JP4061948B2 - 車両ステアリング用伸縮軸 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両ステアリング用伸縮軸に関し、特に小トルク伝達時、弾性体によりガタ付きを防止しながらトルク伝達することができる一方、大トルク伝達時、高剛性の状態でトルク伝達することができ、しかも、伸縮時、軌道面に生じた「圧痕(凹陥)」に拘わらず、スムーズに摺動することができる車両ステアリング用伸縮軸に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用ステアリング装置においては、ステアリング用メインシャフト、又は中間シャフトは、運転者の操舵トルクを確実にステアリングギヤに伝達するように、ガタ付きを防止しながら、高剛性の状態で操舵トルクを伝達できる一方、テレスコピック調整を可能にし、車両の走行時に生起する軸方向の変位を吸収し、また、分解・組立時に伸縮できるように、比較的低い安定した摺動荷重により軸方向に摺動(伸縮)できるようになっている。
【0003】
特許第2632892号公報又は実用新案登録第2538390号公報の開示においては、ステアリングシャフト又は中間シャフトは、回転不能且つ摺動自在に嵌合した雄軸と雌軸とからなり、雌軸の内周面に形成した軸方向溝に、複数のコロ状転動体を介装し、しかも、弾性体によりコロ状転動体を径方向外方に予圧している。また、雌軸の凹角部に、雄軸の凸角部が係合するようになっている。
【0004】
これにより、小トルク伝達時には、コロ状転動体と弾性体を介してトルク伝達する一方、大トルク伝達時には、雌軸の凹角部に、雄軸の凸角部を係合させてトルク伝達し、伸縮時には、コロ状転動体を弾性的に転がして摺動している。
【0005】
従って、小トルク伝達及び伸縮時には、弾性体によりガタ付きを防止しながらトルク伝達し、スムーズに摺動することができる一方、大トルク伝達時には、高剛性の状態でトルク伝達することができる。
【0006】
また、ドイツ特許公開DE3813422A1号公報の開示においては、雌軸の内周面と雄軸の外周面に夫々形成した互いに対向する一対の軌道面の間に、コロ状転動体を介装している。これにより、トルクの大小に拘わらず、コロ状転動体を介してトルク伝達している。また、一対の軌道面とコロ状転動体の精度を厳しくして、ガタ付きを抑えている。
【0007】
従って、ガタ付きを防止しながら高剛性の状態でトルク伝達し、スムーズに摺動することができる。
【0008】
さらに、上記ドイツ特許公開公報の開示では、一方の軌道面に弾性体を設けて、この弾性体と他方の軌道面との間に、コロ状転動体を介装して、この弾性体により、ガタ付きを抑えている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許第2632892号公報又は実用新案登録第2538390号公報の開示においては、雌軸の内周面に、コロ状転動体を収納する軸方向溝を形成しているため、精度の点から、弾性体の寸法を大きく設定する必要があり、その結果、操舵時に、フニャフニャとした又はガタ付いた操舵感が生じ、操縦安定性が低下するといったことがある。
【0010】
また、弾性体の弾性力を強くして、ガタ付いた操舵感を抑えることもできるが、反面、コロ状転動体の摩耗を招来し、局部的に摩耗した箇所に乗り上げると、ゴリゴリとした操舵感が生じ、また、騒音を避け得ないといったことがある。
【0011】
上記ドイツ特許公開DE3813422A1号公報の開示においては、雌軸の内周面と雄軸の外周面に夫々形成した互いに対向する一対の軌道面の間に、コロ状転動体を介装している。通常のトルク伝達時や時折生じる大トルク伝達時に、コロ状転動体の両端部が一対の軌道面を押圧するため、これら軌道面での摩耗や変形を避け得ず、特にこれら軌道面に、コロ状転動体の両端部に対応した「圧痕(凹陥)」が生じる。その結果、伸縮時に、コロ状転動体が「圧痕(凹陥)」の箇所を転がると、ゴリゴリとした操舵感が生じ、スムーズな伸縮が得られないといったことがある。
【0012】
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであって、小トルク伝達時、弾性体によりガタ付きを防止しながらトルク伝達することができる一方、大トルク伝達時、高剛性の状態でトルク伝達することができ、しかも、伸縮時、軌道面に生じた「圧痕(凹陥)」に拘わらず、スムーズに摺動することができる車両ステアリング用伸縮軸を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明に係る車両ステアリング用伸縮軸は、
車両のステアリングシャフトに組込み、雄軸と雌軸を回転不能且つ摺動自在に構成した車両ステアリング用伸縮軸において、
前記雌軸の内周面と前記雄軸の外周面に夫々形成した互いに対向する一対の軌道面の間に、弾性的要素を有する弾性的介装物と、弾性的要素を有しない非弾性的介装物とを軸方向に並列して介装し
