JP3539062B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機

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JP3539062B2
JP3539062B2 JP12059396A JP12059396A JP3539062B2 JP 3539062 B2 JP3539062 B2 JP 3539062B2 JP 12059396 A JP12059396 A JP 12059396A JP 12059396 A JP12059396 A JP 12059396A JP 3539062 B2 JP3539062 B2 JP 3539062B2
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thrust
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裕之 伊藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明に係るトロイダル型無段
変速機は、例えば自動車用の変速機として、或は各種産
業機械用の変速機として、それぞれ利用する。
【0002】
【従来の技術】自動車用変速機として、図2〜3に略示
する様なトロイダル型無段変速機を使用する事が研究さ
れている。このトロイダル型無段変速機は、例えば実開
昭62−71465号公報に開示されている様に、入力
軸1と同心に入力側ディスク(第一のディスク)2を支
持し、この入力軸1と同心に配置された出力軸3の端部
に出力側ディスク(第二のディスク)4を固定してい
る。トロイダル型無段変速機を納めたケーシングの内側
には、上記入力軸1並びに出力軸3に対して捻れの位置
にある枢軸5、5を中心として揺動するトラニオン6、
6を設けている。
【0003】これら各トラニオン6、6は、両端部外側
面に上記枢軸5、5を設けている。又、これら各トラニ
オン6、6の中心部には変位軸7、7の基端部を支持
し、上記各枢軸5、5を中心として上記各トラニオン
6、6を揺動させる事により、上記各変位軸7、7の傾
斜角度の調節を自在としている。上記各トラニオン6、
6に支持した変位軸7、7の周囲には、それぞれパワー
ローラ8、8を回転自在に支持している。そして、これ
ら各パワーローラ8、8を、上記入力側、出力側両ディ
スク2、4の間に挟持している。
【0004】これら入力側、出力側両ディスク2、4の
互いに対向する内側面2a、4aは、それぞれ断面が、
上記枢軸5を中心とする円弧を回転させて得られる凹面
をなしている。そして、球状凸面に形成された各パワー
ローラ8、8の周面8a、8aは、上記内側面2a、4
aに当接させている。
【0005】上記入力軸1と入力側ディスク2との間に
は、ローディングカム式の押圧装置9を設け、この押圧
装置9によって、上記入力側ディスク2を出力側ディス
ク4に向け、弾性的に押圧している。この押圧装置9
は、入力軸1と共に回転するカム板10と、保持器11
により保持された複数個(例えば4個)のローラ12、
12とから構成されている。上記カム板10の片側面
(図2〜3の左側面)には、円周方向に亙る凹凸面であ
るカム面13を形成し、上記入力側ディスク2の外側面
(図2〜3の右側面)にも、同様のカム面14を形成し
ている。そして、上記複数個のローラ12、12を、上
記入力軸1の中心に対して放射方向の軸を中心とする回
転自在に支持している。
【0006】上述の様に構成されるトロイダル型無段変
速機の使用時、入力軸1の回転に伴ってカム板10が回
転すると、カム面13が複数個のローラ12、12を、
入力側ディスク2外側面のカム面14に押圧する。この
結果、上記入力側ディスク2が、上記各パワーローラ
8、8に押圧されると同時に、上記1対のカム面13、
14と複数個のローラ12、12との押し付け合いに基
づいて、上記入力側ディスク2が回転する。そして、こ
の入力側ディスク2の回転が、上記各パワーローラ8、
