JP5803378B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば車両(自動車)用の自動変速機、建設機械(建機)用の自動変速機、航空機(固定翼機、回転翼機、飛行船等)等で使用されるジェネレータ(発電機)用の自動変速機、ポンプ等の各種産業機械の運転速度を調節する為の自動変速機として利用する、ハーフトロイダル型のトロイダル型無段変速機の改良に関する。
自動車用変速装置としてハーフトロイダル型のトロイダル型無段変速機を使用する事が、特許文献1〜4等の多くの刊行物に記載されると共に一部で実施されていて周知である。又、トロイダル型無段変速機と遊星歯車機構とを組み合わせて変速比の調整幅を広くする構造も、特許文献5等、やはり多くの刊行物に記載されて、従来から広く知られている。図25〜26は、これら各特許文献に記載されて従来から広く知られているトロイダル型無段変速機の第1例を示している。この従来構造の第1例の場合、入力回転軸1の両端寄り部分の周囲に1対の入力ディスク2、2を、それぞれがトロイド曲面である内側面同士を互いに対向させた状態で、前記入力回転軸1と同期した回転を可能に支持している。又、この入力回転軸1の中間部周囲に出力筒3を、この入力回転軸1に対する回転を可能に支持している。又、この出力筒3の外周面には、軸方向中央部に出力歯車4を固設すると共に、軸方向両端部に1対の出力ディスク5、5を、スプライン係合により、前記出力筒3と同期した回転を可能に支持している。又、この状態で、それぞれがトロイド曲面である、前記両出力ディスク5、5の内側面を、前記両入力ディスク2、2の内側面に対向させている。
又、前記両入力ディスク2、2と前記両出力ディスク5、5との間に、それぞれの周面を球状凸面とした複数個のパワーローラ6、6を挟持している。これら各パワーローラ6、6は、それぞれトラニオン7、7に回転自在に支持されており、これら各トラニオン7、7は、それぞれ前記各ディスク2、5の中心軸に対し捩れの位置にある傾転軸8、8を中心とする揺動変位自在に支持されている。即ち、これら各トラニオン7、7は、それぞれの軸方向両端部に互いに同心に設けられた1対の傾転軸8、8と、これら各傾転軸8、8同士の間に存在する支持梁部9、9とを備えており、これら各傾転軸8、8が、支持板10、10に対し、ラジアルニードル軸受11、11を介して枢支されている。
又、前記各パワーローラ6、6は、前記各トラニオン7、7を構成する支持梁部9、9の内側面に、基半部と先半部とが互いに偏心した支持軸12、12と、複数の転がり軸受とを介して、これら各支持軸12、12の先半部回りの回転、及び、これら各支持軸12、12の基半部を中心とする若干の揺動変位可能に支持されている。この様な各パワーローラ6、6の外側面と、前記各トラニオン7、7を構成する支持梁部9、9の内側面との間には、それぞれが前記複数の転がり軸受の一部である、スラスト玉軸受13、13と、スラストニードル軸受14、14とを、前記各パワーローラ6、6の側から順番に設けている。このうちのスラスト玉軸受13、13は、前記各パワーローラ6、6に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ6、6の回転を許容するものである。これら各スラスト玉軸受13、13は、前記各パワーローラ6、6の外側面に形成された内輪軌道15と、外輪16の内側面に形成された外輪軌道17との間に複数個の玉18、18を、転動可能に設けて成る。又、前記各スラストニードル軸受14、14は、前記各パワーローラ6、6から前記各スラスト玉軸受13、13を構成する外輪16、16に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これら各外輪16、16及び前記各支持軸12、12の先半部が、これら各支持軸12、12の基半部を中心に揺動する事を許容するものである。
上述の様なトロイダル型無段変速機の運転時には、駆動軸19により一方(図25の左方)の入力ディスク2を、押圧装置20を介して回転駆動する。この結果、前記入力回転軸1の両端部に支持された1対の入力ディスク2、2が、互いに近づく方向に押圧されつつ同期して回転する。そして、この回転が、前記各パワーローラ6、6を介して前記両出力ディスク5、5に伝わり、前記出力歯車4から取り出される。前記入力回転軸1とこの出力歯車4との間の変速比を変える場合は、油圧式のアクチュエータ21、21により前記各トラニオン7、7を前記各傾転軸8、8の軸方向に変位させる。この結果、前記各パワーローラ6、6の周面と前記各ディスク2、5の内側面との転がり接触部(トラクション部)に作用する、接線方向の力の向きが変化する(転がり接触部にサイドスリップが発生する)。そして、この力の向きの変化に伴って前記各トラニオン7、7が、自身の傾転軸8、8を中心に揺動し、前記各パワーローラ6、6の周面と前記各ディスク2、5の内側面との接触位置が変化する。これら各パワーローラ6、6の周面を、前記両入力ディスク2、2の内側面の径方向外寄り部分と、前記両出力ディスク5、5の内側面の径方向内寄り部分とに転がり接触させれば、前記入力回転軸1と前記出力歯車4との間の変速比が増速側になる。これに対して、前記各パワーローラ6、6の周面を、前記両入力ディスク2、2の内側面の径方向内寄り部分と、前記両出力ディスク5、5の内側面の径方向外寄り部分とに転がり接触させれば、前記入力回転軸1と前記出力歯車4との間の変速比が減速側になる。
