JP3435781B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機

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JP3435781B2
JP3435781B2 JP03701494A JP3701494A JP3435781B2 JP 3435781 B2 JP3435781 B2 JP 3435781B2 JP 03701494 A JP03701494 A JP 03701494A JP 3701494 A JP3701494 A JP 3701494A JP 3435781 B2 JP3435781 B2 JP 3435781B2
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浩道 武村
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H15/00Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by friction between rotary members
    • F16H15/02Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by friction between rotary members without members having orbital motion
    • F16H15/04Gearings providing a continuous range of gear ratios
    • F16H15/06Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B
    • F16H15/32Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line
    • F16H15/36Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line with concave friction surface, e.g. a hollow toroid surface
    • F16H15/38Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line with concave friction surface, e.g. a hollow toroid surface with two members B having hollow toroid surfaces opposite to each other, the member or members A being adjustably mounted between the surfaces

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明に係るトロイダル型無段
変速機は、例えば自動車用の変速機として、或は各種産
業機械用の変速機として、それぞれ利用する。 【0002】 【従来の技術】自動車用変速機として、図1〜2に略示
する様なトロイダル型無段変速機を使用する事が研究さ
れている。このトロイダル型無段変速機は、例えば実開
昭62−71465号公報に開示されている様に、入力
軸1と同心に入力側ディスク2を支持し、この入力軸1
と同心に配置された出力軸3の端部に出力側ディスク4
を固定している。トロイダル型無段変速機を納めたケー
シングの内側には、前記入力軸1並びに出力軸3に対し
て捻れの位置にある枢軸5、5を中心として揺動するト
ラニオン6、6が設けられている。 【0003】各トラニオン6、6は、両端部外側面に前
記枢軸5、5を設けている。又、各トラニオン6、6の
中心部には変位軸7、7の基端部を支持し、前記枢軸
5、5を中心として各トラニオン6、6を揺動させる事
により、各変位軸7、7の傾斜角度の調節を自在として
いる。各トラニオン6、6に支持された変位軸7、7の
周囲には、それぞれパワーローラ8、8を回転自在に支
