JP6311452B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば航空機(固定翼機、回転翼機、飛行船等)等で使用される発電機(交流発電機、ジェネレータ)用の自動変速機として利用する、トロイダル型無段変速機の改良に関する。
航空機等で使用される発電機は、エンジンの回転速度に拘わらず、一定の回転速度で回転駆動される必要がある。この為、前記発電機の入力軸とエンジンの出力軸との間には、自動変速機が組み込まれている。この様な自動変速機として、変速比を無段階に調節できる無段変速機構により構成した無段変速装置を採用すれば、エンジンの回転速度が変動した場合であっても、発電機の入力軸を一定の回転速度で安定して回転駆動できる。図5〜6は、この様な無段変速装置として利用できる、トロイダル型無段変速機の従来構造の第1例を示している。この従来構造の第1例の場合、回転軸1の両端部周囲に1対の外側ディスク2a、2bを、それぞれがトロイド曲面である内側面同士を互いに対向させた状態で、ボールスプライン3、3を介して支持し、遠近動可能に、且つ、前記回転軸1の中間部周囲に筒部材4を、この回転軸1に対する相対回転を可能に支持している。又、この筒部材4の外周面には、軸方向中央部に歯車5を固設すると共に、軸方向両端部に1対の内側ディスク6、6を、スプライン係合により、前記筒部材4と同期した回転を可能に支持している。又、この状態で、それぞれがトロイド曲面である、前記両内側ディスク6、6の内側面を、前記両外側ディスク2a、2bの内側面に対向させている。
又、前記両外側ディスク2a、2bと前記両内側ディスク6、6との間に、それぞれの周面を球状凸面とした複数個のパワーローラ7、7を挟持している。これら各パワーローラ7、7は、それぞれトラニオン8、8の内側面に、基半部と先半部とが偏心した支持軸9、9と複数の転がり軸受とを介して、これら各支持軸9、9の先半部回りの回転、及び、これら各支持軸9、9の基半部を中心とする若干の揺動変位を可能に支持されている。そして、前記各トラニオン8、8は、それぞれ前記各ディスク2a、2b、6の中心軸に対し捩れの位置にある傾転軸10、10を中心とする揺動変位自在に支持されている。
上述の様なトロイダル型無段変速機の運転時には、駆動軸11により一方(図5の左方)の外側ディスク2aを、カム式の押圧装置12を介して回転駆動する。この結果、前記回転軸1の軸方向両端部に支持された1対の外側ディスク2a、2bが、互いに近付く方向に押圧されつつ同期して回転する。そして、この回転が、前記各パワーローラ7、7を介して前記両内側ディスク6、6に伝わり、前記歯車5から取り出される。前記回転軸1とこの歯車5との間の変速比を変える場合は、油圧式のアクチュエータ13、13により前記各トラニオン8、8を前記各傾転軸10、10の軸方向に変位させる。この結果、前記各パワーローラ7、7の周面と前記各ディスク2a、2b、6の内側面との転がり接触部(トラクション部)に作用する、接線方向の力の向きが変化する(転がり接触部にサイドスリップが発生する)。そして、この力の向きの変化に伴って前記各トラニオン8、8が、自身の傾転軸10、10を中心に揺動し、前記各パワーローラ7、7の周面と前記各ディスク2a、2b、6の内側面との接触位置が変化する。これら各パワーローラ7、7の周面を、前記両外側ディスク2a、2bの内側面の径方向外寄り部分と、前記両内側ディスク6、6の内側面の径方向内寄り部分とに転がり接触させれば、前記回転軸1と前記歯車5との間の変速比が増速側になる。これに対して、前記各パワーローラ7、7の周面を、前記両外側ディスク2a、2bの内側面の径方向内寄り部分と、前記両内側ディスク6、6の内側面の径方向外寄り部分とに転がり接触させれば、前記回転軸1と前記歯車5との間の変速比が減速側になる。
