JP2575628B2 - 無刷子電動機 - Google Patents
無刷子電動機Info
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- H—ELECTRICITY
- H02—GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
- H02K—DYNAMO-ELECTRIC MACHINES
- H02K29/00—Motors or generators having non-mechanical commutating devices, e.g. discharge tubes or semiconductor devices
- H02K29/06—Motors or generators having non-mechanical commutating devices, e.g. discharge tubes or semiconductor devices with position sensing devices
- H02K29/08—Motors or generators having non-mechanical commutating devices, e.g. discharge tubes or semiconductor devices with position sensing devices using magnetic effect devices, e.g. Hall-plates, magneto-resistors
-
- H—ELECTRICITY
- H02—GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
- H02P—CONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
- H02P6/00—Arrangements for controlling synchronous motors or other dynamo-electric motors using electronic commutation dependent on the rotor position; Electronic commutators therefor
- H02P6/20—Arrangements for starting
- H02P6/22—Arrangements for starting in a selected direction of rotation
Description
【発明の詳細な説明】 ［技術分野］ 本発明は回転子の位置検出にホール素子などの磁気感
応素子を用いた無刷子電動機に関するものである。
応素子を用いた無刷子電動機に関するものである。
［背景技術］ 近年バッテリ電源で使用できしかもブラシの摩耗がな
い長寿命のファン用電動機として、第５図に示すような
磁気感応素子を使用した無刷子型直流電動機が開発され
ている。この種の電動機は２相の電機子巻線を施した突
極型固定子の外側または内側に永久磁石回転子を回転さ
せるものであるが、２相直流電動機に特有のトルクの死
点をなくすために、従来は回転子として４極部分と８極
部分とよりなる円筒状永久磁石12を使用すると共に、固
定子には巻線を施した主極13の中間に巻線のない補極14
を設けて、基本波の1/2の周期を持つ補助トルクを発生
させ、第６図に示すように、磁気感応素子による基本波
形T1の相切換え時点（θ＝π,2π）で補助トルク波形T2
がプラス側（回転方向側）の最大値をとるようにし、合
成波形T1＋T2が常にプラスとなるように構成することに
よって自起動特性を持たせていた。しかしこの方法は永
久磁石回転子の構造が複雑で着磁が容易でない上に、８
極部分の磁極の強さが劣化し易いという問題があり、ま
た固定子には主極と同数の補極を必要とするので小形軽
量化が困難であるという問題があった。
い長寿命のファン用電動機として、第５図に示すような
磁気感応素子を使用した無刷子型直流電動機が開発され
ている。この種の電動機は２相の電機子巻線を施した突
極型固定子の外側または内側に永久磁石回転子を回転さ
