JP6508380B2 - トロイダル型無段変速機用パワーローラユニット - Google Patents

トロイダル型無段変速機用パワーローラユニット Download PDF

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Description

この発明は、例えば車両(自動車)用の自動変速機、建設機械(建機)用の自動変速機、航空機(固定翼機、回転翼機、飛行船等)等で使用されるジェネレータ(発電機)用の自動変速機、ポンプ等の各種産業機械の運転速度を調節する為の自動変速機として利用する、ハーフトロイダル型のトロイダル型無段変速機に組み込まれるパワーローラユニットの改良に関する。
自動車用変速装置としてハーフトロイダル型のトロイダル型無段変速機を使用する事が、特許文献1〜4等の多くの刊行物に記載されると共に一部で実施されていて周知である。又、トロイダル型無段変速機と遊星歯車機構とを組み合わせて変速比の調整幅を広くする構造も、特許文献5等、やはり多くの刊行物に記載されて、従来から広く知られている。図7〜8は、これら各特許文献に記載されて従来から広く知られているトロイダル型無段変速機の第1例を示している。この従来構造の第1例の場合、入力回転軸1の両端寄り部分の周囲に1対の入力ディスク2、2を、それぞれがトロイド曲面である内側面同士を互いに対向させた状態で、前記入力回転軸1と同期した回転を可能に支持している。又、この入力回転軸1の中間部周囲に出力筒3を、この入力回転軸1に対する回転を可能に支持している。又、この出力筒3の外周面には、軸方向中央部に出力歯車4を固設すると共に、軸方向両端部に1対の出力ディスク5、5を、スプライン係合により、前記出力筒3と同期した回転を可能に支持している。又、この状態で、それぞれがトロイド曲面である、前記両出力ディスク5、5の外側面を、前記両入力ディスク2、2の内側面に対向させている。
又、前記両入力ディスク2、2と前記両出力ディスク5、5との間に、それぞれの外周面を球状凸面とした複数個のパワーローラ6、6を挟持している。これら各パワーローラ6、6は、それぞれトラニオン7、7に回転自在に支持されており、これら各トラニオン7、7は、それぞれ前記各ディスク2、5の中心軸に対し捩れの位置にある傾転軸8、8を中心とする揺動変位自在に支持されている。即ち、これら各トラニオン7、7は、それぞれの軸方向両端部に互いに同心に設けられた1対の傾転軸8、8と、これら各傾転軸8、8同士の間に存在する支持梁部9、9とを備えており、これら各傾転軸8、8が、支持板10、10に対し、ラジアルニードル軸受11、11を介して枢支されている。
又、前記各パワーローラ6、6は、前記各トラニオン7、7を構成する支持梁部9、9の内側面に、基半部と先半部とが互いに偏心した支持軸12、12と、複数の転がり軸受とを介して、これら各支持軸12、12の先半部回りの回転、及び、これら各支持軸12、12の基半部を中心とする若干の揺動変位可能に支持されている。この様な各パワーローラ6、6の外側面と、前記各トラニオン7、7を構成する支持梁部9、9の内側面との間には、それぞれが前記複数の転がり軸受の一部である、スラスト玉軸受13、13と、スラストニードル軸受14、14とを、前記各パワーローラ6、6の側から順番に設けている。このうちのスラスト玉軸受13、13は、前記各パワーローラ6、6に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ6、6の回転を許容するものである。前記各スラスト玉軸受13、13は、前記各パワーローラ6、6の外側面に形成された内輪軌道15と、外輪16の内側面に形成された外輪軌道17との間に複数個の玉18、18を、転動可能に設けて成る。又、前記各スラストニードル軸受14、14は、前記各パワーローラ6、6から前記各スラスト玉軸受13、13を構成する外輪16、16に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これら各外輪16、16及び前記各支持軸12、12の先半部が、これら各支持軸12、12の基半部を中心に揺動する事を許容するものである。