持している。そして、各パワーローラ8、8を、前記入
力側、出力側両ディスク2、4の間に挟持している。 【0004】入力側、出力側両ディスク2、4の互いに
対向する内側面2a、4aは、それぞれ断面が、上記枢
軸5を中心とする円弧を回転させて得られる凹面をなし
ている。そして、球状凸面に形成された各パワーローラ
8、8の周面8a、8aは、前記内側面2a、4aに当
接させている。 【0005】前記入力軸1と入力側ディスク2との間に
は、ローディングカム式の押圧装置9を設け、この押圧
装置9によって、前記入力側ディスク2を出力側ディス
ク4に向け、弾性的に押圧している。この押圧装置9
は、入力軸1と共に回転するカム板10と、保持器11
により保持された複数個(例えば4個)のローラ12、
12とから構成されている。前記カム板10の片側面
(図1〜2の左側面)には、円周方向に亙る凹凸面であ
るカム面13を形成し、前記入力側ディスク2の外側面
(図1〜2の右側面)にも、同様のカム面14を形成し
ている。そして、前記複数個のローラ12、12を、前
記入力軸1の中心に対して放射方向の軸を中心とする回
転自在に支持している。 【0006】上述の様に構成されるトロイダル型無段変
速機の使用時、入力軸1の回転に伴ってカム板10が回
転すると、カム面13によって複数個のローラ12、1
2が、入力側ディスク2外側面のカム面14に押圧され
る。この結果、前記入力側ディスク2が、前記複数のパ
ワーローラ8、8に押圧されると同時に、前記1対のカ
ム面13、14と複数個のローラ12、12との噛合に
基づいて、前記入力側ディスク2が回転する。そして、
この入力側ディスク2の回転が、前記複数のパワーロー
ラ8、8を介して出力側ディスク4に伝達され、この出
力側ディスク4に固定の出力軸3が回転する。 【0007】入力軸1と出力軸3との回転速度を変える
場合で、先ず入力軸1と出力軸3との間で減速を行なう
場合には、枢軸5、5を中心として各トラニオン6、6
を揺動させ、各パワーローラ8、8の周面8a、8aが
図1に示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの中心
寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの外周寄り部
分とにそれぞれ当接する様に、各変位軸7、7を傾斜さ
せる。 【0008】反対に、増速を行なう場合には、前記トラ
ニオン6、6を揺動させ、各パワーローラ8、8の周面
8a、8aが図2に示す様に、入力側ディスク2の内側
面2aの外周寄り部分と出力側ディスク4の内側面4a
の中心寄り部分とに、それぞれ当接する様に、各変位軸
7、7を傾斜させる。各変位軸7、7の傾斜角度を図1
と図2との中間にすれば、入力軸1と出力軸3との間
で、中間の変速比を得られる。 【0009】更に、図3〜4は、実願昭63−6929
3号(実開平1−173552号)のマイクロフィルム
に記載された、より具体化されたトロイダル型無段変速
機を示している。入力側ディスク2と出力側ディスク4
とは円管状の入力軸15の周囲に、それぞれニードル軸
受16、16を介して回転自在に支持している。又、カ
ム板10は前記入力軸15の端部(図3の左端部)外周
面にスプライン係合し、鍔部17によって前記入力側デ
ィスク2から離れる方向への移動を阻止されている。そ
して、このカム板10とローラ12、12とにより、前
記入力軸15の回転に基づいて前記入力側ディスク2
を、出力側ディスク4に向けて押圧しつつ回転させる、
ローディングカム式の押圧装置9を構成している。前記
出力側ディスク4には出力歯車18を、キー19、19
により結合し、これら出力側ディスク4と出力歯車18
とが同期して回転する様にしている。 【0010】1対のトラニオン6、6の両端部は1対の
支持板20、20に、揺動並びに軸方向(図3の表裏方
向、図4の左右方向)に亙る変位自在に支持している。
そして、前記各トラニオン6、6の中間部に形成した円
孔23、23部分に、変位軸7、7を支持している。各
変位軸7、7は、互いに平行で且つ偏心した支持軸部2
1、21と枢支軸部22、22とを、それぞれ有する。
このうちの各支持軸部21、21を前記各円孔23、2
