JP3617258B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明に係るトロイダル型無段変速機は、例えば自動車用の自動変速機として利用する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用変速機として、図4〜5に略示する様なトロイダル型無段変速機を使用する事が研究されている。このトロイダル型無段変速機は、例えば実開昭62−71465号公報に開示されている様に、入力軸1と同心に入力側ディスク2を支持し、この入力軸1と同心に配置された出力軸3の端部に出力側ディスク4を固定している。トロイダル型無段変速機を収めたケーシングの内側には、上記入力軸1並びに出力軸3に対し捻れの位置にある枢軸5、5を中心として揺動するトラニオン6、6を設けている。
【0003】
これら各トラニオン6、6は、両端部外側面に上記枢軸5、5を設けている。又、これら各トラニオン6、6の中心部には変位軸7、7の基端部を支持し、上記各枢軸5、5を中心として上記各トラニオン6、6を揺動させる事により、上記各変位軸7、7の傾斜角度の調節を自在としている。上記各トラニオン6、6に支持した変位軸7、7の周囲には、それぞれパワーローラ8、8を回転自在に支持している。そして、これら各パワーローラ8、8を、上記入力側、出力側両ディスク2、4の間に挟持している。これら入力側、出力側両ディスク2、4の互いに対向する内側面2a、4aは、それぞれ断面が、上記枢軸5を中心とする円弧を、上記入力軸1及び出力軸3を中心に回転させて得られる凹面をなしている。そして、球状凸面に形成された各パワーローラ8、8の周面8a、8aは、上記内側面2a、4aに当接させている。
【0004】
上記入力軸1と入力側ディスク2との間には、ローディングカム式の押圧装置9を設け、この押圧装置9によって、上記入力側ディスク2を出力側ディスク4に向け、弾性的に押圧している。この押圧装置9は、入力軸1と共に回転するカム板10と、保持器11により保持された複数個(例えば4個)のローラ12、12とから構成している。上記カム板10の片側面(図4〜5の左側面)には、円周方向に亙る凹凸面であるカム面13を形成し、上記入力側ディスク2の外側面(図4〜5の右側面)にも、同様のカム面14を形成している。そして、上記複数個のローラ12、12を、上記入力軸1の中心に対して放射方向の軸を中心とする回転自在に支持している。
【0005】
上述の様に構成するトロイダル型無段変速機の使用時、入力軸1の回転に伴ってカム板10が回転すると、カム面13が複数個のローラ12、12を、入力側ディスク2外側面のカム面14に押圧する。この結果、上記入力側ディスク2が、上記各パワーローラ8、8に押圧されると同時に、上記1対のカム面13、14と複数個のローラ12、12との押し付け合いに基づいて、上記入力側ディスク2が回転する。そして、この入力側ディスク2の回転が、上記各パワーローラ8、8を介して出力側ディスク4に伝わり、この出力側ディスク4に固定の出力軸3を回転させる。
【0006】
入力軸1と出力軸3との回転速度比(変速比)を変える場合で、先ず入力軸1と出力軸3との間で減速を行なう場合には、枢軸5、5を中心として各トラニオン6、6を揺動させ、各パワーローラ8、8の周面8a、8aが図4に示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの中心寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの外周寄り部分とにそれぞれ当接する様に、各変位軸7、7を傾斜させる。反対に、増速を行なう場合には、上記枢軸5、5を中心として上記各トラニオン6、6を揺動させ、各パワーローラ8、8の周面8a、8aが図5に示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの外周寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの中心寄り部分とに、それぞれ当接する様に、各変位軸7、7を傾斜させる。各変位軸7、7の傾斜角度を図4と図5との中間にすれば、入力軸1と出力軸3との間で、中間の変速比を得られる。