上述の様なトロイダル型無段変速機の運転時には、駆動軸19により一方(図7の左方)の入力ディスク2を、押圧装置20を介して回転駆動する。この結果、前記入力回転軸1の両端部に支持された1対の入力ディスク2、2が、互いに近づく方向に押圧されつつ同期して回転する。そして、この回転が、前記各パワーローラ6、6を介して前記両出力ディスク5、5に伝わり、前記出力歯車4から取り出される。前記入力回転軸1とこの出力歯車4との間の変速比を変える場合は、油圧式のアクチュエータ21、21により前記各トラニオン7、7を前記各傾転軸8、8の軸方向に変位させる。この結果、前記各パワーローラ6、6の外周面と前記各ディスク2、5の内側面との転がり接触部(トラクション部)に作用する、接線方向の力の向きが変化する(転がり接触部にサイドスリップが発生する)。そして、この力の向きの変化に伴って前記各トラニオン7、7が、自身の傾転軸8、8を中心に揺動し、前記各パワーローラ6、6の外周面と前記各ディスク2、5の内側面との接触位置が変化する。これら各パワーローラ6、6の外周面を、前記両入力ディスク2、2の内側面の径方向外寄り部分と、前記両出力ディスク5、5の内側面の径方向内寄り部分とに転がり接触させれば、前記入力回転軸1と前記出力歯車4との間の変速比が増速側になる。これに対して、前記各パワーローラ6、6の外周面を、前記両入力ディスク2、2の内側面の径方向内寄り部分と、前記両出力ディスク5、5の内側面の径方向外寄り部分とに転がり接触させれば、前記入力回転軸1と前記出力歯車4との間の変速比が減速側になる。
上述の様なトロイダル型無段変速機の運転時には、動力の伝達に供される各部材、即ち、前記入力、出力各ディスク2、5と前記各パワーローラ6、6とが、前記押圧装置20が発生する押圧力に基づいて弾性変形する。そして、この弾性変形に伴って、前記入力、出力各ディスク2、5が軸方向に変位する。又、前記押圧装置20が発生する押圧力は、前記トロイダル型無段変速機により伝達するトルクが大きくなる程大きくなり、それに伴って前記各部材2、5、6の弾性変形量も多くなる。従って、前記トルクの変動に拘らず、前記入力、出力各ディスク2、5の内側面と前記各パワーローラ6、6の外周面との接触状態を適正に維持する為に、前記各トラニオン7、7に対してこれら各パワーローラ6、6を、前記各ディスク2、5の軸方向に変位させる機構が必要になる。上述した従来構造の第1例の場合には、前記各パワーローラ6、6を支持した前記各支持軸12、12の先半部を、同じく基半部を中心として揺動変位させる事により、前記各パワーローラ6、6を前記各ディスク2、5の軸方向に変位させる様にしている。
上述の様な従来構造の第1例の場合、前記各パワーローラ6、6を前記各ディスク2、5の軸方向に変位させる為の構造が複雑で、部品製作、部品管理、組立作業が何れも面倒になり、コストが嵩む事が避けられない。この様な問題を解決する為の技術として前記特許文献3には、図9〜14に示す様な構造が記載されている。本発明は、この図9〜14に示した従来構造の第2例を改良するものであるから、次に、この従来構造の第2例に就いて説明する。この従来構造の第2例の特徴は、トラニオン7aに対してパワーローラ6aを、入力、出力各ディスク2、5(図7参照)の軸方向の変位を可能に支持する部分の構造にあり、トロイダル型無段変速機全体としての基本的構造及び作用は、前述の図7〜8に示した従来構造の第1例と同様である。
