JP6421647B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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本発明は、自動車や各種産業機械の変速機などに利用可能なトロイダル型無段変速機に関する。
例えば自動車用変速機として用いるダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機は、図4および図5に示すように構成されている。図4に示すように、ケーシング50の内側には入力軸1が回転自在に支持されており、この入力軸1の外周には、2つの入力側ディスク2,2と2つの出力側ディスク3,3とが取り付けられている。また、入力軸1の中間部の外周には出力歯車(伝達歯車)4が回転自在に支持されている。この出力歯車4の中心部に設けられた円筒状のフランジ部4a,4aには、出力側ディスク3,3がスプライン結合によって連結されている。
入力軸1は、図4中左側に位置する入力側ディスク2とカム板(ローディングカム)7との間に設けられたローディングカム式の押圧装置12を介して、駆動軸22により回転駆動されるようになっている。また、出力歯車4は、2つの部材の結合によって構成された仕切壁13を介してケーシング50内に支持されており、これにより、入力軸1の軸線Oを中心に回転できる一方で、軸線O方向の変位が阻止されている。
出力側ディスク3,3は、入力軸1との間に介在されたニードル軸受5,5によって入力軸1の軸線Oを中心に回転自在に支持されている。また、図4中左側の入力側ディスク2は、入力軸1にボールスプライン6を介して支持され、図4中右側の入力側ディスク2は、入力軸1にスプライン結合されており、これら入力側ディスク2は入力軸1とともに回転するようになっている。また、入力側ディスク2,2の内側面(凹面;トラクション面とも言う)2a,2aと出力ディスク3,3の内側面(凹面;トラクション面とも言う)3a,3aとの間には、パワーローラ11(図5参照)が回転自在に挟持されている。
図4中右側に位置する入力側ディスク2の内周面2cには、段差部2bが設けられ、この段差部2bに、入力軸1の外周面1aに設けられた段差部1bが突き当てられるとともに、入力側ディスク2の背面(図4の右面)は、入力軸1の外周面に形成されたネジ部に螺合されたローディングナット9に突き当てられている。これによって、入力側ディスク2の入力軸1に対する軸線O方向の変位が実質的に阻止されている。また、カム板7と入力軸1の鍔部1dとの間には、皿ばね8が設けられており、この皿ばね8は、各ディスク2,2,3,3の凹面2a,2a,3a,3aとパワーローラ11,11の周面11a,11aとの当接部に押付力(予圧)を付与する。
図5は、図4のA−A線に沿う断面図である。図5に示すように、ケーシング50の内側には、入力軸1に対し捻れの位置にある一対の枢軸14,14を中心として揺動する一対のトラニオン15,15が設けられている。なお、図5においては、入力軸1の図示は省略している。各トラニオン15,15は、支持板部16の長手方向(図5の上下方向)の両端部に、この支持板部16の内側面側に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部20,20を有している。そして、この折れ曲がり壁部20,20によって、各トラニオン15,15には、パワーローラ11を収容するための凹状のポケット部Pが形成される。また、各折れ曲がり壁部20,20の外側面には、各枢軸14,14が互いに同心的に設けられている。
支持板部16の中央部には円孔21が形成され、この円孔21には変位軸23の基端部23aが支持されている。そして、各枢軸14,14を中心として各トラニオン15,15を揺動させることにより、これら各トラニオン15,15の中央部に支持された変位軸23の傾斜角度を調節できるようになっている。また、各トラニオン15,15の内側面から突出する変位軸23の先端部23bの周囲には、各パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の間に挟持されている。なお、各変位軸23,23の基端部23aと先端部23bとは、互いに偏心している。
また、各トラニオン15,15の枢軸14,14はそれぞれ、一対のヨーク23A,23Bに対して揺動自在および軸方向(図5の上下方向)に変位自在に支持されており、各ヨーク23A,23Bにより、トラニオン15,15はその水平方向の移動を規制されている。各ヨーク23A,23Bは鋼等の金属のプレス加工あるいは鍛造加工により矩形状に形成されている。各ヨーク23A,23Bの四隅には円形の支持孔18が4つ設けられており、これら支持孔18にはそれぞれ、トラニオン15の両端部に設けた枢軸14がラジアルニードル軸受30を介して揺動自在に支持されている。また、ヨーク23A,23Bの幅方向(図5の左右方向)の中央部には、円形の係止孔19が設けられており、この係止孔19の内周面は円筒面として、球面ポスト64,68を内嵌している。すなわち、上側のヨーク23Aは、ケーシング50に固定部材52を介して支持されている球面ポスト64によって揺動自在に支持されており、下側のヨーク23Bは、球面ポスト68およびこれを支持する駆動シリンダ31の上側シリンダボディ56によって揺動自在に支持されている。
