JP2004215326A - ブラシ付き直流モータ - Google Patents
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Abstract
【課題】コイルへの通電が停止された時点における回転角度当たりの逆起電圧の変化を抑制し、ブラシ摩耗を低減することができるブラシ付き直流モータを提供する。
【解決手段】コイルへの1回の通電の開始から停止を示す通電期間内において、当該コイルに対向する極の極性が切替わる場合、コイルに通電が開始された時点から当該コイルに対向する極の極性が切替わる時点までの角度範囲を示す減磁エリアに当該コイルが位置した場合に、極の磁力による当該コイル近傍に発生する磁束密度よりも、コイルに通電が開始されてから当該コイルに対向する極の極性が切替わった時点から通電を停止する時点までの角度範囲を示す増磁エリアに当該コイルが位置した場合に、極の磁力による当該コイル近傍に発生する磁束密度のほうが少なくなるように、各極の増磁エリアにおいて少なくとも一部に、前記磁束密度を減少させる磁束密度減少手段を設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】コイルへの1回の通電の開始から停止を示す通電期間内において、当該コイルに対向する極の極性が切替わる場合、コイルに通電が開始された時点から当該コイルに対向する極の極性が切替わる時点までの角度範囲を示す減磁エリアに当該コイルが位置した場合に、極の磁力による当該コイル近傍に発生する磁束密度よりも、コイルに通電が開始されてから当該コイルに対向する極の極性が切替わった時点から通電を停止する時点までの角度範囲を示す増磁エリアに当該コイルが位置した場合に、極の磁力による当該コイル近傍に発生する磁束密度のほうが少なくなるように、各極の増磁エリアにおいて少なくとも一部に、前記磁束密度を減少させる磁束密度減少手段を設ける。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブラシ付き直流モータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、効率が比較的高く、制御も比較的容易なブラシ付き直流モータが車両等の様々な機器にて使用されている。
コイルを集中巻方式で形成したブラシ付き直流モータにおける、従来の概略構造を図4(A)に示す。図4(A)に示す例は、デルタ結線方式の各コイルの端子と整流子セグメントとを接続した4極(各磁極(N極またはS極)を構成する永久磁石が4個)、6スロット(スロット数及びコイル数及びコイルを巻く鉄心数が6個)のブラシ付き直流モータを示している。一般的には、極(磁石)の数に対してコイルの数を多くして、回転のデッドポイントの発生を抑制している。
【0003】
図4(A)に示す例において、ステータは、ヨーク(図示せず)の内壁に固定された極M1〜M4にて構成されている。極M1〜M4は、円筒状に偶数の個数となるように配置されており、隣り合う極とはロータに対向する面の極性が異なるように配置されている(極M1のロータに対向する面はN極であり、隣り合う極M2及びM4のロータに対向する面はS極である)。
また、ロータは、鉄心T1〜T6、各鉄心に設けられたスリットR1〜R6、各スロットに集中巻方式で形成されたコイルC1〜C6、各コイルの端子が接続され且つ互いに絶縁された整流子セグメントS1〜S6にて構成されている。ロータはステータと同軸上に配置され、ステータ内で回転可能である。
また、整流子セグメントS1〜S6には、所定の回転角度に達した場合に当接するブラシB1〜B4が配置されている。ブラシB1〜B4は極の数と同数以下の数が設けられており、図4(A)に示す例では、極の数と同数の4個のブラシが設けられている。ブラシB1〜B4には、各々電源Eの+端子あるいは−端子が接続されており、当接した整流子セグメントを介して当該整流子セグメントに対応するコイルに電流を供給する。
【0004】
図4(B)は、図4(A)の例に示す構造のブラシ付き直流モータにおける、ブラシB1〜B4の位置の例を示している。この例では、ブラシB1及びB3は、ロータの回転の中心から水平方向を0°及び180°として、反時計方向に25°回転した位置から20°の幅の角度範囲を有している(DegB1sの位置からDegB1eの位置までの角度範囲)。また、同様にブラシB2及びB4は、ロータの回転の中心から垂直方向を90°及び270°として、反時計方向に25°回転した位置から20°の幅の角度範囲を有している(DegB2sの位置からDegB2eの位置までの角度範囲)。
図4(A)及び(B)の例に示すブラシ付き直流モータの場合、ロータは反時計方向に回転し、コイルC1に着目すると、整流子セグメントS1とS2の境界部分がブラシB1〜B4の内部に位置していない場合に通電される。つまり、コイルC1は1回転する間に、整流子セグメントS1とS2の境界部分が(DegB1e)〜(DegB2s)の角度範囲、及び(DegB2e)〜(DegB1s)の角度範囲の4回の通電期間を有する。他のコイルC2〜C6も同様である。
【0005】
次に図5を用いて、1回の通電期間内において通電されたコイル近傍の磁束密度について説明する。
図5(A)は、コイルC1が反時計方向に回転して極M1における(DegB1e)の位置にて通電を開始された時点から、極の極性が切替わる時点までの角度範囲(通電が開始されてから、極M1と極M2との境界に達するまでの角度範囲)に位置している場合の例を示している。このとき、コイルC1に供給された電流による磁界(φc)が鉄心T1内に発生する。この磁界(φc)の方向は、ロータの回転中心から極M1の方向に鉄心T1の方向に沿って発生する。また、極M1及びM2にて発生する磁界(φm)も鉄心T1内に発生する。この磁界(φm)の方向は、磁界(φc)と逆の方向に発生する。従って、この場合、コイルC1の近傍に発生する磁束密度は磁界(φm)による磁束密度よりも減少する。以降の説明では、この角度範囲を「減磁エリア」と記載する。
【0006】
