JP2015090160A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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昌大 喜多
Masahiro Kita
昌大 喜多
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Abstract

【課題】軸が貫通する貫通孔に、軸に対してスプライン結合するスプライン部と、軸に対してインロー嵌合するインロー部とを有するディスクにおいて、スプライン歯本部における応力低減を図ることができるトロイダル型無段変速機を提供する。
【解決手段】トロイダル型無段変速機においては、入力側ディスク2の入力軸が貫通する貫通孔85の内周面に、貫通孔85の軸方向に並んで、スプライン部86とインロー部87が設けられている。スプライン部86は、入力軸とスプライン結合する。インロー部87は、入力軸とインロー嵌合する。スプライン部86とインロー部87との間に、入力軸を貫通させた状態で入力軸の周囲に空間を形成する空間形成部88が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車や各種産業機械の変速機などに利用可能なトロイダル型無段変速機に関する。
例えば、自動車用変速機として用いるダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機は、例えば、図3および図4に示すように構成されている。ケーシング50の内側には入力軸1が回転自在に支持されており、この入力軸1の外周には、2つの入力側ディスク2,2と2つの出力側ディスク3,3とが取り付けられている。また、入力軸1の中間部の外周には出力歯車4が回転自在に支持されている。この出力歯車4の中心部に設けられた円筒状のフランジ部4a,4aには、出力側ディスク3,3がスプライン結合によって連結されている。
入力軸1は、図中左側に位置する入力側ディスク2とカム板7との間に設けられたローディングカム式の押圧装置12を介して、駆動軸22により回転駆動されるようになっている。また、出力歯車4は、2つの部材の結合によって構成された仕切壁13を介してケーシング50内に支持されており、これにより、入力軸1の軸線Oを中心に回転できる一方で、軸線O方向の変位が阻止されている。
出力側ディスク3,3は、入力軸1との間に介在されたニードル軸受5,5によって、入力軸1の軸線Oを中心に回転自在に支持されている。また、図中左側の入力側ディスク2は、入力軸1にボールスプライン6を介して支持され、図中右側の入力側ディスク2は、入力軸1にスプライン結合されており、これら入力側ディスク2は入力軸1と共に回転するようになっている。また、入力側ディスク2,2の内側面(凹面)2a,2aと出力側ディスク3,3の内側面(凹面)3a,3aとの間には、パワーローラ11が回転自在に挟持されている。
図3中右側に位置する入力側ディスク2の内周面2cには、段差部2bが設けられ、この段差部2bに、入力軸1の外周面1aに設けられた段差部1bが突き当てられるとともに、入力側ディスク2の背面(図3の右面)がローディングナット9に突き当てられている。これによって、入力側ディスク2の入力軸1に対する軸線O方向の変位が実質的に阻止されている。また、カム板7と入力軸1の鍔部1dとの間には、皿ばね8が設けられており、この皿ばね8は、各ディスク2,2,3,3の凹面2a,2a,3a,3aとパワーローラ11,11の周面11a,11aとの当接部に押圧力を付与する。
図4は、図3のA−A線に沿う断面図である。図4に示すように、ケーシング50の内側には、入力軸1に対し捻れの位置にある一対の枢軸14,14を中心として揺動する一対のトラニオン15,15が設けられている。なお、図4においては、入力軸1の図示は省略している。各トラニオン15,15は、支持板部16の長手方向(図4の上下方向)の両端部に、この支持板部16の内側面側に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部20,20を有している。そして、この折れ曲がり壁部20,20によって、各トラニオン15,15には、パワーローラ11を収容するための凹状のポケット部Pが形成される。また、各折れ曲がり壁部20,20の外側面には、各枢軸14,14が互いに同心的に設けられている。
