JP2005249070A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 押圧装置24の設置位置との関係で、1対のキャビティ同士の間でトラクション部の面圧を確保する為に加えられる押圧力が異なる場合でも、この面圧に実用上問題となる様な差が生じない様にする。そして、ダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機の伝達効率及び耐久性を向上させる。
【解決手段】 上記押圧装置24から遠い側に存在する各パワーローラ13b、13bの周面と入力側、出力側両ディスク2b、11bの側面との接触部の位置を、上記押圧装置24に近い側に存在する各パワーローラ13a、13aの周面と入力側、出力側両ディスク2a、11aの側面との接触部の位置よりも径方向内側に位置させる。この構成により、上記課題を解決する。
【選択図】 図1

Description

この発明に係るトロイダル型無段変速機は、例えば自動車用自動変速装置を構成する変速ユニットとして、或はポンプ等の各種産業機械の運転速度を調節する為の変速装置として利用する。
例えば特許文献1〜2等に記載されている様に、自動車用自動変速装置の変速ユニットとして、図4〜6に示す様なトロイダル型無段変速機を使用する事が研究され、一部で実施されている。このトロイダル型無段変速機は、ダブルキャビティ型と呼ばれるもので、特許請求の範囲に記載した回転軸である入力回転軸1の周囲に、それぞれが特許請求の範囲に記載した外側ディスクである1対の入力側ディスク2a、2bを支持している。これら両入力側ディスク2a、2bは上記入力回転軸1に対し、それぞれがトロイド曲面(断面円弧形の凹面)であって特許請求の範囲に記載した軸方向片側面に相当する入力側内側面3、3同士を互いに対向させた状態で、それぞれボールスプライン4、4を介して支持している。従って上記両入力側ディスク2a、2bは、互いに同心に、且つ、同期した回転を自在に支持されている。
又、上記入力回転軸1の中間部は、トロイダル型無段変速機を収納したケーシング5内に設置した隔壁部6に設けた通孔7を挿通している。この通孔7の内径側には、円筒状の出力筒8を、1対の転がり軸受9、9により回転自在に支持しており、この出力筒8の中間部外周面に出力歯車10を固設している。又、この出力筒8の両端部で上記隔壁部6の両外側面から突出した部分に、それぞれが特許請求の範囲に記載した内側ディスクに相当する出力側ディスク11a、11bを、スプライン係合により、上記出力筒8と同期した回転自在に支持している。この状態で、それぞれがトロイド曲面であって特許請求の範囲に記載した軸方向片側面に相当する、上記両出力側ディスク11a、11bの出力側内側面12、12が、上記両入力側内側面3、3に対向する。
又、上記入力回転軸1の周囲で上記入力側、出力側両内側面3、12同士の間部分(キャビティ)に、それぞれ複数個(一般的には2個又は3個)ずつのパワーローラ13a、13bを配置している。これら各パワーローラ13a、13bはそれぞれ、上記入力側、出力側両内側面3、12に転がり接触する周面14、14を球状凸面としたもので、特許請求の範囲の請求項1に記載した支持部材であるトラニオン15a、15bの内側面に、偏心軸16、16と、ラジアルニードル軸受17、17と、スラスト玉軸受18、18と、スラストニードル軸受19、19とにより、回転及び若干の揺動変位自在に支持されている。
即ち、上記各偏心軸16、16は基半部と先半部とが互いに偏心しており、このうちの基半部を上記各トラニオン15a、15bの中間部に、別のラジアルニードル軸受20、20により、揺動変位自在に支持している。上記各パワーローラ13a、13bは、この様な偏心軸16、16の先半部に、上記ラジアルニードル軸受17、17と上記スラスト玉軸受18、18とにより、回転自在に支持している。又、構成各部材の弾性変形に基づく、上記入力回転軸1の軸方向に関する上記各パワーローラ13a、13bの変位を、上記別のラジアルニードル軸受20、20と上記各スラストニードル軸受19、19とにより、自在としている。
