JP2010065793A - 伸縮式回転伝達軸 - Google Patents

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Abstract

【課題】廉価で、しかも、大きな回転力(トルク)を伝達した場合にも、圧痕等の損傷を生じにくくできる構造を実現する。
【解決手段】互いに対になるアウター側凹溝24とインナー側凹溝25とにより構成される凹溝組内に、玉26、26と円筒ころ27、27との両方を混在させる。又、これら各玉26、26の外径を、これら各円筒ころ27、27の外径よりも大きくする。そして、回転力が小さい状態では、上記各玉26、26のみで、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25との係合(当接)に基づきこの回転力の伝達を行わせる。又、この回転力が大きい状態では、上記玉26、26等の弾性変形に伴い、上記各円筒ころ27、27にも、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25と係合(当接)し、上記回転力の伝達を行わせる。
【選択図】図1

Description

この発明に係る伸縮式回転伝達軸は、例えば、自動車の操舵装置を構成するステアリングシャフトや中間シャフト(インターミディエイトシャフト)等、回転力(トルク)を伝達自在で、且つ、軸方向に伸縮可能なシャフトとして使用する。
自動車の操舵装置は、例えば図12に示す様に構成して、ステアリングホイール1の動きをステアリングギヤユニット2に伝達する様にしている。このステアリングホイール1の動きは、ステアリングシャフト3と、自在継手4aと、中間シャフト5と、自在継手4bとを介して、上記ステアリングギヤユニット2の入力軸6に伝達される。すると、このステアリングギヤユニット2が、左右1対のタイロッド7、7を押し引きして、操舵輪に所望の舵角を付与する。尚、図12に示した例では、電動モータ8により上記ステアリングシャフト3に、運転者が上記ステアリングホイール1に加えた力に応じた補助力を付与する、電動式パワーステアリング装置を組み込んでいる。
上述の様な操舵装置で、運転者の体格や運転姿勢に応じてステアリングホイール1の前後位置を調節する際には、上記ステアリングシャフト3と、このステアリングシャフト3を回転自在に支持したステアリングコラム9とを伸縮させる。この為に、このステアリングシャフト3を、アウターシャフト10とインナーシャフト11とを、スプライン係合部により伸縮及び回転力の伝達を自在に組み合わせた、所謂テレスコピックステアリングシャフトとしている。又、上記ステアリングコラム9を、アウターコラム12とインナーコラム13とを伸縮自在に組み合わせたものとしている。
通常時に於けるステアリングホイール1の操作感を向上させる為には、上記ステアリングシャフト3のうち、スプライン係合部等の軸方向摺動部で、回転方向のがたつきが発生しない様にする必要がある。これに対して、ステアリングホイール1の前後位置の調節を軽い力で行なえる様にする為には、上記軸方向摺動部を、軸方向の変位をし易く構成する必要がある。この様な相反する要求を満たす構造として従来から、特許文献1に記載された構造が知られている。図13〜14は、この特許文献1に記載された従来構造の1例を示している。
この従来構造のステアリングシャフト3aの場合には、アウターシャフト10aと、インナーシャフト11aと、複数(3個)の鋼球14、14と、保持器15と、弾性部材(板ばね)16と、複数(2本)の円柱部材17、17とを備える。このうちのアウターシャフト10aは、内周面に、この内周面から径方向外方に凹入する状態で複数本(3本)のアウター側凹溝18、18を、軸方向に設けている。又、上記インナーシャフト11aは、外周面に、この外周面から径方向内方に凹入する状態で複数本(3本)のインナー側凹溝19、19を、軸方向に設けている。又、上記各鋼球14、14は、特許請求の範囲に記載した「伝達駒」並びに「玉」に相当するもので、上記3本のアウター側凹溝18、18のうちの1本(図13の上側)のアウター側凹溝18と、このアウター側凹溝18に対向するインナー側凹溝19に係合させた上記弾性部材16との間に、それぞれ設けている。
又、上記保持器15は、上記各鋼球14、14を、上記アウターシャフト10a及びインナーシャフト11aの軸方向に所定の間隔で保持している。又、上記弾性部材16は、上記各鋼球14、14を、上記アウター側凹溝18に向けて弾性的に押圧している(予圧を付与している)。又、上記各円柱部材17、17は、特許請求の範囲に記載した「伝達駒」並びに「円筒ころ」に相当するもので、残りの2本の上記各アウター側凹溝18、18と、同じく残りの2本の上記各インナー側凹溝19、19との間に、それぞれ設けている。
そして、上記弾性部材16により、上記各鋼球14、14を上記(1本の)アウター側凹溝18の内面(内側面)に弾性的に押し付ける事により、これら各鋼球14、14並びに上記各円柱部材17、17と上記アウター側、インナー側各凹溝18、19との係合部(当接部)でがたつきが発生する事を防止している。又、上記アウターシャフト10aとインナーシャフト11aとの間で大きな回転力(トルク)の伝達が行われる際には、上記弾性部材16が、この回転力に応じて弾性変形する。そして、この様な弾性部材16の弾性変形に基づき、上記各円筒部材17、17を介して上記大きな回転力の伝達が行われる様にすると共に、上記各鋼球14、14と上記アウター側、インナー側各凹溝18、19との接触部の面圧が過大になる事を防止している。又、上記アウターシャフト10aと上記インナーシャフト11aとを軸方向に相対変位させる際には、上記各鋼球14、14が転動すると共に、上記各円柱部材17、17の外周面と上記アウター側、インナー側各凹溝18、19の内面(内側面)とが摺動する。この為、上記相対変位を軽い力で行う事ができる。
ところが、上述の様な特許文献1に記載された構造の場合、弾性部材16を設ける分、部品点数が増大し、部品製作、部品管理が面倒になる他、組立工数が増大し、組立作業が面倒になる等、ステアリングシャフト3aの製造コスト増大に繋がる可能性がある。一方、上述の様な弾性部材16を設けずに、上記相対変位を軽い力で行える様にした構造として、例えば特許文献2〜8に記載された構造も、従来から知られている。但し、これら特許文献2〜8に記載された構造の場合には、何れも鋼球のみで回転力の伝達を行う。この為、操舵時にこれら各鋼球が、これら各鋼球と係合するアウター側、インナー側各凹溝のうちの同じ部分に繰り返し押し付けられ、当該部分の面圧が過度に大きくなる可能性がある。そして、この様に面圧が過度に大きくなった場合には、当該部分に圧痕(塑性変形)を生じる可能性がある。この様な圧痕は、操舵時にがたつきが発生する原因となる他、アウターシャフトとインナーシャフトとの軸方向の相対変位を円滑に行えなくする原因となる可能性がある等、好ましくない。
