JP4088858B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の変速機等に使用されるトロイダル型無段変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用変速機として、従来、例えば、図3および図4に示すようなトロイダル型無段変速機が知られている。
このトロイダル型無段変速機は、入力軸1と中心軸を同じくして入力側ディスク2が設けられるとともに、入力軸1と中心軸を同じくして配置された出力軸3の端部に出力側ディスク4が固定されている。トロイダル型無段変速機を収めたケーシングの内側には、枢軸5,5を中心として揺動する複数個(この例では2個)のトラニオン6,6が設けられている。すなわち、各枢軸5,5はそれぞれ、入力側、出力側両ディスク2,4の軸方向(図3および図4において左右方向)に関してこれら両ディスク2,4の中間部に、これら両ディスク2,4の軸方向に対し直交する方向でかつこれら両ディスク2,4の中心軸に対し捻れの位置に配置されて、各トラニオン6,6の両端部外側面に設けられている。
【0003】
また、各トラニオン6,6の中間部には、変位軸7,7の基端部が支持されており、各枢軸5,5を中心として各トラニオン6,6を揺動させることにより、各変位軸7,7の傾斜角度が変化するようになっている。各変位軸7,7には、それぞれパワーローラ8,8が回転自在に支持されている。これら各パワーローラ8,8は、入力側、出力側両ディスク2,4の間に挟持されている。すなわち、これらの入力側、出力側両ディスク2,4の互いに対向する内側面2a、4aはそれぞれ、枢軸5を中心とする円弧を、入力軸1及び出力軸3を中心に回転させた場合に得られる凹面に形成され、これらの内側面2a,4aに、球面状の凸面に形成された各パワーローラ8,8の周面8a,8aが当接されている。
【0004】
入力軸1と入力側ディスク2との間には、ローディングカム式の押圧装置9が設けられ、この押圧装置9によって、入力側ディスク2が出力側ディスク4に向けて押圧されている。この押圧装置9は、入力軸1と共に回転するカム板10と、保持器11により保持された複数個(例えば4個)のローラ12とを備えている。カム板10の片側面(図3および図4において左側面)には、円周方向に亙る凹凸面であるカム面13が形成され、入力側ディスク2の外側面(図3および図4において右側面)にも、同様のカム面14が形成されており、これらの間に、複数個のローラ12が入力軸1の中心に対して放射方向の軸を中心とする回転自在に支持されている。
【0005】
このように構成されたトロイダル型無段変速機においては、入力軸1の回転に伴ってカム板10が回転すると、カム面13が複数個のローラ12を入力側ディスク2の外側面のカム面14に押圧する。その結果、入力側ディスク2が、両パワーローラ8,8に押圧されるとともに、一対のカム面13,14と複数個のローラ12との押し付け合いに基づいて入力側ディスク2が回転する。そして、この入力側ディスク2の回転が、両パワーローラ8,8を介して出力側ディスク4に伝達され、この出力側ディスク4に固定された出力軸3が回転する。
【0006】
入力軸1と出力軸3との回転速度比(変速比)を変える場合であって、入力軸1と出力軸3との間で減速を行なう場合には、枢軸5,5を中心として各トラニオン6,6を揺動させ、図3に示すように、各パワーローラ8,8の周面8a,8aが、入力側ディスク2の内側面2aの中心寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの外周寄り部分とにそれぞれ当接するように、各変位軸7,7を傾斜させる。
一方、増速を行なう場合には、枢軸5,5を中心として各トラニオン6、6を揺動させ、図4に示すように、各パワーローラ8,8の周面8a,8aが、入力側ディスク2の内側面2aの外周寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの中心寄り部分とにそれぞれ当接するように、各変位軸7,7を傾斜させる。各変位軸7,7の傾斜角度を図3と図4との中間にすれば、入力軸1と出力軸3との間で、中間の変速比を得られる。
【0007】