前記従来構造の第2例を構成するトラニオン7aは、両端部に互いに同心に設けられた1対の傾転軸8a、8bと、これら両傾転軸8a、8b同士の間に存在し、少なくとも入力、出力各ディスク2、5(図7参照)の径方向(図10、13、14の上下方向)に関する内側(図10、13、14の上側)の側面を円筒状凸面22とした、支持梁部23とを備える。前記両傾転軸8a、8bは、それぞれラジアルニードル軸受11a、11aを介して、支持板10、10(図8参照)に、揺動及び軸方向の変位を可能に支持する。
又、前記円筒状凸面22の中心軸イは、図10、13に示す様に、前記両傾転軸8a、8bの中心軸ロと平行で、これら両傾転軸8a、8bの中心軸ロよりも、前記各ディスク2、5の径方向に関して外側(図10、13、14の下側)に存在する。又、前記支持梁部23とパワーローラ6aの外側面との間に設けるスラスト玉軸受13aを構成する外輪16aの外側面に、部分円筒面状の凹部24を、この外側面を径方向に横切る状態で設けている。そして、この凹部24と、前記支持梁部23の円筒状凸面22とを係合させ、前記トラニオン7aに対して前記外輪16aを、前記各ディスク2、5の軸方向に関する揺動変位を可能に支持している。
又、前記外輪16aの内側面中央部に支持軸12aを、この外輪16aと一体に固設して、前記パワーローラ6aをこの支持軸12aの周囲に、ラジアルニードル軸受25を介して、回転自在に支持している。更に、前記トラニオン7aの内側面のうち、前記支持梁部23の両端部と1対の傾転軸8a、8bとの連続部に、互いに対向する1対の段差面26、26を設けている。そして、これら両段差面26、26と、前記スラスト玉軸受13aを構成する外輪16aの外周面とを、当接若しくは近接対向させて、前記パワーローラ6aからこの外輪16aに加わるトラクション力を、何れかの段差面26、26で支承可能としている。
上述の様に構成する従来構造の第2例のトロイダル型無段変速機によれば、前記パワーローラ6aを前記各ディスク2、5の軸方向に変位させて、構成各部材の弾性変形量の変化に拘らず、このパワーローラ6aの外周面と前記各ディスク2、5の軸方向片側面との接触状態を適正に維持できる構造を、簡単で低コストに構成できる。
即ち、トロイダル型無段変速機の運転時に、入力、出力各ディスク2、5、各パワーローラ6a等の弾性変形に基づき、これら各パワーローラ6aをこれら各ディスク2、5の軸方向に変位させる必要が生じると、これら各パワーローラ6aを回転自在に支持している前記スラスト玉軸受13aの外輪16aが、外側面に設けた部分円筒面状の凹部24と支持梁部23の円筒状凸面22との当接面を滑らせつつ、この円筒状凸面22の中心軸イを中心として揺動変位する。この揺動変位に基づき、前記各パワーローラ6aの外周面のうちで、前記各ディスク2、5の軸方向片側面と転がり接触する部分が、これら各ディスク2、5の軸方向に変位し、前記接触状態を適正に維持する。
前述した通り、前記円筒状凸面22の中心軸イは、変速動作の際に各トラニオン7aの揺動中心となる傾転軸8a、8bの中心軸ロよりも、前記各ディスク2、5の径方向に関して外側に存在する。従って、前記円筒状凸面22の中心軸イを中心とする揺動変位の半径は、前記変速動作の際の揺動半径よりも大きく、前記両入力ディスク2、2と前記両出力ディスク5、5との間の変速比の変動に及ぼす影響は少ない(無視できるか、容易に修正できる範囲に留まる)。
図9〜14に示した従来構造の第2例の場合、図7〜8に示した同第1例に比べて、部品製作、部品管理、組立作業が何れも容易になり、コスト低廉化を図り易いが、変速動作を安定させる面からは、改良の余地がある。この理由は、前記各支持梁部23を中心とする前記各外輪16aの揺動変位を円滑に行わせる為、これら各支持梁部23の両端部分に1対ずつ設けた、前記各段差面26、26同士の間隔Dを、前記各外輪16aの外径dよりも少し大きく(D>d)する為である。これら各外輪16a、及び、この外輪16aと同心に支持された前記各パワーローラ6aは、前記間隔Dと前記外径dとの差(D−d)分だけ、前記各支持梁部23の軸方向に変位可能になる。