尚、上述の説明は、前記両外側ディスク2a、2bを入力側ディスクとし、前記両内側ディスク6、6を出力側ディスクとした場合に就いて行ったが、1対の外側ディスクを出力側ディスクとし、内側ディスクを入力側ディスクとする構造も、例えば特許文献1に記載される等により知られている。
上述した様な従来構造のトロイダル型無段変速機の場合、1対の内側ディスク6、6と歯車5とを別体とし、この歯車5の中心部に設けた筒部材4の両端部に、これら両内側ディスク6、6をスプライン係合させている。この為、部品点数が嵩むと共に、これら両内側ディスク6、6及び歯車5の設置部分の軸方向寸法が嵩む事が避けられない。これに対し、特許文献2には、一体型の内側ディスクを使用する事で、トロイダル型無段変速機の小型・軽量化を図れる構造が開示されている。図7は、前記特許文献2に記載された構造ではないが、この特許文献2に記載された構造と同様に、一体型の内側ディスクを組み込んだ従来構造の第2例のトロイダル型無段変速機を示している。
この従来構造の第2例の場合、内側ディスク6aとして、図5に示した1対の内側ディスク6、6の外側面同士を突き合わせて一体化した如き構造を有するものを使用している。即ち、一体型の前記内側ディスク6aを、回転軸1aの中間部周囲に1対のラジアルニードル軸受14、14により回転可能に支持している。又、前記内側ディスク6aの外周面には、はすば歯車である歯車15を設けている。
尚、図示の例の場合、前記内側ディスク6aとして一体型のものを使用する点以外に、押圧装置12aとして油圧式のものを使用した点、この回転軸1aに対して他方(前記回転軸1aの軸方向に関しこの押圧装置12aと反対側で、図7の右方)の外側ディスク2bをスプライン係合により支持している点等の相違があるが、基本的には、前述の図5〜6に示した従来構造の第1例とほぼ同様である。
何れの構造にしても、航空機等の発電機に組み込まれるトロイダル型無段変速機として使用する場合に、小型・軽量化を図る面からは、改良の余地がある。即ち、トロイダル型無段変速機の運転時に、各ディスク2a、2b、6、6aの側面に加わる軸方向の力に基づいて、これら各ディスク2a、2b、6、6aが軸方向に弾性変形する。これら各ディスク2a、2b、6、6aの側面に加わる軸方向の力は、前記トロイダル型無段変速機により伝達するトルク(伝達トルク)が大きくなる程大きくなり、それに伴って前記各部材2a、2b、6、6a、7の弾性変形量も多くなる。図8は、前記トロイダル型無段変速機の減速比と、このトロイダル型無段変速機への入力トルク及び前記各ディスク2a、2b、6、6aの回転数(回転速度)との関係を示している。ここで、航空機等の発電機の入力軸を一定の速度で回転駆動すべく、入力側ディスクとなる内側ディスク6、6aの回転速度に拘わらず、前記回転軸1、1aの回転速度を一定とすると、前記伝達トルクは、前記トロイダル型無段変速機の入力トルクに比例する。従って、前記回転軸1、1aの回転速度を一定とした場合、前記伝達トルクは、前記内側ディスク6、6aと、出力側ディスクとなる前記外側ディスク2、2aとの間の減速比が小さくなる程大きくなる。この減速比が小さい状態(増速状態)では、前記両内側ディスク6、6aの内側面の径方向外寄り部分と前記各パワーローラ7、7の周面とが転がり接触する。この為、従来構造の第1例の様に1対の内側ディスク6、6を備えた構造の場合には、これら内側ディスク6、6aの外径寄り部分が軸方向に大きく弾性変形し易くなる。この様な弾性変形に拘わらず、前記両内側ディスク6、6の内側面と前記各パワーローラ7、7の周面との転がり接触部で、グロススリップと呼ばれる過大な滑りの発生を防止する為には、前記押圧装置12による前記両外側ディスク2a、2bのうちの一方の外側ディスク2aの押圧量(軸方向変位量)を大きくする必要がある。
