JP2002070971A - 摩擦ローラ式変速機 - Google Patents

摩擦ローラ式変速機

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JP2002070971A
JP2002070971A JP2000265341A JP2000265341A JP2002070971A JP 2002070971 A JP2002070971 A JP 2002070971A JP 2000265341 A JP2000265341 A JP 2000265341A JP 2000265341 A JP2000265341 A JP 2000265341A JP 2002070971 A JP2002070971 A JP 2002070971A
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center
roller
type transmission
friction roller
roller type
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JP2000265341A
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Ryoichi Otaki
大滝  亮一
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 両方向の回転力を伝達できる構造で、大きな
回転力を伝達できると共に、高い伝達効率を得られ、し
かも伝達する回転運動の方向によって異なる変速比を得
られる構造を実現する。 【解決手段】 それぞれが中心ローラ4aと外輪15a
との間で一方向の回転力のみ伝達自在であり、且つ、互
いに変速比の異なる、1対の摩擦ローラ式変速ユニット
30a、30b同士を、上記両部材4a、15a間で伝
達可能な回転力の方向を互いに逆にした状態で軸方向に
組み合わせる。これら各摩擦ローラ式変速ユニット30
a、30bはそれぞれ、ガイドローラ10a、10b及
びウェッジローラ11を含んで構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、各種機械装置に
組み込んで、減速或は増速しつつ両方向の回転運動を伝
達する摩擦ローラ式変速機の改良に関し、高い伝達効率
を維持しつつ、大きな回転力の伝達を行なえて、しかも
伝達する回転運動の方向によって異なる変速比を得られ
る構造を実現するものである。
【0002】
【従来の技術】摩擦ローラ式変速機は、遊星歯車式等の
歯車式変速機に比べて、高速で運転した場合にも発生す
る騒音が小さい。この為、例えば摩擦ローラ式変速機を
電動モータの出力部に組み付けて減速機として使用し、
この電動モータの回転運動を減速すると共にトルクを増
大させる構造が、例えば特開平8−210455号公報
に記載されている。この公報等に記載された一般的な摩
擦ローラ式変速機は、各ローラの周面同士の当接圧を、
伝達すべきトルクの変動に拘らず、常に一定のままに保
持している。この為、伝達効率が必ずしも良好とは言え
ない。良好な伝達効率を確保する為には、伝達すべきト
ルクが小さい場合に上記当接圧を低くし、反対に伝達す
べきトルクが大きい場合に上記当接圧を高くする事が考
えられる。一方、遊園地の遊戯具、或は足漕ぎ式のボー
トの如く、ペダルを踏んで駆動する装置で、しかもペダ
ルを両方向に回転させる可能性がある部分に組み込む摩
擦ローラ式変速機は、伝達すべきトルクの方向に拘ら
ず、このトルクの伝達を自在とする必要がある。
【0003】この様に、伝達すべきトルクの方向に拘ら
ず、このトルクの伝達を自在とし、且つ、伝達すべきト
ルクの大きさに応じて、各ローラの周面同士の当接圧を
変化させる構造として、米国特許第4709589号明
細書には、図11〜14に示す様な摩擦ローラ式変速機
が記載されている。この従来の摩擦ローラ式変速機は、
有底円筒状の本体1とこの本体1の基端開口部を塞ぐ蓋
体2とから成る固定のハウジング3内に中心ローラ4の
内半部(図11の右半部)を、上記蓋体2の略中央部に
形成した通孔5を通じて挿入している。尚、この通孔5
は、上記蓋体2の中心から、少しだけ外れた位置に設け
ている。又、上記中心ローラ4の外半部(図11の左半
部)で上記蓋体2から突出した部分には、入力軸6の端
部を結合固定している。
【0004】又、上記ハウジング3の内側で上記中心ロ
ーラ4の周囲部分には、3本の支持軸7a、7b、7c
を、それぞれこの中心ローラ4と平行に配置している。
即ち、これら各支持軸7a、7b、7cの一端部(図1
1の左端部)を上記蓋体2に支持すると共に、他端部
(図11の右端部)を連結板8に支持している。尚、こ
れら3本の支持軸7a、7b、7cのうち、図12〜1
4の上部中央に位置する1本の支持軸7aは、その両端
部を上記蓋体2及び連結板8に形成した嵌合孔に圧入固
定している。従って、この支持軸7aが、上記ハウジン
グ3内で円周方向或は直径方向に変位する事はない。
【0005】これに対して、図12〜14の下部左右両
側に位置する残り2本の支持軸7b、7cは、両端部を
上記蓋体2及び連結板8に対し、上記ハウジング3の円
周方向及び直径方向に亙る若干の変位自在に支持してい
る。この為に、上記蓋体2及び連結板8の一部で上記支
持軸7b、7cの両端部に整合する部分には、図13に
示す様に、上記両支持軸7b、7cの外径よりも大きな
内径を有する支持孔9、9を形成し、これら各支持孔
9、9に、上記両支持軸7b、7cの両端部を緩く係合
させている。そして、これら各支持軸7a、7b、7c
の中間部周囲に、それぞれが中間ローラであるガイドロ
ーラ10及びウェッジローラ11a、11bを、それぞ
れラジアルニードル軸受12により、回転自在に支持し
ている。尚、上記連結板8は、上記蓋体2の内面(上記
ガイドローラ10及びウェッジローラ11a、11bを
設置した空間側の面で、図11の右面)の一部で、上記
ガイドローラ10及びウェッジローラ11a、11bか
ら外れた位置に突設した突部13、13に突き当て、連
結ボルト14、14により、上記蓋体2に連結固定して
いる。
【0006】又、上記ハウジング3の内側で上記ガイド
ローラ10及びウェッジローラ11a、11bを囲む部
分には、円環状の外輪15を、回転自在に設けている。
この外輪15の内周面中央部は直径方向内方に突出させ
る事により、土手状の凸部16とし、この凸部16の内
周面を第二の円筒面17としている。そして、この第二
の円筒面17と、上記ガイドローラ10及びウェッジロ
ーラ11a、11bの外周面である第三の円筒面18、
18とを当接自在としている。又、上記外輪15には、
結合ブラケット19の外径側端部を外嵌固定し、この結
合ブラケット19の中心部に、出力軸20の内端部(図
11の左端部)を結合固定している。この出力軸20
は、前記ハウジング3を構成する本体1の中央部に形成
した第二の通孔21を回転自在に挿通して、このハウジ
ング3外に突出させている。
【0007】上記ガイドローラ10及びウェッジローラ