前記一対の軌道面において、周方向で見てその中央領域と両側領域の一方は、小トルク伝達及び伸縮時に前記弾性的介装物の負荷を受け、前記両領域の他方は、大トルク伝達時に前記非弾性的介装物の負荷を受けることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る車両ステアリング用伸縮軸は、車両のステアリングシャフトに組込み、雄軸と雌軸を回転不能且つ摺動自在に構成した車両ステアリング用伸縮軸において、
前記雌軸の内周面と前記雄軸の外周面に夫々形成した互いに対向する一対の軌道面の間に、一方の軌道面に設けた弾性的要素の付勢を受ける弾性的介装物と、前記弾性的要素の付勢を受けない非弾性的介装物とを軸方向に並列して介装し、
前記一対の軌道面において、周方向で見てその中央領域と両側領域の一方は、小トルク伝達及び伸縮時に前記弾性的介装物の負荷を受け、前記両領域の他方は、大トルク伝達時に前記非弾性的介装物の負荷を受けることを特徴とする車両ステアリング用伸縮軸。
【0015】
このように、本発明によれば、雌軸の内周面と雄軸の外周面に夫々形成した互いに対向する一対の軌道面の間に、弾性的介装物と、非弾性的介装物とが並列して介装してあるため、小トルク伝達時、弾性的介装物を介して、ガタ付きを防止しながらトルク伝達することができる一方、大トルク伝達時、非弾性的介装物を介して、高剛性の状態でトルク伝達することができる。
【0016】
しかも、前記一対の軌道面において、その中央領域と両側領域の一方は、小トルク伝達及び伸縮時に前記弾性的介装物の負荷を受け、前記両領域の他方は、大トルク伝達時に前記非弾性的介装物の負荷を受けることを特徴とする。
【0017】
これにより、大トルク伝達時に非弾性的介装物からの負荷を受けた領域に、たとえ「圧痕(凹陥)」が生じたとしても、小トルク伝達及び伸縮時には、「圧痕(凹陥)」の無い方の領域において、弾性的介装物を介して小トルクを伝達して伸縮することができる。従って、軌道面に生じた「圧痕(凹陥)」に拘わらず、スムーズに摺動することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る車両ステアリング用伸縮軸を図面を参照しつつ説明する。
【0019】
(第1実施の形態)
図1(a)は、本発明の第1実施の形態に係る車両ステアリング用伸縮軸の断面図であり、(b)は、当該実施の形態の変形例に係る断面図であり、(c)は、当該実施の形態の他の変形例に係る断面図であり、(d)は、(a)乃至(c)に示した伸縮軸の弾性エリアの側面図であり、(e)は、(d)に示した弾性エリアの断面図であり、(f)は、(a)乃至(c)に示した伸縮軸の非弾性エリアの側面図である。
【0020】
図1(a)及び図1(d)に示すように、ステアリング用メインシャフト又は中間シャフトにおいて、略三角形の断面である雌軸1に、略三角形の断面である雄軸2が回転不能且つ摺動自在に嵌合してある。
【0021】
雌軸1の内周面と雄軸2の外周面には、夫々、互いに対向する三対の軌道面3a,3b,4a,4bが形成してある。これらのうち、一対の軌道面3a,3bの間は、弾性エリアを構成しており、残りの二対の軌道面4a,4bは、非弾性エリアを構成している。
【0022】
弾性エリアの一対の軌道面3a,3bの間には、弾性的要素を有する弾性コロ状転動体5(弾性的介装物)と、弾性的要素を有しない中実で高剛性である鋼製の非弾性コロ状転動体6(非弾性的介装物)とが並列して介装してある。
【0023】
一対の軌道面3a,3bの隙間(H1)と、弾性コロ状転動体5の径(φD1)と、非弾性コロ状転動体6の径(φd1)との間には、
φD1>H1>φd1
の関係式が成り立つように設定してある。
【0024】
上式において、φD1>H1に設定してあるため、通常時、弾性コロ状転動体5は、若干押圧して縮径された状態にあり、拡径するように弾性復帰力を発揮することができる。
【0025】
従って、小トルク伝達及び伸縮時には、弾性コロ状転動体5を介して、ガタ付きを防止しながらトルクを伝達することができ、スムーズに伸縮することができる。
【0026】
大トルク伝達時には、弾性コロ状転動体5が縮径されて、一対の軌道面3a,3bと、非弾性コロ状転動体6との間の隙間が無くなり、一対の軌道面3a,3bが非弾性コロ状転動体6に直接当接し、この非弾性コロ状転動体6を介して、高剛性の状態でトルク伝達することができる。
【0027】
弾性コロ状転動体5の長さ(L4)と、非弾性コロ状転動体6の長さ(L3)との間には、
L4≠L3
の関係式が成り立つように設定してある。
【0028】
図1(a)及び図1(d)に示すように、L4≠L3であって、L4>L3である場合には、大トルク伝達時、非弾性コロ状転動体6の両端部からの負荷を受け、軌道面3a,3bの中央領域に、たとえ「圧痕(凹陥)」が生じたとしても、小トルク伝達及び伸縮時には、コロ状転動体5は、「圧痕(凹陥)」を跨ぐようになり、「圧痕(凹陥)」の無い方の両側領域において、弾性コロ状転動体5を介して小トルクを伝達して伸縮することができる。従って、軌道面3a,3bに生じた「圧痕(凹陥)」に拘わらず、スムーズに摺動することができる。
【0029】
