JP6471803B2 - 伸縮式回転伝達軸及びその製造方法 - Google Patents

伸縮式回転伝達軸及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、回転力(トルク)を伝達可能で、且つ、軸方向に伸縮可能なシャフトとして使用する、伸縮式回転伝達軸の改良に関する。伸縮式回転伝達軸としては、自動車の操舵装置を構成するステアリングシャフトや中間シャフト(インターミディエイトシャフト)等が例示される。
自動車の操舵装置は、例えば図7に示す様に構成して、ステアリングホイール1の動きをステアリングギヤユニット2に伝達する。ステアリングホイール1の動きは、ステアリングシャフト3と、自在継手4aと、中間シャフト5と、自在継手4bと、を介して、ステアリングギヤユニット2の入力軸6に伝達される。すると、ステアリングギヤユニット2が、左右1対のタイロッド7、7を押し引きして、操舵輪に所望の舵角を付与する。尚、図7に示した例では、電動式パワーステアリング装置が組み込まれている。この電動式パワーステアリング装置では、電動モータ8によって、ステアリングシャフト3に対して、運転者がステアリングホイール1に加えた力に応じた補助力を付与する。
又、上述の様な操舵装置を構成するステアリングシャフト3や中間シャフト5として、例えば特許文献1、2に記載されたものが従来から知られている。特許文献1、2に記載された構造の場合には、内軸と外軸との間に複数個の玉を配置する事により、各玉を介して内輪及び外輪同士の間で回転力を伝達可能とすると共に、内輪及び外輪同士の軸方向に関する相対変位を可能としている。
図8〜9は、この様な回転力を伝達可能で、且つ、軸方向の相対変位(伸縮)を可能とした伸縮式回転伝達軸(以後、「伝達軸」と呼ぶことがある。)の1例を示している。
図8〜9に示した伝達軸は、内軸9と、外軸10と、複数の玉11、11と、を備える。
内軸9の外周面には、円周方向2個所に、径方向内方に凹入する状態で、内側凹溝12、12を、それぞれ軸方向に形成している。又、内軸9の外周面には、各内側凹溝12、12に対し円周方向に関する位相が90度ずれた位置に、各内側凹溝12、12と同形状であるが、組立状態で各玉11、11が配置されない、内側予備凹溝13、13を設けている。
又、外軸10は、内軸9を挿入可能な中空筒状である。外軸10の内周面には、円周方向2個所に、径方向外方に凹入する状態で、外側凹溝14、14を、それぞれ軸方向に形成している。外側凹溝14、14は、各内側凹溝12、12と整合する位置に形成される。又、外軸10の内周面には、各外側凹溝14、14に対し円周方向に関する位相が90度ずれた位置に、各外側凹溝14、14と同形状であるが、組立状態で各玉11、11が配置されない、外側予備凹溝15、15を設けている。
又、各玉11、11は、内側、外側各凹溝12、14同士の間に、それぞれ配置されている。各玉11、11は、図8に示す様に、内側、外側各凹溝12、14同士の間に、それぞれ複数個ずつ、軸方向に直列に並べた状態で配置している。そして、内軸9及び外軸10同士の間で、各玉11、11を介して回転の伝達が可能で、且つ、内軸9及び外軸10同士が互いに軸方向に摺動可能としている。
ところで、上述した様な伝達軸に関して従来から、がたつきや異音の発生を抑制すると共に、安定した伸縮動作を確保する為に、各玉の転動面と内側凹溝との間、及び、各玉の転動面と外側凹溝との間に、それぞれ案内板を組み込む構造が考えられている(例えば特許文献3参照)。
かかる構造を実施する場合には、例えば、図10に示す様に、案内板45の一部を、凹溝(内側凹溝、外側凹溝)46の内面と玉47の転動面との間に挟持する構成を採用する事が考えられる。この様な構成を採用する場合、案内板45の側面と玉47の転動面との接触部の面圧が大きくなると、その分、耐久性が低下する。したがって、当該接触部の面圧を小さくすべく、当該接触部の面積を大きくできる構造を実現する事が望まれる。
日本国特開2008−6903号公報 日本国特開2007−16951号公報 日本国特表2011−500421号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、伸縮式回転伝達軸に関し、案内板の側面と玉の転動面との接触部の面積を確保して、耐久性の向上を図れる構造を実現すべく発明したものである。
本発明の対象となる伸縮式回転伝達軸は、内軸と、外軸と、複数個の玉と、案内板と、を備える。
前記内軸は、外周面の円周方向の少なくとも1個所に内側凹溝を軸方向に形成されている。
又、前記外軸は、内周面の円周方向の少なくとも1個所で前記内側凹溝と整合する位置に、外側凹溝を軸方向に形成されている。
又、前記各玉は、前記内側凹溝と前記外側凹溝との間部分に軸方向に並べて配置されている。
又、前記案内板は、前記各玉の転動面と前記内側凹溝の内面との間部分と、前記各玉の転動面と前記外側凹溝の内面との間部分と、のうち、少なくとも一方の間部分に挟持されている。
そして、前記各玉(及び前記案内板)を介して前記内軸と前記外軸との間で回転力を伝達可能とすると共に、前記内軸と前記外軸との軸方向に関する相対変位を可能としている。
前記案内板のうち少なくとも1つの案内板である対象案内板は、前記各玉の転動面側に位置する径方向片側面と、これら各玉の転動面とが、円周方向中央部を挟んで円周方向に離隔した2個所の接触部のみで接触している。
又、前記対象案内板のうち前記各玉の転動面と反対側に位置する径方向他側面と対向する、前記内側凹溝又は前記外側凹溝の内面には、前記2個所の接触部と円周方向の位相が一致する円周方向2個所(前記2個所の接触部に対して前記対象案内板の板厚方向に対向する円周方向2個所)のうちの少なくとも1個所に、副凹溝が形成されている。副凹溝は、好ましくは軸方向に形成されている。
又、前記対象案内板のうち、前記各玉の転動面と前記副凹溝の内面との間に挟まれた部分は、前記各玉の転動面側の径方向片側面を前記各玉の転動面によって押圧される事により、前記各玉の転動面に沿って湾曲した状態で、前記各玉の転動面と反対側の径方向他側面を前記副凹溝の内面により支承されている。
、前記副凹溝の内面の断面形状を円弧形にすると共に、前記円弧形の断面形状の曲率半径を、前記各玉の転動面の曲率半径と、前記対象案内板のうちで前記各玉の転動面と前記副凹溝の内面との間に挟まれた部分の板厚との和よりも大きくする
例えば、前記内側凹溝と前記外側凹溝とのうちの少なくとも何れか一方の凹溝の内面を径方向に弾性変形させる事により、(例えば、前記対象案内板の弾力によらず、)前記各玉に予圧を付与してもよい。
本発明の伸縮式回転伝達軸の製造方法においては、前記対象案内板のうちで、前記各玉の転動面と前記副凹溝の内面との間に挟まれた部分を、前記伸縮式回転伝達軸の組立前の状態では、前記各玉の転動面と反対側の径方向他側面が前記副凹溝の内面に接触しない形状としておき、前記伸縮式回転伝達軸を組み立てる際に、前記各玉の転動面側の径方向片側面を前記各玉の転動面によって押圧する事により、前記各玉の転動面と反対側の径方向他側面が前記副凹溝の内面に接触する状態になるまで湾曲(例えば当該内面に沿って湾曲)させてもよい。
