JP2003301910A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機

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JP2003301910A
JP2003301910A JP2002108736A JP2002108736A JP2003301910A JP 2003301910 A JP2003301910 A JP 2003301910A JP 2002108736 A JP2002108736 A JP 2002108736A JP 2002108736 A JP2002108736 A JP 2002108736A JP 2003301910 A JP2003301910 A JP 2003301910A
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power roller
insertion hole
shaft
continuously variable
variable transmission
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JP2002108736A
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Tomohito Yamashita
山下  智史
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パワーローラを支持するラジアル軸受の耐久
性を向上させることができるトロイダル型無段変速機を
提供する。 【解決手段】 入力ディスク2および出力ディスク4の
間に挟持されたパワーローラ8と、このパワーローラ8
とトラニオン6の内周面6aとの間に設けられ且つパワ
ーローラ8とともに玉29を挟持する外輪30を有し、
パワーローラ8に加わるスラスト方向の荷重を支承する
スラスト軸受26とを備えるトロイダル型無段変速機に
おいて、パワーローラ8の外輪30側の内端面8cに、
外輪30側に突出するとともに、内周面がパワーローラ
8の挿入孔8cの内周面の一部を形成する円筒状の突出
部43を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トロイダル型無段
変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、自動車などの車両に用いられる
無段変速機として、特開平2001−27297号公報
に開示された大動力用トロイダル型無段変速機が知られ
ている。この公報に開示されたトロイダル型無段変速機
は、図5および図6に示すように、入力ディスク2と出
力ディスク4とは円管状の入力軸15の周囲に、互いの
内周面を対向させた状態で、それぞれニードル軸受16
を介して回転自在に支持されている。また、カム板10
は、入力軸15の端部(図5の左端部)外周面にスプラ
イン係合され、鍔部17により入力ディスク2から離れ
る方向への移動を阻止している。そして、カム板10と
ローラ12とにより、入力軸15の回転に基づいて入力
ディスク2を、出力ディスク4に向け押圧しつつ回転さ
せる、ローディングカム式の押圧装置9を構成してい
る。上記出力ディスク4には出力歯車18を、キー19
により結合し、これら出力ディスク4と出力歯車18と
が同期して回転するようにしている。
【0003】また、入力ディスク2と出力ディスク4と
の間には、パワーローラ8が挟持されており、このパワ
ーローラ8は、入力軸15に対して捻れの位置にある枢
軸5を中心に揺動する一対のトラニオン6によって支持
されている。一対のトラニオン6の両端部は、一対の支
持板20に、揺動並びに軸方向(図5の表裏方向、図6
の左右方向)に亙る変位自在に支持されており、変位軸
7は、各トラニオン6に形成した円形の支持孔23に支
持されている。これら変位軸7は、互いに平行で且つ偏
心した支持軸部21と枢支軸部22とをそれぞれ有して
いる。このうちの各支持軸部21を各支持孔23の内側
に、第1ラジアル軸受である第1ラジアルニードル軸受
24を介して、回転自在に支持している。また、各枢支
軸部22は、トラニオン6の内周面6aから突出されて
いるとともに、パワーローラ8に形成された挿入孔8b