なお、各トラニオン15,15に設けられた各変位軸23,23は、入力軸1に対し、互いに180度反対側の位置に設けられている。また、これらの各変位軸23,23の先端部23bが基端部23aに対して偏心している方向は、両ディスク2,2,3,3の回転方向に対して同方向(図5で上下逆方向)となっている。また、偏心方向は、入力軸1の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、各パワーローラ11,11は、入力軸1の長手方向に若干変位できるように支持される。その結果、押圧装置12が発生するスラスト荷重に基づく各構成部材の弾性変形等に起因して、各パワーローラ11,11が入力軸1の軸方向に変位する傾向となった場合でも、各構成部材に無理な力が加わらず、この変位が吸収される。
また、パワーローラ11の外側面とトラニオン15の支持板部16の内側面との間には、パワーローラ11の外側面の側から順に、スラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受(スラスト軸受)24と、スラストニードル軸受25とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受24は、各パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11の回転を許容するものである。このようなスラスト玉軸受24はそれぞれ、複数個ずつの玉(以下、転動体という)26,26と、これら各転動体26,26を転動自在に保持する円環状の保持器27と、円環状の外輪28とから構成されている。また、各スラスト玉軸受24の内輪軌道は各パワーローラ11の外側面(大端面)に、外輪軌道は各外輪28の内側面にそれぞれ形成されている。
また、スラストニードル軸受25は、トラニオン15の支持板部16の内側面と外輪28の外側面との間に挟持されている。このようなスラストニードル軸受25は、パワーローラ11から各外輪28に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これらパワーローラ11および外輪28が各変位軸23の基端部23aを中心として揺動することを許容する。
さらに、各トラニオン15,15の一端部(図5の下端部)にはそれぞれ駆動ロッド(トラニオン軸)29,29が設けられており、各駆動ロッド29,29の中間部外周面に駆動ピストン(油圧ピストン)33,33が固設されている。そして、これら各駆動ピストン33,33はそれぞれ、上側シリンダボディ56と下側シリンダボディ57とによって構成された駆動シリンダ31内に油密に嵌装されている。これら各駆動ピストン33,33と駆動シリンダ31とで、各トラニオン15,15を、これらトラニオン15,15の枢軸14,14の軸方向に変位させる駆動装置32を構成している。
このように構成されたトロイダル型無段変速機の場合、入力軸1の回転は、押圧装置12を介して、各入力側ディスク2,2に伝えられる。そして、これら入力側ディスク2,2の回転が、一対のパワーローラ11,11を介して各出力側ディスク3,3に伝えられ、さらにこれら各出力側ディスク3,3の回転が、出力歯車4より取り出される。
入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比を変える場合には、一対の駆動ピストン33,33を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン33,33の変位に伴って、一対のトラニオン15,15が互いに逆方向に変位する。例えば、図5の左側のパワーローラ11が同図の下側に、同図の右側のパワーローラ11が同図の上側にそれぞれ変位する。
その結果、これら各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の内側面2a,2a,3a,3aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン15,15が、ヨーク23A,23Bに枢支された枢軸14,14を中心として、互いに逆方向に揺動(傾転)する。
その結果、各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各内側面2a,3aとの当接位置が変化し、入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比が変化する。また、これら入力軸1と出力歯車4との間で伝達するトルクが変動し、各構成部材の弾性変形量が変化すると、各パワーローラ11,11およびこれら各パワーローラ11,11に付属の外輪28,28が、各変位軸23,23の基端部23a、23aを中心として僅かに回動する。これら各外輪28,28の外側面と各トラニオン15,15を構成する支持板部16の内側面との間には、それぞれスラストニードル軸受25,25が存在するため、前記回動は円滑に行われる。したがって、前述のように各変位軸23,23の傾斜角度を変化させるための力が小さくて済む。
