JP4415709B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車や各種産業機械の変速機として利用可能なトロイダル型無段変速機に関する。
自動車用変速機として、図12および図13に略示するようなトロイダル型無段変速機を使用することが一部で実施されている。このトロイダル型無段変速機は、入力軸1と同心に入力側ディスク2を支持し、入力軸1と同心に配置された出力軸3の端部に、出力側ディスク4を固定している。トロイダル型無段変速機を納めたケーシングの内側には、入力軸1並びに出力軸3に対し捻れの位置にある枢軸(傾転軸)5,5を中心として揺動するトラニオン6,6が設けられている。
また、各枢軸5,5を中心として各トラニオン6,6を揺動させることにより、これら各トラニオン6,6の中央部に支持された変位軸9の傾斜角度を調節できるようになっている。また、各トラニオン6,6の内側面から突出する変位軸9の先端部の周囲には、パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、入力側および出力側の両ディスク2,4の間に挟持されている。なお、各変位軸9,9の基端部と先端部は、互いに偏心している。
入力側および出力側の両ディスク2,4の互いに対向する内側面2a,4aの断面はそれぞれ、枢軸5を中心とする円弧或いはこのような円弧に近い曲線を回転させて得られる凹面を成している。そして、球状の凸面に形成された各パワーローラ11,11の周面11a,11aが各内側面2a,4aに当接されている。
入力軸1と入力側ディスク2との間には、ローディングカム式の押圧装置12が設けられている。この押圧装置12は、入力側ディスク2を出力側ディスク4に向けて弾性的に押圧している。また、押圧装置12は、入力軸1と共に回転するカム板(ローディングカム)13と、保持器14により保持された複数個(例えば4個)のローラ15,15とから構成されている。また、カム板13の片側面(図12および図13の左側面)には、周方向に亙って凹凸面であるカム面16が形成され、入力側ディスク2の外側面(図12および図13の右側面)にも同様のカム面17が形成されている。そして、複数個のローラ15,15は、入力軸1に対して放射方向に延びる軸を中心に回転できるように、支持されている。
このような構成のトロイダル型無段変速機においては、入力軸1を回転させると、その回転に伴ってカム板13が回転し、カム面16によって複数個のローラ15,15が、入力側ディスク2の外側面に設けられたカム面17に押圧される。この結果、入力側ディスク2が複数のパワーローラ11,11に押圧されると同時に、1対のカム面16,17と複数個のローラ15,15の転動面との押し付け合いに基づいて、入力側ディスク2が回転する。そして、この入力側ディスク2の回転が、各パワーローラ11,11を介して、出力側ディスク4に伝達され、この出力側ディスク4に固定された出力軸3が回転する。
入力軸1と出力軸3との回転速度を変える場合であって、入力軸1と出力軸3との間で減速を行なう場合には、枢軸5,5を中心として各トラニオン6,6を揺動させ、各パワーローラ11,11の周面11a,11aが、図12に示すように、入力側ディスク2の内側面2aの中心寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの外周寄り部分とにそれぞれ当接するように、各変位軸9,9を傾斜させる。
反対に、増速を行なう場合には、各トラニオン6,6を揺動させ、各パワーローラ11,11の周面11a,11aが、図13に示すように、入力側ディスク2の内側面2aの外周寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの中心寄り部分とにそれぞれ当接するように、各変位軸9,9を傾斜させる。各変位軸9,9の傾斜角度を図12と図13との中間にすれば、入力軸1と出力軸3との間で、中間の変速比が得られる。
さらに、図14および図15は、より具体化されたトロイダル型無段変速機を示している。ケース200内において、入力側ディスク2および出力側ディスク4はそれぞれ、円管状の入力軸18の周囲に、ニードル軸受19,19を介して、回転自在および軸方向に変位自在に支持されている。また、ローディングカム式の押圧装置12を構成するためのカム板13は、入力軸18の端部(図14の左端部)の外周面にスプライン係合され、鍔部20によって入力側ディスク2から離れる方向への移動が阻止されている。また、出力側ディスク4には出力歯車21がキー22,22により結合されており、これら出力側ディスク4と出力歯車21とが同期して回転するようになっている。