支持板部16の中央部には円孔21が形成され、この円孔21には変位軸23の基端部23aが支持されている。そして、各枢軸14,14を中心として各トラニオン15,15を揺動させることにより、これら各トラニオン15,15の中央部に支持された変位軸23の傾斜角度を調節できるようになっている。また、各トラニオン15,15の内側面から突出する変位軸23の先端部23bの周囲には、各パワーローラ11がラジアルニードル軸受35を介して回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の間に挟持されている。なお、各変位軸23,23の基端部23aと先端部23bとは、互いに偏心している。
また、各トラニオン15,15の枢軸14,14はそれぞれ、一対のヨーク23A,23Bに対して揺動自在および軸方向(図4の上下方向)に変位自在に支持されており、各ヨーク23A,23Bにより、トラニオン15,15はその水平方向の移動を規制されている。各ヨーク23A,23Bは鋼等の金属のプレス加工あるいは鍛造加工により矩形状に形成されている。各ヨーク23A,23Bの四隅には円形の支持孔18が4つ設けられており、これら支持孔18にはそれぞれ、トラニオン15の両端部に設けた枢軸14がラジアルニードル軸受30を介して揺動自在に支持されている。また、ヨーク23A,23Bの幅方向(図4の左右方向)の中央部には、円形の係止孔19が設けられており、この係止孔19の内周面は円筒面として、球面ポスト64,68を内嵌している。すなわち、上側のヨーク23Aは、ケーシング50に固定部材52を介して支持されている球面ポスト64によって揺動自在に支持されており、下側のヨーク23Bは、球面ポスト68およびこれを支持するシリンダボディ31の上側シリンダボディ61によって揺動自在に支持されている。
なお、各トラニオン15,15に設けられた各変位軸23,23は、入力軸1に対し、互いに180度反対側の位置に設けられている。また、これらの各変位軸23,23の先端部23bが基端部23aに対して偏心している方向は、両ディスク2,2,3,3の回転方向に対して同方向(図4で上下逆方向)となっている。また、偏心方向は、入力軸1の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、各パワーローラ11,11は、入力軸1の長手方向に若干変位できるように支持される。その結果、押圧装置12が発生するスラスト荷重に基づく各構成部材の弾性変形等に起因して、各パワーローラ11,11が入力軸1の軸方向に変位する傾向となった場合でも、各構成部材に無理な力が加わらず、この変位が吸収される。
また、パワーローラ11の外側面とトラニオン15の支持板部16の内側面との間には、パワーローラ11の外側面の側から順に、スラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受(スラスト軸受)24と、スラストニードル軸受25とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受24は、各パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11の回転を許容するものである。このようなスラスト玉軸受24はそれぞれ、複数個ずつの玉(以下、転動体という)26,26と、これら各転動体26,26を転動自在に保持する円環状の保持器27と、円環状の外輪28とから構成されている。また、各スラスト玉軸受24の内輪軌道は各パワーローラ11の外側面(大端面)に、外輪軌道は各外輪28の内側面にそれぞれ形成されている。
また、スラストニードル軸受25は、トラニオン15の支持板部16の内側面と外輪28の外側面との間に挟持されている。このようなスラストニードル軸受25は、パワーローラ11から各外輪28に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これらパワーローラ11および外輪28が各変位軸23の基端部23aを中心として揺動することを許容する。
さらに、各トラニオン15,15の一端部(図4の下端部)にはそれぞれ駆動ロッド(トラニオン軸)29,29が設けられており、各駆動ロッド29,29の中間部外周面に駆動ピストン(油圧ピストン)33,33が固設されている。そして、これら各駆動ピストン33,33はそれぞれ、上側シリンダボディ61と下側シリンダボディ62とによって構成されたシリンダボディ31内に油密に嵌装されている。これら各駆動ピストン33,33とシリンダボディ31とで、各トラニオン15,15を、これらトラニオン15,15の枢軸14,14の軸方向に変位させる駆動装置32を構成している。