11a、11bの外周面である、上記各第三の円筒面1
8、18は、それぞれ前記中心ローラ4の外周面に設け
た第一の円筒面22と、上記外輪15の内周面に設けた
上記第二の円筒面17とに当接させている。上記中心ロ
ーラ4の中心と上記出力軸20及び外輪15の中心とは
互いに偏心している。即ち、前述の様に、上記中心ロー
ラ4を挿通する通孔5は、上記ハウジング3の中心から
少しだけ外れた位置に設けているのに対して、上記出力
軸20を挿通する第二の通孔21は、上記ハウジング3
の中心に設けている。又、この第二の通孔21の内側に
回転自在に支持した出力軸20と外輪15とは、互いに
同心である。従って、上記中心ローラ4と上記外輪15
及び出力軸20とは、上記通孔5のハウジング3の中心
からのずれ量δ(図11参照)分だけ、互いに偏心して
いる。そして、上記中心ローラ4の外周面に設けた上記
第一の円筒面22と上記外輪15の内周面に設けた上記
第二の円筒面17との間に存在して上記ガイドローラ1
0及びウェッジローラ11a、11bが設けられた環状
空間23の幅寸法が、このδ分の偏心量に見合う分だ
け、円周方向に関して不同になっている。
【0008】この様に、上記環状空間23の幅寸法を円
周方向に関して不同にした分、上記ガイドローラ10及
びウェッジローラ11a、11bの外径を異ならせてい
る。即ち、上記外輪15に対し中心ローラ4が偏心して
いる側(図11〜14の下側)に位置するウェッジロー
ラ11a、11bの径を、互いに同じとすると共に比較
的小径にしている。これに対し、上記外輪15に対し中
心ローラ4が偏心しているのと反対側(図11〜14の
上側)に位置するガイドローラ10の径を、上記両ウェ
ッジローラ11a、11bよりも大きくしている。そし
て、これら3個の、それぞれが中間ローラであるガイド
ローラ10及びウェッジローラ11a、11bの外周面
である第三の円筒面18、18を、上記第一、第二の円
筒面22、17に当接させている。
【0009】尚、それぞれが中間ローラである、上記1
個のガイドローラ10及び2個のウェッジローラ11
a、11bのうち、ガイドローラ10を支持した支持軸
7aは、前述の様に、上記ハウジング3内に固定してい
る。これに対して、ウェッジローラ11a、11bを支
持した支持軸7b、7cは、やはり前述した様に上記ハ
ウジング3内に、円周方向及び直径方向に亙る若干の変
位を自在に支持している。従って、上記ウェッジローラ
11a、11bも、上記ハウジング3内で円周方向及び
直径方向に亙り若干の変位自在である。そして、前記蓋
体2のシリンダ孔24、24内に装着した圧縮コイルば
ね25、25等の弾性材により、上記各ウェッジローラ
11a、11bを支持した支持軸7b、7cを、これら
各支持軸7b、7cに回転自在に支持したウェッジロー
ラ11a、11bを前記環状空間23の幅の狭い部分に
向け移動させるべく、弾性的に軽く押圧している。
【0010】上述の様に構成する従来の摩擦ローラ式変
速機の場合、例えば、上記中心ローラ4が、作動状態を
示す図14に矢印イで示す様に、時計方向に回転する
と、上記1対のウェッジローラ11a、11bが、同図
に矢印ロで示す様に、上記各支持軸7b、7cを中心に
反時計方向に回転し、前記外輪15が同じく矢印ハで示
す様に反時計方向に回転する。そして、この様に上記1
対のウェッジローラ11a、11bが矢印ロで示す様に
回転し、これら各ウェッジローラ11a、11bを挟持
した中心ローラ4及び外輪15がそれぞれ矢印イ、ハに
示す様に回転すると、上記各ウェッジローラ11a、1
1b全体が、それぞれ図14に矢印ニで示す様に、時計
方向に変位する傾向となる。
【0011】即ち、上記1対のウェッジローラ11a、
11bは、矢印イ方向に回転する上記中心ローラ4か
ら、上記矢印ニ方向の力を受け、これら各ウェッジロー
ラ11a、11b自身が矢印ロ方向に回転する事で外輪
15の内周面に設けた第二の円筒面17との当接部から
受ける反作用により、やはり上記矢印ニ方向の力を受け
る。この結果、上記1対のウェッジローラ11a、11
bのうち、一方(図12〜14の右方)のウェッジロー
ラ11aが前記環状空間23の幅の狭い部分に向けて、
他方(図12〜14の左方)のウェッジローラ11bが
前記圧縮コイルばね25の弾力に抗して上記環状空間2
3の幅の広い部分に向けて、それぞれ移動する傾向にな
る。
【0012】この結果、上記一方のウェッジローラ11
aの外周面に設けた第三の円筒面18が、上記中心ロー
ラ4の外周面に設けた第一の円筒面22と上記外輪15
の内周面に設けた第二の円筒面17とを強く押圧する。
そして、上記一方のウェッジローラ11aの外周面に設
けた第三の円筒面18と上記第一の円筒面22との当接
部である内径側当接部26、及び、この第三の円筒面1
8と上記第二の円筒面17との当接部である外径側当接
部27の当接圧が高くなる。これに対して、上記他方の
ウェッジローラ11bは、上述の様に環状空間23の幅
の広い部分に向けて移動する傾向となる為、この他方の
ウェッジローラ11bに関する内径側、外径側両当接部
26、27の当接圧は喪失する。
【0013】上述の様に一方のウェッジローラ11aに
関する内径側、外径側両当接部26、27の当接圧が高
くなると、それぞれがこの一方のウェッジローラ11a
の外周面に設けた第三の円筒面18により押圧される部
材である、上記中心ローラ4と外輪15とのうちの少な
くとも一方の部材が、組み付け隙間、或は弾性変形等に
基づき、それぞれの直径方向に亙り僅かに変位する。こ
の結果、前記ガイドローラ10に関する内径側、外径側
両当接部15、16の当接圧が高くなる。上記一方のウ
ェッジローラ11aを上記環状空間23の幅の狭い部分
に向け移動させようとする力は、上記中心ローラ4から
上記外輪15に伝達するトルクの大きさに応じて変化す
る。そして、この力が大きくなる程、上記ウェッジロー
ラ11a及びガイドローラ10に関する内径側、外径側
両当接部26、27の当接圧が大きくなる。そして、こ
の様な作用に基づき、上記伝達するトルクに応じた当接
圧を自動的に選定して、摩擦ローラ式変速機の伝達効率
を確保する。
【0014】上述の様な摩擦ローラ式変速機の構造は、
円周方向に関して対称である。この為、上記中心ローラ
4が図14の矢印イと反対方向(反時計方向)に回転す
る場合に、上記摩擦ローラ式変速機の作動状態並びにト
ルクの伝達方向は、円周方向に関して上述した場合(上
記中心ローラ4が矢印イの方向に回転する場合)と逆に
なる。この様に図11〜14に示した摩擦ローラ変速機
の場合には、上記中心ローラ4から上記外輪15への両
方向のトルク伝達を行なえる。
【0015】尚、上述の例は、中心ローラ4を入力側と
し、外輪15を出力側とする事により、摩擦ローラ式変
速機を減速機として利用する場合に就いて示した。これ
に対して、外輪15を入力側とし、中心ローラ4を出力
側とする事により、摩擦ローラ式変速機を増速機として
利用する場合も、入出力の方向が逆になる以外、上述し
た例と同様の作用により、上記外輪15と中心ローラ4