又、上記各トラニオン15a、15bは、それぞれの長さ方向(図5の表裏方向、図4、6の上下方向)両端部にこれら各トラニオン15a、15b毎に互いに同心に設けられた枢軸21、21を中心として揺動変位自在である。これら各トラニオン15a、15bを揺動(傾斜)させる動作は、油圧式のアクチュエータ22、22によりこれら各トラニオン15a、15bを上記各枢軸21、21の軸方向に変位させる事により行なう。上記各アクチュエータ22、22の受圧面積は、互いに等しく(同径のものを使用)している。変速時には、上記各アクチュエータ22、22への圧油の給排により、上記各トラニオン15a、15bを上記各枢軸21、21の軸方向に変位させる。この結果、上記各パワーローラ13a、13bの周面14、14と上記入力側、出力側各ディスク2a、2b、11a、11bの入力側、出力側各内側面3、12との接触部(トラクション部)の接線方向に作用する力の方向が変化するので、上記各トラニオン15a、15bが上記各枢軸21、21を中心として揺動変位する。
上述の様なトロイダル型無段変速機の運転時には、エンジン等の動力源に繋がる駆動軸23により一方(図4〜5の左方)の入力側ディスク2aを、ローディングカム式の押圧装置24を介して回転駆動する。この結果、前記入力回転軸1の両端部に支持された1対の入力側ディスク2a、2bが、互いに近づく方向に押圧されつつ同期して回転する。そして、この回転が、上記各パワーローラ13a、13bを介して上記両出力側ディスク11a、11bに伝わり、前記出力歯車10から取り出される。
上記入力回転軸1と出力歯車10との回転速度の比を変える場合で、先ず入力回転軸1と出力歯車10との間で減速を行なう場合には、上記各トラニオン15a、15bを図5に示す位置に揺動させ、上記各パワーローラ13a、13bの周面14、14をこの図5に示す様に、上記両入力側ディスク2a、2bの入力側内側面3、3の中心寄り部分と上記両出力側ディスク11a、11bの出力側内側面12、12の外周寄り部分とにそれぞれ転がり接触させる。反対に、増速を行なう場合には、上記各トラニオン15a、15bを図5と反対方向に揺動させ、上記各パワーローラ13a、13bの周面14、14を、図5に示した状態とは逆に、上記両入力側ディスク2a、2bの入力側内側面3、3の外周寄り部分と上記両出力側ディスク11a、11bの出力側内側面12、12の中心寄り部分とにそれぞれ転がり接触させる。上記各トラニオン15a、15bの揺動角度を中間にすれば、上記入力回転軸1と出力歯車10との間で、中間の速度比(変速比)を得られる。
尚、上述の様なダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機では、各キャビティ同士の間で、伝達するトルクの大きさを同じにしている。この為に、前記各アクチュエータ22、22内に存在する高圧室と低圧室との油圧の差を、これら各アクチュエータ22、22同士の間で、互いに等しくしている。トロイダル型無段変速機の技術分野で周知の様に、上記各アクチュエータ22、22は、所謂2Ftと呼ばれる、上記両キャビティ部分で伝達するトルクに比例したスラスト力が加わる。従って、上記各アクチュエータ22、22内に存在する高圧室と低圧室との油圧の差を、これら各アクチュエータ22、22同士の間で互いに等しくすれば、上記各パワーローラ13a、13bが伝達するトルクが互いに等しくなる。この様に、これら各パワーローラ13a、13bが伝達するトルクを互いに等しくする事で、一部のパワーローラに過度な負担が加わる事を防止し、伝達効率及び耐久性の確保を図っている。又、ダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機と遊星歯車式の変速機とを組み合わせた無段変速装置に関する発明が、例えば特許文献3に記載されて従来から知られている。又、押圧装置として油圧式のものを使用する事も、上記特許文献3に記載される等により、従来から知られている。
上述の様なトロイダル型無段変速機の運転時には、押圧装置24に近い側(図4〜5の左側)のキャビティと、同じく遠い側(図4〜5の右側)のキャビティとで、各キャビティを構成する入力側ディスク2a、2bを出力側ディスク11a、11bに押圧する力が異なる事が避けられない。具体的には、上記押圧装置24に近い側のキャビティを構成する入力側ディスク2aに加わる押圧力に比べて、上記遠い側のキャビティを構成する入力側ディスク2bに加わる押圧力が小さくなる。この理由は、次の通りである。
