JP2007032748A - トロイダル型無段変速装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 大型化を防止しつつ、変速比幅を拡大し、且つ、必要時に大きなトルクの伝達を可能にできる構造を実現する。
【解決手段】 第一、第二両トロイダル型無段変速ユニット30a、31aを直列に配置する。又、伝達軸44aと、出力軸47aと、第一、第二両動力伝達機構49、53と、クラッチ52及び第二クラッチ55とを備える。大トルク伝達時には、クラッチ52を接続し、第二クラッチ55の接続を断って、小型の第二トロイダル型無段変速機31aをトルクが通過しない様にする。又、高速巡航時等には、クラッチ52の接続を断ち、第二クラッチ55を接続して、上記第一、第二両トロイダル型無段変速ユニット30a、31aの変速比を乗じた変速比を得る。
【選択図】 図1

Description

この発明は、例えば自動車用自動変速装置を構成する変速ユニットとして、或いはポンプ等の各種産業機械の運転速度を調節する為の変速装置として利用する、トロイダル型無段変速装置の改良に関する。具体的には、大型化を防止しつつ、変速比幅を拡大し、且つ、必要時に大きなトルクの伝達を可能にできる構造を実現するものである。
例えば特許文献1〜2等に記載されている様に、自動車用自動変速装置の変速ユニットとして、図2〜4に示す様なトロイダル型無段変速装置を使用する事が研究され、一部で実施されている。このトロイダル型無段変速装置は、ダブルキャビティ型と呼ばれるもので、入力回転軸1の周囲に、1対の入力側ディスク2a、2bを支持している。これら両入力側ディスク2a、2bは上記入力回転軸1に対し、それぞれがトロイド曲面(断面円弧形の凹面)である入力側内側面3、3同士を互いに対向させた状態で、それぞれボールスプライン4、4を介して支持している。従って上記両入力側ディスク2a、2bは、互いに同心に、且つ、同期した回転を自在に支持されている。
又、上記入力回転軸1の中間部は、トロイダル型無段変速装置を収納したケーシング5内に設置した隔壁部6に設けた通孔7を挿通している。この通孔7の内径側には、円筒状の出力筒8を、1対の転がり軸受9、9により回転自在に支持しており、この出力筒8の中間部外周面に出力歯車10を固設している。又、この出力筒8の両端部で上記隔壁部6の両外側面から突出した部分に、1対の出力側ディスク11、11の外半部(互いに対向する側の半部)を、スプライン係合により、上記出力筒8と同期した回転自在に支持している。この状態で、それぞれがトロイド曲面である、上記両出力側ディスク11、11の出力側内側面12、12が、上記両入力側内側面3、3に対向する。又、上記両出力側ディスク11、11の内半部(互いに反対側の半部)内周面と上記入力回転軸1の中間部外周面との間に、ラジアルニードル軸受13、13を設けている。
又、上記入力回転軸1の周囲で上記入力側、出力側両内側面3、12同士の間部分(キャビティ)に、それぞれ複数個(一般的には2個又は3個)ずつのパワーローラ18、18を配置している。これら各パワーローラ18、18はそれぞれ、上記入力側、出力側両内側面3、12に転がり接触する周面19、19を球状凸面としたもので、支持部材であるトラニオン20、20の内側面に、偏心軸21、21と、ラジアルニードル軸受22、22と、スラスト玉軸受23、23と、スラストニードル軸受24、24とにより、回転及び若干の揺動変位自在に支持されている。
又、上記各トラニオン20、20は、それぞれの長さ方向(図2、4の上下方向、図3の表裏方向)両端部にこれら各トラニオン20、20毎に互いに同心に設けられた枢軸26、26を中心として、揺動変位自在である。これら各トラニオン20、20を揺動(傾斜)させる動作は、油圧式のアクチュエータ27、27によりこれら各トラニオン20、20を上記各枢軸26、26の軸方向に変位させる事により行なう。変速時には、上記各アクチュエータ27、27への圧油の給排により、上記各トラニオン20、20を上記各枢軸26、26の軸方向に変位させる。この結果、上記各パワーローラ18、18の周面19、19と上記入力側、出力側各ディスク2a、2b、11、11の入力側、出力側各内側面3、12との接触部(トラクション部)の接線方向に作用する力の方向が変化するので、上記各トラニオン20、20が上記各枢軸26、26を中心として揺動変位する。