【0007】
更に、図6〜7は、実願昭63−69293号(実開平1−173552号)のマイクロフィルムに記載された、より具体化されたトロイダル型無段変速機を示している。入力側ディスク2と出力側ディスク4とは入力軸15の周囲に、それぞれニードル軸受16、16を介して回転自在に支持している。又、カム板10は上記入力軸15の端部(図6の左端部)外周面にスプライン係合し、鍔部17により、上記入力側ディスク2から離れる方向への移動を阻止している。そして、このカム板10とローラ12、12とにより、上記入力軸15の回転に基づいて上記入力側ディスク2を、出力側ディスク4に向け押圧しつつ回転させる、ローディングカム式の押圧装置9を構成している。上記出力側ディスク4には出力歯車18を、キー19、19により結合し、これら出力側ディスク4と出力歯車18とが同期して回転する様にしている。この出力歯車18、並びにこの出力歯車18と噛合した図示しない歯車等が、請求項1に記載した、出力ディスクの回転を取り出す為の動力取り出し手段を構成する。
【0008】
1対のトラニオン6、6の両端部に設けた枢軸5、5は1対の支持ポスト20、20に、揺動並びに軸方向(図6の表裏方向、図7の左右方向)に亙る変位自在に支持している。上記1対の支持ポスト20、20は、十分な剛性を有する金属板状で、中央部に形成した円孔21を、ケーシング22の内面若しくはこのケーシング22内に設けたシリンダケース23の側面に固設した支持ピン24a、24bに外嵌する事により、上記ケーシング22の内側に、揺動並びに上記各枢軸5、5の軸方向に亙る変位自在に支持している。又、上記各支持ポスト20、20の両端部には、それぞれ円形の支持孔25、25を形成しており、これら各支持孔25、25に、それぞれ上記各枢軸5、5を、それぞれが外輪26、26を備えたラジアルニードル軸受27、27により、支持している。これらの構成に基づいて上記各トラニオン6、6を、上記各枢軸5、5を中心とする揺動並びにこれら各枢軸5、5の軸方向に亙る変位を自在として、上記ケーシング22内に支持している。
【0009】
上述の様にして上記ケーシング22内に支持した、上記各トラニオン6、6の中間部に形成した円孔52、52部分に、変位軸7、7を支持している。これら各変位軸7、7は、互いに平行で且つ偏心した支持軸部28、28と枢支軸部29、29とを、それぞれ有する。このうちの各支持軸部28、28を上記各円孔52、52の内側に、ラジアルニードル軸受30、30を介して、揺動自在に支持している。又、上記各枢支軸部29、29の周囲にパワーローラ8、8を、ラジアルニードル軸受31、31等のラジアル転がり軸受を介して、回転自在に支持している。
【0010】
尚、上記1対の変位軸7、7は、前記入力軸15を中心として、180度反対側位置に設けている。又、これら各変位軸7、7の各枢支軸部29、29が各支持軸部28、28に対し偏心している方向は、上記入力側、出力側両ディスク2、4の回転方向に関し同方向(図7で左右逆方向)としている。又、偏心方向は、上記入力軸15の配設方向(図6の左右方向、図7の表裏方向)に対しほぼ直交する方向としている。従って上記各パワーローラ8、8は、上記入力軸15の配設方向に亙る若干の変位自在に支持される。この結果、構成各部品の寸法精度のばらつき、或は動力伝達時の弾性変形等に起因して、上記各パワーローラ8、8が上記入力軸15の軸方向(図6の左右方向、図7の表裏方向)に変位する傾向となった場合でも、構成各部品に無理な力を加える事なく、この変位を吸収できる。
【0011】