図5(B)は、コイルC1が反時計方向に回転して極M1における(DegB1e)の位置にて通電を開始され且つ極の極性が切替わった時点から、極M2における(DegB2S)の位置にて通電を停止される時点までの角度範囲(極M1と極M2との境界から、通電が停止されるまでの角度範囲)に位置している場合の例を示している。このとき、コイルC1に供給された電流による磁界(φc)が鉄心T1内に発生する。この磁界(φc)の方向は、ロータの回転中心から極M1の方向に鉄心T1の方向に沿って発生する。また、極M1及びM2にて発生する磁界(φm)も鉄心T1内に発生する。この磁界(φm)の方向は、磁界(φc)と同一方向に発生する。従って、この場合、コイルC1の近傍に発生する磁束密度は磁界(φm)による磁束密度よりも増加する。以降の説明では、この角度範囲を「増磁エリア」と記載する。
【0007】
次に、図6を用いて、図4及び図5で説明した従来のブラシ付き直流モータを駆動した場合に電源Eに重畳する逆起電圧の例を説明する。この例では、コイルへの通電が停止された時点(ロータが反時計方向に回転する際、隣り合う整流子セグメントの境界部分がDegB1sの位置またはDegB2sの位置に到達した時点)にて、回転角度当たりの逆起電圧の変化(ΔVz/Δφz)が大きい。なお、図4及び図5に示すブラシ付き直流モータでは、30°毎にいずれかのコイルへの通電が停止されるため、図6に示す逆起電圧は30°周期で現れる。
従来のブラシ付き直流モータは、図6の例に示すように、コイルへの通電が停止された時点における回転角度当たりの逆起電圧の変化(ΔVz/Δφz)が大きく、この時点でブラシと整流子セグメントとの間にて、ブラシ摩耗の要因の1つである放電につながる可能性が比較的高い。
【0008】
従来、減磁極部分の厚さを主極部分の厚さよりも薄くして、極の耐減磁機能を安価に得られる界磁集合体が提案されている(例えば特許文献1)。
また、減磁側に強い永久磁石と、磁束量が大きい永久磁石の組み合わせに、更に透磁率の高い磁性材料を組み合わせ、特別な巻線を用いず直流直巻電動機の特性を有する直流機が提案されている(例えば特許文献2)。
【0009】
【特許文献1】
実開昭57−197779号公報
【特許文献2】
特開昭57−59465号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来提案されている方法では、増磁側の磁束密度に関しては特別な手段を講じていないため、コイルへの通電が停止された時点における回転角度当たりの逆起電圧の変化(ΔVz/Δφz)を抑制することがほとんどできない。このため、ブラシと整流子セグメントとの間で発生する放電を抑制することができず、ブラシ摩耗を低減することが困難である。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、コイルへの通電が停止された時点における回転角度当たりの逆起電圧の変化を抑制し、ブラシ摩耗を低減することができるブラシ付き直流モータを提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段として、本発明の第1発明は、請求項1に記載されたとおりのブラシ付き直流モータである。
請求項1に記載のブラシ付き直流モータでは、コイルに通電が開始された時点から当該コイルに対向する極の極性が切替わる時点までの角度範囲を示す減磁エリアに当該コイルが位置した場合に、極の磁力による当該コイル近傍に発生する磁束密度よりも、コイルに通電が開始されてから当該コイルに対向する極の極性が切替わった時点から通電を停止する時点までの角度範囲を示す増磁エリアに当該コイルが位置した場合に、極の磁力による当該コイル近傍に発生する磁束密度のほうが少なくなるように、各極の増磁エリアにおいて少なくとも一部に、前記磁束密度を減少させる磁束密度減少手段を設ける。
これにより、コイルへの通電を停止する時点(増磁エリア内)において、極の磁力によるコイル近傍に発生する磁束密度を減少させ、通電停止前のコイルの電流値を低減できるため、コイルへの通電が停止された時点における回転角度当たりの逆起電圧の変化を抑制することができ、ブラシと整流子セグメントとの間の放電を抑制し、ブラシ摩耗を低減することができる。
【0012】
また、本発明の第2発明は、請求項2に記載されたとおりのブラシ付き直流モータである。
請求項2に記載のブラシ付き直流モータでは、各極を少なくとも2つの永久磁石で構成し、各極の増磁エリアに対応する部分の磁石を、減磁エリアに対応する部分の磁石の磁力よりも小さな磁力を有する磁石で構成する。
これにより、コイルへの通電を停止する時点(増磁エリア内)において、極の磁力によるコイル近傍に発生する磁束密度を比較的簡単な構成にて減少させることができる。このため、コイルへの通電の停止時点で発生する逆起電圧の変化を抑制させることができ、ブラシと整流子セグメントとの間の放電を抑制し、ブラシ摩耗を低減することができる。
【0013】
また、本発明の第3発明は、請求項3に記載されたとおりのブラシ付き直流モータである。
請求項3に記載のブラシ付き直流モータでは、各極を、増磁エリアにおける少なくとも一部の磁力が、減磁エリアにおける磁力よりも小さな磁力を有する永久磁石で構成する。第2発明が、増磁エリアの磁力が減磁エリアの磁力よりも小さくなるように、各極を異なる磁石の組み合わせで構成することに対し、第3発明では位置に応じて磁力が異なる磁石を用いる。例えば、増磁エリアに対応する部分に与えられた磁化が、減磁エリアに対応する部分に与えられた磁化よりも弱くなるように製作した磁石を用いたり、増磁エリアに対応する部分の材質と減磁エリアに対応する部分の材質を変化させたりする。
これにより、コイルへの通電を停止する時点(増磁エリア内)において、極の磁力によるコイル近傍に発生する磁束密度を減少させることができる。このため、コイルへの通電の停止時点で発生する逆起電圧の変化を抑制させることができ、ブラシと整流子セグメントとの間の放電を抑制し、ブラシ摩耗を低減することができる。
【0014】
また、本発明の第4発明は、請求項4に記載されたとおりのブラシ付き直流モータである。
請求項4に記載のブラシ付き直流モータでは、各極の増磁エリアにおける少なくとも一部の形状を、極と対向する鉄心までの間隙が減磁エリアにおける間隙よりも増加する形状に構成する。
極と対向する鉄心までの間隙が減磁エリアにおける間隙よりも増磁エリアにおける間隙を大きくすることで、コイル近傍に発生する磁束密度を比較的簡単な構成にて減少させることができる。このため、コイルへの通電の停止時点で発生する逆起電圧の変化を抑制させることができ、ブラシと整流子セグメントとの間の放電を抑制し、ブラシ摩耗を低減することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明のブラシ付き直流モータの一実施の形態の概略図を示している。以下に説明する実施の形態は、4極6スロットのブラシ付き直流モータを例として説明する。
