JP2000193056A - トロイダル型無段変速機用入力側ディスクユニット - Google Patents
トロイダル型無段変速機用入力側ディスクユニットInfo
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- JP2000193056A JP2000193056A JP10369101A JP36910198A JP2000193056A JP 2000193056 A JP2000193056 A JP 2000193056A JP 10369101 A JP10369101 A JP 10369101A JP 36910198 A JP36910198 A JP 36910198A JP 2000193056 A JP2000193056 A JP 2000193056A
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Abstract
と、ローラ12、12と、入力側ディスク2Aとの組み
合わせ関係の適否を、予め知り、且つ、これら各部材を
傷める事なく非分離に結合自在な構造を実現する。 【解決手段】 組み付け用治具34を構成する複数の結
合腕68により、上記入力側ディスク2Aの内側面2a
の周縁部を係止する。これら各結合腕68の基端部78
を結合した基板67に螺合した複数の押圧ねじ74によ
り、上記カム板10を押圧する。又、この基板67にね
じ止め固定した押圧板により、上記入力軸15bの抜け
止めを図る。
Description
無段変速機用入力側ディスクユニットは、例えば自動車
用変速機の変速ユニットとして、或は各種産業機械用の
変速機として、それぞれ利用するトロイダル型無段変速
機の組立作業を容易にすると共に、精度向上に基づく性
能向上を図るものである。
する様なトロイダル型無段変速機を使用する事が研究さ
れている。このトロイダル型無段変速機は、例えば実開
昭62−71465号公報に開示されている様に、入力
軸1と同心に入力側ディスク2を支持し、この入力軸1
と同心に配置した出力軸3の端部に出力側ディスク4を
固定している。トロイダル型無段変速機を納めたケーシ
ングの内側には、上記入力軸1並びに出力軸3に対して
捻れの位置にある枢軸5、5を中心として揺動するトラ
ニオン6、6を設けている。
外れた部分に配置したこれら各トラニオン6、6は、そ
れぞれの両端部外面に上記枢軸5、5を、上記両ディス
ク2、4の中心軸の方向に対し直角方向に、且つ、互い
に同心に設けている。又、これら各トラニオン6、6の
中間部には変位軸7、7の基端部を支持し、上記枢軸
5、5を中心として上記各トラニオン6、6を揺動させ
る事により、上記各変位軸7、7の傾斜角度の調節を自
在としている。上記各トラニオン6、6に支持した変位
軸7、7の周囲には、それぞれパワーローラ8、8を回
転自在に支持している。そして、これら各パワーローラ
8、8を、上記入力側、出力側両ディスク2、4の、互
いに対向する内側面2a、4a同士の間に挟持してい
る。これら各内側面2a、4aは、それぞれ断面が、上
記枢軸5を中心とする円弧を回転させて得られる凹面を
なしている。そして、球状凸面に形成した上記各パワー
ローラ8、8の周面8a、8aを、上記内側面2a、4
aに当接させている。
は、ローディングカム式の押圧装置9を設け、この押圧
装置9によって、上記入力側ディスク2を出力側ディス
ク4に向け、弾性的に押圧自在としている。この押圧装
置9は、入力軸1と共に回転するカム板10と、保持器
11により転動自在に保持した複数個(例えば4個)の
ローラ12、12とから構成している。上記カム板10
の片側面(図4〜5の左側面)には、円周方向に亙る凹
凸面である駆動側カム面13を形成し、上記入力側ディ
スク2の外側面(図4〜5の右側面)にも、同様の形状
を有する被駆動側カム面14を形成している。そして、
上記複数個のローラ12、12を、上記入力軸1の中心
に関し放射方向の軸を中心とする回転自在に支持してい
る。
機の使用時、入力軸1の回転に伴ってカム板10が回転
すると、駆動側カム面13が複数個のローラ12、12
を、入力側ディスク2の外側面に形成した被駆動側カム
面14に押圧する。この結果、上記入力側ディスク2
が、上記複数のパワーローラ8、8に押圧されると同時
に、上記駆動側、被駆動側両カム面13、14と複数個
のローラ12、12との押し付け合いに基づいて、上記
入力側ディスク2が回転する。そして、この入力側ディ
スク2の回転が、前記複数のパワーローラ8、8を介し
て出力側ディスク4に伝達され、この出力側ディスク4