上述の様なトロイダル型無段変速機の運転時には、動力の伝達に供される各部材、即ち、前記入力、出力各ディスク2、5と前記各パワーローラ6、6とが、前記押圧装置20が発生する押圧力に基づいて弾性変形する。そして、この弾性変形に伴って、前記入力、出力各ディスク2、5が軸方向に変位する。又、前記押圧装置20が発生する押圧力は、前記トロイダル型無段変速機により伝達するトルクが大きくなる程大きくなり、それに伴って前記各部材2、5、6の弾性変形量も多くなる。従って、前記トルクの変動に拘らず、前記入力、出力各ディスク2、5の内側面と前記各パワーローラ6、6の周面との接触状態を適正に維持する為に、前記各トラニオン7、7に対してこれら各パワーローラ6、6を、前記各ディスク2、5の軸方向に変位させる機構が必要になる。上述した従来構造の第1例の場合には、前記各パワーローラ6、6を支持した前記各支持軸12、12の先半部を、同じく基半部を中心として揺動変位させる事により、前記各パワーローラ6、6を前記軸方向に変位させる様にしている。
上述の様な従来構造の第1例の場合、前記各パワーローラ6、6を前記軸方向に変位させる為の構造が複雑で、部品製作、部品管理、組立作業が何れも面倒になり、コストが嵩む事が避けられない。この様な問題を解決する為の技術として前記特許文献3には、図27〜32に示す様な構造が記載されている。本発明は、この図27〜32に示した従来構造の第2例を改良するものであるから、次に、この従来構造の第2例に就いて説明する。この従来構造の第2例の特徴は、トラニオン7aに対してパワーローラ6aを、入力、出力各ディスク2、5(図25参照)の軸方向の変位を可能に支持する部分の構造にあり、トロイダル型無段変速機全体としての基本的構造及び作用は、前述の図25〜26に示した従来構造の第1例と同様である。
前記従来構造の第2例を構成するトラニオン7aは、両端部に互いに同心に設けられた1対の傾転軸8a、8bと、これら両傾転軸8a、8b同士の間に存在し、少なくとも入力、出力各ディスク2、5(図25参照)の径方向(図28、31〜32の上下方向)に関する内側(図28、31〜32の上側)の側面を円筒状凸面22とした、支持梁部23とを備える。前記両傾転軸8a、8bは、それぞれラジアルニードル軸受11a、11aを介して、支持板10、10(図26参照)に、揺動及び軸方向の変位を可能に支持する。
又、前記円筒状凸面22の中心軸イは、図28、31に示す様に、前記両傾転軸8a、8bの中心軸ロと平行で、これら両傾転軸8a、8bの中心軸ロよりも、前記各ディスク2、5の径方向に関して外側(図28、31〜32の下側)に存在する。又、前記支持梁部23とパワーローラ6aの外側面との間に設けるスラスト玉軸受13aを構成する外輪16aの外側面に、部分円筒面状の凹部24を、この外側面を径方向に横切る状態で設けている。そして、この凹部24と、前記支持梁部23の円筒状凸面22とを係合させ、前記トラニオン7aに対して前記外輪16aを、前記各ディスク2、5の軸方向に関する揺動変位を可能に支持している。
又、前記外輪16aの内側面中央部に支持軸12aを、この外輪16aと一体に固設して、前記パワーローラ6aをこの支持軸12aの周囲に、ラジアルニードル軸受25を介して、回転自在に支持している。更に、前記トラニオン7aの内側面のうち、前記支持梁部23の両端部と1対の傾転軸8a、8bとの連続部に、互いに対向する1対の段差面26、26を設けている。そして、これら両段差面26、26と、前記スラスト玉軸受13aを構成する外輪16aの外周面とを、当接若しくは近接対向させて、前記パワーローラ6aからこの外輪16aに加わるトラクション力を、何れかの段差面26、26で支承可能としている。
上述の様に構成する従来構造の第2例のトロイダル型無段変速機によれば、前記パワーローラ6aを前記各ディスク2、5の軸方向に変位させて、構成各部材の弾性変形量の変化に拘らず、このパワーローラ6aの周面と前記各ディスク2、5との接触状態を適正に維持できる構造を、簡単で低コストに構成できる。
即ち、トロイダル型無段変速機の運転時に、入力、出力各ディスク2、5、各パワーローラ6a等の弾性変形に基づき、これら各パワーローラ6aをこれら各ディスク2、5の軸方向に変位させる必要が生じると、これら各パワーローラ6aを回転自在に支持している前記スラスト玉軸受13aの外輪16aが、外側面に設けた部分円筒面状の凹部24と支持梁部23の円筒状凸面22との当接面を滑らせつつ、この円筒状凸面22の中心軸イを中心として揺動変位する。この揺動変位に基づき、前記各パワーローラ6aの周面のうちで、前記各ディスク2、5の軸方向片側面と転がり接触する部分が、これら各ディスク2、5の軸方向に変位し、前記接触状態を適正に維持する。
前述した通り、前記円筒状凸面22の中心軸イは、変速動作の際に各トラニオン7aの揺動中心となる傾転軸8a、8bの中心軸ロよりも、前記各ディスク2、5の径方向に関して外側に存在する。従って、前記円筒状凸面22の中心軸イを中心とする揺動変位の半径は、前記変速動作の際の揺動半径よりも大きく、前記両入力ディスク2、2と前記両出力ディスク5、5との間の変速比の変動に及ぼす影響は少ない(無視できるか、容易に修正できる範囲に留まる)。
図27〜32に示した従来構造の第2例の場合、図25〜26に示した同第1例に比べて、部品製作、部品管理、組立作業が何れも容易になり、コスト低廉化を図り易いが、変速動作を安定させる面からは、改良の余地がある。この理由は、前記各支持梁部23を中心とする前記各外輪16aの揺動変位を円滑に行わせる為、これら各支持梁部23の両端部分に1対ずつ設けた、前記各段差面26、26同士の間隔Dを、前記各外輪16aの外径dよりも少し大きく(D>d)する為である。これら各外輪16a、及び、この外輪16aと同心に支持された前記各パワーローラ6aは、前記間隔Dと前記外径dとの差(D−d)分だけ、前記各支持梁部23の軸方向に変位可能になる。