◆[第1の実施の形態(図1、図3)]
第1の実施の形態では、増磁エリアの少なくとも一部の磁力が減磁エリアの磁力よりも小さくなるように、4つの各極M1〜M4を少なくとも2つの永久磁石、且つ磁力の異なる永久磁石で構成する。以下、極M4を例にして説明し、他の極M1〜M3については極M4と同様であるので説明を省略する。
図1(A)及び(B)に示すように、極M4を永久磁石M4aと永久磁石M4bの少なくとも2つの永久磁石で構成する。永久磁石M4aと永久磁石M4bは、どちらもロータと対向する面がS極となるように構成し、且つ永久磁石M4aが発生する磁力は減磁エリアに対応しており、永久磁石M4bが発生する磁力は増磁エリアに対応している。
【0016】
一般的に直流モータを設計する場合、コイルに非通電状態における極により発生する磁束量を計算し、当該磁束が発生したロータの鉄心部の磁束密度がほぼ飽和磁束密度となるよう、磁気通路の断面積を設定して効率が最大となるように設計する。しかし、上記のように設計した時、コイルが減磁エリアに位置した場合、コイルにより発生した磁束は、極により発生する磁束を減少させる方向に働くため、鉄心内の磁束密度が飽和磁束密度よりも小さくなる。また、コイルが増磁エリアに位置した場合、コイルにより発生した磁束は、極により発生する磁束を増加させる方向に働くため、鉄心内の磁束密度が飽和磁束密度を超えてしまう。ただし、飽和磁束密度を超えても空気中を通って流れる磁束も存在するため、磁束はわずかずつではあるが増え続ける。
【0017】
ここで、増磁エリアに位置したコイルの通電を停止する時点にて、当該コイル近傍に発生する磁束密度を減少させるために、永久磁石M4bの磁力を永久磁石M4aの磁力よりも小さくする。永久磁石M4aと永久磁石M4bは異なる磁石であるため、容易に実現可能である。なお、コイルの通電を停止する時点にて前記磁束密度を減少させる必要があるので、永久磁石M4bは増磁エリアの境界位置(DegB2sの位置)よりも回転方向(この場合、反時計方向)にやや延長させることが好ましい。
【0018】
少なくとも2つの永久磁石(この場合、永久磁石M4aとM4b)を組み合わせる組み合わせ方法は、図1(A)に示すように、増磁エリアにおける永久磁石M4aの一部に永久磁石M4bをはめ込むように組み合わせてもよいし、図1(B)に示すように扇形状の永久磁石M4aとM4bを並べるように組み合わせてもよい。
なお、図1(A)及び(B)に示す例では、磁力が比較的小さい永久磁石M4aを増磁エリアの開始位置(図中の90°の位置であり、極M1との境界位置)から通電停止位置よりもやや延長した位置に配置した。しかし永久磁石M4bを、増磁エリアの範囲内において、通電停止位置からやや手前の位置から、通電停止位置までの、増磁エリアにおける少なくとも一部に配置するようにしてもよい。
また、増磁エリア内でコイル近傍に発生する磁束密度を低減させることに加えて、減磁エリア内でコイル近傍に発生する磁束密度を増加させるようにしてもよい。この場合、減磁エリアの少なくとも一部に、比較的磁力の大きい永久磁石を配置する。
【0019】
上記の構成にて形成したステータを用いたブラシ付き直流モータにおける、ロータの回転角[°]と電源に重畳される逆起電圧[V]の特性を図3の例に示す。
図3に示すように、コイルへの通電を停止する時点(増磁エリア内)において、極の磁力によるコイル近傍に発生する磁束密度を比較的簡単な構成にて減少させることができ、回転角度当たりの逆起電圧の変化(ΔVn/Δφn)を、従来の変化(ΔVz/Δφz)よりも抑制することができる。このため、コイルへの通電の停止時点で発生する逆起電圧を抑制させることができ、ブラシと整流子セグメントとの間の放電を抑制し、ブラシ摩耗を低減することができる。
【0020】
前述のコイルに発生する逆起電圧は、ロータが回転し、極の磁力が変化することによる逆起電圧と、コイルに流れる電流が変化することによる逆起電圧が合成されて発生する。ここで、逆起電圧は、主に鉄心部分を流れる磁束の時間変化に比例した値となる。
そして、従来技術では、増磁エリアにおいて、飽和磁束密度を超えるか、それに近い磁束が流れているため、時間変化による磁束の変化が小さく、極の磁力の変化による逆起電圧が非常に小さくなっている。そのため、通電停止前にコイルに多くの電流が流れてしまう。
次に、通電停止時の逆起電圧の変化を考えると、通電の停止は、ごく短時間に行われるため、極の磁力の変化はごくわずかであり、コイルの電流が短時間に減少することによる逆起電圧が大半であるといえる。そのため、従来技術では、通電停止前に多くの電流が流れているため、通電停止時の逆起電圧が非常に大きくなり、大きな逆起電圧の変化として現れてしまう。
それに対し、本発明では、あらかじめ増磁エリアの極による磁力を弱めておくため、磁束変化に余裕があり、通電停止前の磁束変化が大きく、逆起電圧も大きくなるため、コイルに流れる電流を少なくすることができる。
そして、通電停止時には、停止前のコイルの電流値が低いため、電流減少による逆起電圧が小さく停止時の逆起電圧の変化を少なくすることができ、放電を効果的に抑制することができる。これにより、ブラシの耐摩耗性を向上させることができる。
【0021】
◆[第2の実施の形態(図1(A)、図3)]
第2の実施の形態は、各極を少なくとも2つの永久磁石で構成した第1の実施の形態に対して、各極における増磁エリアの磁力を小さくする点が異なる。以下、極M4を例にして説明し、他の極M1〜M3については極M4と同様であるので説明を省略する。以下、第1の実施の形態との相違点について説明する。
第2の実施の形態では、各極を永久磁石で構成し、位置に応じて磁力の大きさが異なる永久磁石を用いる。つまり、図1(A)におけるM4bの部分の磁力を、M4aの部分の磁力よりも小さくする。
【0022】
例えば、増磁エリアに対応する部分に与えられた磁化が、減磁エリアに対応する部分に与えられた磁化よりも弱くなるように製作した磁石を用いたり、増磁エリアに対応する部分の材質と減磁エリアに対応する部分の材質を変化させたりすることにより当該永久磁石を構成することが可能である。
なお、コイルの通電を停止する時点にて前記磁束密度を減少させる必要があるので、小さな磁力とするM4b部分は増磁エリアの境界位置(DegB2sの位置)よりも回転方向(この場合、反時計方向)にやや延長させることが好ましい。