一方、トロイダル型無段変速機を搭載した車両の運転時、前記各パワーローラ6aには前記各ディスク2、5から、例えば加速時と減速時(エンジンブレーキの作動時)とで逆
方向の力(トロイダル型無段変速機の技術分野で周知の「2Ft」)が加わる。そして、この力2Ftにより、前記各パワーローラ6aが、前記各外輪16aと共に、前記各支持梁部23の軸方向に変位する。この変位の方向は、前述した各アクチュエータ21、21による各トラニオン7、7(図8参照)の変位方向と同じであり、変位量が0.1mm程度であっても、変速動作が開始される可能性を生じる。そして、この様な原因で変速動作が開始された場合には、運転動作とは直接関連しない変速動作となり、何れ修正されるにしても、運転者に違和感を与える。特に、トロイダル型無段変速機が伝達するトルクが低い状態で、上述の様な、運転者が意図しない変速が行われると、運転者に与える違和感が大きくなり易い。
上述の様にして生じる、運転動作とは直接関連しない変速動作の発生を抑える為には、前記間隔Dと前記外径dとの差(D−d)を僅少に(例えば数十μm程度に)抑える事が考えられる。但し、ハーフトロイダル型のトロイダル型無段変速機の運転時には、トラクション部から前記各パワーローラ6a、前記各外輪16aを介して前記各支持梁部23に加わるスラスト荷重により、前記各トラニオン7aが、図15に誇張して示す様に、前記各外輪16aを設置した側が凹となる方向に弾性変形する。そして、この弾性変形の結果、前記各トラニオン7a毎に1対ずつ設けた段差面26、26同士の間隔が縮まる。この様な状態でも、これら両段差面26、26同士の間隔Dが前記各外輪16aの外径d以下にならない様にする為には、通常状態(前記各トラニオン7aが弾性変形していない状態)での、前記間隔Dと前記外径dとの差を或る程度確保する必要がある。この結果、特に違和感が大きくなり易い、低トルクでの運転時に、上述の様な、運転動作とは直接関連しない変速動作が発生し易くなる。特に、前記特許文献5に記載されている様に、トロイダル型無段変速機と、遊星歯車式の変速機と、クラッチ装置とを組み合わせ、このクラッチ装置により低速モードと高速モードとを切り換える無段変速装置の場合、これら両モードの切り換えに伴って、加速状態のまま、前記トロイダル型無段変速機を通過するトルクの方向が逆転する。この為、上述した様な、運転動作とは直接関連しない変速動作が発生して、運転者に違和感を与え易い。
一方、前記特許文献3には、支持梁部の円筒状凸面である内側面に形成した1対の外側面(軸方向側面)が互いに平行な突条と、外輪側の凹部に形成した、1対の内側面(軸方向側面)が互いに平行な凹溝とを係合させる事により、前記力2Ftを支承する構造も記載されている。但し、この様な構造の場合、トラニオンの弾性変形に伴い、前記突条と前記凹溝との係合部のうちの周方向(外輪の揺動方向)両端部で、この突条の外側面とこの凹溝の内側面との当接部の面圧が過度に高くなる事が、本発明者が行ったシミュレーションにより分かった。この様な状態で、外輪がトラニオンの支持梁部に対し揺動変位すると、前記突条の外側面と前記凹溝の内側面との擦れ合い部の摩耗が著しくなる可能性がある。そして、この摩耗により発生した摩耗粉が潤滑油(トラクションオイル)を汚染し、各部の潤滑状態を不良にしたり、歯車同士の噛合部や転がり軸受の転がり接触部を損傷し易くなったりする可能性がある。又、前記突条の外側面と前記凹溝の内側面との間の隙間(これら突条と凹溝との係合部のがたつき)が大きくなって、運転動作とは直接関連しない変速動作が発生し易くなる可能性がある。