このように構成されたトロイダル型無段変速機の場合、入力軸1の回転は、押圧装置12を介して、各入力側ディスク2,2に伝えられる。そして、これら入力側ディスク2,2の回転が、一対のパワーローラ11,11を介して各出力側ディスク3,3に伝えられ、さらにこれら各出力側ディスク3,3の回転が、出力歯車4より取り出される。
入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比を変える場合には、一対の駆動ピストン33,33を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン33,33の変位に伴って、一対のトラニオン15,15が互いに逆方向に変位する。例えば、図4の左側のパワーローラ11が同図の下側に、同図の右側のパワーローラ11が同図の上側にそれぞれ変位する。
その結果、これら各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の内側面2a,2a,3a,3aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン15,15が、ヨーク23A,23Bに枢支された枢軸14,14を中心として、互いに逆方向に揺動する。
その結果、各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各内側面2a,3aとの当接位置が変化し、入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比が変化する。また、これら入力軸1と出力歯車4との間で伝達するトルクが変動し、各構成部材の弾性変形量が変化すると、各パワーローラ11,11およびこれら各パワーローラ11,11に付属の外輪28,28が、各変位軸23,23の基端部23a、23aを中心として僅かに回動する。これら各外輪28,28の外側面と各トラニオン15,15を構成する支持板部16の内側面との間には、それぞれスラストニードル軸受25,25が存在するため、前記回動は円滑に行われる。したがって、前述のように各変位軸23,23の傾斜角度を変化させるための力が小さくて済む。
ところで、入力側ディスク2を入力軸1と一体に回転させるために、入力側ディスク2と入力軸1とがスプライン結合やボールスプライン結合している。また、上述のように押圧装置12により、一対のパワーローラ11を挟持した入力側ディスク2および出力側ディスク3には、押し付け力が作用している。したがって、例えば、入力側ディスク2は、一対のパワーローラ11の各接触点において大きな接触荷重を受けて弾性変形し、スプライン構造やボールスプライン構造の部分の応力が高くなってしまう。なお、出力側ディスク3においても、上述の出力歯車4の円筒状の軸であるフランジ部4aとスプライン結合しており、同様の問題が生じる。また、入力側ディスク2と出力側ディスクの配置を入れ替えた構造とすることも可能であり、この場合に、入力側ディスクで生じていた問題が出力側ディスク3で生じることになる。
上述のようなスプライン構造の問題に対して、図5に示すように、入力軸1とボールスプライン結合している入力側ディスク2の入力軸1が貫通する貫通孔80の入力側ディスク2の外径が小さい側の端部である小径部にスプライン部81より内径を大きくした拡径部82を設けることにより、スプライン部81における応力の低減を図ることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
なお、以下の説明において、入力側ディスク2の軸線方向に沿った2つの端部のうちの外径の大きい側の端部を大径部とし、外径の小さい側の端部を小径部とする。また、スプライン部81とは、軸方向に延在する突条と溝が周方向に沿って交互に配置される部分である。なお、図5は、後述の図1および図2と同様に、入力側ディスク2を、中心軸を境に二分して入力側ディスク2の半分だけを図示したもので、図中の下側縁が貫通孔80の内周面となる。
特許文献1には、例えば、入力側ディスク2の小径部側の端から貫通孔80内にスプライン部81を設けた場合に、入力側ディスク2が一対のパワーローラ11に押されて弾性変形した際に、ボールスプラインを構成するボールの一部が、貫通孔80の断面が楕円形に変形する際に突っ張った状態となる。この結果、ボールスプライン溝とボールとの接触点に大きな荷重が加わる事によって、入力側ディスク2の小径部において前記ボールスプライン溝の底部に大きな引っ張り応力が発生すると記載されている。
