JP4543422B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車や各種産業機械の変速機などに利用可能なトロイダル型無段変速機に関する。
自動車用変速機として、図18および図19に略示するようなトロイダル型無段変速機を使用することが一部で実施されている。このトロイダル型無段変速機は、入力軸1と同心に入力側ディスク2を支持し、入力軸1と同心に配置された出力軸3の端部に、出力側ディスク4を固定している。トロイダル型無段変速機を納めたケーシングの内側には、入力軸1並びに出力軸3に対し捻れの位置にある枢軸5,5を中心として揺動するトラニオン6,6が設けられている。各トラニオン6,6には、パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、入力側および出力側の両ディスク2,4の間に挟持(転接)されている。
入力側および出力側の両ディスク2,4の互いに対向する内側面2a,4aの断面はそれぞれ、枢軸5を中心とする円弧或いはこのような円弧に近い曲線を回転させて得られる凹面を成している。そして、球状の凸面に形成された各パワーローラ11,11の周面11a,11aが各内側面2a,4aに当接されている。
入力軸1と入力側ディスク2との間には、ローディングカム式の押圧装置12が設けられている。この押圧装置12は、入力側ディスク2を出力側ディスク4に向けて弾性的に押圧している。また、押圧装置12は、入力軸1と共に回転するカム板13と、保持器14により保持された複数個(例えば4個)のローラ15とから構成されている。また、カム板13の片側面(図18および図19の左側面)には、周方向に亙って凹凸面であるカム面16が形成され、入力側ディスク2の外側面(図18および図19の右側面)にも同様のカム面17が形成されている。そして、複数個のローラ15は、入力軸1に対して放射方向に延びる軸を中心に回転できるように、支持されている。
このような構成のトロイダル型無段変速機においては、入力軸1を回転させると、その回転に伴ってカム板13が回転し、カム面16によって複数個のローラ15,15が、入力側ディスク2の外側面に設けられたカム面17に押圧される。この結果、入力側ディスク2が複数のパワーローラ11,11に押圧されると同時に、1対のカム面16,17と複数個のローラ15,15の転動面との押し付け合いに基づいて、入力側ディスク2が回転する。そして、この入力側ディスク2の回転が、各パワーローラ11,11を介して、出力側ディスク4に伝達され、この出力側ディスク4に固定された出力軸3が回転する。
入力軸1と出力軸3との回転速度を変える場合であって、入力軸1と出力軸3との間で減速を行なう場合には、枢軸5,5を中心として各トラニオン6,6を揺動させ、各パワーローラ11,11の周面11a,11aが、図18に示すように、入力側ディスク2の内側面2aの中心寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの外周寄り部分とにそれぞれ当接するように、各変位軸9,9を傾斜させる。
反対に、増速を行なう場合には、各トラニオン6,6を揺動させ、各パワーローラ11,11の周面11a,11aが、図19に示すように、入力側ディスク2の内側面2aの外周寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの中心寄り部分とにそれぞれ当接するように、各変位軸9,9を傾斜させる。各変位軸9,9の傾斜角度を図18と図19との中間にすれば、入力軸1と出力軸3との間で、中間の変速比が得られる。
図20および図21は、より具体化されたダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機の一例を示している。なお、図18および図19と共通する構成部材に関しては、以下、同一符号を付して、その詳細な説明または図示を省略する。
図20に示すように、ケーシング101の内側には、入力軸1が回転自在に支持されている。
入力軸1の両端寄り部分には、第1および第2の入力側ディスク2,2がそれぞれ、回転自在に支持されている。この場合、第1および第2の入力側ディスク2,2は、その内側面2a,2a同士を互いに対向させた状態で同心的に配置されるとともに、ケーシング101の内側で互いに同期して回転できる。
