JP4178848B2 - 無段変速装置 - Google Patents

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    • F16H37/084Combinations of mechanical gearings, not provided for in groups F16H1/00 - F16H35/00 comprising essentially only toothed or friction gearings with a plurality of driving or driven shafts; with arrangements for dividing torque between two or more intermediate shafts with differential gearing with arrangements for dividing torque between two or more intermediate shafts, i.e. with two or more internal power paths at least one power path being a continuously variable transmission, i.e. CVT
    • F16H37/086CVT using two coaxial friction members cooperating with at least one intermediate friction member

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明に係る無段変速装置は、自動車用自動変速装置として、或はポンプ等の各種産業機械の運転速度を調節する為の変速装置として利用する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用自動変速装置として、図5に示す様なトロイダル型無段変速ユニットを使用する事が研究され、一部で実施されている。このトロイダル型無段変速ユニットは、ダブルキャビティ型と呼ばれるもので、回転軸1の両端部周囲に、外側ディスク2、2を、ボールスプライン3、3を介して支持している。従ってこれら両外側ディスク2、2は、互いに同心に、且つ、同期した回転を自在に支持されている。又、上記回転軸1の中間部周囲に伝達歯車4を、この回転軸1に対する相対回転を自在として支持している。そして、この伝達歯車4の中心部に設けた円筒部の両端部に内側ディスク5、5を、スプライン係合させている。従ってこれら両内側ディスク5、5は、上記伝達歯車4と共に、同期して回転する。
【0003】
又、上記各外側ディスク2、2と上記各内側ディスク5、5との間には、それぞれ複数個ずつ(通常2〜3個ずつ)のパワーローラ6、6を挟持している。これら各パワーローラ6、6は、それぞれトラニオン7、7の内側面に、支持軸8、8及び複数の転がり軸受を介して、回転自在に支持されている。上記各トラニオン7、7は、それぞれの長さ方向(図5の表裏方向)両端部に、これら各トラニオン7、7毎に互いに同心に設けられた枢軸(図示せず)を中心として揺動変位自在である。これら各トラニオン7、7を傾斜させる動作は、図示しない油圧式のアクチュエータによりこれら各トラニオン7、7を上記枢軸の軸方向に変位させる事により行なうが、総てのトラニオン7、7の傾斜角度は、油圧式及び機械式に互いに同期させる。
【0004】
上述の様なトロイダル型無段変速ユニットの運転時には、エンジン等の動力源に繋がる駆動軸9により一方(図5の左方)の外側ディスク2を、ローディングカム式の押圧装置10を介して回転駆動する。この結果、上記回転軸1の両端部に支持された1対の外側ディスク2、2が、互いに近づく方向に押圧されつつ同期して回転する。そして、この回転が、上記各パワーローラ6、6を介して上記各内側ディスク5、5に伝わり、上記伝達歯車4から取り出される。
【0005】