入力軸18に対し捻れの位置にある枢軸(傾転軸)5,5を中心として揺動する各トラニオン6,6は、支持板部7の長手方向(図15の左右方向)の両端部に、この支持板部7の内側面側に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部8,8を有している。そして、この折れ曲がり壁部8,8によって、トラニオン6には、後述するパワーローラ11を収容するための凹状のポケット部Pが形成される。また、各折れ曲がり壁部8,8の外側面(支持板部7と反対側の面)には、各枢軸5,5が互いに同心的に設けられている。
トラニオン6,6の両端部はそれぞれ、一対のヨーク23,23に対して揺動自在および軸方向(図14の表裏方向、図15の左右方向)に変位自在に支持されている。また、ヨーク23,23は、支持ポスト99A,99Bによって支持されている。そして、各トラニオン6,6を構成する支持板部(芯部)7の中央部に形成された円孔10には、基端部9aと先端部9bとが互いに平行で且つ偏心した変位軸9の基端部9aが、回転自在に支持されている。また、各支持板部7の内側面から突出する各変位軸9の先端部9bの周囲には、パワーローラ11が回転自在に支持されている。
なお、一対のトラニオン6,6毎に設けられた一対の変位軸9,9は、入力軸18に対し、互いに180度反対側の位置に設けられている。また、これらの各変位軸9,9の先端部9bが基端部9aに対して偏心している方向は、入力側および出力側の両ディスク2,4の回転方向に対して同方向(図15で左右逆方向)となっている。また、偏心方向は、入力軸18の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、各パワーローラ11,11は、入力軸18の長手方向に若干変位できるように支持される。その結果、押圧装置12が発生するスラスト荷重に基づく各構成部材の弾性変形等に起因して、各パワーローラ11,11が入力軸18の軸方向に変位する傾向となった場合でも、各構成部材に無理な力が加わらず、この変位が吸収される。
また、各パワーローラ11,11の外側面と各トラニオン6,6を構成する支持板部7の内側面との間には、パワーローラ11の外側面の側から順に、スラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受24と、スラストニードル軸受25とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受24は、各パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11の回転を許容するものである。このようなスラスト玉軸受24はそれぞれ、複数個ずつの玉26,26と、これら各玉26,26を転動自在に保持する円環状の保持器27と、円環状の外輪28とから構成されている。また、各スラスト玉軸受24の内輪軌道は各パワーローラ11の外側面に、外輪軌道は各外輪28の内側面にそれぞれ形成されている。
さらに、各トラニオン6,6の一端部(図15の左端部)にはそれぞれ駆動ロッド29が結合されており、各駆動ロッド29の中間部外周面に駆動ピストン30が固設されている。そして、これら各駆動ピストン30はそれぞれ、駆動シリンダ31内に油密に嵌装されている。
このように構成されたトロイダル型無段変速機の場合、入力軸18の回転は、押圧装置12を介して、入力側ディスク2に伝えられる。そして、この入力側ディスク2の回転が、一対のパワーローラ11,11を介して出力側ディスク4に伝えられ、さらにこの出力側ディスク4の回転が、出力歯車21より取り出される。
入力軸18と出力歯車21との間の回転速度比を変える場合には、一対の駆動ピストン30,30を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン30,30の変位に伴って、一対のトラニオン6,6が互いに逆方向に変位する。例えば、図15の下側のパワーローラ11が同図の右側に、同図の上側のパワーローラ11が同図の左側にそれぞれ変位する。その結果、これら各パワーローラ11,11の周面11a,11aと入力側ディスク2および出力側ディスク4の内側面2a,4aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン6,6が、ヨーク23,23に枢支された枢軸5,5を中心として、互いに逆方向に揺動する。
その結果、前述の図12および図13に示したように、各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各内側面2a,4aとの当接位置が変化し、入力軸18と出力歯車21との間の回転速度比が変化する。また、これら入力軸18と出力歯車21との間で伝達するトルクが変動し、各構成部材の弾性変形量が変化すると、各パワーローラ11,11およびこれら各パワーローラ11に付属の外輪28が、各変位軸9の基端部9aを中心として僅かに回動する。これら各外輪28の外側面と各トラニオン6を構成する支持板部7の内側面との間には、各スラストニードル軸受25が存在するため、前記回動は円滑に行なれる。したがって、前述のように各変位軸9,9の傾斜角度を変化させるための力が小さくて済む。
