JPH1194042A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機

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JPH1194042A
JPH1194042A JP25714497A JP25714497A JPH1194042A JP H1194042 A JPH1194042 A JP H1194042A JP 25714497 A JP25714497 A JP 25714497A JP 25714497 A JP25714497 A JP 25714497A JP H1194042 A JPH1194042 A JP H1194042A
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寛 加藤
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating
    • F16H57/048Type of gearings to be lubricated, cooled or heated
    • F16H57/0487Friction gearings
    • F16H57/049Friction gearings of the toroid type

Abstract

(57)【要約】 【目的】 潤滑油が各ポケット36、36内に均等に行
き渡る様にして、著しい摩耗や焼き付きの発生を防止す
る。 【構成】 パワーローラを支持するスラスト転がり軸受
を構成する保持器34bの内外両面に凹溝40a、40
bを、ポケット36、36を横切る状態で形成する。給
油孔から吐出した潤滑油を、上流側の凹溝40a、40
aから円周方向に隣り合うポケット36、36に分配す
る。ポケット36内で転動体の転動面と相手軌道面との
潤滑に供した潤滑油は、下流側の凹溝40b、40bか
ら保持器34bの外径側に排出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係るトロイダル型
無段変速機は、例えば自動車用の変速機として、或は各
種産業機械用の変速機として、それぞれ利用する。
【0002】
【従来の技術】自動車用変速機として、図4〜5に略示
する様なトロイダル型無段変速機を使用する事が、研究
されている。このトロイダル型無段変速機は、例えば実
開昭62−71465号公報に開示されている様に、入
力軸1と同心に入力側ディスク2を支持し、出力軸3の
端部に出力側ディスク4を固定している。トロイダル型
無段変速機を納めたケーシングの内面、或はこのケーシ
ング内に設けた支持ブラケットには、上記入力軸1並び
に出力軸3に対して捻れの位置にある枢軸5、5を中心
に揺動するトラニオン6、6を設けている。
【0003】各トラニオン6、6は、両端部外側面に上
記枢軸5、5を設けている。又、これら各トラニオン
6、6の中心部には変位軸7、7の基端部を支持し、上
記枢軸5、5を中心として各トラニオン6、6を揺動さ
せる事により、各変位軸7、7の傾斜角度の調節を自在
としている。又、これら各トラニオン6、6に支持した
変位軸7、7の周囲には、それぞれパワーローラ8、8
を回転自在に支持している。そして、これら各パワーロ
ーラ8、8を、上記入力側、出力側両ディスク2、4の
間に挟持している。これら入力側、出力側両ディスク
2、4の互いに対向する内側面2a、4aは、それぞれ
断面が、上記枢軸5を中心とする円弧形の凹面をなして
いる。そして、球面状の凸面に形成した各パワーローラ
8、8の周面8a、8aを、上記内側面2a、4aに当
接させている。
【0004】又、上記入力軸1と入力側ディスク2との
間には、ローディングカム式の押圧装置9を設け、この
押圧装置9によって、上記入力側ディスク2を出力側デ
ィスク4に向け、弾性的に押圧している。この押圧装置
9は、入力軸1と共に回転するカム板10と、保持器1
1により保持された複数個(例えば4個)のローラ1
2、12とから構成している。上記カム板10の片側面
(図4〜5の左側面)には、円周方向に亙る凹凸面であ
るカム面13を形成し、又、上記入力側ディスク2の外
側面(図4〜5の右側面)にも、同様のカム面14を形
成している。そして、上記複数個のローラ12、12
を、上記入力軸1の中心に対して放射方向の軸を中心と
する回転自在に支持している。