3の内側に、ラジアルニードル軸受24、24を介し
て、回転自在に支持している。又、前記各枢支軸部2
2、22の周囲にパワーローラ8、8を、ラジアルニー
ドル軸受25、25を介して回転自在に支持している。 【0011】尚、前記1対の変位軸7、7は、前記入力
軸15に対して180度反対側位置に設けている。又、
これら各変位軸7、7の各枢支軸部22、22が各支持
軸部21、21に対し偏心している方向は、前記入力
側、出力側両ディスク2、4の回転方向に対して同方向
(図4で左右逆方向)としている。又、偏心方向は、前
記入力軸15の配設方向に対してほぼ直交する方向とし
ている。従って前記各パワーローラ8、8は、前記入力
軸15の配設方向に亙る若干の変位自在に支持される。
この結果、構成部品の寸法精度等に起因して前記各パワ
ーローラ8、8が前記入力軸15の軸方向に変位する傾
向となった場合でも、構成各部品に無理な力を加える事
なく、この変位を吸収できる。 【0012】又、前記各パワーローラ8、8の外側面と
前記各トラニオン6、6の中間部内側面との間には、パ
ワーローラ8、8の外側面の側から順に、スラスト玉軸
受26、26とスラストニードル軸受27、27とを設
けている。このうちのスラスト玉軸受26、26は、前
記各パワーローラ8、8に加わるスラスト方向の荷重を
支承しつつ、これら各パワーローラ8、8の回転を許容
するものである。この様なスラスト玉軸受26、26は
それぞれ、複数個ずつの玉29、29と、各玉29、2
9を転動自在に保持する円環状の保持器28、28と、
円環状の外輪30、30とから構成されている。各スラ
スト玉軸受26、26の内輪軌道は前記各パワーローラ
8、8の外側面に、外輪軌道は前記各外輪30、30の
内側面に、それぞれ形成している。 【0013】又、前記スラストニードル軸受27、27
は、レース31と保持器32とニードル33、33とか
ら構成される。このうちのレース31と保持器32と
は、回転方向に亙る若干の変位自在に組み合わされてい
る。この様なスラストニードル軸受27、27は、前記
レース31、31を前記各トラニオン6、6の内側面に
当接させた状態で、この内側面と前記外輪30、30の
外側面との間に挟持している。この様なスラストニード
ル軸受27、27は、前記各パワーローラ8、8から前
記各外輪30、30に加わるスラスト荷重を支承しつ
つ、前記枢支軸部22、22及び前記外輪30、30が
前記支持軸部21、21を中心として揺動する事を許容
する。 【0014】更に、前記各トラニオン6、6の一端部
(図4の左端部)にはそれぞれ駆動ロッド36、36を
結合し、各駆動ロッド36、36の中間部外周面に駆動
ピストン37、37を固設している。そして、これら各
駆動ピストン37、37を、それぞれ駆動シリンダ3
8、38内に油密に嵌装している。 【0015】上述の様に構成されるトロイダル型無段変
速機の場合には、入力軸15の回転は押圧装置9を介し
て入力側ディスク2に伝えられる。そして、この入力側
ディスク2の回転が、1対のパワーローラ8、8を介し
て出力側ディスク4に伝えられ、更にこの出力側ディス
ク4の回転が、出力歯車18より取り出される。 【0016】入力軸15と出力歯車18との間の回転速
度比を変える場合には、前記1対の駆動ピストン37、
37を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピスト
ン37、37の変位に伴って前記1対のトラニオン6、
6が、それぞれ逆方向に変位し、例えば図4の下側のパ
ワーローラ8が同図の右側に、同図の上側のパワーロー
ラ8が同図の左側に、それぞれ変位する。この結果、こ
れら各パワーローラ8、8の周面8a、8aと前記入力
側ディスク2及び出力側ディスク4の内側面2a、4a
との当接部に作用する、接線方向の力の向きが変化す
る。そして、この力の向きの変化に伴って前記各トラニ
オン6、6が、支持板20、20に枢支された枢軸5、
5を中心として、互いに逆方向に揺動する。この結果、
前述の図1〜2に示した様に、前記各パワーローラ8、
8の周面8a、8aと前記各内側面2a、4aとの当接
位置が変化し、前記入力軸15と出力歯車18との間の