ところで、上記構成のトロイダル型無段変速機において、トラニオン6は、パワーローラ11に入力されるスラスト力(条件によっては4tonを超える)を受け、さらにその状態で傾転自在に動作する必要があるため、一般に、転がり軸受150を使用してヨーク23の保持穴23aに保持される。転がり軸受150に入力される荷重は、パワーローラ11のスラスト力の半分であるが、前述したように非常に大きく、そのため、多くの場合、転がり軸受150として、耐荷重性の高いニードルベアリングが使用される。なお、転がり軸受150は、傾転軸としての枢軸5を支持するものであるため、以下、傾転軸受と称する。
無段変速機を変速させる際には、トラニオン6を上下方向(枢軸5の軸方向…図15の左右方向)に僅かに移動させ、トラニオン6を傾転させる力を発生させる。このようなトラニオン6の上下運動は、傾転軸受150を介してヨーク23の固定部を支点としたヨーク23の上下運動を生じさせており、また、このヨーク23の上下運動は、各トラニオン6間の傾転角同期に寄与している。
また、ヨーク23とトラニオン6とが上下運動する際には、ヨーク23と傾転軸受150の外輪150aとの間で僅かな滑りが生じる。そのため、大きなラジアル荷重が付与されているにもかかわらず、傾転軸受150とヨーク23との間は、トラニオン6の上下運動をヨーク23の上下運動に変換する必要があることから、ある程度の隙間をもって嵌め合わされている。しかしながら、これにより、ヨーク23と傾転軸受150とが相対的に回転してしまうため、クリープが発生し易く、このことも摩耗を生じさせ易くする一因となっている。
傾転軸受150の外輪150aの外面とヨーク23の保持穴23aとの接触面が摩耗す
ると、それに伴って生じる摩耗粉がパワーローラ6やディスク2,4のトラクション面を
はじめとする各軸受の軌道面に圧痕を形成する。これは、パワーローラ6やディスク2,
4の寿命低下を引き起こす原因となるだけでなく、トラニオン6とヨーク23との間のガ
タを大きくして、トラニオン6の保持性を低下させ、傾転同期不良等の不具合を生じさせ
る可能性がある。また、傾転軸受150の外輪150aの外面とヨーク23の保持穴23aとの間には、通常、ケース200の内側で飛散した油が自然に侵入する程度の量でしか供給されない。この程度の潤滑油量では、摩耗を効果的に抑制することはできない。
そのため、従来にあっては、例えば、ヨーク23の保持穴23aに傾転ストッパを形成
したり、傾転軸受150の外輪150aとヨークとをピンで支持するなどして、ヨーク23と傾転軸受150との相対的な回転を規制し、結果的に、摩耗の低減を図っている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−276758号公報
図16は、トラニオン6に対して作用する力に伴うトラニオン6の動きを示している。図示のように、トラニオン6には、変速制御に伴う上下運動と、パワーローラ11から入力されるスラスト力Fによる弾性変形に伴う枢軸5の傾動とが生じる。そのため、ヨーク23とトラニオン6とを相互に保持している傾転軸受150は、その外輪150aを球面にするなどして、前記上下運動および傾動を妨げないようにする必要がある。
しかしながら、前述した特許文献1の構成では、ヨーク23と傾転軸受150の外輪150aとの間での僅かな滑り(傾転軸受150とヨーク23との相対的な上下方向の動作)が妨げられる虞がある。
本発明は、前記事情に鑑みて為されたもので、傾転軸受の本来の動きを妨げることなく、ヨークと傾転軸受との相対的な回転を規制することができ、それにより、傾転軸受とヨークとの間での摩耗を抑制してこれらの耐久性を向上させることができるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明のトロイダル型無段変速機は、回転トルクが入力される入力軸と、それぞれの内側周面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に前記入力軸に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの中心軸に対して捩れの位置にある枢軸を中心として揺動するトラニオンと、このトラニオンに支持され且つ前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間に挟持されたパワ−ロ−ラとを備え、前記トラニオンの前記枢軸は、この枢軸を傾転自在に支持する傾転軸受を介して、ヨークの保持穴に揺動自在および軸方向に変位自在に支持され、前記傾転軸受は、転動体と、この転動体の外側に位置する外輪とを有して成るトロイダル型無段変速機であって、前記枢軸の軸方向における前記ヨークと前記傾転軸受との相対的な動きを許容しつつ、前記ヨークと前記傾転軸受との間の相対的な回転を規制する規制手段を備えていることを特徴とする。