上記押圧装置24に近い側のキャビティを構成する入力側ディスク2aには、この押圧装置24が発生する押圧力が直接加わる。従って、これら押圧装置24と入力側ディスク2aとの間で、この押圧力が低下する程度は、この入力側ディスク2aの内径側に設けたボールスプライン4の転がり抵抗に基づくだけの、極く僅かである。これに対して、上記押圧装置24が発生した押圧力が上記遠い側のキャビティを構成する入力側ディスク2bに伝わる迄の間には、多くの抵抗が存在する。
具体的には、上記入力側ディスク2aの内径側に設けたボールスプライン4の転がり抵抗に加え、次の(1) 〜(4) 部分が、上記遠い側のキャビティを構成する入力側ディスク2bに加わる押圧力を低下させる抵抗として働く。
(1) 前記駆動軸23から上記押圧装置24を構成するカム板25に駆動力を伝達する為の凹凸係合部26の、前記入力回転軸1の軸方向の変位に対する摩擦抵抗。
(2) 上記駆動軸23の先端部外周面と前記入力回転軸1の基端部内周面との間に設けたブッシュ27の、上記入力回転軸1の軸方向の変位に対する摩擦抵抗。
(3) 前記各出力側ディスク11a、11bの内周面と上記入力回転軸1の外周面との間に設けたラジアルニードル軸受28、28の、上記入力回転軸1の軸方向の変位に対する摩擦抵抗。
(4) 上記入力回転軸1の先端部をハウジング5に回転自在に支持する為のラジアルニードル軸受29の、上記入力回転軸1の軸方向の変位に対する摩擦抵抗。
これら各部分の摩擦抵抗は、上記押圧力を伝達すべく、上記入力回転軸1が図4〜5の左方に変位する事に対する抵抗になって、その分、上記遠い側のキャビティを構成する入力側ディスク2bに加わる押圧力を低下させる。
この様な原因で上記押圧装置24から遠い側のキャビティを構成する入力側ディスク2bに加わる押圧力が、前記近い側のキャビティを構成する入力側ディスク2aに加わる押圧力よりも低くなると、トロイダル型無段変速機の伝達効率確保と耐久性確保とを、高次元で両立させる事が難しくなる。この理由は、次の通りである。即ち、伝達効率を確保する為には、前記各入力側内側面3、3及び前記各出力側内側面12、12と、前記各パワーローラ13a、13bの周面14、14との転がり接触部(トラクション部)で過大な滑りが発生せず、且つ、この転がり接触部の面圧をできるだけ低く抑える事が重要になる。
このうち、過大な滑りを抑える為には、伝達トルクの大きさに応じて、上記転がり接触部の面圧を確保する必要がある。この面圧が伝達トルクに対応した適正値よりも小さい場合には、上記転がり接触部で過大な滑りが発生し、伝達効率が悪化するだけでなく、過大な滑りにより局所的に著しい発熱を生じ、油膜切れを起こして著しい摩耗が発生し、耐久性が低下する。これに対して、上記面圧が大き過ぎた場合には、上記転がり接触部での弾性変形量が過大になって転がり抵抗が増大し、伝達効率が悪化するだけでなく、過大な面圧により転がり疲れ寿命が低下し、耐久性も悪化する。この様に、面圧が過小であっても、或は過大であっても、伝達効率と耐久性との双方が悪化するが、悪化の程度は、過小である場合の方が著しい。
この様に、前述の図4〜5に示した従来構造の場合には、両キャビティ同士の間で押圧力に差が生じる。この為、この押圧力が低い側(図4〜5の右側)のキャビティ部分でも、この押圧力(に基づくトラクション部の面圧)が過小にならない様に、前記押圧装置24が発生する押圧力を設定する必要がある。従って、この押圧装置24に隣接した、図4〜5の左側のキャビティ部分では、上記押圧力(に基づくトラクション部の面圧)が過大になる。この結果、このキャビティ部分では、前述した理由により、伝達効率及び耐久性が悪化する事が避けられない。押圧装置を各キャビティ毎に設ければ上述の様な問題はなくなるが、コストが嵩むだけでなく、トロイダル型無段変速機全体としての軸方向寸法が嵩み重量が増大する等、実用的な解決手段とは言えない。
尚、特許文献4、5には、トロイダル型無段変速機で、各ディスクの内側面と各パワーローラの周面との転がり接触部の位置を工夫する発明が記載されている。但し、上記特許文献4、5に記載された発明は、トルク伝達に伴う各部の弾性変形に拘らず、上記各ディスクの内側面にエッヂロードが加わるのを防止して、トラクション部の耐久性確保を図るものである。以下に詳述する本発明の様に、各ディスクの内側面と各パワーローラの周面との転がり接触部の位置を、押圧装置の設置位置との関係で1対のキャビティ同士の間で異ならせ、ダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機の伝達効率及び耐久性を向上させる事を意図しているものではない。