との間で両方向のトルク伝達を行なえる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上述した様な従来の摩
擦ローラ式変速機の場合には、上記中心ローラ4(又は
上記外輪15)の回転方向に関係なく、これら中心ロー
ラ4と外輪15との間で両方向のトルク伝達を行なえる
が、大きなトルクを伝達する事が難しい。この理由に就
いて、以下に説明する。上述した通り、上記従来構造の
場合には、上記中心ローラ4と上記外輪15との間で伝
達すべきトルクを、2個の中間ローラ{1個のガイドロ
ーラ10及び何れか一方のウェッジローラ11a(11
b)}に関する内径側、外径側両当接部26、27を介
して伝達する。又、図15に示す様に、上記2個の中間
ローラである、ガイドローラ10と何れか一方のウェッ
ジローラ11a(11b)との各中心軸O10、O11同士
は、上記中心ローラ4の中心軸O4 を挟んで互いに直径
方向に関し180度反対側には存在しない。言い換えれ
ば、上記ガイドローラ10及び何れか一方のウェッジロ
ーラ11a(11b)の各中心軸O10、O11と上記中心
ローラ4の中心軸O4 とを結ぶ1対の線分A、B同士の
なす角度θが、180度よりも大幅に小さい(θ≪
π)。
【0017】この為、上記中心ローラ4及び外輪15に
は、上記ガイドローラ10及び何れか一方のウェッジロ
ーラ11a(11b)から、それぞれ異なる方向の力
F、Fが加わる。そして、これら各力F、Fの合力とし
て、上記中心ローラ4と上記外輪15に、それぞれ同図
の矢印αで示す方向の力が加わる。この様な矢印αで示
した力は、上記中心ローラ4及び外輪15を、それぞれ
上記ガイドローラ10及び何れか一方のウェッジローラ
11a(11b)から退避させる方向に加わる。しかも
この矢印αで示した力の大きさは、上記中心ローラ4と
上記外輪15との間で伝達すべきトルクが大きくなる程
大きくなる。この結果、これら中心ローラ4と上記外輪
15との間で大きなトルクを伝達しようとすると、これ
ら中心ローラ4及び外輪15が上記ガイドローラ10及
び何れか一方のウェッジローラ11a(11b)から退
避する傾向が強くなる。そして、これらガイドローラ1
0及び何れか一方のウェッジローラ11a(11b)に
関する内径側、外径側両当接部26、27の当接圧が低
下し、これら各当接部26、27で滑りが発生する様に
なって、上記トルクを伝達できなくなる。又、この様に
各当接部26、27で滑りが発生する為、摩擦ローラ式
変速機によるトルクの伝達効率が低下する。
【0018】又、上述した従来の摩擦ローラ式変速機の
場合、上記中心ローラ4と上記外輪15との間で両方向
のトルク伝達を行なえるが、これら中心ローラ4と外輪
15との間の変速比が両方向で互いに等しい。一方、電
動自動車、電動車椅子等の乗り物は、前進時と後進時と
で必要な走行速度が異なる場合がある。又、昇降機、建
設用重機、産業用ロボット等の機械は、駆動方向により
必要な動力の大きさが異なる場合もある。従って、その
出力部に両方向のトルクを伝達可能な摩擦ローラ式変速
機を組み込んだ駆動装置により、上述の様に必要な走行
速度や動力が両方向で異なる機械を適切に駆動する為に
は、上記摩擦ローラ式変速機の変速比を入力側の部材の
正転時と逆転時とで異ならせる事が好ましい場合があ
る。即ち、この摩擦ローラ式変速機を構成する入力側の
部材から出力側の部材に伝達する回転速度及びトルクの
大きさを、この入力側の部材の正転時と逆転時とでそれ
ぞれ異ならせる事が好ましい場合がある。本発明の摩擦
ローラ式変速機は、上述の様な事情に鑑みて発明したも
のである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の摩擦ローラ式変
速機は、それぞれが所定方向の回転力のみを伝達自在で
あり、且つ、互いに変速比の異なる1対の摩擦ローラ式
変速ユニットを、伝達可能な回転力の方向を互いに逆に
した状態で組み合わせて成る。この様な本発明の摩擦ロ
ーラ式変速機を構成する、上記1対の摩擦ローラ式変速
ユニットはそれぞれ、外周面を第一の円筒面とした中心
ローラと、内周面を第二の円筒面としてこの中心ローラ
の周囲に、この中心ローラに対する相対回転を自在に設
けられた外輪と、上記第一の円筒面と上記第二の円筒面
との間の環状空間内に、上記中心ローラと平行に配置さ
れた3本以上の支持軸と、これら各支持軸により回転自
在に支持され、それぞれの外周面を上記第一、第二の各
円筒面と当接自在な第三の円筒面とした3個以上の中間
ローラとを備える。そして、上記中心ローラの中心と上
記外輪の中心とを偏心させる事により、上記環状空間の
幅寸法を円周方向に関して不同にし、上記3個以上の中
間ローラのうちの1個の中間ローラを、少なくとも上記
環状空間の円周方向に変位自在に支持してウェッジロー
ラとし、残りの中間ローラをガイドローラとすると共
に、上記中心ローラ及び外輪が所定方向に回転した場合
に、上記ウェッジローラとなる中間ローラを上記環状空
間の幅の狭い部分に向け移動自在とする事により、上記
中心ローラと上記外輪との間で所定方向の回転力のみを
伝達自在としている。そして、本発明の摩擦ローラ式変
速機は、それぞれが上述の様に構成する摩擦ローラ式変
速ユニットであって上記中心ローラと上記外輪との間の
変速比が互いに異なるものを1対、これら両摩擦ローラ
式変速ユニットを構成する上記中心ローラ同士及び上記
外輪同士をそれぞれ実質的に同心に配置した状態で、且
つ、これら両摩擦ローラ式変速ユニット同士で上記中心
ローラと上記外輪との間で伝達可能な回転力の方向が互
いに逆となる様に設け、上記両摩擦ローラ式変速ユニッ
トを構成する中心ローラ及び外輪の軸方向端部同士を、
それぞれ回転力の伝達自在に結合して成る。
【0020】
【作用】上述の様に構成する本発明の摩擦ローラ式変速
機の場合には、入力側の部材{互いに結合した1対の
(若しくは単一の部材により構成した)中心ローラ、又
は互いに結合した1対の(若しくは単一の部材により構
成した)外輪}が何れの方向に回転駆動する場合でも、
1対の摩擦ローラ式変速ユニットのうちの何れか一方の
摩擦ローラ式変速ユニットが、上記入力側の部材の回転
駆動力を出力側の部材{互いに結合した1対の(若しく
は単一の部材により構成した)外輪、又は互いに結合し
た1対の(若しくは単一の部材により構成した)中心ロ
ーラ}に伝達する。
【0021】即ち、本発明の場合、入力側の部材が何れ
かの方向に回転駆動すると、何れか一方の摩擦ローラ式
変速ユニットを構成するウェッジローラとなる中間ロー
ラが、環状空間の幅の狭い部分に向け移動する傾向とな
る。この結果、この何れか一方の摩擦ローラ式変速ユニ
ットを構成する、総ての中間ローラの外周面である第三
の円筒面と中心ローラの外周面である第一の円筒面及び
外輪の内周面である第二の円筒面との当接部の当接圧が
高くなる。この結果、これら各当接部での摩擦係合に基
づき、入力側の部材から出力側の部材への回転力の伝達
が自在となる。特に、本発明の場合、この様に入力側の
部材から出力側の部材への回転力の伝達を行なう際に
は、3個以上の総ての中間ローラの外周面に設けた第三