又、本発明の伸縮式回転伝達軸の製造方法においては、前記内側凹溝又は前記外側凹溝のうち、前記対象案内板の径方向他側面と対向する凹溝の内面を、前記各玉の転動面によって、前記対象案内板のうちで前記凹溝の内面と前記各玉の転動面との間に挟まれた部分を介して押圧する事により、前記凹溝の内面を塑性変形させて、前記副凹溝を形成してもよい。
又、例えば、前記外軸と前記内軸とを軸方向に相対変位させる事により、前記副凹溝を軸方向に連続する状態で形成してもよい。
例えば、前記外軸の内側に前記内軸を挿入した状態で、前記内軸と前記外軸との間でトルクを伝達する事により、前記副凹溝を形成してもよい。
例えば、前記外軸の内側に前記内軸を挿入した状態で、前記内軸と前記外軸とを互いの中心軸同士が不一致になる様に相対変位させる(例えば傾斜させる)事により、前記副凹溝を形成してもよい。
例えば、前記伸縮式回転伝達軸を車両に搭載する(組み付ける)前の状態で、前記副凹溝を形成してもよい。
例えば、前記伸縮式回転伝達軸を車両に搭載した後の状態で、前記副凹溝を事後的、副次的に形成してもよい。
例えば、前記内軸と前記外軸とのうち前記副凹溝が形成される軸の硬さ(少なくとも凹溝の内面の表面硬さ)を、前記各玉の硬さ、及び、前記対象案内板の硬さよりもそれぞれ低くしてもよい。
例えば、前記各玉の転動面と前記内側凹溝の内面との間部分に挟持された内側案内板と、前記各玉の転動面と前記外側凹溝の内面との間部分に挟持された外側案内板とをそれぞれ、前記対象案内板としてもよい。そして、前記副凹溝を、前記内側凹溝の内面と前記外側凹溝の内面との両方にそれぞれ形成してもよい。
例えば、前記各玉の転動面と前記内側凹溝の内面との間部分に挟持された内側案内板(のみ)を前記対象案内板として、前記副凹溝を、内側凹溝の内面にのみ形成してもよい。
例えば、前記各玉の転動面と前記内側凹溝の内面との間部分に挟持された外側案内板(のみ)を前記対象案内板として、前記副凹溝を、外側凹溝の内面にのみ形成してもよい。
本発明の対象となる伸縮式回転伝達軸は、内軸と、外軸と、複数個の玉と、内側案内板と、外側案内板と、を備えてもよい。
前記内軸は、外周面の円周方向の少なくとも1個所に内側凹溝を軸方向に形成されている。
又、前記外軸は、内周面の円周方向の少なくとも1個所で前記内側凹溝と整合する位置に、外側凹溝を軸方向に形成されている。
又、前記各玉は、前記内側凹溝と前記外側凹溝との間部分に軸方向に並べて配置されている。
又、前記内側案内板は、前記各玉の転動面と前記内側凹溝の内面との間に挟持されている。
又、前記外側案内板は、前記各玉の転動面と前記外側凹溝の内面との間に挟持されている。
そして、前記各玉(及び前記内側、外側各案内板)を介して前記内軸と前記外軸との間で回転力を伝達可能とすると共に、前記内軸と前記外軸との軸方向に関する相対変位を可能としている。
前記各玉の転動面と前記内側案内板の径方向外側面とは、円周方向中央部を挟んで円周方向に離隔した2個所の内側接触部のみで接触している。
又、前記各玉の転動面と前記外側案内板の径方向内側面とは、円周方向中央部を挟んで円周方向に離隔した2個所の外側接触部のみで接触している。
又、前記内側凹溝の内面のうちで前記2個所の内側接触部と円周方向の位相が一致する円周方向2個所(前記2個所の内側接触部に対して前記内側案内板の板厚方向に対向する円周方向2個所)と、前記外側凹溝の内面のうちで前記2個所の外側接触部と円周方向の位相が一致する円周方向2個所(前記2個所の外側接触部に対して前記外側案内板の板厚方向に対向する円周方向2個所)と、の合計4個所のうち、少なくとも1個所に副凹溝が軸方向に形成されている。
又、前記内側案内板又は前記外側案内板のうちで、前記各玉の転動面と前記副凹溝の内面との間に挟まれた部分は、前記各玉の転動面側の側面を前記各玉の転動面によって押圧される事によりこれら各玉の転動面に沿って湾曲した状態で、前記各玉の転動面と反対側の側面を前記副凹溝の内面により支承されている。
、前記副凹溝の内面の断面形状を円弧形にすると共に、当該円弧形の断面形状の曲率半径を、前記各玉の転動面の曲率半径と、前記内側案内板又は前記外側案内板のうちで前記各玉の転動面と前記副凹溝の内面との間に挟まれた部分の板厚との和よりも大きくする
例えば、前記内側凹溝と前記外側凹溝とのうちの少なくとも何れか一方の凹溝の内面を径方向に弾性変形させる事により、(例えば、前記内側案内板、及び、前記外側案内板の弾力によらず、)前記各玉に予圧を付与してもよい。
本発明の伸縮式回転伝達軸の製造方法においては、前記内側案内板又は前記外側案内板のうちで、前記各玉の転動面と前記副凹溝の内面との間に挟まれた部分を、前記伸縮式回転伝達軸の組立前の状態では、前記各玉の転動面と反対側の側面が前記副凹溝の内面に接触しない形状としておき、前記伸縮式回転伝達軸を組み立てる際に、前記各玉の転動面側の側面を前記各玉の転動面によって押圧する事により、前記各玉の転動面と反対側の側面が前記副凹溝の内面に接触する状態になるまで湾曲(例えば当該内面に沿って湾曲)させさせてもよい。
本発明の伸縮式回転伝達軸によれば、案内板の側面と玉の転動面との接触部の面積を確保して、耐久性の向上を図れる構造を実現できる。
即ち、案内板(対象案内板、内側案内板と外側案内板とのうちの一方又は両方)のうちで、各玉の転動面と副凹溝の内面との間に挟まれた部分は、前記各玉の転動面側の側面を前記各玉の転動面によって押圧される事により湾曲している。この為、この様に湾曲した分だけ、前記各玉の転動面と、前記案内板の前記転動面側の側面との接触部(内側接触部、外側接触部)の面積を増やす事ができ、前記各接触部に加わる面圧を抑える事ができる。更に、本発明の場合には、前記案内板の側面のうちで前記各接触部に対応する部分には、前記湾曲に伴う圧縮応力が作用する。従って、前記各接触部に対応する部分の強度を高くする事ができる。この結果、耐久性の向上を図れる。
又、前記案内板(対象案内板)のうちで前記各玉の転動面と副凹溝の内面との間に挟まれた部分は、前記各玉の転動面側の側面を前記各玉の転動面によって押圧される事により湾曲した状態で、前記各玉の転動面と反対側の径方向他側面を前記副凹溝の内面により支承されている。この為、内軸と外軸との間で回転力を伝達する際に、前記案内板に大きな撓み変形が生じる事を防止できる。
又、上述した様に、組立後の状態及び回転力の伝達時に、前記案内板に大きな撓み変形が生じる事を防止できる為、前記案内板と前記内軸の外周面又は前記外軸の内周面とが接触する場合にも、当該接触部で過大な摩耗が生じる事を防止できる。
上述のように、径方向に弾性変形する内側凹溝と外側凹溝とのうちの少なくとも何れか一方の凹溝の内面を利用して、各玉に予圧を付与することで、伸縮式回転伝達軸のがたつきを抑えてもよい。この場合、伸縮式回転伝達軸のがたつきを抑えられる構造を、組立後の状態で、案内板(内側案内板、外側案内板)に大きな撓み変形を生じさせる事なく実現できる。この結果、がたつきを抑えられる構造を、案内板の損傷及び各部の摩耗を防止しつつ実現できる。