特開2003−214516号公報 特開2007−315595号公報 特開2008−25821号公報 特開2008−275088号公報 特開2004−169719号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑み、変速動作を安定させられ、且つ、耐久性の確保が容易な構造を実現すべく発明したものである。
本発明のトロイダル型無段変速機用パワーローラユニットは、トラニオンと、パワーローラと、スラスト転がり軸受とを備える。
このうちのトラニオンは、両端部に互いに同心に設けられた1対の傾転軸と、これら両傾転軸同士の間に存在し、少なくとも片側面(これら両傾転軸の軸方向と直交する方向に関する両側面のうち、トロイダル型無段変速機への組み付け状態で径方向内側に存在する側面)を円筒状凸面とした支持梁部とを有する。
又、前記パワーローラは、外周面を球状凸面とし、前記トラニオンの片側面に回転自在に支持される。
又、前記スラスト転がり軸受は、外輪と、複数個の転動体とを有する。このうちの外輪は、軸方向に関して前記パワーローラに対向する片側面に外輪軌道が設けられており、軸方向に関して前記支持梁部に対向する他側面に部分円筒面状の凹部が設けられている。そして、この外輪は、この凹部を前記支持梁部の円筒状凸面に係合させる事で、前記トラニオンに対し、この円筒状凸面の中心軸を中心とする揺動変位を可能に支持される。又、前記各転動体は、前記外輪軌道と前記パワーローラに設けられた内輪軌道との間に転動自在に設けられている。
更に、前記スラスト転がり軸受の外輪は、前記凹部に周方向(円筒状凸面の周方向、凹部の幅方向)に形成された凹溝と、前記円筒状凸面に形成された突条とを係合させる事により、前記トラニオンに対し、揺動変位を可能に、且つ、前記両傾転軸の軸方向に関する変位を制限されている。
特に、本発明のトロイダル型無段変速機用パワーローラユニットに於いては、前記両傾転軸の軸方向に関して互いに対向する、前記凹溝の内側面の周方向両端部と、前記突条の外側面のうちで、使用時(パワーローラユニットを組み込んだトロイダル型無段変速機の変速動作中)に、前記凹溝の内側面の周方向両端部が対向(摺接)する部分とのうちの少なくとも一方の部分を、周方向(揺動方向)両側に向かう程相手面から遠ざかる方向に傾斜させている。
この場合、例えば、前記一方の部分にのみクラウニングを施したり、前記一方の部分を、曲率半径が途中で変化する複合曲面により構成したりする事ができる。
上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段変速機用パワーローラユニットによれば、変速動作を安定させられ、且つ、耐久性の確保が容易な構造を実現できる。
即ち、傾転軸の軸方向に関して互いに対向する、凹溝の内側面の周方向両端部と、突条の外側面のうちで、使用時に、この凹溝の内側面の周方向両端部が対向する部分とのうちの少なくとも一方の部分を、周方向両側に向かう程相手面から遠ざかる方向に傾斜させている為、前記外輪の凹部を前記トラニオンの円筒状凸面と係合させた状態で、前記突条と前記凹溝との係合部のうちの周方向両端部で、この突条の外側面とこの凹溝の内側面との当接部の面圧が過度に高くなる事を防止できる。従って、前記外輪の前記支持梁部に対する揺動変位に拘わらず、前記突条の外側面と前記凹溝の内側面との擦れ合い部で摩耗が著しくなる事を防止できる。この結果、前記トロイダル型無段変速機用パワーローラユニット、延いては、トロイダル型無段変速機全体の耐久性を確保し易い。又、前記突条と前記凹溝との寸法関係を長期間に亙り適正に維持できて、前記トロイダル型無段変速機の変速動作を長期間に亙り安定させられる。