又、上記各パワーローラ8、8の外側面と上記各トラニオン6、6の中間部内側面との間には、パワーローラ8、8の外側面の側から順に、スラスト玉軸受32、32等のスラスト転がり軸受と、次述する外輪33、33に加わるスラスト荷重を支承するスラストニードル軸受34、34等のスラスト軸受とを設けている。このうちのスラスト玉軸受32、32は、上記各パワーローラ8、8に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ8、8の回転を許容する。又、上記各スラストニードル軸受34、34は、上記各パワーローラ8、8から上記各スラスト玉軸受32、32の外輪33、33に加わるスラスト荷重を支承しつつ、上記枢支軸部29、29及び上記外輪33、33が上記支持軸部28、28を中心に揺動する事を許容する。
【0012】
又、上記各トラニオン6、6の一端部(図7の左端部)には、それぞれ駆動ロッド35、35を結合し、各駆動ロッド35、35の中間部外周面に駆動ピストン36、36を固設している。そして、これら各駆動ピストン36、36をそれぞれ、前記シリンダケース23内に設けた駆動シリンダ37、37内に油密に嵌装している。更に、前記ケーシング22内に設けた支持壁38と前記入力軸15との間には1対の転がり軸受39、39を設けて、上記入力軸15を上記ケーシング22内に回転自在に支持している。
【0013】
上述の様に構成するトロイダル型無段変速機の場合には、入力軸15の回転を押圧装置9を介して入力側ディスク2に伝える。そして、この入力側ディスク2の回転を、1対のパワーローラ8、8を介して出力側ディスク4に伝達し、更にこの出力側ディスク4の回転を、前記出力歯車18より取り出す。上記入力軸15と出力歯車18との間の回転速度比を変える場合には、前記1対の駆動ピストン36、36を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン36、36の変位に伴って上記1対のトラニオン6、6が、それぞれ逆方向に変位し、例えば図7の下側のパワーローラ8が同図の右側に、同図の上側のパワーローラ8が同図の左側に、それぞれ変位する。この結果、これら各パワーローラ8、8の周面8a、8aと上記入力側ディスク2及び出力側ディスク4の内側面2a、4aとの当接部に作用する、接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って上記各トラニオン6、6が、支持ポスト20、20に枢支された枢軸5、5を中心として、図6で互いに逆方向に揺動する。この結果、前述の図4〜5に示した様に、上記各パワーローラ8、8の周面8a、8aと上記各内側面2a、4aとの当接位置が変化し、上記入力軸15と出力歯車18との間の回転速度比が変化する。
【0014】
尚、動力伝達時に構成各部品が弾性変形する結果、上記各パワーローラ8、8が上記入力軸15の軸方向に変位すると、これら各パワーローラ8、8を枢支している上記各変位軸7、7が、前記各支持軸部28、28を中心として僅かに揺動する。この揺動の結果、前記各スラスト玉軸受32、32の外輪33、33の外側面と上記各トラニオン6、6の内側面とが相対変位する。これら外側面と内側面との間には、前記各スラストニードル軸受34、34が存在する為、この相対変位に要する力は小さい。従って、上述の様に各変位軸7、7の傾斜角度を変化させる為の力が小さくて済む。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上述の様に構成され作用するトロイダル型無段変速機の場合、伝達すべきトルクが過大になると、各トラニオン6、6の弾性変形に基づき、各スラスト玉軸受32、32を構成する外輪33、33の耐久性を確保できない可能性がある。即ち、トロイダル型無段変速機の運転時に上記各トラニオン6、6の中間部内側面(上記入力軸15に対向する面)には、各トラニオン6、6に支持した各パワーローラ8、8から大きなスラスト荷重が加わる。そして、トロイダル型無段変速機の運転時にこのスラスト荷重に基づいて上記各トラニオン6、6が、図8に誇張して示す様に、それぞれの内側面側が凹面となる方向に湾曲する。
【0016】
