JP3941275B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機 Download PDF

Info

Publication number
JP3941275B2
JP3941275B2 JP37317098A JP37317098A JP3941275B2 JP 3941275 B2 JP3941275 B2 JP 3941275B2 JP 37317098 A JP37317098 A JP 37317098A JP 37317098 A JP37317098 A JP 37317098A JP 3941275 B2 JP3941275 B2 JP 3941275B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
outer ring
trunnion
thrust
continuously variable
bearing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP37317098A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000193059A5 (ja
JP2000193059A (ja
Inventor
寛 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP37317098A priority Critical patent/JP3941275B2/ja
Publication of JP2000193059A publication Critical patent/JP2000193059A/ja
Publication of JP2000193059A5 publication Critical patent/JP2000193059A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3941275B2 publication Critical patent/JP3941275B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Friction Gearing (AREA)
  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明に係るトロイダル型無段変速機は、例えば自動車用の変速機として、或は各種産業機械用の変速機として利用する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用変速機として、図3〜4に略示する様なトロイダル型無段変速機を使用する事が研究されている。このトロイダル型無段変速機は、例えば実開昭62−71465号公報に開示されている様に、入力軸1と同心に入力側ディスク2を支持し、この入力軸1と同心に配置した出力軸3の端部に出力側ディスク4を固定している。トロイダル型無段変速機を納めたケーシングの内側には、上記入力軸1並びに出力軸3に対し捻れの位置にある枢軸5、5を中心として揺動するトラニオン6、6を設けている。
【0003】
即ち、上記両ディスク2、4の中心軸から外れた部分に配置したこれら各トラニオン6、6は、それぞれの両端部外面に上記枢軸5、5を、上記両ディスク2、4の中心軸の方向に対し直角方向に、且つ、互いに同心に設けている。又、これら各トラニオン6、6の中間部には変位軸7、7の基端部を支持し、上記枢軸5、5を中心として上記各トラニオン6、6を揺動させる事により、上記各変位軸7、7の傾斜角度の調節を自在としている。上記各トラニオン6、6に支持した変位軸7、7の周囲には、それぞれパワーローラ8、8を回転自在に支持している。そして、これら各パワーローラ8、8を、上記入力側、出力側両ディスク2、4の、互いに対向する内側面2a、4a同士の間に挟持している。これら各内側面2a、4aは、それぞれ断面が、上記枢軸5を中心とする円弧を回転させて得られる凹面をなしている。そして、球状凸面に形成した上記各パワーローラ8、8の周面8a、8aを、上記内側面2a、4aに当接させている。
【0004】
上記入力軸1と入力側ディスク2との間には、ローディングカム装置9を設け、このローディングカム装置9によって、上記入力側ディスク2を出力側ディスク4に向け弾性的に押圧しつつ、この入力側ディスク2を回転駆動自在としている。このローディングカム装置9は、入力軸1と共に回転するローディングカム10と、保持器11により転動自在に保持した複数個(例えば4個)のローラ12、12とから構成している。上記ローディングカム10の片側面(図3〜4の右側面)には、円周方向に亙る凹凸であるカム面13を形成し、上記入力側ディスク2の外側面(図3〜4の左側面)にも、同様の形状を有するカム面14を形成している。そして、上記複数個のローラ12、12を、上記入力軸1の中心に関し放射方向の軸を中心とする回転自在に支持している。
