JP2005003108A - スプライン装置およびこれを用いたトロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】高負荷領域での接触面圧を低減させることによって負荷容量を大きくとることができ、また、加工精度の許容度を低下させることによって低コスト化を実現し得るようなスプライン装置および無段変速機を提供する。
【解決手段】軸体1とこれを取り囲む中空体2との互いの対向面にスプライン溝43a,43bが形成され、該スプライン溝に転動体を配置することによって、軸体と中空体の軸方向の相対移動を許容しつつ両者を一体に回転させるようにしたスプライン装置40において、転動体として球状転動体44ところ状転動体45の双方が併用され、ころ状転動体とスプライン溝の間の隙間は、球状転動体とスプライン溝の間の隙間より大きく設定されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転トルクを伝達するのに用いるスプライン装置およびこれを用いたトロイダル型無段変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7には、自動車用の変速機として利用可能な従来のトロイダル型無段変速機の一例が示されている。このトロイダル型無段変速機は、いわゆるダブルキャビティ型の高トルク用トロイダル型無段変速機であり、2つの入力側ディスク2,2と2つの出力側ディスク3,3とが、入力軸1の外周に取り付けられている。また、入力軸1の中間部の外周には出力歯車4が回転自在に支持されている。この出力歯車4の中心部に設けられた円筒状のフランジ部4a,4aには、出力側ディスク3,3がスプライン係合によって連結されている。
【0003】
なお、入力軸1は、図中左側に位置する入力側ディスク2とカム板7との間に設けられたローディングカム式の押圧装置12を介して、駆動軸22により回転駆動されるようになっている。また、出力歯車4は、2つの部材の結合によって構成された仕切壁13を介してハウジング14内に支持されており、これにより、軸線Oを中心に回転できる一方で、軸線O方向の変位が阻止されている。
【0004】
出力側ディスク3,3は、入力軸1との間に介在されたニードル軸受5,5によって、入力軸1の軸線Oを中心に回転自在に支持されている。また、入力側ディスク2,2は、入力軸1と共に回転するように、その入力軸1の両端部にボールスプライン6,6を介して支持されている。また、図8に、入力軸1の軸線の一方側だけを簡略化して示すように、入力側ディスク2,2の内面(凹面)2a,2aと出力側ディスク3,3の内面(凹面)3a,3aとによって形成される円環状の空間(キャビティ)Cには、トラニオンによって連動する複数(通常2個または3個)のパワーローラ11が、図示しないトラニオンによって軸線Opを傾転自在にかつ軸線Op回りに回転自在に挟持されている。
【0005】
図7において左側に位置する入力側ディスク2とカム板7との間には第1の皿板ばね8が設けられ、図7中右側に位置する入力側ディスク2とローディングナット9との間には第2の皿ばね10が設けられている。これらの皿板ばね8,10は、各ディスク2,2,3,3の凹面2a,2a,3a,3aとパワーローラ11,11の周面11a,11a(図8参照)との当接部に押圧力を付与し、これらをともに回転させるトラクション力を発生させる。
【0006】
したがって、上記構成の無段変速機では、駆動軸22から入力軸1に回転力が入力されると、入力軸1と一体に入力側ディスク2,2が回転し、その回転がパワーローラ11,11によって出力側ディスク3,3に、パワーローラ11,11の傾転角度によって定まる変速比の逆回転として伝達される。変速比を変えるには、パワーローラ11,11の傾転角度を変えれば良い。なお、図8は、入力側ディスク2の回転速度より入力側ディスク2の回転速度が大きくなる増速状態を示している。出力側ディスク3,3の回転は、出力歯車4から伝達歯車15および伝達軸16などを介して、出力軸に伝達される。
【0007】
上記の構成の無段変速機において、ボールスプライン6,6は、入力側ディスクを入力軸に対して軸方向に円滑に移動させ、パワーローラ11,11と入力側ディスク2,2および出力側ディスク3,3との接触状態を一定に保つという第1の作用と、入力軸1の回転力を確実に入力側ディスク2,2に伝達するという第2つの作用とを同時に担っている重要な構成要素である。図9には、ボールスプライン6,6の断面図を示しており、入力軸1と入力側ディスク2の対向する面にそれぞれ軸方向に断面略半円形のスプライン溝31,32が、周方向に均等に配置して形成され、これらのスプライン溝31,32に溝径よりやや小さい複数のボール(球状転動体)33を介在させている。これらのボール33の潤滑と冷却のために、潤滑油が入力軸1に設けた油路20,21、油穴25A,25B(図7参照)から供給される。このようなボールスプライン6,6によるスプライン結合は、通常のスライド型のスプライン係合より、軸方向の作動の応答性が高いので、パワーローラと2つのディスクの間の接触状態を一定に保つという機能を十分に発揮する。