図5および図6は、より具体化されたトロイダル型無段変速機を示している。このトロイダル型無段変速機では、入力側ディスク2と出力側ディスク4とがそれぞれ、入力軸15の外周部にニードル軸受16,16を介して回転自在に支持されている。また、カム板10が入力軸15の端部(図5において左端部)の外周面にスプライン係合され、鍔部17により入力側ディスク2から離間する方向への移動を阻止されている。そして、このカム板10とローラ12,12とにより、入力軸15の回転に基づいて、入力側ディスク2を出力側ディスク4に向けて押圧しつつ回転させる、ローディングカム式の押圧装置9を構成している。出力側ディスク4には、出力歯車18がキー19,19により結合され、これら出力側ディスク4と出力歯車18とが一体的に回転するようになっている。出力歯車18およびこの出力歯車18と噛合された図示しない歯車等が、出力側ディスク4の回転を取り出す為の動力取り出し手段を構成している。
【0008】
一対のトラニオン6,6の両端部に設けた枢軸5,5は、一対の支持板20,20に、揺動自在および軸方向(図5において表裏方向、図6において左右方向)に変位自在に支持されている。一対の支持板20,20は、十分な剛性を有する板状に形成されており、各支持板20,20の中央部に形成された円孔21,21がそれぞれ、ケーシング22の内面およびケーシング22内に設けたシリンダケース23の側面に固設した支持ピン24a,24bに外嵌されることにより、ケーシング22の内側に、揺動自在および各枢軸5,5の軸方向に変位自在に支持されている。また、各支持板20,20の両端部にはそれぞれ、円形の支持孔25,25が形成されており、これらの各支持孔25,25にそれぞれ、トラニオン6,6の両端部に設けた各枢軸5,5が、外輪26,26を備えたラジアルニードル軸受27,27により支持されている。これらの構成により、各トラニオン6,6が、各枢軸5,5を中心として揺動自在およびこれら各枢軸5,5の軸方向に変位自在に、ケーシング22内に支持されている。
【0009】
各トラニオン6,6の中間部に形成された円孔40,40にはそれぞれ、変位軸7,7が支持されている。各変位軸7は、互いに平行でかつ偏心した支持軸部28と枢支軸部29とを備えている。各支持軸部28は、各円孔40の内側に、ラジアルニードル軸受30を介して揺動自在に支持されている。また、各枢支軸部29の外周部には、パワーローラ8がラジアルニードル軸受31を介して回転自在に支持されている。
【0010】
なお、上記一対の変位軸7,7は、入力軸15を中心として、点対象の位置(180度反対側の位置)になるように配置されている。また、これら各変位軸7,7の各枢支軸部29,29が各支持軸部28,28に対し偏心している方向は、入力側、出力側両ディスク2,4の回転方向に関し同方向(図6において左右逆方向)とされている。また、各枢支軸部29,29の軸方向は、入力軸15の軸方向(図5において左右方向、図6において表裏方向)に対しほぼ直交する方向とされている。したがって、各パワーローラ8,8は、入力軸15の軸方向に亙る若干の変位が許容されて支持されている。その結果、構成各部品の寸法精度のばらつき、あるいは動力伝達時の弾性変形等に起因して、各パワーローラ8,8が入力軸15の軸方向に多少変位しても、この変位を吸収でき、構成各部品に無理な力が加わることがない。
【0011】
また、各パワーローラ8,8の外側面と各トラニオン6,6の中間部内側面との間にはそれぞれ、パワーローラ8,8の外側面の側から順に、スラスト玉軸受等のスラスト転がり軸受32,32と、後述する外輪33,33に加わるスラスト荷重を支承するスラストニードル軸受等のスラスト軸受34,34とが設けられている。このうちのスラスト転がり軸受32,32は、各パワーローラ8,8に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、各パワーローラ8,8の回転を許容している。また、各スラスト軸受34,34は、各パワーローラ8,8から各スラスト転がり軸受32,32の外輪33,33に加わるスラスト荷重を支承しつつ、枢支軸部29,29および外輪33,33が支持軸部28,28を中心に揺動することを許容している。
【0012】