上述の様なトロイダル型無段変速装置の運転時には、エンジン等の動力源に繋がる駆動軸28により一方(図2〜3の左方)の入力側ディスク2aを、ローディングカム式の押圧装置29を介して回転駆動する。この結果、前記入力回転軸1の両端部に支持された1対の入力側ディスク2a、2bが、互いに近づく方向に押圧されつつ同期して回転する。そして、この回転が、上記各パワーローラ18、18を介して上記両出力側ディスク11、11に伝わり、前記出力歯車10から取り出される。尚、押圧装置として油圧式のものを使用する事も、従来から広く知られている。
上記入力回転軸1と出力歯車10との回転速度の比を変える場合で、先ず入力回転軸1と出力歯車10との間で減速を行なう場合には、上記各トラニオン20、20を図3に示す位置に揺動させ、上記各パワーローラ18、18の周面19、19をこの図3に示す様に、上記両入力側ディスク2a、2bの入力側内側面3、3の中心寄り部分と上記両出力側ディスク11、11の出力側内側面12、12の外周寄り部分とにそれぞれ転がり接触させる。反対に、増速を行なう場合には、上記各トラニオン20、20を図3と反対方向に揺動させ、上記各パワーローラ18、18の周面19、19を、図3に示した状態とは逆に、上記両入力側ディスク2a、2bの入力側内側面3、3の外周寄り部分と上記両出力側ディスク11、11の出力側内側面12、12の中心寄り部分とにそれぞれ転がり接触させる。上記各トラニオン20、20の揺動角度を中間にすれば、上記入力回転軸1と出力歯車10との間で、中間の速度比(変速比)を得られる。
上述の様な従来のトロイダル型無段変速装置の変速比幅は、従来は4程度(例えば減速比で、0.5〜2程度)であった。従来の遊星歯車式の自動変速装置と比較した場合、この程度の変速比幅でも、実用上は十分であるが、自動車の燃費性能や加速性能をより一層向上させる面からは、上記変速比幅をより広くする事が好ましい。この変速比幅は、入力側、出力側両内側面3、12の内外径の比を大きくすると共に、上記各トラニオン20、20の揺動範囲を大きくする事により、或る程度広くできる。但し、この場合には、トロイダル型無段変速装置の直径及び軸方向寸法が大きくなり、このトロイダル型無段変速装置が大型化する為、実施が制限される。この為に従来から、トロイダル型無段変速機と遊星歯車機構とを組み合わせた無段変速装置が、特許文献3等、多くの刊行物に記載されて、従来から各種考えられている。但し、遊星歯車機構は噛合部が多く、摩擦に基づく動力損失が多くなり、無段変速装置全体としての伝達効率の確保が難しくなる。
これに対して、複数組の摩擦式変速機を動力の伝達方向に関して互いに直列に配置する事により、全体としての変速比幅を大きくする構造が、特許文献4〜6に記載される等により、従来から知られている。これら特許文献4〜6に記載された従来構造のうち、特許文献4、6に記載された従来構造は、変速比固定の摩擦ローラ式変速機を直列に配置したものである。これに対して、特許文献5に記載された従来構造は、変速比可変のベルト式変速機を直列に配置したものである。この様な特許文献4〜6に記載された、変速比幅を大きくする為の技術思想をトロイダル型無段変速装置に適用すれば、変速比幅が大きなトロイダル型無段変速機を実現できる。
図5は、この様な事情に鑑みて本発明者が先に考えた、大きな変速比幅を得られるトロイダル型無段変速装置の1例を示している。この先に考えたトロイダル型無段変速装置は、第一トロイダル型無段変速ユニット30と第二トロイダル型無段変速ユニット31とを、動力の伝達方向に関して互いに直列に配置して成る。このうちの第一トロイダル型無段変速ユニット30は、1個ずつの第一入力側、第一出力側両ディスク32、33と、複数の第一パワーローラ34、34とを備える。これら両ディスク32、33は、それぞれがトロイド曲面である第一入力側、第一出力側両内側面35、36同士を対向させた状態で、互いに同心に、且つ、相対回転自在に配置している。又、上記各第一パワーローラ34、34は、それぞれの周面を上記第一入力側、第一出力側両内側面35、36に転がり接触させた状態で、上記第一入力側、第一出力側両ディスク32、33同士の間に配置している。更に、この第一入力側ディスク32の外側面側には、油圧式の第一押圧装置37を設けて、上記各第一パワーローラ34、34の周面と上記入力側、出力側両内側面35、36との転がり接触部(トラクション部)に、必要となる面圧を付与する様にしている。