【0008】
なお、特許文献1には、入力側ディスクに発生する応力を低減させるための改良案が記載されている。
【0009】
【特許文献1】
特開平8−4869号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のような無段変速機では、押圧装置12によって入力側ディスク2,2を出力側ディスク3,3側に押付けた際、ボールスプライン6,6は、入力側ディスク2,2とパワーローラ11,11の間のトラクション力に対する反力を入力軸1に伝達させながら、入力側ディスク2,2を入力軸1の軸線方向に移動させる。また、伝達トルクが増大すれば、ボールスプライン6,6が伝達する回転トルクが大きくなるので,入力側ディスク2,2からボールスプライン6,6を介して入力軸1側へ加わる荷重も増大する。
【0011】
ところが、上記の従来の無段変速機にあっては、ボールスプライン6,6において、入力軸1および入力側ディスク2,2のそれぞれのスプライン溝31、31とボール33とは点接触しているので、微小な接触面積で荷重を支えるために、荷重が増大すると面圧が非常に大きくなる。したがって、伝達トルクの負荷容量を大きくとることができない。また、パワーローラ11,11が安定な動作をするためには、入力軸1、入力側ディスク2,2、出力側ディスク3,3の軸心が一致していることが必要であるが、ボール33が弾性変形しやすいために、ボールスプライン6,6のスプライン溝31,32の形成にはきわめて高い工作精度が要求される。例えば熱処理(焼入れ)後にスプライン溝31,32を高精度に成形する工程が必要であって、それぞれの加工工程において不良品の発生比率が上昇する傾向にあり、その影響によりトロイダル型無段変速機全体の製造コストが増加することが問題となっていた。
【0012】
また、特許文献1に記載された技術においても、上述したようなボールスプライン自体の有する問題点は以前として解決されていない。
【0013】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、ボールスプラインの特徴である、優れた軸方向の作動応答性を確保しつつ、特に高負荷領域での接触面圧を低減させることによって負荷容量を大きくとることができ、また、加工精度の許容度を低下させることによって低コスト化を実現し得るようなスプライン装置および無段変速機を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、軸体とこれを取り囲む中空体との互いの対向面にスプライン溝が形成され、該スプライン溝に転動体を配置することによって、軸体と中空体の軸方向の相対移動を許容しつつ両者を一体に回転させるようにしたスプライン装置において、前記転動体として球状転動体ところ状転動体の双方が併用され、前記ころ状転動体と前記スプライン溝の間の隙間は、前記球状転動体と前記スプライン溝の間の隙間より大きく設定されていることを特徴とするスプライン装置である。
【0015】
請求項1に記載の発明においては、スプライン溝に、転動体として球状転動体ところ状転動体の双方が併用されているので、荷重負荷が小さい間は球状転動体のみがスプライン溝と接触し、高荷重負荷によってスプライン溝が変形した時にころ状転動体がこれと接触する。したがって、球状転動体の転がり性の良さと、ころ状転動体の高い荷重負荷能力とをともに利用することによって、軸方向の作動応答性と、高負荷時の作動安定性や耐久性という異なる機能を1つのスプライン装置において実現させることができる。また、接触面圧が低減されることから、球状転動体だけを使用していた従来のものに比べて、スプライン溝をきわめて高精度に成形する必要がなくなり、スプライン溝の成形工程の削減や低コスト化なども実現することができる。
【0016】
請求項2に記載の発明は、入力軸と一体に回転する入力側ディスクと、該入力側ディスクと対向して配置され、前記入力側ディスクとの間にトロイダル形のキャビティを形成する出力側ディスクと、前記キャビティに配置され、前記入力側ディスクと前記出力側ディスクの対向面に同時に接触して回転することによりこれらの間で回転力を伝達するパワーローラとを備え、前記入力軸と入力側ディスクの間に、請求項1に記載のスプライン装置が用いられていることを特徴とするトロイダル型無段変速機である。