尚、上記圧痕は、伝達すべき回転力(トルク)が大きくなる程生じ易くなる。例えば、前述の図12に示した操舵装置は、補助動力源である電動モータ8をステアリングコラム側に設けた、所謂コラムタイプの電動式パワーステアリング装置であるが、この様な電動式パワーステアリング装置の場合、ステアリングシャフト3が伝達する回転力に比べ、中間シャフト5が伝達する回転力が、補助動力分だけ大きくなる。従って、この様な中間シャフト5(補助動力が加わるシャフト、補助動力源よりも下流側のシャフト)に上述の様な特許文献2〜8に記載された技術を採用した場合には、上記圧痕が更に生じ易くなる。
国際公開第2003/031250号パンフレット 特開2006−349104号公報 特開2007−46769号公報 特開2007−16901号公報 特許第3694637号公報 実開平3−30621号公報 特開2004−306919号公報 特開2004−168229号公報
本発明の伸縮式回転伝達軸は、上述の様な事情に鑑みて、廉価で、しかも、大きな回転力(トルク)を伝達した場合にも、圧痕等の損傷を生じにくくできる構造を実現すべく発明したものである。
本発明の伸縮式回転伝達軸は、前述した従来構造と同様に、インナーシャフトと、アウターシャフトと、複数の伝達駒とを備える。
このうちのインナーシャフトは、外周面の円周方向複数個所に、径方向内方に凹入したインナー側凹溝を、軸方向に設けている。
又、上記アウターシャフトは、上記インナーシャフトを挿入自在なもので、内周面の円周方向複数個所で上記インナー側凹溝と整合する位置に、径方向外方に凹入したアウター側凹溝を、軸方向に設けている。
又、上記各伝達駒は、上記各インナー側凹溝と上記各アウター側凹溝との間に設けられている。
そして、上記アウターシャフトと上記インナーシャフトとを、互いの間での回転力(トルク)の伝達及び軸方向の相対変位を可能に組み合わせている。
特に、本発明の伸縮式回転伝達軸に於いては、上記各伝達駒のうちの一部を玉とし、残部を円筒ころとする。又、これと共に、互いに対になる上記インナー側凹溝と上記アウター側凹溝とによりそれぞれ構成される各凹溝組内に、上記玉と上記円筒ころとの両方を設ける(各凹溝組内に玉と円筒ころとを混在させる)。更には、上記玉の外径を上記円筒ころの外径よりも大きくし、上記アウターシャフト及びインナーシャフトの円周方向に関する、上記インナー側、アウター側各凹溝と玉との円周方向に関する間隔(後述する様に玉に締め代を持たせた場合には、この間隔を0とする)よりも、同じくインナー側、アウター側各凹溝と円筒ころとの円周方向に関する間隔(隙間)を大きくする。そして、この様に構成する事により、回転力が小さい状態では、上記玉のみがインナー側、アウター側各凹溝との係合(噛み合い)に基づき上記回転力の伝達を行い、この回転力が大きい状態では、上記玉並びにこの玉と係合するインナー側、アウター側各凹溝の弾性変形に伴い{例えば玉とこの玉の表面が当接する部分(相手面である凹溝の内面のうちの玉の表面と当接する部分)とが弾性変形する事により}、上記円筒ころも、これらインナー側、アウター側各凹溝と係合し(噛み合い)、上記回転力の伝達を行う様にする。
又、この様な本発明の伸縮式回転伝達軸を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した発明の様に、上記玉と上記円筒ころとのうち、玉にのみ、上記インナー側、アウター側各凹溝に対する締め代(隙間0、締め代0も含む)を持たせる。即ち、上記アウターシャフトとインナーシャフトとを組み合わせた状態で、且つ、これらアウターシャフトとインナーシャフトとの間に回転力が加わらない中立位置での、上記インナー側、アウター側各凹溝の内面(内側面)により構成される仮想円(断面に関する内接円)の直径に対し、上記玉の外径を、この仮想円の直径と同じか、又は、(極く僅か、例えば玉の外径の1/100〜1/1000程度)大きくする。一方、上記円筒ころの外径を、上記仮想円の直径よりも(極く僅か、例えば円筒ころの外径の1/100〜1/1000程度)小さくする。
尚、この様に玉に持たせる締め代と、この玉の外径と、上記円筒ころの外径と、上記各凹溝の断面形状の曲率半径との関係{玉の外径と、円筒ころの外径と、インナー側、アウター側各凹溝の内面(内側面)により構成される仮想円(断面に関する内接円)の直径と、インナー側、アウター側各凹溝の曲率半径との関係}は、次の様に規制する。先ず、上記玉の締め代(玉の外径と仮想円の直径との差)を、上記各凹溝の断面形状の曲率半径との関係(接触楕円の面積との関係)で、この玉並びに上記インナー側、アウター側各凹溝が弾性変形する範囲内、即ち、これらインナー側、アウター側各凹溝に圧痕(塑性変形)が生じない(生じたとしても、耐久性の低下に繋がらず、且つ、軸方向伸縮を円滑に行える)範囲内で設定する。又、上記円筒ころの外径を、上記玉の外径、更には、上記仮想円の直径よりも小さくすると共に、上記回転力の伝達の際に、上記玉並びにインナー側、アウター側各凹溝が弾性変形する範囲内、即ち、これらインナー側、アウター側各凹溝に圧痕を生じない(生じたとしても、耐久性の低下に繋がらず、且つ、軸方向伸縮を円滑に行える)範囲内で、上記円筒ころの外周面が上記インナー側、アウター側各凹溝の内面(内側面)に当接して、上記回転力の伝達が行われる様に設定する。
又、この様な本発明の伸縮式回転伝達軸を実施する場合に好ましくは、請求項3に記載した発明の様に、上記インナーシャフト及び上記アウターシャフトの円周方向に関する上記玉の剛性を、同じく円周方向に関する上記円筒ころの剛性に比べて小さくする(玉の剛性≪円筒ころの剛性とする)。即ち、上記回転力の伝達時に、この回転力の増大に伴って、上記インナー側、アウター側各凹溝と上記円筒ころとを係合し(噛み合い)易くすべく、上記玉を上記円筒ころに比べて、形状の相違に基づく以上に、弾性変形し易くする。
この場合には、例えば、上記玉と上記円筒ころとで材質を変えたり(玉の材質を円筒ころの材質に比べて弾性変形し易いものとしたり)、或は、このうちの玉を中空のものとすると共に、この玉に内外両周面を貫通する状態でスリットを設ける事もできる。又、この玉(中空であるか充実体であるかは問わない)の外周面に、この外周面から径方向内方に凹入する状態で(貫通しない)凹部を設ける事により、この玉の表面(外周面)を弾性変形し易くする事もできる。
又、本発明の伸縮式回転伝達軸を実施する場合に好ましくは、請求項4に記載した発明の様に、互いに対になるインナー側凹溝とアウター側凹溝とによりそれぞれ構成される各凹溝組内の、インナーシャフト及びアウターシャフトの軸方向に関する両端部に、それぞれ玉を設ける。即ち、上記各凹溝組内に設けた伝達駒のうち、上記インナーシャフト及びアウターシャフトの軸方向に関する両端の伝達駒を、それぞれ玉とする。
又、好ましくは、請求項5に記載した発明の様に、互いに対になるインナー側凹溝とアウター側凹溝とによりそれぞれ構成される各凹溝組を、インナーシャフト及びアウターシャフトの円周方向等間隔複数個所に設ける。
上述の様に構成する本発明の伸縮式回転伝達軸によれば、廉価で、しかも、大きな回転力(トルク)を伝達した場合にも、圧痕等の損傷を生じにくくできる(生じたとしても、耐久性の低下に繋がらず、且つ、軸方向の伸縮を円滑に行える)。この為、大きな回転力を伝達する(許容負荷トルクを大きくする)事と、がたつきなく円滑な軸方向伸縮を行う事と、製造コストの低減とを、高次元で並立させられる。