本発明の一態様において、前記規制手段は、前記ヨークに設けられ且つ前記傾転軸受と接触するその先端が前記枢軸方向に沿って円弧状を成すストッパと、前記傾転軸受に形成され且つ前記ストッパと係合する切り欠きと、を有している。この場合、前記ストッパは、前記ヨークと別体で形成された後に前記ヨークと一体化されることが好ましい。また、前記ストッパおよび前記切り欠きの少なくとも一方には、摩擦係数を低減させる皮膜が形成されていることが好ましい。
また、本発明の他の態様において、前記規制手段は、前記傾転軸受に設けられ且つ前記ヨークと接触するその先端が前記枢軸方向に沿って円弧状を成すストッパと、前記ヨークに形成され且つ前記ストッパと係合する切り欠きと、を有している。この場合も、前記ストッパは、前記傾転軸受と別体で形成された後に前記傾転軸受と一体化されることが好ましい。また、前記ストッパおよび前記切り欠きの少なくとも一方には、摩擦係数を低減させる皮膜が形成されていることが好ましい。
本発明のトロイダル型無段変速機は、前記枢軸の軸方向における前記ヨークと前記傾転軸受との相対的な動きを許容しつつ、前記ヨークと前記傾転軸受との間の相対的な回転を規制する規制手段を備えているため、傾転軸受の本来の動きを妨げることなく、ヨークと傾転軸受との相対的な回転を規制することができる。そのため、傾転軸受とヨークとの間での摩耗を効果的に抑制してこれらの耐久性を向上させることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明の特徴は、傾転軸受の外輪の外面と前記ヨークの保持穴との間の支持構造にあり、その他の構成および作用は前述した従来の構成および作用と同様であるため、以下においては、本発明の特徴部分についてのみ言及し、それ以外の部分については、図12〜図16と同一の符号を付してその詳細な説明を省略することにする。
図1〜図3は本発明の第1の実施形態を示している。図1に示されるように、ヨーク23には、傾転軸受150の外輪150aがヨーク23に対して相対的に回転することを規制するストッパ200が設けられている。また、傾転軸受150の外輪150aには、ストッパ200が引っ掛かる(係合する)切り欠き202が形成されている。この場合、傾転軸受150の外輪150aと接触するストッパ200の先端は、枢軸5の軸方向におけるヨーク23と傾転軸受150との相対的な動きを妨げないように、枢軸5の軸方向に沿って円弧状を成している。このような特徴的な形態は、側方から見た図(図1の(a)の方向から見た図)である図2の(a)、および、枢軸5の軸方向から見た図1のA方向矢視図(図1の(b)の方向から見た図)である図2の(b)にも明確に示されている。
図3はストッパ200と傾転軸受150の外輪150aとの間に初期隙間があった場合のストッパ200部分の拡大図である。図3の(a)は、側方から見た図(図1の(a)の方向から見た図)であり、図3の(b)は、枢軸5の軸方向から見た図1のA方向矢視図である。ストッパ200と傾転軸受150の外輪150aとの間には一般に初期隙間があるため、傾転軸受150の外輪150aがヨーク23に対して僅かに回転し、図示のように、ストッパ200と傾転軸受150の切り欠き202とが接触する。この場合、ストッパ200のエッジ200aが傾転軸受150の切り欠き202と接触するものの、エッジ200aにおいても枢軸5の軸方向に沿って円弧状に形成されているため、傾転軸受150の本来の動きを妨げることはない(枢軸5の軸方向におけるヨーク23と傾転軸受150との相対的な動きを妨げることはない)。
図4〜図6は本発明の第2の実施形態を示している。図4に示すように、本実施形態においては、ストッパ200の先端形状が球面を成している。このような特徴的な形態は、側方から見た図(図4の(a)の方向から見た図)である図5の(a)、および、枢軸5の軸方向から見た図4のA方向矢視図である図5の(b)にも明確に示されている。なお、それ以外の構成は第1の実施形態と同一である。