【0017】
請求項2に記載の発明においては、入力軸と入力側ディスクの間に設けられたスプライン装置により、球状転動体によって軸方向の作動応答性が維持されているので、入力側ディスクを入力軸に対して軸方向に円滑に移動させ、パワーローラと入力側ディスクおよび出力側ディスクとの接触状態が一定に保たれ、効率良く回転力が伝達される。また、ころ状転動体によって高荷重が負荷されるので、部品に高い接触面圧が負荷されることがなく、許容負荷容量を高く設定できるとともに、高負荷時の作動安定性や耐久性が担保される。
【0018】
請求項3に記載の発明は、前記スプライン溝は複数形成され、前記球状転動体と前記ころ状転動体は、それぞれ異なるスプライン溝に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のスプライン装置または請求項2に記載のトロイダル型無段変速機である。
【0019】
請求項3に記載の発明においては、球状転動体ところ状転動体を異なるスプライン溝に配置するので、組立作業が容易であり、スプライン溝の加工精度の分別も可能となる。
【0020】
請求項4に記載の発明は、前記球状転動体と前記ころ状転動体は、同一のスプライン溝に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のスプライン装置または請求項2に記載のトロイダル型無段変速機である。
【0021】
請求項4に記載の発明においては、球状転動体ところ状転動体が同一のスプライン溝に配置されているので、高負荷時における球状転動体の変形に伴うころ状転動体の関与が一層明確になり、ボールの過度の変形を防止する機能が高く発揮される。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明の特徴は、従来の装置のボールスプライン6,6の部分を改良した点にあり、無段変速機の全体的な構成および作用は、図7、図8によって説明した従来の構成および作用と同様であるため、以下においては、本発明の特徴部分についてのみ言及し、それ以外の部分については、図7、図8と同一の符号を付してその詳細な説明を省略することにする。
【0023】
図1は、本発明の第1の実施形態の無段変速機を示すもので、図7の従来の無段変速機におけるボールスプライン6,6の代わりに、本発明のスプライン装置40,40を採用しているものである。図1においては、簡略化のために、キャビティCに配置されたパワーローラ11,11を省略しているので、これについては、図8を参照されたい。
【0024】
図2ないし図4は、このスプライン装置40の詳細を示している。このスプライン装置40は、入力軸(軸体)1と入力側ディスク(中空体)2を、軸線方向の移動を許容しかつ回転を拘束するように結合するものであって、互いの対向面、すなわち、入力軸1の外周面と入力側ディスク2の外周面には、断面がほぼ半円形状のスプライン溝部41,42が、周方向に複数等間隔に設けてあり、これらが対向した状態において円形断面を有するスプライン溝43a,43bが構成される。この実施の形態では、スプライン溝43a,43bは中心角60度ごとに6個ずつ形成されているが、数や配置は適宜に決められる。
【0025】
これらのスプライン溝43a,43bには、図3および図4に示すように、それぞれ複数(例では3個)のボール(球状転動体)44と、ローラ(ころ状転動体)45が配置されている。ボール44とローラ45とは、この実施の形態では、それぞれ別のスプライン溝43a,43bに配置されている。すなわち、ボール44はボール用スプライン溝43aに、ローラ45はローラ用スプライン溝43bに配置されている。これらの転動体44,45は、入力側ディスク2から入力軸側に加わる荷重に対応して大きさや素材が決定される。
【0026】
図3(b)と図4(b)を比較すれば分かるように、ローラ45の外径は、ボール44の外径よりも少し小さく設定されている。スプライン溝43a,43bの内径はこの例では同じであるので、ローラ45とスプライン溝43bの間の隙間は、ボール44とスプライン溝43aの間の隙間より大きくなっている。これにより、回転トルクが負荷された時にボール44の方が先にスプライン溝43aに接触してトルク伝達や軸方向への移動に関与し、さらにトルクが増大してボール44が弾性変形した時にローラ45がスプライン溝43bに接触するようになっている。したがって、ローラ45とスプライン溝43bの隙間は、入力側ディスク2から入力軸側への荷重によるボール44の弾性変形量の分だけ大きくなっている。逆に、この隙間の差を適当に設定することによって、ローラ45がトルク伝達に関与するタイミングを設定することができる。
