JP2000205359A - ハ―フトロイダル型無段変速機 - Google Patents

ハ―フトロイダル型無段変速機

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JP2000205359A
JP2000205359A JP11003646A JP364699A JP2000205359A JP 2000205359 A JP2000205359 A JP 2000205359A JP 11003646 A JP11003646 A JP 11003646A JP 364699 A JP364699 A JP 364699A JP 2000205359 A JP2000205359 A JP 2000205359A
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needle
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power roller
variable transmission
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裕之 伊藤
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誠二 樋口
Nobuo Goto
伸夫 後藤
Hiroshi Fukushima
弘志 福島
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    • F16HGEARING
    • F16H15/00Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by friction between rotary members
    • F16H15/02Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by friction between rotary members without members having orbital motion
    • F16H15/04Gearings providing a continuous range of gear ratios
    • F16H15/06Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B
    • F16H15/32Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line
    • F16H15/36Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line with concave friction surface, e.g. a hollow toroid surface
    • F16H15/38Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line with concave friction surface, e.g. a hollow toroid surface with two members B having hollow toroid surfaces opposite to each other, the member or members A being adjustably mounted between the surfaces

Abstract

(57)【要約】 【課題】 運転時に加わる荷重に基づくパワーローラ8
の弾性変形に拘らず、ラジアルニードル軸受25aの耐
久性を確保する。 【解決手段】 上記ラジアルニードル軸受25aを構成
する各ニードル54a、54aの軸方向両端部に、適正
なクラウニング58、58を施す。上記パワーローラ8
の弾性変形時にも、パワーローラ8の内周面に設けた外
輪軌道57や、枢軸7を構成する枢支軸部22の外周面
に形成した内輪軌道56に、エッジロードが加わらな
い。これにより、各面に早期剥離等の損傷が発生する事
を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係るハーフトロイ
ダル型無段変速機は、例えば自動車用の変速機を構成す
る変速ユニットとして、或は各種産業機械用の変速機と
して、それぞれ利用する。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車用変速機を構成する変速ユ
ニットとして、図7〜8に略示する様なハーフトロイダ
ル型無段変速機を使用する事が研究されている。このハ
ーフトロイダル型無段変速機は、例えば実開昭62−7
1465号公報に開示されている様に、入力軸1と同心
に入力側ディスク2を支持し、この入力軸1と同心に配
置した出力軸3の端部に出力側ディスク4を固定してい
る。ハーフトロイダル型無段変速機を納めたケーシング
の内側には、上記入力軸1並びに出力軸3に対して捻れ
の位置にある枢軸5、5を中心として揺動するトラニオ
ン6、6を設けている。
【0003】即ち、上記両ディスク2、4の中心軸から
外れた部分に配置したこれら各トラニオン6、6は、そ
れぞれの両端部外面に上記枢軸5、5を、上記両ディス
ク2、4の中心軸の方向に対し直角方向に、且つ、互い
に同心に設けている。又、これら各トラニオン6、6の
中間部には変位軸7、7の基端部を支持し、上記枢軸
5、5を中心として上記各トラニオン6、6を揺動させ
る事により、上記各変位軸7、7の傾斜角度の調節を自
在としている。上記各トラニオン6、6に支持した変位
軸7、7の周囲には、それぞれパワーローラ8、8を回
転自在に支持している。そして、これら各パワーローラ
8、8を、上記入力側、出力側両ディスク2、4の、互