8を介して出力側ディスク4に伝わり、この出力側ディ
スク4に固定の出力軸3を回転させる。
【0007】入力軸1と出力軸3との回転速度比(変速
比)を変える場合で、先ず入力軸1と出力軸3との間で
減速を行なう場合には、枢軸5、5を中心として各トラ
ニオン6、6を揺動させ、各パワーローラ8、8の周面
8a、8aが図2に示す様に、入力側ディスク2の内側
面2aの中心寄り部分と出力側ディスク4の内側面4a
の外周寄り部分とにそれぞれ当接する様に、各変位軸
7、7を傾斜させる。
【0008】反対に、増速を行なう場合には、上記枢軸
5、5を中心として上記各トラニオン6、6を揺動さ
せ、各パワーローラ8、8の周面8a、8aが図3に示
す様に、入力側ディスク2の内側面2aの外周寄り部分
と出力側ディスク4の内側面4aの中心寄り部分とに、
それぞれ当接する様に、各変位軸7、7を傾斜させる。
各変位軸7、7の傾斜角度を図2と図3との中間にすれ
ば、入力軸1と出力軸3との間で、中間の変速比を得ら
れる。
【0009】更に、図4〜5は、実願昭63−6929
3号(実開平1−173552号)のマイクロフィルム
に記載された、より具体化されたトロイダル型無段変速
機を示している。入力側ディスク2と出力側ディスク4
とは円管状の入力軸15の周囲に、それぞれニードル軸
受16、16を介して回転自在に支持している。又、カ
ム板10は上記入力軸15の端部(図4の左端部)外周
面にスプライン係合し、鍔部17により、上記入力側デ
ィスク2から離れる方向への移動を阻止している。そし
て、このカム板10とローラ12、12とにより、上記
入力軸15の回転に基づいて上記入力側ディスク2を、
出力側ディスク4に向け押圧しつつ回転させる、ローデ
ィングカム式の押圧装置9を構成している。上記出力側
ディスク4には出力歯車18を、キー19、19により
結合し、これら出力側ディスク4と出力歯車18とが同
期して回転する様にしている。
【0010】1対のトラニオン6、6の両端部は1対の
支持板20、20に、揺動並びに軸方向(図4の表裏方
向、図5の左右方向)に亙る変位自在に支持している。
そして、上記各トラニオン6、6の中間部に形成した円
孔23、23部分に、変位軸7、7を支持している。こ
れら各変位軸7、7は、互いに平行で且つ偏心した支持
軸部21、21と枢支軸部22、22とを、それぞれ有
する。このうちの各支持軸部21、21を上記各円孔2
3、23の内側に、ラジアルニードル軸受24、24を
介して、回転自在に支持している。又、上記各枢支軸部
22、22の周囲にパワーローラ8、8を、このパワー
ローラ8、8を支承する為の転がり軸受であるラジアル
ニードル軸受25、25を介して、回転自在に支持して
いる。
【0011】尚、上記1対の変位軸7、7は、上記入力
軸15を中心として、180度反対側位置に設けてい
る。又、これら各変位軸7、7の各枢支軸部22、22
が各支持軸部21、21に対し偏心している方向は、上
記入力側、出力側両ディスク2、4の回転方向に関し同
方向(図5で左右逆方向)としている。又、偏心方向
は、上記入力軸15の配設方向に対しほぼ直交する方向
としている。従って上記各パワーローラ8、8は、上記
入力軸15の配設方向に亙る若干の変位自在に支持され
る。この結果、構成各部品の寸法精度、或は動力伝達時
の弾性変形等に起因して、上記各パワーローラ8、8が
上記入力軸15の軸方向(図4の左右方向、図5の表裏
方向)に変位する傾向となった場合でも、構成各部品に
無理な力を加える事なく、この変位を吸収できる。
【0012】又、上記各パワーローラ8、8の外側面と
上記各トラニオン6、6の中間部内側面との間には、パ
ワーローラ8、8の外側面の側から順に、やはりこのパ
ワーローラ8、8を支承する為の転がり軸受であるスラ
スト玉軸受26、26と、次述する外輪30、30に加
わるスラスト荷重を支承するスラスト軸受であるスラス
トニードル軸受27、27とを設けている。このうちの
スラスト玉軸受26、26は、上記各パワーローラ8、