また、図示していないが、L4≠L3であって、L4<L3である場合には、大トルク伝達時、非弾性コロ状転動体6の両端部からの負荷を受け、軌道面3a,3bの両側領域に、たとえ「圧痕(凹陥)」が生じたとしても、小トルク伝達及び伸縮時には、弾性コロ状転動体5は、「圧痕(凹陥)」の内側に位置し、「圧痕(凹陥)」の無い方の中央領域において、弾性コロ状転動体5を介して小トルクを伝達して伸縮することができる。従って、軌道面3a,3bに生じた「圧痕(凹陥)」に拘わらず、スムーズに摺動することができる。
【0030】
なお、L4=L3の場合については、図6の第6実施の形態で説明する。
【0031】
また、 弾性コロ状転動体5の径(φD1)と、非弾性コロ状転動体6の径(φd1)との間は、φD1>φd1に設定してあり、数ミクロンの径差設定であるため、元々ガタ付き操舵感が出にくい。そのため、過度なバネ予圧が不要になり、摩耗も少なく、耐久性を向上することができる。もちろん、弾性回転域を少なくできるため、操縦安定性を損なうことなく、ガタ付き操舵感や異音を抑えることができる。
【0032】
さらに、図1(a)及び図1(f)に示すように、非弾性エリアでは、二対の軌道面4a,4bの間に、弾性的要素を有しない中実で高剛性である鋼製の非弾性コロ状転動体7が介装してある。この非弾性コロ状転動体7は、多数設けると共に、長く形成して、圧痕や摩耗に耐えられるように構成してある。さらに、弾性コロ状転動体5、非弾性コロ状転動体6、及び非弾性コロ状転動体7は、保持器8により保持してある。
【0033】
さらに、図1(b)の変形例では、両軸1,2が略四角形の断面であり、弾性エリア3a、3bを2組設けると共に、非弾性エリア4a、4bを2組設けてある。
【0034】
さらに、図1(c)の変形例では、両軸1,2が略三角形の断面であり、弾性エリア3a、4bを3組設けて、非弾性エリアを設けていない。
【0035】
なお、図1(b)および図1(c)の構成における作用、効果は上記実施の形態と同様であり説明を省略する。
【0036】
(第2実施の形態)
図2(a)は、本発明の第2実施の形態に係る車両ステアリング用伸縮軸の断面図であり、(b)は、当該実施の形態の変形例に係る断面図であり、(c)は、当該実施の形態の他の変形例に係る断面図であり、(d)は、(a)乃至(c)に示した伸縮軸の弾性エリアの側面図であり、(e)は、(d)に示した弾性エリアの断面図であり、(f)は、(a)乃至(c)に示した伸縮軸の非弾性エリアの側面図である。
【0037】
本実施の形態では、第1実施の形態における非弾性コロ状転動体6に代えて、一対の非弾性球状転動体9を用いている。その他の構成は、上記の第1実施の形態と同様である。
【0038】
本実施の形態においても、 一対の軌道面3a,3bの隙間(H1)と、弾性コロ状転動体5の径(φD1)と、非弾性球状転動体9の径(φd1)との間には、
φD1>H1>φd1
の関係式が成り立つように設定してある。
【0039】
上式において、φD1>H1に設定してあるため、通常時、弾性コロ状転動体5は、若干押圧して縮径された状態にあり、拡径するように弾性復帰力を発揮することができる。従って、小トルク伝達及び伸縮時には、弾性コロ状転動体5を介して、ガタ付きを防止しながらトルクを伝達することができ、スムーズに伸縮することができる。
【0040】
大トルク伝達時には、弾性コロ状転動体5が縮径されて、一対の軌道面3a,3bと、非弾性球状転動体9との間の隙間が無くなり、一対の軌道面3a,3bが非弾性球状転動体9に直接当接し、この非弾性球状転動体9を介して、高剛性の状態でトルク伝達することができる。
【0041】
なお、図2(b)の変形例では、両軸1,2が略四角形の断面であり、弾性エリア3a、3bを2組設けると共に、非弾性エリア4a、4bを2組設けてある。
【0042】
さらに、図2(c)の変形例では、両軸1,2が略三角形の断面であり、弾性エリア3a、4bを3組設けて、非弾性エリアを設けていない。
【0043】
なお、図2(b)および図2(c)の構成における作用、効果は上記実施の形態と同様であり説明を省略する。
【0044】
(第3実施の形態)
図3(a)は、本発明の第3実施の形態に係る車両ステアリング用伸縮軸の断面図であり、(b)は、当該実施の形態の変形例に係る断面図であり、(c)は、当該実施の形態の他の変形例に係る断面図であり、(d)は、(a)乃至(c)に示した伸縮軸の弾性エリアの側面図であり、(e)は、(d)に示した弾性エリアの断面図であり、(f)は、棒状部材の斜視図であり、(g)は、(a)乃至(c)に示した伸縮軸の非弾性エリアの側面図である。
【0045】
本実施の形態では、第1実施の形態における非弾性コロ状転動体6に代えて、高剛性で鋼製の一対の非弾性棒状部材10を用いて、軸方向に延在している。非弾性棒状部材10は、図3(f)に示すように、丸柱状であってもよく、角柱状であってもよい。この非弾性棒状部材10は、伸縮時、転がるのではなく、摺動する。そのため、負荷容量を増大することができる。その他の構成は、上記の第1実施の形態と同様である。
【0046】
本実施の形態においても、 一対の軌道面3a,3bの隙間(H1)と、弾性コロ状転動体5の径(φD1)と、非弾性棒状部材10の径(φd1又はt1)との間には、
φD1>H1>φd1(又はt1)
の関係式が成り立つように設定してある。
【0047】