いに対向する内側面2a、4a同士の間に挟持してい
る。これら各内側面2a、4aは、それぞれ断面が、上
記枢軸5を中心とする円弧を回転させて得られる凹面を
なしている。そして、球状凸面に形成した上記各パワー
ローラ8、8の周面8a、8aを、上記内側面2a、4
aに当接させている。
【0004】上記入力軸1と入力側ディスク2との間に
は、ローディングカム式の押圧装置9を設け、この押圧
装置9によって、上記入力側ディスク2を出力側ディス
ク4に向け、弾性的に押圧自在としている。この押圧装
置9は、入力軸1と共に回転するカム板10と、保持器
11により転動自在に保持した複数個(例えば4個)の
ローラ12、12とから構成している。上記カム板10
の片側面(図7〜8の左側面)には、円周方向に亙る凹
凸面である駆動側カム面13を形成し、上記入力側ディ
スク2の外側面(図7〜8の右側面)にも、同様の形状
を有する被駆動側カム面14を形成している。そして、
上記複数個のローラ12、12を、上記入力軸1の中心
に関し放射方向の軸を中心とする回転自在に支持してい
る。
【0005】上述の様に構成するハーフトロイダル型無
段変速機の使用時、入力軸1の回転に伴ってカム板10
が回転すると、駆動側カム面13が複数個のローラ1
2、12を、入力側ディスク2の外側面に形成した被駆
動側カム面14に押圧する。この結果、上記入力側ディ
スク2が、上記複数のパワーローラ8、8に押圧される
と同時に、上記駆動側、被駆動側両カム面13、14と
複数個のローラ12、12との押し付け合いに基づい
て、上記入力側ディスク2が回転する。そして、この入
力側ディスク2の回転が、前記複数のパワーローラ8、
8を介して出力側ディスク4に伝達され、この出力側デ
ィスク4に固定の出力軸3が回転する。
【0006】入力軸1と出力軸3との回転速度比(変速
比)を変える場合で、先ず入力軸1と出力軸3との間で
減速を行なう場合には、前記各枢軸5、5を中心として
前記各トラニオン6、6を所定方向に揺動させる。そし
て、上記各パワーローラ8、8の周面8a、8aが図7
に示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの中心寄り
部分と出力側ディスク4の内側面4aの外周寄り部分と
にそれぞれ当接する様に、前記各変位軸7、7を傾斜さ
せる。反対に、増速を行なう場合には、上記枢軸5、5
を中心として上記各トラニオン6、6を反対方向に揺動
させる。そして、上記各パワーローラ8、8の周面8
a、8aが図8に示す様に、入力側ディスク2の内側面
2aの外周寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの
中心寄り部分とに、それぞれ当接する様に、上記各変位
軸7、7を傾斜させる。各変位軸7、7の傾斜角度を図
7と図8との中間にすれば、入力軸1と出力軸3との間
で、中間の変速比を得られる。
【0007】又、図9〜10は、実願昭63−6929
3号(実開平1−173552号)のマイクロフィルム
に記載された、より具体化されたハーフトロイダル型無
段変速機の1例を示している。入力側ディスク2と出力
側ディスク4とは円管状の入力軸15の周囲に、それぞ
れニードル軸受16、16を介して回転自在に支持して
いる。又、カム板10は上記入力軸15の端部(図9の
左端部)外周面にスプライン係合させ、鍔部17により
上記入力側ディスク2から離れる方向への移動を阻止し
ている。そして、このカム板10とローラ12、12と
により、上記入力軸15の回転に基づいて上記入力側デ
ィスク2を、上記出力側ディスク4に向け押圧しつつ回
転させる、ローディングカム式の押圧装置9を構成して
いる。上記出力側ディスク4には出力歯車18を、キー
19、19により結合し、これら出力側ディスク4と出
力歯車18とが同期して回転する様にしている。
【0008】1対のトラニオン6、6の両端部は1対の
支持板20、20に、揺動並びに軸方向(図9の表裏方
向、図10の左右方向)に亙る変位自在に支持してい
る。そして、上記各トラニオン6、6の中間部に形成し
た円孔23、23部分に、変位軸7、7を支持してい
る。これら各変位軸7、7は、互いに平行で且つ偏心し
た支持軸部21、21と枢支軸部22、22とを、それ
ぞれ有する。このうちの各支持軸部21、21を上記各
円孔23、23の内側に、ラジアルニードル軸受24、
24を介して、回転自在に支持している。又、上記各枢
支軸部22、22の周囲にパワーローラ8、8を、別の
ラジアルニードル軸受25、25を介して、回転自在に
支持している。
【0009】これら各ラジアルニードル軸受25、25
は、それぞれ図11〜12に詳示する様に、複数本のニ
ードル54、54と、これら各ニードル54、54を転
動自在に支持する為の籠型の保持器55とを備える。そ
して、上記各枢支軸部22の外周面を円筒状の内輪軌道
56とし、上記パワーローラ8の内周面を外輪軌道57
としている。
【0010】尚、上記1対の変位軸7、7は、上記入力
軸15に対して180度反対側位置に設けている。又、
これら各変位軸7、7の各枢支軸部22、22が各支持
軸部21、21に対し偏心している方向は、上記入力
側、出力側両ディスク2、4の回転方向に関し同方向
(図10で左右逆方向)としている。又、偏心方向は、
上記入力軸15の配設方向に対しほぼ直交する方向とし
ている。従って、上記各パワーローラ8、8は、上記入
力軸15の配設方向に亙る若干の変位自在に支持され
る。この結果、回転力の伝達状態で構成各部材に加わる
大きな荷重に基づく、これら構成各部材の弾性変形に起
因して、上記各パワーローラ8、8が上記入力軸15の
軸方向(図9の左右方向、図10の表裏方向)に変位す
る傾向となった場合でも、上記構成各部品に無理な力を
加える事なく、この変位を吸収できる。
【0011】又、上記各パワーローラ8、8の外側面と