【0005】
上述の様に構成するトロイダル型無段変速機の使用時、入力軸1の回転に伴ってローディングカム10が回転すると、カム面13が複数個のローラ12、12を、入力側ディスク2の外側面に形成したカム面14に押圧する。この結果、上記入力側ディスク2が、上記複数のパワーローラ8、8に押圧されると同時に、上記両カム面13、14と複数個のローラ12、12との押し付け合いに基づいて、上記入力側ディスク2が回転する。そして、この入力側ディスク2の回転が、上記複数のパワーローラ8、8を介して出力側ディスク4に伝達され、この出力側ディスク4に固定の出力軸3が回転する。
【0006】
入力軸1と出力軸3との回転速度比(変速比)を変える場合で、先ず入力軸1と出力軸3との間で減速を行なう場合には、前記各枢軸5、5を中心として前記各トラニオン6、6を所定方向に揺動させる。そして、上記各パワーローラ8、8の周面8a、8aが図3に示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの中心寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの外周寄り部分とにそれぞれ当接する様に、前記各変位軸7、7を傾斜させる。反対に、増速を行なう場合には、上記枢軸5、5を中心として上記各トラニオン6、6を反対方向に揺動させる。そして、上記各パワーローラ8、8の周面8a、8aが図4に示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの外周寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの中心寄り部分とに、それぞれ当接する様に、上記各変位軸7、7を傾斜させる。各変位軸7、7の傾斜角度を図3と図4との中間にすれば、入力軸1と出力軸3との間で、中間の変速比を得られる。
【0007】
又、図5〜6は、実願昭63−69293号(実開平1−173552号)のマイクロフィルムに記載された、より具体化されたトロイダル型無段変速機の1例を示している。入力側ディスク2と出力側ディスク4とは円管状の入力軸15の周囲に、それぞれニードル軸受16、16を介して、回転自在に支持している。即ち、上記入力側ディスク2及び出力側ディスク4の中心部には断面形状が円形である貫通孔17、17を、それぞれ上記各ディスク2、4の内側面と外側面とを軸方向(図5の左右方向)に貫通する状態で形成している。上記各ニードル軸受16、16は、上記各貫通孔17、17の内周面と上記入力軸15の中間部外周面との間に設けている。又、上記各貫通孔17、17の内側面寄り端部内周面に形成した係止溝18、18には止め輪19、19を係止して、上記各ニードル軸受16、16が上記各貫通孔17、17から、上記各ディスク2、4の内側面2a、4a側に抜け出る事を防止している。又、ローディングカム10は上記入力軸15の端部(図5の左端部)外周面にスプライン係合させ、外向フランジ状の鍔部20により上記入力側ディスク2から離れる方向への移動を阻止している。そして、このローディングカム10とローラ12、12とにより、上記入力軸15の回転に基づいて上記入力側ディスク2を、上記出力側ディスク4に向け押圧しつつ回転させるローディングカム装置9を構成している。上記出力側ディスク4には出力歯車21を、キー22、22により結合し、これら出力側ディスク4と出力歯車21とが同期して回転する様にしている。
【0008】
1対のトラニオン6、6の両端部は1対の支持板23、23に、揺動並びに軸方向(図5の表裏方向、図6の左右方向)に亙る変位自在に支持している。そして、上記各トラニオン6、6の中間部に形成した円孔24、24部分に、変位軸7、7を支持している。これら各変位軸7、7は、互いに平行で且つ偏心した支持軸部25、25と枢支軸部26、26とを、それぞれ有する。このうちの各支持軸部25、25を上記各円孔24、24の内側に、ラジアルニードル軸受27、27を介して、回転自在に支持している。又、上記各枢支軸部26、26の周囲にパワーローラ8、8を、別のラジアルニードル軸受28、28を介して、回転自在に支持している。
【0009】
尚、上記1対の変位軸7、7は、上記入力軸15に対して180度反対側位置に設けている。又、これら各変位軸7、7の各枢支軸部26、26が各支持軸部25、25に対し偏心している方向は、上記入力側、出力側両ディスク2、4の回転方向に関し同方向(図6で左右逆方向)としている。又、偏心方向は、上記入力軸15の配設方向に対しほぼ直交する方向としている。従って、上記各パワーローラ8、8は、上記入力軸15の配設方向に亙る若干の変位自在に支持される。この結果、回転力の伝達状態で構成各部材に加わる大きな荷重に基づく、これら構成各部材の弾性変形に起因して、上記各パワーローラ8、8が上記入力軸15の軸方向(図5の左右方向、図6の表裏方向)に変位する傾向となった場合でも、上記構成各部品に無理な力を加える事なく、この変位を吸収できる。