の円筒面が、それぞれ中心ローラの外周面に設けた第一
の円筒面と外輪の内周面に設けた第二の円筒面とに強く
当接する。この為、入力側の部材の回転駆動力が大きく
なる事に伴い、上記各中間ローラが上記中心ローラ及び
外輪を押圧する力が大きくなった場合でも、前述した従
来構造(2個の中間ローラを介して回転力の伝達を行な
う構造)の様に、上記中心ローラ及び外輪が、上記各中
間ローラから退避する方向に変位する事はない。この
為、上記各当接部の当接圧を十分に確保して、これら各
当接部で滑りが生じるのを防止できる。この為、大きな
回転力を伝達できると共に、高い伝達効率を得られる。
【0022】一方、上記1対の摩擦ローラ式変速ユニッ
トのうちの他方の摩擦ローラ式変速ユニットを構成する
ウェッジローラとなる中間ローラは、環状空間の幅の広
い部分に向け退避する傾向となる。この結果、この他方
の摩擦ローラ式変速ユニットを構成する、総ての中間ロ
ーラの外周面である第三の円筒面と第一の円筒面及び第
二の円筒面との当接部の当接圧が低下若しくは喪失す
る。この結果、この他方の摩擦ローラ式変速ユニット
は、入力側の部材から出力側の部材への回転力の伝達を
行なわない状態となる。逆に言えば、上記他方の摩擦ロ
ーラ式変速ユニットが、前記一方の摩擦ローラ式変速ユ
ニットによる回転力の伝達に対する抵抗にはならない。
【0023】又、本発明の摩擦ローラ式変速機の場合に
は、上記1対の摩擦ローラ式変速ユニット同士の間で、
入力側の部材と出力側の部材との間の変速比が互いに異
なる。この為、入力側の部材から出力側の部材に伝達す
る回転速度及びトルクの大きさを、この入力側の部材の
正転時と逆転時とで互いに異ならせる事ができる。この
為、本発明の摩擦ローラ式変速機を電動モータ等の各種
駆動装置の出力部に組み込んで使用すれば、電動自動車
や電動車椅子の様に前進時と後進時とで必要な走行速度
が異なる乗り物や、昇降機、建設用重機、産業用ロボッ
トのアーム等の様に駆動方向により必要な動力が異なる
機械を、何れの方向に就いても、適切に駆動できる。
【0024】
【発明の実施の形態】図1〜4は、請求項1、2、4、
5に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示してい
る。本例の摩擦ローラ式変速機は、有底円筒状の本体1
aとこの本体1aの端部開口を塞ぐ蓋体2aとから成る
固定のハウジング3a内に、単一の部材である中心ロー
ラ4aを、このハウジング3aの軸方向(図1の左右方
向)に配置している。この中心ローラ4aは、基半部
(図1、4の右半部)に外径がd 1 である大径円柱部4
1を、先半部(図1、4の左半部)に外径がd2 (<d
1)である小径円柱部42を、それぞれ同心に設けてい
る。そして、これら大径円柱部41と小径円柱部42と
の外周面を、それぞれ第一の円筒面22としている。
又、上記ハウジング3aの内側に入力軸6の一端部(図
1の左端部)を、上記蓋体2aの略中央部に形成した通
孔5を通じて挿入すると共に、この入力軸6の中間部を
上記通孔5の内径側に、玉軸受28により回転のみ自在
に支持している。尚、この通孔5は、上記蓋体2aの中
心から少しだけ外れた位置に設けている。そして、互い
に同心に配置した上記中心ローラ4aの基端部と上記入
力軸6の一端部とを、互いに結合している。
【0025】本例の場合、上記中心ローラ4aは、上記
入力軸6により回転駆動自在としつつ、ラジアル方向に
関する若干の変位自在に設けている。この為に、図示の
例では、上記中心ローラ4aの基端面に係合凹溝31
を、上記入力軸6の一端面に係合突部32を、それぞれ
直径方向に亙って形成すると共に、これら係合凹溝31
と係合突部32とを緩く係合させている。この様に係合
凹溝31と係合突部32とを緩く係合させる為に、この
係合凹溝31の幅寸法をこの係合凸部32の幅寸法より
も少し大きくしている。そして、この様な構成を採用す
る事により、上記中心ローラ4aと上記入力軸6とを、
回転力の伝達を自在に、且つ、ラジアル方向に関する若
干の相対変位自在に結合している。尚、この様に中心ロ
ーラ4aと入力軸6とを回転力の伝達を自在に、且つ、
ラジアル方向に関する若干の相対変位自在に結合する為
の構造は、図示の様なものに限らず、緩いスプライン係
合、或は緩いキー係合でも良い。
【0026】又、前記ハウジング3aの内側で、上記中
心ローラ4aを構成する大径円柱部41と小径円柱部4
2との周囲部分には、それぞれ3本ずつ、合計6本の支
持軸7a、7b、7c(図4では図示省略)を、上記中
心ローラ4aと平行に配置している。即ち、上記大径円
柱部41の周囲に配置した3本の支持軸7a、7b、7
cの一端部(図1の右端部)を前記蓋体2aに支持する
と共に、同じく他端部(図1の左端部)を上記中心ロー
ラ4aの中間部周囲に配置した第一の連結板33に支持
している。又、上記小径円柱部42の周囲に配置した3
本の支持軸7a、7b、7cの一端部(図1の右端部)
を上記第一の連結板33に支持すると共に、同じく他端
部(図1の左端部)を上記中心ローラ4aの先端部周囲
に配置した第二の連結板34に支持している。尚、上記
大径円柱部41の周囲に配置した3本の支持軸7a、7
b、7cと上記小径円柱部42の周囲に配置した3本の
支持軸7a、7c、7bとの円周方向に関する配置の位
相は、互いに一致させている。又、本例の場合、上記大
径円柱部41側と上記小径円柱部42側とで、上記各支
持軸7a、7b、7cのピッチ円直径を互いに等しくし
ている。
【0027】又、上記大径円柱部41の周囲に配置した
3本の支持軸7a、7b、7cのうち、図2の下部及び
上部右側に位置する2本の支持軸7a、7bと、上記小
径円柱部42の周囲に配置した3本の支持軸7a、7
b、7cのうち、図3の下部及び上部左側に位置する2
本の支持軸7a、7bとは、それぞれの両端部を上記蓋
体2a及び第一の連結板33及び第二の連結板34に形
成した嵌合孔に圧入固定している。一方、後述する様
に、上記第一、第二の各連結板33、34は、上記蓋体
2aに対し結合固定している。従って、上記2本ずつの
支持軸7a、7bが、上記ハウジング3a内で円周方向
或は直径方向に変位する事はない。
【0028】これに対して、上記大径円柱部41の周囲
に配置した3本の支持軸7a、7b、7cのうち、図2
の上部左側に位置する残り1本の支持軸7cと、上記小
径円柱部42の周囲に配置した3本の支持軸7a、7
b、7cのうち、図3の上部右側に位置する残り1本の
支持軸7cとは、それぞれの両端部を上記蓋体2a及び
第一の連結板33及び第二の連結板34に対し、上記ハ
ウジング3aの円周方向及び直径方向に関する若干の変
位自在に支持している。この為に、上記蓋体2a及び第
一の連結板33及び第二の連結板34の一部で上記1本
ずつの支持軸7c、7cの両端部に整合する部分には、
これら各支持軸7c、7cの外径よりも大きな幅及び長
さを有する支持孔9、9を形成し、これら各支持孔9、
9に、上記各支持軸7c、7cの両端部を緩く係合させ
ている。
【0029】そして、上述の様に支持した各支持軸7