ところで、上述したようなトロイダル型無段変速機の耐久性を確保するためには、ディスク2,3とパワーローラ11との当接部であるトラクション部で、グロススリップと呼ばれる過大な滑りが発生しないようにする必要がある。このグロススリップの発生を防止するためには、トラクション部の面圧を確保する必要がある。
グロススリップを防止するための方法として、上述のトロイダル型無段変速機では、皿ばね8によって、ディスク2,3とパワーローラ11との当接部に押付力(予圧)を付与している。
また、特許文献1に記載のトロイダル型無段変速機でも皿ばねによりディスク背面に押付力を与え、常にディスクとパワーローラの間に押付力を発生させている。
すなわち、低温時のエンジン始動時は,トラクション油の特性変化(最大トラクション係数の低下)により、押付力不足でグロススリップが発生し易いため、皿ばねにより押付力を与え、トラクション部の面圧を確保している。
特許第2743646号公報
しかしながら、皿ばねの押付力が過大になると、トラクション部の転がり抵抗が増大し、エンジン始動時のトルクが大きくなる一方、皿ばねの押付力が不足すると、押付力不足によるグロススリップが発生してしまうという問題がある。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、エンジン始動時の押付力不足によるグロススリップの発生を防止できるトロイダル型無段変速機を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明のトロイダル型無段変速機は、それぞれの内側面どうしを互いに対向させた状態で互いに同心的にかつ回転自在に設けられた入力側ディスクおよび出力側ディスクと、これら両ディスクの間に挟持されるパワーローラと、前記入力側ディスクを前記パワーローラに押し付ける押圧装置とを備えたトロイダル型無段変速機において、
前記入力側ディスクと前記パワーローラとの間に隙間を形成する隙間形成手段を備えていることを特徴とする。
本発明においては、エンジン始動時に、隙間形成手段によって入力側ディスクとパワーローラとの間に隙間を形成することによって、エンジン始動時の押付力不足によるグロススリップの発生を防止できる。つまり、エンジン始動時に、入力側ディスクはパワーローラから離間しており、入力側ディスクがパワーローラに押し付けられることがないので、押付力不足によるグロススリップの発生を防止できる。
また、エンジン始動時は、前記隙間によって入力側ディスクとパワーローラとが切り離されている(離間している)ことから、イナーシャが低減し、エンジンの始動性が向上する。
本発明によれば、エンジン始動時に、隙間形成手段によって入力側ディスクとパワーローラとの間に隙間を形成することによって、エンジン始動時の押付力不足によるグロススリップの発生を防止できる。
本発明の第1の実施形態に係るトロイダル型無段変速機の概略構成を示すもので、その半側断面図である 同、半平断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るトロイダル型無段変速機の概略構成を示す半側断面図である。 従来のトロイダル型無段変速機の一例を示す断面図である。 図4におけるA−A線に沿う断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、本実施の形態のトロイダル型無段変速機と、図4および図5に示す従来のトロイダル型無段変速機と共通部分には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
(第1の実施の形態)
図1および図2は、第1の実施の形態のトロイダル型無段変速機の概略構成を示すもので、図1はトロイダル型無段変速機の半側断面図、図2は同、半平断面図である。
この第1の実施の形態のトロイダル型無段変速機は、例えば、ケーシングに収容する前の段階で、入力軸1、入力側ディスク2,2、出力側ディスク3A、上下のヨーク(図示略)、トラニオン(図示略)、パワーローラ11、トラニオンを軸方向に駆動させる駆動装置(図示略)、油圧式の押圧装置40、アッパープレート(図示略)等が一体に組み立てられてバリエータモジュール43とされ、このバリエータモジュール43をケーシング内に収容して取り付けるようになっている。
このようなバリエータモジュール43においては、駆動装置の駆動シリンダを構成する上側シリンダボディおよび下側シリンダボディに固定される下側の球面ポスト(図示略)と、アッパープレートに固定される上側の球面ポスト64とが上下に一体に接合された柱状ポスト69とされ、バリエータモジュール43において一対の柱状ポスト69がアッパープレートと、駆動シリンダのシリンダボディを接続した状態となっている。
また、柱状ポスト69の上下の中央部分を入力軸1が貫通した状態となっている。この入力軸1に一対の入力側ディスク2,2、出力側ディスク3A、押圧装置40等が支持されている。
出力側ディスク3Aは、ラジアルニードル軸受35を介して入力軸1に相対回転自在に支持されている。