即ち、本発明の場合には、玉に弾性力を付与する為の弾性部材を設ける必要がない分、廉価に構成できる。又、上記回転力の伝達を、上記玉だけでなく円筒ころを介して行う事ができる為、その分(円筒ころにより当接面積を大きくできる分)大きな回転力を伝達できる(許容負荷トルクを大きくできる)。又、この様に大きな回転力の伝達を、上記円筒ころが分担する事により、上記玉と凹溝との当接部の面圧が過度に大きくなる事も防止でき、圧痕等の損傷を生じにくくできる。
又、本発明の場合には、玉の外径を円筒ころの外径よりも大きくする事により、回転力が小さい状態では、上記玉のみがインナー側、アウター側各凹溝との係合(噛み合い)に基づきこの回転力の伝達を行い、この回転力が大きい状態では、上記円筒ころも上記インナー側、アウター側各凹溝と係合し(噛み合い)、上記回転力の伝達を行える様にしている。即ち、上記玉の外径と上記円筒ころの外径とを規制するだけで、上述の様な圧痕等の損傷を生じにくくできる構造を実現できる。この為、この面からも、廉価に構成できる(製造コストの低減を図れる)。しかも、上記回転力が殆ど加わらない状態で行われる、アウターシャフトとインナーシャフトとの軸方向相対変位(伸縮式回転伝達軸の伸縮)を、上記各玉の転動に基づいて行う事ができる為、この相対変位(伸縮動作)を円滑に行える。
又、本発明の場合には、互いに対になる上記インナー側凹溝と上記アウター側凹溝とによりそれぞれ構成される各凹溝組内に、上記玉と上記円筒ころとの両方を設けている(各凹溝組内に玉と円筒ころとの両方を混在させている)為、上記回転力の増大に伴って、この回転力を上記円筒ころに確実に分担させられる。即ち、上記玉と円筒ころとの両方を設けた、1つの凹溝組を構成するインナー側、アウター側各凹溝は、他の凹溝組のインナー側、アウター側各凹溝との関係で、溝間ピッチのずれや凹溝形状のずれ(溝径誤差)の影響を受けにくくできる。即ち、例えば円筒ころのみを設けた凹溝組と玉のみを設けた凹溝組とをそれぞれ設ける場合に比べ、上記インナー側、アウター側各凹溝同士の溝間ピッチのずれや凹溝形状のずれ(溝径誤差)の影響を受けにくくできる。一方、上記玉及び円筒ころの外径の寸法精度は、数μm程度に設定できる(精度を確保し易くできる)。この為、この様に玉及び円筒ころの外径を規制すると共に、この様な玉と円筒ころとの両方を、上述の様に精度を確保し易くできる1対のインナー側、アウター側各凹溝により構成される各凹溝組内に設ける事で、上記回転力を上記円筒ころに確実に分担させられる様にできる。
又、請求項2に記載した発明の様に、玉にインナー側、アウター側各凹溝に対する締め代を持たせた場合には、弾性部材を必要とする事なく、インナーシャフトとアウターシャフトとが回転方向にがたつく事を防止できる。
又、請求項3に記載した発明の様に、インナーシャフト及びアウターシャフトの円周方向に関する玉の剛性を、同じく円筒ころの剛性に比べて小さくすれば、回転力の増大に伴って、インナー側、アウター側各凹溝と円筒ころとを係合し(噛み合い)易くできる。この為、上記回転力の伝達の際に、大きい回転力を上記円筒ころにより確実に分担でき、圧痕等の損傷をより生じにくくする事ができる。又、これと共に、上記玉と円筒ころとの剛性を適宜調節する事で、回転力の伝達の際に、上記円筒ころが回転力を分担し始めるタイミングを調整し易くできる(所望のタイミングに規制し易くできる)。
又、請求項4に記載した発明の様に、各凹溝組内に設けられた伝達駒のうち、インナーシャフト及びアウターシャフトの軸方向に関する両端の伝達駒をそれぞれ玉とした場合には、アウターシャフトとインナーシャフトとの軸方向相対変位(伸縮式回転伝達軸の伸縮)をより円滑に行なえる。即ち、この様な相対変位(伸縮)の際に、これらアウターシャフト並びにインナーシャフトに加わる曲げ方向並びに捩り方向の荷重は、上記両端の伝達駒に集中する傾向となる(両端の伝達駒に大きな荷重が加わる傾向となる)が、その荷重を上記各玉が支承する。この為、この様な荷重を円筒ころが支承する場合に比べ、当該部分で擦れ合い(こじり、スティック滑り)を生じにくくでき、上記相対変位(伸縮)をより円滑に行える。
又、請求項5に記載した発明の様に、上記各凹溝組を、インナーシャフト及びアウターシャフトの円周方向等間隔複数個所に設けた場合には、インナー側、アウター側各凹溝がそれぞれ均一に弾性変形し、これら各凹溝に圧痕等の損傷をより生じにくくできる。又、上記インナーシャフト並びにアウターシャフトに上記インナー側、アウター側各凹溝を形成する際に、これらインナーシャフト並びにアウターシャフトを所望通りに形成し易くできる。即ち、例えば塑性加工に基づきシャフトの形成と共にこのシャフトに凹溝を形成する場合に、このシャフトの円周方向に関して均等に成型荷重を加える事ができ、このシャフトが例えば折れ曲がる方向や断面形状が歪む方向等に変形しにくくできる。この為、アウターシャフトとインナーシャフトとの軸方向相対変位(伸縮式回転伝達軸の伸縮)の円滑化と、円周方向のがたつき防止との両立を高度に図れる。
[実施の形態の第1例]
図1〜2は、請求項1、2、4、5に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例は、本発明の伸縮式回転伝達軸をステアリングシャフト20として実施する場合の構造に就いて示している。但し、この様なステアリングシャフト20に限らず、例えば前述の図12に示した中間シャフト5等の、回転力(トルク)の伝達と軸方向の伸縮との両方の機能を必要とされる、各種シャフトとして実施する事ができる。何れにしても、本例のステアリングシャフト20は、例えば炭素鋼等の金属材に、押出加工或いは切削加工を施す事により形成されたアウターシャフト21と、同じく炭素鋼等の金属材に、押出加工、鍛造加工、或いは切削加工を施す事により形成されたインナーシャフト22と、同じくそれぞれが炭素鋼、軸受鋼、ステンレス鋼等の金属材や合成樹脂、高機能樹脂等の非金属材料により造られた複数の伝達駒23a、23bとを備える。このうちのアウターシャフト21は、円筒状のもので、内周面の円周方向2個所位置(180度反対側位置)に、この内周面から径方向外方に凹入する状態でアウター側凹溝24、24を、軸方向に設けている。
又、上記インナーシャフト22は、円筒状又は円柱状のもので、外周面の円周方向2個所位置(180度反対側位置)で、上記アウター側凹溝24、24と整合する位置に、この外周面から径方向内方に凹入する状態で2本のインナー側凹溝25、25を、軸方向に設けている。又、上記各伝達駒23a、23bは、上記各アウター側凹溝24、24と上記各インナー側凹溝25、25との間にそれぞれ設けられたもので、これら各伝達駒23a、23bを介して上記アウターシャフト21と上記インナーシャフト22とを組み合わせる事により、これらアウターシャフト21とインナーシャフト22と間で、回転力の伝達及び軸方向の相対変位を可能としている。そして、本例の場合には、上記各伝達駒23a、23bのうちの一部を玉26、26とし、残部を円筒ころ27、27としている。より具体的には、互いに対になる上記アウター側凹溝24、24と上記インナー側凹溝25、25とによりそれぞれ構成される1対(2組)の凹溝組内に、それぞれ(4個ずつの)玉26、26と(3個ずつの)円筒ころ27、27とを、軸方向に関して交互に設けている(両凹溝組内に、それぞれ玉26、26と円筒ころ27、27との両方を混在させている)。