入力軸1の中間部の周囲には、第1および第2の出力側ディスク4,4がスリーブ109を介して支持されている。スリーブ109の中間部の外周面には、出力歯車110が一体に設けられている。この出力歯車110は、入力軸1と同心的に配置されるとともに、入力軸1の外径よりも大きな内径を有している。また、出力歯車110は、一対の転がり軸受112を介して、ケーシング101内に設けられた支持壁(中間壁)111に回転自在に支持されている。
第1および第2の出力側ディスク4,4は、スリーブ109の両端部にスプライン係合されている。この場合、出力側ディスク4,4は、それぞれの内側面4a,4aを互いに反対方向に向けた状態で配置されている。したがって、入力側ディスク2と出力側ディスク4は、その内側面2a,4a同士が互いに対向している。
図21に示すように、ケーシング101の内側であって、出力側ディスク4,4の側方位置には、両ディスク4,4を両側から挟む状態で一対のヨーク113a,113bが支持されている。これら一対のヨーク113a,113bは、鋼等の金属のプレス加工あるいは鍛造加工により矩形状に形成されている。そして、後述するトラニオン6の両端部に設けられた枢軸5を揺動自在に支持するため、ヨーク113a,113bの四隅には、円形の支持孔118が設けられるとともに、ヨーク113a,113bの幅方向の中央部には、円形の係止孔119が設けられている。
一対のヨーク113a,113bは、ケーシング101の内面の互いに対向する部分に形成された支持ポスト20a,20bにより、僅かに変位できるように支持されている。これらの支持ポスト20a,20bはそれぞれ、入力側ディスク2の内側面2aと出力側ディスク4の内側面4aとの間にある第1キャビティ21および第2キャビティ22にそれぞれ対向する状態で設けられている。
したがって、ヨーク113a,113bは、各支持ポスト20a,20bに支持された状態で、その一端部が第1キャビティ21の外周部分に対向するとともに、その他端部が第2キャビティ22の外周部分に対向している。
第1および第2のキャビティ21,22は同一構造であるため、以下、第1キャビティ21のみについて説明する。
第1キャビティ21には、一対のトラニオン6が設けられている。トラニオン6の両端部には同心的に枢軸5が設けられており、これらの枢軸5は一対のヨーク113a,113bの一端部に揺動且つ軸方向に変位自在に支持されている。すなわち、枢軸5は、ヨーク113a,113bの一端部に形成された支持孔118の内側に、ラジアルニードル軸受26によって支持されている。ラジアルニードル軸受26は、その外周面が球状凸面で且つその内周面が円筒面である外輪27と、複数本のニードル28とから構成されている。
トラニオン6の中間部にはそれぞれ、円孔30が設けられている。また、各円孔30には変位軸31が支持されている。変位軸31はそれぞれ、互いに平行で且つ偏心した支持軸部33と枢支軸部34とを有している。このうち、支持軸部33は、円孔30の内側に、ラジアルニードル軸受35を介して支持されている。また、枢支軸部34の周囲には、別のラジアルニードル軸受38を介して、パワーローラ11が支持されている。
なお、第1および第2キャビティ21,22毎に一対ずつ設けられた変位軸31は、第1および第2キャビティ21,22毎に、入力軸1に対して180度反対側に位置して設けられている。また、変位軸31の各枢支軸部34が各支持軸部33に対して偏心している方向は、入力ディスク2,2と出力ディスク4,4の回転方向に関して同方向となっている。また、偏心方向は入力軸1の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、パワーローラ11は、入力軸1の長手方向に沿って僅かに変位できるように支持されている。その結果、トロイダル型無段変速機により伝達されるトルクの変動に基づく構成部材の弾性変形量の変動等に起因して、パワーローラ11が入力軸1の軸方向に変位する傾向となった場合でも、構成部材に無理な力が加わることがなく、その変位を吸収することができる。
また、パワーローラ11の外周面とトラニオン6の中間部内周面との間には、パワーローラ11の外側面から順に、スラスト玉軸受39と、滑り軸受あるいはニードル軸受等のスラスト軸受40とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受39は、パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これらパワーローラ11の回転を許容する。また、スラスト軸受40は、パワーローラ11からスラスト玉軸受39の外輪41に加わるスラスト荷重を支承しつつ、枢支軸部34および外輪41が支持軸部33を中心に揺動することを許容する。
