JP2010065793A - 伸縮式回転伝達軸 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】互いに対になるアウター側凹溝24とインナー側凹溝25とにより構成される凹溝組内に、玉26、26と円筒ころ27、27との両方を混在させる。又、これら各玉26、26の外径を、これら各円筒ころ27、27の外径よりも大きくする。そして、回転力が小さい状態では、上記各玉26、26のみで、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25との係合(当接)に基づきこの回転力の伝達を行わせる。又、この回転力が大きい状態では、上記玉26、26等の弾性変形に伴い、上記各円筒ころ27、27にも、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25と係合(当接)し、上記回転力の伝達を行わせる。
【選択図】図1
Description
このうちのインナーシャフトは、外周面の円周方向複数個所に、径方向内方に凹入したインナー側凹溝を、軸方向に設けている。
又、上記アウターシャフトは、上記インナーシャフトを挿入自在なもので、内周面の円周方向複数個所で上記インナー側凹溝と整合する位置に、径方向外方に凹入したアウター側凹溝を、軸方向に設けている。
又、上記各伝達駒は、上記各インナー側凹溝と上記各アウター側凹溝との間に設けられている。
そして、上記アウターシャフトと上記インナーシャフトとを、互いの間での回転力(トルク)の伝達及び軸方向の相対変位を可能に組み合わせている。
この場合には、例えば、上記玉と上記円筒ころとで材質を変えたり(玉の材質を円筒ころの材質に比べて弾性変形し易いものとしたり)、或は、このうちの玉を中空のものとすると共に、この玉に内外両周面を貫通する状態でスリットを設ける事もできる。又、この玉(中空であるか充実体であるかは問わない)の外周面に、この外周面から径方向内方に凹入する状態で(貫通しない)凹部を設ける事により、この玉の表面(外周面)を弾性変形し易くする事もできる。
又、好ましくは、請求項5に記載した発明の様に、互いに対になるインナー側凹溝とアウター側凹溝とによりそれぞれ構成される各凹溝組を、インナーシャフト及びアウターシャフトの円周方向等間隔複数個所に設ける。
即ち、本発明の場合には、玉に弾性力を付与する為の弾性部材を設ける必要がない分、廉価に構成できる。又、上記回転力の伝達を、上記玉だけでなく円筒ころを介して行う事ができる為、その分(円筒ころにより当接面積を大きくできる分)大きな回転力を伝達できる(許容負荷トルクを大きくできる)。又、この様に大きな回転力の伝達を、上記円筒ころが分担する事により、上記玉と凹溝との当接部の面圧が過度に大きくなる事も防止でき、圧痕等の損傷を生じにくくできる。
又、請求項3に記載した発明の様に、インナーシャフト及びアウターシャフトの円周方向に関する玉の剛性を、同じく円筒ころの剛性に比べて小さくすれば、回転力の増大に伴って、インナー側、アウター側各凹溝と円筒ころとを係合し(噛み合い)易くできる。この為、上記回転力の伝達の際に、大きい回転力を上記円筒ころにより確実に分担でき、圧痕等の損傷をより生じにくくする事ができる。又、これと共に、上記玉と円筒ころとの剛性を適宜調節する事で、回転力の伝達の際に、上記円筒ころが回転力を分担し始めるタイミングを調整し易くできる(所望のタイミングに規制し易くできる)。
図1〜2は、請求項1、2、4、5に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例は、本発明の伸縮式回転伝達軸をステアリングシャフト20として実施する場合の構造に就いて示している。但し、この様なステアリングシャフト20に限らず、例えば前述の図12に示した中間シャフト5等の、回転力(トルク)の伝達と軸方向の伸縮との両方の機能を必要とされる、各種シャフトとして実施する事ができる。何れにしても、本例のステアリングシャフト20は、例えば炭素鋼等の金属材に、押出加工或いは切削加工を施す事により形成されたアウターシャフト21と、同じく炭素鋼等の金属材に、押出加工、鍛造加工、或いは切削加工を施す事により形成されたインナーシャフト22と、同じくそれぞれが炭素鋼、軸受鋼、ステンレス鋼等の金属材や合成樹脂、高機能樹脂等の非金属材料により造られた複数の伝達駒23a、23bとを備える。このうちのアウターシャフト21は、円筒状のもので、内周面の円周方向2個所位置(180度反対側位置)に、この内周面から径方向外方に凹入する状態でアウター側凹溝24、24を、軸方向に設けている。