本発明の実施の形態の第1例のトロイダル型無段変速機用パワーローラユニットのうち、トラニオンを取り出した状態で示す斜視図。 同じく外輪を取り出して示す斜視図(A)と、(A)と異なる方向から見た状態で示す斜視図(B)。 クラウニングを施す部分を示す、トラニオンの支持梁部の要部拡大斜視図(A)と、同じく傾転軸の中心軸の軸方向に関して(A)と反対方向から見た状態で示す図(B)。 突条と凹溝との係合状態を説明する為の模式図。 本発明の実施の形態の第2例のトロイダル型無段変速機用パワーローラユニットのうち、外輪を取り出した状態で示す斜視図(A)と、傾転軸の軸方向に関して(A)と反対方向から見た状態で示す斜視図(B)。 同じく図4と同様の図。 従来構造の第1例を示す断面図。 図7のa−a断面図。 従来構造の第2例を示す、スラスト玉軸受を介してパワーローラを支持したトラニオンを、各ディスクの径方向外側から見た斜視図。 同じく、ディスクの周方向から見た状態で示す正面図。 図10の上方から見た平面図。 図11の右方から見た側面図。 図11のb−b断面図。 図10のc−c断面図。 パワーローラから加わるスラスト荷重に基づいてトラニオンが弾性変形した状態を誇張して示す、図13と同方向から見た断面図。
[実施の形態の第1例]
図1〜4は、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例を含めて本発明の特徴は、変速動作を安定させられ、且つ、耐久性の確保が容易な構造を実現する点にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図9〜13に示した従来構造の第2例と同様である。
本例のトロイダル型無段変速機用パワーローラユニットは、トラニオン7bと、パワーローラ6a(図9〜13参照)と、スラスト玉軸受13aとを備える。このうちのトラニオン7bは、両端部に互いに同心に設けられた1対の傾転軸8a、8bと、これら両傾転軸8a、8b同士の間に存在し、トロイダル型無段変速機に組み付けた状態で、入力、出力各ディスク2、5(図7参照)の径方向に関する内側(図1の上側)に存在する側面を円筒状凸面22aとした、支持梁部23aとを備える。
又、前記パワーローラ6aは、外周面を球状凸面としており、前記スラスト玉軸受13aを介して、前記支持梁部23aの内側面に、前記円筒状凸面22aの中心軸を中心とする揺動変位を可能に、且つ、自身の中心軸回りの回転を自在に支持されている。
又、前記スラスト玉軸受13aは、前記トラニオン7bの支持梁部23aの内側面と前記パワーローラ6aの外側面との間に設けられ、外輪16bと、複数個の玉とを備える。このうちの外輪16bは、外側面に部分円筒面状の凹部24aを、この外側面を径方向に横切る状態で設け、内側面の中央部に支持軸12aを、前記外輪16bと一体に固設している。そして、前記外輪16bは、前記凹部24aを、前記支持梁部23aの円筒状凸面22aに係合させる事で、前記トラニオン7bに対し、この円筒状凸面22aの中心軸を中心とする揺動変位(前記トロイダル型無段変速機を組み立てた状態での、前記各ディスク2、5の軸方向に関する揺動変位)を可能に支持している。そして、前記外輪16bの内側面に設けた外輪軌道15aと前記パワーローラ6aの内側面に設けた内輪軌道との間に前記各玉を転動自在に配置して、前記スラスト玉軸受13aを構成すると共に、前記パワーローラ6aの中心孔の内周面と前記支持軸12aの外周面との間にラジアル軸受を設ける事で、このパワーローラ6aをこの支持軸12aの周囲に回転自在に支持する。
又、本例の場合、円筒状凹面である前記凹部24aに、この凹部24aの周方向(幅方向、外輪16bの揺動方向)に形成された断面矩形状の凹溝27と、前記トラニオン7bを構成する支持梁部23aの円筒状凸面22aに、この円筒状凸面22aの周方向に形成された突条28とを係合させる事により、前記外輪16bの前記トラニオン7bに対する、前記両傾転軸8a、8bの軸方向に関する変位を制限している。以上の構成に関しては、前述の特許文献3に記載された構造と同様である。