回転速度比が変化する。 【0017】尚、この様に前記入力軸15と出力歯車1
8との間の回転速度比を変化させるべく、前記変位軸
7、7の傾斜角度を変化させる際には、これら各変位軸
7、7が前記各支持軸部21、21を中心として僅かに
回動する。この回動の結果、前記各スラスト玉軸受2
6、26の外輪30、30の外側面と前記各トラニオン
6、6の内側面とが相対変位する。これら外側面と内側
面との間には、前記各スラストニードル軸受27、27
が存在する為、この相対変位に要する力は小さい。従っ
て、上述の様に各変位軸7、7の傾斜角度を変化させる
為の力が小さくて済む。 【0018】 【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の様に
構成され作用するトロイダル型無段変速機の場合、パワ
ーローラ8、8の形状を特に考慮していなかった為、必
ずしも十分な耐久性、信頼性を得られない場合があっ
た。即ち、トロイダル型無段変速機の運転時にパワーロ
ーラ8の周面8aには、入力側ディスク2及び出力側デ
ィスク4の内側面2a、4aから、図5(A)(B)に
示す様な荷重Fが、前記パワーローラ8の直径方向反対
位置で互いに反対方向に、それぞれ接触部分に対し垂直
方向に加わる。 【0019】そして、この荷重Fのうちのラジアル方向
の分力Fr により前記パワーローラ8が、図6(A)に
鎖線により誇張して示す様に、楕円形に弾性変形する。
そしてこの弾性変形の結果、同図(B)に示す様にパワ
ーローラ8の内周縁部分に、上記荷重Fの作用点に対応
する位置α、αでは引っ張り応力が、作用点から90度
ずれた位置β、βでは圧縮応力が、それぞれ作用する。
従ってトロイダル型無段変速機の運転時に前記パワーロ
ーラ8の内周縁部分には、引っ張り応力と圧縮応力とが
繰り返し作用する。この様な各応力が大きくなると、前
記内周縁部分に亀裂等の損傷が発生し易くなり、トロイ
ダル型無段変速機の耐久性、信頼性が損なわれる。 【0020】この様な不都合の原因となる引っ張り応力
及び圧縮応力は、前記パワーローラ8のラジアル方向に
亙る肉厚(do −di )/2が小さい場合に大きくな
る。即ち、パワーローラ8の外径do が同じである場合
には、図5(A)に示す様に、パワーローラ8の内径d
i が大きいと前記肉厚が小さくなり、このパワーローラ
8がラジアル方向の荷重によって弾性変形し易くなっ
て、前記各応力が大きくなる。従って、これらの荷重を
小さくする為には、同図(B)に示す様に、パワーロー
ラ8の内径di を小さくする事が効果がある。ところ
が、単にこの内径diを小さくしたのでは、このパワー
ローラ8の内周面と変位軸7の枢支軸部22の外周面と
の間に装着するラジアルニードル軸受25が小型化(小
径化)する。この結果、このラジアルニードル軸受25
を構成するニードルの転動面、前記パワーローラ8の内
周面、並びに前記枢支軸部22(図4)の外周面に大き
な面圧が作用し、これら各面の耐久性が損なわれてしま
う。 【0021】この様に、ラジアル方向の分力Fr に基づ
く弾性変形により、前記パワーローラ8の内径部に発生
する引っ張り応力σr は、次の(1)式で表わされる。 σr ∝{di m/(do-di)n }・Fr −−− (1) 尚、この(1)式中のm、nは1以上の定数である。
又、do-di は前記パワーローラ8のラジアル方向に亙る
肉厚を表わす値(正しくは1/2倍する必要がある)で
ある。この(1)式から、前記パワーローラ8の内径d
i を大きくする程分子の値が大きくなると同時に分母の
値が小さくなり、前記ラジアル方向の分力Fr に基づく
引っ張り応力σr が大きくなる事が解る。 【0022】一方、前記荷重Fのうちのスラスト方向の
分力Fa により前記パワーローラ8の外側面に形成した
内輪軌道部分には、図7(A)(B)に示す様に、スラ
スト玉軸受26を構成する玉29、29(図3〜4)の
接触部分でスラスト荷重Qが加わる。そしてこのスラス
ト荷重Qに基づいて前記パワーローラ8の内径部に、図
7(B)に示す様に引っ張り応力σa が発生する。そし
てこの引っ張り応力σa は、次の(2)式で表わされ
る。 σa ∝dp k・Q −−− (2) 尚、kは1以上の定数、スラスト荷重Qは、前記分力F