に固定の出力軸3が回転する。
比)を変える場合で、先ず入力軸1と出力軸3との間で
減速を行なう場合には、前記各枢軸5、5を中心として
前記各トラニオン6、6を所定方向に揺動させる。そし
て、上記各パワーローラ8、8の周面8a、8aが図4
に示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの中心寄り
部分と出力側ディスク4の内側面4aの外周寄り部分と
にそれぞれ当接する様に、前記各変位軸7、7を傾斜さ
せる。反対に、増速を行なう場合には、上記枢軸5、5
を中心として上記各トラニオン6、6を反対方向に揺動
させる。そして、上記各パワーローラ8、8の周面8
a、8aが図5に示す様に、入力側ディスク2の内側面
2aの外周寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの
中心寄り部分とに、それぞれ当接する様に、上記各変位
軸7、7を傾斜させる。各変位軸7、7の傾斜角度を図
4と図5との中間にすれば、入力軸1と出力軸3との間
で、中間の変速比を得られる。
号(実開平1−173552号)のマイクロフィルムに
記載された、より具体化されたトロイダル型無段変速機
の1例を示している。入力側ディスク2と出力側ディス
ク4とは円管状の入力軸15の周囲に、それぞれニード
ル軸受16、16を介して回転自在に支持している。
又、カム板10は上記入力軸15の端部(図6の左端
部)外周面にスプライン係合させ、鍔部17により上記
入力側ディスク2から離れる方向への移動を阻止してい
る。そして、このカム板10とローラ12、12とによ
り、上記入力軸15の回転に基づいて上記入力側ディス
ク2を、上記出力側ディスク4に向け押圧しつつ回転さ
せる、ローディングカム式の押圧装置9を構成してい
る。上記出力側ディスク4には出力歯車18を、キー1
9、19により結合し、これら出力側ディスク4と出力
歯車18とが同期して回転する様にしている。
支持板20、20に、揺動並びに軸方向(図6の表裏方
向、図7の左右方向)に亙る変位自在に支持している。
そして、上記各トラニオン6、6の中間部に形成した円
孔23、23部分に、変位軸7、7を支持している。こ
れら各変位軸7、7は、互いに平行で且つ偏心した支持
軸部21、21と枢支軸部22、22とを、それぞれ有
する。このうちの各支持軸部21、21を上記各円孔2
3、23の内側に、ラジアルニードル軸受24、24を
介して、回転自在に支持している。又、上記各枢支軸部
22、22の周囲にパワーローラ8、8を、別のラジア
ルニードル軸受25、25を介して、回転自在に支持し
ている。
軸15に対して180度反対側位置に設けている。又、
これら各変位軸7、7の各枢支軸部22、22が各支持
軸部21、21に対し偏心している方向は、上記入力
側、出力側両ディスク2、4の回転方向に関し同方向
(図7で左右逆方向)としている。又、偏心方向は、上
記入力軸15の配設方向に対しほぼ直交する方向として
いる。従って、上記各パワーローラ8、8は、上記入力
軸15の配設方向に亙る若干の変位自在に支持される。
この結果、回転力の伝達状態で構成各部材に加わる大き
な荷重に基づく、これら構成各部材の弾性変形に起因し
て、上記各パワーローラ8、8が上記入力軸15の軸方
向(図6の左右方向、図7の表裏方向)に変位する傾向
となった場合でも、上記構成各部品に無理な力を加える
事なく、この変位を吸収できる。
上記各トラニオン6、6の中間部内側面との間には、パ
ワーローラ8、8の外側面の側から順に、スラスト玉軸
受26、26とスラストニードル軸受27、27とを設
けている。このうちのスラスト玉軸受26、26は、上
記各パワーローラ8、8に加わるスラスト方向の荷重を
支承しつつ、これら各パワーローラ8、8の回転を許容
するものである。この様なスラスト玉軸受26、26は
それぞれ、複数個ずつの玉29、29と、これら各玉2
9、29を転動自在に保持する円環状の保持器28、2
8と、円環状の外輪30、30とから構成している。各
スラスト玉軸受26、26の内輪軌道は上記各パワーロ
ーラ8、8の外側面に、外輪軌道は上記各外輪30、3
0の内側面に、それぞれ形成している。
7は、レース31と保持器32とニードル33、33と
から構成する。このうちのレース31と保持器32と
は、回転方向に亙る若干の変位自在に組み合わせてい
る。この様なスラストニードル軸受27、27は、上記
各レース31、31を上記各トラニオン6、6の内側面
に当接させた状態で、この内側面と上記外輪30、30