に挿入されている。これら各枢支軸部22の端部には、
止め輪溝が形成されており、この止め輪溝に止め輪(ス
ナップリング)40が取り付けられて、枢支軸部22が
挿入孔8bから抜けるのを防止している。このパワーロ
ーラ8は、各枢軸部22に第2ラジアル軸受である第2
ラジアルニードル軸受25を介して回転自在に支持され
ている。この第2ラジアルニードル軸受25は、変位軸
7に設けられたストッパ7aによって軸方向の移動を規
制されて、外輪30側に抜け出ないようになっている。
なお、第1ラジアルニードル軸受24、25としては、
たとえば、ローラとこのローラを所定のピッチ円上に位
置決め保持する保持器(ケージ)とで構成されるケージ
アンドローラが用いられる。
【0004】一対の変位軸7は、入力軸15に対して1
80度反対側位置に設けられている。また、これら各変
位軸7の各枢支軸部22が各支持軸部21に対し偏心し
ている方向は、入力、出力両ディスク2、4の回転方向
に関し同方向(図6で左右逆方向)としている。また、
偏心方向は、入力軸15の配設方向に対しほぼ直交する
方向としている。従って各パワーローラ8は、上記入力
軸15の配設方向に亙る若干の変位自在に支持される。
この結果、構成各部品の寸法精度のばらつきや弾性変形
等に起因して、各パワーローラ8が入力軸15の軸方向
(図5の左右方向、図6の表裏方向)に変位する傾向と
なった場合でも、構成各部品に無理な力を加える事な
く、この変位を吸収できる。
【0005】また、各パワーローラ8の外側面と各トラ
ニオン6の内周面6aとの間には、パワーローラ8の外
側面の側から順に、スラスト軸受26と、外輪30に加
わるスラスト荷重を支承するスラストニードル軸受27
とを設けている。このうちのスラスト軸受26は、各パ
ワーローラ8に加わるスラスト方向の荷重を支承しつ
つ、これら各パワーローラ8の回転を許容するものであ
る。
【0006】スラスト軸受26は,それぞれ複数個ずつ
の玉(転動体)29と、各玉29を転動自在に保持する
円環状の保持器28と、円環状の外輪30とから構成さ
れている。各スラスト軸受26の内輪軌道は各パワーロ
ーラ8の外輪30側の端面8cに、外輪軌道は上記各外
輪30の内周面にそれぞれ形成されている。なお、図5
および図6では、外輪30は変位軸7と別体であるが、
図7に示すように、外輪30と変位軸7とを一体に形成
した構成としても良い。
【0007】また、上記各スラストニードル軸受27
は、レース31と保持器32とニードル33とから構成
される。このうちのレース31と保持器32は、回転方
向に亙る若干の変位自在に組み合わせている。このよう
なスラストニードル軸受27は、各レース31を上記各
トラニオン6の内周面に当接させた状態で、この内周面
と上記外輪30の外側面との間に挟持している。これら
スラストニードル軸受27は、上記各パワーローラ8か
ら上記各外輪30に加わるスラスト荷重を支承しつつ、
各枢支軸部22および外輪30が、前記支持軸部21を
中心に揺動する事を許容する。
【0008】さらに、上記各トラニオン6の一端部(図
6の左端部)にはそれぞれ駆動ロッド36を結合し、こ
れら駆動ロッド36の中間部外周面に駆動ピストン37
を固設している。そして、これら駆動ピストン37を、
それぞれ駆動シリンダ38内に油密に嵌装している。上
記構成のトロイダル型無段変速機は、入力軸15の回転
は押圧装置9を介して入力ディスク2に伝わる。そし
て、この入力ディスク2の回転が、一対のパワーローラ
8を介して出力ディスク4に伝わり、更にこの出力ディ
スク4の回転が、出力歯車18より取り出される。
【0009】入力軸15と出力歯車18との間の回転速
度比を変える場合には、一対の駆動ピストン37を互い
に逆方向に変位させる。これら駆動ピストン37の変位
に伴って一対のトラニオン6が、それぞれ逆方向に変位
し、例えば図4の下側のパワーローラ8が同図の右側
に、同図の上側のパワーローラ8が同図の左側に、それ
ぞれ変位する。この結果、これら各パワーローラ8のト
ラクション面8aと上記入力ディスク2および出力ディ
スク4の内周面2a,4aとの当接部に作用する、接線
方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変
化に伴って上記各トラニオン6が、支持板20に枢支さ
れた枢軸5を中心として、互いに逆方向に揺動する。こ
の結果、各パワーローラ8のトラクション面8aと上記