又、本例の場合は、この様に各凹溝組内にそれぞれ設けた各玉26、26(及び円筒ころ27、27)に対し、前述の図13〜14に示した様な弾性部材16(図13〜14参照)による押圧力(予圧)付与を行ってはいない。即ち、本例の場合には、上記アウター側凹溝24、24と上記インナー側凹溝25、25とのうちの少なくとも何れかの凹溝25、26の内面(内側面)に上記各玉26、26(及び各円筒ころ27、27)を、上記弾性部材16により押し付けると言った構成は採用していない。本例の場合には、この様な弾性部材16を設けない代わりに、上記各玉26、26と上記各円筒ころ27、27とのうち、各玉26、26にのみ、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25に対する締め代(隙間0、締め代0も含む)を持たせている。
即ち、前記アウターシャフト21とインナーシャフト22とを組み合わせた状態で、且つ、これらアウターシャフト21とインナーシャフト22との間に回転力が加わらない中立位置での、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25の内面(内側面)により構成される仮想円(互いに対向する凹溝24、25同士の内接円)の直径に対し、上記各玉26、26の自由状態での外径を同じか、又は、(極く僅か、例えば玉26の外径の1/100〜1/1000程度)大きくしている。一方、上記各円筒ころ27、27は、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25に対する締め代を持たせていない。即ち、本例の場合には、これら各円筒ころ27、27の外径を、上記各玉26、26の外径よりも小さく(玉26の外径>円筒ころ27の外径)している。又、これと共に、上記中立位置での上記仮想円の直径よりも、上記各円筒ころ27、27の外径を(極く僅か、例えば円筒ころ27の外径の1/100〜1/1000程度)小さくして、上記各凹溝24、25に対する隙間を持たせている。
そして、この様な構成を採用する事により、上記アウターシャフト21とインナーシャフト22との間で伝達する回転力が小さい状態で、外径の大きい上記各玉26、26のみが、アウター側、インナー側各凹溝24、25との係合(局部点当りでの噛み合い)に基づき、この回転力を伝達する様にしている。これに対して、この回転力が大きい状態では、上記各玉26、26並びにこれら各玉26、26と係合する上記インナー側、アウター側各凹溝24、25の弾性変形に伴い{各玉26、26とこれら各玉26、26の表面が当接する部分(相手面である凹溝24、25の内面のうちのこれら各玉26、26の表面と当接する部分)とが弾性変形(局部弾性変形)する事により}、外径の小さい上記各円筒ころ27、27も上記アウター側、インナー側各凹溝24、25と係合して(噛み合って)、上記回転力の伝達を行う様にしている。
尚、この様な回転力の伝達を行う様にすべく、本例の場合には、上記各玉26、26に持たせる上記締め代と、これら各玉26、26の外径と、上記各円筒ころ27、27の外径との関係、言い換えれば、これら各玉26、26及び各円筒ころ27、27の外径と、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25の内面(内側面)により構成される仮想円の直径と、これらアウター側、インナー側各凹溝24、25の断面形状の曲率半径との関係を、次の様に規制している。先ず、上記各玉26、26の締め代(各玉26、26の外径と仮想円の直径との差)を、これら各玉26、26並びに上記アウター側、インナー側各凹溝24、25が弾性変形する範囲内、即ち、これらアウター側、インナー側各凹溝24、25に圧痕が生じない(生じたとしても、耐久性の低下に繋がらず、且つ、軸方向伸縮を円滑に行える)範囲内で設定する。又、これと共に、上記各円筒ころ27、27の外径を、上記回転力の伝達の際に、上記各玉26、26並びにアウター側、インナー側各凹溝24、25が弾性変形する範囲内、即ち、これらアウター側、インナー側各凹溝24、25に圧痕を生じない(生じたとしても、耐久性の低下に繋がらず、且つ、軸方向伸縮を円滑に行える)範囲内で、上記各円筒ころ27、27の外周面が上記アウター側、インナー側各凹溝24、25の内面(内側面)に当接して上記回転力の伝達が行われる様に設定している。
上述の様に構成する本例の伸縮式回転伝達軸(ステアリングシャフト20)によれば、廉価で、しかも、大きな回転力を伝達した場合にも、圧痕等の損傷を生じにくくできる(生じたとしても、耐久性の低下に繋がらず、且つ、軸方向伸縮を円滑に行える)。この為、大きな回転力を伝達する(許容負荷トルクを大きくする)事と、がたつきなく円滑な軸方向伸縮を行う事と、製造コストの低減とを、高次元で並立させられる。
即ち、本例の場合には、各玉26、26に弾性力を付与する為の弾性部材(例えば図13〜14の弾性部材16)を設けなくて済む分、部品製作、部品管理、組立作業を何れも単純化して、廉価に構成できる。又、これと共に、これら各玉26、26だけでなく各円筒ころ27、27を介して回転力の伝達を行う事ができる為、その分(当接面積が大きい各円筒ころ27、27が凹溝24、25の内面と当接する分)、大きな回転力を伝達できる(許容負荷トルクを大きくできる)。又、この様に大きな回転力の伝達を、上記各円筒ころ27、27が分担する事により、上記各玉26、26と各凹溝24、25との当接部の面圧が過度に大きくなる事も防止でき、圧痕等の損傷を生じにくくできる。
しかも、本例の場合には、前述した様に各玉26、26の外径を各円筒ころ27、27の外径よりも大きくする事により、回転力が小さい状態では、上記各玉26、26のみがアウター側、インナー側各凹溝24、25との係合(噛み合い)に基づきこの回転力の伝達を行い、この回転力が大きい状態では、上記各円筒ころ27、27も上記アウター側、インナー側各凹溝24、25と係合して(噛み合って)、上記回転力の伝達が行われる様にしている。即ち、上記各玉26、26の外径と上記各円筒ころ27、27の外径とを規制するだけで、上述の様な圧痕等の損傷を生じにくくできる構造を実現できる。この為、この面からも、廉価に構成できる(製造コストの低減を図れる)。
又、本例の場合には、上記各玉26、26に上記アウター側、インナー側各凹溝24、25に対する締め代を持たせている為、前記弾性部材(例えば図13〜14の弾性部材16)を設けなくても、アウターシャフト21とインナーシャフト22とが回転方向にがたつく事を防止できる。尚、この様ながたつきを許容できるのであれば(例えば、或る程度がたついても走行中に問題とならないのであれば)、このがたつきを許容できる範囲で、締め代を持たせない様に(隙間を持たせる様に)する{例えば各玉26、26の外径を、アウター側、インナー側各凹溝24、25の内面(内側面)により構成される仮想円の直径よりも小さくする}事もできる。又、この様に締め代を持たせない(隙間を持たせた)場合には、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25の内面(内側面)と上記各玉26、26との接触点位置が、回転力に応じて変位し易くなる為、例え圧痕が生じた場合にも、この圧痕の存在に拘らず、上記アウターシャフト21とインナーシャフト22との軸方向の相対変位(ステアリングシャフト20の伸縮)を円滑に行える様にできる。