上記回転軸1と伝達歯車4との回転速度の比を変える場合で、先ず回転軸1と伝達歯車4との間で減速を行なう場合には、上記各トラニオン7、7を図5に示す位置に揺動させ、上記各パワーローラ6、6の周面をこの図5に示す様に、上記各外側ディスク2、2の内側面の中心寄り部分と上記各内側ディスク5、5の内側面の外周寄り部分とにそれぞれ当接させる。反対に、増速を行なう場合には、上記各トラニオン7、7を図5と反対方向に揺動させ、上記各パワーローラ6、6の周面を、図5に示した状態とは逆に、上記各外側ディスク2、2の内側面の外周寄り部分と上記各内側ディスク5、5の内側面の中心寄り部分とに、それぞれ当接する様に、上記各トラニオン7、7を傾斜させる。これら各トラニオン7、7の傾斜角度を中間にすれば、回転軸1と伝達歯車4との間で、中間の速度比(変速比)を得られる。
【0006】
上述の図5に示したトロイダル型無段変速ユニットの場合には、回転軸1から伝達歯車4への動力の伝達を、一方の外側ディスク2と一方の内側ディスク5との間と、他方の外側ディスク2と他方の内側ディスク5との間との、2系統に分けて行なうので、大きな動力の伝達を行なえる。
【0007】
更に、上述の様に構成され作用するトロイダル型無段変速ユニットを実際の自動車用の無段変速機に組み込む場合、遊星歯車機構と組み合わせて無段変速装置を構成する事が、特開平1−169169号公報、同1−312266号公報、同10−196759号公報、同11−63146号公報、米国特許第5607372号明細書、同6126567号明細書等に記載されている様に、従来から提案されている。このうちの米国特許第5607372号明細書は、ダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速ユニットを構成する内側ディスクから中空の回転軸により遊星歯車式変速ユニットに動力を取り出せる為、小型・軽量化を図る面から有利である。
【0008】
図6は、この米国特許第5607372号明細書に記載された無段変速装置を示している。この無段変速装置は、トロイダル型無段変速ユニット11を構成する内側ディスク5aと、遊星歯車式変速ユニット12を構成する太陽歯車13とを、回転軸1の周囲に設置した中空回転軸14により連結している。又、上記遊星歯車式変速ユニット12を構成するキャリア15を、この回転軸1に結合固定している。そして、このキャリア15に互いに同軸に支持された遊星歯車16a、16bのうち、一方(図6の左方)の遊星歯車16aを、上記太陽歯車13に噛合させている。これに対して、他方(図6の右方)の遊星歯車16bを、伝達軸17の基端部(図6の左端部)に固定した第二の太陽歯車18に噛合させている。尚、図6には、動力の伝達方向に関して上記伝達軸17よりも後方に、速度比や回転方向を変える為の遊星歯車機構やクラッチ機構が設けられているが、本発明と直接は関係しない為、説明は省略する。
【0009】
上述の様に構成する図6に示した無段変速装置の場合、太陽歯車13の歯数Z13を第二の太陽歯車18の歯数Z18よりも多く(Z13>Z18)する事により、上記遊星歯車式変速ユニット12を通過するトルクを低く抑えられる様に構成している。この為、この遊星歯車式変速ユニット12の構成各部材の耐久性確保の面から有利になる。
【0010】
又、米国特許第6126567号明細書には、図7に示す様な無段変速装置が記載されている。この無段変速装置の場合には、動力源とトロイダル型無段変速ユニット11aとの間に、互いに噛合した大歯車19と小歯車20とから成る歯車増速機構21を、動力の伝達方向に関して直列に設けている。上記トロイダル型無段変速ユニット11aを構成する1対のディスクのうち、入力側ディスク22の回転は遊星歯車式変速ユニット12aを構成する太陽歯車13aに、出力側ディスク23の回転は同じくリング歯車24に、それぞれ伝達している。そして、これら両歯車13a、24に噛合した遊星歯車16の公転運動を出力軸25に取り出し自在としている。
【0011】
この図7に示した様な構造の場合、上記トロイダル型無段変速ユニット11aを通過する動力(=トルク×回転速度)を同じとした場合に、回転速度を早くする分、トルクを低く抑えられる。この為、この遊星歯車式変速ユニット11aの構成各部材の耐久性確保の面から有利になる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述の図6〜7に示した従来構造のうち、図6に示した構造の場合には、キャリア15が各外側ディスク2、2と共に動力源と同じ回転速度で回転する。これに対して遊星歯車16aは、内側ディスク5aと共に、上記キャリア15と逆方向に回転する。従って、これら遊星歯車16aとキャリア15との相対的回転速度は相当に早くなる。