例えばカム式の押圧装置12で前記一方の外側ディスク2aの押圧量を大きくする場合、カム面の傾斜角度を大きくする必要があり、カム板の肉厚が大きくなって、前記トロイダル型無段変速機が大型・重量化する。又、油圧式の押圧装置で前記一方の外側ディスク2aの押圧量(油圧ピストンの変位量)を大きくする場合には、ポンプ容量を大きくする必要がある。但し、この場合、オイルポンプが大型化する他、このオイルポンプによる動力損失が大きくなり、伝達効率の低下に繋がる等好ましくない。
又、従来構造の第1例及び第2例の何れの場合にも、前記両外側ディスク2a、2bの径方向外寄り部分の肉厚を同じとしている。この為、例えば、前記内側ディスク6、6aと、前記両外側ディスク2a、2bとの間の減速比が大きくなった状態(減速状態)で、前記押圧装置12、12aが配置された側の外側ディスク2aと反対側の外側ディスク2bとの間で、弾性変形量に差を生じる可能性がある。具体的には、前記押圧装置12、12aとは反対側に配置された外側ディスク2bは、この押圧装置12、12aにより支承(バックアップ)されていない為、この外側ディスク2bの弾性変形量が、前記押圧装置12、12aが配置された側の外側ディスク2aの弾性変形量に比べて大きくなる。この為、前記外側ディスク2b及び前記内側ディスク6、6aの内側面と、前記各パワーローラ7、7の周面との間の押し付け力が低下し、グロススリップを発生させ易くなる。この様なグロススリップの発生を防止する為に、前述した内側ディスク6、6の弾性変形時と同様に、前記押圧装置12、12aを大型化する事も考えられるが、この様な対策は、トロイダル型無段変速機の小型、軽量化の面から好ましくない。
これに対し、特許文献3には、トロイダル型無段変速機と遊星歯車式変速機を組み合わせ、動力の一部を、このトロイダル型無段変速機を迂回して伝達する事により、発電機用の無段変速装置全体としての小型・軽量化を図れる構造が記載されている。但し、前記特許文献3に記載された構造の場合には、動力の一部を、前記トロイダル型無段変速機を迂回させる為に動力分流軸を用いる等、構造が複雑になる。又、特許文献4には、回転軸の中間部周囲に、この回転軸に対する相対回転を自在に支持された出力側ディスクである、1対の内側ディスクの底部肉厚を、この回転軸の両端部に、この回転軸と同期した回転を可能に支持された入力側ディスクである、1対の外側ディスクの底部肉厚よりも小さくする事で、小型・軽量化を図れる構造が記載されている。但し、前記特許文献4に記載された構造の場合にも、トロイダル型無段変速機の小型・軽量化を図る面からは、更なる改良の余地がある。
特開2011−153638号公報 特開2001−116097号公報 特許第3440287号公報 特開2002−21969号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、小型・軽量、且つ、簡素に構成できるトロイダル型無段変速機の構造を実現すべく発明したものである。
本発明のトロイダル型無段変速機は、回転軸と、1対の出力側ディスクと、入力側ディスクユニットと、複数のパワーローラと、押圧装置とを備える。
このうちの1対の出力側ディスクは、それぞれが断面円弧形である互いの内側面同士を対向させた状態で、前記回転軸の両端部に、この回転軸と同期した回転を可能に支持されている。
又、前記入力側ディスクユニットは、前記回転軸の中間部周囲で前記両出力側ディスクの間部分に、軸方向両側面をこれら両出力側ディスクの内側面に対向させた状態で、前記回転軸に対する相対回転を自在に支持されている。
又、前記各パワーローラは、球状凸面としたそれぞれの周面を、前記両出力側ディスクの内側面と前記入力側ディスクユニットの軸方向両側面とにそれぞれ転がり接触させた状態で、前記両出力側ディスクの内側面とこの入力側ディスクユニットの軸方向両側面との間部分に回転自在に支持されている。