この点に関し、図3を用いて説明する。この図3の(A)は、アウター側、インナー側各凹溝24、25の断面形状をそれぞれ単一円弧とすると共に、各玉26に締め代を持たせた構造に関し、無負荷時の状態(回転力が加わっていない状態)を示している。又、図3(B)は、同じくアウター側、インナー側各凹溝24、25の断面形状をそれぞれ単一円弧とすると共に、各玉26に締め代を持たせていない{アウター側、インナー側各凹溝24、25の断面の曲率半径R、Rを各玉26、26の半径(=D/2)よりも大きくし、しかも、中立状態で、対となる凹溝24、25の内面に関する内接円の直径を上記玉の直径Dよりも大きくした}構造に関し、回転力が加わった状態を示している。又、この様な図3(A)(B)中にそれぞれ示した点αは、無負荷且つ中立状態での、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25の内面(内側面)と上記各玉26、26との接触点位置若しくは対向する位置を示している。そして、図3の(B)に示す様な、締め代を持たせていない構造の場合には、小さい回転力の伝達時にも、上記接触点位置が点αから点βに、上記内接円の半径と各玉の半径(=D/2)との差に応じた隙間、並びに上記曲率半径Rに対応する距離{図3(B)のδ1、δ2}分、変位し易くなる。
この為、大きな回転力が加わる事により、アウター側、インナー側各凹溝24、25の内面(内側面)と上記各玉26、26との接触部で圧痕が生じたとしても、この圧痕は点βの位置に生じる。この様に圧痕が生じる位置βが、無負荷時の接触点位置αとずれる為、この無負荷時に行われるアウターシャフト21とインナーシャフト22との軸方向の相対変位(ステアリングシャフト20の伸縮)は、上記圧痕の存在に拘らず、滑らかに行える。尚、図3の(A)に示す様な、締め代を持たせた構造の場合にも、上記回転力が大きくなると、上記図3の(B)の締め代を持たせていない構造の場合程大きくはないが、上記各玉26、26並びに上記各アウター側、インナー側各凹溝24、25の弾性変形に基づいて、上記接触点位置がα点からずれる。この為、この様な締め代を持たせた構造の場合も、上記大きな回転力が加わる事により圧痕ができたとしても、この圧痕の存在に拘らず、無負荷時に行われるアウターシャフト21とインナーシャフト22との軸方向の相対変位(ステアリングシャフト20の伸縮)を、或る程度滑らかに行える。尚、締め代を設けた構造の場合も、締め代を設けていない構造の場合も、何れも大きい回転力が加わった場合には、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25との接触面積が大きい各円筒ころ27、27がその回転力を分担する為、上記圧痕は生じにくい。
又、図4は、アウター側、インナー側各凹溝24a、25aの断面形状をゴシックアーチ状とした構造を示している。この様なゴシックアーチ状とした構造の場合には、図4(A)に示す様に、無負荷時でも接触点位置αが、アウター側、インナー側各凹溝24a、25aの中央部(溝深さが最も大きい部分)からずれる。この様な構造の場合には、捩り剛性を大きくできるが、大きな回転力が加わった状態での、上記接触点位置の変位量(ずれ量)は大きくなりにくい(ずれ量は小さい)。但し、後述する様に、円筒状のアウターシャフト21やインナーシャフト22の肉厚を小さくする(例えば薄肉部を設ける)事により、これらアウターシャフト21やインナーシャフト22、延いては、上記アウター側、インナー側各凹溝24a、25aを弾性変形し易くすれば、上記接触点位置をずれ易くできる。又、この様に弾性変形し易くする事により、小さい回転力が加わった状態から、各円筒ころ27、27でのこの回転力の伝達を行う様にする事もできる為、その分、圧痕を生じにくくできる。尚、図4の(B)には、上記回転力が加わる事に基づいて、上記アウター側、インナー側各凹溝24a、25aが弾性変形する部分を、梨子地模様を付する事により示している。この様に、各アウター側、インナー側各凹溝24a、25aのうちで、上記各玉26、26と当接した部分が弾性変形すると、これら各玉26、26の外径D1よりも僅かに小さい外径D2の各円筒ころ27、27が、上記各凹溝24a、25aの内面と当接して、上記回転力の伝達が行われる。そして、これらアウター側、インナー側各凹溝24a、25aとの接触面積が大きい上記各円筒ころ27、27が、上記回転力を分担する分、大きな回転力の伝達を行える(許容負荷トルクを大きくできる)と共に、上記各凹溝24a、25aに圧痕を生じにくくできる。
又、本例の場合には、図1に示した様に、互いに対になるインナー側凹溝24、24とアウター側凹溝25、25とによりそれぞれ構成される各凹溝組内に、各玉26、26と各円筒ころ27、27との両方を設けている(凹溝組内に玉26、26と円筒ころ27、27との両方を混在させている)為、回転力の増大に伴って、この回転力を上記各円筒ころ27、27に確実に分担させられる。即ち、上記各玉26、26と上記各円筒ころ27、27との両方を設けた、1つの凹溝組を構成するインナー側、アウター側各凹溝24、25は、他の凹溝組のインナー側、アウター側各凹溝24、25との関係で、溝間ピッチのずれや凹溝形状のずれ(溝径誤差)の影響を受けにくくできる。即ち、例えば上記各円筒ころ27、27のみを設けた凹溝組と各玉27、27のみを設けた凹溝組とをそれぞれ設ける場合に比べ、上記インナー側、アウター側各凹溝24、25同士の溝間ピッチのずれや凹溝形状のずれ(溝径誤差)の影響を受けにくくできる。一方、上記各玉26、26及び上記各円筒ころ27、27の外径の寸法精度は数μm程度に設定できる(精度を確保し易くできる)。この為、この様に各玉26、26及び各円筒ころ27、27の外径を規制すると共に、この様な各玉26、26と各円筒ころ27、27との両方を、上述の様に精度を確保し易くできる1対のインナー側、アウター側各凹溝24、25により構成される各凹溝組内に設ける事で、上記回転力を上記各円筒ころ27、27に確実に分担させられる様にできる。
又、本例の場合には、上記各円筒ころ27、27の外径に比べて上記各玉26、26の外径を大きくしている為、アウターシャフト21とインナーシャフト22との軸方向相対変位(ステアリングシャフト20の伸縮)を、上記各玉26、26の転動に基づいて行う事ができる。この為、この相対変位(伸縮動作)を円滑に行える。しかも、本例の場合には、図1に示した様に、各凹溝組内に設けられた伝達駒23a、23bのうち、アウターシャフト21及びインナーシャフト22の軸方向に関する両端の伝達駒23a、23aをそれぞれ玉26、26としている為、この面からも、上記アウターシャフト21とインナーシャフト22との軸方向相対変位(ステアリングシャフト20の伸縮)をより円滑に行える。