また、各トラニオン6,6の一端部(図6において左端部)にはそれぞれ、駆動ロッド35,35が結合され、各駆動ロッド35,35の中間部外周面には、駆動ピストン36が固設されている。各駆動ピストン36,36はそれぞれ、シリンダケース23内に設けた駆動シリンダ37,37内に油密に嵌装されている。さらに、ケーシング22内に設けた支持壁38と入力軸15との間には、一対の転がり軸受39,39が設けられて、入力軸15がケーシング22内に回転自在に支持されている。
【0013】
このように構成されたトロイダル型無段変速機においては、入力軸15の回転が押圧装置9を介して入力側ディスク2に伝えられる。そして、この入力側ディスク2の回転が、一対のパワーローラ8,8を介して出力側ディスク4に伝達され、さらにこの出力側ディスク4の回転が、出力歯車18より取り出される。
入力軸15と出力歯車18との間の回転速度比を変える場合には、一対の駆動ピストン36,36を互いに逆方向に変位させる。そうすると、これら各駆動ピストン36,36の変位に伴って一対のトラニオン6,6がそれぞれ、逆方向に変位する。例えば、図6において下側のパワーローラ8が同図の右側に、同図の上側のパワーローラ8が同図の左側に、それぞれ変位する。その結果、これら各パワーローラ8,8の周面8a,8aと入力側ディスク2および出力側ディスク4の内側面2a,4aとの当接部に作用する、接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って各トラニオン6,6が、支持板20,20に枢支された枢軸5,5を中心として、図5において互いに逆方向に揺動する。その結果、上述の図3および図4に示したように、各パワーローラ8,8の周面8a,8aと各内側面2a,4aとの当接位置が変化し、入力軸15と出力歯車18との間の回転速度比が変化する。
【0014】
なお、動力伝達時に構成各部品が弾性変形する結果、各パワーローラ8,8が入力軸15の軸方向に変位すると、これら各パワーローラ8,8を枢支している各変位軸7,7が、各支持軸部28,28を中心として僅かに揺動する。この揺動の結果、各スラスト転がり軸受32,32の外輪33,33の外側面と各トラニオン6,6の内側面とが相対変位する。これら外側面と内側面との間には、各スラスト軸受34,34が存在するため、この相対変位に要する力は小さい。したがって、上述のように各変位軸7,7の傾斜角度を変化させるための力が小さくて済む。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、パワーローラ8は、従来、図7に示すように、外側面8bが平面に形成されており、この平面の外側面8bにスラスト転がり軸受32の内輪の転走面が形成されているので、スラスト転がり軸受32が周面(トラクション面)8aより外側(図7において上側)に突出して配置されている。その結果、図8に示すように、パワーローラ8を支持しているトラニオン51が外側に突出しているとともに、両側部のクランク状の枢軸52のオフセット量が大きくなっている。特に、半頂角が大きい場合、周面(トラクション面)8aの有効範囲が外側に寄るため、よりこれらの傾向が強くなる。また、周面(トラクション面)8aの加工精度を向上させるには、シュー(研削治具)を受けるために、図7に示すように、周面8aの外側面8b側の端部に高さtが3〜5mm程度の円柱の側面形状をした加工用面8cが必要になるので、これらの傾向が顕著となる。
【0016】
このように、トラニオン51が外側に突出すると、これを覆うケースとの干渉が生じるので、これを回避するためにキャビティ径を小さくせざるを得なくなり、その結果無段変速機のキャパシティ(容量)が小さくなってしまうという問題がある。
また、トラニオン51のクランク状の枢軸52のオフセット量が大きくなると、屈曲部の応力集中が大きくなるので、トラニオン51の強度を上げる必要が生じ、このためトラニオン51が大型化し、無段変速機の重量が大きくなってしまうという問題がある。
【0017】