又、上記第二トロイダル型無段変速ユニット31は、1個ずつの第二入力側、第二出力側両ディスク38、39と、複数の第二パワーローラ40、40とを備える。これら両ディスク38、39は、それぞれがトロイド曲面である第二入力側、第二出力側両内側面41、42同士を対向させた状態で、互いに同心に、且つ、相対回転自在に配置している。又、上記各第二パワーローラ40、40は、それぞれの周面を上記第二入力側、第二出力側両内側面41、42に転がり接触させた状態で、上記第二入力側、第二出力側両ディスク38、39同士の間に配置している。更に、この第二入力側ディスク38の外側面側には、油圧式の第二押圧装置43を設けて、上記各第二パワーローラ40、40の周面と上記入力側、出力側両内側面41、42との転がり接触部に、必要となる面圧を付与する様にしている。尚、トロイダル型無段変速装置に組み込む油圧式の押圧装置の構成及び作用等に就いては、特許文献7等、多くの刊行物に記載されて従来から周知である。
更に、前記第一出力側ディスク33と上記第二押圧装置43とを伝達軸44により結合して、この第一出力側ディスク33の回転力を、この第二押圧装置43を介して、上記第二入力側ディスク38に伝達自在としている。前記第一トロイダル型無段変速ユニット30の変速比と、上記第二トロイダル型無段変速ユニット31の変速比とは、互いに独立して、或いは互いに連動して(同じ変速比として)、調節自在としている。前記第一入力側ディスク32と上記第二出力側ディスク39との間の変速比は、上記第一トロイダル型無段変速ユニット30の変速比と、上記第二トロイダル型無段変速ユニット31の変速比との積となる。上述の様に構成する、図5に示したトロイダル型無段変速装置を、自動車用自動変速機として使用する場合には、上記第一入力側ディスク32をエンジン48のクランクシャフト45に、トルクコンバータ、電磁クラッチ等の発進クラッチ46を介して接続する。又、上記第二出力側ディスク39にその一端を接続した出力軸47の他端を、図示しないデファレンシャルギヤの入力部に接続して、駆動輪を回転駆動自在とする。
上述の図5に示した様な構成は、単にトロイダル型無段変速装置全体としての変速比幅を広くする面からは良いが、大型化を防止しつつ、必要時に大きなトルクの伝達を可能にする面からは問題を生じる。この理由は、動力の伝達方向に関して並列に存在するトラクション部の数が、前述の図2、3に示した様な、ダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速装置に比べて、少なくなる為である。例えば、それぞれの内側面を互いに対向させた、1対の入力側ディスクと出力側ディスクとの間(単一キャビティ内)に存在するパワーローラの数を2個とした場合に就いて考える。この場合、動力の伝達方向に関して並列に存在するトラクション部の数は、上記ダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速装置では、各キャビティ毎に2個所ずつ、トロイダル型無段変速装置全体で4個所存在する。これに対して、上記図5に示した構造の場合には、トロイダル型無段変速装置全体でも2個所だけになる。動力の伝達方向に関して互いに並列に存在するトラクション部の数が少ない事は、各トラクション部で伝達すべきトルクが大きくなり、大きな動力を伝達する構造で、大型化防止、耐久性確保を図る面からは不利である。
勿論、上記図5に示した構造でも、前記第一、第二両トロイダル型無段変速ユニット30、31の構成各部材の寸法を大きくすれば、耐久性を確保しつつ大きな動力を伝達できる。但し、上記図5に示した構造の場合、常に上記第一、第二両トロイダル型無段変速ユニット30、31が動力を伝達する為、耐久性を確保しつつ大きな動力を伝達できる構造を実現する為には、上記両トロイダル型無段変速ユニット30、31を、何れも大型化する必要がある。この結果、トロイダル型無段変速装置全体として大型化し、大型化を抑えつつ、変速比幅を広くすると言った、本来の目的を達成しにくくなる。