上述のように、対象案内板のうちで、各玉の転動面と副凹溝の内面との間に挟まれた部分を、伸縮式回転伝達軸の組立前の状態では、各玉の転動面と反対側の径方向他側面が副凹溝の内面に接触しない形状としておき、伸縮式回転伝達軸を組み立てる際に、各玉の転動面側の径方向片側面を各玉の転動面によって押圧する事により、各玉の転動面と反対側の径方向他側面が副凹溝の内面に接触する状態になるまで湾曲(例えば当該内面に沿って湾曲)させてもよい。
この場合、伸縮式回転伝達軸を組み立てる際に、案内板(対象案内板)に対して各玉の転動面を接触させる湾曲部を形成し、これと同時に、当該湾曲部の一部を副凹溝内に進入させる事ができる。この為、各部品の製造誤差に拘わらず、当該湾曲部の一部を前記副凹溝内に進入させる作業を容易に行える。
上述のように、内側凹溝又は外側凹溝のうち、対象案内板の径方向他側面と対向する凹溝の内面を、各玉の転動面によって、対象案内板のうちで凹溝の内面と各玉の転動面との間に挟まれた部分を介して押圧する事により、凹溝の内面を塑性変形させて、副凹溝を形成してもよい。
この場合、各玉を利用して、内側凹溝又は外側凹溝のうち、前記案内板(対象案内板)の径方向他側面と対向する凹溝の内面を塑性変形させる事で、副凹溝を形成できる。この為、副凹溝を、切削加工等により形成する場合に比べて、副凹溝の形成作業自体を容易にできると共に、凹溝の内面のうちで各玉の転動面と案内板との接触部と円周方向の位相が一致する部分に、効率良く形成する事ができる。
又、副凹溝の形成位置に関する製造上のばらつきを抑える事ができる。
又、副凹溝の断面形状を、各玉の転動面の母線形状に合致した形状に(副凹溝の断面形状の曲率半径を、各玉の転動面の曲率半径と案内板の板厚との和に等しくなるように)、容易に加工する事ができる。
実施形態の第1例の伸縮式回転伝達軸の断面図。 実施形態の第1例の伸縮式回転伝達軸の分解斜視図。 図1のA部拡大図。 (a)は、図3の各B部に対応する部分を、組立前の状態で示す図。(b)は、図3の各B部に対応する部分を、組立後の状態で示す図。 実施形態の第2例を示す、図4(a)と同様の図。 (A)は、実施形態の第3例において、図3の各B部に対応する部分を、副凹溝の加工状態で示す図。(B)は、実施形態の第3例において、図3の各B部に対応する部分を、玉を副凹溝の形成位置から軸方向に移動させた状態で示す図。 自動車用操舵装置の1例を示す部分縦断側面図。 従来構造の伸縮式回転伝達軸の1例を示す断面図。 図8のC−C断面図。 凹溝の内面と玉の転動面との間に案内板を挟みこんだ構造の1例を示す部分断面図。 内側案内板のみ設けた別の実施形態を示す断面図。 実施形態の変形例を示す、図1と同様の図。
[実施形態の第1例]
本発明の実施形態の第1例について、図1〜4を参照しつつ説明する。本例の伸縮式回転伝達軸16(以後、「伝達軸」と呼ぶことがある。)は、例えば前述の図7に示した中間シャフト5やステアリングシャフト3等のように、トルク(回転力)の伝達と軸方向の伸縮との両方の機能を必要とされる各種シャフトとして使用される。この為に、伝達軸16は、例えば前述の図8〜9に示した構造と同様に、内軸9aと、外軸10aと、複数の玉11、11と、を備える。さらに、本例の伝達軸16は、内側案内板17と、外側案内板18と、を備える。内側案内板17及び外側案内板18は、特許請求の範囲に記載した対象案内板に相当する。
内軸9aは、鋼等の金属材料により全体を中空状である略十字筒状に造られている。内軸9aの外周面には、円周方向等間隔2個所(直径方向反対側位置)に、内側凹溝12a、12aが、それぞれ径方向内方に凹入すると共に軸方向に伸長する状態で形成されている。又、内軸9aの外周面には、各内側凹溝12a、12aに対して円周方向に関する位相が90度ずれた位置に、各内側凹溝12a、12aと同形状である内側予備凹溝13a、13aが形成されている。内側予備凹溝13a、13aには、伝達軸16の組立状態で各玉11、11が配置されない。
内側凹溝12a、12a及び内側予備凹溝13a、13aは、円筒状の素材の外周面を径方向内方に向けて塑性変形させる事により形成されている。この為、内軸9aの内周面のうち、各内側凹溝12a、12a及び各内側予備凹溝13a、13aと整合する部分は、径方向内方に向けて突出している。
又、各内側凹溝12a(及び内側予備凹溝13a)の断面形状は、各内側凹溝12aの幅方向(円周方向)両側部分に位置する各玉11の転動面の曲率半径R11よりも大きな曲率半径を有し且つ互いの曲率中心が異なる1対の円弧状曲線同士を、各玉11の転動面の曲率半径R11よりも小さな曲率半径を有する円弧状曲線により、各内側凹溝12a(及び内側予備凹溝13a)の幅方向中央部で滑らかに連続させた、ゴシックアーチ状である。
又、各内側凹溝12aの内面のうち、円周方向両端寄り部分となる2個所(後述する2個所の内側接触部28、28と円周方向の位相が一致する円周方向2個所)に、内面の断面形状が円弧形である内側副凹溝19、19(幅W)が形成されている。内側副凹溝19、19は、法線方向に凹入すると共に軸方向に伸長する状態で、各内側凹溝12aの全長に亙り形成されている。又、各内側副凹溝19、19の断面形状の曲率半径R19は、各内側副凹溝19、19に対して幅方向両側に隣り合う部分の断面形状の曲率半径よりも小さく、且つ、各玉11の転動面の曲率半径R11と内側案内板17の板厚tとの和R11+tと等しくなっている(R19=R11+t)か、又は、当該和R11+tよりも少しだけ大きくなっている(R19>R11+t)。又、各内側凹溝12aの内面のうち、各内側副凹溝19、19と、各内側副凹溝19、19の幅方向両側に隣り合う部分と、の連続部は、それぞれ滑らかな部分円筒状の凸曲面になっている。
外軸10aは、鋼等の金属材料により、内軸9aを挿入可能な中空筒状に造られている。外軸10aの外周面は、単一円筒面状に形成される。外軸10aの内周面は、円周方向複数個所に径方向外方に凹入した凹溝が形成されている。
外軸10aの内周面には、各内側凹溝12a、12aと整合する円周方向2個所に、外側凹溝14a、14aが、それぞれ径方向外方に凹入すると共に軸方向に伸長する状態で形成されている。又、外軸10aの内周面には、各外側凹溝14a、14aに対して円周方向に関する位相が45度及び90度ずれた位置に、各外側凹溝14a、14aと同形状である外側予備凹溝15a、15aが形成されている。外側予備凹溝15a、15aには、伝達軸16の組立状態で各玉11、11が配置されない、
外軸10aの内周面には、円周方向に関して各外側凹溝14aと各外側予備凹溝15aとの間部分、及び、円周方向に関して隣り合う外側予備凹溝15a、15a同士の間部分に、小凹溝21、21が形成されている。小凹溝21、21は、外側凹溝14a及び外側予備凹溝15aよりも、径方向に関する深さ寸法及び円周方向に関する開口幅が小さい。
このように、外軸10aの内周面に、本来必要である外側凹溝14a、14aに加えて、各外側予備凹溝15a、15a及び各小凹溝21、21が多数形成される事により、外軸10aの円周方向に関する剛性を低下させて、外軸10aを弾性変形(拡径)させ易くしている。