一方、トロイダル型無段変速機を搭載した車両の運転時、前記各パワーローラ6aには前記各ディスク2、5から、加速時と減速時(エンジンブレーキの作動時)とで逆方向の力(トロイダル型無段変速機の技術分野で周知の「2Ft」)が加わる。そして、この力2Ftにより、前記各パワーローラ6aが、前記各外輪16aと共に、前記各支持梁部23の軸方向に変位する。この変位の方向は、前述した各アクチュエータ21、21による各トラニオン7、7(図26参照)の変位方向と同じであり、変位量が0.1mm程度であっても、変速動作が開始される可能性を生じる。そして、この様な原因で変速動作が開始された場合には、運転動作とは直接関連しない変速動作となり、何れ修正されるにしても、運転者に違和感を与える。特に、トロイダル型無段変速機が伝達するトルクが低い状態で、上述の様な、運転者が意図しない変速が行われると、運転者に与える違和感が大きくなり易い。
上述の様にして生じる、運転動作とは直接関連しない変速動作の発生を抑える為には、前記間隔Dと前記外径dとの差(D−d)を僅少に(例えば数十μm程度に)抑える事が考えられる。但し、ハーフトロイダル型のトロイダル型無段変速機の運転時には、トラクション部から前記各パワーローラ6a、前記各外輪16aを介して前記各支持梁部23に加わるスラスト荷重により、前記各トラニオン7aが、図33に誇張して示す様に、前記各外輪16aを設置した側が凹となる方向に弾性変形する。そして、この弾性変形の結果、前記各トラニオン7a毎に1対ずつ設けた段差面26、26同士の間隔が縮まる。この様な状態でも、これら両段差面26、26同士の間隔Dが前記各外輪16aの外径d以下にならない様にする為には、通常状態(前記各トラニオン7aが弾性変形していない状態)での、前記間隔Dと前記外径dとの差を或る程度確保する必要がある。この結果、特に違和感が大きくなり易い、低トルクでの運転時に、上述の様な、運転動作とは直接関連しない変速動作が発生し易くなる。
一方、前記特許文献3には、支持梁部側に設けた円筒状凸面の一部に係止したアンカ駒と、外輪側の凹部の内面に形成したアンカ溝とを係合させる事により、前記力2Ftを支承する構造が記載されている。又、円筒状凸面と凹部との互いに整合する部分に形成された、それぞれが断面円弧形である転動溝同士の間に複数個の玉を掛け渡して、前記力2Ftを支承する構造も記載されている。但し、前者の構造の場合には、前記アンカ駒を前記支持梁部に、前記力2Ftを支承できる程度の強度及び剛性を確保して支持固定する事が難しく、低コスト化と十分な信頼性確保とを図りにくい。又、後者の場合には、前記力2Ftが大きくなり、前記各玉の転動面と前記各転動溝との転がり接触部の面圧が上昇すると、これら各転動溝の内面に圧痕が形成され、各トラニオンに対して各内輪が揺動変位する際に振動が発生する可能性がある。
特開2003−214516号公報 特開2007−315595号公報 特開2008−25821号公報 特開2008−275088号公報 特開2004−169719号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑み、部品製作、部品管理、組立作業が何れも容易になり、コスト低廉化を図り易く、しかも変速動作を安定させられる構造を実現すべく発明したものである。
本発明のトロイダル型無段変速機は何れも、少なくとも1対のディスクと、複数のトラニオンと、これら各トラニオンと同数のパワーローラと、同じく同数のスラスト転がり軸受とを備える。
特に、本発明のトロイダル型無段変速機に於いては、前記各トラニオンの支持梁部の幅方向中央位置から外れた1箇所乃至複数箇所に、これら各支持梁部の外周面から突出した状態で設けられた凸部と、前記各スラスト軸受の外輪の外側面に設けられた凹溝とを備える。そして、これら凸部と凹溝との係合部で、前記各ディスクの回転に伴って前記各パワーローラに加わるトルクを支承可能としている。又、前記係合部に、前記各外輪の前記各トラニオンに対する揺動変位を可能とするだけの隙間を設けている。
特に請求項1に記載した発明の場合には、前記凸部を、前記各支持梁部の幅方向2箇所位置で、これら各支持梁部の円筒状凸面の中心軸の軸方向に関する位置が互いに一致する部分に形成する。
又、請求項2に記載した発明の場合には、前記各支持梁部の一部に断面円形の保持孔を形成する。そして、この保持孔にアンカピンを、端部を前記各支持梁部の外周面から突出させた状態で圧入固定し、前記凸部とする。
又、請求項3に記載した発明の場合には、前記凹溝のうちの少なくとも前記各外輪の幅方向端部を、これら各外輪の幅方向外方に向かう程、この凹溝の幅寸法が大きくなるテーパ形状とする。
又、請求項4に記載した発明の場合には、前記凸部の端部を、前記各支持梁部の幅方向端部に向かう程断面積が小さくなるテーパ形状とする。
更に、請求項5に記載した発明の場合には、前記凸部と前記凹溝との間に弾性体を設ける。
上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段変速機によれば、部品製作、部品管理、組立作業が何れも容易になり、コスト低廉化を図り易く、しかも変速動作を安定させられる構造を実現できる。
このうちのコスト低廉化は、前述の図27〜32に示した従来構造の第2例と同様の理由により、図り易い。
又、変速動作の安定化は、各外輪側に設けた凹溝の一部と、各トラニオン側に設けた凸部との係合に基づき、これら各外輪がこれら各トラニオンに対し、各支持梁部の軸方向に変位するのを防止する事により図れる。
又、前記凸部と前記凹溝との係合部を、前記各トラニオンの支持梁部の幅方向中央位置から外れた位置としている為、各パワーローラの回転に伴いスラスト転がり軸受を介して前記各外輪に加わるモーメントに対する支持剛性を高くできる。
特に、請求項1に記載した発明によれば、前記係合部を、前記各支持梁部の幅方向2箇所位置としている為、前記モーメントに対する支持剛性をより一層高くできる。
又、請求項2に記載した発明によれば、前記各トラニオンの支持梁部に前記凸部を設ける為の構造の加工が容易で、製造コストを低く抑えられる。