8に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各
パワーローラ8、8の回転を許容するものである。この
様なスラスト玉軸受26、26はそれぞれ、複数個ずつ
の玉29、29と、これら各玉29、29を転動自在に
保持する円環状の保持器28、28と、スラスト軌道輪
である円環状の外輪30、30(パワーローラスラスト
軸受外輪)とから構成している。上記各スラスト玉軸受
26、26の内輪軌道は上記各パワーローラ8、8の外
側面に、外輪軌道は上記各外輪30、30の内側面に、
それぞれ形成している。
【0013】又、上記スラストニードル軸受27、27
は、レース31と保持器32とニードル33、33とか
ら構成している。このうちのレース31と保持器32と
は、回転方向に亙る若干の変位自在に組み合わせてい
る。この様なスラストニードル軸受27、27は、上記
レース31、31を上記各トラニオン6、6の内側面に
当接させた状態で、この内側面と上記外輪30、30の
外側面との間に挟持している。この様なスラストニード
ル軸受27、27は、上記各パワーローラ8、8から上
記各外輪30、30に加わるスラスト荷重を支承しつ
つ、上記枢支軸部22、22及び上記外輪30、30が
上記支持軸部21、21を中心に揺動する事を許容す
る。
【0014】更に、上記各トラニオン6、6の一端部
(図5の左端部)には、それぞれ駆動ロッド34、34
を結合し、各駆動ロッド34、34の中間部外周面に駆
動ピストン35、35を固設している。そして、これら
各駆動ピストン35、35を、それぞれ駆動シリンダ3
6、36内に油密に嵌装している。
【0015】上述の様に構成するトロイダル型無段変速
機の場合には、入力軸15の回転を押圧装置9を介して
入力側ディスク2に伝える。そして、この入力側ディス
ク2の回転を、1対のパワーローラ8、8を介して出力
側ディスク4に伝達し、更にこの出力側ディスク4の回
転を、出力歯車18より取り出す。
【0016】上記入力軸15と出力歯車18との間の回
転速度比を変える場合には、上記1対の駆動ピストン3
5、35を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピ
ストン35、35の変位に伴って上記1対のトラニオン
6、6が、それぞれ逆方向に変位し、例えば図5の下側
のパワーローラ8が同図の右側に、同図の上側のパワー
ローラ8が同図の左側に、それぞれ変位する。この結
果、これら各パワーローラ8、8の周面8a、8aと上
記入力側ディスク2及び出力側ディスク4の内側面2
a、4aとの当接部に作用する、接線方向の力の向きが
変化する。そして、この力の向きの変化に伴って上記各
トラニオン6、6が、支持板20、20に枢支された枢
軸5、5を中心として、互いに逆方向に揺動する。この
結果、前述の図2〜3に示した様に、上記各パワーロー
ラ8、8の周面8a、8aと上記各内側面2a、4aと
の当接位置が変化し、上記入力軸15と出力歯車18と
の間の回転速度比が変化する。
【0017】尚、動力伝達時に構成各部品が弾性変形す
る結果、上記各パワーローラ8、8が上記入力軸15の
軸方向に変位すると、これら各パワーローラ8、8を枢
支している上記各変位軸7、7が、上記各支持軸部2
1、21を中心として僅かに回動する。この回動の結
果、上記各スラスト玉軸受26、26の外輪30、30
の外側面と上記各トラニオン6、6の内側面とが相対変
位する。これら外側面と内側面との間には、上記各スラ
ストニードル軸受27、27が存在する為、この相対変
位に要する力は小さい。従って、上述の様に各変位軸
7、7の傾斜角度を変化させる為の力が小さくて済む。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上述の様に構成され作
用する従来のトロイダル型無段変速機の場合には、軽量
化を図ると同時に、十分な耐久性確保並びに微妙な速度
調節を自在とする事が難しい。又、微妙な速度制御を行
なえない場合も生じる。これらの理由に就いて、図5を