トラニオン6の一端部にはそれぞれ、駆動ロッド42が結合されている。また、これらの駆動ロッド42の中間部外周面には、駆動装置としての駆動ピストン43が固着されている。この駆動ピストン43は、駆動シリンダ44内に油密に嵌装されている。そして、駆動ピストン43がトラニオン6を軸方向に変位させるためのアクチュエータを構成している。
図20に示すように、駆動軸210と一方の入力側ディスク2との間には、ローディングカム式の押圧装置45が設けられている。この押圧装置45は、カム板46と複数のローラ48とを備えており、駆動軸210の回転に基づいて一方の入力側ディスク2を他方の入力側ディスク2に向け押圧しつつ回転させる。この場合、カム板46は、軸方向の変位を阻止された状態で支持されており、駆動軸210と共に回転する。また、複数のローラ48は、保持器47に転動自在に保持されている。
このように構成されたトロイダル型無段変速機の運転時、駆動軸210の回転は、押圧装置45を介して、一方の入力側ディスク2に伝えられ、この入力側ディスク2と他方の入力側ディスク2とが互いに同期して入力軸1と共に回転する。入力側ディスク2,2の回転は、パワーローラ11を介して、出力側ディスク4,4に伝えられる。出力側ディスク4,4の回転は、出力歯車110により取り出され、出力軸200に伝達される。
入力軸1と出力歯車110との間の回転速度比を変える場合には、制御弁(図示しない)の切換えに基づいて、第1および第2のキャビティ21,22に対応してそれぞれ一対ずつ設けられた駆動ピストン43を、各キャビティ21,22毎に互いに逆方向に同じ距離だけ変位させる。これらの駆動ピストン43の変位に伴って、一対ずつ合計4個のトラニオン6がそれぞれ逆方向に変位し、一方のパワーローラ11が下側に、他方のパワーローラ11が上側にそれぞれ変位する。その結果、各パワーローラ11の周面11a,11aと、入力側ディスク2,2の内側面2a,2a、出力側ディスク4,4の内側面4a,4aとの当接部に作用する、接線方向の力の向きが変化する。そして、その力の向きの変化に伴って、トラニオン6がヨーク113a,113bに枢支された枢軸5を中心として逆方向に揺動する。この結果、パワーローラ11の周面と、入力側ディスク2,2、出力側ディスク4,4との当接位置が変化し、入力軸1と出力歯車110との間の回転速度比が変化する。
ところで、トラニオン6の枢軸5を揺動自在に且つ軸方向に変位自在に支持する前述したヨーク113a,113bは、それ自体が支持ポスト20a,20bを中心に揺動することにより、例えば一方のトラニオン6(例えば図21の右側のトラニオン)の上側への変位に伴って他方のトラニオン6(例えば図21の左側のトラニオン)を下側へ変位させるといったように、同一キャビティ内で対向する一対のトラニオン6の動きをシーソーのように同期させてこれらをそれぞれ逆方向に変位させる機能を有している。
図22には、従来のヨーク113a,113bの具体的な一例が示されている。図示のように、ヨーク113a,113bは、矩形状に形成されており、トラニオン6の枢軸5を揺動自在に支持する円形の支持孔118をその四隅に有するとともに、支持ポスト20a,20bが内嵌する係止孔119をその幅方向の中央部に有している。
また、支持ポスト20a,20bを中心とするヨーク113a,113bの揺動を円滑に行なえるようにするため、各係止孔119の片側には、揺動の支点となる突起部220がヨーク113a,113bと一体に形成されている(例えば、特許文献1参照)。具体的に、図21中の上側に位置する第1のヨーク113aの各係止孔119の長手方向外側にはそれぞれ、ケーシング101の固定部材225に向けて突出する突起部220が一体に形成されている。同様に、図21中の下側に位置する第2のヨーク113bの各係止孔119の長手方向外側にもそれぞれ、駆動シリンダ44の上側シリンダボディ230に向けて突出する突起部220が一体に形成されている。