この様な湾曲が生じると、上記各スラスト玉軸受32、32を構成するそれぞれ複数個ずつの玉40、40の転動面と、上記各外輪33、33の内側面に形成した外輪軌道41、41及び上記各パワーローラ8、8の外側面に形成した内輪軌道42、42との接触圧が不均一になる。具体的には、上記各トラニオン6、6の長さ方向両端寄り部分に存在する、図7〜8の左右両側部分に存在する玉40、40の転動面と上記外輪軌道41、41及び内輪軌道42、42との接触圧が大きくなる。反対に、上記各トラニオン6、6の幅方向両端寄り部分に存在する、図6の左右両側部分に存在する玉40、40の転動面と上記外輪軌道41、41及び内輪軌道42、42との接触圧が小さくなる。
【0017】
上記各パワーローラ8、8及び玉40、40は、トロイダル型無段変速機の運転に伴って回転若しくは公転する為、上記転動面及び内輪軌道42、42は、ほぼまんべんなく荷重を受ける。従って、これら転動面及び内輪軌道42、42の疲労が局部的に進む事はない。これに対して上記各外輪33、33は、変位軸7の中間部で支持軸部28と枢支軸部29との連続部分に外嵌固定して回転しない。この為、上記各外輪軌道41、41は、常に同じ部分(図7〜8の左右両端近傍部分)に大きな接触圧が加わり、当該部分の疲労が局部的に進行する。この結果、上記各スラスト玉軸受32、32の転がり疲れ寿命が短くなり、トロイダル型無段変速機の耐久性を確保する上で好ましくない。
本発明のトロイダル型無段変速機は、上述の様な不都合を解消すべく発明したものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明のトロイダル型無段変速機は、前述した従来から知られているトロイダル型無段変速機と同様に、入力軸と、この入力軸と共に回転自在な入力側ディスクと、この入力側ディスクと同心に配置され、且つこの入力側ディスクに対する回転自在に支持された出力側ディスクと、この出力側ディスクの回転を取り出す為の動力取り出し手段と、上記入力側、出力側両ディスクの中心軸に対し捻れの位置に配置されて当該位置で揺動する複数のトラニオンと、これら各トラニオンに支持された変位軸に回転自在に支持され、入力側、出力側両ディスクの間に挟持された複数のパワーローラと、これら各パワーローラの外側面と上記各トラニオンの内側面との間に設けられて上記各パワーローラに加わるスラスト荷重を支承しつつこれら各パワーローラの回転を許容するスラスト転がり軸受とから構成する。そして、入力側、出力側両ディスクの互いに対向する内側面を、それぞれ断面が円弧形の凹面とし、上記各パワーローラの周面を球面状の凸面として、これら各周面と上記内側面とを当接させている。
特に、本発明のトロイダル型無段変速機に於いては、上記各スラスト転がり軸受を構成する円環状の外輪を上記各変位軸の中間部周囲に、これら各変位軸を中心とする回転自在に支持している。
【0019】
【作用】
上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段変速機により、入力側ディスクと出力側ディスクとの間で回転力の伝達を行なう際の作用、並びにこれら両ディスク同士の間での変速比を変える際の作用は、前述した従来のトロイダル型無段変速機の場合と同様である。
特に、本発明のトロイダル型無段変速機の場合には、各スラスト転がり軸受を構成する外輪を、変位軸の周囲に回転自在に支持している為、外輪軌道のうち、転動体から大きなスラスト荷重を受ける部分(転動面との接触圧が大きな部分)が常に変化する。この結果、上記外輪軌道が局部的に疲労する事がなくなり(外輪軌道の疲労が全周に亙ってまんべんなく進行し)、上記外輪軌道の転がり疲れ寿命の延長を図れる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1〜3は、本発明の実施の形態の1例を示している。尚、本発明の特徴は、それぞれがスラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受32、32(図6〜8参照)を構成する外輪33を変位軸7に対して回転自在に支持する事により、この外輪33の内側面(図1の上面)に形成した外輪軌道41の転がり疲れ寿命の延長を図る点にある。その他の部分の構造及び作用は、前述した従来構造の場合と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。