参照しつつ説明する。
【0019】トロイダル型無段変速機の運転時に各パワ
ーローラ8、8には、大きなスラスト荷重が加わる。そ
して、このスラスト荷重は、複数の玉29、29を介し
て、外輪30、30に加わる。この外輪30、30及
び、スラストニードル軸受27を介してこの外輪30、
30を支承しているトラニオン6、6の曲げ剛性が十分
であれば、耐久性の点で特に問題を生じないが、軽量化
の為、これら各部材30、6の曲げ剛性は必ずしも十分
でない場合がある。この様な場合には、上記スラスト荷
重に伴って上記各部材30、6が、図5の左右方向中央
部で上記各パワーローラ8、8を設けた側が凹面となる
方向に、僅かとは言え湾曲する。この結果、スラスト玉
軸受26、26を構成する玉29、29、並びにスラス
トニードル軸受27、27を構成するニードル33、3
3に加わる荷重が偏り、部分的に過大な面圧が作用し
て、上記各軸受26、27の構成部品に損傷が発生する
可能性がある。
【0020】又、軽量化の為、上記外輪30は全体を円
輪状に形成し、変位軸7を構成する枢支軸部22の基端
部に外嵌固定している。ところが、この外輪30の厚さ
寸法を小さくすると、この外輪30と上記枢支軸部22
の基端部との嵌合部の軸方向(図5の上下方向)に亙る
寸法を十分に確保できない。この嵌合部の軸方向寸法を
確保できないと、上記枢支軸部22に対する上記外輪2
0のがたつきが大きくなり易い。そして、このがたつき
が大きくなった場合には、上記変位軸7の変位に拘らず
パワーローラ8、8の傾斜角度が変化せずに変速比が変
わらない、所謂不感帯が大きくなる。この結果、微妙な
変速制御を行なえなくなる等、トロイダル型無段変速機
の性能向上の妨げになる。本発明のトロイダル型無段変
速機は、上述の様な不都合を何れも解消すべく、発明し
たものである。
【0021】
【課題を解決する為の手段】本発明のトロイダル型無段
変速機は、前述した従来のトロイダル型無段変速機と同
様に、互いの内側面同士を対向させた状態で、互いに同
心に、且つ回転自在に支持した第一、第二のディスク
と、これら第一、第二のディスクの中心軸に対し捻れの
位置にある枢軸を中心として揺動するトラニオンと、互
いに偏心した支持軸部及び枢支軸部から成り、このうち
の支持軸部を上記トラニオンに回転自在に支持し、枢支
軸部を上記トラニオンの内側面から突出させた変位軸
と、上記枢支軸部の周囲に転がり軸受を介して回転自在
に支持した状態で、上記第一、第二の両ディスクの間に
挟持したパワーローラと、上記転がり軸受を構成するス
ラスト軌道輪の外側面と上記トラニオンの内側面との間
に設けて、上記パワーローラから上記スラスト軌道輪に
加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、上記トラニオ
ンに対するこのスラスト軌道輪の変位を許容するスラス
ト軸受とを備える。そして、上記スラスト軌道輪は全体
を円輪状に形成しており、その内周縁を上記枢支軸部の
基端部に外嵌する事によりこの枢支軸部に固定してい
る。特に、本発明のトロイダル型無段変速機に於いて
は、上記スラスト軌道輪の片面内周寄り部分に、上記パ
ワーローラ側に突出する、上記スラスト軸受を構成する
保持器の内径よりも小さな外径を有する円筒状の突出部
を形成している。そして、この突出部をこの保持器の内
径側に進入させており、この突出部の突出分だけ上記ス
ラスト軌道輪と枢支軸部との嵌合部の軸方向寸法が大き
くなっている。
【0022】
【作用】上述の様に構成される本発明のトロイダル型無
段変速機は、前述した従来のトロイダル型無段変速機と
同様の作用に基づき、第一のディスクと第二のディスク
との間で回転力の伝達を行ない、更にトラニオンの傾斜
角度を変える事により、これら両ディスクの回転速度比
を変える。
【0023】特に、本発明のトロイダル型無段変速機の
場合には、スラスト軌道輪の片面内周寄り部分を突出さ
せた事に伴い、このスラスト軌道輪の曲げ剛性が向上
し、運転時にパワーローラに大きなスラスト荷重が加わ