各内周面2a、4aとの当接位置が変化し、上記入力軸
15と出力歯車18との間の回転速度比が変化する。
【0010】なお、このように上記入力軸15と出力歯
車18との間で回転力の伝達を行なう際には、構成各部
材の弾性変形に基づいて各パワーローラ8が、入力軸1
5の軸方向に変位し、これら各パワーローラ8を枢支し
ている各変位軸7が各支持軸部21を中心として僅かに
回動する。この回動の結果、各スラスト玉軸受26の外
輪30の外側面と上記各トラニオン6の内周面とが相対
変位する。これら外側面と内周面との間には、前記各ス
ラストニードル軸受27が存在する為、この相対変位に
要する力は小さい。従って、上述のように各変位軸7の
傾斜角度を変化させる為の力が小さくて済む。
【0011】このように、トロイダル型無段変速機の入
力ディスク2および出力ディスク4とパワーローラ8と
の動力伝達は、トラクションドライブによって行われて
いる。このため、入力ディスク2および出力ディスク4
とパワーローラ8とが接触する接触点(当接点)には大
きな押し付け力を与える必要がある。この押し付け力を
発生させるために、入力トルクに比例した押圧力を発生
させる上述のローディングカム式の押圧装置9や、最適
な押し付け力を発生させる油圧式の押圧装置等を用いる
ことが多い。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、トロイダル
型無段変速機の駆動時において、押圧装置9により入力
ディスク2を出力ディスク4に向けて押圧すると、パワ
ーローラ8には入力ディスク2および出力ディスク4と
の接触点において押し付け力とトラクション力(接線
力)とが作用し、パワーローラ8に大きな荷重がかか
り、パワーローラ8の挿入孔8bや、枢支軸部22の止
め輪溝、この止め輪溝に取り付けられたスナップリング
40とパワーローラ8との接触部分では応力が高くな
り、大きく変形してしまう。このため、図8に示すよう
に、パワーローラ8の挿入孔8bの外輪30と反対側
に、パワーローラ8の開口を塞ぐ底板部42をパワーロ
ーラ8と一体に設けることにより、パワーローラ8の剛
性を高めて、パワーローラ8の変形を抑制する技術(特
開2001−289297号公報等)が考案されてい
る。また、図9に示すように、貫通孔42aを有する底
板部42でパワーローラ8の開口の一部を塞ぐことによ
って、パワーローラ8の変形を抑制する技術(特開平7
−243492号公報等)も考案なされている。
【0013】しかしながら、上述のいずれの技術におい
ても、パワーローラ8の挿入孔8bに底板部42を設け
ているので、図8に示すように、この底板部42の厚み
aの分だけ第2ラジアルニードル軸受25が短くなるた
め、第2ラジアルニードル軸受25の負荷容量が小さく
なり、第2ラジアルニードル軸受25の耐久力が低くな
ってしまう。また、パワーローラ8に上記トラクション
力が作用すると、第2ラジアルニードル軸受25に対し
てパワーローラ8の挿入孔8bの内周面が傾いた状態、
すなわち、第2ラジアルニードル軸受25が挿入孔8b
に片当たりした状態になる。第2ラジアルニードル軸受
25の長さが短いと、このような傾向が顕著となり、第
2ラジアルニードル軸受25の耐久性がさらに低くなっ
てしまう。
【0014】本発明は、上記事情に鑑みて為されたもの
で、パワーローラを支持するラジアル軸受の耐久性を向
上させることができるトロイダル型無段変速機を提供す
ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、入力軸と、互いの内周面
同士を対向させた状態で互いの相対回転を自在として前
記入力軸と同心に配置された入力ディスクおよび出力デ
ィスクと、前記入力軸に対して捻れの位置にある枢軸を
中心として揺動するトラニオンと、互いに偏心した支持
軸部および枢支軸部から成り、このうちの支持軸部が前
記トラニオンに形成された支持孔内に第1ラジアル軸受
により回転自在に支持され、前記枢支軸部が前記トラニ
オンの内周面から突出された変位軸と、この変位軸の枢
支軸部が挿入される挿入孔を有し、この挿入孔に挿入さ
れた前記枢支軸部に第2ラジアル軸受によって回転自在
に支持された状態で、前記入力ディスクおよび出力ディ
スクの間に挟持されたパワーローラと、このパワーロー
ラと前記トラニオンの内周面との間に設けられ且つ前記