せるものであるが、２相直流電動機に特有のトルクの死
点をなくすために、従来は回転子として４極部分と８極
部分とよりなる円筒状永久磁石12を使用すると共に、固
定子には巻線を施した主極13の中間に巻線のない補極14
を設けて、基本波の1/2の周期を持つ補助トルクを発生
させ、第６図に示すように、磁気感応素子による基本波
形T1の相切換え時点（θ＝π,2π）で補助トルク波形T2
がプラス側（回転方向側）の最大値をとるようにし、合
成波形T1＋T2が常にプラスとなるように構成することに
よって自起動特性を持たせていた。しかしこの方法は永
久磁石回転子の構造が複雑で着磁が容易でない上に、８
極部分の磁極の強さが劣化し易いという問題があり、ま
た固定子には主極と同数の補極を必要とするので小形軽
量化が困難であるという問題があった。
その対策として第７図に示すように、固定子の隣り合
う磁極15,16の一方の磁極16の幅D2を他方の磁極15の幅D
1より狭くすると共に回転方向側に25〜45度（電機角）
偏位させて、無励磁時の永久磁石のみによるトルク（リ
ラクタンストルク）波形T2を、第６図と場合と同様に、
励磁による基本波形T1に対して回転方向側にずらすこと
により、自起動特性を得るようにした無刷子電動機が考
案されている。第７図は２極型の例を示したものである
が、４極型も同様にして構成できる。ここで無励磁時に
回転子が主として幅狭の磁極16に吸引されて停止する理
由は、永久磁石により幅狭の磁極に誘導される磁荷の方
が、幅広の磁極に誘導される磁荷よりも自由度が小さい
ためである。この構成によれば、第５図の方式に比し固
定子の磁極数が半減する上に永久磁石の構造も簡単にな
るので、小形軽量化ができるという利点がある反面、隣
り合う一方の磁極が偏位しているために固定子コイル17
のスペースが制限され、しかも磁極15,16が等間隔でな
いために巻線作業が容易でなく、巻線装置も複雑化する
という問題があった。
う磁極15,16の一方の磁極16の幅D2を他方の磁極15の幅D
1より狭くすると共に回転方向側に25〜45度（電機角）
偏位させて、無励磁時の永久磁石のみによるトルク（リ
ラクタンストルク）波形T2を、第６図と場合と同様に、
励磁による基本波形T1に対して回転方向側にずらすこと
により、自起動特性を得るようにした無刷子電動機が考
案されている。第７図は２極型の例を示したものである
が、４極型も同様にして構成できる。ここで無励磁時に
回転子が主として幅狭の磁極16に吸引されて停止する理
由は、永久磁石により幅狭の磁極に誘導される磁荷の方
が、幅広の磁極に誘導される磁荷よりも自由度が小さい
ためである。この構成によれば、第５図の方式に比し固
定子の磁極数が半減する上に永久磁石の構造も簡単にな
るので、小形軽量化ができるという利点がある反面、隣
り合う一方の磁極が偏位しているために固定子コイル17
のスペースが制限され、しかも磁極15,16が等間隔でな
いために巻線作業が容易でなく、巻線装置も複雑化する
という問題があった。
［発明の目的］ 本発明は上記の問題点に鑑み為されたものであり、そ
の目的とするところは、小形軽量で自起動特性を持ち、
しかも固定子磁極が等間隔で、コイルスペースが充分に
とれる上に、巻線作業も容易な無刷子電動機を提供する
にある。
の目的とするところは、小形軽量で自起動特性を持ち、
しかも固定子磁極が等間隔で、コイルスペースが充分に
とれる上に、巻線作業も容易な無刷子電動機を提供する
にある。
［発明の開示］ しかして本発明による無刷子電動機は請求項１の発明
では、NS極を等間隔に設けた２極または４極の永久磁石
回転子（回転子磁極）10,12と、先端幅広部D1,D2とコイ
ル巻芯部5c,5dからなる同極数の固定子磁極4,5を有する
とともに、この固定子磁極4,5は隣り合う先端幅広部D1,
D2の周方向幅に大小関係を有し、かつその先端幅広部
D1,D2のうち周方向幅（磁極幅）が小さいD2側（固定子
磁極５側）の磁極中心ｎが回転方向側に或る角度（電気
角）ｈだけ偏位している突極型固定子３と、この突極型
固定子３に装着され通過する永久磁石回転子（回転子磁
極）10,12の磁性を検出する磁気感応素子11と、この磁
気感応素子11により制御される突極型固定子３の固定子