それに対して、図5に示すように、入力側ディスク2の貫通孔80内の小径端部側に拡径部82を設け、この拡径部82にはスプライン部81を設けずに、拡径部82より入力側ディスク2の背面側(大径部側)にスプライン部81を設けている。これにより、スプライン部81の特にスプライン溝底部の隅部(スプライン歯元部)にかかる引張応力を低減している。すなわち、入力側ディスク2の貫通孔80の小径部側端部(正面側端部)の内周面に発生する大きな引張応力を抑制し、スプライン部81のスプライン歯元部で生じる応力の低減を図っている。
また、フルトロイダル型無段変速機において、入力軸にスプライン結合される入力側ディスクにおいて、変形を抑制するために入力側ディスク背面に例えば放射状等の形状の補強突条を設けることが提案されている。
特開平08−4869号公報 特開2004−44656号公報
ところで、特許文献1におけるような入力側ディスク2の貫通孔の拡径部82は、例えば、図3に示す入力軸1の外周面1aの段差部1bと、入力側ディスク2の内周面2cの段差部2bとの嵌合のようなインロー嵌合に用いられる場合がある。
このように拡径部82がインロー嵌合に利用され、インロー部としての拡径部82に入力軸のインロー部がインロー嵌合し、拡径部82の内周面に入力軸1の外周面が当接する場合には、以下のような問題が生じる。
すなわち、入力側ディスク2において、パワーローラ11の接触点と同位相の拡径部82寄りのスプライン部81のスプライン歯元部には、インロー部としての拡径部82で生じる引張応力と、パワーローラ11の接触荷重による入力側ディスクの曲げにより、応力集中が生じ、スプライン歯元部の応力が高くなってしまう。
また、特許文献2では、入力側ディスクに補強突条として厚さが厚くなる部分を設けることにより、入力側ディスクの重量増加を免れることができない。すなわち、入力側ディスクの重量を増加させることなく、入力側ディスクで発生する応力の低減を図ることができない。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、軸が貫通する貫通孔に、軸に対してスプライン結合するスプライン部と、軸に対してインロー嵌合するインロー部とを有するディスクにおいて、スプライン歯本部における応力低減を図ることができるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明のトロイダル型無段変速機は、それぞれの内側面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的にかつ回転自在に設けられた少なくとも一対のディスクと、前記ディスクの中心部を貫通して前記ディスクを支持する軸と、対となる前記ディスクの間に挟持されたパワーローラと、前記ディスクおよび前記パワーローラに押し付け力を付与する押圧装置とを備えるトロイダル型無段変速機において、前記ディスクのうちの少なくとも1つの前記ディスクの前記軸が貫通する貫通孔の内周面に、前記貫通孔の軸方向に並んで、前記軸とスプライン結合されるスプライン部と、前記貫通孔の内径を拡径して設けられるとともに前記軸とインロー嵌合されるインロー部とが設けられ、前記スプライン部と前記インロー部との間に、前記軸を貫通させた状態で前記軸の周囲に空間を形成する空間形成部が設けられていることを特徴とする。
このような構成によれば、軸にインロー嵌合するインロー部と、軸にスプライン結合するスプライン部との間に、ディスクに軸を貫通させた状態で軸の回りに空間を形成する空間形成部が設けられているので、インロー部で上述のように生じる引張応力と、ディスクにおけるパワーローラ接触点における荷重による変形とに基づいて、スプライン部のインロー部寄りの部分のスプライン歯元部における応力集中を緩和することができる。これにより、スプライン部のスプライン歯元部の応力が高くなるのを抑制できる。また、ディスクにおいては、空間形成部を設けることにより、重量が増加することがなく、重量を低減するとともに応力を低下させることができる。
なお、空間形成部においては、その内周面が軸の外周面から離れるように、内周面の内径が軸の外周面の外径より大きくされている。
本発明の前記構成において、前記ディスクの前記貫通孔の前記内周面において、前記空間形成部の内径が、前記スプライン部のスプライン溝底部の内径より大きくなっていることが好ましい。
このような構成によれば、スプライン溝底部における内径より、空間形成部の内径を大きくすることにより、スプライン部のスプライン歯底部における応力の集中をさらに緩和することができる。
なお、本発明の前記構成において、前記スプライン部に設けられるスプライン溝の底部が凹状の湾曲面とされていることが好ましい。
このような構成によれば、スプライン構造において、応力が集中しやすいスプライン溝底部の角部を湾曲させた形状にすることができるので、スプライン歯元部における応力集中をさらに緩和することができる。すなわち、スプライン溝底部の隅部を応力が集中し易い略直角の角部ではなく、直角の角部に比較して応力が収集し難い形状とすることができる。