パワーローラとともに転動体を挟持する外輪を有し、前
記パワーローラに加わるスラスト方向の荷重を支承する
スラスト軸受とを備えるトロイダル型無段変速機におい
て、前記パワーローラの前記外輪側の端面に、前記外輪
側に突出するとともに、内周面が前記パワーローラの前
記挿入孔の内周面の一部を形成する円筒状の突出部が設
けられていることを特徴とする。
【0016】請求項1に記載の発明においては、パワー
ローラの外輪側の端面に円筒状の突出部を設けているの
で、この突出部がパワーローラの補強材となり、パワー
ローラの剛性が高まる。したがって、駆動時におけるパ
ワーローラの変形が抑制され、これに伴ってパワーロー
ラの挿入孔の変形も抑制されるので、第2ラジアル軸受
とパワーローラの挿入孔の内周面とが略平行な状態とな
り、この挿入孔の内周面に対する第2ラジアル軸受の抵
抗が小さくなる。また、パワーローラの突出部の分だけ
第2ラジアル軸受の長さを長くとることが可能となるの
で、第2ラジアル軸受の負荷容量が大きくなる。このよ
うに、パワーローラの挿入孔に対する第2ラジアル軸受
の抵抗が小さくなるとともに、第2ラジアル軸受の負荷
容量が大きくなるので、第2ラジアル軸受の耐久性が向
上する。また、パワーローラの変形を抑制するために、
パワーローラを大型化しなくてもよいので、トロイダル
型無段変速機の小型化が図られる。
【0017】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記パワーローラの前記挿入孔に、該
挿入孔の前記外輪と反対側の開口を塞ぐ底板部が設けら
れていることを特徴とする。
【0018】請求項2に記載の発明においては、パワー
ローラの挿入孔の開口を塞ぐ底板部が設けられているの
で、この底板部の厚みの分だけパワーローラの挿入孔の
長さが短くなるが、パワーローラに円筒状の突出部を設
けているので、この突出部の分だけ挿入孔が長くなるた
め、第2ラジアル軸受を短くしなくても済み、第2ラジ
アル軸受の負荷容量を確保することが可能となる。ま
た、パワーローラの挿入孔の開口を塞ぐ底板部を設けて
いるので、挿入孔を貫通孔にした場合に比べて、駆動時
におけるパワーローラの変形がさらに抑制され、これに
伴ってパワーローラの挿入孔の変形もさらに抑制され
る。したがって、第2ラジアル軸受とパワーローラの挿
入孔の内周面とが略平行な状態となり、この挿入孔の内
周面に対する第2ラジアル軸受の抵抗がさらに小さくな
る。このように、第2ラジアル軸受けの負荷容量を確保
できるとともに、パワーローラの挿入孔の内周面に対す
る第2ラジアル軸受の抵抗がさらに小さくなるので、第
2ラジアル軸受の耐久性がさらに向上する。
【0019】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の発明において、前記パワーローラの前記底板部は、前
記挿入孔の開口の一部を塞いでいることを特徴とする。
【0020】請求項3に記載の発明においては、底板部
で挿入孔の開口の一部を塞いだ場合であっても、請求項
2に記載の発明と同様な作用効果を奏する。
【0021】請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請
求項3のいずれかに記載の発明において、前記変位軸と
前記外輪とが一体に設けられていることを特徴とする。
【0022】請求項4に記載の発明においては、外輪と
変位軸とが一体に設けられているので、駆動時に外輪が
スラスト力を受けて変位軸の軸方向に押されるに伴っ
て、変位軸もその軸方向に押されるため、変位軸が傾き
難くなる。したがって、第2ラジアル軸受と変位軸の枢
支軸部とが略平行な状態となり、変位軸の枢支軸部に対
する第2ラジアル軸受の抵抗が低くなるので、第2ラジ
アルニードル軸受の耐久性をさらに向上させることが可
能となる。
【0023】請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請
求項4のいずれかに記載の発明において、前記第2ラジ
アル軸受は、前記外輪により該第2ラジアル軸受の軸線
方向への移動を規制されることを特徴とする。
【0024】請求項5に記載の発明においては、第2ラ
ジアル軸受は、外輪によって軸線方向の位置を規制され
ているので、変位軸の枢支軸部に第2ラジアル軸受の軸
線方向の移動を規制するためのストッパ等を設ける必要
がない。この結果、変位軸の枢支軸部の外周面を面一