本発明は、上記事情に鑑みて為されたもので、トラニオンをより内側に配置することができて、無段変速機の容量を大きくすることができるとともに、トラニオンの軽量化を図ることができるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載のトロイダル型無段変速機は、回転自在に支持された入力軸と、この入力軸と共に回転自在な入力側ディスクと、この入力側ディスクと中心軸を同じくして配置され、かつこの入力側ディスクに対して回転自在に支持された出力側ディスクと、これら入力側、出力側両ディスクの軸方向に関してこれら両ディスクの中間部に、これら両ディスクの軸方向に対し直交する方向でかつこれら両ディスクの中心軸に対し捻れの位置に配置されて当該位置で両側部のクランク状の枢軸を中心に揺動する複数のトラニオンと、これら各トラニオンに支持された変位軸に回転自在に支持され、入力側、出力側両ディスクの間に挟持された複数個のパワーローラと、これら各パワーローラの外側面と前記各トラニオンの内側面との間に設けたスラスト転がり軸受とを備え、前記スラスト転がり軸受は、内輪を形成する前記パワーローラと、前記パワーローラの外側面と前記トラニオンの内側面との間に設けられた外輪と、これらのパラーローラと外輪との間に転動自在に設けられた複数の転動体と、これらの転動体を保持する保持器とを備えているとともに、入力側、出力側両ディスクの互いに対向する内側面を、それぞれ断面が円弧形の凹面とし、前記各パワーローラの周面を外側面側の端部に円柱の側面形状をした加工用面を備えた球面状の凸面として、この周面と前記内側面とを当接させているトロイダル型無段変速機において、前記パワーローラの外側面に凹部が形成され、この凹部に前記スラスト転がり軸受の内輪の転走面が形成されているとともに、この凹部内に前記保持器が挿入されていることを特徴とする。
【0019】
請求項1に記載の発明においては、パワーローラ外側面とトラニオン内側面との間に配設されるスラスト転がり軸受がより内側に配置されるので、トラニオンがより内側に配置される。したがって、従来と同様のレイアウトに対してキャビティ径を大きくすることができるので、無段変速機の容量を大きくすることができる。また、トラニオンの枢軸のオフセット量が小さくなるので、その分トラニオンが軽量化する。さらに、オフセット量が小さくなることから枢軸の屈曲部に生じる応力集中が緩和され、枢軸の強度が向上するので、枢軸を小型化することができる。これらにより、トラニオンの軽量化を図ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1および図2は、本実施の形態に係るトロイダル型無段変速機のパワーローラの部分を示す断面図である。本実施の形態では、図1および図2に示す以外の部分の構造は、図5および図6に示す従来の構造と同じである。
本実施の形態に係るパワーローラ71の周面71aが球面状の凸面に形成され、この周面71aの外側面71b側の端部には、高さtが3〜5mm程度の円柱の側面形状をした加工用面71cが形成されている。また、パワーローラ71の外側面71bには、皿状の凹部71dが形成されている。凹部71dの底面には、スラスト転がり軸受(スラスト玉軸受)32の内輪軌道42が形成されている。内輪軌道42と、外輪33の内側面に形成された外輪軌道43との間には、円環状の保持器44に保持された複数個の玉41が転動自在に配設されている。外輪33の外側(図1および図2において上側)には、スラスト軸受34を介してトラニオン72が設けられており、このトラニオン72の両側部のクランク状の枢軸73,73は、パワーローラ71の上端部外側に配置されている。
【0021】
このように構成されたトロイダル型無段変速機にあっては、パワーローラ71の外側面71bに形成された凹部71dの底面がスラスト転がり軸受32の内輪の転走面を構成しているので、スラスト転がり軸受32を従来よりも内側(トラニオン72と反対側)に位置させることができる。その結果、トラクション面の加工精度を維持することができるように、パワーローラ71の周面(トラクション面)71aの外側面71b側端部に円柱の側面形状をした加工用面71cを設けつつ、トラニオン72の外側への突出量を小さくできるので、従来と同様のレイアウトに対してその分キャビティ径を大きくでき、無段変速機の容量を大きくすることができる。
【0022】