った場合でも、局部的に過大な面圧が加わりにくくな
る。この結果、上記スラスト軌道輪を含めた、構成各部
耐久性向上を図れる。
【0024】又、スラスト軌道輪と枢支軸部との嵌合部
の軸方向寸法が大きい分、この嵌合部のがたが少なくな
って、枢支軸部を含む変位軸とスラスト軌道輪との間で
の変位伝達が確実に行なわれる。この結果、不感帯を小
さくして、微妙な変速制御を行なえる。
【0025】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態の1
例を示している。尚、本発明の特徴は、軽量化を図ると
同時に、十分な耐久性確保並びに微妙な速度調節を自在
とすべく、スラスト軌道輪である外輪30の形状を工夫
し、この外輪30の曲げ剛性を向上させると共に、この
外輪30と枢支軸部22との嵌合部の軸方向長さを大き
くした点にある。その他の部分の構成及び作用は、前述
した従来構造と同様であるから、同等部分に関する説明
は省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分を中
心に説明する。
【0026】上記外輪30の片面でパワーローラ8に対
向する側面の内周寄り部分には、このパワーローラ8側
に突出する円筒状の突出部37を形成している。この突
出部37の外径は、玉29、29を保持する為の保持器
28の内径よりも小さくして、これら突出部37と保持
器28との干渉を防止している。又、上記突出部37の
内周面は、上記外輪30の本体部分に形成した円孔38
の内周面の一端部(図1の下端部)と滑らかに連続し、
これら両内周面により単一の円筒面を形成している。更
に、上記円孔38の他端部でトラニオン6の内側面と対
向する開口部分には、大径部39を形成している。そし
て、上記突出部37及び円孔38の内側に、変位軸7を
構成する枢支軸部22の基端部(図1の上端部)を、締
まり嵌めにより内嵌固定している。この状態で上記大径
部39の内側には、上記枢支軸部22の基端部外周面に
形成した鍔部40を、やはり締まり嵌めにより内嵌固定
している。本発明のトロイダル型無段変速機の場合に
は、上記突出部37がパワーローラ8側に突出してお
り、突出分だけ上記外輪30と枢支軸部22との嵌合部
の軸方向寸法が大きくなっている。
【0027】上述の様に構成される本発明のトロイダル
型無段変速機の場合には、外輪30の片面内周寄り部分
をパワーローラ8側に突出させた事に伴い、この外輪3
0の曲げ剛性が向上する。従って、運転時にパワーロー
ラ8に大きなスラスト荷重が加わり、このスラスト荷重
が複数の玉29、29を介して上記外輪30に伝わった
場合でも、この外輪30の変形が僅かに抑えられる。こ
の結果、上記複数の玉29、29にほぼ均等の荷重が加
わる様になる。又、上記外輪30とトラニオン6の内側
面との間に設けたスラストニードル軸受27を構成する
ニードル33、33にも、ほぼ均等の荷重が加わる様に
なる。この結果、上記玉29、29及びニードル33、
33の転動面、並びにこれら各転動面と対向する面に、
局部的に過大な面圧が加わりにくくなる。この結果、上
記外輪30を含めた、構成各部材の耐久性向上を図れ
る。
【0028】又、外輪30と枢支軸部22との嵌合部の
軸方向寸法が大きい分、この嵌合部のがたが少なくなっ
て、枢支軸部22を含む変位軸7と外輪30との間での
変位伝達が確実に行なわれる。この結果、不感帯を小さ
くして、微妙な変速制御を行なえる。これらの効果を得
る為に形成する突出部37の容積は小さい為、上記外輪
30及びこの外輪30を組み込んだトロイダル型無段変
速機の重量増大は僅少である。又、上記突出部37は、
保持器28の内径側部分に配置される為、この突出部3
7を設ける事により構成各部が大型化する事はない。こ
れに対して、外輪30全体を厚肉化すると、トラニオン
6の内側面とパワーローラ8の外側面との間隔を広くし
て変位軸7の長さを大きくする必要が生じる等、構成各
部が大型化して、その分、重量増大が著しくなる。
【0029】