又、各外側凹溝14a(及び外側予備凹溝15a)の断面形状は、各外側凹溝14aの幅方向(円周方向)両側部分に位置する各玉11の転動面の曲率半径R11よりも大きな曲率半径を有し且つ互いの曲率中心が異なる1対の円弧状曲線同士を、各玉11の転動面の曲率半径R11よりも小さな曲率半径を有する円弧状曲線により、各外側凹溝14a(及び外側予備凹溝15a)の幅方向中央部で滑らかに連続させた、ゴシックアーチ状である。
又、各外側凹溝14aの内面のうち、円周方向両端寄り部分となる2個所(後述する2個所の外側接触部36、36と円周方向の位相が一致する円周方向2個所)に、内面の断面形状が円弧形である外側副凹溝20、20(幅W)が形成されている。外側副凹溝20、20は、当該各個所の法線方向に凹入すると共に軸方向に伸長する状態で、各外側凹溝14aの全長に亙り形成されている。
又、各外側副凹溝20、20の断面形状の曲率半径R20は、各外側副凹溝20、20に対して幅方向両側に隣り合う部分の断面形状の曲率半径よりも小さく、且つ、各玉11の転動面の曲率半径R11と外側案内板18の板厚tとの和R11+tと等しくなっている(R20=R11+t)か、又は、当該和R11+tよりも少しだけ大きくなっている(R20>R11+t)。又、各外側凹溝14aの内面のうち、各外側副凹溝20、20と、各外側副凹溝20、20の幅方向両側に隣り合う部分と、の連続部は、それぞれ滑らかな部分円筒状の凸曲面になっている。
各玉11、11は、例えばSUJ2、SUJ3、SCM420H等の材料から造られている。各玉11、11は、各内側凹溝12a、12aと各外側凹溝14a、14aとの間部分に、軸方向に並べて(直列に)配置されている。特に、本例の場合、各玉11、11はそれぞれ、内側案内板17及び外側案内板18を介して、各内側凹溝12a、12aと各外側凹溝14a、14aとの間部分に配置されている。
内側案内板17は、ステンレス鋼板やばね鋼板等の金属板製である。内側案内板17は、全体が略半円筒状(断面略C字形)に形成されている。又、内側案内板17は、全体的に板厚tが一定である。内側案内板17は、円周方向両端部に設けられた1対の内側案内本体部22、22と、両内側案内本体部22、22同士を連結する1つの内側連結部23と、を備える。
内側案内本体部22の断面形状は、径方向内方に向けて凹んだゴシックアーチ状である。即ち、各内側案内本体部22は、幅方向(円周方向)両側部分に位置する、互いの曲率中心が異なる1対の大径円筒状部24、24を、両大径円筒状部24、24よりも曲率半径の小さい小径円筒状部25により、各内側案内本体部22の幅方向中央部で滑らかに連続させる事により構成されている。
上述の様な構成を有する内側案内板17は、内側連結部23を内軸9aの外周面に締め代を有する状態で外嵌すると共に、各内側案内本体部22、22を内軸9aの外周面に形成された内側凹溝12a、12aに係合させた状態で、内軸9aに装着される。
外側案内板18は、内側案内板17と同様に、ステンレス鋼板やばね鋼板等の金属板製である。外側案内板18は、全体が略半円筒状(断面略C字形)に形成されている。外側案内板18は、全体的に板厚tが一定で、且つ、内側案内板17と同じ板厚である。外側案内板18は、円周方向両端部に設けられた1対の外側案内本体部26、26と、両外側案内本体部26、26同士を連結する1つの外側連結部27と、を備える。
外側案内本体部26の断面形状は、径方向外方に向けて凹んだゴシックアーチ状である。即ち、各外側案内本体部26は、幅方向(円周方向)両側部分に位置する、互いの曲率中心が異なる1対の大径円筒状部24a、24aを、両大径円筒状部24a、24aよりも曲率半径の小さい小径円筒状部25aにより、各外側案内本体部26の幅方向中央部で滑らかに連続させる事により構成されている。
上述の様な構成を有する外側案内板18は、外側連結部27を外軸10aの内周面に締め代を有する状態で内嵌すると共に、各外側案内本体部26、26を外軸10aの内周面に形成された外側凹溝14a、14aに係合させた状態で、外軸10aに装着される。
伝達軸16を組み立てる場合には、上述した様に、予め内側案内板17を内軸9aに装着(外嵌)しておくと共に、外側案内板18を外軸10aに装着(内嵌)しておく。
この状態で、図4(a)に示す様に、内側案内板17の各内側案内本体部22の各大径円筒状部24のうち、各内側副凹溝19と対向する部分(組立後の状態で、各玉11の転動面と各内側副凹溝19の内面との間に挟まれる部分)の径方向内側面(特許請求の範囲の径方向他側面に相当する。)は、各内側副凹溝19の内面と接触しない。即ち、各大径円筒状部24の各内側副凹溝19と対向する部分の径方向内側面と、各内側副凹溝19の内面と、の間には、隙間44が生じている。
同様に、外側案内板18の各外側案内本体部26の各大径円筒状部24aのうち、各外側副凹溝20と対向する部分(組立後の状態で、各玉11の転動面と各外側副凹溝20の内面との間に挟まれる部分)の径方向外側面(特許請求の範囲の径方向他側面に相当する。)は、各外側副凹溝20の内面と接触しない。即ち、各大径円筒状部24aの各外側副凹溝20と対向する部分の径方向外側面と、各外側副凹溝20の内面と、の間には、隙間44が生じている。
そして、この状態で、図2に示す様に、内側案内板17の内側案内本体部22、22と、外側案内板18の外側案内本体部26、26との間に、複数個の玉11、11を軸方向に並べた状態で挟持する様に、外軸10aの内側に内軸9aを挿入する。
この様な挿入作業に伴って、図4(b)に示す様に、各内側案内本体部22の各大径円筒状部24のうち、各玉11の転動面と各内側副凹溝19の内面との間に挟まれた部分が、径方向外側面(特許請求の範囲の径方向片側面に相当)を各玉11の転動面によって押圧される事により弾性的に又は塑性的に湾曲した状態で、径方向内側面を各内側副凹溝19の内面に押し付けられた、内側湾曲部29となる。
同様に、各外側案内本体部26の各大径円筒状部24aのうち、各玉11の転動面と各外側副凹溝20の内面との間に挟まれた部分が、径方向内側面(特許請求の範囲の径方向片側面に相当)を各玉11の転動面によって押圧される事により弾性的に又は塑性的に湾曲した状態で、径方向外側面を各外側副凹溝20の内面に押し付けられた、外側湾曲部37となる。
以上の様に、各内側湾曲部29の径方向内側面が各内側副凹溝19の内面に押し付けられる事に伴い、内軸9aのうち、各内側凹溝12a、12aの内面、及び、少なくとも当該各内面の周囲部分が、組立前の状態よりも径方向内方に弾性変形する。これと共に、各外側湾曲部37の径方向外側面が各外側副凹溝20の内面に押し付けられる事に伴い、外軸10aのうち、各外側凹溝14a、14aの内面、及び、少なくとも当該各内面の周囲部分が、組立前の状態よりも径方向外方に弾性変形する。そして、この様な内軸9a及び外軸10aの弾性変形により、各玉11に予圧が付与される。
尚、各内側湾曲部29及び各外側湾曲部37が弾性的に湾曲している場合でも、当該湾曲量は僅かであり、発生する弾力も僅かである。この為、本例の場合には、各内側湾曲部29及び各外側湾曲部37が弾性的に湾曲している場合でも、上述の様な内軸9a及び外軸10aの弾性変形により、各玉11に予圧が付与された状態となる。即ち、内側案内板17及び外側案内板18の弾力によらずに(当該弾力による予圧付与の割合が実質的に零と同視できる状態で)、各玉11に予圧が付与された状態となる。