上記各トラニオン6、6の中間部内側面との間には、パ
ワーローラ8、8の外側面の側から順に、スラスト玉軸
受26、26とスラストニードル軸受27、27とを設
けている。このうちのスラスト玉軸受26、26は、上
記各パワーローラ8、8に加わるスラスト方向の荷重を
支承しつつ、これら各パワーローラ8、8の回転を許容
するものである。この様なスラスト玉軸受26、26は
それぞれ、複数個ずつの玉29、29と、これら各玉2
9、29を転動自在に保持する円環状の保持器28、2
8と、円環状の外輪30、30とから構成している。各
スラスト玉軸受26、26の内輪軌道は上記各パワーロ
ーラ8、8の外側面に、外輪軌道は上記各外輪30、3
0の内側面に、それぞれ形成している。
【0012】又、上記各スラストニードル軸受27、2
7は、レース31と保持器32とニードル33、33と
から構成する。このうちのレース31と保持器32と
は、回転方向に亙る若干の変位自在に組み合わせてい
る。この様なスラストニードル軸受27、27は、上記
各レース31、31を上記各トラニオン6、6の内側面
に当接させた状態で、この内側面と上記外輪30、30
の外側面との間に挟持している。この様なスラストニー
ドル軸受27、27は、上記各パワーローラ8、8から
上記各外輪30、30に加わるスラスト荷重を支承しつ
つ、前記各枢支軸部22、22及び上記外輪30、30
が、前記支持軸部21、21を中心に揺動する事を許容
する。
【0013】更に、上記各トラニオン6、6の一端部
(図10の左端部)にはそれぞれ駆動ロッド36、36
を結合し、これら各駆動ロッド36、36の中間部外周
面に駆動ピストン37、37を固設している。そして、
これら各駆動ピストン37、37を、それぞれ駆動シリ
ンダ38、38内に油密に嵌装している。
【0014】上述の様に構成されるハーフトロイダル型
無段変速機の場合には、入力軸15の回転は、押圧装置
9を介して入力側ディスク2に伝わる。そして、この入
力側ディスク2の回転が、1対のパワーローラ8、8を
介して出力側ディスク4に伝わり、更にこの出力側ディ
スク4の回転が、出力歯車18より取り出される。入力
軸15と出力歯車18との間の回転速度比を変える場合
には、上記1対の駆動ピストン37、37を互いに逆方
向に変位させる。これら各駆動ピストン37、37の変
位に伴って上記1対のトラニオン6、6が、それぞれ逆
方向に変位し、例えば図10の下側のパワーローラ8が
同図の右側に、同図の上側のパワーローラ8が同図の左
側に、それぞれ変位する。この結果、これら各パワーロ
ーラ8、8の周面8a、8aと上記入力側ディスク2及
び出力側ディスク4の内側面2a、4aとの当接部に作
用する、接線方向の力の向きが変化する。そして、この
力の向きの変化に伴って上記各トラニオン6、6が、支
持板20、20に枢支された枢軸5、5を中心として、
互いに逆方向に揺動する。この結果、前述の図7〜8に
示した様に、上記各パワーローラ8、8の周面8a、8
aと上記各内側面2a、4aとの当接位置が変化し、上
記入力軸15と出力歯車18との間の回転速度比が変化
する。
【0015】尚、この様に上記入力軸15と出力歯車1
8との間で回転力の伝達を行なう際には、構成各部材の
弾性変形に基づいて上記各パワーローラ8、8が、上記
入力軸15の軸方向に変位し、これら各パワーローラ
8、8を枢支している前記各変位軸7、7が、前記各支
持軸部21、21を中心として僅かに回動する。この回
動の結果、前記各スラスト玉軸受26、26の外輪3
0、30の外側面と上記各トラニオン6、6の内側面と
が相対変位する。これら外側面と内側面との間には、前
記各スラストニードル軸受27、27が存在する為、こ
の相対変位に要する力は小さい。従って、上述の様に各
変位軸7、7の傾斜角度を変化させる為の力が小さくて
済む。
【0016】更に、伝達可能なトルクを増大すべく、図
13〜14に示す様に、入力軸15aの周囲に入力側デ
ィスク2A、2Bと出力側ディスク4、4とを2個ずつ
設け、これら2個ずつの入力側ディスク2A、2Bと出
力側ディスク4、4とを動力の伝達方向に関して互いに
並列に配置する構造も、従来から知られている。これら
図13〜14に示した構造は何れも、上記入力軸15a
の中間部周囲に出力歯車18aを、この入力軸15aに
対する回転を自在として支持し、この出力歯車18aの
中心部に設けた円筒部の両端部に上記各出力側ディスク
4、4を、スプライン係合させている。そして、これら
各出力側ディスク4、4の内周面と上記入力軸15aの
外周面との間にニードル軸受16、16を設け、これら
各出力側ディスク4、4を上記入力軸15aの周囲に、
この入力軸15aに対する回転、並びにこの入力軸15
aの軸方向に亙る変位を自在に支持している。又、上記
各入力側ディスク2A、2Bは、上記入力軸15aの両
端部に、この入力軸15aと共に回転自在に支持してい
る。この入力軸15aは、駆動軸51により、ローディ
ングカム式の押圧装置9を介して回転駆動する。尚、こ
の駆動軸51の先端部(図13〜14の左端部)外周面
と上記入力軸15aの基端部(図13〜14の右端部)
内周面との間には、滑り軸受、ニードル軸受等のラジア
ル軸受52を設けている。従って、上記駆動軸51と入
力軸15aとは、互いに同心に配置された状態のまま、
回転方向に亙る若干の変位自在に組み合わされている。
【0017】但し、一方(図13〜14の左方)の入力
側ディスク2Aは、背面(図13〜14の左面)をロー
ディングナット39に、直接(図14に示した構造の場
合)又は大きな弾力を有する皿板ばね45を介し(図1
3に示した構造の場合)突き当てて、上記入力軸15a
に対する軸方向(図13〜14の左右方向)の変位を実
質的に阻止している。これに対して、カム板10に対向
する入力側ディスク2Bは、ボールスプライン40によ
り上記入力軸15aに、軸方向に亙る変位自在に支持し