上式において、φD1>H1に設定してあるため、通常時、弾性コロ状転動体5は、若干押圧して縮径された状態にあり、拡径するように弾性復帰力を発揮することができる。従って、小トルク伝達及び伸縮時には、弾性コロ状転動体5を介して、ガタ付きを防止しながらトルクを伝達することができ、スムーズに伸縮することができる。
【0048】
大トルク伝達時には、弾性コロ状転動体5が縮径されて、一対の軌道面3a,3bと、非弾性棒状部材10との間の隙間が無くなり、一対の軌道面3a,3bが非弾性棒状部材10に直接当接し、この非弾性棒状部材10を介して、高剛性の状態でトルク伝達することができる。
【0049】
なお、非弾性棒状部材10を用いて、面圧を下げることができるため、軌道面3a,3bの硬度増大を不要にすることもできる。その結果、熱処理変形を抑えることができ、より一層高い精度を得ることができ、ガタ付いた操舵感を抑えることができる。また、製造コストも低減できる。
【0050】
また、非弾性棒状部材10を軸方向に延在しているため、非弾性棒状部材10は倒れにくく、スムーズな摺動が得られる。
【0051】
なお、図3(b)の変形例では、両軸1,2が略四角形の断面であり、弾性エリア3a、3bを2組設けると共に、非弾性エリア4a、4bを2組設けてある。
【0052】
さらに、図3(c)の変形例では、両軸1,2が略三角形の断面であり、弾性エリア3a、4bを3組設けて、非弾性エリアを設けていない。
【0053】
なお、図3(b)および図3(c)の構成における作用、効果は上記実施の形態と同様であり説明を省略する。
【0054】
(第4実施の形態)
図4(a)は、本発明の第4実施の形態に係る車両ステアリング用伸縮軸の断面図であり、(b)は、当該実施の形態の変形例に係る断面図であり、(c)は、当該実施の形態の他の変形例に係る断面図であり、(d)は、(a)乃至(c)に示した伸縮軸の弾性エリアの側面図であり、(e)は、(d)に示した弾性エリアの断面図であり、(f)は、(a)乃至(c)に示した伸縮軸の非弾性エリアの側面図である。
【0055】
本実施の形態では、第3実施の形態における非弾性棒状部材10に代えて、高剛性で鋼製の非弾性板状部材11を用いて、軸方向に延在している。この非弾性板状部材11は、伸縮時、転がるのではなく、摺動する。そのため、負荷容量を増大することができる。その他の構成は、上記の第3実施の形態と同様である。
【0056】
本実施の形態においても、 一対の軌道面3a,3bの隙間(H1)と、弾性コロ状転動体5の径(φD1)と、非弾性板状部材11の厚み(t1)との間には、
φD1>H1>t1
の関係式が成り立つように設定してある。
【0057】
上式において、φD1>H1に設定してあるため、通常時、弾性コロ状転動体5は、若干押圧して縮径された状態にあり、拡径するように弾性復帰力を発揮することができる。従って、小トルク伝達及び伸縮時には、弾性コロ状転動体5を介して、ガタ付きを防止しながらトルクを伝達することができ、スムーズに伸縮することができる。
【0058】
大トルク伝達時には、弾性コロ状転動体5が縮径されて、一対の軌道面3a,3bと、非弾性板状部材11との間の隙間が無くなり、一対の軌道面3a,3bが非弾性板状部材11に直接当接し、この非弾性板状部材11を介して、高剛性の状態でトルク伝達することができる。
【0059】
また、非弾性板状部材11を軸方向に延在しているため、非弾性板状部材11は倒れにくく、スムーズな摺動が得られる。
【0060】
弾性コロ状転動体5の長さ(L4)と、非弾性板状部材11の長さ(L5)との関係は、滑り面が異なるため、問わない。
【0061】
なお、図4(b)の変形例では、両軸1,2が略四角形の断面であり、弾性エリア3a、3bを2組設けると共に、非弾性エリア4a、4bを2組設けてある。
【0062】
さらに、図4(c)の変形例では、両軸1,2が略三角形の断面であり、弾性エリア3a、4bを3組設けて、非弾性エリアを設けていない。
【0063】
なお、図4(b)および図4(c)の構成における作用、効果は上記実施の形態と同様であり説明を省略する。
【0064】
(第5実施の形態)
図5(a)は、本発明の第5実施の形態に係る車両ステアリング用伸縮軸の断面図であり、(b)は、当該実施の形態の変形例に係る断面図であり、(c)は、当該実施の形態の他の変形例に係る断面図であり、(d)は、(a)乃至(c)に示した伸縮軸の弾性エリアの側面図であり、(e)は、(d)に示した弾性エリアの断面図であり、(f)は、(a)乃至(c)に示した伸縮軸の非弾性エリアの側面図である。
【0065】
本実施の形態では、非弾性的介装物として、非弾性球状転動体9と、非弾性板状部材11とが設けてある。その他の構成は、上記実施の形態と同様である。但し、非弾性球状転動体9は、非弾性コロ状転動体6に代えてもよい。
【0066】
本実施の形態においては、 一対の軌道面3a,3bの隙間(H1)と、弾性コロ状転動体5の径(φD1)と、非弾性球状転動体9の径(φd2)と、非弾性板状部材11の厚み(t1)との間には、
φD1>H1>φd2>t1
の関係式が成り立つように設定してある。
【0067】