本発明の実施の形態の第1例を、トラニオンと外輪とを組み合わせた状態で示す斜視図。 同じく、トラニオンと外輪とを組み合わせる以前の状態で示す斜視図。 同じく、トラニオンと外輪とを組み合わせて、図28と同方向から見た状態で示す側面図。 図3のa−a断面図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図1と同様の図。 同じく、図2と同様の図。 同じく、図3と同様の図。 図7のb−b断面図。 本発明の実施の形態の第3例を示す、図1と同様の図。 同じく、図2と同様の図。 同じく、図3と同様の図。 図11のc−c断面図。 本発明の実施の形態の第4例を示す、外輪を取り出して凹部側から見た平面図。 同じく、図13のd部拡大図。 本発明の実施の形態の第5例を示す、図4と同様の図。 同じく、図15のe−e断面図。 同じく、図15のf部拡大図。 同じく、図16のg部拡大図。 本発明の実施の形態の第6例を示す、図3と同様の図。 同じく、図19のh部拡大図。 本発明の実施の形態の第7例を示す、図13と同様の図。 同じく、図21のi−i断面図。 本発明の実施の形態の第8例を示す、図3と同様の図。 同じく、図23のj−j断面図。 従来構造の第1例を示す断面図。 図25のk−k断面図。 従来構造の第2例を示す、スラスト玉軸受を介してパワーローラを支持したトラニオンを、各ディスクの径方向外側から見た斜視図。 同じく、ディスクの周方向から見た状態で示す正面図。 図28の上方から見た平面図。 図29の右方から見た側面図。 図29のm−m断面図。 図28のn−n断面図。 パワーローラから加わるスラスト荷重に基づいてトラニオンが弾性変形した状態を誇張して示す、図31と同方向から見た断面図。
[実施の形態の第1例]
図1〜4は、請求項1、2、6、7に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例の特徴は、変速動作を安定させるべく、トラニオン7bの支持梁部23aに対し、スラスト玉軸受13aを構成する外輪16bを、この支持梁部23aに対する揺動変位を可能に支持しつつ、この支持梁部23aの軸方向に変位しない様にする為の構造にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図27〜32に示した従来構造の第2例と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例の構造の場合、前記支持梁部23aに支持固定したアンカピン27と、前記外輪16bの外側面に形成した1対の凹溝28、28とを係合させている。前記トラニオン7bの一部で、前記支持梁部23aの両端部に設けた1対の段差面26、26同士の間隔Dは、前記外輪16bの外径d(図3参照)よりも十分に(例えば1〜2mm程度)大きくしている。
前記アンカピン27を支持固定する為、前記トラニオン7bの支持梁部23aの一部に、断面円形の保持孔29を、この支持梁部23aの円筒状凸面22の中心軸の方向に対し直角方向に、両端部がこの支持梁部23aの幅方向両側面に開口する状態で形成している。
前記アンカピン27は、軸受鋼、高速度鋼等の硬質金属製で、全体を円柱状とすると共に、軸方向両端面の外周縁部に、断面形状が四分の一円弧形の面取り部を形成している。それぞれの自由状態での、前記保持孔29の内径は、前記アンカピン27の外径よりも僅かに小さく、このアンカピン27は、前記保持孔29内に圧入する事で、軸方向中間部を前記トラニオン7bに対し締り嵌めで内嵌固定している。この状態で、前記アンカピン27の両端部が、前記トラニオン7bの支持梁部23aの幅方向両側面から突出した状態となる。
又、前記各凹溝28、28は、前記外輪16bの外側面の中間部で、この外輪16bと前記トラニオン7bとを組み合わせた状態で、前記アンカピン27の両端部に整合する部分に、それぞれ形成している。前記各凹溝28、28の幅方向寸法は、前記アンカピン27の外径寸法と同じか、これよりも僅かに(例えば十数μm〜数十μm程度)大きくしている。又、前記各凹溝28、28の深さ寸法を規制して、前記各凹溝28、28の底面と、前記アンカピン27の内側面との間に隙間を設けている。そして、前記アンカピン27の両端部とこれら各凹溝28、28とが係合した状態で、前記円筒状凸面22の中心軸周りの回転方向に関して、前記外輪16bが前記トラニオン7bに対し揺動変位するのを可能としている。
上述の様に構成する本例のトロイダル無段変速機は、前記トラニオン7bと前記外輪16bとを、図2に示した状態から図1に示した状態にまで互いに近づけて、前記アンカピン27と前記各凹溝28、28とを係合させた状態で組み合わせる。この状態で前記トロイダル型無段変速機を運転すると、前記トラニオン7bに加わる力2Ftを、前記アンカピン27の軸方向両端部と前記各凹溝28、28との係合部で支承する。又、伝達するトルクの変動に伴って前記外輪16bが前記トラニオン7bに対し揺動変位する際には、前記各凹溝28、28の底面と前記アンカピン27の内側面との間に設けた隙間の範囲内で、このアンカピン27が傾斜する(実際には、このアンカピン27を設けたトラニオン7bに対して、前記各凹溝28、28を設けた外輪16bが揺動変位する)。
又、本例の場合、前記各凹溝28、28を前記支持梁部23aの円筒状凸面22の幅方向中央位置から外れた2箇所位置に設けている為、パワーローラ6aの回転に伴いスラスト玉軸受13aを介して前記外輪16bに加わるモーメントに対する支持剛性を、前述した特許文献3に記載のアンカ駒とアンカ溝とを係合させる構造の場合よりも向上させる事ができる。
又、前記支持梁部23aに加わるスラスト荷重により前記トラニオン7bが変形(図33参照)した場合にも、前記1対の段差面26、26が前記外輪16bを強く挟持する事も、前記各凹溝28、28が前記アンカピン27を強く狭持する事もない。この為、前記支持梁部23aを中心とする、前記外輪16bの揺動変位に対する摺動抵抗が大きくならず、この揺動変位を円滑に行う事ができる。