(ストレート形状)にすることができ、変位軸の枢支軸
部の加工が容易になる。また、変位軸の枢支軸部を加工
するためのコストが低減するので、安価な変位軸を提供
することが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、添付した図面を参照しなが
ら本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の各図に
おいて、図5乃至図8と同様な構成要素には同一符号を
付してその説明を簡略化する。
【0026】図1は、本発明の第1実施の形態を示して
いる。図1に示すように、変位軸7の支持軸部21を第
1ラジアルニードル軸受24を介して回転自在に支持す
るために、トラニオン6にはこのトラニオン6を貫通す
る支持孔23が形成されている。このトラニオン6の内
周面6aとパワーローラ8との間には、パワーローラ8
とともに玉29を挟持する外輪30が変位軸7と一体に
形成されている。
【0027】また、変位軸7の枢支軸部22を第2ラジ
アルニードル軸受25を介して回転自在に支持するため
に、パワーローラ8には、このパワーローラ8を貫通す
る挿入孔8bが形成されている。このパワーローラ8の
外輪30側の端面8cの内周部には、外輪30側に向け
て突出する円筒状の突出部43がパワーローラ8と一体
に設けられており、この突出部43の内周面は、パワー
ローラ8の挿入孔8bの内周面の一部を形成している。
【0028】また、変位軸7の枢支軸部22とパワーロ
ーラ8の挿入孔8bとの間に位置する第2ラジアルニー
ドル軸受25は、外輪30によりその軸線方向の移動を
規制されている。
【0029】上記構成のトロイダル型無段変速機におい
ては、パワーローラ8の外輪30側の端面8cの内周部
に突出部43を設けているので、この突出部43がパワ
ーローラ8の補強材となり、パワーローラ8の剛性を高
めることができる。したがって、駆動時におけるパワー
ローラ8の変形を抑制することができ、これに伴ってパ
ワーローラ8の挿入孔8bの変形も抑制することができ
るので、第2ラジアルニードル軸受25とパワーローラ
8の挿入孔8bの内周面とが略平行な状態となり、この
挿入孔8bの内周面に対する第2ラジアルニードル軸受
25の抵抗を小さくすることができる。また、パワーロ
ーラ8の端面8cに設けられた突出部43の分だけ第2
ラジアルニードル軸受25の長さを長くとることができ
るので、第2ラジアルニードル軸受25の負荷容量を大
きくすることができる。このように、パワーローラ8の
挿入孔8bに対する第2ラジアルニードル軸受25の抵
抗を小さくすることができるとともに、第2ラジアルニ
ードル軸受25の負荷容量が大きくなるので、第2ラジ
アルニードル軸受25の耐久性を向上させることができ
る。また、パワーローラ8の変形を抑制するために、パ
ワーローラ8を大型化しなくてもよいので、トロイダル
型無段変速機の小型化を図ることができる。
【0030】また、外輪30と変位軸7とが一体に形成
されているので、駆動時に外輪30がスラスト力を受け
て変位軸7の軸方向に押されるに伴って、変位軸7もそ
の軸方向に押されるため、変位軸7が傾き難くなる。し
たがって、第2ラジアルニードル軸受25と変位軸7の
枢支軸部22とが略平行となり、この変位軸7の枢支軸
部22に対する第2ラジアルニードル軸受25の抵抗を
小さくできるので、第2ラジアルニードル軸受25の耐
久性をさらに向上させることができる。
【0031】また、第2ラジアルニードル軸受25は、
外輪30によってその軸線方向の移動を規制されている
ので、変位軸7の枢支軸部22に第2ラジアルニードル
軸受25の軸線方向への移動を規制するためのストッパ
等を設ける必要がない。この結果、変位軸7の枢支軸部
22の外周面を面一(ストレート形状)にでき、変位軸
7の枢支軸部22を容易に加工することができる。ま
た、変位軸7の枢支軸部22を加工するためのコストが
低減するので、安価な変位軸7を提供することができ
る。
【0032】図2は、本発明の第2の実施の形態を示し
ている。なお、本実施の形態において、図1と同様な構
成要素には同一符号を付してその説明を簡略化する。図
2に示すように、変位軸7の支持軸部21を第1ラジア
ルニードル軸受24を介して回転自在に支持するため
に、トラニオン6には有底の支持孔23が形成されてい