又、前記押圧装置は、前記回転軸と、前記両出力側ディスクのうちの一方の出力側ディスクとの間に設けられ、この一方の出力側ディスクを、これら両出力側ディスクのうちの他方の出力側ディスクに向け押圧する。
特に、本発明のトロイダル型無段変速機に於いては、前記一方の出力側ディスクの外径寄り部分の軸方向に関する肉厚(例えば油圧式の押圧装置のシリンダ部を構成すべく形成された突条やカム式の押圧装置を構成するカム面等を除く部分の肉厚)を、前記他方の出力側ディスクの外径寄り部分の軸方向に関する肉厚よりも小さくしている。即ち、これら両出力側ディスクの内側面のうちで、前記トロイダル型無段変速機の変速比が最大減速状態で、前記各パワーローラの周面が転がり接触する部分である外径寄り部分の軸方向に関する肉厚を、前記押圧装置を設けた側である一方の出力側ディスクで、反対側である他方の出力側ディスクよりも小さくしている。
上述の様な本発明のトロイダル型無段変速機を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した発明の様に、前記入力側ディスクユニットを、1対の入力側ディスク素子から構成する。そして、前記他方の出力側ディスクの外径寄り部分の軸方向に関する肉厚を、これら両入力側ディスク素子の外径寄り部分(前記トロイダル型無段変速機の変速比が最大増速状態で、前記各パワーローラの周囲が転がり接触する部分)の軸方向に関する肉厚よりも小さくする。
又、本発明のトロイダル型無段変速機は、例えば前記入力側ディスクユニットを回転駆動する、エンジン等の駆動源の回転速度に拘わらず、出力軸である前記回転軸を定速で回転駆動する(この駆動源の始動時及び停止時を除く。)為の自動変速機として使用する。
又、本発明を実施する場合に好ましくは、前記押圧装置を、油圧室内への油圧の導入に伴って前記一方の出力側ディスクを前記他方の出力側ディスクに向け押圧する油圧式のものとする。
上述の様に構成する、本発明のトロイダル型無段変速機によれば、小型・軽量、且つ、簡素に構成する事ができる。
即ち、入力側ディスクユニットと1対の出力側ディスクとの間の減速比が小さく、伝達トルクが大きい増速状態では、これら両出力側ディスクの内側面のうちで、軸方向に関する肉厚が比較的大きい内径寄り部分が、各パワーローラの周面と転がり接触する。一方、前記減速比が大きく、伝達トルクが小さい減速状態では、前記両出力側ディスクの内側面のうちで、軸方向に関する肉厚が比較的小さい外径寄り部分が、前記各パワーローラの周面と転がり接触する。特に押圧装置を設けた側の出力側ディスク(一方の出力側ディスク)に就いては、トルクの伝達に伴って前記各パワーローラから加わる軸方向の力が、前記押圧装置により支承される。この為、他方の出力側ディスク(前記押圧装置を設けた側と反対側の出力側ディスク)の外径寄り部分の軸方向に関する肉厚を、前記一方の出力側ディスクの外径寄り部分の軸方向に関する肉厚よりも大きくする事で、前記他方の出力側ディスクの弾性変形量を抑えられる。従って、グロススリップの発生を防止しつつ、前記トロイダル型無段変速機の更なる小型・軽量化を図れる。又、本発明の場合、トロイダル型無段変速機を、例えば遊星歯車式変速機等の他の変速機と組み合わせる事なく、単体で使用する為、前述した特許文献2の様に構造が複雑にならず、簡素に構成する事ができる。
又、請求項2に記載した発明によれば、入力側ディスクユニットと1対の出力側ディスクとの間の減速比が小さく、伝達トルクが大きい増速状態で、入力側ディスク素子の内側面のうちの外径寄り部分が、前記各パワーローラの周面と転がり接触する場合にも、前記両入力側ディスク素子の弾性変形量を抑えられる。この為、グロススリップの発生を防止しつつ、押圧装置による一方の出力側ディスクの押圧量を抑える事ができて、トロイダル型無段変速機の小型・軽量化を図れる。従って、例えば航空機等で使用される発電機用の無段変速装置の様に、入力トルクが大きい場合にも、入力側ディスクユニットの強度及び剛性を十分に確保しつつ、前記トロイダル型無段変速機全体を小型・軽量、且つ、簡素に構成する事ができる。