巻線６の磁束の方向を交互に切り換える電流切換回路と
よりなり、前記先端幅広部D1,D2のうち周方向幅（磁極
幅）が小さいD2側の固定子磁極５は、そのコイル巻芯部
5dが隣り合う固定子磁極４のコイル巻芯部5cと等間隔に
位置するように形成されているもので、固定子３の一方
の磁極幅D2を他方の磁極幅D1よりも狭くするとともに、
その狭い磁極幅D2を有する固定子磁極５を回転方向側に
或る角度（電気角）ｈだけ偏位させることにより、また
請求項２の発明では、永久磁石回転子（回転子磁極）1
0,12の各極NSの着磁分布のピーク点を、回転方向側に或
る角度（電気角）ｈだけ偏位させて停止させることによ
り、リラクタンストルク波形を励磁による基本波形に対
して回転方向側に偏位させ、それによって自起動特性を
得ると同時に、各磁極のコイル巻芯部を等角度間隔に形
成することにより、巻線工程を簡単化した点に特徴を有
するものである。
では、NS極を等間隔に設けた２極または４極の永久磁石
回転子（回転子磁極）10,12と、先端幅広部D1,D2とコイ
ル巻芯部5c,5dからなる同極数の固定子磁極4,5を有する
とともに、この固定子磁極4,5は隣り合う先端幅広部D1,
D2の周方向幅に大小関係を有し、かつその先端幅広部
D1,D2のうち周方向幅（磁極幅）が小さいD2側（固定子
磁極５側）の磁極中心ｎが回転方向側に或る角度（電気
角）ｈだけ偏位している突極型固定子３と、この突極型
固定子３に装着され通過する永久磁石回転子（回転子磁
極）10,12の磁性を検出する磁気感応素子11と、この磁
気感応素子11により制御される突極型固定子３の固定子
巻線６の磁束の方向を交互に切り換える電流切換回路と
よりなり、前記先端幅広部D1,D2のうち周方向幅（磁極
幅）が小さいD2側の固定子磁極５は、そのコイル巻芯部
5dが隣り合う固定子磁極４のコイル巻芯部5cと等間隔に
位置するように形成されているもので、固定子３の一方
の磁極幅D2を他方の磁極幅D1よりも狭くするとともに、
その狭い磁極幅D2を有する固定子磁極５を回転方向側に
或る角度（電気角）ｈだけ偏位させることにより、また
請求項２の発明では、永久磁石回転子（回転子磁極）1
0,12の各極NSの着磁分布のピーク点を、回転方向側に或
る角度（電気角）ｈだけ偏位させて停止させることによ
り、リラクタンストルク波形を励磁による基本波形に対
して回転方向側に偏位させ、それによって自起動特性を
得ると同時に、各磁極のコイル巻芯部を等角度間隔に形
成することにより、巻線工程を簡単化した点に特徴を有
するものである。
第１図は本発明を２極型に実施した例を示したもので
ある。すなわち、本発明の無刷子電動機は、NS極を等間
隔に設けた２極または４極の永久磁石回転子（回転子磁
極）10,12と、先端幅広部D1,D2とコイル巻芯部5c,5dか
らなる同極数の固定子磁極4,5を有するとともに、この
固定子磁極4,5は隣り合う先端幅広部D1,D2の周方向幅に
大小関係を有し、かつその先端幅広部D1,D2のうち周方
向幅（磁極幅）が小さい側（固定子磁極５側）の磁極中
心ｎが回転方向側に或る角度（電気角）ｈだけ偏位して
いる突極型固定子３と、この突極型固定子３に装着され
通過する永久磁石回転子（回転子磁極）10,12の磁性を
検出する磁気感応素子11と、この磁気感応素子11により
制御される突極型固定子３の固定子巻線６の磁束の方向
を交互に切り換える電流切換回路とよりなり、前記先端
幅広部D1,D2のうち周方向幅（磁極幅）が小さいD2側の
固定子磁極５は、そのコイル巻芯部5dが隣り合う固定子
磁極４のコイル巻芯部5cと等間隔に位置するように形成
されているもので、固定子３の一方の磁極幅D2を他方の
磁極幅D1よりも狭くするとともに、その狭い磁極幅D2を
有する固定子磁極５を回転方向側に或る角度（電気角）
ｈだけ偏位させている。第１図（ａ）および（ｂ）にお
いて、本体ケーシング１に固定された円筒状支持体２の
周囲に、積層鉄芯よりなる２極の突極型固定子３が固設
され、両磁極４および５には直列にバイファイラ巻きの
２相の固定子巻線６が施されており、両相には互いに逆
方向の電流が交互に供給されるようになっている。円筒
状支持体２には内側にベアリング７を介して回転軸８を