前述の様に構成し、上述の様に作用する本例の構造は、前記円柱状のアンカピン27を前記トラニオン7bに支持固定する為に、このトラニオン7bに断面円形の保持孔29を形成すれば足りる。円柱状のアンカピン27を所定の寸法精度で造る事も、断面円形状の保持孔29を所定の精度で造る事も、何れも容易である。又、この保持孔29に前記アンカピン27を支持固定する作業も、この保持孔29にこのアンカピン27を直線状に圧入するだけで足りる。そして、圧入後は、このアンカピン27が軸方向中間部で前記トラニオン7bに対し支持固定され、前記力2Ftはこのアンカピン27の軸方向両端部に加わる構造となって、この力2Ftに対する剛性が大きくなる。これらにより本例の構造は、大きなトルクを伝達するトロイダル型無段変速機で実施した場合でも、十分な耐久性及び信頼性を確保できる構造を、低コストで実現できる。
[実施の形態の第2例]
図5〜8は、請求項1に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、トラニオン7cの支持梁部23bの幅方向両側面に凸部30、30を、この支持梁部23bと一体に設けている。これら各凸部30、30を形成する位置は、前記支持梁部23bの円筒状凸面22の中心軸の軸方向に関する位置が互いに一致する部分としている。又、前記各凸部30、30の方向は、この中心軸に対して直角方向としている。そして、これら各凸部30、30を、外輪16cに設けた凹溝28a、28aに係合させて、前記トラニオン7bに加わる力2Ftを支承する様にしている。
その他の部分の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第3例]
図9〜12は、請求項1、2、6、8に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、トラニオン7dの支持梁部23cの幅方向2箇所位置に、これら各支持梁部23cの外側面と円筒状凸面22とに、それぞれの両端部を開口する保持孔29a、29aを形成している。これら各保持孔29a、29aを形成する位置は、前記円筒状凸面22の中心軸の軸方向に関する位置が互いに一致する部分としている。又、前記各保持孔29a、29aの方向は、前記トラニオン7dに対し中立位置に存在する状態での、外輪16dの内側面に設けた支持軸12aの中心軸の軸方向と同じ(平行)としている。そして、前記各保持孔29a、29aに、それぞれアンカピン27a、27aを、前記支持梁部23cの外側面側の開口より、締り嵌めで圧入して、これら各アンカピン27a、27aを、前記トラニオン7dに対し固定している。尚、これら各アンカピン27a、27aを圧入する際に、これら各アンカピン27a、27aが前記円筒状凸面22側の開口から過度に突出しない(適正位置に留まる)様に、これら各アンカピン27a、27aの後端部(図12の下側)に設けた鍔部31、31を、前記各保持孔29a、29aの中間部に設けた段差部32、32に突き当てている。
又、前記外輪16dの凹部24の内面には、この外輪16dと前記トラニオン7dとを組み合わせた状態で、前記各アンカピン27a、27aに整合する部分に、凹溝28bを設けている。そして、これら各アンカピン27a、27aの先端部外周面と、この凹溝28bの内面のうち幅方向両端面との間、及び、この凹溝28bの底面と前記各アンカピン27a、27aの先端面との間に、前記外輪16dの前記トラニオン7dに対する揺動変位を可能とする隙間を設けている。前記凹溝28bの幅寸法は、前記各アンカピン27a、27aの先端部の外径寸法よりも僅かに大きい。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第4例]
図13〜14は、請求項1、3に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合には、外輪16eの外側面に設けた凹溝28c、28cのうち、この外輪16eの幅方向に関して外側の部分を、この外輪16eの幅方向外方に向かう程、これら各凹溝28c、28cの幅寸法が大きくなるテーパ形状としている。この為、前述した実施の形態の第1例に於いて、保持孔29(図4参照)を形成する方向が円筒状凸面22の中心軸の直角方向に対し僅かに傾き(加工精度による僅かな誤差が発生し)、アンカピン27がこの中心軸の直角方向に対し僅かに傾いたり、前述した実施の形態の第2例に示した凸部30、30(図5〜8参照)を形成する方向が、前記中心軸の直角方向に対し僅かに傾いても、この誤差を吸収する事ができる。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例及び実施の形態の第2例と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第5例]
図15〜18は、請求項1、2、4、6、7に対応する、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例の場合には、トラニオン7bの支持梁部23aの幅方向両側面に開口する状態で形成された、保持孔29に内嵌固定されたアンカピン27bの両端部を、前記支持梁部23aの幅方向外方に向かう程断面積が小さくなるテーパ形状としている。この為、前記保持孔29を形成する方向が円筒状凸面22の中心軸の直角方向に対し僅かに傾き(加工精度による僅かな誤差が発生し)、前記アンカピン27bがこの中心軸の直角方向に対し僅かに傾いても、この誤差を吸収する事ができる。又、このアンカピン27bと凹溝28、28との係合部の係合強度を適正な大きさとして、前記支持梁部23aを中心とする外輪16bの揺動変位を円滑に行わせる事が可能となる。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第6例]