特開平2−283949号公報 特開平6−280959号公報 特開2003−314645号公報 特開平8−4868号公報 特許第3458861号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑み、押圧装置の設置位置との関係で、トラクション部の面圧を確保する為に加えられる押圧力が異なる場合でも、この面圧に実用上問題となる程の差が生じない様にして、ダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機の伝達効率及び耐久性を向上させるべく発明したものである。
本発明のトロイダル型無段変速機は、前述した図4〜6に示す従来構造と同様に、回転軸と、1対の外側ディスクと、内側ディスクと、複数個の支持部材と、複数個のパワーローラと、押圧装置とを備える。
このうちの回転軸は、ケーシング内に支持されている。
又、上記両外側ディスクは、それぞれが断面円弧形の凹面である互いの軸方向片側面同士を対向させた状態で上記回転軸の軸方向2個所位置に、この回転軸と同期した回転を自在として支持されている。
又、上記内側ディスクは、上記回転軸の中間部周囲に、断面円弧形の凹面である軸方向両側面を上記両外側ディスクの軸方向片側面に対向させた状態で、上記回転軸に対する相対回転を自在に、且つ、この回転軸の軸方向に関する移動を阻止された状態で支持されている。
又、上記各支持部材は、軸方向に関して上記内側ディスクの軸方向側面と上記両外側ディスクの軸方向片側面との間位置にそれぞれ複数個ずつ、上記回転軸に対し捩れの位置にある枢軸を中心とする揺動変位を自在に設けられている。
又、上記各パワーローラは、上記各支持部材に回転自在に支持され、球状凸面としたそれぞれの周面を、上記内側ディスクの軸方向側面と上記両外側ディスクの軸方向片側面とに転がり接触させている。
更に、上記押圧装置は、上記両外側ディスクのうちの一方の外側ディスクを他方の外側ディスクに向けて押圧する。
特に、本発明のトロイダル型無段変速機に於いては、上記押圧装置から遠い側に存在する各パワーローラの周面と上記各ディスクの側面との接触部の位置を、上記押圧装置に近い側に存在する各パワーローラの周面と上記各ディスクの側面との接触部の位置よりも、これら各ディスクの径方向に関して内側に位置させている。
上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段変速機によれば、押圧装置が発生する押圧力が1対の外側ディスクに伝わる迄の間に存在する、抵抗となる部分の相違により、これら両外側ディスクを内側ディスクに押圧する力が異なっても、各トラクション部の面圧の差を、0乃至は実用上問題ない程度に抑えられる。この結果、これら各トラクション部に加わる面圧を、何れのトラクション部に就いても適正にし、これら各トラクション部に過大な面圧が作用する事を防止して、トロイダル型無段変速機の伝達効率及び耐久性の向上を図れる。
本発明を実施する好ましい形態としては、請求項2に記載した様に、トロイダル型無段変速機をハーフトロイダル型とする。そして、各支持部材は、それぞれの両端部に互いに同心の枢軸を設けたトラニオンとする。又、各パワーローラは、これら各トラニオンの中間部にその基半部を枢支すると共に、その先半部をこれら各トラニオンの内側面から突出させた偏心軸のうちの先半部周囲に回転自在に支持する。又、これら各パワーローラと上記各トラニオンの内側面との間には、これら各パワーローラの側から順番に、これら各パワーローラに加わるスラスト荷重を支承しつつこれら各パワーローラの回転を許容するスラスト玉軸受と、このスラスト玉軸受を構成する外輪が上記各偏心軸の基半部を中心として揺動変位する事を許容する第二のスラスト軸受とを設ける。
そして、押圧装置から遠い側に存在する各パワーローラと各トラニオンの内側面との間に設ける第二のスラスト軸受の、これら各パワーローラの軸方向に関する寸法を、上記押圧装置に近い側に存在する各パワーローラと各トラニオンの内側面との間に設ける第二のスラスト軸受の、これら各パワーローラの軸方向に関する寸法よりも大きくする。
この様に構成すれば、パワーローラやトラニオン、更には各ディスク等、比較的コストが嵩む部材に関しては、各キャビティ同士の間で同一仕様(同一形状且つ同一寸法)のものを使用できる。この為、構成部材の製造コストの増大を抑えられる。