即ち、この様な相対変位(伸縮)の際に、これらアウターシャフト21並びにインナーシャフト22に加わる曲げ方向並びに捩り方向の荷重は、上記両端の伝達駒23a、23aに集中する傾向となる(両端の伝達駒23a、23aに大きな荷重が加わる傾向となる)が、その荷重を上記各玉26、26が支承する。これら各玉26、26は、何れの方向にも転動可能である(転動の方向性がない)為、この様な荷重を円筒ころ27、27で支承しつつ上記相対変位を行わせる場合に比べ、当該部分で擦れ合い(こじり、スティック滑り)を生じにくくでき、上記相対変位(伸縮)をより円滑に行なえる。又、本例の場合には、上記各玉26、26と上記各円筒ころ27、27とを軸方向に関して交互に配置している為、小径であるこれら各円筒ころ27、27が、大径である上記各玉26、26に軸方向位置を拘束される。この為、初期段階で各部材26、27の設置位置を適切に規制すれば、上記各円筒ころ27、27が軸方向に変位して上記各玉26、26と衝突する事を防止でき、この衝突に伴う異音の発生を抑えられる。
又、本例の場合には、各凹溝組を、上記アウターシャフト21並びにインナーシャフト22の円周方向等間隔複数個所(180度の等間隔で2個所位置に)に設けている為、アウター側、インナー側各凹溝24、25がそれぞれ均一に弾性変形し、これら各凹溝24、25に圧痕等の損傷をより生じにくくできる。又、上記アウターシャフト21並びにインナーシャフト22に上記アウター側、インナー側各凹溝24、25を形成する際に、これらアウターシャフト21並びにインナーシャフト22を所望通りに形成し易くできる。即ち、例えば塑性加工に基づきシャフト21、22の形成と共にこのシャフト21、222に凹溝24、25を形成する場合に、このシャフト21、22の円周方向に関し均等に成型荷重を加える事ができ、このシャフト21、22が例えば折れ曲がる方向や断面形状が歪む方向等に変形しにくくできる。この為、上記アウターシャフト21とインナーシャフト22との軸方向相対変位(ステアリングシャフト20の伸縮)の円滑化と、円周方向のがたつき防止との両立を高度に図れる。
又、本例の場合には、図2に示した様に、互いに対になる上記アウター側凹溝24、24と上記インナー側凹溝25、25とによりそれぞれ構成される1対(2組)の凹溝組を、アウターシャフト21及びインナーシャフト22の径方向反対側(180度反対側)位置にそれぞれ設けている為、上記各アウター側凹溝24、24を設けたアウターシャフト21を弾性変形し易くでき{断面形状が楕円形に弾性変形し易くする事で、締め代に対する変形抵抗を鈍感に(小さく)でき}、上記各玉26、26の締め代に拘らず、圧痕等の損傷を生じにくくできる。又、本例の場合には、上述の様に凹溝組を2組(アウター側、インナー側各凹溝24、25を2本ずつ)設けているだけである為、簡素に構成できる(構造が複雑にならない)。この為、加工や組立を容易に行う事ができ、その分、コストの低減を図れる。又、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25の数が少ない分、上記アウターシャフト21及びインナーシャフト22のうちでこれら各凹溝24、25を設けた部分以外の部分を薄肉にし易くでき、その分、軽量化や材料コストの低減も図れる。
[実施の形態の第2例]
図5は、請求項1、2、4に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、互いに対になるアウター側凹溝24、24とインナー側凹溝25、25とによりそれぞれ構成される6組の凹溝組を、アウターシャフト21及びインナーシャフト22の径方向反対側(180度反対側)位置に、それぞれ3組ずつ設けている。即ち、本例の場合には、上記アウターシャフト21の内周面の径方向反対位置に、この内周面から径方向外方に凹入する状態で、それぞれ3本ずつ(合計で6本)の、上記アウター側凹溝24、24を設けている。又、上記インナーシャフト22の外周面の径方向反対側位置で、且つ、上記各アウター側凹溝24、24と対向する部分に、この外周面から径方向内方に凹入する状態で、それぞれ3本ずつ(合計で6本)の、上記インナー側凹溝25、25を設けている。そして、上記各アウター側凹溝24、24と上記各インナー側凹溝25、25との間に、玉26、26並びに円筒ころ27、27(例えば図1参照)を、それぞれ設けている。
この様な本例の場合も、6組の凹溝組を、3組ずつ、径方向反対側(180度反対側)位置に設けている為、上記アウター側凹溝24、24を設けたアウターシャフト21を、これら各凹溝24、24を設けた方向を長径とする楕円形に弾性変形し易くできる(締め代に対する変形抵抗を鈍感にできる)。この為、上記各玉26、26の締め代に拘らず、圧痕等の損傷を生じにくくできる。又、本例の場合には、前述した実施の形態の第1例に比べ、アウター側、インナー側各凹溝24、25の数が多い分、回転力を伝達する際の、上記各玉26、26や各円筒ころ27、27がそれぞれ分担する力の低減を図れ、圧痕等の損傷をより生じにくくできる。逆に言えば、この様に分担する力の低減を図れる分、より大きな回転力を伝達する(許容負荷トルクを大きくする)事ができる。又、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25の数が多い分、組み込む玉26、26及び円筒ころ27、27の全数を減らす事なく、対となるアウター側、インナー側各凹溝24、25同士の間に組み込んだ上記各玉26、26や上記各円筒ころ27、27の軸方向全体としての長さを短くできる。そして、この様に、対となるアウター側、インナー側各凹溝24、25同士の間に存在する上記各玉26、26や上記各円筒ころ27、27の軸方向全体としての長さを短くできる分、上記各凹溝24、25のうちで、これら各玉26、26や各円筒ころ27、27から外れた部分の軸方向長さを確保して、ステアリングシャフト20の伸縮ストロークを確保し易くできる。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第3例]
図6は、請求項1、2、4、5に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、互いに対になるアウター側凹溝24、24とインナー側凹溝25、25とによりそれぞれ構成される凹溝組を、アウターシャフト21及びインナーシャフト22の円周方向等間隔複数個所に設けている。この様な本例の場合には、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25がそれぞれ均一に弾性変形し易くでき、これら各凹溝24、25に圧痕等の損傷をより生じにくくできる。又、これと共に、これらアウターシャフト21並びにインナーシャフト22を所望通りに形成し易くでき、その分、これらアウターシャフト21とインナーシャフト22との軸方向相対変位(ステアリングシャフト20の伸縮)の円滑化と、円周方向のがたつき防止との両立を高度に図れる。