図19〜20は、請求項1、5に対応する、本発明の実施の形態の第6例を示している。本例の場合には、外輪16cに設けた凹溝28aとトラニオン7cに設けた凸部30との間に、皿ばねの如く、ばね鋼等の弾性を有する材料製の弾性体33、33を設けている。この為、前記凸部30の形成する方向が、円筒状凸面22の中心軸に対する直角方向に対し僅かに傾いても(加工精度による僅かな誤差が発生しても)、この誤差を吸収する事ができる。又、前記凸部30と前記凹溝28aとの係合部の係合強度を適正な大きさとして、支持梁部23bを中心とする外輪16cの揺動変位に対する、前記凸部30と前記凹溝28aとの係合部の摺動抵抗を小さくでき、この揺動変位を円滑に行わせる事ができる。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第2例と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第7例]
図21〜22は、請求項1、2、6、7に対応する、本発明の実施の形態の第7例を示している。本例の場合には、外輪16fに設けた凹溝28d、28dを、この外輪16fの外側面の外周縁に開口しない状態で設けている。この為、これら各凹溝28d、28dと、支持梁部23aに圧入固定したアンカピン27(図1〜4参照)とが係合した状態で、このアンカピン27が抜け落ちるのを確実に(締め代が不十分な場合でも)防止できる。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第8例]
図23〜24は、請求項2に対応する、本発明の実施の形態の第8例を示している。本例の場合には、トラニオン7fの支持梁部23dの幅方向片側面にのみ開口した保持孔29bに、アンカピン27cを、先端部がこの支持梁部23dの幅方向片側面から突出した状態で、圧入固定している。外輪16gの外側面には、前記アンカピン27cの先端部と係合する位置に、凹溝28を設けている。
本例の場合、前記アンカピン27cとこの凹溝28との係合部を1箇所としている為、モーメント剛性の面からは不利になる代りに、前記保持孔29bを形成する方向が円筒状凸面22の中心軸の直角方向に対し僅かに傾く事で、加工精度による誤差を許容できる範囲を、前記実施の形態の第1例と比較して大きく(2倍とする事が)できる。又、前記支持梁部23dを中心とする外輪16gの揺動変位に対する、前記アンカピン27cと前記凹溝28との係合部に於ける摺動抵抗を前記実施の形態の第1例の場合よりも小さくでき、前記揺動変位を円滑に行わせる事ができる。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
本発明は、トロイダル型無段変速機単独で実施できる他、特許文献5に記載されている様な、遊星歯車機構と組み合わせた無段変速装置として実施する事もできる。
1 入力回転軸
2 入力ディスク
3 出力筒
4 出力歯車
5 出力ディスク
6、6a パワーローラ
7、7a〜7f トラニオン
8、8a、8b 傾転軸
9 支持梁部
10 支持板
11、11a ラジアルニードル軸受
12、12a 支持軸
13、13a スラスト玉軸受
14 スラストニードル軸受
15 内輪軌道
16、16a〜16g 外輪
17 外輪軌道
18 玉
19 駆動軸
20 押圧装置
21 アクチュエータ
22 円筒状凸面
23、23a〜23d 支持梁部
24 凹部
25 ラジアルニードル軸受
26 段差面
27、27a〜27c アンカピン
28、28a〜28d 凹溝
29、29a、29b 保持孔
30 凸部
31 鍔部
32 段差部
33 弾性体

Claims (8)

  1. 少なくとも1対のディスクと、複数のトラニオンと、これら各トラニオンと同数のパワーローラと、同じく同数のスラスト転がり軸受とを備え、
    このうちの各ディスクは、それぞれが断面円弧形のトロイド曲面である互いの軸方向片側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、相対回転を可能に支持されたものであり、
    前記各トラニオンは、それぞれの両端部に互いに同心に設けられた1対の傾転軸と、これら両傾転軸同士の間に存在し、少なくとも前記各ディスクの径方向に関する内側の側面を、前記両傾転軸の中心軸と平行でこれら両傾転軸の中心軸よりも前記各ディスクの径方向に関して外側に存在する中心軸を有する、円筒状凸面とした支持梁部とを備えたもので、軸方向に関して前記各ディスクの軸方向側面同士の間位置の周方向に関して複数箇所に、これら各ディスクの中心軸に対し捩れの位置にある傾転軸を中心とする揺動変位を自在に設けられており、
    前記各パワーローラは、前記各トラニオンの内側面に、それぞれスラスト転がり軸受を介して回転自在に支持され、球状凸面としたそれぞれの周面を、前記各ディスクの軸方向片側面にそれぞれ当接させており、
    前記各スラスト転がり軸受は、前記各トラニオンの支持梁部と前記各パワーローラの外側面との間に設けられたもので、これら各支持梁部側に設けられた外輪と、これら各外輪の内側面に設けられた外輪軌道と前記各パワーローラの外側面に設けられた内輪軌道との間に転動自在に、それぞれ複数個ずつ設けられた転動体とを備えたものであり、
    前記各スラスト転がり軸受の外輪は、これら各外輪の外側面に設けられた凹部と前記各支持梁部の円筒状凸面とを係合させる事により、これら各トラニオンに対し、前記各ディスクの軸方向に関する揺動変位を可能に支持されているトロイダル型無段変速機に於いて、