特に、トロイダル型無段変速ユニット11の変速状態を、図6に示した様な最大増速状態とした場合には、上記相対回転速度が著しく高くなる。この結果、遊星歯車16a、16bを設けた伝達軸31の回転支持部等で生じる動力損失が大きくなり、無段変速装置全体としての伝達効率を低下させる原因となる。又、上記トロイダル型無段変速ユニット11の変速状態を、図6に示したのとは逆に、最大減速状態とした場合には、太陽歯車13に伝達されるトルクが相当に大きくなる。そして、この様に大きなトルクを伝達した場合にも十分な耐久性を確保する為には、上記太陽歯車13を含む、遊星歯車式変速ユニット12を大型化せざるを得なくなる。
【0013】
又、図7に示した構造の場合には、トロイダル型無段変速ユニット11aの各部の回転速度が早くなる分、このトロイダル型無段変速ユニット11aの回転支持部で生じる動力損失が大きくなり、やはり無段変速装置全体としての伝達効率を低下させる原因となる。
本発明は、この様な事情に鑑みて、トロイダル型無段変速ユニットを通過するトルクを低減できる構造で、このトロイダル型無段変速ユニットに隣接して設けられる遊星歯車変速ユニットを構成する太陽歯車に伝達されるトルクを低く抑えられる構造を実現すべく発明したものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の無段変速装置は何れも、トロイダル型無段変速ユニットと遊星歯車式変速ユニットとを組み合わせて成る。
このうちのトロイダル型無段変速ユニットは、回転軸を介して互いに同心に且つ同期した回転を自在として結合された1対の外側ディスクと、これら両外側ディスク同士の間にこれら両外側ディスクと同心に且つこれら両外側ディスクとは独立した回転を自在として支持された内側ディスクと、この内側ディスクの両側面と上記両外側ディスクの側面との間にそれぞれ複数個ずつ挟持されてこれら内側ディスクと両外側ディスクとの間で動力を伝達する複数のパワーローラとを備えたものである。
又、上記遊星歯車式変速ユニットは、上記回転軸の一部に上記両外側ディスクと同心に結合されてこれら両外側ディスクと共に回転するキャリアと、このキャリアに回転自在に支持された遊星歯車と、上記回転軸の一部外周面と上記1対の外側ディスクのうちで上記キャリア側の外側ディスクの内周面との間にこれら回転軸及び外側ディスクに対する相対回転を自在として配置され、その基端部を上記内側ディスクに結合された中空回転軸の先端部に上記回転軸と同心に結合された太陽歯車と、上記遊星歯車と噛合した駆動歯車とを備えたものである。
【0015】
そして、請求項1に記載した無段変速装置の場合には、上記駆動歯車を入力軸により回転駆動自在として、この入力軸の回転時に上記遊星歯車に関して上記駆動歯車と上記太陽歯車とが互いに逆方向に回転する様にこれら各歯車を配置すると共に、上記回転軸から出力を取り出し自在とし、且つ、上記駆動歯車の歯数を上記太陽歯車の歯数よりも多くしている。
一方、請求項3に記載した無段変速装置の場合には、上記駆動歯車を入力軸により回転駆動自在として、この入力軸の回転時に上記キャリアに対する上記駆動歯車と上記太陽歯車との回転方向が互いに同じとなる様に、これら両歯車及び上記遊星歯車を配置すると共に、上記回転軸から出力を取り出し自在とし、且つ、上記駆動歯車の歯数を上記太陽歯車の歯数よりも多くしている。
【0016】
【作用】
上述の様に構成する本発明の無段変速装置は、何れの場合にも、遊星歯車式変速ユニットを入力側に配置すると共に駆動歯車の歯数を太陽歯車の歯数よりも多くした事に伴い、太陽歯車及び内側ディスクを通過するトルクを低く抑える事ができる。
又、請求項1に記載した無段変速装置の場合には、トロイダル型無段変速ユニット部分の回転速度を低減すると共に、上記遊星歯車式変速ユニットを構成するキャリアと太陽歯車との相対回転速度を低減できる。
一方、請求項3に記載した無段変速装置の場合には、変速比幅(実現可能な変速比の範囲)を十分に広くできる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、請求項1、2に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例の無段変速装置は、トロイダル型無段変速ユニット11bと遊星歯車式変速ユニット12bとを組み合わせて成る。