また、前記一対の柱状ポスト69の間に、出力側ディスク3Aが配置され、この出力側ディスク3Aの軸方向両端に出力側ディスク3Aを軸方向に位置決めするとともに軸回りに回転可能に支持するスラスト軸受55が設けられている。すなわち、柱状ポスト69と、出力側ディスク3Aの小径側端部との間にスラスト玉軸受(スラスト軸受)55が配置され、出力側ディスク3Aの入力軸1の軸方向に沿った位置が規制されるとともに、出力側ディスク3Aの軸回りの回転を許容している。
押圧装置40は、入力軸1の入力端部1cに固定された第1シリンダ部41と、入力側ディスク2と一体の第2シリンダ部59と、第1ピストン部61と、第2ピストン部60とを備えている。第1シリンダ部41は、第2シリンダ部59の外周に係合しており、入力側ディスク2の背面と対向した状態で配されている。また、第2シリンダ部59は、筒状に形成されており、入力側ディスク2の外周縁から第1シリンダ部41に向けて延びている。
第2ピストン部60は、その内周面が入力軸1の外周面に嵌合されるとともに、その外周面が第2シリンダ部59の内周面に摺動自在に嵌合されており、入力側ディスク2の背面に対向した状態で配されている。また、第1ピストン部61は、その内周面が入力軸1の外周面に嵌合されるとともに、その外周面が第1シリンダ部41の内周面に摺動自在に嵌合されており、第2ピストン部60と第1シリンダ部41との間に配されている。
第1シリンダ部41の内面と、第1ピストン部61と、入力軸1の外周面の一部とによって囲まれた空間は、第1油圧室70を構成している。また、第2シリンダ部59の内周面と、第2ピストン部60と、入力側ディスク2の背面と、入力軸1の外周面の一部とによって囲まれた空間は、第2油圧室67を構成している。
また、第2シリンダ部59の内周側において、第2ピストン部60と第1ピストン部61との間に位置する空間75は空気室となっている。また、第2シリンダ部59は、空間75を外部に連通させる連通溝としても機能する隙間を第1ピストン部61との間に有しており、この隙間を介して第1ピストン部61と当接可能となっている。
このような構成の押圧装置40では、第2油圧室67内に圧油が供給されると、この圧油は、第2ピストン部60と入力側ディスク2の背面とが互いに離れる方向に入力側ディスク2を移動させる。これにより、入力側ディスク2が出力側ディスク3Aに向かって押圧される。一方、第1油圧室70内に圧油が供給されると、この圧油は、第1ピストン部61と第1シリンダ部41とが離れる方向に第1シリンダ部41を移動させる。これにより、第1シリンダ部41に固定された入力軸1がエンジン側へと移動し、エンジンから遠くに位置し、かつ入力軸1に軸方向外側への移動がコッタ36によって規制されて設けられた入力側ディスク2が出力側ディスク3Aに向かって押圧される。こうして、それぞれのパワーローラ11のトラクション部が入出力側ディスク2,3Aの双方に転接し、入力側ディスク2の回転駆動力を所望の減速比で出力側ディスク3Aに伝達する。
また、本実施の形態のトロイダル型無段変速は、入力側ディスク2とパワーローラ11との間に隙間Sを形成する隙間形成手段80を備えている。
すなわち、この隙間形成手段80は、図1および図2において左側の入力側ディスク2に、当該入力側ディスク2をパワーローラ11から引き離す方向に荷重を加える予圧機構であり、皿バネ81と2つの止め輪82,83とを備えている。
皿バネ81は、第1ピストン部61と第2シリンダ部59との間の空間75に設けられている。
入力軸1の入力端部1cには、周方向に沿って溝が形成されており、この溝に止め輪82が嵌め込まれて固定されている。この止め輪82は空間75に位置している。
また、入力側ディスク2と一体の第2シリンダ部59の内周面には、周方向に沿って溝が形成されており、この溝に止め輪83が嵌め込まれて固定されている。この止め輪83が空間75に位置するとともに、止め輪82より入力軸1の軸方向外側(図1および2において左側)に位置している。
そして、皿バネ81はその内周部が止め輪82の入力軸1の軸方向外側を向く面に当接され、外周部が止め輪83の入力軸1の軸方向内側を向く面に当接されている。この状態において、皿バネ81はその外周部によって止め輪83を、矢印で示すように、入力軸1の軸方向外側に向けて押圧しており、内周部によって止め輪82を、矢印で示すように、入力軸1の軸方向内側に向けて押圧している。
したがって、左側の入力側ディスク2は、止め輪83を介して皿バネ81の押圧力によって、パワーローラ11から引き離す方向に荷重を加えられて、パワーローラ11から離間し、入力側ディスク2とパワーローラ11との間に隙間Sが形成される。
また、入力軸1は、止め輪82を介して皿バネ81の押圧力によって、図1および図2において右側方向へ力を受けるため、反ローディング側(図1および図2において右側)の入力側ディスク2とパワーローラ11との間にも隙間Sが形成される。
