部の回転支持部ががたつく可能性がある。この様な状態は、仮に発生しても、上記摩擦ローラ式減速機9bによる動力の非伝達時であるから、特に問題とはならない。但し、僅かながたつきの発生も防止する必要があれば、上記圧縮コイルばね35aの弾力を大きめにして、動力の伝達時に上記回転駆動軸5aを傾斜させる方向に加わる力(例えばステータ7aとロータ8aとの間に加わる磁気吸引力)によって、上記ウェッジローラ27が上記環状空間12aの幅の広い側に変位しない様にする。
【0047】
【発明の効果】
本発明は、以上に述べた通り構成され作用するので、減速機一体型原動機のコスト低減並びに耐久性の向上を、性能を維持しつつ図って、減速機一体型原動機の実用性向上を図る事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す、図7と同様の断面図。
【図2】従来構造の第1例を示す、減速機一体型原動機の断面図。
【図3】摩擦ローラ式減速機のみを取り出して示す、図2のA−A断面図。
【図4】従来構造の第2例を示す断面図。
【図5】図4のB−B断面図。
【図6】同C−C断面図。
【図7】本発明に先立って考えた減速機一体型原動機を示す、図8のD−D断面図。
【図8】図7のE−E断面図。
【符号の説明】
1、1a 電動モータ
2、2a モータケース
3 ケース本体
4 蓋体
5、5a 回転駆動軸
6、6a、6b 転がり軸受
7、7a ステータ
8、8a ロータ
9、9a、9b 摩擦ローラ式減速機
10、10a、10b 中心ローラ
11 外側ドラム
12、12a 環状空間
13、13a、13b 枢軸
14 遊星ローラ
15 キャリア
16、16a、16b 出力軸
17 カバー
18 円筒部
19 本体
20 蓋体
21 ハウジング
22、22a、22b 通孔
23 入力軸
24、24a 連結板
25、25a 支持孔
26、26a、26b ガイドローラ
27、27a、27b ウェッジローラ
28、28a 突部
29 連結ボルト
30、30a 外輪
31 凸部
32 結合ブラケット
33 第二の通孔
34、34a シリンダ孔
35、35a 圧縮コイルばね
36 内径側当接部
37 外径側当接部
38 仕切板
39 減速機ケース
40 凹部
41 被駆動側円筒面
42 動力伝達用円筒面
43 切り欠き
44 連結板
45 突片
46 止め輪
47 駆動側円筒面
48 押圧ピン
49 内径側当接部
50 外径側当接部
51 嵌合用段差部
52 段差部

Claims (3)

  1. 原動機と、この原動機の回転駆動軸と、この回転駆動軸の先端部に一体に設けた入力軸と、この入力軸の回転を減速してから出力軸を通じて取り出す摩擦ローラ式減速機とを備え、この摩擦ローラ式減速機は、上記回転駆動軸及び入力軸と一体の中心ローラと、この中心ローラの周囲にこの中心ローラに対し偏心した状態で配置された外輪と、この中心ローラの外周面である駆動側円筒面とこの外輪の内周面である被駆動側円筒面との間に存在する、径方向に関する幅が円周方向に関して不同である環状空間内に配置され、それぞれの外周面を動力伝達用円筒面とした、それぞれ少なくとも1個ずつのガイドローラ及びウェッジローラを含む3個以上の中間ローラとを備え、このうちのガイドローラを支持軸を中心とする回転のみ自在として支持する一方、上記ウェッジローラを、支持軸を中心とする回転及び少なくとも上記環状空間の円周方向に関する移動自在に支持すると共に、上記ウェッジローラをこの環状空間の幅の狭い側に向け弾性的に押圧する事により構成したウェッジローラ型の摩擦ローラ式減速機であり、上記原動機の回転駆動軸は、この原動機のモータケースの内部空間と上記摩擦ローラ式減速機の減速機ケースの内部空間との間を仕切る仕切板に設けた通孔に緩く挿通した状態で、その先端部に設けた上記中心ローラを上記減速機ケース内に突出させており、且つ、その基端部のみを上記モータケースに対し、転がり軸受により回転自在に支持されている事を特徴とする減速機一体型原動機。
  2. 外輪の端部の円周方向複数個所に形成した切り欠きと、出力軸の基端部に結合固定した連結板の外周縁複数個所に形成した突片とを係合させる事により、これら外輪と出力軸とを、回転力の伝達自在に、且つ、ラジアル方向に関する位置調節自在に結合している、請求項1に記載した減速機一体型原動機。
  3. 環状空間のうち、外輪に対し中心ローラが偏心している側で、円周方向に関してこの環状空間の径方向に関する幅が最小になっている部分を挟んだ両側部分に、第一のガイドローラとウェッジローラとが位置しており、上記環状空間のうち、上記外輪に対し上記中心ローラが偏心しているのと反対側の部分に、第二のガイドローラが位置しており、且つ、上記第一のガイドローラの外径と上記ウェッジローラの外径とを互いに同じにすると共に、上記第二のガイドローラの外径を、これら第一のガイドローラ及びウェッジローラの外径よりも大きくしている、請求項1又は請求項2に記載した減速機一体型原動機。
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