しかも、本例の場合には、アウター側、インナー側各凹溝24、25の数が多い分、回転力の伝達の際の、各玉26、26や各円筒ころ27、27(例えば図1参照)がそれぞれ分担する力の低減を図れ、圧痕等の損傷をより生じにくくできる。逆に言えば、この様に分担する力の低減を図れる分、より大きな回転力を伝達する(許容負荷トルクを大きくする)事ができる。又、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25の数が多い分、組み込む円筒ころ27、27の数を減らす事なく、これらアウター側、インナー側各凹溝24、25のうちで、玉26、26や円筒ころ27、27から外れた部分の軸方向長さを長くできる。そして、この外れた部分の軸方向長さを長くできる分、ステアリングシャフト20の伸縮ストロークを確保し易くできる。尚、本例の場合には、上記アウターシャフト21の断面形状が弾性変形しにくくなるので、締め代に対する変形抵抗を低く(鈍感に)する事はできない。
その他の部分の構造及び作用は、前述した実施の形態の第1〜2例の場合と同様であるから、重複する説明は省略する。
[実施の形態の第4例]
図7は、請求項1、2、4に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合には、互いに対になるアウター側凹溝24とインナー側凹溝25とによりそれぞれ構成される凹溝組内に、2個の玉26、26と1個の円筒ころ27aとを、この円筒ころ27aを各玉26、26により軸方向両側から挟む状態で、それぞれ設けている。即ち、本例の場合には、前述した実施の形態の第1例の円筒ころ27に比べて、軸方向に長い(アスペクト比が大きい)円筒ころ27aを用いると共に、この様な軸方向に長い円筒ころ27aの軸方向両端面を上記各玉26、26に対向させている。この様な軸方向に長い円筒ころ27aを用いた本例の構造の場合には、部品点数の低減を図れ、組立の容易化等を図れる。
但し、この様な本例の構造の場合、大きな回転力が加わった場合に、上記軸方向に長い円筒ころ27aの外周面と上記アウター側、インナー側各凹溝24、25と内面との間の隙間の存在と、アウターシャフト21及びインナーシャフト22の捩れとに伴い、上記円筒ころ27aの外周面が上記アウター側、インナー側各凹溝24、25の内面(内側面)と局部当りし易くなる可能性がある。そして、この様な局部当りが生じた場合には、当該部分の面圧が過度に高くなる他、上記回転力が解除される際に、当該部分で擦れ合い(こじり、スティック滑り)を生じ易くなる可能性がある。
そこで、本例の場合には、この様な不都合を防止すべく、上記軸方向に長い円筒ころ27aの軸方向両端部に、この端部に進むほど外径が小さくなる方向に傾斜した部分円すい凸面状のテーパ面部28、28(又はクラウニング)を設けている。又、これと共に、上記円筒ころ27aの転動面の端縁とこれら各テーパ面部28、28の端縁とを、隅R状の如き曲面により滑らかに連続させている。この為、上述の様な局部当りが生じる事(面圧が過度に高くなったり、擦れ合いを生じる事)を防止できる。
その他の部分の構造及び作用は、前述した実施の形態の第1〜3例の場合と同様であるから、重複する説明は省略する。
[実施の形態の第5例]
図8は、請求項1、2、4、5に対応する、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例の場合は、円筒状のアウターシャフト21aの一部でアウター側凹溝24、24から円周方向に外れた部分の肉厚を、この外れた部分及びこのアウター側凹溝24、24以外の部分の肉厚に比べて小さくすると共に、円筒状に形成したインナーシャフト22aの一部でインナー側凹溝25、25から外れた部分の肉厚を、この外れた部分及びこのインナー側凹溝25、25以外の部分の肉厚に比べて小さくしている。即ち、本例の場合には、上記アウターシャフト21aのうち、アウター側凹溝24、24を設けた部分から外れた部分(アウター側凹溝24、24に対して90度位相が異なる2個所部分)に、このアウターシャフト21aの内周面から径方向外方に凹入する状態で薄肉部29aを設けると共に、同じくアウターシャフト21aの外周面から径方向内方に凹入する状態で薄肉部29bを設けている。又、これと共に、上記インナーシャフト22aのうち、インナー側凹溝25、25を設けた部分から外れた部分(インナー側凹溝25、25に対して90度位相が異なる2個所部分)に、このインナーシャフト22aの内周面から径方向外方に凹入する状態で薄肉部29cを設けると共に、同じくインナーシャフト22aの外周面から径方向内方に凹入する状態で薄肉部29dを設けている。
この様な本例の場合は、上記各薄肉部29a、29b、29c、29dを設けた部分が弾性変形し易くなる為、回転力の増大に伴って、アウター側、インナー側各凹溝24、25と各円筒ころ27、27(例えば図1参照)とを係合し(噛み合い)易くできる。この為、回転力の伝達の際に、これら各円筒ころ27、27により、大きいトルクを確実に分担でき、圧痕等の損傷を生じにくくできる。しかも、上記各薄肉部29a、29b、29c、29dの形状や深さ、位置、数等を調節する事で、回転力の伝達の際に、上記各円筒ころ27、27が回転力を分担し始めるタイミングを調整し易くできる(所望のタイミングに規制し易くできる)。又、締め代に対する変形抵抗を鈍感にでき、この面からも、圧痕等の損傷を生じにくくできる。
尚、上記各薄肉部29a、29b、29c、29dは、本例の様に、上記アウターシャフト21aの内外両周面と上記インナーシャフト22aの内外両周面との総ての周面に設ける事もできるし、例えば何れかの周面にのみ設ける事もできる。又、上記各薄肉部29a、29b、29c、29dの数や形状、深さ、寸法、位置等も、種々選択できる。これらは、必要とされる性能(弾性変形の程度や変形抵抗等)等に応じて決定する。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1〜4例と同様であるから、重複する説明は省略する。
[実施の形態の第6例]
図9〜10は、請求項3に対応する、本発明の実施の形態の第6例を示している。本例の場合には、インナーシャフト22及びアウターシャフト21(例えば図1、2参照)の円周方向に関する玉26aの剛性を、同じく円筒ころ27(例えば図1参照)の剛性に比べて小さくしている(玉26aの剛性≪円筒ころ27の剛性としている)。即ち、回転力の伝達時に、この回転力の増大に伴って、アウター側、インナー側各凹溝24、25(例えば図1、2参照)と円筒ころ27とを係合し易くすべく、玉26aをこの円筒ころ27に比べて、形状の相違に基づく以上に、より弾性変形し易くしている。この為に、本例の場合には、この玉26aを中空のものとすると共に、この玉26aに内外両周面を貫通する状態でスリット30を設けている。この様なスリット30は、図9に示す様な曲線状(波状)のものとする事ができる他、例えば図10(A)に示す様な凸凹状としたり、同図(B)に示す様な直線状とする事もできる。