【0010】
又、上記各パワーローラ8、8の外側面と上記各トラニオン6、6の中間部内側面との間には、パワーローラ8、8の外側面の側から順に、スラスト玉軸受29、29とスラストニードル軸受30、30とを設けている。このうちのスラスト玉軸受29、29は、上記各パワーローラ8、8に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ8、8の回転を許容するものである。又、上記各スラストニードル軸受30、30は、上記各パワーローラ8、8から上記各スラスト玉軸受29、29を構成する外輪31、31に加わるスラスト荷重を支承しつつ、前記各枢支軸部26、26及び上記外輪31、31が、前記支持軸部25、25を中心に揺動する事を許容するものである。
【0011】
更に、上記各トラニオン6、6の一端部(図6の左端部)にはそれぞれ駆動ロッド32、32を結合し、これら各駆動ロッド32、32の中間部外周面に駆動ピストン33、33を固設している。そして、これら各駆動ピストン33、33を、それぞれ駆動シリンダ34、34内に油密に嵌装している。
【0012】
上述の様に構成するトロイダル型無段変速機の場合、入力軸15の回転は、ローディングカム装置9を介して入力側ディスク2に伝わる。そして、この入力側ディスク2の回転が、1対のパワーローラ8、8を介して出力側ディスク4に伝わり、更にこの出力側ディスク4の回転が、出力歯車21より取り出される。入力軸15と出力歯車21との間の回転速度比を変える場合には、上記1対の駆動ピストン33、33を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン33、33の変位に伴って上記1対のトラニオン6、6が、それぞれ逆方向に変位し、例えば図6の下側のパワーローラ8が同図の右側に、同図の上側のパワーローラ8が同図の左側に、それぞれ変位する。この結果、これら各パワーローラ8、8の周面8a、8aと上記入力側ディスク2及び出力側ディスク4の内側面2a、4aとの当接部に作用する、接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って上記各トラニオン6、6が、支持板23、23に枢支された枢軸5、5を中心として、互いに逆方向に揺動する。この結果、前述の図3〜4に示した様に、上記各パワーローラ8、8の周面8a、8aと上記各内側面2a、4aとの当接位置が変化し、上記入力軸15と出力歯車21との間の回転速度比が変化する。
【0013】
尚、この様に上記入力軸15と出力歯車21との間で回転力の伝達を行なう際には、構成各部材の弾性変形に基づいて上記各パワーローラ8、8が、上記入力軸15の軸方向に変位し、これら各パワーローラ8、8を枢支している前記各変位軸7、7が、前記ラジアルニードル軸受27、27の働きにより、前記各支持軸部25、25を中心として僅かに回動する。この回動の結果、前記各スラスト玉軸受29、29の外輪31、31の外側面と上記各トラニオン6、6の内側面とが相対変位する。これら外側面と内側面との間には、前記各スラストニードル軸受30、30が存在する為、この相対変位に要する力は小さい。従って、上述の様に各変位軸7、7の傾斜角度を変化させる為の力が小さくて済む。
【0014】
上述の様に上記各変位軸7、7の回動を許容する為の、上記各ラジアルニードル軸受27、27は、図7に詳示する様に、円筒状の外輪35と複数本のニードル36、36とから成る。このうちの外輪35の両端部内周面には、それぞれが内向フランジ状である1対の鍔部37、37を形成している。そして、これら両鍔部37、37の間部分を外輪軌道38としている。上記複数本のニードル36、36は、この外輪軌道38と、変位軸7を構成する支持軸部25の外周面に設けた内輪軌道39との間に設けている。又、上記外輪35の外周面により、スラストニードル軸受30の内径部を案内支持する構造としている。そして、従来構造の場合、上記各鍔部37、37の軸方向寸法L37を比較的大きくして、上記外輪軌道38が、トラニオン6に形成した円孔24の開口よりも軸方向外方に突出しない様にしている。即ち、上記トラニオン6の内側面には、スラストニードル軸受30を構成するレース40が添設されているが、上記外輪軌道38は、このレース40に形成した円孔41の内径側にまでは達していない。この理由は、上記外輪軌道38の外径側を確実にバックアップし、この外輪軌道38と当接する上記各ニードル36、36の転動面に、エッヂロードに基づく過大な面圧が加わる事を防止する為である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
図7に示した従来構造の場合、各鍔部37、37の軸方向寸法L37が大きい分、これら両鍔部37、37の間部分に存在する外輪軌道38の軸方向寸法L38が短くなり、この外輪軌道38と当接するニードル36、36の軸方向長さも短くなる。この結果、ラジアルニードル軸受27による変位軸7の支持剛性が低くなり、トロイダル型無段変速機の変速時に於ける応答性が悪化する。