【0005】上述の様に構成するトロイダル型無段変速
機の使用時、入力軸1の回転に伴ってカム板10が回転
すると、カム面13によって複数個のローラ12、12
が、入力側ディスク2外側面のカム面14に押圧され
る。この結果、この入力側ディスク2が、上記複数のパ
ワーローラ8、8に押圧されると同時に、上記1対のカ
ム面13、14と複数個のローラ12、12との押し付
け合いに基づいて、上記入力側ディスク2が回転する。
そして、この入力側ディスク2の回転が、上記複数のパ
ワーローラ8、8を介して出力側ディスク4に伝達さ
れ、この出力側ディスク4に固定の出力軸3が回転す
る。
【0006】入力軸1と出力軸3との回転速度を変える
場合で、先ず入力軸1と出力軸3との間で減速を行なう
場合には、前記各トラニオン6、6を前記枢軸5、5を
中心に所定方向揺動させる。そして、図4に示す様に、
上記各パワーローラ8、8の周面8a、8aを、入力側
ディスク2の内側面2aの中心寄り部分と出力側ディス
ク4の内側面4aの外周寄り部分とにそれぞれ当接する
様に、前記各変位軸7、7を傾斜させる。反対に、増速
を行なう場合には、上記トラニオン6、6を上記所定方
向とは逆方向に揺動させる。そして、図5に示す様に、
上記各パワーローラ8、8の周面8a、8aを、入力側
ディスク2の内側面2aの外周寄り部分と出力側ディス
ク4の内側面4aの中心寄り部分とに、それぞれ当接す
る様に、上記各変位軸7、7を傾斜させる。各変位軸
7、7の傾斜角度を、図4と図5との中間にすれば、入
力軸1と出力軸3との間で、中間の変速比を得る事がで
きる。
【0007】更に、図6は、実願昭61−87523号
(実開昭62−199557号)のマイクロフィルムに
記載されたトロイダル型無段変速機で、自動車用変速機
として、より具体化した構造を示している。エンジンの
クランク軸の回転は、クラッチ15を介して入力軸16
に伝達し、この入力軸16の中間部にスプライン係合し
たカム板10を回転させる。そして、このカム板10を
含んで構成する押圧装置9の作動により、入力側ディス
ク2を、出力側ディスク4に向け図6で左方に押圧しつ
つ回転させる。入力側ディスク2の回転は、パワーロー
ラ8、8によって出力側ディスク4に伝達される。
【0008】この出力側ディスク4は上記入力軸16の
周囲に、ニードル軸受17により支持している。又、上
記出力側ディスク4と一体に形成した円筒状の出力軸1
8をハウジング19の内側に、アンギュラ型の玉軸受2
0により支持している。一方、上記入力軸16の一端
(図6の右端)は上記ハウジング19の内側にころ軸受
21により、他端は上記ハウジング19の内側にアンギ
ュラ型の玉軸受22によりスリーブ23を介して、それ
ぞれ回転自在に支持している。
【0009】又、上記出力軸18の外周面には、駆動側
前進ギヤ24と駆動側後退ギヤ25とを一体とした伝達
ギヤ26を、スプライン係合させている。車両の前進時
にはこの伝達ギヤ26を図6の右方に移動させて、上記
駆動側前進ギヤ24と、取り出し軸27の中間部に設け
た従動側前進ギヤ28とを直接噛合させる。これに対し
て、後退時には上記伝達ギヤ26を図6の左方に移動さ
せて、上記駆動側後退ギヤ25と、上記取り出し軸27
の中間部に固定した従動側後退ギヤ29とを、図示しな
い中間ギヤを介して噛合させる。
【0010】上述の様に構成する、トロイダル型無段変
速機の使用時には、エンジンによりクラッチ15を介し
て入力軸16を回転させ、上記伝達ギヤ26を適宜の方
向に移動させれば、上記取り出し軸27を任意方向に回
転させる事ができる。又、各トラニオン6、6を揺動さ
せて、各パワーローラ8、8の周面8a、8aと、入力
側、出力側両ディスク2、4の内側面2a、4aとの接
触位置を変えれば、上記入力軸16と取り出し軸27と
の回転速度比を変える事ができる。
【0011】上述の様なトロイダル型無段変速機の運転
時には、前記押圧装置9の作動に基づき、入力側ディス
ク2を出力側ディスク4に向け押圧する。この結果、上
記押圧装置9を構成するカム板10を支持した入力軸1
6には、図6で右方向のスラスト荷重が、上記押圧に基
づく反力として加わる。このスラスト荷重は、上記入力
軸16の端部に螺合したナット30と前記スリーブ23
とを介して、前記玉軸受22により支承する。又、押圧
装置9の作動により前記出力軸18には、図6で左方向
のスラスト荷重が、入力側、出力側両ディスク2、4と
パワーローラ8、8とを介して加わる。このスラスト荷