【0021】
上記各スラスト玉軸受32を構成する円環状(円輪状)の外輪33は上記変位軸7の中間部で支持軸部28と枢支軸部29との連続部の周囲に、この変位軸7を中心とする回転自在に支持している。この為、上記外輪33の中心部に、大径部43と小径部44とを段部45で連続させた、円形の中心孔46を形成している。そして、この中心孔46の大径部43を、上記変位軸7の中間部に形成した外向フランジ状で円形の鍔部47に、隙間嵌で外嵌している。この為、上記大径部43の内径を上記鍔部47の外径よりも僅かに大きくしている。又、上記小径部44の内径は、上記枢支軸部29の基端部(図1の下端部)の外径よりも十分に大きくし、この枢支軸部29の基端部の外周面と上記小径部44の内周面との間に、ラジアルニードル軸受48、或は銅系合金を使用したラジアル滑り軸受等のラジアル軸受を設けている。
【0022】
尚、上記外輪33の外側面(図1〜2の下面)とトラニオン6(図6〜8参照)の内側面との間にはスラストニードル軸受34(図3及び図6〜8参照)を設けているので、上記外輪33に加わるスラスト荷重に拘らず、上記変位軸7の周囲での上記外輪33の回転が円滑に行なわれる。尚、この回転を円滑に行なわせる為には、図3に示す様に、上記スラストニードル軸受34を構成する複数本のニードル49、49のうち、上記外輪33の外側面に当接するニードル49、49を、上記支持軸部28を中心とする放射方向に配置する事が好ましい。この様に上記各ニードル49、49を配置すれば、上記支持軸部28を中心とする外輪33の回転時にこれら各ニードル49、49が円滑に転動し、上記変位軸7の周囲での上記外輪33の回転を円滑に行わせる事ができる。尚、上記各ニードル49、49の配列方向と上記支持軸部28を中心とする放射方向とは、上記変位軸7が中立位置(図3に示した位置)に存在する状態で一致すれば良い。
【0023】
又、前記ラジアルニードル軸受48と上記スラストニードル軸受34とにより、上記変位軸7の中間部周囲に上記外輪33を回転自在に支持した状態で、上記段部45と上記鍔部47の片側面(図1〜2の上面)とは当接若しくは近接する。これら両面並びに上記大径部43の内周面と上記鍔部47の外周面とは平滑にして、これら互いに対向する面同士が当接した場合でも、上記変位軸7の周囲での上記外輪33の回転が円滑に行なわれる様にする。但し、上記変位軸7に対する外輪33の回転速度が速くなり過ぎると、上記段部45と上記鍔部47の片側面との当接部の摩耗が進行し易くなる等、耐久性の面から問題が生じる。即ち、本発明は、上記変位軸7に対して外輪33を回転させる事により、この外輪33の内側面に設けた外輪軌道41の耐久性増大を図るものであるが、上記変位軸7に対する外輪33の回転速度は、回転が安定して行なわれる限り、なるべく遅い(例えば1〜数r.p.m.程度)事が好ましい。そこで、上記段部45と上記鍔部47の片側面との当接部、更に必要とすれば上記大径部43の内周面と上記鍔部47の外周面との当接部に、適当な摩擦抵抗を与えて、上記変位軸7に対する外輪33の回転速度を調整する。尚、必要とすれば、上記各当接部の一方又は双方に、所望の摩擦係数を有する摩擦調整部材を挟持しても良い。
【0024】
又、上記段部45と上記鍔部47の片側面との当接部、更に必要とすれば上記大径部43の内周面と上記鍔部47の外周面との当接部には、これら各当接部を構成する各面の摩耗を防止する為の処理を施す事が好ましい。この様な処理としては、上記変位軸7(のうち特に鍔部47)や外輪33(のうち特に内径側部分)を優れた耐摩耗性を有する材料で構成したり、或は当接部を構成する表面に、窒化処理等、耐摩耗性を有する表面処理を施す事が考えられる。
【0025】