皿バネ81の押圧力は、エンジンアイドル回転数よりやや高い1000rpm程度の遠心油圧力程度に設定する。皿バネ81の押圧力が強すぎると、押圧装置40による入力側ディスク2の押付力が不足することや、油圧をより多く発生させなければならなくなるからであり、逆に皿バネ81の押圧力が弱すぎると低温エンジン始動時の回転上昇による遠心油圧力で入力側ディスク2とパワーローラ11との間の隙間Sがなくなり、入力側ディスク2がパワーローラ11を押圧してしまうことで、グロススリップが生じる虞があるからである。
なお、エンジン始動後は、押圧装置40によって、入力側ディスク2がパワーローラ11に、前記皿バネ81の押圧力より大きい所定の押圧力で押し付けられ、トラクション部の面圧を確保する。
また、図示は省略するが、各パワーローラ11を支持する各トラニオンの端部外周面にトラニオンの枢軸と同心の円弧面を形成し、これら両円弧面どうしの間にケーブルを掛けてもよい。このようにすることで、各トラニオンを互いに同期して揺動させることができるので、入力側ディスク2と出力側ディスク3Aとに挟まれた複数のパワーローラ11の傾斜方向がばらばらになることがない。この結果、ディスク2、3Aとパワーローラ11との間に過大な摩擦力が作用するのを防止できる。
以上のように、本実施形態によれば、エンジン始動時に、隙間形成手段80によって入力側ディスク2とパワーローラ11との間に隙間Sを形成することによって、エンジン始動時の押付力不足によるグロススリップの発生を防止できる。つまり、エンジン始動時に、入力側ディスク2はパワーローラ11から離間しており、入力側ディスク2がパワーローラ11に押し付けられることがないので、押付力不足によるグロススリップの発生を防止できる。
また、エンジン始動時は前記隙間Sによって、入力側ディスク2とパワーローラ11とが切り離されている(離間している)ことから、イナーシャが低減し、エンジンの始動性が向上する。
(第2の実施の形態)
図3は、第2の実施の形態のトロイダル型無段変速機の概略構成を示す半側断面図である。
本実施の形態のトロイダル型無段変速機が第1の実施の形態のトロイダル型無段変速機と異なる点は、隙間形成手段の構成であるので、以下ではこの点について説明し、第1の実施の形態と共通部分には同一符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態における隙間形成手段85は以下のように構成されている。
すなわち、柱状ポスト69と、2つの入力側ディスク2,2の小径側端部との間には、それぞれスプリング86と軸受87とが直列に配置されており、このようなスプリング86と軸受87とによって隙間形成手段85が構成されている。
スプリング86は例えば皿バネによって構成してもよいし、その他のバネによって構成してもよい。また、軸受87は入力側ディスク2の軸方向の力を支持して当該入力側ディスク2を回転自在とするスラスト軸受が好適に使用される。
スプリング86は、柱状ポスト69と軸受87との間に圧縮された状態で設けられており、柱状ポスト69から反力をとって軸受87を介して、入力側ディスク2に、当該入力側ディスク2をパワーローラ11から引き離す方向に荷重を加えるようになっている。これによって、入力側ディスク2はパワーローラ11から離間し、入力側ディスク2とパワーローラ11との間に隙間が形成される。
本実施形態によれば、第1の実施の形態と同様に、エンジン始動時に、隙間形成手段85によって入力側ディスク2とパワーローラ11との間に隙間を形成することによって、エンジン始動時の押付力不足によるグロススリップの発生を防止できる。
また、エンジン始動時は前記隙間によって、入力側ディスク2とパワーローラ11とが切り離されている(離間している)ことから、イナーシャが低減し、エンジンの始動性が向上する。
なお、本実施の形態では、スプリング86を柱状ポスト69側に配置し、軸受87を入力側ディスク2側に配置したが、この配置は逆であってもよい。
なお、上述の第1および第2の実施の形態では、隙間形成手段80,85を、皿バネ81やスプリング86の弾性力を利用することで、入力側ディスク2とパワーローラ11との間に隙間Sを形成する構成としたが、隙間形成手段は入力側ディスク2とパワーローラ11との間に隙間Sを形成できるものであれば、どのような構成であってもよい。
また、押圧装置は、油圧式の押圧装置40に限ることなく、ローディングカム式の押圧装置等であってもよい。
また、本発明は、ハーフトロイダル型無段変速機の他、フルトロイダル型無段変速機にも適用できる。
2 入力側ディスク
3A 出力側ディスク
11 パワーローラ
40 押圧装置
80,85 隙間形成手段
S 隙間

Claims (1)

  1. それぞれの内側面どうしを互いに対向させた状態で互いに同心的にかつ回転自在に設けられた入力側ディスクおよび出力側ディスクと、これら両ディスクの間に挟持されるパワーローラと、前記入力側ディスクを前記パワーローラに押し付ける押圧装置とを備えたトロイダル型無段変速機において、
    前記入力側ディスクと前記パワーローラとの間に隙間を形成する隙間形成手段を備えていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
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