a を前記玉29、29の数Zで除した値(Q=Fa
Z)である。又、dp は、前記スラスト玉軸受26を構
成する複数の玉29、29(図3〜4)のピッチ円の直
径である。この(2)式から明らかな通り、前記スラス
ト荷重Qに基づく引っ張り応力σa は、前記ピッチ円の
直径dp が大きくなる程大きくなる。 【0023】結局、トロイダル型無段変速機の運転時に
前記パワーローラ8の内径部には、次の(3)式で表さ
れる引っ張り応力σT が加わる。 σT =(σr +σa )∝{di m/(do-di)n}・Fr +dp k・Q −− (3) 【0024】この(3)式から明らかな通り、前記パワ
ーローラ8の内径部に加わる引っ張り応力σT を小さく
する為には、このパワーローラ8の外径do を大きく、
内径di 及びピッチ円の直径dp を小さくすれば良い事
が解る。例えば前記外径doの自乗do 2と、前記内径di
と直径dp との積di ・dp との比do 2/(di ・dp
)が前記引っ張り応力σT に及ぼす影響を示すと、図
8に実線aで示す様になる。この実線aからも、この引
っ張り応力σT を小さく抑える為には、パワーローラ8
の外径do を大きく、内径di 及びピッチ円の直径dp
を小さくすれば良い事が解る。 【0025】ところが、単にパワーローラ8の外径do
を大きく、内径di 及びピッチ円の直径dp を小さくし
た場合には、前記スラスト玉軸受26(図3〜4図)を
構成する玉29、29の転動面と相手軌道面との最大接
触面圧Pmax が高くなる。即ち、これら各玉29、29
の転動面は、パワーローラ8に加わる荷重Fのうちのス
ラスト方向の分力Fa により相手軌道面に押し付けられ
る、当接部分に前記最大接触面圧Pmax を発生させる。
この最大接触面圧Pmax が過大になると、前記玉29、
29が押し付けられる軌道面が塑性変形して圧痕が形成
される。従って、この最大接触面圧Pmax は小さい方が
良い。この様な最大接触面圧Pmax は、前記パワーロー
ラ8のピッチ円の直径dp との関係で、次の(4)式に
より表される。 【0026】 Pmax =K・(Q/Z)1/3 =K´・(1/dp1/3 −−− (4) この(4)式で、K、K´は定数(>1)である。この
(4)式から明らかな通り前記最大接触面圧Pmax を小
さくする為には、パワーローラ8のピッチ円の直径dp
を大きくし、玉数Zを多く(π・dp =Z×(玉径+隙
間)、∴dp ∝Z)すれば良い事が解る。即ち、前記外
径do の自乗do 2と、前記内径di とピッチ円の直径d
p との積di ・dp との比do 2/(di ・dp )が前記
引っ張り応力σT に及ぼす影響を示すと、図8に鎖線b
で示す様になる。この鎖線bからも、この最大接触面圧
max を小さく抑える為には、パワーローラ8の外径d
oを小さく、内径di 及びピッチ円の直径dp を大きく
すれば良い事が解る。 【0027】以上に述べた様に、パワーローラ8の亀裂
等の損傷に結び付く引っ張り応力σT を小さくする為に
は、このパワーローラ8の外径do を大きく、内径di
及びピッチ円の直径dp を小さくすれば良く、軌道面の
塑性変形に結び付く最大接触面圧Pmax を小さく抑える
為には、パワーローラ8の外径do を小さく、内径di
及びピッチ円の直径dp を大きくすれば良い。この様に
相反する要求を満たす為には、前記外径do の自乗do 2
と、前記内径di とピッチ円の直径dp との積di ・d
p との比do 2/(di ・dp )を適性範囲に規制する必
要がある。本発明のトロイダル型無段変速機は、以上に
述べた様な事情に鑑みて発明したものである。 【0028】 【課題を解決する為の手段】本発明のトロイダル型無段
変速機は前述した従来のトロイダル型無段変速機と同
様、例えば図1〜2に示す様に、互いの内側面2a、4
a同士を対向させた状態で、互いに同心に、且つ回転自
在に支持された第一、第二のディスク2、4と、これら
第一、第二のディスク2、4の中心軸に対し捻れの位置
にある枢軸5、5を中心として揺動するトラニオン6、
6と、このトラニオン6、6の内側面から突出した変位