上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段変速機の場合には、各スラスト玉軸受32、32を構成する外輪33を、変位軸7の中間部周囲に回転自在に支持している為、上記外輪33が、スラスト玉軸受32、32の転がり抵抗に基づいて回転する。この為上記外輪33の内側面に設けた外輪軌道41のうち、転動体である玉40、40(図6〜8参照)から大きなスラスト荷重を受ける部分(転動面との接触圧が大きな部分)が常に変化する。従って、上記外輪軌道41が局部的に疲労する事がなくなる。言い換えれば、上記外輪軌道41の疲労が全周に亙ってまんべんなく進行する。この結果、上記外輪軌道41全体としての転がり疲れ寿命の延長を図れる。
【0026】
【発明の効果】
本発明は、以上に述べた通り構成され作用するので、スラスト転がり軸受の外輪の耐久性を向上させて、この外輪を組み込んだトロイダル型無段変速機の信頼性及び耐久性の向上に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す、変位軸と外輪とを取り出して示す部分切断面図。
【図2】図1のA部拡大図。
【図3】スラスト玉軸受及びスラストニードル軸受を組み込んだトラニオンの内側面部分の透視図。
【図4】トロイダル型無段変速機の基本構成を、最大減速時の状態で示す略側面図。
【図5】同じく最大増速時の状態で示す略側面図。
【図6】従来から知られている具体的構造の1例を示す要部断面図。
【図7】図6のB−B断面図。
【図8】運転時に作用するスラスト荷重に基づいてトラニオンが弾性変形した状態を誇張して示す、図7と同方向から見た略側面図。
【符号の説明】
1 入力軸
2 入力側ディスク
2a 内側面
3 出力軸
4 出力側ディスク
4a 内側面
5 枢軸
6 トラニオン
7 変位軸
8 パワーローラ
8a 周面
9 押圧装置
10 カム板
11 保持器
12 ローラ
13、14 カム面
15 入力軸
16 ニードル軸受
17 鍔部
18 出力歯車
19 キー
20 支持ポスト
21 円孔
22 ケーシング
23 シリンダケース
24a、24b 支持ピン
25 支持孔
26 外輪
27 ラジアルニードル軸受
28 支持軸部
29 枢支軸部
30、31 ラジアルニードル軸受
32 スラスト玉軸受
33 外輪
34 スラストニードル軸受
35 駆動ロッド
36 駆動ピストン
37 駆動シリンダ
38 支持壁
39 転がり軸受
40 玉
41 外輪軌道
42 内輪軌道
43 大径部
44 小径部
45 段部
46 中心孔
47 鍔部
48 ラジアルニードル軸受
49 ニードル

Claims (1)

  1. 入力軸と、この入力軸と共に回転自在な入力側ディスクと、この入力側ディスクと同心に配置され、且つこの入力側ディスクに対する回転自在に支持された出力側ディスクと、この出力側ディスクの回転を取り出す為の動力取り出し手段と、上記入力側、出力側両ディスクの中心軸に対し捻れの位置に配置されて当該位置で揺動する複数のトラニオンと、これら各トラニオンに支持された変位軸に回転自在に支持され、入力側、出力側両ディスクの間に挟持された複数のパワーローラと、これら各パワーローラの外側面と上記各トラニオンの内側面との間に設けられて上記各パワーローラに加わるスラスト荷重を支承しつつこれら各パワーローラの回転を許容するスラスト転がり軸受とから構成し、入力側、出力側両ディスクの互いに対向する内側面を、それぞれ断面が円弧形の凹面とし、上記各パワーローラの周面を球面状の凸面として、これら各周面と上記内側面とを当接させたトロイダル型無段変速機に於いて、上記各スラスト転がり軸受を構成する円環状の外輪を上記各変位軸の中間部周囲に、これら各変位軸を中心とする回転自在に支持した事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
JP17994597A 1997-07-04 1997-07-04 トロイダル型無段変速機 Expired - Fee Related JP3617258B2 (ja)

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