    前記各支持梁部の幅方向中央位置から外れた幅方向2箇所位置で、これら各支持梁部の円筒状凸面の中心軸の軸方向に関する位置が互いに一致する部分に、これら各支持梁部の外周面から突出した状態で設けられた凸部と、前記各外輪の外側面に設けられた凹溝とを備え、これら凸部と凹溝との係合部で、前記各ディスクの回転に伴って前記各パワーローラに加わるトルクを支承可能とし、この係合部に、前記各円筒状凸面の中心軸周りの回転方向に関して、前記各外輪の前記各トラニオンに対する揺動変位を可能とする隙間を設けている事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 少なくとも1対のディスクと、複数のトラニオンと、これら各トラニオンと同数のパワーローラと、同じく同数のスラスト転がり軸受とを備え、
    このうちの各ディスクは、それぞれが断面円弧形のトロイド曲面である互いの軸方向片側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、相対回転を可能に支持されたものであり、
    前記各トラニオンは、それぞれの両端部に互いに同心に設けられた1対の傾転軸と、これら両傾転軸同士の間に存在し、少なくとも前記各ディスクの径方向に関する内側の側面を、前記両傾転軸の中心軸と平行でこれら両傾転軸の中心軸よりも前記各ディスクの径方向に関して外側に存在する中心軸を有する、円筒状凸面とした支持梁部とを備えたもので、軸方向に関して前記各ディスクの軸方向側面同士の間位置の周方向に関して複数箇所に、これら各ディスクの中心軸に対し捩れの位置にある傾転軸を中心とする揺動変位を自在に設けられており、
    前記各パワーローラは、前記各トラニオンの内側面に、それぞれスラスト転がり軸受を介して回転自在に支持され、球状凸面としたそれぞれの周面を、前記各ディスクの軸方向片側面にそれぞれ当接させており、
    前記各スラスト転がり軸受は、前記各トラニオンの支持梁部と前記各パワーローラの外側面との間に設けられたもので、これら各支持梁部側に設けられた外輪と、これら各外輪の内側面に設けられた外輪軌道と前記各パワーローラの外側面に設けられた内輪軌道との間に転動自在に、それぞれ複数個ずつ設けられた転動体とを備えたものであり、
    前記各スラスト転がり軸受の外輪は、これら各外輪の外側面に設けられた凹部と前記各支持梁部の円筒状凸面とを係合させる事により、これら各トラニオンに対し、前記各ディスクの軸方向に関する揺動変位を可能に支持されているトロイダル型無段変速機に於いて、
    前記各支持梁部の幅方向中央位置から外れた1箇所乃至複数箇所に、これら各支持梁部の外周面から突出した状態で設けられた凸部と、前記各外輪の外側面に設けられた凹溝とを備え、これら凸部と凹溝との係合部で、前記各ディスクの回転に伴って前記各パワーローラに加わるトルクを支承可能とし、この係合部に、前記各円筒状凸面の中心軸周りの回転方向に関して、前記各外輪の前記各トラニオンに対する揺動変位を可能とする隙間を設けており、前記凸部が、前記各支持梁部の一部に形成された断面円形の保持孔に、端部を前記各支持梁部の外周面から突出させた状態で圧入固定されたアンカピンである事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
  3. 少なくとも1対のディスクと、複数のトラニオンと、これら各トラニオンと同数のパワーローラと、同じく同数のスラスト転がり軸受とを備え、
    このうちの各ディスクは、それぞれが断面円弧形のトロイド曲面である互いの軸方向片側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、相対回転を可能に支持されたものであり、
    前記各トラニオンは、それぞれの両端部に互いに同心に設けられた1対の傾転軸と、これら両傾転軸同士の間に存在し、少なくとも前記各ディスクの径方向に関する内側の側面を、前記両傾転軸の中心軸と平行でこれら両傾転軸の中心軸よりも前記各ディスクの径方向に関して外側に存在する中心軸を有する、円筒状凸面とした支持梁部とを備えたもので、軸方向に関して前記各ディスクの軸方向側面同士の間位置の周方向に関して複数箇所に、これら各ディスクの中心軸に対し捩れの位置にある傾転軸を中心とする揺動変位を自在に設けられており、
    前記各パワーローラは、前記各トラニオンの内側面に、それぞれスラスト転がり軸受を介して回転自在に支持され、球状凸面としたそれぞれの周面を、前記各ディスクの軸方向片側面にそれぞれ当接させており、
    前記各スラスト転がり軸受は、前記各トラニオンの支持梁部と前記各パワーローラの外側面との間に設けられたもので、これら各支持梁部側に設けられた外輪と、これら各外輪の内側面に設けられた外輪軌道と前記各パワーローラの外側面に設けられた内輪軌道との間に転動自在に、それぞれ複数個ずつ設けられた転動体とを備えたものであり、
    前記各スラスト転がり軸受の外輪は、これら各外輪の外側面に設けられた凹部と前記各支持梁部の円筒状凸面とを係合させる事により、これら各トラニオンに対し、前記各ディスクの軸方向に関する揺動変位を可能に支持されているトロイダル型無段変速機に於いて、
    前記各支持梁部の幅方向中央位置から外れた1箇所乃至複数箇所に、これら各支持梁部の外周面から突出した状態で設けられた凸部と、前記各外輪の外側面に設けられた凹溝とを備え、これら凸部と凹溝との係合部で、前記各ディスクの回転に伴って前記各パワーローラに加わるトルクを支承可能とし、この係合部に、前記各円筒状凸面の中心軸周りの回転方向に関して、前記各外輪の前記各トラニオンに対する揺動変位を可能とする隙間を設けており、前記凹溝のうちの少なくとも前記各外輪の幅方向端部を、これら各外輪の幅方向外方に向かう程、この凹溝の幅寸法が大きくなるテーパ形状とした事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
  4. 少なくとも1対のディスクと、複数のトラニオンと、これら各トラニオンと同数のパワーローラと、同じく同数のスラスト転がり軸受とを備え、
    このうちの各ディスクは、それぞれが断面円弧形のトロイド曲面である互いの軸方向片側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、相対回転を可能に支持されたものであり、