尚、本発明のトロイダル型無段変速機は、エンジン等の駆動源の回転速度に拘わらず、出力軸である前記回転軸を定速で回転駆動する為の自動変速機として使用する事ができる。即ち、前記トロイダル型無段変速機を、航空機等で使用される発電機の入力軸と、エンジン等の駆動源の出力軸との間に組み込めば、この駆動源の出力軸の回転速度の変動に拘わらず、前記発電機の入力軸を一定の回転速度で回転駆動でき、この発電機の周波数を安定させる事ができる。又、この様な発電機の最高出力は予め所定の大きさに設定されている為、前記駆動源の出力軸の回転速度に拘わらず、この発電機の入力軸の回転速度を一定とする場合には、これら駆動源と発電機との間に組み込まれた自動変速機への入力トルク(この自動変速機の伝達トルク)は、この自動変速機の減速比が小さくなる(前記駆動源の出力軸の回転速度が遅くなる)程大きくなる。この為、前記自動変速機として、本発明のトロイダル型無段変速機を使用すれば、上述した本発明の効果を顕著に得られる。
本発明の実施の形態の第1例を、1対の出力側ディスクと1対の入力側ディスクとを取り出して示す断面図。 図1のX部拡大図。 別形状での底部肉厚の概念を説明する為の図2と同様の図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図1と同様の図。 従来構造のトロイダル型無段変速機の第1例を示す断面図。 図5のY−Y断面図。 従来構造のトロイダル型無段変速機の第2例を示す断面図。 トロイダル型無段変速機の減速比と、このトロイダル型無段変速機への入力トルク及び各ディスクの回転数との関係を示す線図。
[実施の形態の第1例]
図1〜3は、請求項1〜2に対応する、実施の形態の第1例を示している。尚、本例を含めて、本発明のトロイダル型無段変速機の特徴は、グロススリップの発生を防止しつつ、小型・軽量、且つ、簡素に構成すべく、1対の出力側ディスク16a、16b及び1対の入力側ディスク17、17の軸方向に関する肉厚を適切に規制した点にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図5〜7に示した構造を含め、従来から知られているトロイダル型無段変速機と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例の場合、回転軸1(図5〜7参照)の両端部周囲に1対の出力側ディスク16a、16bを、それぞれが断面円弧形のトロイド曲面である内側面同士を互いに対向させた状態で、前記回転軸1と同期した回転を可能に、且つ、この回転軸1に対する軸方向の相対変位を可能に支持している。又、前記回転軸1の中間部周囲に、図5に示した筒部材4の如き入力筒を、この回転軸に対する相対回転を自在に支持している。この入力筒の外周面のうち、軸方向中央部には、歯車5(図5参照)の如き入力歯車を固設すると共に、軸方向両端部に1対の入力側ディスク17、17を、スプライン係合等により、前記入力筒と同期した回転を可能に、且つ、この入力筒に対する軸方向の相対変位を阻止した状態で支持している。この状態では、それぞれがトロイド曲面である、前記両入力側ディスク17、17の内側面と、前記両出力側ディスク16a、16bの内側面に対向させている。そして、これら両入力側ディスク17、17とこれら両出力側ディスク16a、16bとの間に、それぞれの周面を球状凸面とした複数個のパワーローラ7、7(図5、6参照)を挟持している。