a、7b、7cの中間部周囲に、それぞれが中間ローラ
であるガイドローラ10a、10b及びウェッジローラ
11を、それぞれラジアルニードル軸受12により、回
転自在に支持している。そして、これらガイドローラ1
0a、10b及びウェッジローラ11の外周面を、それ
ぞれ第三の円筒面18としている。尚、上記第一の連結
板33は、上記蓋体2aの内面(図1の左面)の一部
で、軸方向片側(図1、4の右側)に配置したガイドロ
ーラ10a、10b及びウェッジローラ11から外れた
位置に突設した突部13a、13aに突き当て、連結ボ
ルト14、14により、上記蓋体2aに連結固定してい
る。又、上記第二の連結板34は、上記第一の連結板3
3の側面(図1の左面)の一部で、軸方向他側(図1、
4の左側)に配置したガイドローラ10a、10b及び
ウェッジローラ11から外れた位置に突設した突部13
b、13bに突き当て、やはり上記連結ボルト14、1
4により、上記第一の連結板33に連結固定している。
【0030】又、前記ハウジング3aの内側で、上記各
ガイドローラ10a、10b及びウェッジローラ11を
囲む部分には、単一の部材である円筒状の外輪15a
を、回転自在に設けている。この外輪15aは、軸方向
片側(図1、4の右側)部分に内径がD1 である厚肉円
筒部43を、軸方向他側(図1、4の左側)部分に内径
がD2 (<D1 )である薄肉円筒部44を、それぞれ同
心に設けている。そして、これら厚肉円筒部43と薄肉
円筒部44との内周面を、それぞれ第二の円筒面17と
している。尚、本例の場合、上記厚肉円筒部43と上記
薄肉円筒部44との互いの内径差(D2 −D1 )と、前
記中心ローラ4aを構成する大径円柱部41と小径円柱
部42との互いの直径差(d1 −d2 )とを、互いに等
しく{(D 2 −D1 )=(d1 −d2 )}している。
【0031】そして、軸方向片側と軸方向他側とにそれ
ぞれ3個ずつ設けた、上記ガイドローラ10a、10b
及びウェッジローラ11の外周面である第三の円筒面1
8、18を、上記大径円柱部41及び上記小径円柱部4
2の外周面である第一の円筒面22、22と、上記厚肉
円筒部43及び薄肉円筒部44の内周面である第二の円
筒面17、17とに、それぞれ当接自在としている。
尚、上述の様に各寸法d 1 、d2 、D1 、D2 を規制す
る本例の場合、上記大径円柱部41の外周面である第一
の円筒面22と上記厚肉円筒部43の内周面である第二
の円筒面17との間に存在し、上記軸方向片側のガイド
ローラ10a、10b及びウェッジローラ11を配置し
た環状空間23aよりも、上記小径円柱部42の外周面
である第一の円筒面22と上記薄肉円筒部44の内周面
である第二の円筒面17との間に存在し、上記軸方向他
側のガイドローラ10a、10b及びウェッジローラ1
1を配置した環状空間23bの方が、円周方向に関し互
いに対応する部分で直径方向に関する幅寸法が大きい。
この為、本例の場合、上記軸方向他側の環状空間23b
内に配置したガイドローラ10a、10b及びウェッジ
ローラ11の各直径を、上記軸方向片側の環状空間23
a内に配置したガイドローラ10a、10b及びウェッ
ジローラ11の各直径よりも、それぞれ上記両環状空間
23a、23b同士の幅寸法の差に見合う分だけ大きく
している。
【0032】又、上記外輪15aの他端部は、この外輪
15aと同心に配置した出力軸20の一端部(図1の右
端部)に、回転力の伝達自在に、且つ、ラジアル方向に
関する若干の相対変位自在に結合している。この為に、
図示の例では、上記出力軸20の一端部に結合板部35
を固設している。そして、この結合板部35の外周縁に
形成した突片45、45と上記外輪15aの他端縁に形
成した切り欠き46、46とを、ラジアル方向に関する
若干の相対変位自在に係合させている。又、この状態
で、上記外輪15aの他端部内周面に形成した係止溝4
7に止め輪48を係止して、上記各突片45、45が上
記各切り欠き46、46から抜け出るのを防止してい
る。又、上記出力軸20は、上記ハウジング3aを構成
する本体1aの中央部に形成した第二の通孔21を挿通
して、このハウジング3a外に突出させると共に、玉軸
受29により、この第二の通孔21の内側に回転のみ自
在に支持している。
【0033】上述した様に、上記各ガイドローラ10
a、10b及びウェッジローラ11の外周面である第三
の円筒面18、18は、それぞれ前記中心ローラ4aの
外周面である第一の円筒面22、22と上記外輪15a
の内周面である上記第二の円筒面17、17とに当接さ
せている。又、この状態で、前記入力軸6及び中心ロー
ラ4aの中心と上記出力軸20及び外輪15aの中心と
は互いに偏心している。即ち、前述した様に、上記中心
ローラ4aと同心の入力軸6を挿通支持する通孔5は、
上記ハウジング3aの中心から少しだけ外れた位置に設
けているのに対して、上記外輪15aと同心の出力軸2
0を挿通支持する第二の通孔21は、上記ハウジング3
aの中心に設けている。従って、上記中心ローラ4aと
上記外輪15aとは、上記通孔5のハウジング3aの中
心からのずれ量δ分だけ、互いに偏心している。そし
て、前記軸方向片側と軸方向他側とに設けられた両環状
空間23a、23bの幅寸法が、それぞれこのδ分の偏
心量に見合う分だけ、円周方向に関して不同になってい
る。
【0034】この様に、上記両環状空間23a、23b
の幅寸法を円周方向に関して不同にした分、これら各環
状空間23a、23b内に配置する上記ガイドローラ1
0a、10b及びウェッジローラ11の外径を異ならせ
ている。即ち、上記各環状空間23a、23b内にそれ
ぞれ3個ずつ配置した上記ガイドローラ10a、10b
及びウェッジローラ11のうち、それぞれ上記外輪15
aに対し中心ローラ4aが偏心している側(図1〜4の
上側)に位置するウェッジローラ11及びガイドローラ
10bの外径を、互いに同じにすると共に比較的小径に
している。これに対し、上記外輪15aに対し中心ロー
ラ4aが偏心しているのと反対側(図1〜4の下側)に
位置するガイドローラ10aの外径を、上記ウェッジロ
ーラ11及びガイドローラ10bの外径よりも大きくし
ている。そして、上記各環状空間23a、23b内にそ
れぞれ3個ずつ配置したガイドローラ10a、10b及
びウェッジローラ11の外周面である第三の円筒面1
8、18を、それぞれ前記第一、第二の各円筒面22、
17に当接させている。
【0035】尚、上記各環状空間23a、23b内にそ
れぞれ3個ずつ配置したガイドローラ10a、10b及
びウェッジローラ11のうち、各ガイドローラ10a、
10bを支持した支持軸7a、7bは、前述の様に、上
記ハウジング3a内に固定している。これに対して、上
記ウェッジローラ11、11を支持した支持軸7c、7
cは、やはり前述した様に上記ハウジング3内に、円周
方向及び直径方向に亙る若干の変位を自在に支持してい
る。従って、上記ウェッジローラ11、11も、上記ハ
ウジング3内で円周方向及び直径方向に亙り若干の変位
自在である。そして、前記蓋体2a及び第一、第二の各
連結板33、34のシリンダ孔24a、24a内に嵌挿