この様な本例の場合には、上記玉26aがより弾性変形し易くなる分、この玉26aに上記アウター側、インナー側各凹溝24、25に対する締め代を持たせた場合にも、ステアリングシャフト20(例えば図1参照)の伸縮時に、この締め代に拘らず、上記玉26aを転がり易くできる。又、上記玉26aを弾性変形し易くできる分、この玉26aの外径と上記円筒ころ27の外径との差を大きくできる。又、これと共に、これら玉26aや円筒ころ27、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25や、これらアウター側、インナー側各凹溝24、25を設けたアウターシャフト21及びインナーシャフト22の形状精度、寸法精度を、高度に確保する必要もなくなる。又、これらアウターシャフト21やインナーシャフト22を弾性変形し易くする必要もなくなり{例えば、肉厚を調節したり、各薄肉部29a、29b、29c、29d(図8参照)を設ける必要がなくなり}、その分、これらアウターシャフト21やインナーシャフト22の加工の容易化を図れる。
尚、本例の場合には、玉26aを中空にすると共にスリット33を設けているが、例えばこの玉26aを充実体とする事もできる。この様に玉26aを充実体とした場合には、例えば、この玉26aを構成する材料により、所望の弾性を得られる様にする。例えば、この玉26aを構成する素材として、一般的な軸受鋼とはヤング率の異なる(軸受鋼に比べてヤング率が低い)、ステンレス鋼や、鋳鉄、アルミニウム合金、銅、黄銅(真鍮)、合成樹脂等を採用する事ができる。或いは、円筒ころ27を、ヤング率の高いセラミック製とし、玉26aを軸受鋼製とする事もできる。又、上記玉26aの表面に、この表面から凹入する状態で凹部を設ける事により、この玉26aの表面微小範囲でのつぶれ剛性を小さくし、所望の弾性を得られる様にする事もできる。又、この玉26aの表面に硬質クロムメッキ等の表面処理を施して、所望の弾性を得られる様にしても良い。何れの場合にも、玉26aの弾性を調節する(玉26aの弾性係数、弾性領域等を調節する)と共に、これら各玉26aと各円筒ころ27の外径とを調節する事により、図11に示す様に、初期捩り剛性や、上記各円筒ころ27、27が回転力を分担し始めるタイミング等を所望に調整できる。この為、車両に求められる操舵特性に合わせた最適設定を容易に行える。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1〜5例と同様であるから、重複する説明は省略する。
[本発明を実施する場合の留意点]
本発明は、以上に述べた各実施の形態の構造に限らず、これら各実施の形態の構造を適宜組み合わせる等、種々の構造で実施可能である。又、構成各部の形状、構造、材質に就いても、各種変更実施できる。
本発明の伸縮式回転伝達軸は、例えば前述の図12に示した、電動式パワーステアリング装置を備えた自動車用操舵装置の構成部材のうち、中間シャフト5に適用して、大きな効果を得られる。但し、この中間シャフト5に限らず、ステアリングコラム9の内側に配置するステアリングシャフト3(20)として実施する事もできる。更には、自動車用操舵装置を構成するシャフトに限らず、工作機械、遊具等、各種回転機械装置を構成する回転伝達用シャフトとして実施する事もできる。
本発明の実施の形態の第1例を示す、図2のイ−イ断面図。 図1のロ−ロ断面に相当する図。 凹溝の断面形状を単一円弧とした、図2のハ部に相当する図で、(A)は、各玉に締め代を持たせた場合の中立状態を、(B)は、同じく締め代を持たせていない場合のトルク伝達時の状態を、それぞれ示している。 凹溝の断面形状をゴシックアーチとした、図2のハ部に相当する図で、(A)は回転力(トルク)が加わっていない状態(無負荷時)を、(B)は回転力(トルク)が加わった状態を、それぞれ示している。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図2と同様の断面図。 同第3例を示す、図2と同様の断面図。 同第4例を示す、図1と同様の断面図。 同第5例を示す、図2と同様の断面図。 同第6例を、玉のみを取り出して示す正面図。 玉に形成するスリットの別の2例を示す図。 捩れ角と回転力(トルク)との関係を示す線図。 自動車用操舵装置の1例を示す、部分縦断側面図。 従来から知られている伸縮式回転伝達軸の1例を示す、図2と同様の断面図。 同分解斜視図。
符号の説明
1 ステアリングホイール
2 ステアリングギヤユニット
3、3a ステアリングシャフト
4a、4b 自在継手
5 中間シャフト
6 入力軸
7 タイロッド
8 電動モータ
9 ステアリングコラム
10、10a アウターシャフト
11、11a インナーシャフト
12 アウターコラム
13 インナーコラム
14 鋼球
15 保持器
16 弾性部材
17 円柱部材
18 アウター側凹溝
19 インナー側凹溝
20 ステアリングシャフト
21、21a アウターシャフト
22、22a インナーシャフト
23a、23b 伝達駒
24、24a アウター側凹溝
25、25a インナー側凹溝
26、26a 玉
27、27a 円筒ころ
28 テーパ面部
29a、29b、29c、29d 薄肉部
30 スリット

Claims (5)

  1. 外周面の円周方向複数個所に、径方向内方に凹入したインナー側凹溝を軸方向に設けたインナーシャフトと、内周面の円周方向複数個所で上記各インナー側凹溝と整合する位置に、径方向外方に凹入したアウター側凹溝を軸方向に設けた、上記インナーシャフトを挿入自在なアウターシャフトと、上記各インナー側凹溝と上記各アウター側凹溝との間に設けられた複数の伝達駒とを備え、上記アウターシャフトと上記インナーシャフトとを、互いの間での回転力の伝達及び軸方向の相対変位を可能に組み合わせた
    伸縮式回転伝達軸に於いて、
    上記各伝達駒のうちの一部を玉とし、残部を円筒ころとすると共に、互いに対になる上記インナー側凹溝と上記アウター側凹溝とによりそれぞれ構成される各凹溝組内に、上記玉と上記円筒ころとの両方を設け、更に、上記玉の外径を上記円筒ころの外径よりも大きくする事により、回転力が小さい状態では、上記玉のみがインナー側、アウター側各凹溝との係合に基づきこの回転力の伝達を行い、この回転力が大きい状態では、上記玉並びにこの玉と係合するインナー側、アウター側各凹溝の弾性変形に伴い上記円筒ころもこれらインナー側、アウター側各凹溝と係合し、上記回転力の伝達を行う
    事を特徴とする伸縮式回転伝達軸。
  2. 玉と円筒ころとのうちの玉にのみ、インナー側、アウター側各凹溝に対する締め代を持たせた、
    請求項1に記載した伸縮式回転伝達軸。
  3. インナーシャフト及びアウターシャフトの円周方向に関する玉の剛性を、同じく円周方向に関する円筒ころの剛性に比べて小さくした、
    請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した伸縮式回転伝達軸。
  4. 互いに対になるインナー側凹溝とアウター側凹溝とによりそれぞれ構成される各凹溝組内の、インナーシャフト及びアウターシャフトの軸方向に関する両端部に、それぞれ玉を設けた、
    請求項1〜3のうちの何れか1項に記載した伸縮式回転伝達軸。
  5. 互いに対になるインナー側凹溝とアウター側凹溝とによりそれぞれ構成される各凹溝組を、インナーシャフト及びアウターシャフトの円周方向等間隔複数個所に設けた、
    請求項1〜4のうちの何れか1項に記載した伸縮式回転伝達軸。
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