即ち、本例の場合には、各玉26、26に弾性力を付与する為の弾性部材(例えば図13〜14の弾性部材16)を設けなくて済む分、部品製作、部品管理、組立作業を何れも単純化して、廉価に構成できる。又、これと共に、これら各玉26、26だけでなく各円筒ころ27、27を介して回転力の伝達を行う事ができる為、その分(当接面積が大きい各円筒ころ27、27が凹溝24、25の内面と当接する分)、大きな回転力を伝達できる(許容負荷トルクを大きくできる)。又、この様に大きな回転力の伝達を、上記各円筒ころ27、27が分担する事により、上記各玉26、26と各凹溝24、25との当接部の面圧が過度に大きくなる事も防止でき、圧痕等の損傷を生じにくくできる。
図5は、請求項1、2、4に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、互いに対になるアウター側凹溝24、24とインナー側凹溝25、25とによりそれぞれ構成される6組の凹溝組を、アウターシャフト21及びインナーシャフト22の径方向反対側(180度反対側)位置に、それぞれ3組ずつ設けている。即ち、本例の場合には、上記アウターシャフト21の内周面の径方向反対位置に、この内周面から径方向外方に凹入する状態で、それぞれ3本ずつ(合計で6本)の、上記アウター側凹溝24、24を設けている。又、上記インナーシャフト22の外周面の径方向反対側位置で、且つ、上記各アウター側凹溝24、24と対向する部分に、この外周面から径方向内方に凹入する状態で、それぞれ3本ずつ(合計で6本)の、上記インナー側凹溝25、25を設けている。そして、上記各アウター側凹溝24、24と上記各インナー側凹溝25、25との間に、玉26、26並びに円筒ころ27、27(例えば図1参照)を、それぞれ設けている。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
図6は、請求項1、2、4、5に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、互いに対になるアウター側凹溝24、24とインナー側凹溝25、25とによりそれぞれ構成される凹溝組を、アウターシャフト21及びインナーシャフト22の円周方向等間隔複数個所に設けている。この様な本例の場合には、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25がそれぞれ均一に弾性変形し易くでき、これら各凹溝24、25に圧痕等の損傷をより生じにくくできる。又、これと共に、これらアウターシャフト21並びにインナーシャフト22を所望通りに形成し易くでき、その分、これらアウターシャフト21とインナーシャフト22との軸方向相対変位(ステアリングシャフト20の伸縮)の円滑化と、円周方向のがたつき防止との両立を高度に図れる。
その他の部分の構造及び作用は、前述した実施の形態の第1〜2例の場合と同様であるから、重複する説明は省略する。
図7は、請求項1、2、4に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合には、互いに対になるアウター側凹溝24とインナー側凹溝25とによりそれぞれ構成される凹溝組内に、2個の玉26、26と1個の円筒ころ27aとを、この円筒ころ27aを各玉26、26により軸方向両側から挟む状態で、それぞれ設けている。即ち、本例の場合には、前述した実施の形態の第1例の円筒ころ27に比べて、軸方向に長い(アスペクト比が大きい)円筒ころ27aを用いると共に、この様な軸方向に長い円筒ころ27aの軸方向両端面を上記各玉26、26に対向させている。この様な軸方向に長い円筒ころ27aを用いた本例の構造の場合には、部品点数の低減を図れ、組立の容易化等を図れる。
その他の部分の構造及び作用は、前述した実施の形態の第1〜3例の場合と同様であるから、重複する説明は省略する。
図8は、請求項1、2、4、5に対応する、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例の場合は、円筒状のアウターシャフト21aの一部でアウター側凹溝24、24から円周方向に外れた部分の肉厚を、この外れた部分及びこのアウター側凹溝24、24以外の部分の肉厚に比べて小さくすると共に、円筒状に形成したインナーシャフト22aの一部でインナー側凹溝25、25から外れた部分の肉厚を、この外れた部分及びこのインナー側凹溝25、25以外の部分の肉厚に比べて小さくしている。即ち、本例の場合には、上記アウターシャフト21aのうち、アウター側凹溝24、24を設けた部分から外れた部分(アウター側凹溝24、24に対して90度位相が異なる2個所部分)に、このアウターシャフト21aの内周面から径方向外方に凹入する状態で薄肉部29aを設けると共に、同じくアウターシャフト21aの外周面から径方向内方に凹入する状態で薄肉部29bを設けている。又、これと共に、上記インナーシャフト22aのうち、インナー側凹溝25、25を設けた部分から外れた部分(インナー側凹溝25、25に対して90度位相が異なる2個所部分)に、このインナーシャフト22aの内周面から径方向外方に凹入する状態で薄肉部29cを設けると共に、同じくインナーシャフト22aの外周面から径方向内方に凹入する状態で薄肉部29dを設けている。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1〜4例と同様であるから、重複する説明は省略する。