一方、例えば自動車用の自動変速装置として使用するトロイダル型無段変速装置の場合、大きなトルクを伝達するのは、急発進、急加速時等、限られた場合である。高速道路での巡航時等は、減速比を小さく(増速比を大きく)する要求がある反面、伝達すべきトルクは小さくなる。この様な事情に鑑みて本発明者は、大型化を防止しつつ、変速比幅を拡大し、且つ、必要時に大きなトルクの伝達を可能にできる構造を実現する為には、各部の寸法を異ならせると共に、運転状況に応じて動力の伝達経路を変更できる構造を採用する事が好ましいと考えるに至った。
特開平2−283949号公報 特開平6−280959号公報 特開平1−169169号公報 特開昭61−274158号公報 特開平1−250650号公報 特開平11−37240号公報 特開2001−165266号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑み、大型化を防止しつつ、変速比幅を拡大し、且つ、必要時に大きなトルクの伝達を可能にできる構造を実現すべく発明したものである。
本発明のトロイダル型無段変速装置は、第一トロイダル型無段変速ユニットと、第二トロイダル型無段変速ユニットと、伝達軸と、出力軸と、第一動力伝達機構と、第二動力伝達機構と、クラッチとを備える。
このうちの第一トロイダル型無段変速ユニットは、それぞれがトロイド曲面である第一入力側、第一出力側両内側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、且つ、相対回転自在に配置された第一入力側、第一出力側両ディスクと、それぞれの周面を上記第一入力側、第一出力側両内側面に転がり接触させた状態で、上記第一入力側、第一出力側両ディスク同士の間に配置された複数の第一パワーローラとを備える。
又、上記第二トロイダル型無段変速ユニットは、それぞれがトロイド曲面である第二入力側、第二出力側両内側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、且つ、相対回転自在に配置された第二入力側、第二出力側両ディスクと、それぞれの周面を上記第二入力側、第二出力側両内側面に転がり接触させた状態で、上記第二入力側、第二出力側両ディスク同士の間に配置された複数の第二パワーローラとを備える。
又、上記伝達軸は、上記第一トロイダル型無段変速ユニットを構成する上記第一出力側ディスクの回転を、上記第二トロイダル型無段変速ユニットを構成する上記第二入力側ディスクに伝達する為のものである。
又、上記出力軸は、トロイダル型無段変速装置全体としての出力を取り出す為のものであり、上記第一動力伝達機構は、上記伝達軸と上記出力軸との間に設けられている。
又、上記第二動力伝達機構は、上記第二トロイダル型無段変速ユニットを構成する上記第二出力側ディスクの回転を、上記出力軸に伝達する為のものである。
更に、上記クラッチは、上記第一動力伝達機構の途中に設けられている。
上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段変速装置の場合、急発進、急加速時等、大きなトルクを伝達する必要がある場合には、クラッチを接続する。又、第二トロイダル型無段変速ユニット及び第二動力伝達機構を通じて送られる動力に関する、伝達軸と出力軸との間の変速比と、第一動力伝達機構を通じて送られる動力に関する、伝達軸と出力軸との間の変速比とを一致させる。上記クラッチを接続している限り、上記第二トロイダル型無段変速ユニットの変速比は固定のままである。但し、請求項3に記載した様に、第一動力伝達機構の途中のクラッチに加えて、第二動力伝達機構の途中に第二クラッチを設け、上記クラッチの接続時にこの第二クラッチの接続を断てば、上記第二トロイダル型無段変速ユニットの変速比の調節状態は特に問わない。何れにしても、上記クラッチを接続した状態では、第一入力側ディスクと上記出力軸との間の変速比は、第一トロイダル型無段変速ユニットの変速比を調節する事によってのみ、調節自在となる。