また、小さな磁力とするM4b部分を、増磁エリアの範囲内において、通電停止位置からやや手前の位置から、通電停止位置までの、増磁エリアにおける少なくとも一部とするようにしてもよい。
また、増磁エリア内でコイル近傍に発生する磁束密度を低減させることに加えて、減磁エリア内でコイル近傍に発生する磁束密度を増加させるようにしてもよい。この場合、減磁エリアの少なくとも一部に、大きい磁力を有するように極を構成する(例えば与える磁化を大きくしたり、磁力が大きくなる材質で構成する)。
【0023】
上記に説明した構成により、図3に示すように、コイルへの通電を停止する時点(増磁エリア内)において、極の磁力によるコイル近傍に発生する磁束密度を減少させることができ、回転角度当たりの逆起電圧の変化(ΔVn/Δφn)を、従来の変化(ΔVz/Δφz)よりも抑制することができる。このため、コイルへの通電の停止時点で発生する逆起電圧を抑制させることができ、ブラシと整流子セグメントとの間の放電を抑制し、ブラシ摩耗を低減することができる。
【0024】
◆[第3の実施の形態(図2、図3)]
第3の実施の形態は、第1の実施の形態が極における増磁エリアに対応する部分の磁力を小さくしたことに対し、増磁エリアの磁力を特に変化させることなく、対向する鉄心(コイルの巻かれた鉄心)と増磁エリアの少なくとも一部との空隙(L1)を増加させることでコイル近傍に発生する磁束密度を減少させる点が異なる。以下、極M4を例にして説明し、他の極M1〜M3については極M4と同様であるので説明を省略する。以下、第1の実施の形態との相違点について説明する。
図2(A)〜(C)に示すように、極M4を永久磁石で構成し、且つ増磁エリア部分における極M4と鉄心T1との間隙(L1)が、コイルへの通電が停止される時点でやや広くなるように、極M4の形状を変化させる。
【0025】
例えば図2(A)に示すように、コイルへの通電が停止されるDegB2sの位置近傍を滑らかな曲線で凹状に形成する。これにより、コイルへの通電を停止する時点におけるコイル近傍に発生する磁束密度を減少させることができる。
また、図2(B)に示すようにコイルへの通電が停止されるDegB2sの位置近傍を段階的に凹状に形成してもよいし、図2(C)に示すようにコイルへの通電が停止されるDegB2sの位置近傍を直線的な凹状に形成してもよい。増磁エリアの少なくとも一部を凹状に形成する形状は種々の形状がある。
なお、コイルの通電を停止する時点にて前記磁束密度を減少させる必要があるので、凹状の形状は増磁エリアの境界位置(DegB2sの位置)よりも回転方向(この場合、反時計方向)にやや延長させることが好ましい。
【0026】
なお、図2(A)〜(C)に示す例では、極M4の凹状の形状を増磁エリアの開始位置(図中の90°の位置であり、極M1との境界位置)から通電停止位置よりもやや延長した位置に配置した。しかし凹状の形状を、増磁エリアの範囲内において、通電停止位置からやや手前の位置から、通電停止位置までの、増磁エリアにおける少なくとも一部に配置するようにしてもよい。
また、増磁エリア内でコイル近傍に発生する磁束密度を低減させることに加えて、減磁エリア内でコイル近傍に発生する磁束密度を増加させるようにしてもよい。この場合、減磁エリアの少なくとも一部を凸状にして、極と対向する鉄心と極との間隙(L1)が減少するように、極の形状を変化させる。
【0027】
上記に説明した構成により、図3に示すように、コイルへの通電を停止する時点(増磁エリア内)において、極の磁力によるコイル近傍に発生する磁束密度を比較的簡単な構成にて減少させることができ、回転角度当たりの逆起電圧の変化(ΔVn/Δφn)を、従来の変化(ΔVz/Δφz)よりも抑制することができる。このため、コイルへの通電の停止時点で発生する逆起電圧の変化を抑制させることができ、ブラシと整流子セグメントとの間の放電を抑制し、ブラシ摩耗を低減することができる。
【0028】
本発明のブラシ付き直流モータは、本実施の形態で説明した構成に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
また、極の数とスロットの数の組み合わせは、本実施の形態で例示した組み合わせに限定されず、ステータを4極で構成してロータを6スロット以上(6個以上のコイル)で構成したり、ステータを6極で構成してロータを8スロット以上(8個以上のコイル)で構成したり、ステータを8極で構成してロータを10スロット以上(10個以上のコイル)で構成することも可能である。
本実施の形態ではデルタ結線方式のブラシ付き直流モータを例にして説明したが、スター結線方式のブラシ付き直流モータに適用することも可能である。
また、以上(≧)、以下(≦)、より大きい(>)、未満(<)等は、等号を含んでも含まなくてもよい。
また、本実施の形態の説明に用いた数値は一例であり、この数値に限定されるものではない。
また、本実施の形態では、極の数と同数のブラシを例にして説明したが、ブラシは極の数と同数以下であればよい。例えばコイルの数が偶数の場合、180°位置が異なる整流子セグメントを短絡することにより、ブラシの数を低減することができる。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜4のいずれかに記載のブラシ付き直流モータを用いれば、コイルへの通電が停止された時点における回転角度当たりの逆起電圧の変化を抑制し、ブラシ摩耗を低減することができるブラシ付き直流モータを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブラシ付き直流モータの第1及び第2の実施の形態の概略図である。
【図2】本発明のブラシ付き直流モータの第3の実施の形態の概略図である。
【図3】本発明のブラシ付き直流モータにおける、ロータの回転角[°]と電源に重畳される逆起電圧[V]の特性の例を説明するグラフである。
【図4】従来のブラシ付き直流モータの構造の例を説明する図である。
【図5】1回の通電期間内において、通電されたコイル近傍の磁束密度(減磁エリアと増磁エリア)について説明する図である。
【図6】従来のブラシ付き直流モータにおける、ロータの回転角[°]と電源に重畳される逆起電圧[V]の特性の例を説明するグラフである。
【符号の説明】
M1〜M4 極
M1a〜M4a、M1b〜M4b 永久磁石
B1〜B4 ブラシ
R1〜R6 スロット
T1〜T6 鉄心
C1〜C6 コイル
S1〜S6 整流子セグメント
E 電源