【0027】
なお、このような隙間の大小関係が維持されれば、ボール44用のスプライン溝43aとローラ45用のスプライン溝43bが同じ内径である必要はない。例えば、ローラ45用のスプライン溝43bをボール44用のスプライン溝43aより小さく設定して、ローラ45自体もさらに小さくし、重量の低下を図ることができる。また、この実施の形態では、ローラ45としてあまり軸方向に長くないものを複数配置しているが、場合によっては長いものを1つ用いるようにしてもよい。
【0028】
次に、上記のように構成されたスプライン装置40を入力軸1と入力側ディスク2の間に備えた無段変速機(図1参照)の作用を説明する。駆動軸22から入力軸1に回転力が入力されると、このトルクはスプライン装置40によって入力側ディスク2,2に伝達され、さらにキャビティCに配置されたパワーローラ11,11によって、パワーローラ11,11の傾転角度によって定まる変速比で逆回転として出力側ディスク3,3に伝達される。出力側ディスク3,3の回転は、出力歯車4から伝達歯車15および伝達軸16などを介して、走行装置につながる出力伝達軸(図示略)に伝達される。
【0029】
ここで、入力側ディスク2はローディングカム式の押圧装置12や皿ばね10によって、入力側ディスク2側に向けて押付けられており、この押し付け力によって、入力側ディスク2で発生するトラクション力を受けると同時に、入力側ディスク2を入力軸1に対して軸方向に移動させることによって、両ディスク2,3とパワーローラ11との接触面圧を保ち、摩擦係合に滑りが生じないようにしている。
【0030】
ここにおいて、図5に示すように、低荷重状態では、スプライン溝43a,43bとの隙間量が小さいボール44のみが接触してトルクを受け、したがって、軸方向の移動にも主に関与する。この際、ローラ45はトルク伝達に関与しないが、入力側ディスク2の軸線方向の移動をも妨げないので、スプライン装置40における軸線方向の抵抗は、ボール44の接触によるもののみの小さなものであり、入力軸1に対して入力側ディスク2の軸線方向の移動が非常に円滑に行われる。
【0031】
さらに、伝達トルクが増大し、入力側ディスク2から入力軸1側への荷重が増大していくと、図5に示すようにトルクがTに達した時に、ボール44が弾性変形してローラ45がスプライン溝43bの壁面に接触し、ボール44とローラ45と両方のスプライン溝43a,43bで荷重を受ける。このとき、ローラ45の軸線方向は入力軸1の軸線方向と一致しているので、スプライン溝43bに対して線接触する。したがって、ボール44による点接触の状態と比較して接触面積が増大し、面圧を低く抑えることができ、ボール44の偏摩耗を防止しつつ安定な動作が確保される。
【0032】
また、接触面圧が低減されることから、ボール44だけを使用していた従来のものに比べて、スプライン溝43a,43bをきわめて高精度に成形する必要がなくなり、スプライン溝43a,43bの成形工程の削減や低コスト化も実現できる。なお、この実施の形態では、ボール44とローラ45を異なるスプライン溝43a,43bに配置しているので、組立作業が容易であり、スプライン溝43a,43bの加工精度の分別も可能となっている。なお、ボール44とローラ45の機能分担は、これらの配置の比率を変えることによって、調整可能であり、例えば、図示例ではスプライン溝43a,43bは同じ数であったが、ボール44を配置するスプライン溝43aを4つ設け、ローラ45を配置するスプライン溝43a,43bを2つとすれば、ボール44の負荷分が大きくなるように設定することができる。
【0033】
図6に示すのは、この発明の第2の実施の形態であり、スプライン溝43に、ボール44とローラ45の双方が配置されている。この実施の形態では、3つの転動体のうち、両側の2つがボール44であり、中央にローラ45が配置されているが、このような数の比率やスプライン溝43内の配置は適宜に設定可能である。この実施の形態の動作は、基本的に先の実施の形態で説明したものと同様であるが、この実施の形態においては、同じスプライン溝43内にボール44とローラ45が並置されているので、高負荷時におけるボール44の変形に伴ってローラ45がスプライン溝43に接触する過程が一層明確に行われ、ボール44の過度の変形を防止する機能が高く発揮される。
【0034】