の外側面との間に挟持している。この様なスラストニー
ドル軸受27、27は、上記各パワーローラ8、8から
上記各外輪30、30に加わるスラスト荷重を支承しつ
つ、前記各枢支軸部22、22及び上記外輪30、30
が、前記支持軸部21、21を中心に揺動する事を許容
する。
(図7の左端部)にはそれぞれ駆動ロッド36、36を
結合し、これら各駆動ロッド36、36の中間部外周面
に駆動ピストン37、37を固設している。そして、こ
れら各駆動ピストン37、37を、それぞれ駆動シリン
ダ38、38内に油密に嵌装している。
速機の場合には、入力軸15の回転は、押圧装置9を介
して入力側ディスク2に伝わる。そして、この入力側デ
ィスク2の回転が、1対のパワーローラ8、8を介して
出力側ディスク4に伝わり、更にこの出力側ディスク4
の回転が、出力歯車18より取り出される。入力軸15
と出力歯車18との間の回転速度比を変える場合には、
上記1対の駆動ピストン37、37を互いに逆方向に変
位させる。これら各駆動ピストン37、37の変位に伴
って上記1対のトラニオン6、6が、それぞれ逆方向に
変位し、例えば図7の下側のパワーローラ8が同図の右
側に、同図の上側のパワーローラ8が同図の左側に、そ
れぞれ変位する。この結果、これら各パワーローラ8、
8の周面8a、8aと上記入力側ディスク2及び出力側
ディスク4の内側面2a、4aとの当接部に作用する、
接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向き
の変化に伴って上記各トラニオン6、6が、支持板2
0、20に枢支された枢軸5、5を中心として、互いに
逆方向に揺動する。この結果、前述の図4〜5に示した
様に、上記各パワーローラ8、8の周面8a、8aと上
記各内側面2a、4aとの当接位置が変化し、上記入力
軸15と出力歯車18との間の回転速度比が変化する。
8との間で回転力の伝達を行なう際には、構成各部材の
弾性変形に基づいて上記各パワーローラ8、8が、上記
入力軸15の軸方向に変位し、これら各パワーローラ
8、8を枢支している前記各変位軸7、7が、前記各支
持軸部21、21を中心として僅かに回動する。この回
動の結果、前記各スラスト玉軸受26、26の外輪3
0、30の外側面と上記各トラニオン6、6の内側面と
が相対変位する。これら外側面と内側面との間には、前
記各スラストニードル軸受27、27が存在する為、こ
の相対変位に要する力は小さい。従って、上述の様に各
変位軸7、7の傾斜角度を変化させる為の力が小さくて
済む。
8〜9に示す様に、入力軸15aの周囲に入力側ディス
ク2A、2Bと出力側ディスク4、4とを2個ずつ設
け、これら2個ずつの入力側ディスク2A、2Bと出力
側ディスク4、4とを動力の伝達方向に関して互いに並
列に配置する構造も、従来から知られている。これら図
8〜9に示した構造は何れも、上記入力軸15aの中間
部周囲に出力歯車18aを、この入力軸15aに対する
回転を自在として支持し、この出力歯車18aの中心部
に設けた円筒部の両端部に上記各出力側ディスク4、4
を、スプライン係合させている。そして、これら各出力
側ディスク4、4の内周面と上記入力軸15aの外周面
との間にニードル軸受16、16を設け、これら各出力
側ディスク4、4を上記入力軸15aの周囲に、この入
力軸15aに対する回転、並びにこの入力軸15aの軸
方向に亙る変位を自在に支持している。又、上記各入力
側ディスク2A、2Bは、上記入力軸15aの両端部
に、この入力軸15aと共に回転自在に支持している。
この入力軸15aは、駆動軸51により、ローディング
カム式の押圧装置9を介して回転駆動する。尚、この駆
動軸51の先端部(図8〜9の左端部)外周面と上記入
力軸15aの基端部(図8〜9の右端部)内周面との間
には、滑り軸受、ニードル軸受等のラジアル軸受52を
設けている。従って、上記駆動軸51と入力軸15aと
は、互いに同心に配置された状態のまま、回転方向に亙
る若干の変位自在に組み合わされている。
ィスク2Aは、背面(図8〜9の左面)をローディング
ナット39に、直接(図9に示した構造の場合)又は大
きな弾力を有する皿板ばね45を介し(図8に示した構
造の場合)突き当てて、上記入力軸15aに対する軸方
向(図8〜9の左右方向)の変位を実質的に阻止してい
る。これに対して、カム板10に対向する入力側ディス
ク2Bは、ボールスプライン40により上記入力軸15
aに、軸方向に亙る変位自在に支持している。そして、
この入力側ディスク2Bの背面(図8〜9の右面)とカ
ム板10の前面(図8〜9の左面)との間に皿板ばね4