    前記各トラニオンは、それぞれの両端部に互いに同心に設けられた1対の傾転軸と、これら両傾転軸同士の間に存在し、少なくとも前記各ディスクの径方向に関する内側の側面を、前記両傾転軸の中心軸と平行でこれら両傾転軸の中心軸よりも前記各ディスクの径方向に関して外側に存在する中心軸を有する、円筒状凸面とした支持梁部とを備えたもので、軸方向に関して前記各ディスクの軸方向側面同士の間位置の周方向に関して複数箇所に、これら各ディスクの中心軸に対し捩れの位置にある傾転軸を中心とする揺動変位を自在に設けられており、
    前記各パワーローラは、前記各トラニオンの内側面に、それぞれスラスト転がり軸受を介して回転自在に支持され、球状凸面としたそれぞれの周面を、前記各ディスクの軸方向片側面にそれぞれ当接させており、
    前記各スラスト転がり軸受は、前記各トラニオンの支持梁部と前記各パワーローラの外側面との間に設けられたもので、これら各支持梁部側に設けられた外輪と、これら各外輪の内側面に設けられた外輪軌道と前記各パワーローラの外側面に設けられた内輪軌道との間に転動自在に、それぞれ複数個ずつ設けられた転動体とを備えたものであり、
    前記各スラスト転がり軸受の外輪は、これら各外輪の外側面に設けられた凹部と前記各支持梁部の円筒状凸面とを係合させる事により、これら各トラニオンに対し、前記各ディスクの軸方向に関する揺動変位を可能に支持されているトロイダル型無段変速機に於いて、
    前記各支持梁部の幅方向中央位置から外れた1箇所乃至複数箇所に、これら各支持梁部の外周面から突出した状態で設けられた凸部と、前記各外輪の外側面に設けられた凹溝とを備え、これら凸部と凹溝との係合部で、前記各ディスクの回転に伴って前記各パワーローラに加わるトルクを支承可能とし、この係合部に、前記各円筒状凸面の中心軸周りの回転方向に関して、前記各外輪の前記各トラニオンに対する揺動変位を可能とする隙間を設けており、前記凸部の端部を、前記各支持梁部の幅方向端部に向かう程断面積が小さくなるテーパ形状とした事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
  5. 少なくとも1対のディスクと、複数のトラニオンと、これら各トラニオンと同数のパワーローラと、同じく同数のスラスト転がり軸受とを備え、
    このうちの各ディスクは、それぞれが断面円弧形のトロイド曲面である互いの軸方向片側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、相対回転を可能に支持されたものであり、
    前記各トラニオンは、それぞれの両端部に互いに同心に設けられた1対の傾転軸と、これら両傾転軸同士の間に存在し、少なくとも前記各ディスクの径方向に関する内側の側面を、前記両傾転軸の中心軸と平行でこれら両傾転軸の中心軸よりも前記各ディスクの径方向に関して外側に存在する中心軸を有する、円筒状凸面とした支持梁部とを備えたもので、軸方向に関して前記各ディスクの軸方向側面同士の間位置の周方向に関して複数箇所に、これら各ディスクの中心軸に対し捩れの位置にある傾転軸を中心とする揺動変位を自在に設けられており、
    前記各パワーローラは、前記各トラニオンの内側面に、それぞれスラスト転がり軸受を介して回転自在に支持され、球状凸面としたそれぞれの周面を、前記各ディスクの軸方向片側面にそれぞれ当接させており、
    前記各スラスト転がり軸受は、前記各トラニオンの支持梁部と前記各パワーローラの外側面との間に設けられたもので、これら各支持梁部側に設けられた外輪と、これら各外輪の内側面に設けられた外輪軌道と前記各パワーローラの外側面に設けられた内輪軌道との間に転動自在に、それぞれ複数個ずつ設けられた転動体とを備えたものであり、
    前記各スラスト転がり軸受の外輪は、これら各外輪の外側面に設けられた凹部と前記各支持梁部の円筒状凸面とを係合させる事により、これら各トラニオンに対し、前記各ディスクの軸方向に関する揺動変位を可能に支持されているトロイダル型無段変速機に於いて、
    前記各支持梁部の幅方向中央位置から外れた1箇所乃至複数箇所に、これら各支持梁部の外周面から突出した状態で設けられた凸部と、前記各外輪の外側面に設けられた凹溝とを備え、これら凸部と凹溝との係合部で、前記各ディスクの回転に伴って前記各パワーローラに加わるトルクを支承可能とし、この係合部に、前記各円筒状凸面の中心軸周りの回転方向に関して、前記各外輪の前記各トラニオンに対する揺動変位を可能とする隙間を設けており、前記凸部と前記凹溝との間に弾性体を設けている事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
  6. 前記凸部が、前記各支持梁部の一部に形成された断面円形の保持孔に、端部を前記各支持梁部の外周面から突出させた状態で圧入固定されたアンカピンである、請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
  7. 前記保持孔が、前記各支持梁部の幅方向両側面に開口した貫通孔であり、前記凸部が、この貫通孔に軸方向両端部を突出する状態で圧入固定されているアンカピンである、請求項6に記載のトロイダル型無段変速機。
  8. 前記各支持梁部の円筒状凸面の幅方向2箇所位置で、これら各円筒状凸面の中心軸に軸方向に関する位置が互いに一致する部分に形成された保持孔を設けており、それぞれの保持孔にアンカピンが、それぞれの端部が前記各円筒状凸面から突出する状態で圧入固定されており、これら各アンカピンと、前記凹溝の内面との間に、前記隙間を設けている、請求項6に記載のトロイダル型無段変速機。
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