重は、上記出力軸18に外嵌したストップリング31を
介して、前記玉軸受20により支承する。
【0012】又、上述の様なトロイダル型無段変速機の
運転時には、上記入力軸16及び出力軸18にスラスト
荷重が加わる他、上記各パワーローラ8、8にも、スラ
スト荷重が加わる。この為、これら各パワーローラ8、
8と上記各トラニオン6、6との間にスラスト転がり軸
受32、32を設けて、これら各パワーローラ8、8に
加わるスラスト荷重を支承している。これら各スラスト
転がり軸受32、32はそれぞれ、複数の転動体33、
33と、これら複数の転動体33、33を転動自在に保
持する為の保持器34と、外輪35とから構成してい
る。上記複数の転動体33、33は、軸受鋼、或はセラ
ミックにより、球状、或はテーパころ状に形成してい
る。この様な転動体33、33は、上記各パワーローラ
8、8の外端面に形成した軌道面(内輪軌道)と、上記
外輪35の内面に形成した軌道面(内輪軌道)とに転接
する。又、上記保持器34は、金属或は合成樹脂により
円輪状に構成すると共に、直径方向中間部で円周方向等
間隔位置に複数のポケット36、36を形成しており、
これら各ポケット36、36内にそれぞれ上記転動体3
3、33を、1個ずつ転動自在に保持している。更に、
軸受鋼、或はセラミック等により円輪状に構成した上記
各外輪35、35は、スラスト軸受37(次述する図7
参照)を介して、上記各トラニオン6の内側面に突き当
てている。
【0013】上述の様なスラスト転がり軸受32、32
は、トロイダル型無段変速機の運転時に、上記各パワー
ローラ8、8に加わるスラスト荷重を支承しつつ、高速
で回転する。従って、トロイダル型無段変速機の運転時
に、上記各スラスト転がり軸受32、32には、十分な
量の潤滑油を供給しなければならない。この為従来か
ら、図7に示す様に、上記外輪35の一部に1乃至複数
の給油孔38、38を形成し、トロイダル型無段変速機
の運転時には、これら各給油孔38、38内に潤滑油を
強制的に送り込む事が考えられている。上記各給油孔3
8、38内に強制的に送り込んだ潤滑油は、上記外輪3
5の内面と前記保持器34の外面との間の隙間、並びに
この保持器34の内面と上記パワーローラ8の外端面と
の間の隙間を通じて流れ、その間に上記複数の転動体3
3、33の転動部分を潤滑する。
【0014】ところで、上述の様な構造によりスラスト
転がり軸受32、32に潤滑油を送り込む構造の場合に
は、部分的に潤滑油の供給が不足する可能性がある。即
ち、図8(A)に示す様に、保持器34が外輪35の内
面とパワーローラ8の外端面との中間に位置すれば、上
記外輪35の内面と上記保持器34の外面との間の隙
間、並びにこの保持器34の内面と上記パワーローラ8
の外端面との間の隙間の何れにも潤滑油が流れる為、特
に問題を生じない。ところが、上記外輪35に形成した
給油孔38から保持器34の外面に向けて潤滑油を吐出
すると、この潤滑油の流れに押されて上記保持器34
が、図8(B)に示す様に、パワーローラ8側に変位す
る傾向となる。この様な変位に基づき、上記保持器34
の内面と上記パワーローラ8の外端面とが密接すると、
この外端面に形成した軌道面と各転動体33の転動面と
の当接部に十分量の潤滑油が存在しない状態となる。こ
の結果、上記パワーローラ8の外端面の軌道面と各転動
体33の転動面との当接部での摩耗量が増大したり、著
しい場合には当該当接部が焼き付く可能性がある。
【0015】この様な問題をなくす為に、実開平7−3
5847号公報には、図9〜12に示す様な、潤滑性を
向上させたスラスト転がり軸受32aを組み込んだトロ
イダル型無段変速機が記載されている。上記スラスト転
がり軸受32aを構成する保持器34aの主体39は、
合成樹脂、或は銅等の金属により円輪状に構成してい
る。この主体39の直径方向中間部で円周方向複数個所
にはポケット36を、保持すべき転動体33の形状に合
わせて形成している。又、上記主体39の内外両面には
凹溝40、40を、この主体39の直径方向に亙り、上
記各ポケット36を横切る状態で形成し、これら各凹溝
40、40により、上記主体39の内周縁と外周縁との
間に設けられた潤滑油流路を構成している。
【0016】上述の様に構成する、潤滑性を向上させた
スラスト転がり軸受32aを組み込んだトロイダル型無
段変速機によれば、外輪35に形成した給油孔38から
吐出する潤滑油の勢い等により、スラスト転がり軸受3
2aを構成する保持器34aが軸方向に変位して、図1