又、上記クラッチを接続した状態では、上記第一入力側ディスクと上記出力軸との間を送られる動力は、上記第一トロイダル型無段変速ユニットを通過した後、上記第二トロイダル型無段変速ユニットと上記第一動力伝達機構とに分かれて(並列に)送られる。上記第二クラッチを設けてこの第二クラッチの接続を断った状態では、上記第一動力伝達機構のみを送られて、上記第二トロイダル型無段変速ユニットを送られる事はない。従って、上記急発進、急加速時等、大きなトルクを伝達する必要がある場合に上記第二トロイダル型無段変速ユニットを通過するトルクは、0若しくは僅少になる。従って、この第二トロイダル型無段変速ユニットを小型化しても、この第二トロイダル型無段変速ユニットの耐久性を十分に確保できる。これに対して、上記第一トロイダル型無段変速ユニットは、上記大きなトルク全部が通過する。そこで、請求項3に記載した様に、この第一トロイダル型無段変速ユニットを構成する第一入力側、第一出力側両ディスク及び各第一パワーローラの寸法を、第二トロイダル型無段変速ユニットを構成する第二入力側、第二出力側両ディスク及び各第二パワーローラの寸法に比べて大きくすれば、上記第一トロイダル型無段変速ユニットに就いても、耐久性を十分に確保できる。この場合でも、上記第二トロイダル型無段変速ユニットを大型化する必要はないので、トロイダル型無段変速装置全体としての大型化を抑えられる。
一方、高速巡航時等、減速比を小さく(増速比を大きく)する要求がある反面、伝達すべきトルクが小さくなる状態では、上記クラッチの接続を断つ(上記第二クラッチを設けている場合にはこの第二クラッチを接続する)。すると、上記第一入力側ディスクと前記出力軸との間を送られる動力は、上記第一トロイダル型無段変速ユニットを通過した後、この動力の全部が、上記第二トロイダル型無段変速ユニットを通過する。この状態では、これら第一、第二トロイダル型無段変速ユニットの変速比の積が、トロイダル型無段変速装置全体としての変速比である、上記第一入力側ディスクと上記出力軸との間の変速比となる。この為、この変速比の調節幅を大きくできる。上記動力の全部が上記第二トロイダル型無段変速ユニットを通過するが、上記クラッチの接続を断つのは、高速巡航時等、伝達すべきトルクは小さくなる状態に限られるので、請求項3に記載した様に、上記第二トロイダル型無段変速ユニットを小型にしても、この第二トロイダル型無段変速ユニットの耐久性が問題となる事はない。
これらの作用により本発明の場合には、大型化を防止しつつ、変速比幅を拡大し、且つ、必要時に大きなトルクの伝達を可能にできる構造を実現できる。
図1は、本発明を実施する場合に好ましい構造を示している。尚、この図1に示した構造で、第一、第二両トロイダル型無段変速ユニット30a、31aの基本的構造に就いては、前述の図5に示した、先に考えた構造と同様である。異なる点は、前段側(エンジン48側)に設ける第一トロイダル型無段変速ユニット30aを、後段側(出力軸47a側)に設ける第二トロイダル型無段変速ユニット31aよりも大型にした点のみである。そこで、上記第一、第二両トロイダル型無段変速ユニット30a、31aの構造に就いては、前述の図5に記載した符号に「a」を付して表す事により、重複する説明を省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。
上記第一トロイダル型無段変速ユニット30aを構成する第一出力側ディスク33aの回転を、上記第二トロイダル型無段変速ユニット31aを構成する第二入力側ディスク38aに伝達する為の伝達軸44aと、トロイダル型無段変速装置全体としての出力を取り出す為の出力軸47aとの間に、第一動力伝達機構49を設けている。この第一動力伝達機構49は、上記第二トロイダル型無段変速ユニット31aの側方に、この第二トロイダル型無段変速ユニット31aの中心軸と平行に配置された、第二伝達軸50を備える。
そして、この第二伝達軸50の両端部に固定した1対の歯車51a、51bのうちの前側(エンジン48側)の歯車51aを上記伝達軸44aに固定した歯車51cと、直接噛合させている。これに対して、後側(出力軸47a側)の歯車51bを上記出力軸47aに固定した歯車51dと、アイドル歯車となる歯車51eを介して噛合させている。又、上記第二伝達軸50の途中には、湿式多板クラッチの如きクラッチ52を設けている。このクラッチ52を接続した状態では、上記伝達軸44aの回転が上記出力軸47aに伝達され、この出力軸47aがこの伝達軸44aと逆方向に、この伝達軸44aの回転速度に上記各歯車51a〜51dの歯数により定まる変速比を乗じた回転速度で回転する。尚、上記出力軸47aの回転方向を上記伝達軸44aの回転方向と逆にする理由は、この伝達軸44aの回転を、上記第一動力伝達機構49を介して上記出力軸47aに伝達する場合と、同じく上記第二トロイダル型無段変速ユニット31aを介して伝達する場合とで一致させる為である。