る。すなわち、支持孔23の外輪30と反対側には、底
板部45がトラニオン6と一体に設けられており、この
底板部45によってトラニオン6の支持孔23の開口が
塞がれている。
【0033】また、変位軸7の枢支軸部22を第2ラジ
アルニードル軸受25を介して回転自在に支持するため
に、パワーローラ8には有底の挿入孔8bが形成されて
いる。すなわち、挿入孔8bの外輪30と反対側には、
底板部47がパワーローラ8と一体に設けられており、
この底板部47によってパワーローラ8の挿入孔8bの
開口が完全に塞がれている。このパワーローラ8の外輪
30側の端面8cの内周部に、外輪30側に突出する円
筒状の突出部43がパワーローラ8と一体に設けられて
おり、この突出部43の内周面は、パワーローラ8の挿
入孔8bの内周面の一部を形成している。また、第2ラ
ジアルニードル軸受25は、底板部47および外輪30
により、その軸線方向の移動を規制されている。
【0034】上記構成のトロイダル型無段変速機におい
ては、パワーローラ8の挿入孔8bの開口を塞ぐ底板部
47を設けると、底板部47の厚さの分だけパワーロー
ラ8の挿入孔8bの長さが短くなるが、パワーローラ8
に突出部43を設けているので、突出部43の分だけ挿
入孔8bが長くなるため、第2ラジアルニードル軸受2
5を短くしなくても済み、第2ラジアルニードル軸受2
5の負荷容量を確保することができる。また、パワーロ
ーラ8の挿入孔8bの開口を塞ぐ底板部47を設けてい
るので、挿入孔8bを貫通孔にした場合に比べて、駆動
時におけるパワーローラ8の変形がさらに抑制され、こ
れに伴ってパワーローラ8の挿入孔8bの変形もさらに
抑制される。したがって、第2ラジアルニードル軸受2
5とパワーローラ8の挿入孔8bの内周面とがさらに略
平行な状態となり、この挿入孔8bの内周面に対する第
2ラジアルニードル軸受25の抵抗がさらに小さくな
る。このように、第2ラジアルニードル軸受25の負荷
容量を確保できるとともに、パワーローラ8の挿入孔8
bの内周面に対する第2ラジアルニードル軸受25の抵
抗がさらに小さくなるので、第2ラジアルニードル軸受
25の耐久性がさらに向上する。
【0035】また、トラニオン6の支持孔23の開口を
塞ぐ底板部45を設けているので、支持孔23を貫通孔
にした場合に比べて、駆動時におけるトラニオン6の変
形を抑制することができる。
【0036】また、支持孔23および挿入孔8bがそれ
ぞれ底板部45、47によって塞がれていることによ
り、支持軸部21や枢支軸部22が各孔23、8bから
抜けないようにするための止め輪などを設ける必要がな
いので、部品点数の低減を図ることができるとともに、
組み付けミスを少なくすることができる。
【0037】図3は、第3実施の形態を示している。な
お、本実施の形態において、図2と同様な構成要素には
同一符号を付してその説明を簡略化する。図3に示すよ
うに、パワーローラ8と一体に設けられた底板部47に
は、第2ラジアルニードル軸受25の外径よりも径の小
さい貫通孔47aが形成されており、底板部43によっ
てパワーローラ8の挿入孔8bの開口の一部が塞がれて
いる。この底板部47によって、変位軸7の枢支軸部2
2の軸方向の移動を規制するようになっている。なお、
図4に示すように、変位軸7の枢支軸部22の端部に、
底板部32の貫通孔47aを貫通可能な小径部22aを
設け、底板部32の貫通孔43aから突出した小径部2
2aに止め輪45を取り付けるようにしても良い。上記
構成のように、パワーローラ8の底板部43が、パワー
ローラ8の挿入孔8bの開口を完全に塞ぐのではなく、
この開口の一部を塞ぐようにしても、第2実施の形態と
同様な作用効果を奏することができる。
【0038】本発明は、上述した実施の形態に限定され
ず、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形が
可能である。例えば、本実施の形態では、パワーローラ
8の底板部47は、1つの部材でパワーローラ8と一体
に形成されていたが、これに代えて、別体の部材によっ
てパワーローラ8の支持孔8bの開口を塞いで底板部と
しても良い。これは、トラニオン6の底板部45につい
ても同様である。また、本実施の形態では、変位軸7と
外輪30とを1つの部材で一体に形成するようにした
が、これに代えて、変位軸7にこの変位軸7とは別体の
外輪30を固定することによって、変位軸7と外輪30