ている。そして、この入力側ディスク2Bの背面(図1
3〜14の右面)とカム板10の前面(図13〜14の
左面)との間に皿板ばね41とスラストニードル軸受4
2とを、互いに直列に設けている。このうちの皿板ばね
41は、上記各ディスク2A、2B、4の内側面2a、
4aとパワーローラ8、8の周面8a、8aとの当接部
に予圧を付与する役目を果たす。又、スラストニードル
軸受42は、押圧装置9の作動時に、上記入力側ディス
ク2Bとカム板10との相対回転を許容する役目を果た
す。
【0018】又、図13に示した構造例の場合、前記出
力側歯車18aはハウジング53(図10)の内側に設
けた仕切壁44に、1対のアンギュラ型玉軸受43、4
3により、軸方向に亙る変位を阻止した状態で、回転自
在に支持している。これに対して図14に示した構造例
の場合、出力歯車18aの軸方向に亙る変位は自在であ
る。尚、上述した図13〜14に示した様に、2個ずつ
の入力側ディスク2A、2Bと出力側ディスク4、4と
を動力の伝達方向に関して互いに並列に配置する、所謂
ダブルキャビティ型のハーフトロイダル型無段変速機
が、カム板10に対向する一方又は双方の入力側ディス
ク2A、2Bをボールスプライン40、40aにより上
記入力軸15aに、軸方向に亙る変位自在に支持してい
る理由は、これら両ディスク2A、2Bの回転を完全に
同期させつつ、上記押圧装置9の作動に伴う構成各部材
の弾性変形に基づいて上記両ディスク2A、2Bが上記
入力軸15aに対し軸方向に変位する事を許容する為で
ある。
【0019】上述の様な目的で設置するボールスプライ
ン40、40aは、上記入力側ディスク2A、2Bの内
周面に形成した内径側ボールスプライン溝46と、上記
入力軸15aの中間部外周面に形成した外径側ボールス
プライン溝47と、これら両ボールスプライン溝46、
47同士の間に転動自在に設けられた複数個のボール4
8、48とを備える。又、上記押圧装置9側の入力側デ
ィスク2Bを支持する為のボールスプライン40に関し
ては、上記入力側ディスク2Bの内周面の内側面2a寄
り部分に形成した係止溝49に係止環50を係止して、
上記複数個のボール48、48が上記入力側ディスク2
Bの内側面2a側に変位するのを制限している。そし
て、上記各ボール48、48が上記内径側、外径側両ボ
ールスプライン溝46、47同士の間から抜け出る事を
防止している。尚、図13の構造で、上記押圧装置9か
ら離れた側の入力側ディスク2Aを支持する為のボール
スプライン40aに関しては、前記入力軸15aの先端
寄り部分(図13の左端寄り部分)外周面に形成した係
止溝49aに係止環50aを係止して、複数個のボール
48、48が上記入力側ディスク2Aの内側面2a側に
変位するのを制限している。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】上述の様に構成され作
用する従来のハーフトロイダル型無段変速機の場合、変
位軸7を構成する枢支軸部22の周囲に各パワーローラ
8を回転自在に支持する為のラジアルニードル軸受25
の耐久性が必ずしも十分ではなかった。この理由に就い
て、以下に説明する。
【0021】ハーフトロイダル型無段変速機を自動車用
の変速機の変速ユニットとして利用する場合、エンジン
から入力軸15、15aに伝えられた動力は、入力ディ
スク2、2A、2Bから各パワーローラ8、8を経て出
力ディスク4に伝達される。上記枢支軸部22の周囲に
これら各パワーローラ8、8を支持する為の、上記ラジ
アルニードル軸受25として見た場合、外輪軌道57を
設けたパワーローラ8が回転する、所謂外輪回転状態で
運転される。この様なラジアルニードル軸受25に加わ
る荷重は、当該ラジアルニードル軸受25が支持するパ
ワーローラ8のトラクション部、即ち、このパワーロー
ラ8の周面8aと入力側、出力側両ディスク2、4の内
側面2a、4aとの当接部に加わる力、即ちトラクショ
ン力のうちのラジアル成分となる。
【0022】この様にして上記ラジアルニードル軸受2
5に加わるラジアル荷重は、上記エンジンの出力(特に
トルク)、及び、ハーフトロイダル型無段変速機の変速
状態で異なるが、例えば排気量が2〜3リットル程度の
自然給気エンジンで、ハーフトロイダル型無段変速機が
最大減速状態で且つ最大トルク入力状態にある場合に、
約500〜700kgf (5000〜7000N)程度に
なる。又、0.8〜1.5リットル程度の自然給気エン
ジンの場合には、同じ条件下で約200〜400kgf
(2000〜4000N)程度になる。
【0023】この程度のラジアル荷重であれば、一般的
な荷重負荷条件であれば、上記ラジアルニードル軸受2
5により十分に支承できる。ところが、このラジアルニ
ードル軸受25の外輪として機能する、上記パワーロー
ラ8は、上記入力側、出力側両ディスク2、2A、2
B、4の内側面2a、4aから加わる荷重により繰り返
し弾性変形し、その結果、転がり接触部の一部に過大な
面圧が作用して、耐久性が損なわれる可能性がある。こ
の点に就いて、図15〜18により説明する。
【0024】ハーフトロイダル型無段変速機の運転時に
各パワーローラ8、8には、入力側、出力側両ディスク
2、2A、2B、4の内側面2a、4aから、図15〜
16に矢印αで示す様な荷重が、直径方向反対側2個所
位置で加わる。又、図15〜16から明らかな通り、こ
の荷重は、上記各パワーローラ8、8のうち、トラニオ
ン6、6寄り部分に向けて加わる。上記矢印α方向の荷
重が大きくなると、上記各パワーローラ8、8の内径部
が、図17に誇張して示す様に弾性変形し、外輪軌道5
7の断面形状が、図18に誇張して示す様に楕円形にな
る。そして、この変形量は、上記ラジアルニードル軸受
25の軸方向に亙り不同で、上記トラニオン6、6に近
い側の方が大きくなる。又、上記外輪軌道57の円周方
向の特定の部位を見た場合、当該部位は、上記各パワー