軸7、7と、この変位軸7、7の周囲に回転自在に支持
された状態で、前記第一、第二の両ディスク2、4の間
に挟持されたパワーローラ8、8とを備える。このパワ
ーローラ8、8の外側面と前記トラニオン6、6の内側
面との間には、例えば図3〜4に示す様に、このパワー
ローラ8、8に加わるスラスト方向の荷重を支承しつ
つ、このパワーローラ8、8の回転を許容するスラスト
玉軸受26、26を備えている。 【0029】特に、本発明のトロイダル型無段変速機に
於いては、前記パワーローラ8、8の内径をdi 、外径
をdo 、前記スラスト玉軸受26、26を構成する複数
の玉29、29のピッチ円の直径をdp とした場合に、 3<do 2/(di ・dp )<5 を満たす事を特徴としている。この為に本発明のトロイ
ダル型無段変速機を構成するパワーローラ8は、図5
(B)に示す様に、(外径do を同じとした場合には)
同図(A)に示した従来構造の場合に比べて内径di
びにピッチ円の直径dp を小さくし、ラジアル方向に亙
る肉厚を大きくしている。 【0030】 【作用】上述の様に構成される本発明のトロイダル型無
段変速機は、前述した従来のトロイダル型無段変速機と
同様の作用に基づき、第一のディスク2と第二のディス
ク4との間で回転力の伝達を行ない、更にトラニオン
6、6の傾斜角度を変える事で、これら両ディスク2、
4の回転速度比を変える。 【0031】特に、本発明のトロイダル型無段変速機の
場合には、パワーローラ8、8の内径di 、外径do
スラスト玉軸受26、26を構成する複数の玉29、2
9のピッチ円の直径dp の関係を、3<do 2/(di
p )<5に規制した事により、引っ張り応力σT と最
大接触面圧Pmax との何れをも、許容限度を越えて大き
くなる事を防止できる。 【0032】即ち、図8の縦軸は、前記引っ張り応力σ
T と疲労限σs との比σT /σs 並びに前記最大接触面
圧Pmax と臨界接触面圧Pc との比Pmax /Pc を、横
軸は前記外径do の自乗do 2と、前記内径di とピッチ
円の直径dp との積di ・dp との比do 2/(di ・d
p )を、それぞれ表わしている。ここで、臨界接触面圧
c とは、これ以上の接触面圧を加えた場合には、前記
パワーローラ8に形成した軌道面が塑性変形し、この軌
道面に圧痕が形成される面圧を示している。 【0033】この図8の記載から明らかな通り、3<d
o 2/(di ・dp )とすれば、前記引っ張り応力σT
前記疲労限σs を越える事がない。又、do 2/(di
p)<5とすれば、前記最大接触面圧Pmax が臨界接
触面圧Pc を越える事がない。従って、パワーローラ
8、8の内径di 、外径do 、スラスト玉軸受26、2
6を構成する複数の玉29、29のピッチ円の直径dp
の関係を、3<do 2/(di ・dp )<5に規制すれ
ば、前記引っ張り応力σT を前記疲労限σs 未満に抑え
ると同時に、前記最大接触面圧Pmax を前記臨界接触面
圧Pc 未満に抑える事ができる。 【0034】そして、前記引っ張り応力σT を前記疲労
限σs 未満に抑える事で、前記パワーローラ8、8の内
径部に、繰り返し引っ張り応力に基づく亀裂等の損傷が
発生しにくくなる。又、前記最大接触面圧Pmax を前記
臨界接触面圧Pc 未満に抑える事で、前記パワーローラ
8、8に形成した軌道面に圧痕が形成される事を防止し
て、圧痕に基づく振動の発生を防止できる。 【0035】尚、FEM解析により求めた、do 2/(d
i ・dp )と前記各比σT /σs 、Pmax /Pc との関
係を、次の第1表に示す。前記図8は、この第1表に基
づいて作成したものである。この第1表に記載した解析
結果を求めるに当たり、パワーローラの外径do を一定
(80mm)にしたまま、内径di とピッチ円直径d
を変化させた。これは、パワーローラを組み込んだトロ
イダル型無段変速機の小型軽量化を図る必要上、外径d
を大きくできない為である。又、ピッチ円直径dp
を小さくした一部のものに就いては、隣り合う玉同士の
干渉を防止すべく、玉数Zを変えた。又、パワーローラ
に加わる荷重Fのうち、ラジアル方向の分力Fr は60
kN、スラスト方向の分力Fa は30kNとした。更に、玉