上述の様なトロイダル型無段変速機の運転時には、前記入力歯車及び前記入力筒を介して、前記両入力側ディスク17、17を回転駆動する。これと共に、油圧式の押圧装置12a(図7参照)により、前記両出力側ディスク16a、16bのうちの一方(図1の左方)の出力側ディスク6bを、同じく他方(図1の右方)の出力側ディスク6cに向けて押圧し、前記各パワーローラ7、7の周面と前記各ディスク16a、16b、17の内側面との転がり接触部(トラクション部)の面圧を高くする。これにより、これら両入力側ディスク17、17の回転が、前記各パワーローラ7、7を介して前記両出力側ディスク16a、16bに伝わり、出力軸である前記回転軸1から取り出される。
又、本例の場合、前記両出力側ディスク16a、16bのうち、前記トロイダル型無段変速機の減速比が最大減速状態で前記各パワーローラ7、7の周面と転がり接触する部分である、外径寄り部分の軸方向に関する肉厚(T16a、T16b)を、前記両入力側ディスク17、17のうち、前記トロイダル型無段変速機の減速比が最大増速状態で前記各パワーローラ7、7の周面と転がり接触する部分である、外径寄り部分の軸方向に関する肉厚(T17)よりも小さくしている(T17>T16a、T16b)。更に、前記押圧装置12aを設けた側である前記一方の出力側ディスク16aの外径寄り部分の軸方向に関する肉厚(T16a)を、反対側の前記他方の出力側ディスク16bの外径寄り部分の軸方向に関する肉厚(T16b)よりも小さくしている(T16a<T16b)。即ち、この他方の出力側ディスク16bの外径寄り部分の軸方向に関する肉厚(T16b)を、前記両入力側ディスク17、17の外径寄り部分の軸方向に関する肉厚(T17)よりも小さく、前記一方の出力側ディスク16aの外径寄り部分の軸方向に関する肉厚(T16a)よりも大きくしている(T17>T16b>T16a)。
この為に、具体的には、前記他方の出力側ディスク16bの底部肉厚T16bを、前記両入力側ディスク17、17の底部肉厚T17よりも小さく、前記一方の出力側ディスク16aの底部肉厚T16aよりも大きくしている(T16a<T16b<T17)。ここで言う底部肉厚の概念に就いて、図2〜3により説明する。先ず、前記各ディスク16a、16b、17の内側面の母線(母線の延長線を含む)を構成する円弧の一部で、軸方向に対向する相手側ディスクの内側面の母線(母線の延長線を含む)を構成する円弧との軸方向に関する距離が最も長くなる部分を、これら各ディスク16a、16b、17の底部とする。例えば図2に示す様に、前記他方の出力側ディスク16bの内側面の曲率中心O16bがこの他方の出力側ディスク16bの外周縁よりも径方向内方に存在する場合には、この他方の出力側ディスク16bの内側面のうちで、径方向位置が前記曲率中心O16bと整合する位置が、この他方の出力側ディスク16bの内側面の底部(図2に点αで示す部分)となる。そして、この底部とこの他方の出力側ディスク16bの外側面との軸方向に関する距離T16bを、この他方の出力側ディスク16bの底部肉厚とする。尚、ここで言う各ディスク16a、16b、17の外側面とは、例えば油圧式の前記押圧装置12aのシリンダ部を構成すべく、前記一方の出力側ディスク16aの外側面のうちの外径寄り部分に形成した突条18等を除いた部分を言う。
これに対し、図3に示す様に、他方の出力側ディスク16bの内側面の曲率中心O16bがこの他方の出力側ディスク16bの外周縁よりも径方向外方に存在する場合、図3に鎖線で示す様に、この他方の出力側ディスク16bの内側面を径方向外方に、そのままの曲率半径で延長した状態を考える。この場合、この延長部分のうちで、径方向位置が前記曲率中心O16bと整合する位置が、前記他方の出力側ディスク16bの内側面の底部(図3に点βで示す部分)となる。そして、この底部とこの他方の出力側ディスク16bの外側面との軸方向に関する距離T16bを、この他方の出力側ディスク16bの底部肉厚とする。何れにしても、本例の場合には、この他方の出力側ディスク16bの底部肉厚T16bを、前記両入力側ディスク17、17の底部肉厚T17よりも小さく、前記一方の出力側ディスク16aの底部肉厚T16aよりも大きくしている(T16a<T16b<T17)。