【発明の効果】本発明のトロイダル型無段変速機は、以
上に述べた通り構成され作用する為、重量増大を最小限
に抑えつつ、構成各部に過大な面圧が作用する事を防止
して、構成部品の耐久性向上を図れる。又、嵌合部のが
たつきを抑えて、微妙な速度制御を可能にし、性能向上
を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す要部断面図。
【図2】従来から知られたトロイダル型無段変速機の基
本的構成を、最大減速時の状態で示す側面図。
【図3】同じく最大増速時の状態で示す側面図。
【図4】従来の具体的構造の1例を示す断面図。
【図5】図4のA−A断面図。
【符号の説明】
1 入力軸 2 入力側ディスク(第一のディスク) 2a 内側面 3 出力軸 4 出力側ディスク(第二のディスク) 4a 内側面 5 枢軸 6 トラニオン 7 変位軸 8 パワーローラ 8a 周面 9 押圧装置 10 カム板 11 保持器 12 ローラ 13、14 カム面 15 入力軸 16 ニードル軸受 17 鍔部 18 出力歯車 19 キー 20 支持板 21 支持軸部 22 枢支軸部 23 円孔 24、25 ラジアルニードル軸受 26 スラスト玉軸受 27 スラストニードル軸受 28 保持器 29 玉 30 外輪 31 レース 32 保持器 33 ニードル 34 駆動ロッド 35 駆動ピストン 36 駆動シリンダ 37 突出部 38 円孔 39 大径部 40 鍔部 41 外輪軌道
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−239003(JP,A) 特開 平9−126288(JP,A) 特開 平7−243492(JP,A) 特開 平5−60198(JP,A) 実開 昭62−158248(JP,U) 実開 昭62−158250(JP,U) 実開 昭58−122062(JP,U) 実開 平6−40501(JP,U) 特公 昭38−26815(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 15/38

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いの内側面同士を対向させた状態で、
    互いに同心に、且つ回転自在に支持した第一、第二のデ
    ィスクと、これら第一、第二のディスクの中心軸に対し
    捻れの位置にある枢軸を中心として揺動するトラニオン
    と、互いに偏心した支持軸部及び枢支軸部から成り、こ
    のうちの支持軸部を上記トラニオンに回転自在に支持
    し、枢支軸部を上記トラニオンの内側面から突出させた
    変位軸と、上記枢支軸部の周囲に転がり軸受を介して回
    転自在に支持した状態で、上記第一、第二の両ディスク
    の間に挟持したパワーローラと、上記転がり軸受を構成
    するスラスト軌道輪の外側面と上記トラニオンの内側面
    との間に設けて、上記パワーローラから上記スラスト軌
    道輪に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、上記ト
    ラニオンに対するこのスラスト軌道輪の変位を許容する
    スラスト軸受とを備え、上記スラスト軌道輪は全体を円
    輪状に形成しており、その内周縁を上記枢支軸部の基端
    部に外嵌する事によりこの枢支軸部に固定しているトロ
    イダル型無段変速機に於いて、上記スラスト軌道輪の片
    面内周寄り部分に、上記パワーローラ側に突出する、上
    記スラスト軸受を構成する保持器の内径よりも小さな外
    径を有する円筒状の突出部を形成して、この突出部をこ
    の保持器の内径側に進入させており、この突出部の突出
    分だけ上記スラスト軌道輪と枢支軸部との嵌合部の軸方
    向寸法が大きくなっている事を特徴とするトロイダル型
    無段変速機。
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