本発明によれば、軸にスプライン結合されるとともにインロー嵌合される入力側ディスクまたは出力側ディスクにおいて、スプライン部のスプライン歯元部の応力集中を緩和し、発生する応力を低減することができる。
本発明の第1の実施の形態におけるトロイダル型無段変速機を示す要部断面図である。 本発明の第2の実施の形態におけるトロイダル型無段変速機を示す要部断面図である。 従来のトロイダル型無段変速機の一例を示す断面図である。 図3におけるA−A線に沿う断面図である。 従来のトロイダル型無段変速機を示す要部断面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
なお、本実施の形態のトロイダル型無段変速機の特徴は、ディスクの貫通孔の内周面のスプライン部とインロー部との間に空間形成部が設けられることにあるので、以下ではこの点について詳細に説明し、それ以外の部分については、従来と同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。また、本実施の形態ではディスクとして入力側ディスク2を例にとって説明するが、ディスクは出力側ディスク3であってもよい。
(第1の実施の形態)
図1に示すように、入力側ディスク(ディスク)2は、その入力軸(軸)1(図3に図示)が貫通する貫通孔85の内周面に、貫通孔85の軸方向に並んで入力軸1とスプライン結合するスプライン部86と、入力軸1とインロー嵌合するインロー部87を備える。
また、入力側ディスク(ディスク)2は、貫通孔85の内周面のスプライン部86と、インロー部87との間に、空間形成部88を備える。本実施の形態では、入力側ディスク2の大径部側端部にインロー部87が設けられている。このインロー部87の小径部側に、このインロー部に隣接して空間形成部88が設けられ、空間形成部88の小径部側に、この空間形成部に隣接するとともに、貫通孔85の小径部の端まで延在するスプライン部86が形成されている。
貫通孔85の内周面の内径は、例えば、スプライン部86における内径が最も小さく、インロー部87における内径は、スプライン部86のスプライン溝の底部の内径と略等しいか、それより大きくなっている。また、空間形成部88における内径は、インロー部87およびスプライン部86のスプライン溝の底部の内径より大きくなっている。
スプライン部86は、貫通孔85(入力側ディスク2)の軸方向に直交する断面形状が内歯歯車状となっており、例えば、周方向に沿って突条が等間隔に複数配置された形状であり、互いに隣り合う突条の間がスプライン溝となる。このスプライン溝の底部は、一般的には平面であるが、本実施の形態では、凹状の湾曲面として円弧面となっている。すなわち、スプライン部86は、丸底スプラインである。
インロー部87は、例えば、入力軸1に段差を備えて形成されたインロー部とインロー嵌合するものである。この際に入力軸1のインロー部の外周面がインロー部87の内周面に略当接した状態となる。すなわち、入力側ディスク2におけるインロー部の配置が逆となるが、図3に示す入力軸1の外周面1aの段差部1bと、入力側ディスク2の内周面2cの段差部2bとが嵌合した部分において、入力軸1の外周面1aと入力側ディスク2の内周面2cとが略当接した状態とされる場合と略同様の構成となる。
但し、本実施の形態では、インロー部87と、インロー部87より内径が小さいスプライン部86との間にこれらインロー部87およびスプライン部86より内径の大きな空間形成部88があるため、入力側ディスク2の貫通孔85に入力軸1を挿入した際に、入力軸1のインロー部の段差が空間形成部88とスプライン部86との境界部分の段差に当接することにより位置が決められる。
この場合に、貫通孔85の内周面において、入力軸1の段差が空間形成部88とスプライン部86との境界部分の段差に接触した状態で、空間形成部88の内周面は、入力軸1の外周面1aに接触することがない。
空間形成部88は、上述のようにスプライン部86およびインロー部87の間に形成され、貫通孔85に入力軸1を挿入した場合に、入力軸1の空間形成部88に対応する部分に円環状の空間を形成する。これにより、空間形成部88において、入力側ディスク2の内周面と、入力軸1の外周面1aとは接触せずに、切り離された部分となる。