図9〜10は、請求項3に対応する、本発明の実施の形態の第6例を示している。本例の場合には、インナーシャフト22及びアウターシャフト21(例えば図1、2参照)の円周方向に関する玉26aの剛性を、同じく円筒ころ27(例えば図1参照)の剛性に比べて小さくしている(玉26aの剛性≪円筒ころ27の剛性としている)。即ち、回転力の伝達時に、この回転力の増大に伴って、アウター側、インナー側各凹溝24、25(例えば図1、2参照)と円筒ころ27とを係合し易くすべく、玉26aをこの円筒ころ27に比べて、形状の相違に基づく以上に、より弾性変形し易くしている。この為に、本例の場合には、この玉26aを中空のものとすると共に、この玉26aに内外両周面を貫通する状態でスリット30を設けている。この様なスリット30は、図9に示す様な曲線状(波状)のものとする事ができる他、例えば図10(A)に示す様な凸凹状としたり、同図(B)に示す様な直線状とする事もできる。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1〜5例と同様であるから、重複する説明は省略する。
本発明は、以上に述べた各実施の形態の構造に限らず、これら各実施の形態の構造を適宜組み合わせる等、種々の構造で実施可能である。又、構成各部の形状、構造、材質に就いても、各種変更実施できる。
2 ステアリングギヤユニット
3、3a ステアリングシャフト
4a、4b 自在継手
5 中間シャフト
6 入力軸
7 タイロッド
8 電動モータ
9 ステアリングコラム
10、10a アウターシャフト
11、11a インナーシャフト
12 アウターコラム
13 インナーコラム
14 鋼球
15 保持器
16 弾性部材
17 円柱部材
18 アウター側凹溝
19 インナー側凹溝
20 ステアリングシャフト
21、21a アウターシャフト
22、22a インナーシャフト
23a、23b 伝達駒
24、24a アウター側凹溝
25、25a インナー側凹溝
26、26a 玉
27、27a 円筒ころ
28 テーパ面部
29a、29b、29c、29d 薄肉部
30 スリット
Claims (5)
- 外周面の円周方向複数個所に、径方向内方に凹入したインナー側凹溝を軸方向に設けたインナーシャフトと、内周面の円周方向複数個所で上記各インナー側凹溝と整合する位置に、径方向外方に凹入したアウター側凹溝を軸方向に設けた、上記インナーシャフトを挿入自在なアウターシャフトと、上記各インナー側凹溝と上記各アウター側凹溝との間に設けられた複数の伝達駒とを備え、上記アウターシャフトと上記インナーシャフトとを、互いの間での回転力の伝達及び軸方向の相対変位を可能に組み合わせた
伸縮式回転伝達軸に於いて、
上記各伝達駒のうちの一部を玉とし、残部を円筒ころとすると共に、互いに対になる上記インナー側凹溝と上記アウター側凹溝とによりそれぞれ構成される各凹溝組内に、上記玉と上記円筒ころとの両方を設け、更に、上記玉の外径を上記円筒ころの外径よりも大きくする事により、回転力が小さい状態では、上記玉のみがインナー側、アウター側各凹溝との係合に基づきこの回転力の伝達を行い、この回転力が大きい状態では、上記玉並びにこの玉と係合するインナー側、アウター側各凹溝の弾性変形に伴い上記円筒ころもこれらインナー側、アウター側各凹溝と係合し、上記回転力の伝達を行う
事を特徴とする伸縮式回転伝達軸。 - 玉と円筒ころとのうちの玉にのみ、インナー側、アウター側各凹溝に対する締め代を持たせた、
請求項1に記載した伸縮式回転伝達軸。 - インナーシャフト及びアウターシャフトの円周方向に関する玉の剛性を、同じく円周方向に関する円筒ころの剛性に比べて小さくした、
請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した伸縮式回転伝達軸。 - 互いに対になるインナー側凹溝とアウター側凹溝とによりそれぞれ構成される各凹溝組内の、インナーシャフト及びアウターシャフトの軸方向に関する両端部に、それぞれ玉を設けた、
請求項1〜3のうちの何れか1項に記載した伸縮式回転伝達軸。 - 互いに対になるインナー側凹溝とアウター側凹溝とによりそれぞれ構成される各凹溝組を、インナーシャフト及びアウターシャフトの円周方向等間隔複数個所に設けた、
請求項1〜4のうちの何れか1項に記載した伸縮式回転伝達軸。
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