上述の様な請求項2に係る発明を実施する場合に、更に好ましくは、請求項3に記載した様に、上記第二のスラスト軸受を、スラストレースと複数のニードルとを備えたスラストニードル軸受とする。そして、上記押圧装置から遠い側に存在するスラストニードル軸受のスラストレースの厚さ寸法を、この押圧装置に近い側に存在するスラストニードル軸受のスラストレースの厚さ寸法よりも大きくする。
この様な構成を採用すれば、単純な形状(単なる平板状)で低コストで造れる部材の厚さを変えるのみで済む為、本発明を最も低コストで実施できる。
図1は、請求項1〜3の総てに対応する、本発明の実施例を示している。尚、本実施例の特徴は、押圧装置24に近い側のキャビティと同じく遠い側のキャビティとで各トラクション部の面圧の差を小さくすべく、これら各トラクション部の位置を、各ディスク2a、11a、2b、11bの径方向に関して互いに異ならせた点にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図4〜6に示した従来構造と同様であるから、重複する図示及び説明は省略若しくは簡略にし、以下、本実施例の特徴部分を中心に説明する。
本実施例の場合、各パワーローラ13a、13bの外側面と各トラニオン15a、15bの内側面との間に、これら各パワーローラ13a、13bの側から順番に、スラスト玉軸受18、18とスラストニードル軸受19a、19bとを設けている。このうちのスラスト玉軸受18、18は、上記各パワーローラ13a、13bに加わるスラスト荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ13a、13bの回転を許容する為のものである。又、上記各スラストニードル軸受19a、19bは、上記各スラスト玉軸受18、18を構成する外輪30、30が各偏心軸16、16の基半部を中心として揺動変位する事を許容する為のものである。以上の構成は、従来から一般的に知られているトロイダル型無段変速機と同様である。
特に、本実施例のトロイダル型無段変速機の場合には、上記各スラストニードル軸受19a、19bの、上記各パワーローラ13a、13bの軸方向(図1〜2の上下方向)に関する厚さ寸法を、1対のキャビティ同士の間で、互いに異ならせている。具体的には、押圧装置24から遠い側(図1の右側)に存在する各パワーローラ13b、13bと各トラニオン15b、15bの内側面との間に設ける各スラストニードル軸受19b、19bの厚さ寸法Tb を、上記押圧装置24に近い側(図1の左側)に存在する各パワーローラ13a、13aと各トラニオン15a、15aの内側面との間に設ける各スラストニードル軸受19a、19aの厚さ寸法Ta よりも大きく(Tb >Ta )している。この為に本実施例の場合には、上記押圧装置24から遠い側に存在するスラストニードル軸受19bを構成するスラストレース31bの厚さ寸法tb を、上記押圧装置24に近い側に存在するスラストニードル軸受19aを構成するスラストレース31aの厚さ寸法ta よりも大きく(tb >ta )している。
他の部材、即ち、前記各入力側ディスク2a、2b、前記各出力側ディスク11a、11b、上記各パワーローラ13a、13b、上記各トラニオン15a、15bの形状及び寸法は、1対のキャビティ同士の間で、互いに同じとしている。従って、上記各スラストレース31a、31bの厚さ寸法ta 、tb を上述の様に規制する事に伴い、上記各パワーローラ13a、13bの周面14、14と上記両入力側ディスク2a、2bの入力側内側面3、3及び上記両出力側ディスク11a、11bの出力側内側面12、12との転がり接触位置が、上記両キャビティ同士の間で互いに異なる。具体的には、上記押圧装置24から遠い側に存在する上記各パワーローラ13b、13bの周面14、14と上記入力側ディスク2bの入力側内側面3及び上記出力側ディスク11bの出力側内側面12との接触部の位置(図1〜2のα点)を、上記押圧装置24に近い側に存在する上記各パワーローラ13a、13aの周面14、14と上記入力側ディスク2aの入力側内側面3及び上記出力側ディスク11aの出力側内側面12との接触部の位置(図1〜2のβ点)よりも、これら各ディスク2a、2b、11a、11bの径方向に関して、図1〜2のδ分だけ、内側に(入力回転軸1の近くに)位置させている。