ローラ8、8が1周回転する間に2回、直径方向内方に
弾性変形する。
【0025】この様な弾性変形の結果、上記ラジアルニ
ードル軸受25を構成する内輪軌道56と外輪軌道57
との間隔は、上記入力側、出力側両ディスク2、2A、
2B、4の内側面2a、4aに対向する直径方向反対側
2個所位置で、且つ、上記トラニオン6に寄った部分で
狭くなる。そして、この部分では前記ラジアルニードル
軸受25を構成するニードル54、54が、上記内輪軌
道56と外輪軌道57との間で強く押し潰される状態と
なる。この結果、これら内輪軌道56及び外輪軌道57
の一部で上記各ニードル54、54の転動面の軸方向端
部に対向する部分に、エッジロードに基づく過大な面圧
が加わり、当該部分に早期剥離等の損傷を発生する可能
性がある。
【0026】この様な損傷が発生すると、上記ラジアル
ニードル軸受25部分で発生する音や振動が大きくなっ
て、このラジアルニードル軸受を組み込んだハーフトロ
イダル型無段変速機自体だけでなく、このハーフトロイ
ダル型無段変速機を組み込んだトランスミッション全体
の音や振動が大きくなる。そして、このトランスミッシ
ョンを搭載した自動車の乗り心地性能に悪影響を及ぼ
す。又、軌道面の剥離に基づいて生じた細片が動力を伝
達しているトラクション部に巻き込まれると、当該部分
で面圧が過大になり、このトラクション部を構成する入
力側、出力側両ディスク2、2A、2B、4の内側面2
a、4aやパワーローラ8、8の周面8a、8aに早期
剥離等の損傷を発生する原因ともなる。更には、上記小
片がストレーナーやフィルターの目詰まりを引き起こ
し、潤滑油を供給する為のポンプの吐出流量の低下を招
き、潤滑不良になり、他部品の短寿命化にもつながる可
能性もある。本発明のハーフトロイダル型無段変速機用
入力側ディスクユニットは、この様な事情に鑑みて、発
明したものである。
【0027】
【課題を解決する為の手段】本発明のハーフトロイダル
型無段変速機用入力側ディスクユニットは、前述した従
来のハーフトロイダル型無段変速機と同様に、互いの内
側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、且つ回転
自在に支持された第一、第二のディスクと、これら第
一、第二のディスクの中心軸と交差はしないがこれら両
ディスクの中心軸の方向に対し直角方向位置である捻れ
の位置にある枢軸を中心として揺動する複数のトラニオ
ンと、これら各トラニオンの中間部に、これら各トラニ
オンの内側面から突出する状態で支持された変位軸と、
これら各トラニオンの内側面側に配置され且つ上記第
一、第二の両ディスクの間に挟持された状態で、上記各
変位軸の周囲に、ラジアル軸受により回転自在に支持さ
れたパワーローラとを備える。そして、上記第一、第二
のディスクの内側面はそれぞれ断面が円弧形の凹面であ
り、パワーローラの周面は球面状の凸面であり、この周
面と上記両ディスクの内側面とが互いに当接している。
特に、本発明のハーフトロイダル型無段変速機に於いて
は、上記ラジアル軸受は、保持器付のニードル軸受であ
り、このニードル軸受を構成する複数本のニードルは、
軸方向両端部にクラウニングが施されている。そして、
これら各ニードルのクラウニング量は、これら各ニード
ルの軸方向端面から軸方向長さの5〜15%軸方向中央
寄り部分で、これら各ニードルの軸方向中央部の外径の
0.15〜0.65%である。
【0028】
【作用】上述の様に構成する本発明のハーフトロイダル
型無段変速機は、前述した従来のハーフトロイダル型無
段変速機と同様の作用に基づき、入力側ディスクと出力
側ディスクとの間で回転力の伝達を行ない、更にトラニ
オンの傾斜角度を変える事により、これら両ディスク同
士の間の回転速度比を変える。
【0029】特に、本発明のハーフトロイダル型無段変
速機の場合には、各変位軸に対してパワーローラを回転
自在に支持する為のラジアルニードル軸受を構成する各
ニードルに、適正量のクラウニングを施している為、上
記パワーローラの弾性変形に拘らず、上記ラジアルニー
ドル軸受の構成部品に過大面圧が加わる事を有効に防止
できる。
【0030】
【発明の実施の形態】図1〜4は、本発明の実施の形態
の1例を示している。尚、本発明の特徴は、変位軸7を
構成する枢支軸部22の周囲にパワーローラ8を回転自
在に支持する為のラジアルニードル軸受25a部分にあ
る。その他の部分の構造及び作用に就いては、前述した
従来構造と同様である為、重複する図示及び説明を省略
若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分を中心に説
明する。
【0031】上記ラジアルニードル軸受25aは、前述
した従来のハーフトロイダル型無段変速機に組み込まれ
ているラジアルニードル軸受と同様に、複数本のニード
ル54a、54aと、これら各ニードル54a、54a
を転動自在に支持する為の籠型の保持器55とを備え
る。そして、上記各枢支軸部22の外周面を円筒状の内
輪軌道56とし、上記パワーローラ8の内周面を外輪軌
道57としている。
【0032】特に、本発明のハーフトロイダル型無段変
速機の場合、上記複数本のニードル54a、54aは、
図4に詳示する様に、軸方向両端部にクラウニング5
8、58を施している。これら各ニードル54a、54
aのクラウニング量δ58、即ち、上記各クラウニング5
8、58の外周面が、本来の(軸方向中央部の円筒部5
9をそのまま延長したと仮定した場合の)円筒面から直
径方向内方に変位した距離は、次の様に規制している。
先ず、前提として、これら各ニードル54a、54aの
軸方向長さをL54a 、上記円筒部59の外径をD59
し、これら各ニードル54a、54aの端面から上記ク
ラウニング量δ58の測定位置までの距離をL58とする。
そして、この測定位置までの距離L58を、上記軸方向長
さL54a の5〜15%とする{L58=(0.05〜0.