また、スラスト転がり軸受32を従来よりも内側(トラニオン72と反対側)に位置させることができるので、トラニオン72の両側部のクランク状の両枢軸73,73のオフセット量を小さくすることができる。その結果、両枢軸73,73の屈曲部に生じる応力集中を緩和することができるので、トラニオン72の強度が大きくなる。したがって、両枢軸73,73のオフセット量が小さくなったことによるトラニオン72の軽量化に加えて、強度が向上したことによる小型化に伴う軽量化を図ることができる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、パワーローラ外側面とトラニオン内側面との間に配設されるスラスト転がり軸受をより内側に配置することができるので、トラニオンをより内側に配置することができる。したがって、従来と同様のレイアウトに対してキャビティ径を大きくできるので、無段変速機の容量を大きくすることができる。さらに、トラニオンの枢軸のオフセット量を小さくすることができるので、トラニオンを軽量化することができることに加え、枢軸の屈曲部に生じる応力集中を緩和することができることから、枢軸の強度を向上させることができるので、枢軸を小型化することができ、これらによりトラニオンの軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るトロイダル型無段変速機のパワーローラの部分を示す断面図である。
【図2】同じくパワーローラおよびトラニオンの部分を示す断面図である。
【図3】トロイダル型無段変速機の基本構成を最大減速時の状態で示す側面図である。
【図4】同じく最大減速時の状態で示す側面図である。
【図5】従来から知られているトロイダル型無段変速機の具体的構造の一例を示す要部断面図である。
【図6】図4のX−X線断面図である。
【図7】従来のパワーローラの部分を示す断面図である。
【図8】同じくパワーローラおよびトラニオンの部分を示す断面図である。
【符号の説明】
1 入力軸
2 入力側ディスク
2a 内側面
3 出力軸
4 出力ディスク
4a 内側面
7 変位軸
9 押圧装置
15 入力軸
28 支持軸部
29 枢支軸部
30 ラジアルニードル軸受
31 ラジアルニードル軸受
32 スラスト転がり軸受
33 外輪
34 スラスト軸受
41 玉
42 内輪軌道
43 外輪軌道
44 保持器
71 パワーローラ
71a 周面(トラクション面)
71b 外側面
71c 加工用面
71d 凹部
72 トラニオン
73 枢軸
Claims (1)
- 回転自在に支持された入力軸と、この入力軸と共に回転自在な入力側ディスクと、この入力側ディスクと中心軸を同じくして配置され、かつこの入力側ディスクに対して回転自在に支持された出力側ディスクと、これら入力側、出力側両ディスクの軸方向に関してこれら両ディスクの中間部に、これら両ディスクの軸方向に対し直交する方向でかつこれら両ディスクの中心軸に対し捻れの位置に配置されて当該位置で両側部のクランク状の枢軸を中心に揺動する複数のトラニオンと、これら各トラニオンに支持された変位軸に回転自在に支持され、入力側、出力側両ディスクの間に挟持された複数個のパワーローラと、これら各パワーローラの外側面と前記各トラニオンの内側面との間に設けたスラスト転がり軸受とを備え、前記スラスト転がり軸受は、内輪を形成する前記パワーローラと、前記パワーローラの外側面と前記トラニオンの内側面との間に設けられた外輪と、これらのパラーローラと外輪との間に転動自在に設けられた複数の転動体と、これらの転動体を保持する保持器とを備えているとともに、入力側、出力側両ディスクの互いに対向する内側面を、それぞれ断面が円弧形の凹面とし、前記各パワーローラの周面を外側面側の端部に円柱の側面形状をした加工用面を備えた球面状の凸面として、この周面と前記内側面とを当接させているトロイダル型無段変速機において、
前記パワーローラの外側面に凹部が形成され、この凹部に前記スラスト転がり軸受の内輪の転走面が形成されているとともに、この凹部内に前記保持器が挿入されていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
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