上述の様に構成する本例のトロイダル型無段変速機によれば、グロススリップの発生を防止しつつ、小型・軽量、且つ、簡素に構成する事ができる。即ち、本例の場合、1対の入力側ディスク17、17の外径寄り部分の軸方向に関する肉厚(T17)を、1対の出力側ディスク16a、16bの外径寄り部分の軸方向に関する肉厚(T16a、T16b)よりも大きくしている(T17>T16a、T16b)。これら両入力側ディスク17、17と前記両出力側ディスク16a、16bとの間の増速比が大きい(減速比が小さい)増速状態では、前記両入力側ディスク17、17の内側面のうちで、軸方向に関する肉厚が比較的小さい(内径寄り部分と比較して小さい)外径寄り部分が、各パワーローラ7、7の周面と転がり接触する。この様な減速状態では、前記トロイダル型無段変速機の伝達するトルクが大きくなるが、本例の場合には、前記両入力側ディスク17、17の底部肉厚T17を大きくしている。これにより、本例の場合には、前記両入力側ディスク17、17の弾性変形量を抑えて、グロススリップの発生を防止すると共に、押圧装置12a(図7参照)による一方の出力側ディスク16aの押圧量を抑える事ができる。一方、前記両入力側ディスク17、17と前記両出力側ディスク16a、16bとの間の増速比が小さい(減速比が大きい)減速状態では、これら両出力側ディスク16a、16bの内側面のうちの外径寄り部分が前記各パワーローラ7、7の周面と転がり接触する。この様な減速状態では、前記トロイダル型無段変速機の伝達するトルクが小さく、このトルク伝達に伴って前記各パワーローラ7、7から前記両出力側ディスク16a、16bに加わる軸方向の力は限られたものとなる(増速状態の場合と比較して小さい)。従って、前記両出力側ディスク16a、16bの外径寄り部分の軸方向に関する肉厚を、前記両入力側ディスク17、17の外径寄り部分の軸方向に関する肉厚よりも小さくしても、前記両出力側ディスク16a、16bの強度及び剛性を確保できる。
特に本例の場合、前記両出力側ディスク16a、16bのうちの他方の出力側ディスク16bの外径寄り部分の軸方向に関する肉厚(T16b)を、同じく一方の出力側ディスク16aの外径寄り部分の軸方向に関する肉厚(T16a)よりも大きくしている(T16b>T16a)。本例の場合には、前記両出力側ディスク16a、16bを回転軸1(図5〜7参照)の両端部周囲に支持し、これら両出力側ディスク16a、16bのうちの一方の出力側ディスク6bと前記回転軸1との間に前記押圧装置12aを設けている。従って、トルクの伝達に伴い前記各パワーローラ7、7から前記一方の出力側ディスク6bに加わる軸方向の力は、前記押圧装置12aにより支承される。これに対し、前記他方の出力側ディスク16bに加わる軸方向の力は、支承されない。この為、本例の場合には、前記他方の出力側ディスク16bの外径寄り部分の軸方向に関する肉厚(T16b)を、前記一方の出力側ディスク16aの外径寄り部分の軸方向に関する肉厚(T16a)よりも大きくする(T16b>T16a)事により、前記他方の出力側ディスク16bの弾性変形量を抑えている。この為、この面からも、グロススリップの発生を防止でき、前記トロイダル型無段変速機の更なる小型・軽量化を図れる。
又、本例のトロイダル型無段変速機は、例えば遊星歯車式変速機等の他の変速機と組み合わせる事なく、単体で使用できる為、前述の特許文献2に記載された構造の様に、構造が複雑にならず、簡素に構成する事ができる。
[実施の形態の第2例]