図6は、ストッパ200と傾転軸受150の外輪150aとの間に初期隙間があった場合のストッパ200部分の拡大図である。図6の(a)は、側方から見た図(図4の(a)の方向から見た図)であり、図6の(b)は、枢軸5の軸方向から見た図4のA方向矢視図である。この図から分かるように、ストッパ200の先端が球面であれば、ストッパ200と傾転軸受150の外輪150aとの間に初期隙間があった場合でも、ストッパ200と傾転軸受150の切り欠き202とがエッジで接触することはなく、図1の実施形態と比較してさらにスムーズに傾転軸受150の本来の動作を実現することができ、さらに、ストッパ200および傾転軸受150の切り欠き202の摩耗を抑制することもできる。
なお、本実施形態においては、図5から分かるように、ストッパ200の先端形状は、枢軸5の軸方向に沿う円弧の半径R1と、枢軸5の軸方向と直交する方向に沿う円弧の半径R2とが等しくなるように設定されている。しかしながら、そのような寸法関係に設定される必要はない。
図7は、本発明の第3の実施形態を示している。図1では、ストッパ200は、傾転軸受150に作用するラジアル力と反対側の方向に設けられていたが、本実施形態では、図1の位置から周方向に90度変位した位置にストッパ200が設けられている。
図8は、本発明の第4の実施形態を示している。図1では、ストッパ200は、傾転軸受150に作用するラジアル力と反対側の方向に1つだけ設けられていたが、本実施形態では、図1と同じ位置および図1の位置から周方向に90度変位した2つの位置にそれぞれ合計3つのストッパ200が設けられている。なお、このように、複数のストッパ200を周方向に沿って設ける場合、傾転軸受150に対してラジアル力が作用する方向にストッパ200を形成しないことが望ましい。これは、そのような位置にストッパ200を設けると、ストッパ200が直接大きなラジアル力を受けてしまい破損する虞があるからである。
なお、前述した実施形態においてはいずれも、ストッパ200は、ヨーク23と一体成形されている必要はなく、ストッパ200をヨーク23と別体で形成するとともに、ストッパ200が嵌合する部分をヨーク23に形成し、その後、溶接や、ネジ止め、かしめ等によりストッパ200をヨーク23に対して固定しても良い。ただし、傾転軸受150の外輪150aの回転を抑制できる程度の強度が確保されている必要がある。また、前述した実施形態のいずれにおいても、ストッパ200および傾転軸受150の外輪150aに形成した切り欠き202の少なくともいずれか一方に、摩擦係数を低減することができる皮膜を形成することが好ましい。そのような皮膜を設けることにより、傾転軸受150の本来の動作をスムーズに行なわせることができる。
また、図9に示すように、傾転軸受150の1つの切り欠き202に対して2つ以上のストッパ200を設けると、ストッパ200が傾転軸受150の外輪150aと2点で接触するため、傾転軸受150の本来の動作が妨げられる虞がある。したがって、このような構造はとらない方が良い。
図10は、本発明の第5の実施形態を示している。図示のように、本実施形態では、傾転軸受150に形成される切り欠き202の幅が、ストッパ200の幅と略同一に設定されている。このようにすれば、傾転軸受150の外輪150aとヨーク23との相対的な回転をさらに少なくすることができる。この場合も、ストッパ200の先端形状を、枢軸5の軸方向に沿って円弧状を成すようにすることで、傾転軸受150の本来の動作を妨げることはない。
図11は、本発明の第6の実施形態を示している。図示のように、本実施形態は、第1〜第5の実施形態と逆の構成を成している。すなわち、傾転軸受150の外輪150aには、傾転軸受150の外輪150aとヨーク23との相対的な回転を規制するストッパ200が設けられている。また、ヨーク23には、ストッパ200が引っ掛かる(係合する)切り欠き202が形成されている。この場合も、ヨーク23と接触するストッパ200の先端は、枢軸5の軸方向におけるヨーク23と傾転軸受150との相対的な動きを妨げないように、枢軸5の軸方向に沿って円弧状を成している。なお、ストッパ200およびヨーク23に形成した切り欠き202の少なくともいずれか一方に、摩擦係数を低減することができる皮膜を形成することが好ましい。そのような皮膜を設けることにより、傾転軸受150の本来の動作をスムーズに行なわせることができる。
本発明は、シングルキャビティ型、ダブルキャビティ型等の様々なタイプのトロイダル型無段変速機に適用することができる。