保持されており、この回転軸８の一端に固定されたカッ
プ状ヨーク９とその内周面に固着された円筒状永久磁石
10とにより回転子が構成されている。永久磁石10は
（ｂ）図に示すように、２極構成で周面がNSに等間隔に
着磁されており、また固定子は一方の磁極５の先端幅広
部の回転方向と反対側の突出部5bを非磁性体で形成し、
実効的な磁極幅D2を幅広磁極４の磁極幅D1の約1/2とし
ている。従って幅狭磁極５の磁極幅D2の中央は等間隔位
置から回転方向側へ25度乃至30度偏位している。また幅
広磁極４の中央線から回転方向側へ約90度離れた箇所
に、通過する回転子磁極の極性を検出するための磁気感
応素子11が装着されており、この磁気感応素子11の出力
によって、同図（ｃ）に示した電流切換回路の２個のト
ランジスタQ1およびQ2を制御し、固定子コイル６の２本
の巻線L1およびL2に交互に電流を供給している。すなわ
ち磁気感応素子11は一方の極性（本実施例ではＮ極）を
検出した時にのみ信号を出力して、トランジスタQ3をオ
ンにすることにより、トランジスタQ1をオン、Q2をオフ
にし、またＳ極を検出したときにはトランジスタQ3をオ
フにして、Q1をオフ、Q2をオンにし、それによって巻線
L1とL2とに交互に電流を切り換えるようになっているの
である。
ある。すなわち、本発明の無刷子電動機は、NS極を等間
隔に設けた２極または４極の永久磁石回転子（回転子磁
極）10,12と、先端幅広部D1,D2とコイル巻芯部5c,5dか
らなる同極数の固定子磁極4,5を有するとともに、この
固定子磁極4,5は隣り合う先端幅広部D1,D2の周方向幅に
大小関係を有し、かつその先端幅広部D1,D2のうち周方
向幅（磁極幅）が小さい側（固定子磁極５側）の磁極中
心ｎが回転方向側に或る角度（電気角）ｈだけ偏位して
いる突極型固定子３と、この突極型固定子３に装着され
通過する永久磁石回転子（回転子磁極）10,12の磁性を
検出する磁気感応素子11と、この磁気感応素子11により
制御される突極型固定子３の固定子巻線６の磁束の方向
を交互に切り換える電流切換回路とよりなり、前記先端
幅広部D1,D2のうち周方向幅（磁極幅）が小さいD2側の
固定子磁極５は、そのコイル巻芯部5dが隣り合う固定子
磁極４のコイル巻芯部5cと等間隔に位置するように形成
されているもので、固定子３の一方の磁極幅D2を他方の
磁極幅D1よりも狭くするとともに、その狭い磁極幅D2を
有する固定子磁極５を回転方向側に或る角度（電気角）
ｈだけ偏位させている。第１図（ａ）および（ｂ）にお
いて、本体ケーシング１に固定された円筒状支持体２の
周囲に、積層鉄芯よりなる２極の突極型固定子３が固設
され、両磁極４および５には直列にバイファイラ巻きの
２相の固定子巻線６が施されており、両相には互いに逆
方向の電流が交互に供給されるようになっている。円筒
状支持体２には内側にベアリング７を介して回転軸８を
保持されており、この回転軸８の一端に固定されたカッ
プ状ヨーク９とその内周面に固着された円筒状永久磁石
10とにより回転子が構成されている。永久磁石10は
（ｂ）図に示すように、２極構成で周面がNSに等間隔に
着磁されており、また固定子は一方の磁極５の先端幅広
部の回転方向と反対側の突出部5bを非磁性体で形成し、
実効的な磁極幅D2を幅広磁極４の磁極幅D1の約1/2とし
ている。従って幅狭磁極５の磁極幅D2の中央は等間隔位
置から回転方向側へ25度乃至30度偏位している。また幅
広磁極４の中央線から回転方向側へ約90度離れた箇所
に、通過する回転子磁極の極性を検出するための磁気感
応素子11が装着されており、この磁気感応素子11の出力
によって、同図（ｃ）に示した電流切換回路の２個のト
ランジスタQ1およびQ2を制御し、固定子コイル６の２本
の巻線L1およびL2に交互に電流を供給している。すなわ
ち磁気感応素子11は一方の極性（本実施例ではＮ極）を
検出した時にのみ信号を出力して、トランジスタQ3をオ
ンにすることにより、トランジスタQ1をオン、Q2をオフ
にし、またＳ極を検出したときにはトランジスタQ3をオ
フにして、Q1をオフ、Q2をオンにし、それによって巻線
L1とL2とに交互に電流を切り換えるようになっているの