特に本例の構造の場合には、前記突条28の両外側面を、所謂パーシャルクラウニング形状としている。即ち、この突条28の両外側面のうちの周方向両端部(用途や車種、トロイダル型無段変速機が伝達するトルクの大きさ等により異なるが、例えば一般的な乗用車用のトロイダル型無段変速機の場合には、周方向両端からそれぞれ周方向に関する全長の1/2〜1/5程度の範囲で、図3に斜格子で示す部分)に、クラウニング処理を施す事で、前記各ディスク2、5の径方向内方から見た形状が、曲率半径の大きい(用途や車種、トロイダル型無段変速機が伝達するトルクの大きさ等により異なるが、例えば一般的な乗用車用のトロイダル型無段変速機の場合には、曲率半径が100〜1000mm程度の)部分凸円弧状である、傾斜凸面部29、29をそれぞれ設けている。又、前記突条28の両外側面のうちの周方向中間部に、前記凹溝27の両内側面と平行な平坦面部30、30を設け、これら両平坦面部30、30と前記各傾斜凸面部29、29とを滑らかに連続させている。一方、前記凹溝27の両内側面は、全長に亙り互いに平行な平坦面としている。
上述の様に構成する本例のトロイダル型無段変速機用パワーローラユニットは、前記突条28の両外側面を、所謂パーシャルクラウニング形状としている為、前記トロイダル型無段変速機の運転時に、前記トラニオン7bが前記外輪16bを設置した側が凹となる方向に弾性変形した場合であっても、前記凹溝27の内側面と前記突条28の外側面との当接部のうちの周方向両端部の面圧が、過度に高くなる事を防止できる。従って、前記外輪16bの前記支持梁部23aに対する揺動変位の際に、前記凹溝27の内側面と前記突条28の外側面との擦れ合い部の摩耗が著しくなる事を防止できて、摩耗粉が潤滑油を汚染する事を抑えられる。この結果、この潤滑油が供給される各部の潤滑状態を長期間に亙って良好に保つと共に、歯車同士の噛合部や転がり軸受の転がり接触部を損傷し難くできて、前記前記トロイダル型無段変速機用パワーローラユニット、延いては、前記トロイダル型無段変速機全体の耐久性の確保を図り易くできる。又、前記凹溝27と前記突条28との寸法関係(これら凹溝27の内側面と突条28の外側面との間の隙間の大きさ)を長期間に亙り適正に維持できる為、前記トロイダル型無段変速機によるトルクの伝達方向が逆転する際に、意図しない変速動作が行われる事を長期間に亙り防止して、運転者に違和感を与える事を防止できる。
尚、本発明を実施する場合に、前記突条28の両外側面のうちの周方向両端部を、曲率半径が途中で変化する複合曲面により構成しても良い。又、前記突条28の両外側面を、全長に亙り単一の曲率半径を有する、所謂フルクラウニング形状とする事もできる。但し、前記トロイダル型無段変速機の運転時に、前記パワーローラ6aに加わる力2Ftを支承する面からは、前記突条28の両外側面のうちの周方向中間部に、前記凹溝27の両内側面と平行な平坦面部30、30を設ける事がより好ましい。
又、本発明を実施する場合に、前述の特許文献3に記載された構造の様に、円筒状凸面を支持梁部の全周に亙り形成し、この円筒状凸面の軸方向中央部に全周に亙り形成した外周面側凹溝に、それぞれがほぼ半円形である1対の係止片を係止する事で、前記円筒状凸面に周方向の突条を設ける事もできる。この様な構造で、この突条の外側面に傾斜凸面部を設ける場合、この突条の外側面のうち、外輪とトラニオンとの位置関係が、トロイダル型無段変速機の変速動作開始以前と同じ、中立状態で、この外輪の凹部に形成された凹溝の内側面の周方向両端部と対向する部分に前記傾斜凸面部を設ける。尚、トロイダル型無段変速機の変速動作中(使用時)の、前記外輪の前記トラニオンに対する揺動角度は極僅か(用途や車種、トロイダル型無段変速機が伝達するトルクの大きさ等により異なるが、例えば一般的な乗用車用のトロイダル型無段変速機の場合には、最大で約1度)である為、前記突条の外側面のうちで、変速動作中に、前記凹溝の内側面の周方向両端部と対向する部分は、同じく中立状態で、前記凹溝の内側面の周方向両端部と対向する部分と実質的に同じである。