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブラシ付き直流モータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、効率が比較的高く、制御も比較的容易なブラシ付き直流モータが車両等の様々な機器にて使用されている。
コイルを集中巻方式で形成したブラシ付き直流モータにおける、従来の概略構造を図4(A)に示す。図4(A)に示す例は、デルタ結線方式の各コイルの端子と整流子セグメントとを接続した4極(各磁極(N極またはS極)を構成する永久磁石が4個)、6スロット(スロット数及びコイル数及びコイルを巻く鉄心数が6個)のブラシ付き直流モータを示している。一般的には、極(磁石)の数に対してコイルの数を多くして、回転のデッドポイントの発生を抑制している。
【0003】
図4(A)に示す例において、ステータは、ヨーク(図示せず)の内壁に固定された極M1〜M4にて構成されている。極M1〜M4は、円筒状に偶数の個数となるように配置されており、隣り合う極とはロータに対向する面の極性が異なるように配置されている(極M1のロータに対向する面はN極であり、隣り合う極M2及びM4のロータに対向する面はS極である)。
また、ロータは、鉄心T1〜T6、各鉄心に設けられたスリットR1〜R6、各スロットに集中巻方式で形成されたコイルC1〜C6、各コイルの端子が接続され且つ互いに絶縁された整流子セグメントS1〜S6にて構成されている。ロータはステータと同軸上に配置され、ステータ内で回転可能である。
また、整流子セグメントS1〜S6には、所定の回転角度に達した場合に当接するブラシB1〜B4が配置されている。ブラシB1〜B4は極の数と同数以下の数が設けられており、図4(A)に示す例では、極の数と同数の4個のブラシが設けられている。ブラシB1〜B4には、各々電源Eの+端子あるいは−端子が接続されており、当接した整流子セグメントを介して当該整流子セグメントに対応するコイルに電流を供給する。
【0004】
図4(B)は、図4(A)の例に示す構造のブラシ付き直流モータにおける、ブラシB1〜B4の位置の例を示している。この例では、ブラシB1及びB3は、ロータの回転の中心から水平方向を0°及び180°として、反時計方向に25°回転した位置から20°の幅の角度範囲を有している(DegB1sの位置からDegB1eの位置までの角度範囲)。また、同様にブラシB2及びB4は、ロータの回転の中心から垂直方向を90°及び270°として、反時計方向に25°回転した位置から20°の幅の角度範囲を有している(DegB2sの位置からDegB2eの位置までの角度範囲)。
図4(A)及び(B)の例に示すブラシ付き直流モータの場合、ロータは反時計方向に回転し、コイルC1に着目すると、整流子セグメントS1とS2の境界部分がブラシB1〜B4の内部に位置していない場合に通電される。つまり、コイルC1は1回転する間に、整流子セグメントS1とS2の境界部分が(DegB1e)〜(DegB2s)の角度範囲、及び(DegB2e)〜(DegB1s)の角度範囲の4回の通電期間を有する。他のコイルC2〜C6も同様である。
【0005】
次に図5を用いて、1回の通電期間内において通電されたコイル近傍の磁束密度について説明する。
図5(A)は、コイルC1が反時計方向に回転して極M1における(DegB1e)の位置にて通電を開始された時点から、極の極性が切替わる時点までの角度範囲(通電が開始されてから、極M1と極M2との境界に達するまでの角度範囲)に位置している場合の例を示している。このとき、コイルC1に供給された電流による磁界(φc)が鉄心T1内に発生する。この磁界(φc)の方向は、ロータの回転中心から極M1の方向に鉄心T1の方向に沿って発生する。また、極M1及びM2にて発生する磁界(φm)も鉄心T1内に発生する。この磁界(φm)の方向は、磁界(φc)と逆の方向に発生する。従って、この場合、コイルC1の近傍に発生する磁束密度は磁界(φm)による磁束密度よりも減少する。以降の説明では、この角度範囲を「減磁エリア」と記載する。
【0006】
図5(B)は、コイルC1が反時計方向に回転して極M1における(DegB1e)の位置にて通電を開始され且つ極の極性が切替わった時点から、極M2における(DegB2S)の位置にて通電を停止される時点までの角度範囲(極M1と極M2との境界から、通電が停止されるまでの角度範囲)に位置している場合の例を示している。このとき、コイルC1に供給された電流による磁界(φc)が鉄心T1内に発生する。この磁界(φc)の方向は、ロータの回転中心から極M1の方向に鉄心T1の方向に沿って発生する。また、極M1及びM2にて発生する磁界(φm)も鉄心T1内に発生する。この磁界(φm)の方向は、磁界(φc)と同一方向に発生する。従って、この場合、コイルC1の近傍に発生する磁束密度は磁界(φm)による磁束密度よりも増加する。以降の説明では、この角度範囲を「増磁エリア」と記載する。
【0007】
次に、図6を用いて、図4及び図5で説明した従来のブラシ付き直流モータを駆動した場合に電源Eに重畳する逆起電圧の例を説明する。この例では、コイルへの通電が停止された時点(ロータが反時計方向に回転する際、隣り合う整流子セグメントの境界部分がDegB1sの位置またはDegB2sの位置に到達した時点)にて、回転角度当たりの逆起電圧の変化(ΔVz/Δφz)が大きい。なお、図4及び図5に示すブラシ付き直流モータでは、30°毎にいずれかのコイルへの通電が停止されるため、図6に示す逆起電圧は30°周期で現れる。
従来のブラシ付き直流モータは、図6の例に示すように、コイルへの通電が停止された時点における回転角度当たりの逆起電圧の変化(ΔVz/Δφz)が大きく、この時点でブラシと整流子セグメントとの間にて、ブラシ摩耗の要因の1つである放電につながる可能性が比較的高い。
【0008】
従来、減磁極部分の厚さを主極部分の厚さよりも薄くして、極の耐減磁機能を安価に得られる界磁集合体が提案されている(例えば特許文献1)。
また、減磁側に強い永久磁石と、磁束量が大きい永久磁石の組み合わせに、更に透磁率の高い磁性材料を組み合わせ、特別な巻線を用いず直流直巻電動機の特性を有する直流機が提案されている(例えば特許文献2)。
【0009】
【特許文献1】
実開昭57−197779号公報
【特許文献2】