である。
次に第２図により本発明無刷子電動機の動作を説明す
る。巻線６に電流が流れていない時には、回転子は第１
図（ｂ）の状態で停止しており、幅狭磁極５に回転子の
Ｎ極またはＳ極のほぼ中央部が対向している。すなわち
この時の磁束は永久磁石から発生しているものだけであ
り、磁極４では磁極幅が広いので誘導された磁荷が比較
的自由に動けるが、磁極５では磁極幅が狭いのであまり
自由度がなく、従って各磁極4,5の誘導磁荷の中心が図
に破線でＮあるいはＳと記るされた位置となり、その結
果回転子は幅狭磁極５に規制された位置関係で停止して
いるのである。この状態でコイル６に励磁電流を流す
と、両磁極４および５では永久磁石による磁束に励磁電
流による磁束が重畳され、そのために幅広磁極４の磁化
の中心がほぼ磁極幅D1の中央に移動し、回転子は第２図
（ａ）に矢印で示した向きに反発力を受ける。例えば第
１図（ｂ）の位置関係では、磁気感応素子11は回転子の
Ｎ極を検出しているので、トランジスタQ3がオンとなっ
て巻線L1に電流が流れ、磁極４がＮ極、磁極５がＳ極に
励磁され、回転子は正回転（右回転）して（ａ）図の位
置を通過し、さらに右回転方向に吸引されて（ｂ）図の
位置に達する。この位置で磁気感応素子11が回転子のＳ
極を検出して巻線L2からL1へ電流が切り換えられるの
で、再び回転子は（ｃ）図のように反発され、上記と同
様にして回転を続けることができるのである。
る。巻線６に電流が流れていない時には、回転子は第１
図（ｂ）の状態で停止しており、幅狭磁極５に回転子の
Ｎ極またはＳ極のほぼ中央部が対向している。すなわち
この時の磁束は永久磁石から発生しているものだけであ
り、磁極４では磁極幅が広いので誘導された磁荷が比較
的自由に動けるが、磁極５では磁極幅が狭いのであまり
自由度がなく、従って各磁極4,5の誘導磁荷の中心が図
に破線でＮあるいはＳと記るされた位置となり、その結
果回転子は幅狭磁極５に規制された位置関係で停止して
いるのである。この状態でコイル６に励磁電流を流す
と、両磁極４および５では永久磁石による磁束に励磁電
流による磁束が重畳され、そのために幅広磁極４の磁化
の中心がほぼ磁極幅D1の中央に移動し、回転子は第２図
（ａ）に矢印で示した向きに反発力を受ける。例えば第
１図（ｂ）の位置関係では、磁気感応素子11は回転子の
Ｎ極を検出しているので、トランジスタQ3がオンとなっ
て巻線L1に電流が流れ、磁極４がＮ極、磁極５がＳ極に
励磁され、回転子は正回転（右回転）して（ａ）図の位
置を通過し、さらに右回転方向に吸引されて（ｂ）図の
位置に達する。この位置で磁気感応素子11が回転子のＳ
極を検出して巻線L2からL1へ電流が切り換えられるの
で、再び回転子は（ｃ）図のように反発され、上記と同
様にして回転を続けることができるのである。
本発明無刷子電動機の動作特性は、第６図で示した従
来例とほぼ同じになる。同図において、励磁電流による
磁束と回転子との相互作用のみによるトルク曲線T1は半
周期ごとに基本波形が切り換えられて上半分の波形とな
っている。励磁電流ゼロの状態における永久磁石と固定
子突磁極との相互作用によるリラクタンストルク波形T2
は基本波形T1の２倍の周期を持ち、正から負へ座標軸を
切る点θ1,θ２が安定停止点となっている。もし固定子
の各磁極が等間隔に設けられているならば、この安定停
止点θ1,θ２が基本波T1のゼロ点と一致するのである
が、実際には幅狭磁極５を偏位させることによってリラ
クタンストルク波形T2を正回転方向へずらし、それによ
って安定停止点θ1,θ２が基本波形T1のゼロ点の若干右
側に位置するようにしてあり、合成トルク曲線T1＋T2は
常に正で死点のない曲線となっている。このように起動
時すなわち励磁電流がゼロの状態において、第１図
（ｂ）のように、回転子が正回転方向へ若干回転した位
置で停止しているのが、幅狭磁極５を等間隔位置から偏
位させ且つその磁極幅を小さくしたことによる効果であ
る。なお幅狭磁極５の先端幅広部の非磁性体よりなる突
出部5bは、巻線を容易にするためのものであるが、たと
えこの部分5bが欠如していても、第７図の場合に比しは
るかに巻線作業は容易である。
来例とほぼ同じになる。同図において、励磁電流による