15)L54a }。この様な条件下で、上記クラウニング
量δ58を、上記円筒部59の外径D59の0.15〜0.
65%とする{δ58=(0.0015〜0.0065)
59}とする。
【0033】上述の様に本発明のハーフトロイダル型無
段変速機の場合には、各変位軸7の枢支軸部22に対し
てパワーローラ8を回転自在に支持する為のラジアルニ
ードル軸受25aを構成する各ニードル54a、54a
に、適正量のクラウニング58、58を施している。こ
の為、ハーフトロイダル型無段変速機の運転時に発生す
る大きな荷重による上記パワーローラ8の弾性変形に基
づく、上記ラジアルニードル軸受25aを構成する内輪
軌道56と外輪軌道57との距離の不均一に拘らず、上
記ラジアルニードル軸受25aの構成部品に過大面圧が
加わる事を有効に防止できる。
【0034】即ち、ハーフトロイダル型無段変速機の運
転時に上記パワーローラ8は、入力側、出力側両ディス
ク2、4の内側面2a、4a(図7〜9、図13〜1
6)から直径方向反対側2個所位置に加えられる大きな
荷重に基づき、図2〜3に誇張して示す様に弾性変形す
る。この様に上記パワーローラ8が弾性変形し、上記内
輪軌道56と外輪軌道57との距離の不均一になった場
合でも、上記各ニードル54a、54aの軸方向端部と
上記内輪軌道56及び外輪軌道57とが当接する事がな
く、エッジロードに基づく早期剥離の発生を防止でき
る。
【0035】この様に本発明の場合には、上記ラジアル
ニードル軸受25aを構成する各ニードル54a、54
aの軸方向両端部に適正なクラウニング58、58を施
す事により、上記エッジロードの発生を防止して、上記
ラジアルニードル軸受25aの耐久性向上を図れる。即
ち、本発明の場合には、上記各ニードル54a、54a
に適正量のクラウニング58、58を施している為、上
記パワーローラ8の内周面が構成する外輪軌道57が弾
性変形すると、保持器55に保持された上記各ニードル
54a、54aが若干姿勢を変えて、これら各ニードル
54a、54aの転動面が上記外輪軌道57及び内輪軌
道56を倣う。そして、これら各ニードル54a、54
aの転動面と上記内輪軌道56及び外輪軌道57との接
触状態を適正な接触状態として、接触部の面圧が過度の
上昇する事を防止する。
【0036】尚、上記各ニードル54a、54aの軸方
向両端部に施すクラウニング58、58のクラウニング
量δ58が小さ過ぎた場合には、エッジロードの発生を十
分に防止できず、上記ラジアルニードル軸受25aの耐
久性を十分に向上させる事はできない。反対に、上記ク
ラウニング量δ58が大き過ぎた場合には、上記ラジアル
ニードル軸受を構成する各ニードル54a、54a及び
このラジアルニードル軸受25aにより支持されたパワ
ーローラ8の傾きを生じる。この結果、却ってエッジロ
ードを発生し易い状態になり、早期剥離等の損傷を招き
易くなる。しかも、上記パワーローラ8が本来の位置に
比べて傾斜した状態で高速回転し、動力伝達を行なう
為、ハーフトロイダル型無段変速機の運転時に発生する
音や振動が大きくなる。この結果、このハーフトロイダ
ル型無段変速機が構成する変速ユニット部分からトラン
スミッション全体が、大きな音や振動を発生する事にな
り、このトランスミッションを搭載した自動車の乗り心
地に悪影響を及ぼす。これに対して本発明の場合には、
上記クラウニング量δ58を前記範囲に規制したので、エ
ッジロードの発生を有効に防止すると共に、運転時に於
けるパワーローラ8の傾斜を防止できる。
【0037】
【実施例】上記クラウニング量δ58を前述した範囲に規
制する為に、本発明者が行なった実験に就いて説明す
る。実験は、モータダイナモを用いての高速耐久試験
を、大型用、小型用のハーフトロイダル型無段変速機の
2機種に就いて行なった。このうち、大型用のハーフト
ロイダル型無段変速機としては、キャビティ径D0 (ト
ラニオン6、6の両端部に設けた枢軸5、5の中心軸同
士の間隔。図10参照。)が130mmのダブルキャビテ
ィ型のハーフトロイダル型無段変速機を使用した。試験
時に於ける運転条件は、入力側ディスク2A、2Bの回
転速度を4000r.p.m.、入力トルクを300Nm、変速
比を0.5(出力側ディスク4の回転速度が入力側ディ
スク2A、2Bの回転速度の1/2)とした。又、ラジ
アルニードル軸受25aの寸法は、各ニードル54aの
内接円の直径を25mm、外接円の直径を33mm(ニード
ル54aの円筒部59の外径=4mm)、軸方向長さL
54a を16.8mmとした。
【0038】上述の様な条件の下で、上記各ころ54a
のクラウニング量δ58を各種変え(クラウニング量δ58
をパラメータにして)、当該ラジアルニードル軸受25
aの耐久性を知る為の実験を行ない、上記クラウニング
量δ58として適正な数値を把握した。尚、この様な高速