このうちのトロイダル型無段変速ユニット11bは、1対の外側ディスク2、2を、回転軸1を介して互いに同心に且つ同期した回転を自在として結合している。又、上記両外側ディスク2、2同士の間に内側ディスク5aを、これら両外側ディスク2、2と同心に且つこれら両外側ディスク2、2とは独立した回転を自在として支持している。そして、上記内側ディスク5aの両側面と上記両外側ディスク2、2の側面との間にパワーローラ6、6(図5〜7参照。図1には省略。)を、それぞれ複数個ずつ挟持して、上記内側ディスク5aと上記両外側ディスク2、2との間で動力を伝達自在としている。
【0018】
又、上記遊星歯車式変速ユニット12bを構成するキャリア15aは、上記両外側ディスク2、2と同心に配置された状態で、上記回転軸1の一端部(図1の左端部)に結合されており、上記両外側ディスク2、2と共に回転する。そして、上記キャリア15aに、それぞれがシングルピニオン型である複数個(一般的には3〜4個)の遊星歯車16cを、回転自在に支持している。又、上記回転軸1の中間部一端寄り部分の周囲に、この回転軸1に対する相対回転を自在に配置した中空回転軸14aの基端部(図1の右端部)を、上記内側ディスク5aに結合している。又、上記中空回転軸14aの先端部(図1の左端部)に、太陽歯車13bを結合している。従って、この太陽歯車13bは、上記内側ディスク5aと共に回転する。又、上記キャリア15aの周囲に、駆動歯車であるリング歯車24aを、このキャリア15aと同心に配置し、このリング歯車24aと上記各遊星歯車16cとを噛合させている。このリング歯車24aの歯数Z24が上記太陽歯車13bの歯数Z13よりも多い(Z24>Z13)事は勿論である。
【0019】
そして、上記リング歯車24aを、入力軸26により回転駆動自在としている。従って、本例の場合には、この入力軸26の回転時に上記リング歯車24aと上記太陽歯車13bとが、上記遊星歯車16cに関して(この遊星歯車16cが自転のみで公転しないと仮定した場合に)互いに逆方向に回転する。又、上記回転軸1から出力を取り出し自在としている。即ち、この回転軸1に、出力軸としての役目を持たせている。
【0020】
上述の様に構成する本発明の無段変速装置は、前記遊星歯車式変速ユニット12bを入力側(図1の左側)に配置すると共に、駆動歯車である上記リング歯車24aの歯数Z24を上記太陽歯車13bの歯数Z13よりも多くした事に伴い、この太陽歯車13b及び前記内側ディスク5aを通過するトルクを低く抑える事ができる。この点を明らかにする為、本例の無段変速装置の各部を通過するトルクの値に就いて、以下に説明する。
【0021】
上記入力軸26を駆動するトルクをTIN、上記太陽歯車13bを通過するトルクをTS 、上記内側ディスク5aを通過するトルクをTCVU 、上記リング歯車24aと上記太陽歯車13bとの間の変速比(増速比)をi(=Z24/Z13)とした場合に、
S =TCVU =−TIN/i −−− (1)
で表される。
又、上記回転軸1の回転トルクである、無段変速装置の出力トルクをTOUT とし、前記トロイダル型無段変速ユニット11bの変速比をeCVU とした場合、この出力トルクTOUT は、
OUT ={1+(1−eCVU )/i}TIN −−− (2)
で表される。
i>1であるから、|TS |<|TIN|であり、上記太陽歯車13bを通過するトルクTS 、及び上記内側ディスク5aを通過するトルクTCVU が上記入力軸26を駆動するトルクTINよりも低く抑えられる事が分かる。上記太陽歯車13bを通過するトルクTS 、及び上記内側ディスク5aを通過するトルクTCVU を低く抑えられる結果、前記トロイダル型無段変速ユニット11b及び遊星歯車式変速ユニット12bの構成各部品の耐久性向上を図れる。又、同じ耐久性を確保する事を考慮した場合には、上記トロイダル型無段変速ユニット11b及び遊星歯車式変速ユニット12bの構成各部品の小型・軽量化を図れる。
【0022】
次に、上記回転軸1の回転速度NOUT と上記入力軸26の回転速度NINとの関係は、
OUT ={i/(i+1−eCVU )}NIN −−− (3)
で表される。i>1であり、eCVU は負の値(eCVU <0)であるから、NOUT <NINである。即ち、本例の場合には、前記1対の外側ディスク2、2の回転速度は、常に上記入力軸26の回転速度よりも低くなる。