1とスラストニードル軸受42とを、互いに直列に設け
ている。このうちの皿板ばね41は、上記各ディスク2
A、2B、4の内側面2a、4aとパワーローラ8、8
の周面8a、8aとの当接部に予圧を付与する役目を果
たす。又、スラストニードル軸受42は、押圧装置9の
作動時に、上記入力側ディスク2Bとカム板10との相
対回転を許容する役目を果たす。
側歯車18aはハウジングの内側に設けた仕切壁44
に、1対のアンギュラ型玉軸受43、43により、軸方
向に亙る変位を阻止した状態で、回転自在に支持してい
る。これに対して図9に示した構造例の場合、出力歯車
18aの軸方向に亙る変位は自在である。尚、上述した
図8〜9に示した様に、2個ずつの入力側ディスク2
A、2Bと出力側ディスク4、4とを動力の伝達方向に
関して互いに並列に配置する、所謂ダブルキャビティ型
のトロイダル型無段変速機が、カム板10に対向する一
方又は双方の入力側ディスク2A、2Bをボールスプラ
イン40、40aにより上記入力軸15aに、軸方向に
亙る変位自在に支持している理由は、これら両ディスク
2A、2Bの回転を完全に同期させつつ、上記押圧装置
9の作動に伴う構成各部材の弾性変形に基づいて上記両
ディスク2A、2Bが上記入力軸15aに対し軸方向に
変位する事を許容する為である。
ン40、40aは、上記入力側ディスク2A、2Bの内
周面に形成した内径側ボールスプライン溝46と、上記
入力軸15aの中間部外周面に形成した外径側ボールス
プライン溝47と、これら両ボールスプライン溝46、
47同士の間に転動自在に設けられた複数個のボール4
8、48とを備える。又、上記押圧装置9側の入力側デ
ィスク2Bを支持する為のボールスプライン40に関し
ては、上記入力側ディスク2Bの内周面の内側面2a寄
り部分に形成した係止溝49に係止環50を係止して、
上記複数個のボール48、48が上記入力側ディスク2
Bの内側面2a側に変位するのを制限している。そし
て、上記各ボール48、48が上記内径側、外径側両ボ
ールスプライン溝46、47同士の間から抜け出る事を
防止している。尚、図8の構造で、上記押圧装置9から
離れた側の入力側ディスク2Aを支持する為のボールス
プライン40aに関しては、前記入力軸15aの先端寄
り部分(図8の左端寄り部分)外周面に形成した係止溝
49aに係止環50aを係止して、複数個のボール4
8、48が上記入力側ディスク2Aの内側面2a側に変
位するのを制限している。
用するトロイダル型無段変速機を組み立てる場合に従来
は、このトロイダル型無段変速機の本体を収納するハウ
ジング53(図7)の内側に構成各部品を、順番に組み
付ける様にしていた。従って、構成各部品の寸法誤差の
積算に基づく各部の位置関係のずれ、延ては構成各部品
が正しく機能するか否かは、これら構成各部品を上記ハ
ウジング53内に総て組み付けた後でしか確認できなか
った。一方、トロイダル型無段変速機の効率並びに耐久
性を確保する為には、構成各部材同士の位置関係を高精
度に維持しなければならない。この為、上記構成各部品
の寸法誤差の積算に基づいて各部の位置関係のずれが大
きくなった場合には、他の部品との組み合わせによりこ
のずれを小さくすべく、上記ハウジング53内で組み立
てたトロイダル型無段変速機の分解及び再組立を行なわ
なければならない。この様にしてトロイダル型無段変速
機の組立作業を行なうと、トロイダル型無段変速機の製
造作業が面倒で、コストの低廉化を図れない。
置9を構成するカム板10及び保持器11に通孔35、
54を形成すると共に、入力側ディスク2の背面にねじ
孔55、55を形成し、これら通孔35、54及びねじ
孔55と組み付け治具56とにより、構成各部材を非分
離に組み合わせる事も考えられる。即ち、この組み付け
治具56を構成する環状の基板57及び上記両通孔3
5、54を挿通したねじ58、58を上記各ねじ孔5
5、55に螺合して、カム板10と保持器11と入力側
ディスク2とが互いに分離しない様する。又、上記基板
57にねじ止め固定した抑え板59により、上記カム板
10と保持器11と入力側ディスク2との内側に挿通し
た入力軸15bの端面を抑えて、この入力軸15bがこ
れら各部材10、11、2の内側から抜け出す事を防止
する。
通孔35、54やねじ孔55、55を形成する事によ
り、上記各部材10、11、2の強度が低下する可能性
がある。トロイダル型無段変速機の運転時に上記入力側
ディスク2には、トラクションドライブによる動力伝達
の為に必要な、大きな押し付け力が加わる。この様な場
合に上記ねじ孔55、55が存在すると、これら各ねじ