図4は、請求項1に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例のトロイダル型無段変速機は、回転軸1(図5〜7参照)の中間部周囲に、軸方向両側面を断面円弧形のトロイド曲面とした一体型の入力側ディスク17aを、この回転軸1に対する相対回転を可能に支持している。そして、この回転軸1の両端部周囲に、この回転軸1と同期した回転を可能に支持した1対の出力側ディスク16a、16bのうちの一方(図4の左方)の出力側ディスク16aの外径寄り部分の軸方向に関する肉厚を、同じく他方(図4の右方)の出力側ディスク16bの外径寄り部分の軸方向に関する肉厚よりも小さくしている。尚、本例の場合、前記入力側ディスク17aを一体構造としている為、前記トロイダル型無段変速機の運転時に、この入力側ディスク17aの軸方向両側面に加わる力が、この入力側ディスク17a内で互いに相殺される。この様な入力側ディスク17aの軸方向に関する肉厚は、この入力側ディスク17aの外周面に形成されたはすば歯車である入力歯車19に加わるトルクの大きさ等に基づいて設計的に定める。即ち、この入力トルクがあまり大きくない場合には、前記入力側ディスク17aの外径寄り部分の軸方向に関する肉厚を、前記一方の出力側ディスク16aの外径寄り部分の軸方向に関する肉厚よりも小さくすることもできる。
その他の部分の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例と同様である。
本発明のトロイダル型無段変速機は、例えば航空機等の発電機に組み込まれる変速機の様に、入力側ディスクユニットを回転駆動する、エンジン等の駆動源の回転速度に拘わらず、出力軸である回転軸を定速で回転駆動する為の自動変速機として、好ましく使用できる。
1 回転軸
2a、2b 外側ディスク
3 ボールスプライン
筒部材
歯車
6、6a 内側ディスク
7 パワーローラ
8 トラニオン
9 支持軸
10 傾転軸
11 駆動軸
12、12a 押圧装置
13 アクチュエータ
14 ラジアルニードル軸受
15 歯車
16a、16b 出力側ディスク
17、17a 入力側ディスク
18 突条
19 入力歯車

Claims (2)

  1. 回転軸と、
    それぞれが断面円弧形である互いの内側面同士を対向させた状態で、前記回転軸の両端部に、この回転軸と同期した回転を可能に支持された1対の出力側ディスクと、
    前記回転軸の中間部周囲でこれら両出力側ディスクの間部分に、軸方向両側面をこれら両出力側ディスクの内側面に対向させた状態で、前記回転軸に対する相対回転を自在に支持された入力側ディスクユニットと、
    球状凸面としたそれぞれの周面を、前記両出力側ディスクの内側面と前記入力側ディスクユニットの軸方向両側面とにそれぞれ転がり接触させた状態で、前記両出力側ディスクの内側面とこの入力側ディスクユニットの軸方向両側面との間部分に回転自在に支持された複数のパワーローラと、
    前記回転軸と、前記両出力側ディスクのうちの一方の出力側ディスクとの間に設けられ、この一方の出力側ディスクを、これら両出力側ディスクのうちの他方の出力側ディスクに向け押圧する押圧装置とを備えるトロイダル型無段変速機に於いて、
    前記一方の出力側ディスクの外径寄り部分の軸方向に関する肉厚が、前記他方の出力側ディスクの外径寄り部分の軸方向に関する肉厚よりも小さい事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 前記入力側ディスクユニットは、1対の入力側ディスク素子から構成されており、前記他方の出力側ディスクの外径寄り部分の軸方向に関する肉厚が、これら両入力側ディスク素子の外径寄り部分の軸方向に関する肉厚よりも小さい、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機。
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