の直径は16mmとした。又、疲労限σs は1000MPa
、臨界接触面圧Pc は4000MPaとした。これらの値
は、通常処理された軸受鋼のものを採用した。 【0036】第1表 【表1】【0037】この第1表の記載から明らかな通り、本発
明のトロイダル型無段変速機の様に、パワーローラの外
径do 、内径di 、ピッチ円直径dp の関係式do 2
(di・dp )の値を、3〜5の範囲に納めれば、σT
/σs 、Pmax /Pc を何れも1未満に抑える事ができ
る。 【0038】 【発明の効果】本発明のトロイダル型無段変速機は、以
上に述べた通り構成され作用する為、振動が発生せず、
しかも耐久性の優れたトロイダル型無段変速機を得られ
る。
【図面の簡単な説明】 【図1】従来から知られたトロイダル型無段変速機の基
本的構成を、最大減速時の状態で示す側面図。 【図2】同じく最大増速時の状態で示す側面図。 【図3】従来の具体的構造の1例を示す断面図。 【図4】図3のA−A断面図。 【図5】パワーローラの断面形状の2例を示しており
(A)は従来構造の場合を、(B)は本発明構造の場合
を、それぞれ表わしている。 【図6】パワーローラにラジアル荷重が加わる状態を示
しており、(A)は弾性変形の状態を示す略図、(B)
は圧縮応力と引っ張り応力との分布を示す略図。 【図7】パワーローラにスラスト荷重が加わる状態を示
しており、(A)は荷重の作用点を示す略図、(B)は
引っ張り応力が加わる状態を示す略図。 【図8】各部の寸法が引っ張り応力と最大接触面圧とに
及ぼす影響を示す線図。 【符号の説明】 1 入力軸 2 入力側ディスク(第一のディスク) 2a 内側面 3 出力軸 4 出力側ディスク(第二のディスク) 4a 内側面 5 枢軸 6 トラニオン 7 変位軸 8 パワーローラ 8a 周面 9 押圧装置 10 カム板 11 保持器 12 ローラ 13、14 カム面 15 入力軸 16 ニードル軸受 17 鍔部 18 出力歯車 19 キー 20 支持板 21 支持軸部 22 枢支軸部 23 円孔 24、25 ラジアルニードル軸受 26 スラスト玉軸受 27 スラストニードル軸受 28 保持器 29 玉 30 外輪 31 レース 32 保持器 33 ニードル 36 駆動ロッド 37 駆動ピストン 38 駆動シリンダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−21261(JP,A) 特開 平5−39846(JP,A) 特開 平5−26317(JP,A) 特開 平7−229549(JP,A) 特開 昭56−160453(JP,A) 特開 昭62−270856(JP,A) 実開 平5−71515(JP,U) 米国特許4909092(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 13/00 - 15/56

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 互いの内側面同士を対向させた状態で、
    互いに同心に、且つ回転自在に支持された第一、第二の
    ディスクと、これら第一、第二のディスクの中心軸に対
    し捻れの位置にある枢軸を中心として揺動するトラニオ
    ンと、このトラニオンの内側面から突出した変位軸と、
    この変位軸の周囲に回転自在に支持された状態で、前記
    第一、第二の両ディスクの間に挟持されたパワーローラ
    と、このパワーローラの外側面と前記トラニオンの内側
    面との間に設けられ、このパワーローラに加わるスラス
    ト方向の荷重を支承しつつ、このパワーローラの回転を
    許容するスラスト玉軸受とを備えたトロイダル型無段変
    速機に於いて、前記パワーローラの内径をdi 、外径を
    o 、前記スラスト玉軸受を構成する複数の玉のピッチ
    円の直径をdp とした場合に、 3<do 2/(di ・dp )<5 を満たす事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
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