耐久試験を行なうのに先立って、FEM計算により、ハ
ーフトロイダル型無段変速機の運転時に入力側、出力側
両ディスク2、4からパワーローラ8に加わる荷重の大
きさから、このパワーローラ8の変形量を求め、この変
形量を上記クラウニング量δ58に反映させた。又、高速
耐久試験の目標時間を200時間とした。この、200
時間なる値は、自動車用トランスミッションの変速ユニ
ットの寿命として、耐久性の一つの基準になる数値であ
る。この様にして行なった実験の結果を、次の表1及び
図5に示す。
【0039】
【表1】
【0040】又、キャビティ径D0 が104mmである、
小型シングルキャビティ式のハーフトロイダル型無段変
速機の場合に就いても、同様の高速耐久試験を行なっ
た。この場合、入力側ディスク2の回転速度を4000
r.p.m.、入力トルクを60Nm、変速比を0.5とした。
又、ラジアルニードル軸受25aの寸法は、各ニードル
54aの内接円の直径を16mm、外接円の直径を20mm
(ニードル54aの円筒部59の外径=2mm)、軸方向
長さL54a を13.8mmとした。
【0041】
【表2】
【0042】これらの実験の結果から、ニードル54a
の円筒部59の外径が4mmの場合は、クラウニング量δ
58が0.006mmから0.026mmの場合に、同じく2
mmの場合は、クラウニング量δ58が0.003mmから
0.013mmの場合に、それぞれ目標とする耐久性を得
られる事が分った。これら各場合に於ける、十分な耐久
性を得られるクラウニング量δ58が、ニードル54aの
円筒部59の外径D59に対する割合は、0.15%以上
0.65%以下である。この場合に於ける上記クラウニ
ング量δ58の測定位置は、上記各ニードル54aの軸方
向長さL54a に関して、これら各ニードル54aの端面
から5〜15%だけ、軸方向中央に寄った位置とした。
前述した実際の高速耐久試験での測定点は、上記軸方向
長さL54aが16.8mm(外径=4mm)の場合には、端
面から2mmの位置(11.9%)とし、上記軸方向長さ
54a が13.8mm(外径=2mm)の場合には、端面か
ら1.5mmの位置(10.9%)とした。尚、上記軸方
向長さL54a が16.8mm(外径=4mm)の場合で、実
験No. Eのものに就いては、端面から2.5mm(14.
9%)の位置でのクラウニング量は0.011mm(0.
275%)であり、端面から0.9mm(5.4%)の位
置でのクラウニング量は0.023mm(0.58%)で
あり、何れの部分でも、特許請求の範囲に規定した条件
を満たした。又、上記軸方向長さL54a が13.8mmの
場合で、実験No. Dのものに就いては、端面から2.0
mm(14.5%)の位置でのクラウニング量は0.00
5mm(0.25%)であり、端面から0.7mm(5.1
%)の位置でのクラウニング量は0.010mm(0.5
%)であり、何れの部分でも、特許請求の範囲に規定し
た条件を満たした。
【0043】尚、上記ラジアルニードル軸受25aに関
して、初期のラジアル方向隙間を大きくすると、変位軸
7の枢支軸部22に対するパワーローラ8の傾きが大き
くなり、ハーフトロイダル型無段変速機の運転時に不快
な音や振動が発生する。又、このハーフトロイダル型無
段変速機により伝達すべきトルクの変動や反転(駆動状
態とエンジンブレーキ状態との切り換わり)により、上
記ラジアル方向隙間の分だけ、パワーローラ8が直径方
向片側に寄せられる事を繰り返す事になる。この結果、
変速信号が入力されても変速しない不感帯が大きくな
り、変速制御を行なう上で不都合を生じる。
【0044】従って、上記ラジアル方向隙間は、前記ニ
ードル54a、54a及び保持器55と(ケージ&ロー
ラ)のカタログ等に、当該ニードル54a、54a及び
保持器55とにより構成すべきラジアルニードル軸受と
して好ましいとして書かれている推奨隙間よりも、上記
パワーローラ8の変形分も少し加味して、若干大きくす
る事が望ましい。例えば、上記変位軸7の枢支軸部22
の外径(内輪軌道56の直径)が15〜30mm、パワー
ローラ8の内径(外輪軌道57の直径)が20〜40mm
の場合に、上記ラジアルニードル軸受25aの、初期に
於ける(パワーローラ8が自由状態での)ラジアル方向
隙間は、直径で0.020〜0.055mm程度とする事
が好ましい。これに対して、カタログ推奨隙間の場合に
は、0.008〜0.035程度である。
【0045】又、早期剥離を防止する為には、上記各ニ
ードル54a、54aの転動面が接触する部分の表面粗
さが良好である事が好ましい。カタログ推奨値の場合、
上記変位軸7の枢支軸部22の外周面(内輪軌道56)
側の表面粗さRmax を1.6Sとし、上記パワーローラ
8の内周面(外輪軌道57)側の表面粗さRmax を3.