尚、図4(b)には、各内側副凹溝19(外側副凹溝20)の内面に、各内側湾曲部29(外側湾曲部37)の外面が隙間なく当接した状態を示している。しかしながら、各内側副凹溝19(外側副凹溝20)の加工誤差等により、各内側副凹溝19(外側副凹溝20)の内面と各内側湾曲部29(外側湾曲部37)の外面との間には、多少の隙間が形成されても良い。
又、上述の様な伝達軸16の組立完了後、内軸9aと外軸10aとの間で回転力を伝達していない状態では、各玉11の転動面と各内側案内本体部22の径方向外側面とは、円周方向に離隔した2個所で各内側副凹溝19、19と整合する部分(各内側湾曲部29の径方向外側面側)に位置する内側接触部28、28でのみ接触する。これと共に、各内側案内本体部22の径方向内側面のうち、各内側接触部28、28と整合する部分(板厚方向の裏側部分、各内側湾曲部29の径方向内側面)のみが、内側凹溝12aの内面(各内側副凹溝19、19の内面)によって支承された状態となる。換言すれば、この様な状態となる様に、各内側案内本体部22の自由状態での形状及び寸法が規制されている。
この為、各内側案内本体部22の2個所の内側接触部28、28(内側湾曲部29、29)同士の間部分には、径方向外側面が各玉11の転動面と接触せず、且つ、径方向内側面が各内側凹溝12aの内面と接触しない、内側第一非接触部30が設けられる。内側第一非接触部30の径方向外側面と各玉11の転動面との間には、略三日月状の内側第一隙間31が形成される。内側第一非接触部30の径方向内側面と各内側凹溝12aの内面との間には、略三日月状の内側第二隙間32が形成される。
又、各内側案内本体部22の2個所の内側接触部28、28(内側湾曲部29、29)の円周方向両側(外側)部分には、径方向外側面が各玉11の転動面と接触せず、且つ、径方向内側面が内側凹溝12aの内面と接触しない、1対の内側第二非接触部33、33が設けられる。各内側第二非接触部33、33の径方向外側面と各玉11の転動面との間には、略楔状の内側第三隙間34、34がそれぞれ形成される。各内側第二非接触部33、33の径方向内側面と各内側凹溝12aの内面との間には、略楔状の内側第四隙間35、35が形成される。
これに対し、各玉11の転動面と外側案内板18を構成する外側案内本体部26の径方向内側面とは、円周方向に離隔した2個所で各外側副凹溝20、20と整合する部分(各外側湾曲部37の径方向外側面側)に位置する外側接触部36、36でのみ接触する。これと共に、各外側案内本体部26の径方向外側面のうち、各外側接触部36、36と整合する部分(板厚方向の裏側部分、各外側湾曲部37の径方向外側面)のみが、外側凹溝14aの内面(各外側副凹溝20、20の内面)によって支承された状態となる。換言すれば、この様な状態となる様に、各外側案内本体部26の自由状態での形状及び寸法が規制されている。
この為、各外側案内本体部26の2個所の外側接触部36、36(外側湾曲部37、37)同士の間部分には、径方向内側面が各玉11の転動面と接触せず、且つ、径方向外側面が各外側凹溝14aの内面と接触しない、外側第一非接触部38が設けられる。外側第一非接触部38の径方向内側面と各玉11の転動面との間には、略三日月状の外側第一隙間39が形成される。外側第一非接触部38の径方向外側面と各外側凹溝14aの内面との間には、略三日月状の外側第二隙間40が形成される。
又、外側案内本体部26の2個所の外側接触部36、36(外側湾曲部37、37)の円周方向両側(外側)部分に、径方向内側面が各玉11の転動面と接触せず、且つ、径方向外側面が外側凹溝14aの内面と接触しない、1対の外側第二非接触部41、41が形成される。両外側第二非接触部41、41の径方向内側面と各玉11の転動面との間には、略楔状の外側第三隙間42、42がそれぞれ形成される。各外側第二非接触部41、41の径方向外側面と各外側凹溝14aの内面との間には、略楔状の外側第四隙間43、43が形成される。
以上の様に、本例の伝達軸16は、内軸9aと外軸10aとを、各玉11、11と内側案内板17及び外側案内板18を介して、回転力の伝達及び軸方向の相対変位を可能に組み合わせる事により構成される。そして、この様な構成を有する本例の伝達軸16によれば、がたつきを抑えられる構造を、内側案内板17及び外側案内板18の損傷及び各部の摩耗を防止しつつ実現できる。
即ち、本例の場合には、各玉11、11に対し、内側案内板17及び外側案内板18の弾力によっては実質的に予圧を付与せずに、内軸9a及び外軸10aの弾性変形を利用して、各玉11、11に予圧を付与し、伝達軸16のがたつきを抑えている。この為、伝達軸16のがたつきを抑えられる構造を、伝達軸16を組み立てた後の状態で、内側案内板17及び外側案内板18に大きな撓み変形を生じさせる事なく実現できる。
又、本例の場合には、内側案内板17のうち、各玉11の転動面と接触する内側接触部28、28の裏側に位置する部分(各内側湾曲部29、29の径方向内側面)を、内側凹溝12aの各内側副凹溝19、19の内面により支承する。これと共に、外側案内板18のうち、各玉11の転動面と接触する外側接触部36、36の裏側に位置する部分(各外側湾曲部37、37の径方向外側面)を、外側凹溝14aの各外側副凹溝20、20の内面により支承している。この為、内軸9aと外軸10aとの間で回転力を伝達する際に、各玉11の転動面と接触する部分は、内側接触部28、28及び外側接触部36、36の合計4個所のままか、このうちの3個所又は2個所(内側接触部1個所と外側接触部1個所の合計2個所)となるが、何れの場合にも、内側、外側両案内板17、18に大きな撓み変形が生じる事を防止できる。
又、本例の場合には、上述した様に、組立後の状態及び回転力の伝達時に、内側、外側両案内板17、18に大きな撓み変形が生じる事を防止できる為、内側、外側両案内板17、18と内軸9aの外周面又は外軸10aの内周面とが接触する場合にも、当該接触部で過大な摩耗が生じる事を防止できる。
又、本例の場合、内側案内板17のうちで各玉11の転動面と各内側副凹溝19、19の内面との間に挟まれた部分は、径方向外側面を各玉11の転動面によって押圧される事により弾性的に又は塑性的に湾曲した、内側湾曲部29である。これと共に、外側案内板18のうちで各玉11の転動面と各外側副凹溝20、20の内面との間に挟まれた部分は、径方向内側面を各玉11の転動面によって押圧される事により弾性的に又は塑性的に湾曲した、外側湾曲部37である。この為、この様に湾曲した分だけ、各玉11、11の転動面と内側案内板17の径方向外側面との接触部である内側接触部28、28、及び、各玉11、11の転動面と外側案内板18の径方向内側面との接触部である外側接触部36、36の、それぞれの接触面積を増やす事ができ、各内側接触部28、28及び各外側接触部36、36に加わる面圧を抑える事ができる。さらに、内側案内板17の径方向外側面及び外側案内板18の径方向内側面のうちで、各内側接触部28、28及び各外側接触部36、36に対応する部分(各内側湾曲部29の径方向外側面及び各外側湾曲部37の径方向内側面)に、湾曲に伴う圧縮応力が作用する。従って、当該各部分の強度を高くする事ができる。