孔55、55部分に応力集中が発生し、強度が低下して
耐久性が不十分となる。この為、十分な耐久性を確保す
る為には、これら各部材10、11、2を厚肉化する必
要が生じ、トロイダル型無段変速機の重量が増大する原
因となる為、好ましくない。本発明のトロイダル型無段
変速機用入力側ディスクユニットは、この様な事情に鑑
みて、発明したものである。
変速機用入力側ディスクユニットは、入力軸と、この入
力軸の一端部に固設した鍔部と、入力軸の中間寄り側面
であるこの鍔部の内側面に支持した、内側面を円周方向
に亙る凹凸である駆動側カム面とした円輪状のカム板
と、この駆動側カム面に対向する外側面を円周方向に亙
る凹凸である被駆動側カム面とすると共に軸方向反対側
の内側面を断面円弧状の凹面とし、上記入力軸の中間部
一端寄り部分の周囲にこの入力軸に対する軸方向に亙る
変位とこの入力軸と同期した回転を自在に支持した入力
側ディスクと、上記駆動側カム面と被駆動側カム面との
間に挟持した複数個のローラと、これら複数個のローラ
を転動自在に保持する保持器とを備え、これら互いに別
体の部品である入力軸とカム板と入力側ディスクとロー
ラと保持器とを、トロイダル型無段変速機への組み付け
以前に、組み付け治具によりこのトロイダル型無段変速
機の組立完了後の位置関係に予め組み立てて非分離に結
合したものである。この様な本発明のトロイダル型無段
変速機用入力側ディスクユニットを構成する、上記組み
付け治具は、上記入力側ディスクの内側面外周縁部分に
それぞれの先端部を係合自在な複数の係合腕部と、これ
ら各係合腕部の基端部を結合自在でこれら各係合腕部の
先端部を上記入力側ディスクの内側面外周縁部分に係合
させた状態で上記カム板の外側面に対向する基板部と、
この基板部の中央部に設けられて上記各係合腕部の先端
部を上記入力側ディスクの内側面外周縁部分に係合させ
た状態で上記入力軸の端面に対向する押圧部とを備え
る。
変速機用入力側ディスクユニットを含んで構成するトロ
イダル型無段変速機は、前述した従来のトロイダル型無
段変速機と同様の作用に基づき、入力側ディスクと出力
側ディスクとの間で回転力の伝達を行ない、更にトラニ
オンの傾斜角度を変える事により、これら両ディスク同
士の間の回転速度比を変える。
入力側ディスクユニットの場合には、互いに別体の部品
である入力軸とカム板と入力側ディスクとローラと保持
器とを、トロイダル型無段変速機への組み付け以前に、
組み付け治具により、このトロイダル型無段変速機の組
立完了後の位置関係に予め組み立て、非分離に結合して
いる。この為、構成各部品の寸法誤差の積算に基づく各
部の位置関係のずれ、延ては構成各部品が正しく機能す
るか否かを、これら構成各部品をハウジング内に組み付
ける以前に確認できる。従って、トロイダル型無段変速
機全体を分解、再組立する等の面倒な作業を要する事な
く、トロイダル型無段変速機の効率並びに耐久性を確保
すべく、構成各部材同士の位置関係を高精度に維持でき
る。しかも上記組み付け用治具は、上記入力軸とカム板
と入力側ディスクとローラと保持器とを、これら何れの
部品にも、貫通孔やねじ孔等を形成する事なく組み立て
る事ができる。この為、上記組み付け用治具を装着する
事に基づき、上記何れの部品の強度も低下させずに済
む。
の1例を示している。尚、本発明の特徴は、トロイダル
型無段変速機の入力軸15bに、入力側ディスク2A及
び押圧装置9等を組み付けた構造をユニット化して、組
み付け治具34によりこれら各部品15a、2A、9同
士が不用意に分離する事を防止した点にある。その他の
部分の構造及び作用に就いては、前述した従来構造と同
様である為、重複する図示及び説明を省略若しくは簡略
にし、以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。
端部)には鍔部17aを固設し、この入力軸15bの中
間寄り側面であるこの鍔部17a内側面に、アンギュラ
型の内輪軌道60を形成している。又、内側面を円周方
向に亙る凹凸である駆動側カム面13とした円輪状のカ
ム板10の外側面内周縁部に、アンギュラ型の外輪軌道
61を形成している。そして、この外輪軌道61と上記
内輪軌道60との間に複数個の玉62、62を転動自在
に設けて、ラジアル、スラスト両方向の荷重を支承自在
な転がり軸受であるアンギュラ型の玉軸受63を構成
し、上記カム板10を上記鍔部17aの内側面に、上記
入力軸15bに対する回転自在に支持している。
〜3の左端寄り)部分の周囲には上記入力側ディスク2
Aを、ボールスプライン40を介して支持している。従
ってこの入力側ディスク2Aは、上記入力軸15bに、