磁束と回転子との相互作用のみによるトルク曲線T1は半
周期ごとに基本波形が切り換えられて上半分の波形とな
っている。励磁電流ゼロの状態における永久磁石と固定
子突磁極との相互作用によるリラクタンストルク波形T2
は基本波形T1の２倍の周期を持ち、正から負へ座標軸を
切る点θ1,θ２が安定停止点となっている。もし固定子
の各磁極が等間隔に設けられているならば、この安定停
止点θ1,θ２が基本波T1のゼロ点と一致するのである
が、実際には幅狭磁極５を偏位させることによってリラ
クタンストルク波形T2を正回転方向へずらし、それによ
って安定停止点θ1,θ２が基本波形T1のゼロ点の若干右
側に位置するようにしてあり、合成トルク曲線T1＋T2は
常に正で死点のない曲線となっている。このように起動
時すなわち励磁電流がゼロの状態において、第１図
（ｂ）のように、回転子が正回転方向へ若干回転した位
置で停止しているのが、幅狭磁極５を等間隔位置から偏
位させ且つその磁極幅を小さくしたことによる効果であ
る。なお幅狭磁極５の先端幅広部の非磁性体よりなる突
出部5bは、巻線を容易にするためのものであるが、たと
えこの部分5bが欠如していても、第７図の場合に比しは
るかに巻線作業は容易である。
上述のように本発明による無刷子電動機は、第７図に
示した従来例とほぼ同等の機能を持つものであり、しか
も幅狭磁極５のコイル巻芯部5cは等間隔位置にあるの
で、コイルのスペースを充分に取れる上に巻線作業が容
易であるという効果を奏しているのであるが、実際には
巻芯部5cが磁極幅の端部に位置しているので、リラクタ
ンストルク波形T2の偏位角を第６図の場合（偏位角45
度）ほど大きくはできない。そこで上記の構成に加え、
さらに永久磁石回転子12の各極の着磁分布のピーク点
を、第３図に実線で示したように回転方向側に偏位させ
れば、幅狭磁極の偏位と永久磁石の着磁分布の偏位との
相乗効果によって、リラクタンストルク波形T2を約40度
（電気角）程度まで偏位させることができ、それによっ
て最低起動トルクを改善することができる。
示した従来例とほぼ同等の機能を持つものであり、しか
も幅狭磁極５のコイル巻芯部5cは等間隔位置にあるの
で、コイルのスペースを充分に取れる上に巻線作業が容
易であるという効果を奏しているのであるが、実際には
巻芯部5cが磁極幅の端部に位置しているので、リラクタ
ンストルク波形T2の偏位角を第６図の場合（偏位角45
度）ほど大きくはできない。そこで上記の構成に加え、
さらに永久磁石回転子12の各極の着磁分布のピーク点
を、第３図に実線で示したように回転方向側に偏位させ
れば、幅狭磁極の偏位と永久磁石の着磁分布の偏位との
相乗効果によって、リラクタンストルク波形T2を約40度
（電気角）程度まで偏位させることができ、それによっ
て最低起動トルクを改善することができる。
次に第４図は本発明を４極型無刷子電動機に実施した
例を示したものであるが、その構成及び動作は上述の２
極型に準ずるので、その説明は省略する。
例を示したものであるが、その構成及び動作は上述の２
極型に準ずるので、その説明は省略する。
［発明の効果］ 上述のように本発明は、無励磁状態において永久磁石
回転子（回転子磁極）が先端幅広部の周方向幅（磁極
幅）が小さい側の中心と一致する側に或る角度（電気
角）だけ偏位されて自起動が可能となるものであって、
補極を用いずに自起動特性が得られる第７図の方式にお
いて、コイルスペースが狭く巻線作業が容易でないとい
う従来の欠点を解消したものであるから、小形軽量でし
かも製造が容易なこの種の無刷子電動機を安価に提供で
きるという利点がある。
回転子（回転子磁極）が先端幅広部の周方向幅（磁極
幅）が小さい側の中心と一致する側に或る角度（電気
角）だけ偏位されて自起動が可能となるものであって、
補極を用いずに自起動特性が得られる第７図の方式にお
いて、コイルスペースが狭く巻線作業が容易でないとい
う従来の欠点を解消したものであるから、小形軽量でし
かも製造が容易なこの種の無刷子電動機を安価に提供で
きるという利点がある。
第１図は本発明無刷子電動機の一実施例を示したもの
で、（ａ）は縦断面図、（ｂ）は要部横断面図、（ｃ）
は回路図、第２図（ａ）（ｂ）（ｃ）は同上の動作を示
