JP4710726B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents
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Description
このうちの回転軸は、例えばケーシング内に回転自在に支持されている。
又、上記両外側ディスクは、それぞれが断面円弧形の凹面(トラクション面)である互いの軸方向片側面同士を対向させた状態で、上記回転軸の軸方向2個所位置に、この回転軸と同期した回転を自在として支持されている。
又、上記内側ディスクは、上記回転軸の中間部に、それぞれが断面円弧形の凹面(トラクション面)である軸方向両側面を上記両外側ディスクの軸方向片側面にそれぞれ対向させた状態で、上記回転軸に対する相対回転を自在に支持されている。
又、上記各支持部材は、軸方向に関して上記内側ディスクの軸方向各側面と上記各外側ディスクの軸方向片側面との間位置にそれぞれ複数個ずつ、上記回転軸に対し捩れの位置にある枢軸を中心とする揺動変位を自在に設けられている。
又、上記各パワーローラは、上記各支持部材に回転自在に支持され、球状凸面としたそれぞれの周面を、上記内側ディスクの軸方向各側面と上記各外側ディスクの軸方向片側面とに当接(転がり接触)させている。
尚、この様に許容揺動量A、Bを規制する為には、例えば上記各パワーローラを支持する為の支持部材の揺動量を規制する。より具体的には、例えばこれら各支持部材がそれ以上揺動するのを阻止する為のストッパを、これら各支持部材と固定の部分との間に設ける事により、これら各支持部材延いては上記各パワーローラの揺動量がA>Bとなる様に、機械的に規制する。或いは、これら各支持部材の揺動を制御する為の制御器の設定により、これら各支持部材延いては上記各パワーローラの揺動量がA>Bとなる様に、油圧制御式、或は制御器でのソフトウェア式に規制する事もできる。
尚、「実質的に全周に亙って当接させる」構造には、全周に亙って完全に当接させる事は勿論、後述する本発明の効果を得られる範囲{例えば内側ディスクの弾性変形を所望通りに抑えられ、且つ、この内側ディスクの軸方向寸法(肉厚)を可及的小さくできる範囲}で、円周方向に関し不連続(例えば円周方向に関し間欠的)に当接する場合も含む。例えば、互いに当接する各ディスクの各背面に、又は、互いに当接する各背面と上記他の部材の当接面との間に、(当接面同士のフレッチング摩耗等を防止すべく)径方向内外に亙り潤滑油を流通させる為の通油路を設ける事により、円周方向に間欠的(不連続)に当接させる場合も含むものとする。これに対して、例えば前記特許文献1、2等に記載された構造の様な、内側ディスクを構成する1対のディスク同士の間にローディングカム式の押圧装置を設け、この押圧装置を構成する(放射方向に設けられた)ローラを介して上記両ディスクの背面同士を円周方向に関し間欠的に当接させる構成は含まない。
即ち、内側ディスクの軸方向両側面(トラクション面)には、この内側ディスクの円周方向に関して互いに整合する位置に設けられ、且つ、この内側ディスクの軸方向中心でこの内側ディスクの中心軸に垂直に交わる仮想平面に関し互いに対称の状態で揺動する各パワーローラからの荷重が、軸方向に関し略等しい大きさで加わる。この為、例えば上記内側ディスクを一体に形成したもの(請求項1の構造)としたり、或いは、1対のディスクの背面同士の一部を実質的に全周に亙って当接させたもの(請求項2の構造)とする事により、上記各パワーローラから加わる上記荷重(の軸方向成分)を、互いに打ち消し合う様にできる(相殺できる)。この結果、転がり接触部が外径側に位置する場合でも、上記内側ディスクを軸方向に湾曲させる方向に加わる曲げ応力を、極く小さく(殆ど0に)抑えられる。
図1は、請求項1に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例の特徴は、変速比1の状態からの各パワーローラ12、12の揺動量を工夫(規制)する事により、変速比幅を確保しつつ、トロイダル型無段変速機を小型、軽量に構成する点にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図6に示した構造と同様であるから、重複する図示及び説明を省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。尚、上記図1(並びに後述する図3、4)では、各パワーローラ12、12の傾斜方向(変速状態)を、上半部と下半部とで異ならせている。但し、実際の運転時にこれら各パワーローラ12、12は、例えば前述の図6に示した様に、上半部、下半部共、入力側、出力側各ディスク2a、2b、10の径方向に関して同方向(同じ変速状態)に傾斜する。
即ち、上記出力側ディスク10の軸方向両側面(トラクション面)には、図2の(a)に示す様に、この出力側ディスク10の円周方向に関して互いに整合する位置に設けられ、且つ、この出力側ディスク10の軸方向中心でこの出力側ディスク10の中心軸に垂直に交わる仮想平面Xに関し互いに対称の状態で揺動する上記各パワーローラ12、12からの荷重F、Fが、軸方向に関し等しい大きさで加わる。そして、本例の場合には、上記出力側ディスク10を一体に形成したものとしている為、上記各パワーローラ12、12から加わる上記荷重F、F(の軸方向成分)を、互いに打ち消し合う様にできる(相殺できる)。この結果、上記出力側ディスク10に、この出力側ディスク10を軸方向に湾曲させる方向に加わる曲げ応力を、転がり接触部が外径側に位置する場合でも、極く小さく(ほぼ0に)抑えられる。
尚、本例の場合は、押圧装置6aとして油圧式でダブルピストン型のものを使用している。