この入力軸15bに対する軸方向に亙る変位とこの入力
軸15bと同期した回転を自在に支持している。尚、上
記ボールスプライン40を構成するボール48、48の
脱落を防止すべく、上記入力側ディスク2Aの内周面に
形成した内径側ボールスプライン溝46の内端寄り(図
1の右端寄り)部分にはディスク側止め輪64を、上記
入力軸15bの外周面に形成した外径側ボールスプライ
ン溝47の外端寄り(図1の左端寄り)部分には軸側止
め輪65を、それぞれ止着している。上記各ボール4
8、48は、これら各止め輪64、65により、上記各
ボールスプライン溝46、47からの抜け止めを図られ
ている。
記外径側ボールスプライン溝47の内端部位置には、小
径部66を形成している。この小径部66は、上記両ボ
ールスプライン溝46、47同士の間に上記各ボール4
8、48を挿入した後、上記ディスク側止め輪64を装
着する作業を行なえる様にすべく、設けている。又、上
記入力側ディスク2Aの内径は、上記ディスク側止め輪
64を係止する為の係止溝77よりも外側面寄り(図1
〜2の左寄り)部分の内径に比べて、この係止溝77よ
りも内側面側開口寄り(図1〜2の右寄り)部分の内径
を大きくしている。これは、上記各ボール48、48を
装着後、上記ディスク側止め輪64の装着作業を容易に
行なえる様にする為である。この様な入力側ディスク2
Aの内外両側面のうち、前記駆動側カム面13に対向す
る外側面は、円周方向に亙る凹凸である被駆動側カム面
14としている。一方、軸方向反対側の内側面2aは、
断面円弧状の凹面としている。
面14との間には複数個のローラ12、12を挟持し
て、ローディングカム式の押圧装置9を構成している。
又、上記各ローラ12、12は、全体を円輪状に形成し
た保持器11により、転動自在に保持している。尚、上
記各ローラ12、12は、上記入力側ディスク2Aのう
ちで最も肉厚が薄くなっている部分(上記内側面2aの
底部)をバックアップすべく、上記入力側ディスク2A
の直径方向に亙る位置を規制している。又、上記カム板
10の内周縁部に設けた、前記外輪軌道61形成部分
は、上記入力側ディスク2Aの外側面側に形成した凹部
に入り込んでいる。従って、上記外輪軌道61形成部分
の剛性を確保し、しかも上記押圧装置9及び入力側ディ
スク2A設置部分の軸方向寸法が嵩む事を防止できる。
ディスクユニットの場合には、互いに別体の部品である
上記入力軸15bと玉軸受63とカム板10と入力側デ
ィスク2Aとローラ12、12と保持器11とを、例え
ば前述の図8〜9に示した様なトロイダル型無段変速機
への組み付け以前に、このトロイダル型無段変速機の組
立完了後の位置関係に予め組み立て、組み付け用治具3
4により、互いに不用意に分離しない様に結合してい
る。この様に、上記各部品15b、63、10、2A、
12、11を組み立てて互いに結合する作業は、次の様
にして行なう。
軸側止め輪65を装着する。次いで、上記入力軸15b
を、一端部(図2〜3の左端部)を下にして立てた状態
で、この入力軸15bの一端部に上記カム板10を、前
記玉軸受63を介して装着する。次に、このカム板10
に設けた駆動側カム面13に、上記各ローラ12、12
及び前記保持器11を装着する(載置する)。続いて、
上記入力側ディスク2Aを上記入力軸15bに外嵌して
から、前記内径側、外径側両ボールスプライン溝46、
47同士の間に、前記各ボール48、48を挿入する。
この挿入作業は、上記内径側、外径側両ボールスプライ
ン溝46、47同士を整合させた状態で行なう。
の間に所定数のボール48、48を挿入したならば、次
いで、上記押圧装置9のカム板10を回転させて、上記
入力側ディスク2Aを上記入力軸15bの軸方向に移動
させ、前記係止溝77の内径側開口を前記小径部66に
開口させる。そして、この小径部66を通じて前記ディ
スク側止め輪64を、上記入力側ディスク2Aの内周面
の内側面2a寄り部分に内嵌し、上記ディスク側止め輪
64と上記係止溝77とを整合させる。そして、このデ
ィスク側止め輪64自身の弾性により、このディスク側
止め輪64と上記係止溝77とを係合させる。この様に
して係止溝77にディスク側止め輪64を装着したなら
ば、上記カム板10を逆方向に(或はそのままの方向に
更に)回転させて、上記各ローラ12、12を前記駆動
側、被駆動側両カム面13、14の凹部に当接させる。
この結果、上記係止溝77が上記小径部66から外れ、
上記ディスク側止め輪64がこの係止溝61から抜け出
る事がなくなる。この様にして各部品15b、63、1
0、2A、12、11を組み立てたならば、各部の寸法