特開昭57−59465号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来提案されている方法では、増磁側の磁束密度に関しては特別な手段を講じていないため、コイルへの通電が停止された時点における回転角度当たりの逆起電圧の変化(ΔVz/Δφz)を抑制することがほとんどできない。このため、ブラシと整流子セグメントとの間で発生する放電を抑制することができず、ブラシ摩耗を低減することが困難である。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、コイルへの通電が停止された時点における回転角度当たりの逆起電圧の変化を抑制し、ブラシ摩耗を低減することができるブラシ付き直流モータを提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段として、本発明の第1発明は、請求項1に記載されたとおりのブラシ付き直流モータである。
請求項1に記載のブラシ付き直流モータでは、コイルに通電が開始された時点から当該コイルに対向する極の極性が切替わる時点までの角度範囲を示す減磁エリアに当該コイルが位置した場合に、極の磁力による当該コイル近傍に発生する磁束密度よりも、コイルに通電が開始されてから当該コイルに対向する極の極性が切替わった時点から通電を停止する時点までの角度範囲を示す増磁エリアに当該コイルが位置した場合に、極の磁力による当該コイル近傍に発生する磁束密度のほうが少なくなるように、各極の増磁エリアにおいて少なくとも一部に、前記磁束密度を減少させる磁束密度減少手段を設ける。
これにより、コイルへの通電を停止する時点(増磁エリア内)において、極の磁力によるコイル近傍に発生する磁束密度を減少させ、通電停止前のコイルの電流値を低減できるため、コイルへの通電が停止された時点における回転角度当たりの逆起電圧の変化を抑制することができ、ブラシと整流子セグメントとの間の放電を抑制し、ブラシ摩耗を低減することができる。
【0012】
また、本発明の第2発明は、請求項2に記載されたとおりのブラシ付き直流モータである。
請求項2に記載のブラシ付き直流モータでは、各極を少なくとも2つの永久磁石で構成し、各極の増磁エリアに対応する部分の磁石を、減磁エリアに対応する部分の磁石の磁力よりも小さな磁力を有する磁石で構成する。
これにより、コイルへの通電を停止する時点(増磁エリア内)において、極の磁力によるコイル近傍に発生する磁束密度を比較的簡単な構成にて減少させることができる。このため、コイルへの通電の停止時点で発生する逆起電圧の変化を抑制させることができ、ブラシと整流子セグメントとの間の放電を抑制し、ブラシ摩耗を低減することができる。
【0013】
また、本発明の第3発明は、請求項3に記載されたとおりのブラシ付き直流モータである。
請求項3に記載のブラシ付き直流モータでは、各極を、増磁エリアにおける少なくとも一部の磁力が、減磁エリアにおける磁力よりも小さな磁力を有する永久磁石で構成する。第2発明が、増磁エリアの磁力が減磁エリアの磁力よりも小さくなるように、各極を異なる磁石の組み合わせで構成することに対し、第3発明では位置に応じて磁力が異なる磁石を用いる。例えば、増磁エリアに対応する部分に与えられた磁化が、減磁エリアに対応する部分に与えられた磁化よりも弱くなるように製作した磁石を用いたり、増磁エリアに対応する部分の材質と減磁エリアに対応する部分の材質を変化させたりする。
これにより、コイルへの通電を停止する時点(増磁エリア内)において、極の磁力によるコイル近傍に発生する磁束密度を減少させることができる。このため、コイルへの通電の停止時点で発生する逆起電圧の変化を抑制させることができ、ブラシと整流子セグメントとの間の放電を抑制し、ブラシ摩耗を低減することができる。
【0014】
また、本発明の第4発明は、請求項4に記載されたとおりのブラシ付き直流モータである。
請求項4に記載のブラシ付き直流モータでは、各極の増磁エリアにおける少なくとも一部の形状を、極と対向する鉄心までの間隙が減磁エリアにおける間隙よりも増加する形状に構成する。
極と対向する鉄心までの間隙が減磁エリアにおける間隙よりも増磁エリアにおける間隙を大きくすることで、コイル近傍に発生する磁束密度を比較的簡単な構成にて減少させることができる。このため、コイルへの通電の停止時点で発生する逆起電圧の変化を抑制させることができ、ブラシと整流子セグメントとの間の放電を抑制し、ブラシ摩耗を低減することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明のブラシ付き直流モータの一実施の形態の概略図を示している。以下に説明する実施の形態は、4極6スロットのブラシ付き直流モータを例として説明する。
◆[第1の実施の形態(図1、図3)]
第1の実施の形態では、増磁エリアの少なくとも一部の磁力が減磁エリアの磁力よりも小さくなるように、4つの各極M1〜M4を少なくとも2つの永久磁石、且つ磁力の異なる永久磁石で構成する。以下、極M4を例にして説明し、他の極M1〜M3については極M4と同様であるので説明を省略する。
図1(A)及び(B)に示すように、極M4を永久磁石M4aと永久磁石M4bの少なくとも2つの永久磁石で構成する。永久磁石M4aと永久磁石M4bは、どちらもロータと対向する面がS極となるように構成し、且つ永久磁石M4aが発生する磁力は減磁エリアに対応しており、永久磁石M4bが発生する磁力は増磁エリアに対応している。
【0016】
一般的に直流モータを設計する場合、コイルに非通電状態における極により発生する磁束量を計算し、当該磁束が発生したロータの鉄心部の磁束密度がほぼ飽和磁束密度となるよう、磁気通路の断面積を設定して効率が最大となるように設計する。しかし、上記のように設計した時、コイルが減磁エリアに位置した場合、コイルにより発生した磁束は、極により発生する磁束を減少させる方向に働くため、鉄心内の磁束密度が飽和磁束密度よりも小さくなる。また、コイルが増磁エリアに位置した場合、コイルにより発生した磁束は、極により発生する磁束を増加させる方向に働くため、鉄心内の磁束密度が飽和磁束密度を超えてしまう。ただし、飽和磁束密度を超えても空気中を通って流れる磁束も存在するため、磁束はわずかずつではあるが増え続ける。
【0017】
ここで、増磁エリアに位置したコイルの通電を停止する時点にて、当該コイル近傍に発生する磁束密度を減少させるために、永久磁石M4bの磁力を永久磁石M4aの磁力よりも小さくする。永久磁石M4aと永久磁石M4bは異なる磁石であるため、容易に実現可能である。なお、コイルの通電を停止する時点にて前記磁束密度を減少させる必要があるので、永久磁石M4bは増磁エリアの境界位置(DegB2sの位置)よりも回転方向(この場合、反時計方向)にやや延長させることが好ましい。