この結果、本例の伝達軸16によれば、内側案内板17及び外側案内板18の損傷及び各部の摩耗を防止しつつ、がたつきを抑えられる構造を実現できる。
又、本例の伝達軸16の製造方法によれば、伝達軸16を組み立てる際に、内側案内板17及び外側案内板18に対して、各玉11、11の転動面を接触させる為の内側湾曲部29、29及び外側湾曲部37、37を形成し、これと同時に、各内側湾曲部29、29の一部を各内側副凹溝19、19内に進入させることができ、各外側湾曲部37、37の一部を各外側副凹溝20、20内に進入させる事ができる。この為、各部品の製造誤差に拘わらず、当該各湾曲部29、37の一部を各副凹溝19、20内に進入させる作業を容易に行える。
尚、本例の場合と異なり、内側案内板17(外側案内板18)に予め各内側湾曲部29、29(各外側湾曲部37、37)を形成した状態で、伝達軸16の組み立て(前述の図2に示した挿入作業)を行うと、各部品の製造誤差に基づいて、円周方向に関する各内側湾曲部29、29(各外側湾曲部37、37)と各内側副凹溝19、19(各外側副凹溝20、20)との位相(位置)にずれが生じた場合に、挿入作業を行えなくなる等の不都合を生じる可能性がある。これに対して、本例の場合には、この様な組み立て時の不都合が生じる事を回避できる。
又、内側案内板17及び外側案内板18は、内軸9a及び外軸10aに比べて、肉厚が十分に小さい(剛性が十分に低い)。この為、伝達軸16の組立前に、内側案内板17及び外側案内板18に、内側接触部28及び外側接触部36の接触面積を大きくする為の凹溝形状を形成する構成を採用すると、製造工程に於いて、当該凹溝形状の寸法測定を行う際に、内側案内板17及び外側案内板18に撓みが生じ易くなる。従って、当該寸法測定を精度良く行う事が難しくなって、管理コストが高くなり易い。
これに対して、本例の場合には、内軸9a及び外軸10aに形成した内側副凹溝19及び外側副凹溝20を利用して、伝達軸16を組み立てる際に(組み立てると同時に)、内側接触部28及び外側接触部36の接触面積を大きくする為の形状(内側湾曲部29及び外側湾曲部37)を形成する様にしている。内軸9a及び外軸10aは、内側案内板17及び外側案内板18に比べて剛性が十分に高い為、製造工程に於いて当該形状(内側湾曲部29及び外側湾曲部37)の寸法測定を行う際にも、内軸9a及び外軸10aに撓みが生じにくい。従って、当該寸法測定を精度良く行う事が容易となり、管理コストを低く抑えられる。
尚、本例の構造を実施する場合、各内側副凹溝19、19(各外側副凹溝20、20)の断面形状の曲率半径R19(R20)は、各玉11の転動面の曲率半径R11と内側案内板17(外側案内板18)の板厚tとの和R11+tよりも少しだけ大きくしておく{R19(R20)>R11+tとする)事が好ましい。この理由は、例えば使用中、仮に、各内側副凹溝19、19(各外側副凹溝20、20)に対する各内側湾曲部29、29(各外側湾曲部37、37)の円周方向位置がずれた場合でも、各内側副凹溝19、19(各外側副凹溝20、20)の幅方向端縁部に対し、各内側湾曲部29、29(各外側湾曲部37、37)の径方向内側面(径方向外側面)が強く接触するという不都合が発生する事を回避し易くなる為である。
又、本発明を実施する場合には、径方向に関して互いに対向する内側予備凹溝13aと外側予備凹溝15aとの間にも、内側案内板の内側案内板本体部と外側案内板の外側案内板本体部とを介して、複数個の玉を軸方向に並べて配置する構成を採用する事もできる。
[実施形態の第2例]
本発明の実施形態の第2例について、図5を参照しつつ説明する。
本例の場合には、内側副凹溝19a及び外側副凹溝20aの幅寸法Wが、実施形態の第1例の場合よりも大きい。これにより、内軸9aと外軸10aとの間でトルク(使用時の最大トルクまでのトルク)を伝達する際に、玉11が内側凹溝12a及び外側凹溝14aの内面に沿って円周方向に移動した場合でも、内側副凹溝19a及び外側副凹溝20aにより当該円周方向の移動範囲をカバーできる。
その他の構成及び作用は、上述した実施形態の第1例の場合と同様である。
[実施形態の第3例]
本発明の実施形態の第3例について、図6を参照しつつ説明する。
本例の場合には、内側凹溝12a及び外側凹溝14aの内面にそれぞれ、各玉11の転動面を利用して、内側副凹溝19及び外側副凹溝20を形成する。より具体的には、図6(A)に示した様に、それぞれの断面形状がゴシックアーチ状に形成された内側凹溝12a及び外側凹溝14aの内面のうち、円周方向両端寄り部分となる2個所位置を、各玉11の転動面によって、内側案内板17(を構成する大径円筒状部24)及び外側案内板18(を構成する大径円筒状部24a)を介して押圧する。これにより、内側凹溝12a及び外側凹溝14aの内面のうち、円周方向両端寄り部分となる2個所位置を、それぞれ塑性変形させる(圧痕を形成する)。この結果、内側凹溝12aの内面に内側副凹溝19が形成されると共に、外側凹溝14aの内面に外側副凹溝20が形成される。
又、内側副凹溝19及び外側副凹溝20を形成する為の具体的な方法としては、種々の方法を採用する事ができるが、例えば、伝達軸16の組立作業時に、図2に示した様に、外軸10aの内側に内軸9aを挿入する(外軸10aと内軸9aとを軸方向に相対変位させる)のに伴って、各玉11の転動面により、内側凹溝12a及び外側凹溝14aの内面を塑性変形させる事で、内側副凹溝19及び外側副凹溝20をそれぞれ軸方向に連続する状態で形成する方法を採用する事ができる。この様な方法を採用すれば、組立作業を行う前に、内側副凹溝19及び外側副凹溝20を形成する為の特別な工程を設ける必要がない為、加工コストを低減する上で有利になる。
又、採用可能な別の方法としては、例えば、伝達軸16を車両に搭載する為の組み付け作業時に、外軸10aと内軸9aとを軸方向に相対変位させることによって、内側副凹溝19及び外側副凹溝20を形成する事もできる。伝達軸16を車両に搭載した後に、車両の走行に伴って生じる外軸10aと内軸9aとの軸方向の相対変位を利用することによって、内側副凹溝19及び外側副凹溝20を形成する事もできる。又、伝達軸16を車両に搭載する前に、外軸10aの内側に内軸9aを挿入した状態で、内軸9aと外軸10aとの間でトルクを伝達する事によって、内側副凹溝19及び外側副凹溝20を形成する事もできる。伝達軸16を車両に搭載した後に、ステアリングホイールの回転操作に伴って、内軸9aと外軸10aとの間でトルクを伝達した際に、内側副凹溝19及び外側副凹溝20を形成する事もできる。更には、外軸10aの内側に内軸9aを挿入した状態で、これら内軸9aと外軸10aとを互いの中心軸同士が不一致になる様に相対変位させる(傾斜させる、折り曲げる)事によって、内側副凹溝19及び外側副凹溝20を形成する事もできる。
内側副凹溝19及び外側副凹溝20を形成する為の方法としては、上述した様な方法を何れも採用する事もできるが、伝達軸16を車両に搭載した後に形成する(車両の走行や運転に伴って事後的、副次的に形成する)方法を採用すれば、内側副凹溝19及び外側副凹溝20を形成する為の特別な工程を実施する必要がない為、加工コストを低減する上で有利になる。