又、前記太陽歯車13bの回転速度NS は、
S ={i・eCVU /(i+1−eCVU )}NIN −−− (4)
で表される。
【0023】
上記回転軸1の回転速度NOUT と上記入力軸26の回転速度NINとの比NOUT /NIN、並びに上記太陽歯車13bの回転速度NS とこの入力軸26の回転速度NINとの比NS /NINと、上記トロイダル型無段変速ユニット11bの変速比eCVU との関係の1例をグラフに表すと、図2の様になる。この図2中、実線αは上記回転軸1の回転速度NOUT と上記入力軸26の回転速度NINとの比NOUT /NINを、破線βは上記太陽歯車13bの回転速度NS とこの入力軸26の回転速度NINとの比NS /NINを、それぞれ表している。尚、前記リング歯車24aと上記太陽歯車13bとの間の変速比i(=Z24/Z13)は、2(i=2)としている。この様な実線α及び鎖線βから、上記回転軸1の回転速度NOUT 及び上記太陽歯車13bの回転速度NS が、上記トロイダル型無段変速ユニット11bの変速比eCVU に拘らず、常に上記入力軸26の回転速度NINよりも遅くなる事が分かる。この事から、本例の無段変速装置の場合には、各部の回転速度を遅くして、回転支持部分で生じる損失を低く抑えられる事が分かる。
【0024】
次に、図3は、請求項3、4に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例は、上述した第1例の場合と同様に、太陽歯車13b及び内側ディスク5aを通過するトルクを低く抑えられる様に構成している。更に本例の場合には、無段変速装置全体としての変速比幅、即ち、入力軸26aと、出力軸である回転軸1との間で実現可能な変速比の範囲を十分に広くできる様に構成している。上述した第1例の構造の場合、図2の実線αで示す様に、トロイダル型無段変速ユニット11bの変速比eCVU を4倍(−0.5〜−2.0)確保した場合でも、無段変速装置全体としての変速比(NOUT /NIN)は1.5倍(0.6〜0.4)程度しか変化しない。無段変速装置を自動車用の自動変速装置の変速ユニットとして利用する事を考慮した場合、全体としての変速比が1.5倍程度では不足である。
【0025】
これに対して本例の場合には、入力軸26aの回転時にキャリア15bに対する駆動歯車と太陽歯車13bとの回転方向が互いに同じになる様にして、無段変速装置全体としての変速比幅の確保を図っている。上記回転方向を同じとする為には、駆動歯車であるリングギヤ(例えば図1のリング歯車24a)と太陽歯車13bとの間に配置する遊星歯車をダブルピニオン型とする事も考えられるが、本例の場合には、次の様な機構により、上記回転方向を同じとしている。
【0026】
即ち、回転軸1と平行に配置された複数本(一般的には3〜4本)の遊星軸27の中間部を上記キャリア15bの一部に、回転自在に支持している。そして、この遊星軸27の一端部(図3の右端部)に固定した第一の遊星歯車28を、上記回転軸1の基端部(図3の左端部)に結合した太陽歯車13bに噛合させている。又、上記遊星軸27の他端部に固定した第二の遊星歯車29を、上記回転軸1と同心に配置した入力軸26aの端部にこの入力軸26aと同心に結合した、請求項3に記載した駆動歯車である、第二の太陽歯車30と噛合させている。
【0027】
この第二の太陽歯車30の歯数Z30は上記太陽歯車13bの歯数Z13よりも多い(Z30>Z13)。これに合わせて、上記第一の遊星歯車28の歯数Z28を上記第二の遊星歯車29の歯数Z29よりも多く(Z28>Z29)している。従って、上記入力軸26aの回転時に上記太陽歯車13b、並びにこの太陽歯車13bと中空回転軸14aを介して結合された内側ディスク5aは、上記各歯車13b、28〜29の歯数に応じた変速比iP {=(Z30/Z29)・(Z28/Z13)}で変速される。Z30>Z13、Z28>Z29であるから、Z30/Z29>1であり、Z28/Z13>1であり、iP >1である。従って、上記入力軸26aから上記内側ディスク5aとの間で増速が行なわれ、これに伴って、この内側ディスク5aを通過するトルクは、上記入力軸26aから上記第二の太陽歯車30に伝わったトルクよりも小さくなる。この点を明らかにする為、本例の無段変速装置の各部を通過するトルクの値に就いて、以下に説明する。
【0028】