した押圧ピン36、36により、上記各ウェッジローラ
11、11を支持した支持軸7c、7cを、これら各支
持軸7c、7cに回転自在に支持したウェッジローラ1
1、11を上記各環状空間23a、23bの幅の狭い部
分に向け移動させるべく、弾性的に軽く押圧している。
尚、上記押圧ピン36の押圧力は、この押圧ピン36の
先端部に形成した鍔部と上記シリンダ孔24aの奥面と
の間に設けた圧縮コイルばね25aにより発生させてい
る。特に、本発明の場合、図3〜4に示す様に、上記各
環状空間23a、23b内で上記各押圧ピン36、36
により上記各支持軸7c、7cを押圧する方向、即ち、
上記各ウェッジローラ11、11が上記各環状空間23
a、23bの幅の狭い部分に向け移動する方向を、円周
方向に関して互いに逆方向としている。
【0036】又、本例の場合、前記中心ローラ4aを構
成する大径円柱部41及び軸方向片側に設けた各ローラ
10a、10b、11、各支持軸7a〜7c、各ラジア
ルニードル軸受12、12、押圧ピン36を含んで構成
する押圧装置及び前記外輪15aを構成する厚肉円筒部
43が、上記中心ローラ4aと上記外輪15aとの間で
一方向の回転力のみ伝達自在な、一方の摩擦ローラ式変
速ユニット30aを構成する。これに対して、上記中心
ローラ4aを構成する小径円柱部42及び軸方向他側に
設けた各ローラ10a、10b、11、各支持軸7a〜
7c、各ラジアルニードル軸受12、12、押圧ピン3
6を含んで構成する押圧装置及び上記外輪15aを構成
する薄肉円筒部44が、上記中心ローラ4aと上記外輪
15aとの間で他方向の回転力のみ伝達自在な、他方の
摩擦ローラ式変速ユニット30bを構成する。即ち、こ
れら両摩擦ローラ式変速ユニット30a、30b同士の
間で、伝達可能な回転力の方向が互いに逆となる。又、
これら両摩擦ローラ式変速ユニット30a、30b同士
の間で、上記中心ローラ4aと上記外輪15aとの間の
変速比が互いに異なる。即ち、本例の場合、前記環状空
間23aの幅寸法が円周方向に対応する部分で比較的小
さい、軸方向片側(図1、4の右側)の摩擦ローラ式変
速ユニット30aよりも、前記環状空間23bの幅寸法
が円周方向に対応する部分で比較的大きい、軸方向他側
(図1、4の左側)の摩擦ローラ式変速ユニット30b
の方が、上記中心ローラ4aと上記外輪15aとの間の
変速比が大きい。
【0037】上述の様に構成する本例の摩擦ローラ式変
速機の場合には、入力軸6及び中心ローラ4aが何れの
方向に回転駆動される場合でも、上記1対の摩擦ローラ
式変速ユニット30a、30bのうちの何れか一方(本
例の場合、図2〜3で上記中心ローラ4aが時計方向に
回転する場合には図1、4の右方、同じく反時計方向に
回転する場合には図1、4の左方)の摩擦ローラ式変速
ユニット30a(30b)が、上記入力軸6及び中心ロ
ーラ4aの回転駆動力を外輪15a及び出力軸20に伝
達する。即ち、上記入力軸6及び中心ローラ4aが何れ
かの方向に回転駆動すると、上記何れか一方の摩擦ロー
ラ式変速ユニット30a(30b)を構成するウェッジ
ローラ11が、上記中心ローラ4a(前記大径円柱部4
1又は小径円柱部42)の外周面である第一の円筒面2
2及び上記外輪15a(前記厚肉円筒部43又は薄肉円
筒部44)の内周面である第二の円筒面17から、前記
押圧ピン36による押圧力と同方向の力を受けて、上記
環状空間23a(23b)の幅の狭い部分に向け移動す
る傾向となる。
【0038】この結果、上記ウェッジローラ11の外周
面である第三の円筒面18が、上記第一の円筒面22と
上記第二の円筒面17とを強く押圧する。そして、この
第三の円筒面18と上記第一の円筒面22との当接部で
ある内径側当接部26、及び、この第三の円筒面18と
上記第二の円筒面17との当接部である外径側当接部2
7の当接圧が高くなる。この様に上記ウェッジローラ1
1に関する内径側、外径側両当接部26、27の当接圧
が高くなると、それぞれがこのウェッジローラ11の外
周面に設けた第三の円筒面18により押圧される部材で
ある、上記中心ローラ4aと外輪15aとのうちの少な
くとも一方の部材が、組み付け隙間、或は弾性変形等に
基づき、それぞれの直径方向に亙り僅かに変位する。こ
の結果、上記何れか一方の摩擦ローラ式変速ユニット3
0a(30b)を構成する、各ガイドローラ10a、1
0bに関する内径側、外径側両当接部26、27の当接
圧が高くなる。そして、上記各内径側、外径側両当接部
26、27での摩擦係合に基き、前記入力軸6及び中心
ローラ4aの回転力を、上記ガイドローラ10a、10
b及びウェッジローラ11を介して前記外輪15a及び
出力軸20へ伝達自在となる。
【0039】尚、上記ウェッジローラ11を上記環状空
間23a(23b)の幅の狭い部分に向け移動させよう
とする力は、上記中心ローラ4aから上記外輪15aに
伝達する回転駆動力の大きさに応じて変化する。そし
て、この力が大きくなる程、上記内径側、外径側両当接
部26、27の当接圧が高くなる。従って、この様な作
用に基づき、上記伝達する回転駆動力に応じた当接圧を
自動的に選定して、摩擦ローラ式変速機の伝達効率を確
保できる。
【0040】又、本例の摩擦ローラ式変速機の場合に
は、上記回転駆動力の伝達を行なう何れか一方の摩擦ロ
ーラ式変速ユニット30a(30b)を構成する各ガイ
ドローラ10a、10bの外径や取付位置が多少ずれた
り、構成各部材が弾性変形したり、更には上記外輪15
aが熱膨張した場合でも、これら各ガイドローラ10
a、10bに関する内径側、外径側両当接部26、27
の当接圧を、設計値通りに規制できる。即ち、上記各ガ
イドローラ10a、10bの外径や取付位置がずれた場
合には、上記ウェッジローラ11が上記環状空間23a
(23b)の幅寸法が狭い部分に変位するのに伴って、
上記中心ローラ4a及び外輪15aがラジアル方向に変
位する。そして、上記ガイドローラ10a、10b及び
ウェッジローラ11(総ての中間ローラ)に関する内径
側、外径側両当接部26、27の当接圧を設計値通りに
する。従って、上記外径や取付位置が多少ずれた場合で
も、高い伝達効率を得られる。尚、本例の場合には、上
記中心ローラ4aと上記外輪15aとの双方の部材のラ
ジアル方向の変位を自在としたが、これら中心ローラ4
aと外輪15aとのうちの少なくとも一方の部材のラジ
アル方向の変位を自在とすれば、上述の様な効果が得ら
れる。
【0041】更に、本例の摩擦ローラ式変速機の場合、
上記入力軸6及び中心ローラ4aから上記外輪15a及
び出力軸20への回転駆動力の伝達を行なう際には、上
記ガイドローラ10a、10b及びウェッジローラ11
(3個の中間ローラ)の外周面である第三の円筒面18
が、それぞれ上記中心ローラ4aの外周面である第一の
円筒面22と上記外輪15aの内周面である第二の円筒
面17とに強く当接する。即ち、上記入力軸6及び中心
ローラ4aの回転駆動力が大きくなる事に伴い、上記ガ
イドローラ10a、10b及びウェッジローラ11が上
記中心ローラ4a及び外輪15aを押圧する力が大きく
なった場合でも、前述した従来構造(2個の中間ローラ