又、上述の様に、内側副凹溝19及び外側副凹溝20を形成する際には、内側案内板17及び外側案内板18のうち、各玉11の転動面と、内側凹溝12aの内面及び外側凹溝14aの内面と、の間にそれぞれ挟持される部分(大径円筒状部24、24aの一部)を、各玉11の転動面に倣って断面円弧形に弾性変形(又は塑性変形)させる。この為、図6(B)に示す様に、内側副凹溝19及び外側副凹溝20の形成位置から各玉11が軸方向に移動した部分に於いては、内側案内板17及び外側案内板18を弾性的に復元させる事ができる。そして、この場合には、内側案内板17の大径円筒状部24の径方向内側面と、各内側副凹溝19の内面と、の間に隙間44aを設けることができる。さらに、外側案内板18の大径円筒状部24aの径方向外側面と、各外側副凹溝20の内面と、の間に隙間44aを設ける事ができる。
又、本例を実施する場合には、内軸9a、外軸10a、各玉11、内側案内板17、及び、外側案内板18を構成する材料を、硬さを基準に適宜選択する事で、内軸9a及び外軸10aの硬さ(少なくとも内側凹溝12a及び外側凹溝14aの内面の表面硬さ)が、各玉11の硬さ、並びに、内側案内板17及び外側案内板18の硬さよりもそれぞれ低くなる様に規制している。これにより、各玉11並びに内側案内板17及び外側案内板18に圧痕が生じる事を防止すると共に、内側副凹溝19及び外側副凹溝20を軽い力で容易に形成できる様にしている。
以上の様な製造方法を実施する本例の場合には、内側副凹溝19及び外側副凹溝20を、切削加工等により形成する場合に比べて、形成作業自体を容易にできる。さらに、内側凹溝12a及び外側凹溝14aの内面のうちで、各玉11の転動面と内側、外側各案内板17、18との接触部(内側接触部28、外側接触部36)と円周方向の位相が一致する部分に、効率良く形成する事ができる。又、内側、外側各副凹溝19、20の形成位置に関する製造上のばらつきを抑える事ができる。又、これら内側、外側各副凹溝19、20の断面形状を、各玉11の転動面の母線形状に合致した形状に(内側、外側各副凹溝19、20の断面形状の曲率半径を、各玉11の転動面の曲率半径と内側、外側各案内板17、18の板厚との和に等しくなるように)、容易に加工する事ができる。従って、本例の場合には、形成位置及び形状に関して精度の高い内側、外側各副凹溝19、20を容易に形成する事ができ、がたつきを効率良く抑制する事ができる伝達軸16を、低コストで製造する事が可能になる。尚、内側凹溝12a及び外側凹溝14aは、内側、外側各副凹溝19、20の形成時に僅かに弾性変形し、内側、外側各副凹溝19、20の形成後にスプリングバックするが、このスプリングバックは塑性変形量に比べて極小である為、無視する事ができる。
その他の構成及び作用効果については、実施形態の第1例の場合と同様である。
本発明の伝達軸は、電動式パワーステアリング装置を備えた自動車用操舵装置の構成部材のうち、中間シャフトやステアリングシャフトに好ましく適用できる。更に、本発明の伝達軸は、自動車用操舵装置を構成するシャフトに限らず、工作機械、遊具等、各種回転機械装置を構成する回転伝達用シャフトとして実施する事もできる。
又、本発明を実施する場合には、内側案内板や外側案内板を全周に亙り連続した円筒状に構成する事もできる。
又、本発明を実施する場合、内側凹溝と外側凹溝との間において、案内板を介して、複数個の玉を設置する部分である、玉設置部の数は、1つ以上であれば、特に問わない。
又、本発明を実施する場合、内側凹溝の内面のうちで2個所の内側接触部と円周方向の位相が一致する円周方向2個所と、外側凹溝の内面のうちで2個所の外側接触部と円周方向の位相が一致する円周方向2個所と、の合計4個所のうち、少なくとも1個所に副溝を形成する事ができる。この場合に、副凹溝を形成する個所は、例えば、前記合計4個所のうち、内側凹溝の内面に於ける2個所のみとしたり、或いは、外側凹溝の内面に於ける2個所のみとしたりする事ができる。或いは、内軸と外軸との間で伝達するトルクが一方向のトルクのみである場合には、当該トルクを伝達する際に玉の転動面からの荷重が作用する、対角位置に存在する2個所のみとする事もできる。
又、本発明は、内側案内板と外側案内板とのうち、少なくとも1つの案内板を設けた構造に適用する事ができる。例えば、図11に示すように内側案内板のみ設けても良い。又、外側案内板のみ設けても良い。この様に1つの案内板のみを設ける場合には、該案内板を対象案内板とする。又、この場合には、案内板を設けない側では、各玉の転動面と各凹溝の内面とを直接接触させる。これに対し、内側案内板と外側案内板との2つの案内板を設ける場合には、前述した実施形態の各例の様に、内側案内板及び外側案内板のそれぞれを対象案内板とする事もできるし、2つの案内板のうち一方の案内板のみを対象案内板とする事もできる。
本発明を実施する場合には、図12の変形例に示す様に、内側案内板17に内径側に向かって凸の半円弧状の逃げ部50を設けることができ、外側案内板18に外径側に向かって凸の半円弧状の逃げ部50aを設けることもできる。逃げ部50と内側予備凹溝13aとの間には隙間が形成されており、逃げ部50aと外側予備凹溝15aとの間には隙間が形成されている。内側案内板17及び外側案内板18は円周方向に沿って長い為、玉11の組み付け時に寸法誤差が生じ易い。逃げ部50、50aを設けることによって、内側案内板17及び外側案内板18が変形し易くなり、寸法誤差を吸収することが可能である。なお、内側案内板17の逃げ部50と外側案内板18の逃げ部50aの夫々の凸の方向を逆の方向としても良い。
本出願は、2015年7月27日出願の日本特許出願2015−147532、2016年1月6日出願の日本特許出願2016−001014、2016年1月27日出願の日本特許出願2016−013027、及び2016年2月17日出願の日本特許出願2016−027464に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
1 ステアリングホイール
2 ステアリングギヤユニット
3 ステアリングシャフト
4a、4b 自在継手
5 中間シャフト
6 入力軸
7 タイロッド
8 電動モータ
9、9a 内軸
10、10a 外軸
11 玉
12、12a 内側凹溝
13、13a 内側予備凹溝
14、14a 外側凹溝
15、15a 外側予備凹溝
16 伸縮式回転伝達軸
17 内側案内板
18 外側案内板
19 内側副凹溝
20 外側副凹溝
21 小凹溝
22 内側案内本体部
23 内側連結部
24、24a 大径円筒状部
25、25a 小径円筒状部
26 外側案内本体部
27 外側連結部
28 内側接触部
29 内側湾曲部
30 内側第一非接触部
31 内側第一隙間
32 内側第二隙間
33 内側第二非接触部
34 内側第三隙間
35 内側第四隙間
36 外側接触部
37 外側湾曲部
38 外側第一非接触部
39 外側第一隙間
40 外側第二隙間
41 外側第二非接触部
42 外側第三隙間
43 外側第四隙間
44、44a 隙間
45 案内板
46 凹溝
47 玉
50、50a 逃げ部