並びに作動状態を確認し、これら寸法並びに作動状態が
適正であれば、前記組み付け用治具34により、上記各
部品15b、63、10、2A、12、11を、不用意
に分離しない様に結合する。尚、この際、上記各ローラ
12、12は、前記駆動側、被駆動側両カム面13、1
4の底部に位置させて、上記カム板10と入力側ディス
ク2Aとを再接近させておく。
した基板部に相当する、円輪状の基板67と、それぞれ
が請求項に記載した係合腕部に相当する3本の係合腕6
8、68と、請求項に記載した押圧部を有する押圧板6
9とを、結合ねじ70、71により互いに結合して成
る。このうちの各結合腕68、68は、それぞれの両端
部が同方向に直角に折れ曲がった長コ字形であり、先端
側(図2の右端側)の係止部72を上記入力側ディスク
2Aの内側面2aの外周縁部分に、それぞれ係合させて
いる。又、上記各結合腕68、68の基端部(図1の手
前端部、図2の左端部)に形成した結合部78を上記基
板67に対し、上記結合ねじ70、70により結合して
いる。更に、上記基板67の内径寄り部分で上記カム板
10の背面と対向する部分の複数個所(図示の例では3
個所)位置に形成したねじ孔73にはそれぞれ押圧ねじ
74、74を、上記カム板10と反対側から螺合してい
る。そして、これら各押圧ねじ74、74の先端面を上
記カム板10の背面に突き当てて、その反作用として、
上記各結合腕68、68の先端に形成した係止部72
を、上記入力側ディスク2Aの内側面2aの外周縁部分
に係止している。
形成して成り、両端部に形成した結合部75、75を上
記基板67に対し、上記結合ねじ71、71により結合
固定している。この状態で上記押圧板69の中央部に形
成した押圧部76は、前記入力軸15bの端面に、当接
若しくは近接する。この様に前記組み付け用治具34を
組み付けた状態で、上記各結合腕68、68と基板67
と押圧ねじ74、74とが、上記カム板10と保持器1
1と入力側ディスク2Aとが互いに分離する事を防止す
る。又、上記押圧板69が、上記入力軸15bがこれら
各部品10、11、2Aの内側から抜け出す事を防止す
る。この様にして上記各部品15b、63、10、2
A、12、11を結合する組み付け用治具34は、上記
入力軸15bとカム板10と入力側ディスク2Aとロー
ラ12、12と保持器11とを、これら何れの部品に
も、貫通孔やねじ孔等を形成する事なく組み立てる事が
できる。この為、上記組み付け用治具34を装着する事
に基づき、上記何れの部品の強度も低下させずに済む。
が不適正であれば、上記各部品15b、63、10、2
A、12、11を分解して、異なる部品と再組立する。
この様に本発明によれば、構成各部品の寸法誤差の積算
に基づく各部の位置関係のずれ、延ては構成各部品が正
しく機能するか否かを、これら構成各部品をハウジング
内に組み付ける以前に確認できる。従って、トロイダル
型無段変速機全体を分解、再組立する等の面倒な作業を
要する事なく、トロイダル型無段変速機の効率並びに耐
久性を確保すべく、構成各部品同士の位置関係を高精度
に維持できる。上述の様にして上記各部品15b、6
3、10、2A、12、11を組み立てて成る入力側デ
ィスクユニットは、やはり複数の部品を予め組み立てて
成る出力側ディスクユニット及びパワーローラユニット
と共にハウジング内に組み付けて、例えば、前述した図
8〜9に示した様なトロイダル型無段変速機を構成す
る。勿論、前記組み付け用治具34は、ハウジング内へ
の組み付けに先立って取り外しておく。即ち、上記組み
付け用治具34は、入力側ディスクユニットの保管、搬
送時等、上記ハウジング内への組み付け以前に、上記各
部品15b、63、10、2A、12、11同士が分離
するのを防止する役目を果たす。
ーローラユニットも、上述した入力側ディスクユニット
と同様に、複数の部品を組み立てた後、ハウジング内に
組み付ける以前に、各部の寸法並びに作動状態を確認
し、これら寸法並びに作動状態が適正であれば、適宜の
治具により上記各部品を仮止めしておく。従って、上記
各ユニットを組み合わせてトロイダル型無段変速機とし
た状態では、構成各部の作動状態を適正にできる。尚、
上記各ユニットを構成する各部品の表面には防錆油を付
着させておくが、この防錆油としては、トロイダル型無
段変速機内に充填するトラクションオイル中に混入した
場合にもこのトラクションオイルを劣化させにくい、指
定防錆油を使用する事が好ましい。
様な従来から知られているダブルキャビティ型のトロイ
ダル型無段変速機の様に、押圧装置9と予圧付与の為の