上述の様に構成する本実施例のトロイダル型無段変速機によれば、上記押圧装置24が発生する押圧力が1対の入力側ディスク2a、2bに伝わる迄の間に存在する、抵抗となる部分の相違により、これら両入力側ディスク2a、2bを上記両出力側ディスク11a、11bに押圧する力が異なっても、各トラクション部の面圧の差を、0乃至は実用上問題ない程度に抑えられる。この結果、これら各トラクション部に加わる面圧を、何れのトラクション部に就いても適正にし、これら各トラクション部に過大な面圧が作用する事を防止して、トロイダル型無段変速機の伝達効率及び耐久性の向上を図れる。
尚、上記各トラクション部(接触点)を上記入力回転軸1の近くに位置させると、接触点の開き角θは小さくなる。即ち、図2に示す様に、上記押圧装置24に近い側のキャビティ内のパワーローラ13aに関する開き角θa が、遠い側のキャビティ内のパワーローラ13bに関する開き角θb よりも大きく(θa >θb )なる。この様に1対のキャビティ同士の間で開き角θが異なると、同じ変速比を実現する為の傾転角φも異なり(開き角θが小さくなる程傾転角φも小さくなり)、変速動作の為に各トラニオン15a、15bを枢軸21、21(図6参照)を中心に揺動変位させる揺動角度も異なる(開き角θが小さくなる程揺動角度が大きくなる)。但し、この様な、両キャビティ同士の間で変速比を互いに一致させる為、揺動角度を互いに異ならせる調節は、容易に行なえる。
そこで、入力回転軸1の軸方向に関する押圧力の相違に拘らず、上記各トラクション部の面圧を均一にできる理由に就いて、図3を参照しつつ説明する。上記押圧装置24が発生する押圧力をFaとし、各キャビティ毎のパワーローラの数(図示の例では2)をnとした場合、トラクション部の面圧(接触面押し付け力)Fcは、次の(1)式で表される。
Fc=(Fa/n)/ sinφ −−− (1)
で表せる。
一方、上記入力回転軸1に入力されるトルクをTinとし、トラクション係数をμとし、入力側内側面3に関するトラクション部の公転半径をr1 とし、各トラクション部で伝達する力をFtとした場合、次の(2)式が成り立つ。
in=n・r1 ・Ft=n・r1 ・μ・Fc −−− (2)
これら(1)(2)式からFcを消去すると、次の(3)式を得られる。
Fa=(Tin・ sinφ)/(r1 ・μ) −−− (3)
又、前記入力側ディスク2a、2bの描く仮想最小長さe0 をキャビティ半径R12で除す事により得られるアスペクト比をk0 とすると、上記公転半径r1 は、次の(4)式で求められる。
1 =R12(1+k0 −cos φ) −−− (4)
上記(3)式に、この(4)式とアスペクト比k0 を代入すると、次の(5)式を得られる。
Fa=(Tin・ sinφ)/{μ・R12(1+k0 −cos φ)} −−− (5)
更に、この(5)式を上記(1)式に代入して、次の(6)式を得られる。
Fc=Tin/n・{μ・R12(1+k0 − cosφ)} −−− (6)
ハーフトロイダル型無段変速機の場合には、傾転角φは180度未満(0<φ<180度)であり、 cosφは減少関数である。即ち、上記各トラクション部が上記入力回転軸1に近付き、上記傾転角φが小さくなる程、トラクション部の面圧(接触面押し付け力)Fcは大きくなる。従って、前記押圧装置24が発生する押圧力Faが出力側ディスク11bに伝わる迄の経路の途中に多くの抵抗が存在する為に押圧力Faが小さくなる、上記押圧装置24から遠い側のキャビティ部分で、上記各トラクション部を上記入力回転軸1に近付ければ、この入力回転軸1の軸方向に関する押圧力の相違に拘らず、上記各トラクション部の面圧を均一にできる。
尚、内側ディスクである出力側ディスク11a、11bは、図示の様に、互いに独立したものを出力筒8により連結したものであっても良いが、1対の出力側ディスクの外側面同士を突き合わせた如き、一体型の構造でも良い。この様な一体型の出力側ディスクを軸方向に関する移動を阻止された状態で支持する為には、例えば前述の特許文献3に記載された構造を採用できる。又、トラクション部の面圧を確保する為の押圧装置にしても、図示の様なローディングカム式のものに限らず、上記特許文献3に記載された様な油圧式のものも採用できる。更には、上記押圧装置24から遠い側のキャビティ部分で、上記各トラクション部を上記入力回転軸1に近付ける為の構造は、図示の構造に限定されない。例えば、各スラストニードル軸受を構成するニードルの径を異ならせたり、各スラスト玉軸受を構成する玉の直径を異ならせたり、更にはパワーローラや各ディスク、或は各トラニオンの寸法、形状を異ならせたりして、上記各トラクション部の位置を調節する事もできる。