又、上記第二トロイダル型無段変速ユニット31aを構成する第二出力側ディスク39aの回転を上記出力軸47aに伝達する為に、第二動力伝達機構53を設けている。図示の例ではこの第二動力伝達機構53を、その両端部を上記第二出力側ディスク39aと上記出力軸47aとに結合固定した第三伝達軸54により構成している。更に、この第三伝達軸54の途中に、湿式多板クラッチの如き第二クラッチ55を設けている。この第二クラッチ55を接続した状態では、上記伝達軸44aの回転が上記出力軸47aに、上記第二トロイダル型無段変速ユニット31aと上記第二動力伝達機構53とを介して伝達され、この出力軸47aが上記伝達軸44aと逆方向に、この伝達軸44aの回転速度に上記第二トロイダル型無段変速ユニット31a変速比を乗じた回転速度で回転する。
上述の様に構成する本例のトロイダル型無段変速装置の場合、急発進、急加速時等、大きなトルクを伝達する必要がある場合には、上記クラッチ52を接続する。又、上記第二トロイダル型無段変速ユニット31aの変速比を、上記各歯車51a〜51dの歯数により定まる、上記第一動力伝達機構49の変速比に一致させる。上記クラッチ52を接続している限り、上記第二トロイダル型無段変速ユニット31aの変速比は固定のままである。但し、図示の例で、上記クラッチ52の接続時に上記第二クラッチ55の接続を断てば、上記大きなトルクを伝達する状態での、上記第二トロイダル型無段変速ユニット31aの変速比の調節状態は、特に問わない。逆に言えば、上記クラッチ52の接続時に上記第二トロイダル型無段変速ユニット31aの変速比を上記第一動力伝達機構49の変速比に一致させる事が面倒でない限り、上記第二クラッチ55は省略できる。何れにしても、上記クラッチ52を接続した状態では、上記第一トロイダル型無段変速ユニット30aを構成する第一入力側ディスク32a(エンジン48のクランクシャフト45)と上記出力軸47aとの間の変速比は、上記第一トロイダル型無段変速装置30aの変速比を調節する事によってのみ、調節自在となる。
又、上記クラッチ52を接続した状態では、上記第一入力側ディスク32aと上記出力軸47aとの間を送られる動力は、上記第一トロイダル型無段変速ユニット30aを通過した後、上記第二トロイダル型無段変速ユニット31aと上記第一動力伝達機構49とに分かれて(並列に)送られる。上記第二クラッチ55の接続を断った状態では、上記第一動力伝達機構49のみを送られて、上記第二トロイダル型無段変速ユニット31aを送られる事はない。従って、上記急発進、急加速時等、大きなトルクを伝達する必要がある場合に上記第二トロイダル型無段変速ユニット31aを通過するトルクは、0若しくは僅少になる。従って、図1に示す様に、この第二トロイダル型無段変速ユニット31aを上記第一トロイダル型無段変速ユニット30aに比べ小型化しても、この第二トロイダル型無段変速ユニット31aの耐久性を十分に確保できる。これに対して、上記第一トロイダル型無段変速ユニット30aは、上記大きなトルク全部が通過する。そこで、図1に示す様に、この第一トロイダル型無段変速ユニット30aを構成する第一入力側、第一出力側両ディスク32a、33a及び各第一パワーローラ34a、34aの寸法を、上記第二トロイダル型無段変速ユニット31aを構成する第二入力側、第二出力側両ディスク38a、39a及び各第二パワーローラ40a、40aの寸法に比べて大きくする。従って、上記第一トロイダル型無段変速ユニット31aに就いても、耐久性を十分に確保できる。
一方、高速巡航時等、減速比を小さく(増速比を大きく)する要求がある反面、伝達すべきトルクが小さくなる状態では、上記クラッチ52の接続を断ち、上記第二クラッチ55を接続する。この結果、上記第一入力側ディスク32aと上記出力軸47aとの間を送られる動力は、上記第一トロイダル型無段変速ユニット30aを通過した後、この動力の全部が、上記第二トロイダル型無段変速ユニット31aを通過する。
この状態では、これら第一、第二トロイダル型無段変速ユニット30a、31aの変速比の積が、トロイダル型無段変速装置全体としての変速比である、上記第一入力側ディスク32aと上記出力軸47aとの間の変速比となる。この為、上記トロイダル型無段変速装置全体としての変速比の調節幅を大きくできる。上記動力の全部が上記第二トロイダル型無段変速ユニット31aを通過するが、上記クラッチ52の接続を断ち上記第二クラッチ55を接続するのは、高速巡航時等、伝達すべきトルクが小さくなる状態に限られるので、上記第二トロイダル型無段変速ユニット31aを小型にしても、この第二トロイダル型無段変速ユニット31aの耐久性が問題となる事はない。