上記入力軸26aを駆動するトルクをTIN、上記太陽歯車13bを通過するトルクをTS 、上記内側ディスク5aを通過するトルクをTCVU とした場合に、
S =TCVU =TIN/iP −−− (5)
で表される。iP >1であるから、上記太陽歯車13bを通過するトルクTS 及び上記内側ディスク5aを通過するトルクTCVU は、何れも上記入力軸26aを駆動するトルクTINよりも小さく(例えば83%程度に)なる。
尚、前記回転軸1の回転トルクである、無段変速装置の出力トルクをTOUT とし、前記トロイダル型無段変速ユニット11bの変速比をeCVU とした場合、この出力トルクTOUT は、
OUT ={1−(1−eCVU )/iP }TIN −−− (6)
で表される。
【0029】
本例の場合、無段変速装置全体としての変速比幅を大きくしているので、全変速領域に亙ってTOUT <TINとはならない。即ち、上記(6)式で表される、無段変速装置全体としての変速比が減速領域にある場合には、TOUT >TINとなる。但し、TOUT >TINとなる領域でも、TS 、TCVU <TINであるから、上記トロイダル型無段変速ユニット11bの構成各部品の耐久性向上を図れる。又、同じ耐久性を確保する事を考慮した場合には、上記トロイダル型無段変速ユニット11bの構成各部品の小型・軽量化を図れる。
【0030】
次に、前記回転軸1の回転速度NOUT と前記入力軸26aの回転速度NINとの関係は、
OUT ={iP /(iP −1+eCVU )}NIN −−− (7)
で表される。
又、前記太陽歯車13bの回転速度NS は、
S ={iP ・eCVU /(iP −1+eCVU )}NIN --- (8)
で表される。
【0031】
上記回転軸1の回転速度NOUT と上記入力軸26aの回転速度NINと比である無段変速装置全体としての変速比と、上記トロイダル型無段変速ユニット11bの変速比eCVU との関係の1例をグラフに表すと、図4の様になる。この図4から、遊星歯車式変速ユニット12cの変速比iP を適切に(例えば1.2程度に)規制した場合には、上記トロイダル型無段変速ユニット11bの変速比eCVU を−0.5〜−2.0(4倍)の範囲で変化させた場合に、無段変速装置全体としての変速比が、−4〜−0.667(6倍)の範囲で変化する事が分かる。
この様に、本例の構造の場合には、上記トロイダル型無段変速ユニット11bを通過するトルクを低減して、上述の様な効果を得られる事に加えて、変速比幅を1.5倍程度に拡大できる。この為、自動車用自動変速機の変速ユニットとしての実用性向上を図れる。その他の部分の構成及び作用は、前述した第1例の場合と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
【0032】
【発明の効果】
本発明は、以上に述べた通り構成され作用するので、何れの場合でもトロイダル型無段変速ユニットを通過するトルクを低く抑えて、このトロイダル型無段変速ユニットの耐久性向上、或は小型・軽量化が可能になる。
又、請求項1に係る発明の場合には、回転部分の回転速度を低く抑えて、回転支持部での動力損失を低減し、無段変速装置全体としての効率向上を図れる。
更に、請求項3に係る発明の場合には、無段変速装置全体としての変速比幅を広くし、小型・軽量の自動車用自動変速機を実現して自動車の燃費性能の向上に寄与できる等、上記無段変速装置の実用性向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す、半部略断面図。
【図2】この第1例の構造で、入力部の回転速度に対する出力部及び太陽歯車の回転速度の比と、トロイダル型無段変速ユニットの速度比との関係を示す線図。
【図3】本発明の実施の形態の第2例を示す、半部略断面図。
【図4】この第2例の構造で、トロイダル型無段変速ユニットの速度比と無段変速装置全体としての速度比との関係を示す線図。
【図5】従来から知られているトロイダル型無段変速ユニットの1例を示す断面図。
【図6】従来から知られている、トロイダル型無段変速ユニットと遊星歯車式変速ユニットとを組み合わせて成る無段変速装置の第1例を示す断面図。
【図7】同第2例を示す断面図。
【符号の説明】
1 回転軸
2 外側ディスク
3 ボールスプライン
4 伝達歯車
5、5a 内側ディスク
6 パワーローラ
7 トラニオン
8 支持軸
9 駆動軸
10 押圧装置
11、11a、11b トロイダル型無段変速ユニット