Claims (14)

  1. 外周面の円周方向の少なくとも1個所に内側凹溝を軸方向に形成された内軸と、
    内周面の円周方向の少なくとも1個所で前記内側凹溝と整合する位置に、外側凹溝を軸方向に形成された外軸と、
    前記内側凹溝と前記外側凹溝との間部分に軸方向に並べて配置された複数個の玉と、
    前記各玉の転動面と前記内側凹溝の内面との間部分と、前記各玉の転動面と前記外側凹溝の内面との間部分と、のうち、少なくとも一方の間部分に挟持された案内板と、
    を備えた伸縮式回転伝達軸であって、
    前記案内板のうち少なくとも1つの案内板である対象案内板は、前記各玉の転動面側に位置する径方向片側面と、前記各玉の転動面とが、円周方向中央部を挟んで円周方向に離隔した2個所の接触部のみで接触しており、
    前記対象案内板のうち、前記各玉の転動面と反対側に位置する径方向他側面と対向する、前記内側凹溝又は前記外側凹溝の内面には、前記2個所の接触部と円周方向の位相が一致する円周方向2個所のうちの少なくとも1個所に、副凹溝が形成されており、
    前記副凹溝の内面の断面形状が円弧形であり、
    前記円弧形の断面形状の曲率半径が、前記各玉の転動面の曲率半径と、前記対象案内板のうちで前記各玉の転動面と前記副凹溝の内面との間に挟まれた部分の板厚と、の和よりも大きく、
    前記対象案内板のうち、前記各玉の転動面と前記副凹溝の内面との間に挟まれた部分は、前記各玉の転動面側の径方向片側面前記各玉の転動面によって押圧される事により、湾曲した状態で、前記各玉の転動面と反対側の径方向他側面前記副凹溝の内面により支承されている、
    事を特徴とする伸縮式回転伝達軸。
  2. 前記内側凹溝と前記外側凹溝とのうちの少なくとも何れか一方の凹溝の内面が径方向に弾性変形している事により、前記各玉に予圧が付与されている、
    請求項1に記載した伸縮式回転伝達軸。
  3. 請求項1に記載した伸縮式回転伝達軸を製造する方法であって、
    前記対象案内板のうちで前記各玉の転動面と前記副凹溝の内面との間に挟まれた部分を、前記伸縮式回転伝達軸の組立前の状態では、前記各玉の転動面と反対側の径方向他側面が前記副凹溝の内面に接触しない形状としておき、前記伸縮式回転伝達軸を組み立てる際に、前記各玉の転動面側の径方向片側面を前記各玉の転動面によって押圧する事により、前記各玉の転動面と反対側の径方向他側面が前記副凹溝の内面に接触する状態になるまで湾曲させる、
    伸縮式回転伝達軸の製造方法。
  4. 請求項1に記載した伸縮式回転伝達軸を製造する方法であって、
    前記内側凹溝又は前記外側凹溝のうち、前記対象案内板の径方向他側面と対向する凹溝の内面を、前記各玉の転動面によって、前記対象案内板のうちで前記凹溝の内面と前記各玉の転動面との間に挟まれた部分を介して押圧する事により、前記凹溝の内面を塑性変形させて、前記副凹溝を形成する、
    伸縮式回転伝達軸の製造方法。
  5. 前記外軸と前記内軸とを軸方向に関して相対変位させる事により、前記副凹溝を軸方向に連続する状態で形成する、
    請求項に記載した伸縮式回転伝達軸の製造方法。
  6. 前記外軸の内側に前記内軸を挿入した状態で、前記内軸と前記外軸との間でトルクを伝達する事により前記副凹溝を形成する、
    請求項に記載した伸縮式回転伝達軸の製造方法。
  7. 前記外軸の内側に前記内軸を挿入した状態で、前記内軸と前記外軸とを互いの中心軸同士が不一致になる様に相対変位させる事により前記副凹溝を形成する、
    請求項に記載した伸縮式回転伝達軸の製造方法。
  8. 前記伸縮式回転伝達軸を車両に搭載する前に、前記副凹溝を形成する、
    請求項のうちの何れか1項に記載した伸縮式回転伝達軸の製造方法。
  9. 前記伸縮式回転伝達軸を車両に搭載した後に、前記副凹溝を形成する、
    請求項のうちの何れか1項に記載した伸縮式回転伝達軸の製造方法。
  10. 前記内軸と前記外軸とのうち前記副凹溝が形成される軸の硬さが、前記各玉の硬さ、及び、前記対象案内板の硬さよりもそれぞれ低い、
    請求項のうちの何れか1項に記載した伸縮式回転伝達軸の製造方法。
  11. 前記各玉の転動面と前記内側凹溝の内面との間部分に挟持された内側案内板と、前記各玉の転動面と前記外側凹溝の内面との間部分に挟持された外側案内板と、のそれぞれを前記対象案内板とし、
    前記内側凹溝の内面と前記外側凹溝の内面とにそれぞれ、前記副凹溝を形成する、
    請求項10のうちの何れか1項に記載した伸縮式回転伝達軸の製造方法。
  12. 前記各玉の転動面と前記内側凹溝の内面との間部分に挟持された内側案内板を、前記対象案内板とし、
    前記内側凹溝の内面にのみ、前記副凹溝を形成する、
    請求項10のうちの何れか1項に記載した伸縮式回転伝達軸の製造方法。
  13. 前記各玉の転動面と前記外側凹溝の内面との間部分に挟持された外側案内板を、前記対象案内板とし、
    前記外側凹溝の内面にのみ、前記副凹溝を形成する、
    請求項10のうちの何れか1項に記載した伸縮式回転伝達軸の製造方法。
  14. 外周面の円周方向の少なくとも1個所に内側凹溝を軸方向に形成された内軸と、
    内周面の円周方向の少なくとも1個所で前記内側凹溝と整合する位置に、外側凹溝を軸方向に形成された外軸と、
    前記内側凹溝と前記外側凹溝との間部分に軸方向に並べて配置された複数個の玉と、
    前記各玉の転動面と前記内側凹溝の内面との間部分と、前記各玉の転動面と前記外側凹溝の内面との間部分と、のうち、少なくとも一方の間部分に挟持された案内板と、
    を備え、
    前記案内板のうち少なくとも1つの案内板である対象案内板は、前記各玉の転動面側に位置する径方向片側面と、前記各玉の転動面とが、円周方向中央部を挟んで円周方向に離隔した2個所の接触部のみで接触しており、
    前記対象案内板のうち、前記各玉の転動面と反対側に位置する径方向他側面と対向する、前記内側凹溝又は前記外側凹溝の内面には、前記2個所の接触部と円周方向の位相が一致する円周方向2個所のうちの少なくとも1個所に、副凹溝が形成されており、
    前記対象案内板のうち、前記各玉の転動面と前記副凹溝の内面との間に挟まれた部分は、前記各玉の転動面側の径方向片側面が前記各玉の転動面によって押圧される事により、湾曲した状態で、前記各玉の転動面と反対側の径方向他側面が前記副凹溝の内面により支承されている、伸縮式回転伝達軸を製造する方法であって、
    前記対象案内板のうちで前記各玉の転動面と前記副凹溝の内面との間に挟まれた部分を、前記伸縮式回転伝達軸の組立前の状態では、前記各玉の転動面と反対側の径方向他側面が前記副凹溝の内面に接触しない形状としておき、前記伸縮式回転伝達軸を組み立てる際に、前記各玉の転動面側の径方向片側面を前記各玉の転動面によって押圧する事により、前記各玉の転動面と反対側の径方向他側面が前記副凹溝の内面に接触する状態になるまで湾曲させる、
    伸縮式回転伝達軸の製造方法。
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