2に示す様に、この保持器34aの内面とパワーローラ
8の外端面とが密接した場合でも、各転動体33を保持
したポケット36内には十分な量の潤滑油が、上記各凹
溝40、40を通じて流れる。この結果、上記パワーロ
ーラ8の外端面に形成した軌道面と転動体33の転動面
との当接部に存在する潤滑油が不足する事を防止して、
前記スラスト転がり軸受32aの一部が著しく摩耗した
り、或は焼き付いたりする危険性を低くできる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】図9〜12に示した、
潤滑性を向上させたスラスト転がり軸受32aを組み込
んだトロイダル型無段変速機の場合には、従前のトロイ
ダル型無段変速機に比べて耐久性及び信頼性の向上を図
れるが、依然として、次の様な点を改良する事が望まれ
ている。即ち、それぞれが転動体33を保持したポケッ
ト36内に供給する潤滑油は、給油孔38より保持器3
4aの内周縁側に供給してから各凹溝40内を流れ、上
記各ポケット36内に送り込まれる。
【0018】パワーローラ8と外輪35との間で上記保
持器34a及び転動体33を設けた空間41内に上記給
油孔38から送り込まれる潤滑油が、上記保持器34a
の全周に亙って均等に存在すれば良いが、実際には上記
潤滑油は、上記保持器34aの周方向に亙って不均等に
存在する。この為、上記凹溝40を通じて上記各ポケッ
ト36内に送り込まれる潤滑油の量も不均等になる。こ
の潤滑油の量が多少不均等になっても実用上あまり問題
にはなりにくいが、上記給油孔38から上記空間41内
に送り込まれる潤滑油の量が少なくなると、特定のポケ
ット36内に送り込まれる潤滑油の量が不足し、当該ポ
ケット36に保持された転動体33の転動面と相手軌道
面との当接部の摩耗が進行する可能性がある。本発明
は、この様な問題をなくす為、保持器に設けた複数のポ
ケット内に送り込む潤滑油の量を、円周方向に亙ってで
きるだけ均等にする構造を実現すべく発明したものであ
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明のトロイダル型無
段変速機は、前述した従来のトロイダル型無段変速機と
同様に、それぞれの内側面同士を互いに対向させた状態
で互いに同心に配置された第一、第二のディスクと、こ
れら第一、第二のディスクの中心軸に対し捻れの位置に
ある枢軸を中心として揺動するトラニオンと、このトラ
ニオンに支持された変位軸と、この変位軸の周囲に回転
自在に支持された状態で、上記第一、第二の両ディスク
の内側面同士の間に挟持されたパワーローラと、このパ
ワーローラと上記トラニオンとの間に設けられ、このパ
ワーローラに加わるスラスト方向の荷重を支承するスラ
スト転がり軸受とを備える。そして、上記第一、第二の
ディスクの内側面はそれぞれ断面が円弧形の凹面であ
り、パワーローラの周面は球面状の凸面であり、この周
面と上記各内側面とが互いに当接しており、上記スラス
ト転がり軸受は、複数の転動体と、この複数の転動体を
転動自在に保持する保持器とを備えたものである。又、
上記保持器は、円輪状の主体と、それぞれがこの主体の
直径方向中間部に形成されて、その内側に上記各転動体
を1個ずつ転動自在に保持する複数のポケットと、これ
ら各ポケットを横切る状態で、上記主体の内周縁と外周
縁との間に設けられた複数の潤滑油流路とを備える。特
に、本発明のトロイダル型無段変速機に於いては、上記
各潤滑油流路は、上記各ポケットと上記主体の内外両周
縁のうちの何れか一方の周縁とを連通させて上記各ポケ
ット内に潤滑油を送り込む上流側部分と、上記各ポケッ
トと上記主体の内外両周縁のうちの他方の周縁とを連通
させて上記各ポケットから潤滑油を排出する下流側部分
とから成る。そして、このうちの上流側部分は、円周方
向に隣り合うポケットに関して円周方向の間部分に設け
られており、上記各上流側部分に流入した潤滑油を円周
方向に隣り合うポケットに分配する。
【0020】
【作用】上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段
変速機が、第一、第二のディスク同士の間で動力を伝達
する作用、並びにこれら第一、第二のディスクの回転速
度の比を調節する作用は、前述の図4〜6に示した従来
のトロイダル型無段変速機の場合と同様である。又、保
持器を構成する主体に設けた複数の潤滑油流路を介して
保持器のポケット内に潤滑油を流通させる事により、上