したがって、例えば、図21の左側の駆動ピストン43が同図の下側に変位し且つ右側の駆動ピストン43が同図の上側に変位すると、これらの駆動ピストン43に結合されているトラニオン6,6が互いに逆方向に変位し(左側のトラニオン6が下側に変位し、右側のトラニオン6が上側に変位し)、これにより、図23の(a)に示すように、第1のヨーク113aは、その右側が上になる方向に、ケーシング101の固定部材225に当接した各突起220を中心に傾く。同様に、第2のヨーク113bも、駆動シリンダ44の上側シリンダボディ230に当接した各突起220を中心に、第1のヨーク113aと同じ方向に傾く。逆に、図21の左側の駆動ピストン43が同図の上側に変位し且つ右側の駆動ピストン43が同図の下側に変位すると、図23の(b)に示すように、第1のヨーク113aは、その左側が上になる方向に、ケーシング101の固定部材225に当接した各突起220を中心に傾き、同様に、第2のヨーク113bも、第1のヨーク113aと同じ方向に傾く。
特開2003−343673号公報
しかしながら、図22に示す従来のヨーク113a,113bは、その揺動支点としての突起部220がヨーク113a,113bの本体と一体に形成されている。そのため、揺動支点として機能するべく突起部220をヨーク本体に精度良く加工する必要がある。したがって、加工作業が面倒且つ複雑になって、製造コストが高くなるといった問題が生じる。また、このような問題は、突起部220を固定部材225や上側シリンダボディ230(ポスト側)に設けた場合にも同様に生じ得る。
本発明は、前記事情に鑑みて為されたもので、ヨークの揺動支点となる突起部を安価に設けることができるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明のトロイダル型無段変速機は、ケーシングと、このケーシングの内側で互いの内側面同士を対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、これらの両ディスク間に挟持される複数のパワーローラと、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの中心軸に対して捻れの位置にあり且つ互いに同心的に設けられた一対の枢軸を中心に揺動するとともに、前記各パワーローラを回転自在に支持する複数のトラニオンと、前記各トラニオンを前記枢軸の軸方向に変位させる駆動装置と、前記各トラニオンの前記各枢軸をそれぞれ揺動自在且つ軸方向に変位自在に支持するとともに、前記トラニオンの変位により揺動する一対のヨークとを備えるトロイダル型無段変速機であって、前記各ヨークと対向して板状部材が配置され、この板状部材には、前記各ヨークの揺動の支点となる突起部が形成され、前記板状部材は、前記ヨークを前記ケーシングに対して支持する支持ポストに遊嵌されているか、あるいは、支持ポストに回り止め嵌合されていることを特徴とする。
発明においては、各ヨークと対向する板状部材に、ヨークと当接してヨークの揺動の支点となる突起部が設けられている。したがって、各ヨークは、これらに支持された各トラニオンの変位動作を同期させるべく揺動する際、前記突起部を支点として揺動するため、その揺動動作がスムーズになる。そのため、各ヨークに支持された各トラニオンの変位動作が安定し、トロイダル型無段変速機の変速特性が安定する。
また、突起部は、ヨークや他の既存の部材(例えば、図21の固定部材225や上側シリンダボディ230(ポスト側))と別体の板状部材に設けられているため、突起部の加工条件とヨークや他の既存の部材の加工条件とを別個に設定でき、また、様々な状況に合わせて両者の材料を個別に設定することができるとともに、ヨークと突起部とが一体で形成される場合に比べて寸法精度等を緩めて加工工程等を簡略化することもできる。そして、結果として、設計の自由度を高めることができ、製造の簡略化および製造コストの低減等を図ることができる。
なお、上記構成において、前記突起部は、鍛造により前記板状部材に形成されても良い。これにより、突起部を安価に形成することができる。また、回り止め嵌合は、凹凸係合や平面部同士の当接係合によって実現されても良い。また、前記突起部と当接する前記各ヨークの部位は、円弧状の面を成す凹陥部として形成されていることが望ましい。この場合、前記凹陥部および前記突起部が円筒状の面を成していても良い。更に、この場合、前記突起部の円筒状の面の半径は、前記凹陥部の円筒状の面の半径よりも小さいことが好ましい。これにより、突起部と凹陥部との接触点のずれを効果的に防止することができる。無論、前記凹陥部および前記突起部が球面を成していても構わない。