【0016】
単に変速応答性を向上させる事のみを考慮した場合には、図8に示す様に、外輪35aの両端部内周面に形成する鍔部37a、37aの軸方向寸法L37a を小さくし、その分、これら両鍔部37a、37aの間部分に存在する外輪軌道38aの軸方向寸法L38a を大きくして、ニードル36a、36aの軸方向長さを長くすれば良い。ところが、この様な図8に示した構造を採用した場合には、上記外輪軌道38aの端部に於いて、この外輪軌道38aの外径側がバックアップされず、この外輪軌道38aと当接する上記各ニードル36a、36aの転動面に、エッヂロードに基づく過大な面圧が加わる。この結果、この転動面に早期剥離等の損傷が発生し易くなり、ラジアルニードル軸受27aの耐久性が損なわれる為、好ましくない。
本発明のトロイダル型無段変速機は、上述の様な事情に鑑みて発明したものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明のトロイダル型無段変速機は、前述した従来から知られているトロイダル型無段変速機と同様に、互いの内側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、且つ回転自在に支持された第一、第二のディスクと、これら第一、第二のディスクの中心軸と交差はしないがこれら両ディスクの中心軸の方向に対して直角方向位置である捻れの位置にある枢軸を中心として揺動するトラニオンと、このトラニオンの中間部に上記枢軸と直交する方向に形成された円孔と、互いに平行で且つ偏心した支持軸部及び枢支軸部を有する変位軸と、この円孔の内周面と支持軸部の外周面との間に設けられて上記変位軸を上記トラニオンに対して回転自在に支持するラジアルニードル軸受と、上記変位軸のうちで上記トラニオンの内側面から突出した上記枢支軸部の周囲に回転自在に支持された状態で、前記第一、第二の両ディスクの間に挟持されたパワーローラと、このパワーローラの外側面に添設して設けられ、このパワーローラに加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、このパワーローラの回転を許容するスラスト玉軸受と、このスラスト玉軸受を構成するスラスト玉軸受外輪の外側面と上記トラニオンの内側面との間に設けられ、上記パワーローラから上記スラスト玉軸受外輪に加わるスラスト荷重を支承しつつ、上記枢支軸部及び上記スラスト玉軸受外輪が上記支持軸部を中心として揺動する事を許容するスラスト軸受とを備える。
そして、上記第一、第二のディスクの内側面はそれぞれ断面が円弧形の凹面であり、パワーローラの周面は球面状の凸面であり、この周面と上記両ディスクの内側面とが互いに当接している。
又、上記ラジアルニードル軸受は、1対の鍔部を両端部内周面に、これら両鍔部の間部分に外輪軌道を、それぞれ有し、上記円孔に内嵌固定した外輪と、この外輪軌道と上記支持軸部の外周面に形成した内輪軌道との間に転動自在に設けた複数本のニードルとから成るものである。
更に、上記ラジアルニードル軸受を構成する外輪の軸方向端部を上記トラニオンの内側面から突出させて、上記スラスト軸受の内径部を案内支持している。
特に、本発明のトロイダル型無段変速機に於いては、上記1対の鍔部のうち、上記トラニオンの内側面側の鍔部の軸方向寸法を、このトラニオンの外側面側の鍔部の軸方向寸法よりも大きくしている。そして、この軸方向寸法が大きい鍔部を上記スラスト軸受の内径側に配置する事により、上記外輪軌道を、このトラニオンの外側面側に偏らせて、この外輪軌道を上記円孔の開口よりも軸方向外方に突出させていない
【0018】
【作用】
上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段変速機により、第一、第二両ディスク同士の間で回転力の伝達を行なわせる作用、並びにこれら両ディスク同士の間の変速比を変化させる作用は、前述した様な従来から知られているトロイダル型無段変速機の場合と同様である。
特に、本発明のトロイダル型無段変速機の場合には、ラジアルニードル軸受を構成する外輪の内周面に形成した外輪軌道をトラニオンの外側面側に偏らせ、トラニオンの外側面側の鍔部の軸方向寸法を小さくする分だけ、上記外輪軌道の軸方向寸法を大きくできる。そして、上記ラジアルニードル軸受を構成する複数本のニードルの軸方向長さを大きくしてこのラジアルニードル軸受の剛性を向上させ、トロイダル型無段変速機の変速時の応答性を向上させる事ができる。
しかも、上記トラニオンの内側面側の鍔部の軸方向寸法を大きくしているので、上記外輪軌道が、トラニオンに形成した円孔の開口よりも軸方向外方に突出する事はなく、この外輪軌道の外径側を確実にバックアップして、この外輪軌道と当接する上記各ニードルの転動面に、エッヂロードに基づく過大な面圧が加わる事を防止できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1〜2は、本発明の実施の形態の1例を示している。尚、本発明の特徴は、トラニオン6に対して変位軸7を回動自在に支持する部分の構造にある。その他の部分の構造及び作用は、前述した従来構造を含め、従来から知られ、或は考えられている各種トロイダル型無段変速機と同様であるから、同等部分に関する図示及び説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。