を介して回転力の伝達を行なう構造)の様に、上記中心
ローラ4a及び外輪15aが上記ガイドローラ10a、
10b及びウェッジローラ11から退避する方向に変位
する事はない。この為、上記ガイドローラ10a、10
b及びウェッジローラ11に関する各内径側、外径側両
当接部26、27の当接圧を十分に確保して、これら各
当接部で滑りが生じるのを防止できる。この結果、大き
な回転力を伝達できると共に、高い伝達効率を得られ
る。
【0042】一方、前記1対の摩擦ローラ式変速ユニッ
ト30a、30bのうちの他方の摩擦ローラ式変速ユニ
ット30b(30a)を構成するウェッジローラ11
は、上記第一の円筒面22及び第二の円筒面17から、
前記押圧ピン36の押圧力に抗する方向の力を受けて、
前記環状空間23b(23a)の幅の広い部分に向け退
避する傾向となる。この結果、この他方の摩擦ローラ式
変速ユニットを構成する、ガイドローラ10a、10b
及びウェッジローラ11(総ての中間ローラ)に関する
内径側、外径側両当接部26、27の当接圧が低下若し
くは喪失する。この結果、この他方の摩擦ローラ式変速
ユニット30b(30a)は、上記入力軸6及び中心ロ
ーラ4aから上記外輪15a及び出力軸20への回転力
の伝達を行なわない状態となる。言い換えれば、上記他
方の摩擦ローラ式変速ユニット30b(30a)が、前
記一方の摩擦ローラ式変速ユニット30a(30b)に
よる回転力伝達に対する抵抗となる事はない。
【0043】又、本発明の摩擦ローラ式変速機の場合に
は、上記1対の摩擦ローラ式変速ユニット30a、30
b同士の間で、上記中心ローラ4aと上記外輪15aと
の間の変速比が互いに異なる。この為、この中心ローラ
4aから外輪15aへ伝達する回転速度及びトルクの大
きさを、この中心ローラ4aの正転時と逆転時とで互い
に異ならせる事ができる。この結果、本発明の摩擦ロー
ラ式変速機を電動モータ等の各種駆動装置の出力部に組
み込んで使用すれば、電動自動車や電動車椅子の様に前
進時と後進時とで必要な走行速度が異なる乗り物や、昇
降機、建設用重機、産業用ロボットのアーム等の様に駆
動方向により必要な動力が異なる機械を、それぞれ適切
に駆動できる。
【0044】尚、上述した第1例を実施する場合には、
1対の摩擦ローラ式変速ユニット30a、30b同士
で、中心ローラ4aの外径差(d1 −d2 )と外輪15
aの内径差(D2 −D1 )とを、互いに異ならせる事も
できる。この場合には、上記各摩擦ローラ式変速ユニッ
ト30a、30bを構成する各支持軸7a〜7cのピッ
チ円直径を互いに一致させず、これら各支持軸7a〜7
cを各環状空間23a、23bの直径方向に関する中央
部に配置する。但し、上述した第1例の様に、各寸法を
(d1 −d2 )=(D2 −D1 )を満たす様に規制すれ
ば、上記両摩擦ローラ式変速ユニット30a、30b同
士で互いのガイドローラ10、10を支持する支持軸を
共通部品(単一軸)にできる等のメリットを得られる。
【0045】次に、図5〜8は、請求項1、3、4、5
に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示してい
る。本例の場合、1対の摩擦ローラ式変速ユニット30
a、30b同士で、中心ローラ4b、4cと外輪15
b、15cとを、それぞれ別体とすると共に、これら両
中心ローラ4b、4c同士及び両外輪15b、15c同
士を、それぞれ回転力の伝達自在に、且つ、ラジアル方
向に関する若干の相対変位自在に結合している。
【0046】この為に、図示の例では、一方(図5、8
の右方)の中心ローラ4bの先端部(図5の左端部)に
係合凹溝37を、他方(図5の左方)の中心ローラ4c
の基端部(図5の右端部)に係合凸部38を、それぞれ
直径方向に亙って形成すると共に、これら係合凹溝37
と係合凸部38とを緩く係合させている。この様に係合
凹溝37と係合凸部38とを緩く係合させる為に、この
係合凹溝37の幅寸法をこの係合凸部38の幅寸法より
も少し大きくしている。
【0047】又、上記各外輪15b、15cの互いに対
向する軸方向端面同士で円周方向に関し互いに整合する
複数個所に、それぞれ係合孔39、39を形成してい
る。そして、これら互いに整合する各係合孔39、39
同士のうち、一方(図示の例では左方)の係合孔39に
ノックピン40の片半部を圧入すると共に、他方の係合
孔39にこのノックピン40の他半部を、緩く挿入して
いる。この様にノックピン40の他半部を他方の係合孔
39に緩く挿入する為に、この他方の係合孔39の内径
をこのノックピン40の外径よりも少し大きくしてい
る。そして、この様な構成を採用する事により、上記両
中心ローラ4b、4c同士及び両外輪15b、15c同
士を、それぞれ回転力の伝達自在に、且つ、ラジアル方
向に関する若干の相対変位自在に結合している。尚、上
記両中心ローラ4b、4c同士及び両外輪15b、15
c同士を、それぞれ回転力の伝達自在に、且つ、ラジア
ル方向に関する若干の相対変位自在に結合する為の構造
は、それぞれ図示の様なものに限らず、緩いキー係合、
或は緩いスプライン係合等でも良い。
【0048】又、本例の場合、第二の連結板34aは、
上述の図1〜4に示した第1例の様な円輪状ではなく、
円板状に形成している。これと共に、上記他方の中心ロ
ーラ4cの先端面(図5、8の左端面)中心部に鋼球4
9(図8には図示省略)を圧入固定し、この鋼球49
を、上記第二の連結板34aの片面(図5の右面)中心
部に突き当てて、ピボット軸受を構成している。このピ
ボット軸受は、上記中心ローラ4aの回転を自在としつ
つ、この中心ローラ4aの軸方向に関する位置決めを図
る為に設けている。尚、この様なピボット軸受を組み込
む構造は、上述した第1例の摩擦ローラ式変速機に採用
する事もできる。
【0049】上述の様に構成する本例の摩擦ローラ式変
速機の場合、1対の摩擦ローラ式変速ユニット30a、
30b同士で、これら各摩擦ローラ式変速ユニット30
a、30bを構成する各ガイドローラ10a、10bの
外径若しくは取付位置がずれていたり、構成各部材の弾
性変形量若しくは熱膨張量が互いに異なった場合には、
回転力の伝達時に、互いの中心ローラ4b、4c同士及
び外輪15b、15c同士が、互いに独立してラジアル
方向に変位する。この為、上記各摩擦ローラ式変速ユニ
ット30a、30b共に、それぞれ内径側、外径側各当
接部26、27の当接圧を設計値通りにする機能を、安
定して得られる。その他の構成及び作用は、上述した第
1例の場合と同様である。
【0050】次に、図9は、請求項1、2、4に対応す
る、本発明の実施の形態の第3例を、図10は、請求項
1、3、4に対応する、同第4例を、それぞれ示してい
る。これら第3〜4例の摩擦ローラ式変速機の場合、1
対の摩擦ローラ式変速ユニット30a、30b同士で、
中心ローラ4、4d及び4eの外径を互いに等しくして
いる。これと共に、外輪15a、15b及び15cの内
径を、片側(図9〜10の右側)の摩擦ローラ式変速ユ
ニット30aよりも、他側(図9〜10の左側)の摩擦
ローラ式変速ユニット30bの方で大きくしている。