このようなトロイダル型無段変速機においては、入力側ディスク2において、一対のパワーローラ11の接触点と同位相のインロー部87よりのスプライン部86のスプライン歯元部に、インロー部87の引張力と、パワーローラ11の接触荷重による入力側ディスク2の変形により生じる応力集中を、インロー部87とスプライン部86との間に空間形成部88を設けることにより、入力側ディスク2と入力軸1とが接触しない非接触部を確保することによって緩和することができる。
この場合に、空間形成部88が貫通孔85の内径を拡径した部分であることから、応力の緩和に際し、入力側ディスク2の重量が増加することがない。したがって、本実施の形態のトロイダル型無段変速機においては、入力側ディスク2の重量を増加させることなく、入力側ディスク2における応力の低減を図ることができる。
また、上述のようにスプライン結合におけるスプライン部86を丸底スプラインとすることにより、スプライン溝底部の隅部が角部ではなく、湾曲した形状となり応力集中をさらに抑制できる。
(第2の実施の形態)
図2に示すように第2の実施の形態のトロイダル型無段変速機においては、入力側ディスク2の入力軸1が貫通する貫通孔90の内周面に、第1の実施の形態と同様のスプライン部91とインロー部92が設けられ、これらスプライン部91とインロー部92との間の空間形成部93が設けられている。
貫通孔90の内周面においては、第1の実施の形態のスプライン部86、インロー部87、空間形成部88と同様にスプライン部91、インロー部92、空間形成部93が設けられているが、第2の実施の形態では、入力側ディスク2の貫通孔90の小径部側端部にインロー部92が設けられ、インロー部92との間に空間形成部93を挟んで、空間形成部93より入力側ディスク2の大径部側にスプライン部91が設けられている。すなわち、第1の実施の形態に対して、スプライン部91、インロー部92、空間形成部93の入力側ディスク2における配置が逆になっている。
このようなトロイダル型無段変速機は、第1の実施の形態のトロイダル型無段変速機と同様の作用効果を奏する。
なお、第1および第2の実施の形態においては、入力側ディスク2を例にとって説明したが、出力側ディスク3が軸とスプライン結合して一体に回転する構成の場合に、出力側ディスク3に本発明を適用してもよい。また、スプライン結合するスプライン部86,91をボールスプラインとしてもよい。
本発明は、シングルキャビティ型やダブルキャビティ型などの様々なハーフトロイダル型無段変速機の他、フルトロイダル型無段変速機にも適用することができる。
1 入力軸(軸)
2 入力側ディスク(ディスク)
3 出力側ディスク(ディスク)
11 パワーローラ
12 押圧装置
85 貫通孔
86 スプライン部
87 インロー部
88 空間形成部
90 貫通孔
91 スプライン部
92 インロー部
93 空間形成部

Claims (2)

  1. それぞれの内側面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的にかつ回転自在に設けられた少なくとも一対のディスクと、前記ディスクの中心部を貫通して前記ディスクを支持する軸と、対となる前記ディスクの間に挟持されたパワーローラと、前記ディスクおよび前記パワーローラに押し付け力を付与する押圧装置とを備えるトロイダル型無段変速機において、
    前記ディスクのうちの少なくとも1つの前記ディスクの前記軸が貫通する貫通孔の内周面に、前記貫通孔の軸方向に並んで、前記軸とスプライン結合されるスプライン部と、前記貫通孔の内径を拡径して設けられるとともに前記軸とインロー嵌合されるインロー部とが設けられ、
    前記スプライン部と前記インロー部との間に、前記軸を貫通させた状態で前記軸の周囲に空間を形成する空間形成部が設けられていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 前記ディスクの前記貫通孔の前記内周面において、前記空間形成部の内径が、前記スプライン部のスプライン溝底部の内径より大きくなっていることを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
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WO2018096983A1 (ja) * 2016-11-24 2018-05-31 日本精工株式会社 トロイダル無段変速機

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11280861A (ja) * 1998-03-26 1999-10-15 Isuzu Motors Ltd トロイダル型無段変速機

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