皿板ばね41とを直列に配置した構造に限らず、図11
に示す様に、押圧装置9と皿板ばね41とを並列に設け
た構造(特願平10−202098号)を組み合わせる
際にも利用できる。
側ディスクユニットは、以上に述べた通り構成され作用
する為、トロイダル型無段変速機の組立作業の能率化に
より、トロイダル型無段変速機の価格低減を図れる。
又、構成各部品の強度を低下する事もない為、これら各
部品の軽量化を十分に図る事も可能になる。
の基本的構成を、最大減速時の状態で示す側面図。
速機用入力側ディスクユニットの断面図。
Claims (1)
- 【請求項1】 入力軸と、この入力軸の一端部に固設し
た鍔部と、入力軸の中間寄り側面であるこの鍔部の内側
面に支持した、内側面を円周方向に亙る凹凸である駆動
側カム面とした円輪状のカム板と、この駆動側カム面に
対向する外側面を円周方向に亙る凹凸である被駆動側カ
ム面とすると共に軸方向反対側の内側面を断面円弧状の
凹面とし、上記入力軸の中間部一端寄り部分の周囲にこ
の入力軸に対する軸方向に亙る変位とこの入力軸と同期
した回転を自在に支持した入力側ディスクと、上記駆動
側カム面と被駆動側カム面との間に挟持した複数個のロ
ーラと、これら複数個のローラを転動自在に保持する保
持器とを備え、これら互いに別体の部品である入力軸と
カム板と入力側ディスクとローラと保持器とを、トロイ
ダル型無段変速機への組み付け以前に、組み付け治具に
よりこのトロイダル型無段変速機の組立完了後の位置関
係に予め組み立てて非分離に結合したトロイダル型無段
変速機用入力側ディスクユニットであって、上記組み付
け治具は、上記入力側ディスクの内側面外周縁部分にそ
れぞれの先端部を係合自在な複数の係合腕部と、これら
各係合腕部の基端部を結合自在でこれら各係合腕部の先
端部を上記入力側ディスクの内側面外周縁部分に係合さ
せた状態で上記カム板の外側面に対向する基板部と、こ
の基板部の中央部に設けられて上記各係合腕部の先端部
を上記入力側ディスクの内側面外周縁部分に係合させた
状態で上記入力軸の端面に対向する押圧部とを備えるも
のであるトロイダル型無段変速機用入力側ディスクユニ
ット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36910198A JP3829512B2 (ja) | 1998-12-25 | 1998-12-25 | トロイダル型無段変速機用入力側ディスクユニット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36910198A JP3829512B2 (ja) | 1998-12-25 | 1998-12-25 | トロイダル型無段変速機用入力側ディスクユニット |
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---|---|
JP2000193056A true JP2000193056A (ja) | 2000-07-14 |
JP2000193056A5 JP2000193056A5 (ja) | 2005-07-21 |
JP3829512B2 JP3829512B2 (ja) | 2006-10-04 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005320992A (ja) * | 2004-05-06 | 2005-11-17 | Nsk Ltd | トロイダル型無段変速機の組立方法および組立治具 |
JP2006342841A (ja) * | 2005-06-07 | 2006-12-21 | Nsk Ltd | トロイダル型無段変速機 |
JP2007162904A (ja) * | 2005-12-16 | 2007-06-28 | Nsk Ltd | トロイダル型無段変速機の組み付けアセンブリおよび組み付けアセンブリ用固定具 |
JP2015094456A (ja) * | 2013-11-14 | 2015-05-18 | 日本精工株式会社 | トロイダル型無段変速機 |
-
1998
- 1998-12-25 JP JP36910198A patent/JP3829512B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2015094456A (ja) * | 2013-11-14 | 2015-05-18 | 日本精工株式会社 | トロイダル型無段変速機 |
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