又、これに伴い、上記各摩擦ローラ式変速ユニット30
a、30bを構成する各ガイドローラ10a、10b及
びウェッジローラ11を回転自在に支持する各支持軸
(図示せず)のピッチ円直径を互いに一致させず、これ
ら各支持軸を各環状空間23a、23bの直径方向に関
する中央部に配置している。即ち、本例の場合、上記各
支持軸のピッチ円直径は、片側の摩擦ローラ式変速ユニ
ット30aよりも、他側の摩擦ローラ式変速ユニット3
0bの方で大きい。そして、この様な構成を採用する事
により、上記他側の摩擦ローラ式変速ユニット30bの
変速比を、上記片側の摩擦ローラ式変速ユニット30a
の変速比よりも大きくしている。その他の構成及び作用
は、図9に示した第3例の場合には、前述の図1〜4に
示した第1例の場合と、図10に示した第4例の場合に
は、上述の図5〜8に示した第2例の場合と、それぞれ
同様である。
【0051】尚、上述の各例は、中心ローラを入力側と
し、外輪を出力側とする事により、摩擦ローラ式変速機
を減速機として利用する場合に就いて示した。これに対
して、外輪を入力側とし、中心ローラを出力側とする事
により、摩擦ローラ式変速機を増速機として利用する場
合も、入出力の方向が逆になる以外、上述した各例の場
合と同様の作用により、上記外輪と上記中心ローラとの
間で両方向の回転駆動力の伝達を行なえる。
【0052】
【発明の効果】本発明の摩擦ローラ式変速機は、以上に
述べた通り構成され作用するが、両方向の回転力を伝達
できる構造で、大きな回転力を伝達できると共に、高い
伝達効率を得られ、しかも伝達する回転運動の方向によ
って異なる変速比を得られる為、各種装置の駆動状態を
適正にする設計が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す断面図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】同B−B断面図。
【図4】互いに結合した1対の摩擦ローラ式変速ユニッ
ト部分の大略構成を、一部を切断した状態で示す斜視
図。
【図5】本発明の実施の形態の第2例を示す断面図。
【図6】図5のC−C断面図。
【図7】同D−D断面図。
【図8】本発明の実施の形態の第2例を示す、図4と同
様の図。
【図9】同第3例を示す、図4と同様の図。
【図10】同第4例を示す、図4と同様の図。
【図11】従来構造の1例を示す断面図。
【図12】図11のE−E断面図。
【図13】同F−F断面図。
【図14】動力伝達時の各構成部材の作動状態を説明す
る為の、図12〜13と同方向から見た状態で示す略
図。
【図15】動力伝達時に中心ローラ及び外輪に加わる力
を説明する為の、図12〜13と同方向から見た状態で
示す略図。
【符号の説明】
1、1a 本体 2、2a 蓋体 3、3a ハウジング 4、4a、4b、4c、4d、4e 中心ローラ 5 通孔 6 入力軸 7a、7b、7c 枢軸 8 連結板 9 支持孔 10、10a、10b ガイドローラ 11、11a、11b ウェッジローラ 12 ラジアルニードル軸受 13、13a、13b 突部 14 連結ボルト 15、15a、15b、15c 外輪 16 凸部 17 第二の円筒面 18 第三の円筒面 19 結合ブラケット 20 出力軸 21 第二の通孔 22 第一の円筒面 23、23a、23b 環状空間 24、24a シリンダ孔 25、24a 圧縮コイルばね 26 内径側当接部 27 外径側当接部 28 玉軸受 29 玉軸受 30a、30b 摩擦ローラ式変速ユニット 31 係合凹溝 32 係合凸部 33 第一の連結板 34、34a 第二の連結板 35 結合板部 36 押圧ピン 37 係合凸部 38 係合凹溝 39 係合孔 40 ノックピン 41 大径円柱部 42 小径円柱部 43 厚肉円筒部 44 薄肉円筒部 45 突片 46 切り欠き 47 係止溝 48 止め輪 49 剛球

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面を第一の円筒面とした中心ローラ
    と、内周面を第二の円筒面としてこの中心ローラの周囲
    に、この中心ローラに対する相対回転を自在に設けられ
    た外輪と、上記第一の円筒面と上記第二の円筒面との間
    の環状空間内に、上記中心ローラと平行に配置された3
    本以上の支持軸と、これら各支持軸により回転自在に支
    持され、それぞれの外周面を上記第一、第二の各円筒面
    と当接自在な第三の円筒面とした3個以上の中間ローラ
    とを備え、上記中心ローラの中心と上記外輪の中心とを
    偏心させる事により、上記環状空間の幅寸法を円周方向
    に関して不同にし、上記3個以上の中間ローラのうちの
    1個の中間ローラを、少なくとも上記環状空間の円周方
    向に変位自在に支持してウェッジローラとし、残りの中
    間ローラをガイドローラとすると共に、上記中心ローラ
    及び外輪が所定方向に回転した場合に、上記ウェッジロ
    ーラとなる中間ローラを上記環状空間の幅の狭い部分に
    向け移動自在とする事により、上記中心ローラと上記外
    輪との間で所定方向の回転力のみ伝達自在とした摩擦ロ
    ーラ式変速ユニットであって上記中心ローラと上記外輪
    との間の変速比が互いに異なるものを1対、これら両摩
    擦ローラ式変速ユニットを構成する上記中心ローラ同士
    及び上記外輪同士をそれぞれ実質的に同心に配置した状
    態で、且つ、これら両摩擦ローラ式変速ユニット同士で
    上記中心ローラと上記外輪との間で伝達可能な回転力の
    方向が互いに逆となる様に設け、上記両摩擦ローラ式変
    速ユニットを構成する中心ローラ及び外輪の軸方向端部
    同士を、それぞれ回転力の伝達自在に結合して成る摩擦
    ローラ式変速機。
  2. 【請求項2】 各中心ローラと各外輪とのうちの少なく
    とも一方の部材同士を単一の部材により構成した、請求
    項1に記載した摩擦ローラ式変速機。
  3. 【請求項3】 各中心ローラと各外輪とのうちの少なく
    とも一方の部材同士が、互いに独立したラジアル方向の
    変位自在に結合されている、請求項1〜2の何れかに記
    載した摩擦ローラ式変速機。
  4. 【請求項4】 1対の摩擦ローラ式変速ユニットのうち
    の一方の摩擦ローラ式変速ユニットを構成する第一の円
    筒面と第二の円筒面との直径をそれぞれd1、D1
    し、同じく他方の摩擦ローラ式変速ユニットを構成する
    第一の円筒面と第二の円筒面との直径をそれぞれd2
    2 とした場合に、これら各寸法がd1>d2 、D1
    2 の関係を満たす、請求項1〜3の何れかに記載した
    摩擦ローラ式変速機。
  5. 【請求項5】 各寸法d1 、d2 、D1 、D2 が、(d
    1 −d2 )=(D2−D1 )の関係も満たす、請求項4
    に記載した摩擦ローラ式変速機。
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