本発明のトロイダル型無段変速機では、ヨークや他の既存の部材(例えば、図21の固定部材225や上側シリンダボディ230(ポスト側))と別体の板状部材に、ヨークと当接してヨークの揺動の支点となる突起部が設けられている。そのため、ヨークの揺動支点となる突起部を安価に設けることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明の特徴は、ヨークの揺動支点となる突起部の形成形態にあり、その他の構成および作用は前述した従来の構成および作用と同様であるため、以下においては、本発明の特徴部分についてのみ言及し、それ以外の部分については、図9〜図14と同一の符号を付して簡潔に説明するに留める。
図1〜図6は本発明の第1の実施形態を示している。図1に示すように、本実施形態に係るヨーク113a,113bには、支持ポスト20a,20bが内嵌する各係止孔119の両側に、凹陥状の長溝(凹陥部)340が形成されている。これらの各長溝340は、円弧状の面(本実施形態では、円筒状の面)を成しており、後述する薄板部材(板状部材)310の突起部315と係合状態で当接するようになっている。
図2は、ヨーク113a,113bと対向して配置されるヨーク113a,113bと別体の前記薄板部材310を示している。図示のように、薄板部材310の中心部には、支持ポスト20a,20bが遊嵌する円孔350が設けられており、また、この円孔350の両側には、突起部315が鍛造によって形成されている。これらの突起部315は、ヨーク113a,113bの各長溝340と係合状態で当接して各ヨーク113a,113bの揺動の支点として機能するようになっている。特に、本実施形態において、突起部315は、ヨーク113a,113bの長溝340と当接する面が円筒状を成している。
図3〜図5は、ヨーク113a,113bと薄板部材310とをポスト20a,20bを介して組み付けた状態を示している。図示のように、ヨーク113a,113bは、ポスト20a,20bに嵌め込まれた球面ブッシュ330により前後左右に位置決めされている。薄板部材310は、ポストに緩やかに嵌め込まれ(遊嵌され)てヨーク113a,113bと対向配置される。この際、図6に示すように、薄板部材310の突起部315とヨーク113a,113bの長溝340とをその円筒面同士が接触して係合する(当接する)ように位置合わせする。また、薄板部材310を例えば止め輪300等でポスト20a,20bに対して軸方向に固定すれば、ポスト20a,20bに対して薄板部材310を回り止めする部材を別個に設けることなく、ヨーク113a,113bの揺動中心を揃えることができる。
また、本実施形態では、薄板部材310の突起部315の円筒状の面の半径が、ヨーク113a,113bの長溝340の円筒状の面の半径よりも小さく設定されており、突起部315と長溝340との接触点の高さのみを管理している。突起部315の円筒状の面の半径と長溝340の円筒状の面の半径とを同一に設定してしまうと、加工公差等により、両接触点がずれる場合があり、前後のキャビティ21,22でヨーク113a,113b(トラニオン6およびパワーローラ11)の高さの中心がずれる可能性がある。
このように、本実施形態においては、各ヨーク113a,113bと対向する薄板部材310に、ヨーク113a,113bと当接してヨーク113a,113bの揺動の支点となる突起部315が設けられている。したがって、各ヨーク113a,113bは、これらに支持された各トラニオン6の変位動作を同期させるべく揺動する際、突起部315を支点として揺動するため、その揺動動作がスムーズになる。そのため、各ヨーク113a,113bに支持された各トラニオン6の変位動作が安定し、トロイダル型無段変速機の変速特性が安定する。
また、突起部315は、ヨーク113a,113bや他の既存の部材(例えば、図21の固定部材225や上側シリンダボディ230(ポスト側))と別体の薄板部材310に設けられているため、突起部315の加工条件とヨーク113a,113bや他の既存の部材の加工条件とを別個に設定でき、また、様々な状況に合わせて両者の材料を個別に設定することができるとともに、ヨーク113a,113b(あるいは、前記既存の部材)と突起部315とが一体で形成される場合に比べて寸法精度等を緩めて加工工程等を簡略化することもできる。そして、結果として、設計の自由度を高めることができ、製造の簡略化および製造コストの低減等を図ることができる。
図7および図8は本発明の第2の実施形態を示している。図示のように、本実施形態においては、ヨーク113a,113bの各係止孔119の両側に設けられる凹陥部360および薄板部材310の突起部370が球面を成している。このような構成であっても、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