図3は、請求項2に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。上述の第1例の場合が、特許請求の範囲に記載した内側ディスクに相当する出力側ディスク10(図1参照)を一体型のものとしていたのに対して、本例の場合は、この出力側ディスク10を1対のディスク17、17を結合固定する事により構成している。この様な本例の場合は、これら各ディスク17、17の互いの背面同士を対向させると共に、これら背面同士の間で動力伝達用の出力歯車9bを挟持した状態で、互いに結合固定している。即ち、これら各ディスク17、17を、互いの軸方向の相対変位を不能に、且つ、互いの両背面の径方向外周縁部同士を上記出力歯車9bを介して全周に亙って当接させた状態で、これら各ディスク17、17と出力歯車9bとを互いに同期した回転を可能に結合固定している。この様な本例の場合も、前述した第1例と同様に、各パワーローラ12、12の許容揺動量(許容首振り角)A、Bを、A>Bに規制している。
その他の構成及び作用は、前述した第1例と同様であるから、重複する説明は省略する。
図4は、同じく請求項2に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合も、特許請求の範囲に記載した内側ディスクに相当する出力側ディスク10を1対のディスク17a、17aにより構成している。即ち、本例の場合は、出力筒7aの中間部外周面に出力歯車9cを固設すると共に、この出力筒7aの両端部に上記各ディスク17a、17aをスプライン係合させ、これら出力筒7aとこれら各ディスク17a、17aとを同期した回転を自在に結合している。又、これら各ディスク17a、17aの背面同士のうちの径方向中間部から外周縁部までの径方向に関する一部(好ましくは、上記各ディスク17a、17aの背面の径方向中央位置よりも外径寄り部分)を、上記出力歯車9cを構成する歯基部21を介して、全周に亙り完全に当接させている。尚、これら歯基部21の軸方向両側面と上記各背面のうちのこれら両側面と当接する部分とは、必ずしも全周に亙って当接させる必要はない。
その他の構成及び作用は、前述した第1、2例と同様であるから、重複する説明は省略する。
図5は、本発明に関する参考例の1例を示している。前述の実施の形態の第1、2例並びに上述の第3例の場合は、内側ディスクを、一体に形成したものとしたり、或いは、1対のディスク17、17a(図3、4参照)の背面同士の一部を出力歯車9b、9cを介して(実質的に)全周に亙って当接させたものとする事により、上記内側ディスクに加わる荷重(の軸方向成分)を互いに打ち消し合う様にしている(相殺している)。これに対して本参考例の場合は、この様な内側ディスクの構成は採用していない。但し、各パワーローラ12、12の許容揺動量(許容首振り角)A、Bは、前述の実施の形態の第1、2例並びに上述の第3例と同様に、A>Bに規制している。
2a、2b 入力側ディスク
3 入力側内側面
4 ケーシング
5 隔壁部
6 通孔
7、7a 出力筒
8 転がり軸受
9、9a、9b、9c 出力歯車
10、10a、10b 出力側ディスク
11 出力側内側面
12 パワーローラ
13 周面
14 トラニオン
15 駆動軸
16、16a 押圧装置
17、17a ディスク
18 ディスク
19 外側ディスク
20 側面
21 歯基部
Claims (2)
- 回転軸と、それぞれが断面円弧形の凹面である互いの軸方向片側面同士を対向させた状態で、この回転軸の軸方向2個所位置に、この回転軸と同期した回転を自在として支持された1対の外側ディスクと、この回転軸の中間部に、それぞれが断面円弧形の凹面である軸方向両側面をこれら両外側ディスクの軸方向片側面にそれぞれ対向させた状態で、上記回転軸に対する相対回転を自在に支持された内側ディスクと、軸方向に関してこの内側ディスクの軸方向両側面と上記両外側ディスクの軸方向片側面との間位置にそれぞれ複数個ずつ、上記回転軸に対し捩れの位置にある枢軸を中心とする揺動変位を自在に設けられた支持部材と、これら各支持部材に回転自在に支持され、球状凸面としたそれぞれの周面を、上記内側ディスクの軸方向両側面と上記両外側ディスクの軸方向片側面とに当接させたパワーローラとを備えたトロイダル型無段変速機に於いて、上記両外側ディスクと上記内側ディスクとの間の変速比を1とした状態からの、上記各パワーローラの、上記内側ディスクの径方外側への許容揺動量をAとし、同じく上記各外側ディスクの径方向外側への許容揺動量をBとした場合に、A>Bに規制すると共に、上記内側ディスクを単一の部材により構成した事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
- 回転軸と、それぞれが断面円弧形の凹面である互いの軸方向片側面同士を対向させた状態で、この回転軸の軸方向2個所位置に、この回転軸と同期した回転を自在として支持された1対の外側ディスクと、この回転軸の中間部に、それぞれが断面円弧形の凹面である軸方向両側面をこれら両外側ディスクの軸方向片側面にそれぞれ対向させた状態で、上記回転軸に対する相対回転を自在に支持された内側ディスクと、軸方向に関してこの内側ディスクの軸方向両側面と上記両外側ディスクの軸方向片側面との間位置にそれぞれ複数個ずつ、上記回転軸に対し捩れの位置にある枢軸を中心とする揺動変位を自在に設けられた支持部材と、これら各支持部材に回転自在に支持され、球状凸面としたそれぞれの周面を、上記内側ディスクの軸方向両側面と上記両外側ディスクの軸方向片側面とに当接させたパワーローラとを備えたトロイダル型無段変速機に於いて、上記両外側ディスクと上記内側ディスクとの間の変速比を1とした状態からの、上記各パワーローラの、上記内側ディスクの径方外側への許容揺動量をAとし、同じく上記各外側ディスクの径方向外側への許容揺動量をBとした場合に、A>Bに規制すると共に、上記内側ディスクを、1対のディスクを、互いの背面同士を対向させた状態で結合して成るものとし、これら背面同士のうちの径方向中間部から外周縁部までの少なくとも径方向に関する一部を、直接、又は、他の部材を介して、実質的に全周に亙って当接させた事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
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