記保持器が軸方向に変位した状態でも上記ポケット内に
潤滑油を供給する作用は、前述の図9〜12に示した従
来のトロイダル型無段変速機の場合と同様である。特
に、本発明のトロイダル型無段変速機の場合には、上記
潤滑油流路を構成する上流側部分に流入した潤滑油を、
円周方向に隣り合うポケットに分配する為、上記保持器
の周囲に存在する潤滑油の量が円周方向に亙って不均一
であっても、各ポケット内に流入する潤滑油の量が不均
一になる程度を抑える事ができる。
【0021】
【発明の実施の形態】図1〜3は、本発明の実施の形態
の1例を示している。尚、本発明の特徴は、保持器34
bの周囲に存在する潤滑油の量が円周方向に亙って不均
一であっても、各ポケット36、36内に流入する潤滑
油の量が不均一になる程度を抑える為の構造にある。そ
の他の部分の構造及び作用は、前述した従来構造の場合
と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は
省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分を中心
に説明する。
【0022】上記保持器34bを構成する円輪状の主体
39の直径方向中間部には複数のポケット36、36
を、円周方向に亙り互いに等間隔で形成している。そし
て、上記主体39の内外両面(軸方向両面)に複数の凹
溝40a、40bを、上記各ポケット36、36を横切
る状態で形成している。これら各凹溝40a、40b
が、上記主体39の内周縁と外周縁との間に設けられ
た、複数の潤滑油流路を構成する。トロイダル型無段変
速機の運転時に上記各潤滑油流路には、上記主体39の
内周縁側から外周縁側に向けて、前述の給油孔38(図
7参照)から吐出された潤滑油が流通する。この間にこ
の潤滑油は、上記各ポケット36、36内に保持された
転動体33、33(図6〜7参照)の転動面と相手軌道
面との当接部を潤滑する。
【0023】これら各潤滑油流路を構成する上記各凹溝
40a、40bのうち、上記各ポケット36、36と上
記主体39の内周縁とを連通させて、上記給油孔38か
ら空間41(図7、12参照)内で上記保持器34bの
内径寄り部分に吐出された潤滑油を上記各ポケット3
6、36内に潤滑油を送り込む各凹溝40a、40a
(上流側部分)は、円周方向に隣り合うポケット36、
36に関して円周方向の間部分に設けている。又、これ
ら上流側部分である上記各凹溝40a、40aの幅W
40a は、円周方向に隣り合うポケット36、36同士の
間隔D36よりも少し大きく(W40a >D36)している。
そして、上記各凹溝40a、40aの上流側端部(保持
器34bの内径側端部)を上記保持器34aの内周縁に
開口させ、同じく下流側端部を上記各ポケット36、3
6の周縁部に開口させている。従って、上記各凹溝40
a、40aは、上記給油孔38から上記空間41内に吐
出した潤滑油を受け入れてから上記保持器34bの直径
方向外方に流し、円周方向に隣り合うポケット36、3
6に分配する。
【0024】これに対して、上記各ポケット36、36
内の潤滑油を排出する各凹溝40b、40b(下流側部
分)は、上記各ポケット36、36の中間部分に設け
て、上記各ポケット36、36と上記主体39の外周縁
とを連通させている。上記各凹溝40a、40aから上
記各ポケット36、36内に、上記保持器34bの内径
側半部で円周方向両側に送り込まれた潤滑油は、この保
持器34bの直径方向に流れつつ円周方向にも流れてか
ら、上記各凹溝40b、40bを通じて、上記保持器3
4bの外径側に排出される。
【0025】上述の様な凹溝40a、40bから成る潤
滑油流路を形成した保持器34bを備えたスラスト転が
り軸受を組み込んだ、本発明のトロイダル型無段変速機
の場合には、上記潤滑油流路を構成する上記各凹溝40
a、40aに流入した潤滑油を、円周方向に隣り合うポ
ケット36、36に分配する。上流側部分である上記各
凹溝40a、40aは、上記各ポケット36、36の間
部分に設けられており、これら各ポケット36、36に
は、それぞれ2個の凹溝40a、40aから潤滑油が送
り込まれる。この為、上記保持器34bの周囲に存在す
る潤滑油の量が円周方向に亙って不均一であっても、上
記各ポケット36内に流入する潤滑油の量が不均一にな
る程度を抑える事ができる。この結果、特定のポケット
36内に送り込まれる潤滑油の量が不足し、当該ポケッ