図9〜図15は本発明の第3の実施形態を示している。図10に示すように、本実施形態における薄板部材310は、第2の実施形態と同様、球面を成す突起部(揺動支点)370を円孔350の両側に有している。しかしながら、薄板部材310と対向するヨーク113a(113b)には、図9に示すように、凹陥部360が設けられていない。すなわち、突起部370は、ヨーク113a(113b)の平面部と当接することにより、ヨーク113a(113b)を揺動可能に支持している(図15参照)。
また、図10に示すように、薄板部材310の円孔350には、径方向内側に突出する(円孔350内に突出する)凸部としての突起410が設けられている。また、図11に示すように、薄板部材310の円孔350に内嵌される支持ポスト20a(20b)の軸部には、突起410と係合可能な切り欠き状の長溝(凹部)400が形成されている。したがって、図12〜図14に示すように、ヨーク113a(113b)と薄板部材310とを支持ポスト20a(20b)を介して組み付けた状態では、突起410と長溝400との凹凸係合により、薄板部材310が支持ポスト20a(20b)に対して回り止め嵌合される。無論、薄板部材310に凹部を設け、支持ポスト20a(20b)に凸部を設け、これらの凹凸係合によって両者を回り止め嵌合しても良い。
このような構成によれば、第1および第2の実施形態と同様の作用効果が得られるとともに、支持ポスト20a(20b)に対して薄板部材310を回転不能に位置決めすることができるため、ヨーク113a(113b)の揺動動作の安定性を確保することができる。
図16および図17は本発明の第4の実施形態を示している。図示のように、本実施形態において、薄板部材310と支持ポスト20a(20b)との回り止め嵌合は、支持ポスト20a(20b)の外周面に設けられた平面部430(図17参照)と、支持ポストポスト20a(20b)が内嵌する薄板部材310の円孔350の内周面に形成された平面部420(図16参照)との当接係合によって行なわれるようになっている。すなわち、これらの平面部420,430同士が対向するように支持ポストと薄板部材とを組み立てることにより、薄板部材310を支持ポストに対して回り止め嵌合させることができるようになっている。なお、それ以外の構成は第3の実施形態と同じである。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できることは言うまでもない。例えば、前述した実施形態では、ヨーク113a,113bの揺動支点となる突起部315,370が円孔350の両側に設けられ、突起部315,370と係合状態で当接するヨーク113a,113bの凹陥部340,360が係止孔119の両側に設けられているが、これらの突起部315,370および凹陥部340,360は円孔350および係止孔119の片側だけに設けられていても良い。また、ヨークの材料と薄板部材の材料は、同一でも異なっていても良い。また、突起部の形状は、揺動支点として機能する限り、どのような形状であっても良い。また、ポスト20a,20bに対するヨークおよび薄板部材の取り付け形態も、止め輪や球面ブッシュ以外の任意の形態を採用することができる。
本発明は、シングルキャビティ型やダブルキャビティ型などの様々なトロイダル型無段変速機に適用することができる。また、本発明は、特開2004−84710号公報に示すようなトロイダル型無段変速機と遊星歯車装置とが同軸上にあるレイアウトのものにも適用可能である。
本発明の第1の実施形態に係るヨークの斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る薄板部材(板状部材)の斜視図である。 図1のヨークと図2の薄板部材とを支持ポストを介して組み付けた状態を示す斜視図である。 図3のA−A線に沿う断面図である。 図3のB−B線に沿う断面図である。 ヨークの長溝と薄板部材の突起部との当接部位の拡大図である。 本発明の第2の実施形態に係るヨークの斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る薄板部材(板状部材)の斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係るヨークの斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係る薄板部材(板状部材)の斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係る支持ポストの斜視図である。 