12、12a、12b、12c 遊星歯車式変速ユニット
13、13a、13b 太陽歯車
14、14a 中空回転軸
15、15a、15b キャリア
16、16a、16b、16c 遊星歯車
17 伝達軸
18 第二の太陽歯車
19 大歯車
20 小歯車
21 歯車増速機構
22 入力側ディスク
23 出力側ディスク
24、24a リング歯車
25 出力軸
26、26a 入力軸
27 遊星軸
28 第一の遊星歯車
29 第二の遊星歯車
30 第二の太陽歯車
31 伝達軸

Claims (4)

  1. トロイダル型無段変速ユニットと遊星歯車式変速ユニットとを組み合わせて成り、
    このうちのトロイダル型無段変速ユニットは、回転軸を介して互いに同心に且つ同期した回転を自在として結合された1対の外側ディスクと、これら両外側ディスク同士の間にこれら両外側ディスクと同心に且つこれら両外側ディスクとは独立した回転を自在として支持された内側ディスクと、この内側ディスクの両側面と上記両外側ディスクの側面との間にそれぞれ複数個ずつ挟持されてこれら内側ディスクと両外側ディスクとの間で動力を伝達する複数のパワーローラとを備えたものであり、
    上記遊星歯車式変速ユニットは、上記回転軸の一部に上記両外側ディスクと同心に結合されてこれら両外側ディスクと共に回転するキャリアと、このキャリアに回転自在に支持された遊星歯車と、上記回転軸の一部外周面と上記1対の外側ディスクのうちで上記キャリア側の外側ディスクの内周面との間にこれら回転軸及び外側ディスクに対する相対回転を自在として配置され、その基端部を上記内側ディスクに結合された中空回転軸の先端部に上記回転軸と同心に結合された太陽歯車と、上記遊星歯車と噛合した駆動歯車とを備えたものであり、
    この駆動歯車を入力軸により回転駆動自在として、この入力軸の回転時に上記遊星歯車に関して上記駆動歯車と上記太陽歯車とが互いに逆方向に回転する様にこれら各歯車を配置すると共に、上記回転軸から出力を取り出し自在とし、且つ、上記駆動歯車の歯数を上記太陽歯車の歯数よりも多くした無段変速装置。
  2. 入力軸が回転軸と同心に配置されており、駆動歯車が、この入力軸の端部にこの入力軸と同心に結合されて、複数の遊星歯車と噛合するリング歯車である、請求項1に記載した無段変速装置。
  3. トロイダル型無段変速ユニットと遊星歯車式変速ユニットとを組み合わせて成り、
    このうちのトロイダル型無段変速ユニットは、回転軸を介して互いに同心に且つ同期した回転を自在として結合された1対の外側ディスクと、これら両外側ディスク同士の間にこれら両外側ディスクと同心に且つこれら両外側ディスクとは独立した回転を自在として支持された内側ディスクと、この内側ディスクの両側面と上記両外側ディスクの側面との間にそれぞれ複数個ずつ挟持されてこれら内側ディスクと両外側ディスクとの間で動力を伝達する複数のパワーローラとを備えたものであり、
    上記遊星歯車式変速ユニットは、上記回転軸の一部に上記両外側ディスクと同心に結合されてこれら両外側ディスクと共に回転するキャリアと、このキャリアに回転自在に支持された遊星歯車と、上記回転軸の一部外周面と上記1対の外側ディスクのうちで上記キャリア側の外側ディスクの内周面との間にこれら回転軸及び外側ディスクに対する相対回転を自在として配置され、その基端部を上記内側ディスクに結合された中空回転軸の先端部に上記回転軸と同心に結合された太陽歯車と、上記遊星歯車と噛合した駆動歯車とを備えたものであり、
    この駆動歯車を入力軸により回転駆動自在として、この入力軸の回転時に上記キャリアに対する上記駆動歯車と上記太陽歯車との回転方向が互いに同じとなる様に、これら両歯車及び上記遊星歯車を配置すると共に、上記回転軸から出力を取り出し自在とし、且つ、上記駆動歯車の歯数を上記太陽歯車の歯数よりも多くした無段変速装置。
  4. 回転軸と平行に配置された遊星軸の中間部をキャリアの一部に回転自在に支持すると共に、この遊星軸の一端部に固定した第一の遊星歯車を太陽歯車に噛合させると共に、この遊星軸の他端部に固定した第二の遊星歯車を、上記回転軸と同心に配置した入力軸の端部にこの入力軸と同心に結合された駆動歯車と噛合させている、請求項3に記載した無段変速装置。
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