【0020】
トラニオン6の中間部に形成した円孔24内に変位軸7を構成する支持軸部25を回動自在に支持する為のラジアルニードル軸受27bは、円筒状の外輪35bと複数本のニードル36b、36bとから成る。このうちの外輪35bの両端部内周面には、それぞれが内向フランジ状である1対の鍔部37b、37cを形成している。そして、これら両鍔部37b、37cの間部分を外輪軌道38bとしている。上記複数本のニードル36b、36bは、この外輪軌道38bと、変位軸7を構成する支持軸部25の外周面に設けた内輪軌道39との間に設けている。
【0021】
特に、本発明のトロイダル型無段変速機の場合には、上記1対の鍔部37b、37cのうち、上記トラニオン6の内側面側(図1〜2の下側)の鍔部37bの軸方向寸法L37b を、このトラニオン6の外側面側(図1〜2の上側)の鍔部37cの軸方向寸法L37c よりも大きく(L37b >L37c )している。従って、上記外輪軌道38bは、上記外輪35bの内周面の中央位置よりも、上記トラニオン6の外側面側に偏った位置に存在する。
【0022】
上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段変速機の場合には、上記外輪35bの両端部内周面に形成した1対の鍔部37b、37cのうち、上記トラニオン6の外側面側の鍔部37cの軸方向寸法L37c を小さくして、上記外輪軌道38bを上記トラニオン6の外側面側に偏らせた分だけ、この外輪軌道38bの軸方向寸法L38b を大きくできる。そして、上記ラジアルニードル軸受27bを構成する複数本のニードル36b、36bの軸方向長さを大きくして、このラジアルニードル軸受27bの剛性を向上させ、トロイダル型無段変速機の変速時の応答性を向上させる事ができる。即ち、上記各ニードル36b、36bの軸方向長さを大きくすると、前記変位軸7を構成する支持軸部25の中心軸と、上記トラニオン6の中間部に形成した円孔24の中心軸とがずれにくくなる。この結果、このトラニオン6の傾動と上記変位軸7の傾動とが一致して、上記変速時の応答性が向上する。
【0023】
しかも、上記トラニオン6の内側面側の鍔部37bの軸方向寸法L37b を大きくしているので、上記外輪軌道38bが、上記トラニオン6の中間部に形成した円孔24の開口よりも軸方向外方に突出する事はない。従って、この円孔24の内周面により上記外輪軌道38bの外径側を確実にバックアップして、この外輪軌道38bと当接する上記各ニードル36b、36bの転動面に、エッヂロードに基づく過大な面圧が加わる事を防止できる。この結果、この転動面に早期剥離等の損傷が発生しにくくして、上記ラジアルニードル軸受27bの耐久性を十分に確保できる。しかも、外輪35bの外周面により、スラストニードル軸受30の内径部分を、確実に案内支持できる。
【0024】
【発明の効果】
本発明のトロイダル型無段変速機は、以上に述べた通り構成され作用して、変速時の応答性向上と耐久性の確保とを両立させるので、トロイダル型無段変速機の実用性を向上させる事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す要部断面図。
【図2】図1のA部拡大図。
【図3】従来から知られているトロイダル型無段変速機の基本的構成を、最大減速時の状態で示す側面図。
【図4】同じく最大増速時の状態で示す側面図。
【図5】トロイダル型無段変速機の具体的構造の1例を示す断面図。
【図6】図5のB−B断面図。
【図7】従来のトロイダル型無段変速機の部分構造を示す、図2と同様の図。
【図8】本発明に先立って考えたトロイダル型無段変速機の部分構造を示す、図2と同様の図。
【符号の説明】
1 入力軸
2 入力側ディスク
2a 内側面
3 出力軸
4 出力側ディスク
4a 内側面
5 枢軸
6 トラニオン
7 変位軸
8 パワーローラ
8a 周面
9 ローディングカム装置
10 ローディングカム
11 保持器
12 ローラ
13、14 カム面
15 入力軸
16 ニードル軸受
17 貫通孔
18 係止溝
19 止め輪
20 鍔部
21 出力歯車
22 キー
23 支持板
24 円孔
25 支持軸部
26 枢支軸部
27、27a、27b ラジアルニードル軸受
28 ラジアルニードル軸受
29 スラスト玉軸受
30 スラストニードル軸受
31 外輪
32 駆動ロッド
33 駆動ピストン
34 駆動シリンダ
35、35a、35b 外輪
36、36a、36b ニードル
37、37a、37b、37c 鍔部
38、38a、38b 外輪起動
39 内輪軌道
40 レース
41 円孔