上式において、φD1>H1に設定してあるため、通常時、弾性コロ状転動体5は、若干押圧して縮径された状態にあり、拡径するように弾性復帰力を発揮することができる。従って、小トルク伝達及び伸縮時には、弾性コロ状転動体5を介して、ガタ付きを防止しながらトルクを伝達することができ、スムーズに伸縮することができる。
【0068】
中トルク伝達時には、φd2>t1であるため、先に非弾性球状転動体9が軌道面3a,3bに当接し、スムーズな摺動が得られる。
【0069】
大トルク伝達時には、弾性コロ状転動体5が縮径されて、一対の軌道面3a,3bと、非弾性板状部材11との間の隙間が無くなり、一対の軌道面3a,3bが非弾性板状部材11に直接当接し、この非弾性板状部材11を介して、高剛性の状態でトルク伝達することができる。
【0070】
但し、φd2とt1の寸法差は、僅かであるため、軌道面3a,3bには、大きな「圧痕(凹陥)」は発生しない。その結果、通常の中トルク以下域では、スムーズな伸縮が得られる。
【0071】
なお、図5(b)の変形例では、両軸1,2が略四角形の断面であり、弾性エリア3a、3bを2組設けると共に、非弾性エリア4a、4bを2組設けてある。
【0072】
さらに、図5(c)の変形例では、両軸1,2が略三角形の断面であり、弾性エリア3a、4bを3組設けて、非弾性エリアを設けていない。
【0073】
なお、図5(b)および図5(c)の構成における作用、効果は上記実施の形態と同様であり説明を省略する。
【0074】
(第6実施の形態)
図6(a)は、本発明の第6実施の形態に係る車両ステアリング用伸縮軸の断面図であり、(b)は、当該実施の形態の変形例に係る断面図であり、(c)は、当該実施の形態の他の変形例に係る断面図であり、(d)は、(a)乃至(c)に示した伸縮軸の弾性エリアの側面図であり、(e)は、(d)に示した弾性エリアの断面図であり、(f)は、弾性コロ状転動体の側面図であり、(g)は、(a)乃至(c)に示した伸縮軸の非弾性エリアの側面図である。
【0075】
本実施の形態では、第1実施の形態において、弾性コロ状転動体5の長さ(L4)と、非弾性コロ状転動体6の長さ(L3)との関係が、L4=L3に設定してある。その他の構成は、上記第1実施の形態と同様である。
【0076】
大トルク伝達時、非弾性コロ状転動体6の両端部からの負荷を受け、軌道面3a,3bの両側領域に、「圧痕(凹陥)」が生じ、その結果、L4=L3であると、伸縮時に、弾性コロ状転動体5が「圧痕(凹陥)」の箇所を転がり、ゴリゴリとした操舵感が生じるといったことがある。
【0077】
しかしながら、本実施の形態では、図6(f)に示すように、弾性コロ状転動体5は、その中央部の径を大きくするように段付きに形成してあり、また、その中央部の径を大きくするように円弧状に形成してある。なお、図示しないが、両端部の径を大きくするように円弧状に形成した鼓状のものを用いても良い。
【0078】
従って、小トルク伝達及び伸縮時には、弾性コロ状転動体5は、その大径の中央部が軌道面3a,3bの中央領域に位置し、「圧痕(凹陥)」の無い方の中央領域において、弾性コロ状転動体5を介して小トルクを伝達して伸縮することができる。従って、軌道面3a,3bの両側領域に生じた「圧痕(凹陥)」に拘わらず、スムーズに摺動することができる。
【0079】
なお、図6(b)の変形例では、両軸1,2が略四角形の断面であり、弾性エリア3a、3bを2組設けると共に、非弾性エリア4a、4bを2組設けてある。
【0080】
さらに、図6(c)の変形例では、両軸1,2が略三角形の断面であり、弾性エリア3a、4bを3組設けて、非弾性エリアを設けていない。
【0081】
なお、図6(b)および図6(c)の構成における作用、効果は上記実施の形態と同様であり説明を省略する。
【0082】
(弾性コロ状転動体)
図7(a)乃至(f)は、夫々、弾性コロ状転動体の各例を示す斜視図である。
【0083】
図7(a)の例では、中空のパイプに、スパイラルの溝を形成して、弾性的な変形可能にしている。
【0084】
図7(b)の例では、中空のパイプに、斜めのスリットを形成して、弾性的な変形可能にしている。
【0085】
図7(c)の例では、薄肉の中空のパイプを用いて、弾性的な変形可能にしている。
【0086】
図7(d)の例では、金属製のコイルバネを用いて、弾性的な変形可能にしている。
【0087】
図7(e)の例では、ゴムや樹脂材の弾性材ピンを用いて、弾性的な変形可能にしている。
【0088】
図7(f)の例では、図7(e)のゴムや樹脂材の弾性材ピンに、図7(a)のスパイラル状の中空パイプを嵌合して、弾性的な変形可能にしている。
【0089】
(第7実施の形態)
図8(a)は、本発明の第7実施の形態に係る車両ステアリング用伸縮軸の断面図であり、(b)は、当該実施の形態の変形例に係る断面図であり、(c)は、当該実施の形態の他の変形例に係る断面図であり、(d)は、(a)乃至(c)に示した伸縮軸の弾性エリアの側面図であり、(e)は、(d)に示した弾性エリアの断面図であり、(f)は、(a)乃至(c)に示した伸縮軸の非弾性エリアの側面図である。
【0090】