[実施の形態の第2例]
図5〜6は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、外輪16cの凹部24aに形成した凹溝27aの両内側面のうちの周方向両端部に、各ディスク2、5(図7参照)の径方向外方から見た形状が、曲率半径が大きい部分凹円弧状である傾斜凹面部31、31をそれぞれ設けると共に、周方向中間部に互いに平行な平坦面部32、32をそれぞれ設け、これら両平坦面部32、32と前記各傾斜凹面部31、31とを滑らかに連続させている。一方、トラニオン7b(図1参照)を構成する支持梁部23aの円筒状凸面22aに周方向に形成した突条28の両外側面を、全長に亙り互いに平行な平坦面としている。この様な構成により、トロイダル型無段変速機の運転時に、前記トラニオン7bが前記外輪16cを設置した側が凹となる方向に弾性変形した場合であっても、前記凹溝27の内側面と前記突条28の外側面との当接部のうちの周方向両端部の面圧が、過度に高くなる事を防止している。
その他の部分の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
1 入力回転軸
2 入力ディスク
3 出力筒
4 出力歯車
5 出力ディスク
6、6a パワーローラ
7、7a、7b トラニオン
8、8a、8b 傾転軸
9 支持梁部
10 支持板
11、11a ラジアルニードル軸受
12、12a 支持軸
13、13a スラスト玉軸受
14 スラストニードル軸受
15、15a 内輪軌道
16、16a、16b 外輪
17 外輪軌道
18 玉
19 駆動軸
20 押圧装置
21 アクチュエータ
22、22a 円筒状凸面
23、23a、23b 支持梁部
24、24a 凹部
25 ラジアルニードル軸受
26 段差面
27、27a 凹溝
28 突条
29 傾斜凸面部
30 平坦面部
31 傾斜凹面部
32 平坦面部

Claims (1)

  1. 両端部に互いに同心に設けられた1対の傾転軸と、これら両傾転軸同士の間に存在し、少なくとも片側面を円筒状凸面とした支持梁部とを有するトラニオンと、
    外周面を球状凸面とし、このトラニオンの片側面に回転自在に支持されたパワーローラと、
    軸方向片側面に外輪軌道を設ける共に、軸方向他側面に直径方向に亙り部分円筒面状の凹部を設け、この凹部を前記支持梁部の円筒状凸面に係合させる事で、 前記トラニオンに対し、この円筒状凸面の中心軸を中心とする揺動変位を可能に支持された外輪と、前記外輪軌道と前記パワーローラに設けられた内輪軌道との間に転動自在に設けられた、複数個の転動体とを有するスラスト転がり軸受とを備え、
    このスラスト転がり軸受の外輪は、前記凹部に周方向に形成された凹溝と、前記円筒状凸面に形成された突条と、を係合させる事により、前記トラニオンに対し、揺動変位を可能に、且つ、前記両傾転軸の軸方向に関する変位を制限されている、トロイダル型無段変速機用パワーローラユニットに於いて、
    前記両傾転軸の軸方向に関して互いに対向する、前記凹溝の内側面の周方向両端部と、前記突条の外側面のうちで、この凹溝の内側の周方向両端部が対向する部分とのうちの少なくとも一方の部分を、周方向両側に向かう程相手面から遠ざかる方向に傾斜させている事を特徴とするトロイダル型無段変速機用パワーローラユニット。
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