本発明の実施例を示す、図5と同様の断面図。 各パワーローラの周面と各ディスクの側面との転がり接触部の位置を異ならせる状態を説明する為、両キャビティに組み込んだパワーローラを、中立位置で半分ずつ組み合わせた状態で示す断面図。 上記転がり接触部の位置を変える事で押圧力を調節できる理由を説明する為の模式図。 従来構造の第1例を示す断面図。 図4のA−A断面図。 同B−B断面図。
符号の説明
1 入力回転軸
2a、2b 入力側ディスク
3 入力側内側面
4 ボールスプライン
5 ケーシング
6 隔壁部
7 通孔
8 出力筒
9 転がり軸受
10 出力歯車
11a、11b 出力側ディスク
12 出力側内側面
13a、13b パワーローラ
14 周面
15a、15b トラニオン
16 偏心軸
17 ラジアルニードル軸受
18 スラスト玉軸受
19、19a、19b スラストニードル軸受
20 ラジアルニードル軸受
21 枢軸
22 アクチェータ
23 駆動軸
24 押圧装置
25 カム板
26 凹凸係合部
27 ブッシュ
28 ラジアルニードル軸受
29 ラジアルニードル軸受
30 外輪
31a、31b スラストレース

Claims (3)

  1. ケーシング内に支持された回転軸と、それぞれが断面円弧形の凹面である互いの軸方向片側面同士を対向させた状態でこの回転軸の軸方向2個所位置に、この回転軸と同期した回転を自在として支持された1対の外側ディスクと、この回転軸の中間部周囲に、断面円弧形の凹面である軸方向側面をこれら両外側ディスクの軸方向片側面に対向させた状態で、上記回転軸に対する相対回転を自在に、且つ、この回転軸の軸方向に関する移動を阻止された状態で支持された内側ディスクと、軸方向に関してこの内側ディスクの軸方向側面と上記両外側ディスクの軸方向片側面との間位置にそれぞれ複数個ずつ、上記回転軸に対し捩れの位置にある枢軸を中心とする揺動変位を自在に設けられた支持部材と、これら各支持部材に回転自在に支持され、球状凸面としたそれぞれの周面を、上記内側ディスクの軸方向側面と上記両外側ディスクの軸方向片側面とに転がり接触させたパワーローラと、上記両外側ディスクのうちの一方の外側ディスクを他方の外側ディスクに向けて押圧する押圧装置とを備えたトロイダル型無段変速機に於いて、この押圧装置から遠い側に存在する各パワーローラの周面と上記各ディスクの側面との接触部の位置を、上記押圧装置に近い側に存在する各パワーローラの周面と上記各ディスクの側面との接触部の位置よりも、これら各ディスクの径方向に関して内側に位置させた事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. トロイダル型無段変速機がハーフトロイダル型であり、各支持部材は、それぞれの両端部に互いに同心の枢軸を設けたトラニオンであり、各パワーローラは、これら各トラニオンの中間部にその基半部を枢支すると共に、その先半部をこれら各トラニオンの内側面から突出させた偏心軸のうちの先半部周囲に回転自在に支持されており、これら各パワーローラと上記各トラニオンの内側面との間には、これら各パワーローラの側から順番に、これら各パワーローラに加わるスラスト荷重を支承しつつこれら各パワーローラの回転を許容するスラスト玉軸受と、このスラスト玉軸受を構成する外輪が上記各偏心軸の基半部を中心として揺動変位する事を許容する第二のスラスト軸受とが設けられており、押圧装置から遠い側に存在する各パワーローラと各トラニオンの内側面との間に設ける第二のスラスト軸受の、これら各パワーローラの軸方向に関する寸法を、上記押圧装置に近い側に存在する各パワーローラと各トラニオンの内側面との間に設ける第二のスラスト軸受の、これら各パワーローラの軸方向に関する寸法よりも大きくした、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機。
  3. 第二のスラスト軸受が、スラストレースと複数のニードルとを備えたスラストニードル軸受であり、押圧装置から遠い側に存在するスラストニードル軸受のスラストレースの厚さ寸法が、この押圧装置に近い側に存在するスラストニードル軸受のスラストレースの厚さ寸法よりも大きい、請求項2に記載したトロイダル型無段変速機。
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