本実施の形態では、弾性エリアの一対の軌道面3a,3bのうち、雄軸2の軌道面3b内に、ラバー等の弾性体21が埋設してあり、この弾性体21に、薄板状の鋼板22が当接してある。なお、弾性体21は、自然状態では、軌道面3bより突出しており、図示したように押し込まれると、弾性的な復帰力を発揮するようになっている。
【0091】
雌軸1の軌道面3aと、鋼板22との間には、弾性体21と協働する中実で高剛性で鋼製の大径コロ状転動体23(弾性的介装物)と、弾性体21と協働しない中実で高剛性で鋼製の小径コロ状転動体24(非弾性的介装物)とが並列して介装してある。なお、これらのコロ状転動体23,24は、球状転動体に置換してもよく、また、組み合わせてもよい。
【0092】
大径コロ状転動体23の径(φD)と、小径コロ状転動体24の径(φd)との間には、
φD>φd
の関係式が成り立つように設定してある。
【0093】
また、大径コロ状転動体23の長さ(L1)と、弾性体21の長さ(L2)との間には、
L2>L1
の関係式が成り立つように設定してある。
【0094】
従って、φD>φdであるため、小トルク伝達及び伸縮時には、弾性体21により付勢された大径コロ状転動体23を介して、ガタ付きを防止しながらトルクを伝達することができ、スムーズに伸縮することができる。
【0095】
大トルク伝達時には、L2>L1であるため、大径コロ状転動体23は弾性体21に沈み込み、φD−φdの隙間が無くなり、小径コロ状転動体24を介して、高剛性の状態でトルク伝達することができる。
【0096】
但し、φD−φdの隙間は僅かであるため、圧痕等の発生は殆ど無く、小トルク伝達及び伸縮時の作動が保証される。仮に、大トルク伝達時、小径コロ状転動体24の両端部に対応する軌道面3a又は鋼板22の両側領域に圧痕が生じたとしても、小トルク伝達及び伸縮時には、大径コロ状転動体23は、圧痕の内側の中央領域に位置するため、圧痕の影響は無く、ガタのないスムーズな伸縮が得られる。
【0097】
なお、図8(b)の変形例では、両軸1,2が略四角形の断面であり、弾性エリア3a、3bを2組設けると共に、非弾性エリア4a、4bを2組設けてある。
【0098】
さらに、図8(c)の変形例では、両軸1,2が略三角形の断面であり、弾性エリア3a、4bを3組設けて、非弾性エリアを設けていない。
【0099】
なお、図8(b)および図8(c)の構成における作用、効果は上記実施の形態と同様であり説明を省略する。
【0100】
(第8実施の形態)
図9(a)は、本発明の第8実施の形態に係る車両ステアリング用伸縮軸の断面図であり、(b)は、当該実施の形態の変形例に係る断面図であり、(c)は、当該実施の形態の他の変形例に係る断面図であり、(d)は、(a)乃至(c)に示した伸縮軸の弾性エリアの側面図であり、(e)は、(d)に示した弾性エリアの断面図であり、(f)は、小径棒状部材等の斜視図であり、(g)は、(a)乃至(c)に示した伸縮軸の非弾性エリアの側面図である。
【0101】
本実施の形態では、第7実施の形態において、小径コロ状転動体24に代えて、小径棒状部材25を用いて、軸方向に延在している。小径棒状部材25は、伸縮時、転がるのではなく、摺動する。そのため、負荷容量を増大することができる。その他の構成は、上記の第7実施の形態と同様である。
【0102】
大径コロ状転動体23の径(φD)と、小径コロ状転動体24の径(φd)との間には、
φD>φd
の関係式が成り立つように設定してある。
【0103】
従って、φD>φdであるため、小トルク伝達及び伸縮時には、弾性体21により付勢された大径コロ状転動体23を介して、ガタ付きを防止しながらトルクを伝達することができ、スムーズに伸縮することができる。
【0104】
大トルク伝達時には、大径コロ状転動体23は弾性体21に沈み込み、φD−φdの隙間が無くなり、小径棒状部材25を介して、高剛性の状態でトルク伝達することができる。
【0105】
但し、φD−φdの隙間は僅かであるため、圧痕等の発生は殆ど無く、小トルク伝達及び伸縮時の作動が保証される。仮に、大トルク伝達時、小径コロ状転動体24の両端部に対応する軌道面3a又は鋼板22の両側領域に圧痕が生じたとしても、小トルク伝達及び伸縮時には、大径コロ状転動体23は、圧痕の内側の中央領域に位置するため、圧痕の影響は無く、ガタのないスムーズな伸縮が得られる。
【0106】
丸柱状の小径棒状部材25を用いているため、大トルク伝達時には、負荷面を多く確保することができる。但し、図9(f)に示すように、丸柱状の小径棒状部材25に代えて、角柱状の小径棒状部材又は薄厚の板状部材を用いても良い。なお、これらの場合、当然摺動になるが、大トルク伝達時、合わせて軽い伸縮も同時に必要とするケースは少ないため、摺動でも実質上問題なく、厚痕も付きにくい。また、φD>tであれば、t=φdであってもよい。
【0107】
なお、図9(b)の変形例では、両軸1,2が略四角形の断面であり、弾性エリア3a、3bを2組設けると共に、非弾性エリア4a、4bを2組設けてある。
【0108】
さらに、図9(c)の変形例では、両軸1,2が略三角形の断面であり、弾性エリア3a、4bを3組設けて、非弾性エリアを設けていない。
【0109】
なお、図9(b)および図9(c)の構成における作用、効果は上記実施の形態と同様であり説明を省略する。