【0018】
少なくとも2つの永久磁石(この場合、永久磁石M4aとM4b)を組み合わせる組み合わせ方法は、図1(A)に示すように、増磁エリアにおける永久磁石M4aの一部に永久磁石M4bをはめ込むように組み合わせてもよいし、図1(B)に示すように扇形状の永久磁石M4aとM4bを並べるように組み合わせてもよい。
なお、図1(A)及び(B)に示す例では、磁力が比較的小さい永久磁石M4aを増磁エリアの開始位置(図中の90°の位置であり、極M1との境界位置)から通電停止位置よりもやや延長した位置に配置した。しかし永久磁石M4bを、増磁エリアの範囲内において、通電停止位置からやや手前の位置から、通電停止位置までの、増磁エリアにおける少なくとも一部に配置するようにしてもよい。
また、増磁エリア内でコイル近傍に発生する磁束密度を低減させることに加えて、減磁エリア内でコイル近傍に発生する磁束密度を増加させるようにしてもよい。この場合、減磁エリアの少なくとも一部に、比較的磁力の大きい永久磁石を配置する。
【0019】
上記の構成にて形成したステータを用いたブラシ付き直流モータにおける、ロータの回転角[°]と電源に重畳される逆起電圧[V]の特性を図3の例に示す。
図3に示すように、コイルへの通電を停止する時点(増磁エリア内)において、極の磁力によるコイル近傍に発生する磁束密度を比較的簡単な構成にて減少させることができ、回転角度当たりの逆起電圧の変化(ΔVn/Δφn)を、従来の変化(ΔVz/Δφz)よりも抑制することができる。このため、コイルへの通電の停止時点で発生する逆起電圧を抑制させることができ、ブラシと整流子セグメントとの間の放電を抑制し、ブラシ摩耗を低減することができる。
【0020】
前述のコイルに発生する逆起電圧は、ロータが回転し、極の磁力が変化することによる逆起電圧と、コイルに流れる電流が変化することによる逆起電圧が合成されて発生する。ここで、逆起電圧は、主に鉄心部分を流れる磁束の時間変化に比例した値となる。
そして、従来技術では、増磁エリアにおいて、飽和磁束密度を超えるか、それに近い磁束が流れているため、時間変化による磁束の変化が小さく、極の磁力の変化による逆起電圧が非常に小さくなっている。そのため、通電停止前にコイルに多くの電流が流れてしまう。
次に、通電停止時の逆起電圧の変化を考えると、通電の停止は、ごく短時間に行われるため、極の磁力の変化はごくわずかであり、コイルの電流が短時間に減少することによる逆起電圧が大半であるといえる。そのため、従来技術では、通電停止前に多くの電流が流れているため、通電停止時の逆起電圧が非常に大きくなり、大きな逆起電圧の変化として現れてしまう。
それに対し、本発明では、あらかじめ増磁エリアの極による磁力を弱めておくため、磁束変化に余裕があり、通電停止前の磁束変化が大きく、逆起電圧も大きくなるため、コイルに流れる電流を少なくすることができる。
そして、通電停止時には、停止前のコイルの電流値が低いため、電流減少による逆起電圧が小さく停止時の逆起電圧の変化を少なくすることができ、放電を効果的に抑制することができる。これにより、ブラシの耐摩耗性を向上させることができる。
【0021】
◆[第2の実施の形態(図1(A)、図3)]
第2の実施の形態は、各極を少なくとも2つの永久磁石で構成した第1の実施の形態に対して、各極における増磁エリアの磁力を小さくする点が異なる。以下、極M4を例にして説明し、他の極M1〜M3については極M4と同様であるので説明を省略する。以下、第1の実施の形態との相違点について説明する。
第2の実施の形態では、各極を永久磁石で構成し、位置に応じて磁力の大きさが異なる永久磁石を用いる。つまり、図1(A)におけるM4bの部分の磁力を、M4aの部分の磁力よりも小さくする。
【0022】
例えば、増磁エリアに対応する部分に与えられた磁化が、減磁エリアに対応する部分に与えられた磁化よりも弱くなるように製作した磁石を用いたり、増磁エリアに対応する部分の材質と減磁エリアに対応する部分の材質を変化させたりすることにより当該永久磁石を構成することが可能である。
なお、コイルの通電を停止する時点にて前記磁束密度を減少させる必要があるので、小さな磁力とするM4b部分は増磁エリアの境界位置(DegB2sの位置)よりも回転方向(この場合、反時計方向)にやや延長させることが好ましい。
また、小さな磁力とするM4b部分を、増磁エリアの範囲内において、通電停止位置からやや手前の位置から、通電停止位置までの、増磁エリアにおける少なくとも一部とするようにしてもよい。
また、増磁エリア内でコイル近傍に発生する磁束密度を低減させることに加えて、減磁エリア内でコイル近傍に発生する磁束密度を増加させるようにしてもよい。この場合、減磁エリアの少なくとも一部に、大きい磁力を有するように極を構成する(例えば与える磁化を大きくしたり、磁力が大きくなる材質で構成する)。
【0023】
上記に説明した構成により、図3に示すように、コイルへの通電を停止する時点(増磁エリア内)において、極の磁力によるコイル近傍に発生する磁束密度を減少させることができ、回転角度当たりの逆起電圧の変化(ΔVn/Δφn)を、従来の変化(ΔVz/Δφz)よりも抑制することができる。このため、コイルへの通電の停止時点で発生する逆起電圧を抑制させることができ、ブラシと整流子セグメントとの間の放電を抑制し、ブラシ摩耗を低減することができる。
【0024】
◆[第3の実施の形態(図2、図3)]
第3の実施の形態は、第1の実施の形態が極における増磁エリアに対応する部分の磁力を小さくしたことに対し、増磁エリアの磁力を特に変化させることなく、対向する鉄心(コイルの巻かれた鉄心)と増磁エリアの少なくとも一部との空隙(L1)を増加させることでコイル近傍に発生する磁束密度を減少させる点が異なる。以下、極M4を例にして説明し、他の極M1〜M3については極M4と同様であるので説明を省略する。以下、第1の実施の形態との相違点について説明する。
図2(A)〜(C)に示すように、極M4を永久磁石で構成し、且つ増磁エリア部分における極M4と鉄心T1との間隙(L1)が、コイルへの通電が停止される時点でやや広くなるように、極M4の形状を変化させる。
【0025】
例えば図2(A)に示すように、コイルへの通電が停止されるDegB2sの位置近傍を滑らかな曲線で凹状に形成する。これにより、コイルへの通電を停止する時点におけるコイル近傍に発生する磁束密度を減少させることができる。