なお、本発明に係わるスプライン装置および無段変速機は、上記実施の形態のみに限定されることはなく、ボールやローラの数やそれらが係合されるスプライン溝の数を適宜変更することができる。例えば、第1の実施の形態と第2の実施の形態の双方の特徴を有する構成、すなわち、ボール44とローラ45の双方を有するスプライン溝43と、ボール44のみを有するスプライン溝43aまたはローラ45のみを有するスプライン溝43bのいずれか一方または両方を併せ持つような構成としてもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、球状転動体の転がり性の良さと、ころ状転動体の高い荷重負荷能力とをともに利用することによって、軸方向の作動応答性と、高負荷時の作動安定性や耐久性という異なる機能を1つのスプライン装置において実現させることができる。また、接触面圧が低減されることから、球状転動体だけを使用していた従来のものに比べて、スプライン溝をきわめて高精度に成形する必要がなくなり、スプライン溝の成形工程の削減や低コスト化なども実現することができる。したがって、これを無段変速機に使用すれば、パワーローラと入力側ディスクおよび出力側ディスクとの接触状態を一定に保ち、効率良く回転力を伝達するとともに、高負荷時における装置の安定な稼動と、部品コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るトロイダル型無段変速機の断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るスプライン装置の軸方向から見た断面図である。
【図3】図2のスプライン装置のボールを収容する1つのスプライン溝の(a)軸を含む面における断面図、(b)軸方向から見た断面図である。
【図4】図2のスプライン装置のローラを収容する1つのスプライン溝の(a)軸を含む面における断面図、(b)軸方向から見た断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るトロイダル型無段変速機におけるスプライン装置の作用を示すグラフである。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るスプライン装置の1つのスプライン溝の(a)軸を含む面における断面図、(b)軸方向から見た断面図である。
【図7】従来のトロイダル型無段変速機の断面図である。
【図8】図7における入力側ディスクと出力側ディスクとの間に備わるパワーローラ部分の断面図である。
【図9】図7におけるボールスプラインの断面図である。
【符号の説明】
1 入力軸(軸体)
2 入力側ディスク(中空体)
11 パワーローラ
40 スプライン装置
43 スプライン溝
43a ボール用スプライン溝
43b ローラ用スプライン溝
44 ボール(球状転動体)
45 ローラ(ころ状転動体)
C キャビティ

Claims (4)

  1. 軸体とこれを取り囲む中空体との互いの対向面にスプライン溝が形成され、該スプライン溝に転動体を配置することによって、軸体と中空体の軸方向の相対移動を許容しつつ両者を一体に回転させるようにしたスプライン装置において、前記転動体として球状転動体ところ状転動体の双方が併用され、前記ころ状転動体と前記スプライン溝の間の隙間は、前記球状転動体と前記スプライン溝の間の隙間より大きく設定されていることを特徴とするスプライン装置。
  2. 入力軸と一体に回転する入力側ディスクと、
    該入力側ディスクと対向して配置され、前記入力側ディスクとの間にトロイダル形のキャビティを形成する出力側ディスクと、
    前記キャビティに配置され、前記入力側ディスクと前記出力側ディスクの対向面に同時に接触して回転することによりこれらの間で回転力を伝達するパワーローラとを備え、
    前記入力軸と入力側ディスクの間に、請求項1に記載のスプライン装置が用いられていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  3. 前記スプライン溝は複数形成され、前記球状転動体と前記ころ状転動体は、それぞれ異なるスプライン溝に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のスプライン装置または請求項2に記載のトロイダル型無段変速機。
  4. 前記球状転動体と前記ころ状転動体は、同一のスプライン溝に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のスプライン装置または請求項2に記載のトロイダル型無段変速機。
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