【0110】
(第9実施の形態)
図10(a)は、本発明の第9実施の形態に係る車両ステアリング用伸縮軸の断面図であり、(b)は、薄板状弾性体の側面図であり、(c)は、弾性エリアの断面図であり、(d)は、弾性エリアの側面図である。
【0111】
本実施の形態では、第7実施の形態において、弾性体21に代えて、薄板状弾性体26を用いている。薄板状弾性体25は、自然状態では、図10(a)に破線で示すように、その端片が延びた状態にあり、実勢で図示したように押し込まれると、弾性的な復帰力を発揮するようになっている。
【0112】
大径コロ状転動体23の径(φD)と、小径コロ状転動体24の径(φd)との間には、
φD>φd
の関係式が成り立つように設定してある。
【0113】
また、大径コロ状転動体23の長さ(L1)と、薄板状弾性体26の両端片間の長さ(L2)との間には、
L2>L1
の関係式が成り立つように設定してある。
【0114】
従って、φD>φdであるため、小トルク伝達及び伸縮時には、薄板状弾性体26により付勢された大径コロ状転動体23を介して、ガタ付きを防止しながらトルクを伝達することができ、スムーズに伸縮することができる。
【0115】
大トルク伝達時には、L2>L1であるため、大径コロ状転動体23は薄板状弾性体26に沈み込み、φD−φdの隙間が無くなり、小径コロ状転動体24を介して、高剛性の状態でトルク伝達することができる。
【0116】
但し、φD−φdの隙間は僅かであるため、圧痕等の発生は殆ど無く、小トルク伝達及び伸縮時の作動が保証される。仮に、大トルク伝達時、小径コロ状転動体24の両端部に対応する軌道面3a又は薄板状弾性体26の両側領域に圧痕が生じたとしても、小トルク伝達及び伸縮時には、大径コロ状転動体23は、圧痕の内側の中央領域に位置するため、圧痕の影響は無く、ガタのないスムーズな伸縮が得られる。
【0120】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されず、種々変形可能である。例えば、図8乃至図10の第7乃至第9実施の形態において、弾性コロ状転動体と組み合わせてもよく、勿論、図10に、図9の摺動方式を組み合わせてる等の各種組合せであってもよい。
【0121】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、雌軸の内周面と雄軸の外周面に夫々形成した互いに対向する一対の軌道面の間に、弾性的介装物と、非弾性的介装物とが並列して介装してあるため、小トルク伝達時、弾性的介装物を介して、ガタ付きを防止しながらトルク伝達することができる一方、大トルク伝達時、非弾性的介装物を介して、高剛性の状態でトルク伝達することができる。
【0122】
しかも、大トルク伝達時に非弾性的介装物からの負荷を受けた領域に、たとえ「圧痕(凹陥)」が生じたとしても、小トルク伝達及び伸縮時には、「圧痕(凹陥)」の無い方の領域において、弾性的介装物を介して小トルクを伝達して伸縮することができる。従って、軌道面に生じた「圧痕(凹陥)」に拘わらず、スムーズに摺動することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の第1実施の形態に係る車両ステアリング用伸縮軸の断面図であり、(b)は、当該実施の形態の変形例に係る断面図であり、(c)は、当該実施の形態の他の変形例に係る断面図であり、(d)は、(a)乃至(c)に示した伸縮軸の弾性エリアの側面図であり、(e)は、(d)に示した弾性エリアの断面図であり、(f)は、(a)乃至(c)に示した伸縮軸の非弾性エリアの側面図である。
【図2】(a)は、本発明の第2実施の形態に係る車両ステアリング用伸縮軸の断面図であり、(b)は、当該実施の形態の変形例に係る断面図であり、(c)は、当該実施の形態の他の変形例に係る断面図であり、(d)は、(a)乃至(c)に示した伸縮軸の弾性エリアの側面図であり、(e)は、(d)に示した弾性エリアの断面図であり、(f)は、(a)乃至(c)に示した伸縮軸の非弾性エリアの側面図である。
【図3】(a)は、本発明の第3実施の形態に係る車両ステアリング用伸縮軸の断面図であり、(b)は、当該実施の形態の変形例に係る断面図であり、(c)は、当該実施の形態の他の変形例に係る断面図であり、(d)は、(a)乃至(c)に示した伸縮軸の弾性エリアの側面図であり、(e)は、(d)に示した弾性エリアの断面図であり、(f)は、棒状部材の斜視図であり、(g)は、(a)乃至(c)に示した伸縮軸の非弾性エリアの側面図である。
【図4】(a)は、本発明の第4実施の形態に係る車両ステアリング用伸縮軸の断面図であり、(b)は、当該実施の形態の変形例に係る断面図であり、(c)は、当該実施の形態の他の変形例に係る断面図であり、(d)は、(a)乃至(c)に示した伸縮軸の弾性エリアの側面図であり、(e)は、(d)に示した弾性エリアの断面図であり、(f)は、(a)乃至(c)に示した伸縮軸の非弾性エリアの側面図である。