(a)は本発明の第1の実施形態に係るトロイダル型無段変速機の要部断面図、(b)(a)のA方向矢視図である。 図1の構成において、傾転軸受の外輪に接触するストッパの先端形状を示す拡大図であり、(a)は側方から見た図(図1の(a)の方向から見た図)、(b)は枢軸の軸方向(図1のA方向)から見た図である。 傾転軸受の外輪とストッパとの間に初期隙間がある場合の図であり、(a)は側方から見た図(図1の(a)の方向から見た図)、(b)は枢軸の軸方向(図1のA方向)から見た図である。 (a)は本発明の第2の実施形態に係るトロイダル型無段変速機の要部断面図、(b)(a)のA方向矢視図である。 図4の構成において、傾転軸受の外輪に接触するストッパの先端形状を示す拡大図であり、(a)は側方から見た図(図4の(a)の方向から見た図)、(b)は枢軸の軸方向(図4のA方向)から見た図である。 傾転軸受の外輪とストッパとの間に初期隙間がある場合の図であり、(a)は側方から見た図(図4の(a)の方向から見た図)、(b)は枢軸の軸方向(図4のA方向)から見た図である。 (a)は本発明の第3の実施形態に係るトロイダル型無段変速機の要部断面図、(b)(a)のA方向矢視図である。 (a)は本発明の第4の実施形態に係るトロイダル型無段変速機の要部断面図、(b)(a)のA方向矢視図である。 (a)は傾転軸受の1つの切り欠きに対して2つ以上のストッパを設けた形態を示す断面図、(b)(a)のA方向矢視図である。 (a)は本発明の第5の実施形態に係るトロイダル型無段変速機の要部断面図、(b)(a)のA方向矢視図である。 (a)は本発明の第6の実施形態に係るトロイダル型無段変速機の要部断面図、(b)(a)のA方向矢視図である。 従来から知られている基本的構成を最大減速時の状態で示す側面図である 従来から知られているトロイダル型無段変速機の基本的構成を最大増速時の状態で示す側面図である。 従来の具体的構造の一例を示す断面図である。 図14のX−X線に沿う断面図である。 トラニオンに対して作用する力に伴うトラニオンの動きを示す説明図であり、(a)はトラニオンの枢軸付近を側方から見た図、(b)は(a)のC方向矢視図である。
符号の説明
1,18 入力軸
2 入力側ディスク
4 出力側ディスク
5 枢軸
6 トラニオン
11 パワーローラ
23 ヨーク
23a 保持穴
150 傾転軸受
150a 外輪
150b 転動体
200 ストッパ
202 切り欠き

Claims (7)

  1. 回転トルクが入力される入力軸と、それぞれの内側周面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に前記入力軸に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの中心軸に対して捩れの位置にある枢軸を中心として揺動するトラニオンと、このトラニオンに支持され且つ前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間に挟持されたパワ−ロ−ラとを備え、前記トラニオンの前記枢軸は、この枢軸を傾転自在に支持する傾転軸受を介して、ヨークの保持穴に揺動自在および軸方向に変位自在に支持され、前記傾転軸受は、転動体と、この転動体の外側に位置する外輪とを有して成るトロイダル型無段変速機において、
    前記枢軸の軸方向における前記ヨークと前記傾転軸受との相対的な動きを許容しつつ、前記ヨークと前記傾転軸受との間の相対的な回転を規制する規制手段を備えていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 前記規制手段は、前記ヨークに設けられ且つ前記傾転軸受と接触するその先端が前記枢軸の軸方向に沿って円弧状を成すストッパと、前記傾転軸受に形成され且つ前記ストッパと係合する切り欠きと、を有していることを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
  3. 前記ストッパは、前記ヨークと別体で形成された後に前記ヨークと一体化されることを特徴とする請求項2に記載のトロイダル型無段変速機。
  4. 前記ストッパおよび前記切り欠きの少なくとも一方には、摩擦係数を低減させる皮膜が形成されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のトロイダル型無段変速機。
  5. 前記規制手段は、前記傾転軸受に設けられ且つ前記ヨークと接触するその先端が前記枢軸の軸方向に沿って円弧状を成すストッパと、前記ヨークに形成され且つ前記ストッパと係合する切り欠きと、を有していることを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
  6. 前記ストッパは、前記傾転軸受と別体で形成された後に前記傾転軸受と一体化されることを特徴とする請求項5に記載のトロイダル型無段変速機。
  7. 前記ストッパおよび前記切り欠きの少なくとも一方には、摩擦係数を低減させる皮膜が形成されていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のトロイダル型無段変速機。
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