Claims (1)

  1. 互いの内側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、且つ回転自在に支持された第一、第二のディスクと、これら第一、第二のディスクの中心軸と交差はしないがこれら両ディスクの中心軸の方向に対して直角方向位置である捻れの位置にある枢軸を中心として揺動するトラニオンと、このトラニオンの中間部に上記枢軸と直交する方向に形成された円孔と、互いに平行で且つ偏心した支持軸部及び枢支軸部を有する変位軸と、この円孔の内周面と支持軸部の外周面との間に設けられて上記変位軸を上記トラニオンに対して回転自在に支持するラジアルニードル軸受と、上記変位軸のうちで上記トラニオンの内側面から突出した上記枢支軸部の周囲に回転自在に支持された状態で、前記第一、第二の両ディスクの間に挟持されたパワーローラと、このパワーローラの外側面に添設して設けられ、このパワーローラに加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、このパワーローラの回転を許容するスラスト玉軸受と、このスラスト玉軸受を構成するスラスト玉軸受外輪の外側面と上記トラニオンの内側面との間に設けられ、上記パワーローラから上記スラスト玉軸受外輪に加わるスラスト荷重を支承しつつ、上記枢支軸部及び上記スラスト玉軸受外輪が上記支持軸部を中心として揺動する事を許容するスラスト軸受とを備え、上記第一、第二のディスクの内側面はそれぞれ断面が円弧形の凹面であり、パワーローラの周面は球面状の凸面であり、この周面と上記両ディスクの内側面とが互いに当接しており、上記ラジアルニードル軸受は、1対の鍔部を両端部内周面に、これら両鍔部の間部分に外輪軌道を、それぞれ有し、上記円孔に内嵌固定した外輪と、この外輪軌道と上記支持軸部の外周面に形成した内輪軌道との間に転動自在に設けた複数本のニードルとから成るものであり、上記ラジアルニードル軸受を構成する外輪の軸方向端部を上記トラニオンの内側面から突出させて上記スラスト軸受の内径部を案内支持しているトロイダル型無段変速機に於いて、上記1対の鍔部のうち、上記トラニオンの内側面側の鍔部の軸方向寸法を、このトラニオンの外側面側の鍔部の軸方向寸法よりも大きくし、この軸方向寸法が大きい鍔部を上記スラスト軸受の内径側に配置する事により、上記外輪軌道を、このトラニオンの外側面側に偏らせて、この外輪軌道を上記円孔の開口よりも軸方向外方に突出させていない事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
JP37317098A 1998-12-28 1998-12-28 トロイダル型無段変速機 Expired - Fee Related JP3941275B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37317098A JP3941275B2 (ja) 1998-12-28 1998-12-28 トロイダル型無段変速機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37317098A JP3941275B2 (ja) 1998-12-28 1998-12-28 トロイダル型無段変速機