とを一体に形成するようにしてもよい。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
パワーローラの挿入孔の内周面に対する第2ラジアル軸
受の抵抗を小さくすることができるとともに、第2ラジ
アル軸受の負荷容量を大きくすることができるので、第
2ラジアル軸受の耐久性を向上させることができる。ま
た、パワーローラの変形を抑制するために、パワーロー
ラを大型化しなくてもよいので、トロイダル型無段変速
機の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施の形態を示す断面図であ
る。
【図2】本発明に係る第2実施の形態を示す断面図であ
る。
【図3】本発明に係る第3実施の形態を示す断面図であ
る。
【図4】図3の第3実施の形態の変形例を示す断面図で
ある。
【図5】従来のトロイダル型無段変速機を示す断面図で
ある。
【図6】図4のA−A断面図である。
【図7】従来のパワーローラおよびトラニオンを示す断
面図である。
【図8】従来のパワーローラおよびトラニオンを示す断
面図である。
【図9】従来のパワーローラおよびトラニオンを示す断
面図である。
【符号の説明】
2 入力ディスク 4 出力ディスク 5 枢軸 6 トラニオン 7 変位軸 8 パワーローラ 8b 挿入孔 15 入力軸 21 支持軸部 22 枢支軸部 23 支持孔 24 第1ラジアルニードル軸受(第1ラジアル軸
受) 25 第2ラジアルニードル軸受(第2ラジアル軸
受) 26 スラスト軸受 29 玉(転動体) 30 外輪 43 突出部 47 底板部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力軸と、互いの内周面同士を対向させ
    た状態で互いの相対回転を自在として前記入力軸と同心
    に配置された入力ディスクおよび出力ディスクと、前記
    入力軸に対して捻れの位置にある枢軸を中心として揺動
    するトラニオンと、互いに偏心した支持軸部および枢支
    軸部から成り、このうちの支持軸部が前記トラニオンに
    形成された支持孔内に第1ラジアル軸受により回転自在
    に支持され、前記枢支軸部が前記トラニオンの内周面か
    ら突出された変位軸と、この変位軸の枢支軸部が挿入さ
    れる挿入孔を有し、この挿入孔に挿入された前記枢支軸
    部に第2ラジアル軸受によって回転自在に支持された状
    態で、前記入力ディスクおよび出力ディスクの間に挟持
    されたパワーローラと、このパワーローラと前記トラニ
    オンの内周面との間に設けられ且つ前記パワーローラと
    ともに転動体を挟持する外輪を有し、前記パワーローラ
    に加わるスラスト方向の荷重を支承するスラスト軸受と
    を備えるトロイダル型無段変速機において、 前記パワーローラの前記外輪側の端面に、前記外輪側に
    突出するとともに、内周面が前記パワーローラの前記挿
    入孔の内周面の一部を形成する円筒状の突出部が設けら
    れていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 【請求項2】 前記パワーローラの前記挿入孔に、該挿
    入孔の前記外輪と反対側の開口を塞ぐ底板部が設けられ
    ていることを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型
    無段変速機。
  3. 【請求項3】 前記パワーローラの前記底板部は、前記
    挿入孔の開口の一部を塞いでいることを特徴とする請求
    項2に記載のトロイダル型無段変速機。
  4. 【請求項4】 前記変位軸と前記外輪とが一体に設けら
    れていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいず
    れかに記載のトロイダル型無段変速機。
  5. 【請求項5】 前記第2ラジアル軸受は、前記外輪によ
    り該第2ラジアル軸受の軸線方向への移動を規制される
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記
    載のトロイダル型無段変速機。
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