図9のヨークと図10の薄板部材とを図11の支持ポストを介して組み付けた状態を示す斜視図である。 図12のC−C線に沿う断面図である。 図12のD−D線に沿う断面図である。 ヨークと薄板部材の突起部との当接部位の拡大図である。 本発明の第4の実施形態に係る薄板部材(板状部材)の斜視図である。 本発明の第4の実施形態に係る支持ポストの斜視図である。 従来から知られているトロイダル型無段変速機の基本的構成を最大減速時の状態で示す側面図である。 従来から知られているトロイダル型無段変速機の基本的構成を最大増速時の状態で示す側面図である。 従来の具体的構造の一例を示す断面図である。 図20のE−E線に沿う断面図である。 従来のヨークの平面図である。 図22のヨークの揺動状態を示す概略図である。
符号の説明
2 入力側ディスク
4 出力側ディスク
5 枢軸
6 トラニオン
11 パワーローラ
43 駆動ピストン(駆動装置)
101 ケーシング
113a,113b ヨーク
310 薄板部材(板状部材)
315,370 突起部
340 長溝(凹陥部)
360 凹陥部
400 切り欠き溝(凹部)
410 突起(凸部)
420,430 平面部

Claims (4)

  1. ケーシングと、このケーシングの内側で互いの内側面同士を対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、これらの両ディスク間に挟持される複数のパワーローラと、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの中心軸に対して捻れの位置にあり且つ互いに同心的に設けられた一対の枢軸を中心に揺動するとともに、前記各パワーローラを回転自在に支持する複数のトラニオンと、前記各トラニオンを前記枢軸の軸方向に変位させる駆動装置と、前記各トラニオンの前記各枢軸をそれぞれ揺動自在且つ軸方向に変位自在に支持するとともに、前記トラニオンの変位により揺動する一対のヨークと、を備えるトロイダル型無段変速機において、
    前記各ヨークと対向して板状部材が配置され、この板状部材には、前記各ヨークの揺動の支点となる突起部が形成され
    前記板状部材は、前記ヨークを前記ケーシングに対して支持する支持ポストに遊嵌されていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. ケーシングと、このケーシングの内側で互いの内側面同士を対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、これらの両ディスク間に挟持される複数のパワーローラと、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの中心軸に対して捻れの位置にあり且つ互いに同心的に設けられた一対の枢軸を中心に揺動するとともに、前記各パワーローラを回転自在に支持する複数のトラニオンと、前記各トラニオンを前記枢軸の軸方向に変位させる駆動装置と、前記各トラニオンの前記各枢軸をそれぞれ揺動自在且つ軸方向に変位自在に支持するとともに、前記トラニオンの変位により揺動する一対のヨークと、を備えるトロイダル型無段変速機において、
    前記各ヨークと対向して板状部材が配置され、この板状部材には、前記各ヨークの揺動の支点となる突起部が形成され、
    前記板状部材は、前記ヨークを前記ケーシングに対して支持する支持ポストに対して回り止め嵌合されていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  3. 前記板状部材と前記支持ポストとの回り止め嵌合は、前記板状部材または前記支持ポストの一方側に設けられた凸部と、前記板状部材または前記支持ポストの他方側に設けられた凹部との係合によって行なわれることを特徴とする請求項2に記載のトロイダル型無段変速機。
  4. 前記板状部材と前記支持ポストとの回り止め嵌合は、前記支持ポストの外周面に設けられた平面部と、前記支持ポストが内嵌する前記板状部材の係止孔の内周面に形成された平面部との当接係合によって行なわれることを特徴とする請求項2に記載のトロイダル型無段変速機。
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