2Sとするとしているので、上記内輪軌道56及び外輪
軌道57の表面粗さを、これらの値よりも良く(平滑
に)する事が好ましい。更に、これら内輪軌道56及び
外輪軌道57の表面硬度も、上記各ニードル54a、5
4aの転動面の硬度と同程度以上の硬さとし、カタログ
の推奨通り、HRc60以上とする。
【0046】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成され作
用する為、ハーフトロイダル型無段変速機に優れた耐久
性を持たせて、このハーフトロイダル型無段変速機の実
用化に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を、パワーローラの
自由状態で示す要部断面図。
【図2】同じくパワーローラが弾性変形した状態で示す
要部断面図。
【図3】図2のA−A断面図。
【図4】ラジアルニードル軸受の部分断面図。
【図5】クラウニング量とラジアルニードル軸受の耐久
性との関係を知る為に行なった第一の実験の結果を示す
線図。
【図6】同じく第二の実験の結果を示す線図。
【図7】従来から知られているハーフトロイダル型無段
変速機の基本的構成を、最大減速時の状態で示す側面
図。
【図8】同じく最大増速時の状態で示す側面図。
【図9】従来の具体的構造の第1例を示す断面図。
【図10】図9のB−B断面図。
【図11】従来構造を示す、図1と同様の図。
【図12】図11のC−C断面図。
【図13】従来の具体的構造の第2例を示す部分断面
図。
【図14】同第3例を示す部分断面図。
【図15】図9に示した構造と類似する構造の運転時に
各パワーローラに加わる荷重を説明する為の断面図。
【図16】図13に示した構造と類似する構造の運転時
に各パワーローラに加わる荷重を説明する為の断面図。
【図17】図11に示した従来構造を、パワーローラが
弾性変形した状態で示す要部断面図。
【図18】図17のD−D断面図。
【符号の説明】
1 入力軸 2、2A、2B 入力側ディスク 2a 内側面 3 出力軸 4 出力側ディスク 4a 内側面 5 枢軸 6 トラニオン 7 変位軸 8 パワーローラ 8a 周面 9 押圧装置 10 カム板 11 保持器 12 ローラ 13 駆動側カム面 14 被駆動側カム面 15、15a 入力軸 16 ニードル軸受 17、17a 鍔部 18、18a 出力歯車 19 キー 20 支持板 21 支持軸部 22 枢支軸部 23 円孔 24、25a ラジアルニードル軸受 26 スラスト玉軸受 27 スラストニードル軸受 28 保持器 29 玉 30 外輪 31 レース 32 保持器 33 ニードル 34 組み付け用治具 35 通孔 36 駆動ロッド 37 駆動ピストン 38 駆動シリンダ 39 ローディングナット 40、40a ボールスプライン 41 皿板ばね 42 スラストニードル軸受 43 アンギュラ型玉軸受 44 仕切壁 45 皿板ばね 46 内径側ボールスプライン溝 47 外径側ボールスプライン溝 48 ボール 49、49a 係止溝 50、50a 係止環 51 駆動軸 52 ラジアル軸受 53 ハウジング 54、54a ニードル 55 保持器 56 内輪軌道 57 外輪軌道 58 クラウニング 59 円筒部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤 伸夫 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 (72)発明者 福島 弘志 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 Fターム(参考) 3J051 AA03 BA03 BE09 ED20 FA02

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いの内側面同士を対向させた状態で、
    互いに同心に、且つ回転自在に支持された第一、第二の
    ディスクと、これら第一、第二のディスクの中心軸と交
    差はしないがこれら両ディスクの中心軸の方向に対し直
    角方向位置である捻れの位置にある枢軸を中心として揺
    動する複数のトラニオンと、これら各トラニオンの中間
    部に、これら各トラニオンの内側面から突出する状態で
    支持された変位軸と、これら各トラニオンの内側面側に
    配置され且つ上記第一、第二の両ディスクの間に挟持さ
    れた状態で、上記各変位軸の周囲に、ラジアル軸受によ
    り回転自在に支持されたパワーローラとを備え、上記第
    一、第二のディスクの内側面はそれぞれ断面が円弧形の
    凹面であり、パワーローラの周面は球面状の凸面であ
    り、この周面と上記両ディスクの内側面とが互いに当接
    しているハーフトロイダル型無段変速機に於いて、上記
    ラジアル軸受は、保持器付のニードル軸受であり、この
    ニードル軸受を構成する複数本のニードルは、軸方向両
    端部にクラウニングが施されており、これら各ニードル
    のクラウニング量は、これら各ニードルの軸方向端面か
    ら軸方向長さの5〜15%軸方向中央寄り部分で、これ
    ら各ニードルの軸方向中央部の外径の0.15〜0.6
    5%である事を特徴とするハーフトロイダル型無段変速
    機。
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