ト36に保持された転動体33の転動面と相手軌道面と
の当接部の摩耗が進行する事を防止できる。
【0026】
【発明の効果】本発明のトロイダル型無段変速機は、以
上に述べた通り構成され作用して、パワーローラに付属
のスラスト転がり軸受の潤滑性を向上させる事ができ
る。この為、このスラスト転がり軸受を組み込んだトロ
イダル型無段変速機の信頼性並びに耐久性を向上させる
事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す、保持器の部
分平面図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】図2の右方から見た図。
【図4】従来から知られたトロイダル型無段変速機の基
本的構成を、最大減速時の状態で示す側面図。
【図5】同じく最大増速時の状態で示す側面図。
【図6】従来の具体的構造の1例を示す断面図。
【図7】スラスト転がり軸受並びにその潤滑装置部分の
断面図。
【図8】図7に示した装置で潤滑が良好に行なわれる状
態と潤滑不良になる状態とを示す、図7のB部拡大図。
【図9】潤滑性を向上させる為の従来構造の1例を示
す、保持器の部分平面図。
【図10】図9のC−C断面図。
【図11】図10の右方から見た図。
【図12】図9〜11の保持器を組み込んだスラスト転
がり軸受部分を示す、図7のB部に相当する図。
【符号の説明】
1 入力軸 2 入力側ディスク 2a 内側面 3 出力軸 4 出力側ディスク 4a 内側面 5 枢軸 6 トラニオン 7 変位軸 8 パワーローラ 8a 周面 9 押圧装置 10 カム板 11 保持器 12 ローラ 13、14 カム面 15 クラッチ 16 入力軸 17 ニードル軸受 18 出力軸 19 ハウジング 20 玉軸受 21 ころ軸受 22 玉軸受 23 スリーブ 24 駆動側前進ギヤ 25 駆動側後退ギヤ 26 伝達ギヤ 27 取り出し軸 28 従動側前進ギヤ 29 従動側後退ギヤ 30 ナット 31 ストップリング 32、32a スラスト転がり軸受 33 転動体 34、34a、34b 保持器 35 外輪 36 ポケット 37 スラスト軸受 38 給油孔 39 主体 40、40a、40b 凹溝 41 空間

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれの内側面同士を互いに対向させ
    た状態で互いに同心に配置された第一、第二のディスク
    と、これら第一、第二のディスクの中心軸に対し捻れの
    位置にある枢軸を中心として揺動するトラニオンと、こ
    のトラニオンに支持された変位軸と、この変位軸の周囲
    に回転自在に支持された状態で、上記第一、第二の両デ
    ィスクの内側面同士の間に挟持されたパワーローラと、
    このパワーローラと上記トラニオンとの間に設けられ、
    このパワーローラに加わるスラスト方向の荷重を支承す
    るスラスト転がり軸受とを備え、上記第一、第二のディ
    スクの内側面はそれぞれ断面が円弧形の凹面であり、パ
    ワーローラの周面は球面状の凸面であり、この周面と上
    記各内側面とが互いに当接しており、上記スラスト転が
    り軸受は、複数の転動体と、この複数の転動体を転動自
    在に保持する保持器とを備えたものであり、上記保持器
    は、円輪状の主体と、それぞれがこの主体の直径方向中
    間部に形成されて、その内側に上記各転動体を1個ずつ
    転動自在に保持する複数のポケットと、これら各ポケッ
    トを横切る状態で、上記主体の内周縁と外周縁との間に
    設けられた複数の潤滑油流路とを備えるトロイダル型無
    段変速機に於いて、上記各潤滑油流路は、上記各ポケッ
    トと上記主体の内外両周縁のうちの何れか一方の周縁と
    を連通させて上記各ポケット内に潤滑油を送り込む上流
    側部分と、上記各ポケットと上記主体の内外両周縁のう
    ちの他方の周縁とを連通させて上記各ポケットから潤滑
    油を排出する下流側部分とから成り、このうちの上流側
    部分は、円周方向に隣り合うポケットに関して円周方向
    の間部分に設けられており、上記各上流側部分に流入し
    た潤滑油を円周方向に隣り合うポケットに分配する事を
    特徴とするトロイダル型無段変速機。
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