これらの作用により本発明の場合には、トロイダル型無段変速装置全体としての大型化を防止しつつ、変速比幅を拡大し、且つ、必要時に大きなトルクの伝達を可能にできる構造を実現できる。
本発明の実施例を示す略断面図。 従来から知られているトロイダル型無段変速装置の1例を示す断面図。 図2のA−A断面図。 同B−B断面図。 先に考えたトロイダル型無段変速装置を示す略断面図。
符号の説明
1 入力回転軸
2a、2b 入力側ディスク
3 入力側内側面
4 ボールスプライン
5 ケーシング
6 隔壁部
7 通孔
8 出力筒
9 転がり軸受
10 出力歯車
11 出力側ディスク
12 出力側内側面
13 ラジアルニードル軸受
18 パワーローラ
19 周面
20 トラニオン
21 偏心軸
22 ラジアルニードル軸受
23 スラスト玉軸受
24 スラストニードル軸受
26 枢軸
27 アクチュエータ
28 駆動軸
29 押圧装置
30、30a 第一トロイダル型無段変速ユニット
31、31a 第二トロイダル型無段変速ユニット
32、32a 第一入力側ディスク
33、33a 第一出力側ディスク
34、34a 第一パワーローラ
35、35a 第一入力側内側面
36、36a 第一出力側内側面
37、37a 第一押圧装置
38、38a 第二入力側ディスク
39、39a 第二出力側ディスク
40、40a 第二パワーローラ
41、41a 第二入力側内側面
42、42a 第二出力側内側面
43、43a 第二押圧装置
44、44a 伝達軸
45 クランクシャフト
46 発進クラッチ
47、47a 出力軸
48 エンジン
49 第一動力伝達機構
50 第二伝達軸
51a〜51e 歯車
52 クラッチ
53 第二動力伝達機構
54 第三伝達軸
55 第二クラッチ

Claims (3)

  1. それぞれがトロイド曲面である第一入力側、第一出力側両内側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、且つ、相対回転自在に配置された第一入力側、第一出力側両ディスクと、それぞれの周面を上記第一入力側、第一出力側両内側面に転がり接触させた状態で、上記第一入力側、第一出力側両ディスク同士の間に配置された複数の第一パワーローラとを備えた第一トロイダル型無段変速ユニットと、それぞれがトロイド曲面である第二入力側、第二出力側両内側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、且つ、相対回転自在に配置された第二入力側、第二出力側両ディスクと、それぞれの周面を上記第二入力側、第二出力側両内側面に転がり接触させた状態で、上記第二入力側、第二出力側両ディスク同士の間に配置された複数の第二パワーローラとを備えた第二トロイダル型無段変速ユニットと、上記第一トロイダル型無段変速ユニットを構成する上記第一出力側ディスクの回転を、上記第二トロイダル型無段変速ユニットを構成する上記第二入力側ディスクに伝達する為の伝達軸と、出力軸と、これら伝達軸と出力軸との間に設けられた第一動力伝達機構と、上記第二トロイダル型無段変速ユニットを構成する上記第二出力側ディスクの回転を上記出力軸に伝達する第二動力伝達機構と、上記第一動力伝達機構の途中に設けられたクラッチとを備えたトロイダル型無段変速装置。
  2. 第一動力伝達機構の途中のクラッチに加えて、第二動力伝達機構の途中に第二クラッチを設けた、請求項1に記載したトロイダル型無段変速装置。
  3. 第一トロイダル型無段変速ユニットを構成する第一入力側、第一出力側両ディスク及び各第一パワーローラの寸法が、第二トロイダル型無段変速ユニットを構成する第二入力側、第二出力側両ディスク及び各第二パワーローラの寸法に比べて大きい、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010144818A (ja) * 2008-12-18 2010-07-01 Toyota Motor Corp インプットシャフトの支持構造

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