また、図2(B)に示すようにコイルへの通電が停止されるDegB2sの位置近傍を段階的に凹状に形成してもよいし、図2(C)に示すようにコイルへの通電が停止されるDegB2sの位置近傍を直線的な凹状に形成してもよい。増磁エリアの少なくとも一部を凹状に形成する形状は種々の形状がある。
なお、コイルの通電を停止する時点にて前記磁束密度を減少させる必要があるので、凹状の形状は増磁エリアの境界位置(DegB2sの位置)よりも回転方向(この場合、反時計方向)にやや延長させることが好ましい。
【0026】
なお、図2(A)〜(C)に示す例では、極M4の凹状の形状を増磁エリアの開始位置(図中の90°の位置であり、極M1との境界位置)から通電停止位置よりもやや延長した位置に配置した。しかし凹状の形状を、増磁エリアの範囲内において、通電停止位置からやや手前の位置から、通電停止位置までの、増磁エリアにおける少なくとも一部に配置するようにしてもよい。
また、増磁エリア内でコイル近傍に発生する磁束密度を低減させることに加えて、減磁エリア内でコイル近傍に発生する磁束密度を増加させるようにしてもよい。この場合、減磁エリアの少なくとも一部を凸状にして、極と対向する鉄心と極との間隙(L1)が減少するように、極の形状を変化させる。
【0027】
上記に説明した構成により、図3に示すように、コイルへの通電を停止する時点(増磁エリア内)において、極の磁力によるコイル近傍に発生する磁束密度を比較的簡単な構成にて減少させることができ、回転角度当たりの逆起電圧の変化(ΔVn/Δφn)を、従来の変化(ΔVz/Δφz)よりも抑制することができる。このため、コイルへの通電の停止時点で発生する逆起電圧の変化を抑制させることができ、ブラシと整流子セグメントとの間の放電を抑制し、ブラシ摩耗を低減することができる。
【0028】
本発明のブラシ付き直流モータは、本実施の形態で説明した構成に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
また、極の数とスロットの数の組み合わせは、本実施の形態で例示した組み合わせに限定されず、ステータを4極で構成してロータを6スロット以上(6個以上のコイル)で構成したり、ステータを6極で構成してロータを8スロット以上(8個以上のコイル)で構成したり、ステータを8極で構成してロータを10スロット以上(10個以上のコイル)で構成することも可能である。
本実施の形態ではデルタ結線方式のブラシ付き直流モータを例にして説明したが、スター結線方式のブラシ付き直流モータに適用することも可能である。
また、以上(≧)、以下(≦)、より大きい(>)、未満(<)等は、等号を含んでも含まなくてもよい。
また、本実施の形態の説明に用いた数値は一例であり、この数値に限定されるものではない。
また、本実施の形態では、極の数と同数のブラシを例にして説明したが、ブラシは極の数と同数以下であればよい。例えばコイルの数が偶数の場合、180°位置が異なる整流子セグメントを短絡することにより、ブラシの数を低減することができる。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜4のいずれかに記載のブラシ付き直流モータを用いれば、コイルへの通電が停止された時点における回転角度当たりの逆起電圧の変化を抑制し、ブラシ摩耗を低減することができるブラシ付き直流モータを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブラシ付き直流モータの第1及び第2の実施の形態の概略図である。
【図2】本発明のブラシ付き直流モータの第3の実施の形態の概略図である。
【図3】本発明のブラシ付き直流モータにおける、ロータの回転角[°]と電源に重畳される逆起電圧[V]の特性の例を説明するグラフである。
【図4】従来のブラシ付き直流モータの構造の例を説明する図である。
【図5】1回の通電期間内において、通電されたコイル近傍の磁束密度(減磁エリアと増磁エリア)について説明する図である。
【図6】従来のブラシ付き直流モータにおける、ロータの回転角[°]と電源に重畳される逆起電圧[V]の特性の例を説明するグラフである。
【符号の説明】
M1〜M4 極
M1a〜M4a、M1b〜M4b 永久磁石
B1〜B4 ブラシ
R1〜R6 スロット
T1〜T6 鉄心
C1〜C6 コイル
S1〜S6 整流子セグメント
E 電源
Claims (4)
- 円筒状に配置した複数の極で構成されたステータと、極の数とは異なる複数の鉄心に設けられたスロットに集中巻方式で形成され且つスロット数と同数のコイル及びコイルの数と同数の整流子セグメントを有するロータと、極の数と同数以下のブラシとを備え、ブラシと整流子セグメントを介してコイルへの通電の開始と停止を繰り返してロータを回転させるブラシ付き直流モータであって、
コイルへの1回の通電の開始から停止を示す通電期間内において、当該コイルに対向する極の極性が切替わる場合、
コイルに通電が開始された時点から当該コイルに対向する極の極性が切替わる時点までの角度範囲を示す減磁エリアに当該コイルが位置した場合に、極の磁力による当該コイル近傍に発生する磁束密度よりも、
コイルに通電が開始されてから当該コイルに対向する極の極性が切替わった時点から通電を停止する時点までの角度範囲を示す増磁エリアに当該コイルが位置した場合に、極の磁力による当該コイル近傍に発生する磁束密度のほうが少なくなるように、
各極の増磁エリアにおいて少なくとも一部に、前記磁束密度を減少させる磁束密度減少手段を設ける、
ことを特徴とするブラシ付き直流モータ。 - 請求項1に記載のブラシ付き直流モータであって、
各極を少なくとも2つの永久磁石で構成し、
各極の増磁エリアに対応する部分の磁石を、減磁エリアに対応する部分の磁石の磁力よりも小さな磁力を有する磁石で構成する、
ことを特徴とするブラシ付き直流モータ。 - 請求項1に記載のブラシ付き直流モータであって、
各極を、増磁エリアにおける少なくとも一部の磁力が、減磁エリアにおける磁力よりも小さな磁力を有する永久磁石で構成する、
ことを特徴とするブラシ付き直流モータ。 - 請求項1に記載のブラシ付き直流モータであって、
各極の増磁エリアにおける少なくとも一部の形状を、極と対向する鉄心までの間隙が減磁エリアにおける間隙よりも増加する形状に構成する、
ことを特徴とするブラシ付き直流モータ。
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