【図5】(a)は、本発明の第5実施の形態に係る車両ステアリング用伸縮軸の断面図であり、(b)は、当該実施の形態の変形例に係る断面図であり、(c)は、当該実施の形態の他の変形例に係る断面図であり、(d)は、(a)乃至(c)に示した伸縮軸の弾性エリアの側面図であり、(e)は、(d)に示した弾性エリアの断面図であり、(f)は、(a)乃至(c)に示した伸縮軸の非弾性エリアの側面図である。
【図6】(a)は、本発明の第6実施の形態に係る車両ステアリング用伸縮軸の断面図であり、(b)は、当該実施の形態の変形例に係る断面図であり、(c)は、当該実施の形態の他の変形例に係る断面図であり、(d)は、(a)乃至(c)に示した伸縮軸の弾性エリアの側面図であり、(e)は、(d)に示した弾性エリアの断面図であり、(f)は、弾性コロ状転動体の側面図であり、(g)は、(a)乃至(c)に示した伸縮軸の非弾性エリアの側面図である。
【図7】(a)乃至(f)は、夫々、弾性コロ状転動体の各例を示す斜視図である。
【図8】(a)は、本発明の第7実施の形態に係る車両ステアリング用伸縮軸の断面図であり、(b)は、当該実施の形態の変形例に係る断面図であり、(c)は、当該実施の形態の他の変形例に係る断面図であり、(d)は、(a)乃至(c)に示した伸縮軸の弾性エリアの側面図であり、(e)は、(d)に示した弾性エリアの断面図であり、(f)は、(a)乃至(c)に示した伸縮軸の非弾性エリアの側面図である。
【図9】(a)は、本発明の第8実施の形態に係る車両ステアリング用伸縮軸の断面図であり、(b)は、当該実施の形態の変形例に係る断面図であり、(c)は、当該実施の形態の他の変形例に係る断面図であり、(d)は、(a)乃至(c)に示した伸縮軸の弾性エリアの側面図であり、(e)は、(d)に示した弾性エリアの断面図であり、(f)は、小径棒状部材等の斜視図であり、(g)は、(a)乃至(c)に示した伸縮軸の非弾性エリアの側面図である。
【図10】(a)は、本発明の第9実施の形態に係る車両ステアリング用伸縮軸の断面図であり、(b)は、薄板状弾性体の側面図であり、(c)は、弾性エリアの断面図であり、(d)は、弾性エリアの側面図である。
【符号の説明】
1 雌軸
2 雄軸
3a,3b 軌道面
4a,4b 軌道面
5 弾性コロ状転動体(弾性的介装物)
6 非弾性コロ状転動体(非弾性的介装物)
7 非弾性コロ状転動体
8 保持器
9 非弾性球状転動体(非弾性的介装物)
10 非弾性棒状部材(非弾性的介装物)
11 非弾性板状部材(非弾性的介装物)
21 弾性体
22 鋼板
23 大径コロ状転動体(弾性的介装物)
24 小径コロ状転動体(非弾性的介装物)
25 小径棒状部材(非弾性的介装物)
26 薄板状弾性体

Claims (6)

  1. 車両のステアリングシャフトに組込み、雄軸と雌軸を回転不能且つ摺動自在に構成した車両ステアリング用伸縮軸において、
    前記雌軸の内周面と前記雄軸の外周面に夫々形成した互いに対向する一対の軌道面の間に、弾性的要素を有する弾性的介装物と、弾性的要素を有しない非弾性的介装物とを軸方向に並列して介装し、
    前記一対の軌道面において、周方向で見てその中央領域と両側領域の一方は、小トルク伝達及び伸縮時に前記弾性的介装物の負荷を受け、前記両領域の他方は、大トルク伝達時に前記非弾性的介装物の負荷を受けることを特徴とする車両ステアリング用伸縮軸。
  2. 車両のステアリングシャフトに組込み、雄軸と雌軸を回転不能且つ摺動自在に構成した車両ステアリング用伸縮軸において、
    前記雌軸の内周面と前記雄軸の外周面に夫々形成した互いに対向する一対の軌道面の間に、一方の軌道面に設けた弾性的要素の付勢を受ける弾性的介装物と、前記弾性的要素の付勢を受けない非弾性的介装物とを軸方向に並列して介装し、
    前記一対の軌道面において、周方向で見てその中央領域と両側領域の一方は、小トルク伝達及び伸縮時に前記弾性的介装物の負荷を受け、前記両領域の他方は、大トルク伝達時に前記非弾性的介装物の負荷を受けることを特徴とする車両ステアリング用伸縮軸。
  3. 前記弾性的介装物は、前記非弾性的介装物より、その径方向の寸法が若干大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の車両ステアリング用伸縮軸。
  4. 前記弾性的介装物と、前記非弾性的介装物とは、前記伸縮軸廻りの周方向に延在してあり、その長さが異なることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両ステアリング用伸縮軸。
  5. 前記非弾性的介装物は、コロ状転動体、球状転動体、棒状部材、又は平板状部材からなり、前記コロ状転動体は、前記伸縮軸廻りの周方向に延在してあり、前記棒状部材、又は前記平板状部材は、前記伸縮軸の軸方向に延在してあることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の車両ステアリング用伸縮軸。
  6. 前記弾性的介装物は、その中央部と両側部との径が異なることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の車両ステアリング用伸縮軸。
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