す要部断面図、第３図は同上の他の実施例における回転
子の着磁分布図、第４図はさらに他の実施例を示す要部
横断面図、第５図は従来例を示すもので、（ａ）は回転
子の概略斜視図、（ｂ）は固定子の概略平面図、第６図
は同上の動作説明図、第７図は他の従来例を示すもの
で、（ａ）は縦断面図、（ｂ）は要部横断面図である。 １は本体ケーシング、２は円筒状支持体、３は突極型固
定子、４は幅広磁極、５は幅狭磁極、5a及び5bは突出
部、5cは巻芯部、固定子巻線６、７はベアリング、８は
回転軸、９はカップ状ヨーク、10,12は永久磁石回転子
（回転子磁極）11は磁気感応素子。、D1は幅広磁極の磁
極幅、D2は幅狭磁極の磁極幅、ｈは電気角
で、（ａ）は縦断面図、（ｂ）は要部横断面図、（ｃ）
は回路図、第２図（ａ）（ｂ）（ｃ）は同上の動作を示
す要部断面図、第３図は同上の他の実施例における回転
子の着磁分布図、第４図はさらに他の実施例を示す要部
横断面図、第５図は従来例を示すもので、（ａ）は回転
子の概略斜視図、（ｂ）は固定子の概略平面図、第６図
は同上の動作説明図、第７図は他の従来例を示すもの
で、（ａ）は縦断面図、（ｂ）は要部横断面図である。 １は本体ケーシング、２は円筒状支持体、３は突極型固
定子、４は幅広磁極、５は幅狭磁極、5a及び5bは突出
部、5cは巻芯部、固定子巻線６、７はベアリング、８は
回転軸、９はカップ状ヨーク、10,12は永久磁石回転子
（回転子磁極）11は磁気感応素子。、D1は幅広磁極の磁
極幅、D2は幅狭磁極の磁極幅、ｈは電気角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本橋 良 門真市大字門真1048番地 松下電工株式 会社内 (72)発明者 永井 将登 門真市大字門真1048番地 松下電工株式 会社内 (72)発明者 竹川 勝己 門真市大字門真1048番地 松下電工株式 会社内 (72)発明者 谷口 直博 門真市大字門真1048番地 松下電工株式 会社内 (56)参考文献 特開 昭57−22367（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−67861（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−54859（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−195491（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−207853（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−288762（ＪＰ，Ａ) 実開 昭58−143486（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭52−11503（ＪＰ，Ｕ)
Claims (2)
- 【請求項１】NS極を等間隔に設けた２極または４極の永
久磁石回転子（回転子磁極）と、先端幅広部とコイル巻
芯部からなる同極数の固定子磁極を有するとともに、こ
の固定子磁極は隣り合う先端幅広部の周方向幅に大小関
係を有し、かつその先端幅広部のうち周方向幅が小さい
側の磁極中心が回転方向側に或る角度（電気角）だけ偏
位している突極型固定子と、この突極型固定子に装着さ
れ通過する永久磁石回転子（回転子磁極）の磁性を検出
する磁気感応素子と、この磁気感応素子により制御され
る突極型固定子の固定子巻線の磁束の方向を交互に切り
換える電流切換回路とよりなり、前記先端幅広部のうち
周方向幅（磁極幅）が小さい側の固定子磁極は、そのコ
イル巻芯部が隣り合う固定子磁極のコイル巻芯部と等間
隔に位置するように形成されていることを特徴とする無
刷子電動機。 - 【請求項２】永久磁石回転子の各極の着磁分布のピーク
点を、回転方向側に或る角度（電気角）だけ偏位させて
停止させることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載
の無刷子電動機。
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