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2000193059A JP2000193059A (ja) 2000-07-14
JP2000193059A5 JP2000193059A5 (ja) 2005-07-21
JP3941275B2 true JP3941275B2 (ja) 2007-07-04

Family

ID=18501701

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP37317098A Expired - Fee Related JP3941275B2 (ja) 1998-12-28 1998-12-28 トロイダル型無段変速機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3941275B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5127386Y1 (ja) * 1970-02-16 1976-07-12
JP3430648B2 (ja) * 1994-07-27 2003-07-28 日本精工株式会社 トロイダル型無段変速機
JP3395434B2 (ja) * 1995-03-03 2003-04-14 日本精工株式会社 トロイダル型無段変速機
JP3456300B2 (ja) * 1995-04-21 2003-10-14 日本精工株式会社 トロイダル型無段変速機
JP3508391B2 (ja) * 1996-05-29 2004-03-22 日本精工株式会社 トロイダル型無段変速機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000193059A (ja) 2000-07-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000205359A (ja) ハ―フトロイダル型無段変速機
JP3617267B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP3750294B2 (ja) トロイダル型無段変速機及びその組立方法
JP4069573B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP3899745B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP3849409B2 (ja) ハーフトロイダル型無段変速機
JP3941275B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP3870594B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP4016514B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP3622438B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP3617258B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP3617235B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP3820978B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP3539062B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP3617265B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP3663851B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP2001050360A (ja) トロイダル型無段変速機
JP4051791B2 (ja) ハーフトロイダル型無段変速機
JP4013369B2 (ja) トロイダル型無段変速機の組立方法
JP3849332B2 (ja) トロイダル型無段変速機用ディスクの製造方法
JP4089085B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP3293306B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP3503370B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP4026237B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP3758146B2 (ja) トロイダル型無段変速機

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041209

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041209

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061018

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061024

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061220

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070313

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070326

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100413

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110413

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120413

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130413

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130413

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140413

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees