JP5077360B2 - 伸縮軸の製造方法 - Google Patents

伸縮軸の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5077360B2
JP5077360B2 JP2010003929A JP2010003929A JP5077360B2 JP 5077360 B2 JP5077360 B2 JP 5077360B2 JP 2010003929 A JP2010003929 A JP 2010003929A JP 2010003929 A JP2010003929 A JP 2010003929A JP 5077360 B2 JP5077360 B2 JP 5077360B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shaft
telescopic shaft
balls
plastic deformation
rolling element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010003929A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011144820A (ja
Inventor
祥史 黒川
雅裕 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2010003929A priority Critical patent/JP5077360B2/ja
Publication of JP2011144820A publication Critical patent/JP2011144820A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5077360B2 publication Critical patent/JP5077360B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C3/00Shafts; Axles; Cranks; Eccentrics
    • F16C3/02Shafts; Axles
    • F16C3/03Shafts; Axles telescopic
    • F16C3/035Shafts; Axles telescopic with built-in bearings

Landscapes

  • Steering Controls (AREA)
  • Power Steering Mechanism (AREA)

Description

この発明は、例えば自動車の操舵装置を構成するステアリングシャフトや中間シャフト(インターミディエイトシャフト)等、回転力(トルク)を伝達可能で、且つ、軸方向に伸縮可能なシャフトとして使用する、伸縮軸の製造方法の改良に関する。
自動車の操舵装置は、例えば図21に示す様に構成して、ステアリングホイール1の動きをステアリングギヤユニット2に伝達する様にしている。このステアリングホイール1の動きは、ステアリングシャフト3と、自在継手4aと、中間シャフト5と、自在継手4bとを介して、上記ステアリングギヤユニット2の入力軸6に伝達される。すると、このステアリングギヤユニット2が、左右1対のタイロッド7、7を押し引きして、操舵輪に所望の舵角を付与する。尚、図21に示した例では、電動モータ8により上記ステアリングシャフト3に、運転者が上記ステアリングホイール1に加えた力に応じた補助力(アシスト力)を付与する、電動式パワーステアリング装置を組み込んでいる。
又、上述の様な操舵装置を構成するステアリングシャフト3や中間シャフト5として、例えば特許文献1〜2に記載されたものが、従来から知られている。これら特許文献1〜2に記載された構造の場合には、インナシャフトとアウタシャフトとの間に、それぞれが転動体に相当する複数の玉を配置する事により、これら各玉を介してこれら両シャフト同士の回転力を伝達可能とすると共に、これら両シャフト同士の相対変位を可能としている。図22〜23は、この様な回転力を伝達可能で、且つ、軸方向の相対変位(伸縮)を可能とした伸縮軸の1例を示している。これら図22〜23に示した伸縮軸は、インナシャフト9と、アウタシャフト10と、それぞれが転動体に相当する複数の玉11、11とを備える。このうちのインナシャフト9は、外周面の円周方向複数個所(4個所)に、径方向内方に凹入する状態で、インナ側案内部に相当するインナ側凹溝12、12を、それぞれ軸方向に形成している。
又、上記アウタシャフト10は、上記インナシャフト9を挿入自在としており、内周面の円周方向複数個所(4個所)で上記各インナ側凹溝12、12と整合する位置に、径方向外方に凹入する状態で、アウタ側案内部に相当するアウタ側凹溝13、13を、それぞれ軸方向に形成している。又、上記各玉11、11は、上記インナ側、アウタ側各凹溝12、13のうちの一部(4個所のうちの2個所)のインナ側、アウタ側各凹溝12、13同士の間に、それぞれ配置されている。上記各玉11、11は、図23に示す様に、上記インナ側、アウタ側各凹溝12、13同士の間に、それぞれ複数個ずつ、軸方向に直列に並べた状態で配置している。そして、上記インナ、アウタ両シャフト9、10同士の間で、上記各玉11、11を介して回転の伝達が可能で、且つ、これら両シャフト9、10同士が互いに軸方向に摺動可能としている。尚、図示の例の場合には、上記各玉11、11を一部のインナ側、アウタ側各凹溝12、13同士の間に配置しているが、総て(4個所)のインナ側、アウタ側各凹溝12、13同士の間に配置する事もできる。
ところで、前述の図21に示した構造の様な、パワーステアリング装置として電動式のものを使用する事が、例えば油圧式のものを使用する場合に比べ、燃費向上等を図る面からは好ましい。但し、この図21に示した構造の様に、運転者の操舵力を補助(アシスト)する電動モータ8が、例えば中間軸5よりも運転者側に設けられている構造の場合には、この電動モータ8の出力に基づく補助力(アシスト力)分、この中間軸5に加わるトルクが大きくなる。そして、この様な中間軸5として、上述の様な玉11、11を用いた構造を採用した場合には、上記インナ側、アウタ側各凹溝12、13の内面(案内面)や各玉11、11の転動面に圧痕を生じ易くなる可能性がある。
即ち、例えば伸縮軸として、インナシャフトとアウタシャフトとを、スプライン係合部により伸縮及び回転力の伝達を可能に組み合わせたものを使用する場合には、トルク伝達部であるスプライン係合部の当接面積を大きくでき、当該部分の面圧は高くなりにくい。これに対して、上述の様な玉11、11を用いた構造を採用した場合には、そのままでは、トルク伝達部、即ち、図24に示す様に、インナ側、アウタ側各凹溝12、13の内面と各玉11の転動面との接触部の接触面積が小さくなり、当該部分の面圧が高くなる。そして、この様に面圧が高くなる事に伴って、上記インナ側、アウタ側各凹溝12、13の内面や各玉11の転動面に圧痕を生じ易くなる可能性がある。尚、この様な圧痕は、上述の様なトルクの伝達に基づくものの他、インナシャフト9とアウタシャフト10との組み付け時に、これらインナ、アウタ両シャフト9、10の中心軸がずれ、上記接触部に過大な荷重が加わる事により、或は、伸縮軸に折り曲げ方向の荷重が加わる事により生じる場合もある。何れにしても、この様な圧痕は、伸縮軸の伸縮(インナシャフト9とアウタシャフト10との相対変位)を円滑に行えなくする(引っ掛かりを生じる)原因となる等、好ましくない。
尚、上述の様な接触部の接触面積を確保すべく、例えば図25に示す様に、インナ側、アウタ側各凹溝12、13の内面に、各玉11、11の転動面に倣った形状の凹部14を形成し、この様な凹部14を形成した上記各凹溝12、13に、これら各玉11、11を組み付ける様にする事が考えられる。但し、この様な構成を採用した場合には、各部の成形誤差やばらつき、組み立て時のばらつき等に伴って、例えば図26に示す様に、上記凹部14と上記各玉11との位置関係がずれる可能性がある。この様な場合には、この凹部14の端縁等に過大な面圧が加わり易くなり、十分な形状精度や組立精度を確保できない限り、圧痕を生じ易くなる可能性がある。
又、図27の(イ)に示す様な、インナ側、アウタ側各凹溝12、13の内面に圧痕が生じる事を防止すべく、これらインナ側、アウタ側各凹溝12、13の内面に熱処理等の表面処理を施して、これらインナ側、アウタ側各凹溝12、13の内面(表面)の硬度を確保する事が考えられる。但し、この場合には、同図の(ロ)に示す様に、インナ側、アウタ側各凹溝12、13の内面と各玉11の転動面との両方に圧痕を生じ易くなる可能性がある。又、上記熱処理等の表面処理に伴って生じる歪に基づいて、前記図26に示した様な位置関係のずれが更に生じ易くなる可能性もある。尚、この様な歪に伴うずれを防止すべく、上記表面処理を施した後、上記インナ側、アウタ側各凹溝12、13の内面に、例えばプレスや切削等による仕上げ加工を施す事が考えられる。但し、この場合には、加工の手間が増え、コストが増大する可能性がある他、上記仕上げ加工に伴って、上記インナ側、アウタ側各凹溝12、13の内面にクラックを生じ易くなる可能性がある。又、上記硬度を十分に確保すべく、上記表面処理を十分な深さで施した場合には、上記仕上げ加工を行う為の金型の耐久性を確保しにくくなる他、形状精度を確保する事も面倒になる可能性がある。
尚、上述の様な仕上げ加工を施す場合に、この加工に伴うコストの低減を図る為には、上記インナ側、アウタ側各凹溝12、13の内面のうちでこの仕上げ加工を施す範囲を短くする事が好ましい。又、インナシャフト9とアウタシャフト10との相対変位量(伸縮軸の伸縮量)を規制すべく、図28に示す様に、上記仕上げ加工を施す部分と施さない部分との境界に対応する段差部15により各玉11の変位を制限する事で、上記インナシャフト9とアウタシャフト10とがそれ以上相対変位しない様にする事もできる。この様な、仕上げ加工を施す部分と施さない部分とで伸縮量を制限する事は、例えばストッパ部品等を設ける場合に比べ、部品点数の低減を図れる等、コストの低減を図れる。但し、この様な構造の場合、図29に示す様に、上記境界部分となる段差部15に、上記各玉11が強く当接する可能性があり、この当接に基づきこれら各玉11や段差部15に圧痕が生じたり、更には、繰り返しの当接に基づいて、これら各玉11の転動面や段差部15の表面に剥離が生じる可能性がある。尚、この図29のうちで破線が、当接に基づき変形した状態を、同じく実線が、当接に基づく変形が生じる前の形状を、それぞれ表している。
何れにしても、図30に示す様に、例えば上述の様な仕上げ加工を施す為の金型のうちで、上記段差部15を形成する部分が、組み込むべき玉11の形状とずれていたり、これら各玉11と段差部15との位置関係にずれを生じた場合には、これら各玉11と段差部15との当接部の当接面積が小さくなり、当該当接部の面圧が大きくなり易くなる。そして、この面圧が過度に大きくなった場合には、この段差部15や各玉11の転動面で損傷を生じる可能性がある。この様な場合には、この損傷に伴う破片(鉄粉)が上記インナ側、アウタ側各凹溝12、13の内面と各玉11の転動面との接触部に噛み込まれる可能性があり、この噛み込みに基づく圧痕を生じる等、この面からも、伸縮軸の伸縮を円滑に行いにくくなる(引っ掛かり感を生じる)可能性がある。
尚、前記特許文献1には、インナ側凹溝を、大きな曲率半径の凸曲面を有する金型と、小さな曲率半径の凸曲面を有する金型とにより、2段階に塑性変形させて形成する技術が記載されている。但し、この技術を採用しても、インナ側、アウタ側各凹溝の内面と各玉の転動面との接触部の面圧の低減を十分に図れず、前述した様な圧痕を生じ、伸縮軸の伸縮を円滑に行えなくなる(引っ掛かり感を生じる)可能性がある。又、前記特許文献2には、アウタシャフトに荷重を加える事により、インナ側、アウタ側各凹溝の隙間を広げた状態で、これらインナ側、アウタ側各凹溝に玉を組み付ける技術が記載されている。但し、この技術を採用した場合は、この組み付け時やトルク伝達時に、インナ側、アウタ側各凹溝の内面と各玉の転動面との接触部の面圧が高くなり易く、前述した様な圧痕を生じ、伸縮軸の伸縮を円滑に行えなくなる(引っ掛かり感を生じる)可能性がある。
特開2008−6903号公報 特開2007−16951号公報
本発明の伸縮軸の製造方法は、上述の様な事情に鑑みて、圧痕を生じにくくでき、伸縮を円滑に行える構造を、安価に実現すべく発明したものである。
本発明の製造方法の対象となる伸縮軸は、例えば前述した特許文献1〜2に記載された従来構造や、前述の図22〜23に示した構造と同様に、インナシャフトと、アウタシャフトと、複数の転動体とを備える。
このうちのインナシャフトは、外周面の円周方向の少なくとも1個所(より好ましくは複数個所)に、例えば径方向内方に凹入したインナ側凹溝等のインナ側案内部を、軸方向に設けている。
又、上記アウタシャフトは、上記インナシャフトを挿入自在なもので、内周面の円周方向の少なくとも1個所(より好ましくは複数個所)で上記インナ側案内部(例えばインナ側凹溝)と整合する位置に、例えば径方向外方に凹入したアウタ側凹溝等のアウタ側案内部を、軸方向に設けている。
又、上記各転動体は、上記インナ側案内部(例えばインナ側凹溝)と上記アウタ側案内部(例えばアウタ側凹溝)との間に設けられている。この様な転動体としては、例えば玉やローラ(円筒ころ、ニードル)等が挙げられる。
そして、上記インナシャフトと上記アウタシャフトとを、互いの間での回転力の伝達及び軸方向の相対変位を可能に組み合わせている。
特に、本発明の製造方法により造る伸縮軸は、この伸縮軸の使用開始に先立ち、上記インナ側、アウタ側各案内部のうちの少なくとも何れかの案内部の案内面(例えば凹溝の内面)に、上記伸縮軸を構成する転動体、又は、この伸縮軸を構成する転動体とは別で、この転動体と同大且つ同形状の転動体の転動面との当接に基づき塑性変形部を、上記案内面(例えば内面)のうちの、少なくとも使用時に、上記伸縮軸を構成する各転動体がこの案内面に対し相対変位する範囲に、予め形成している。即ち、上記案内面のうちで、上記伸縮軸を構成する各転動体が使用時に相対変位する範囲に(伸縮軸の軸方向に亙って)、上記転動体との当接に基づきこの転動体の転動面に対応する凹面状の(軸方向に長い圧痕の如き)塑性変形部を、上記伸縮軸の使用に先立ち予め形成しておく。
そして、本発明の伸縮軸の製造方法に於いては、上述の様な伸縮軸を造るべく、上記インナ側案内部と上記アウタ側案内部との間で、上記伸縮軸を構成する転動体、又は、この伸縮軸を構成する転動体と別で、この転動体と同大且つ同形状の転動体を、これらインナ側案内部とアウタ側案内部とのうちの少なくとも何れかの案内部の案内面(例えば凹溝の内面)に当接させた状態で、上記インナ側、アウタ側各案内部に対し、上記伸縮軸の軸方向に相対変位させる。この様に上記転動体を上記インナ側、アウタ側各案内部に対し相対変位させる作業は、上記インナ、アウタ両シャフト同士の間にトルクを加えた状態で行う。尚、上記伸縮軸を構成する転動体、又は、この伸縮軸を構成する転動体と別で、この転動体と同大且つ同形状の転動体の外径は、上記インナシャフトとアウタシャフトとにトルクが加わらない中立状態での、互いに対向する上記インナ側案内部の案内面(例えばインナ側凹溝の内面)とアウタ側案内部の案内面(例えばアウタ側凹溝の内面)とにより構成される空間(隙間空間)の、軸に直交する仮想平面上での断面形状に関する内接円の直径よりも大きくする。
又、上記相対変位は、例えば、上記インナ側案内部と上記アウタ側案内部との間に上記転動体を組み付けた状態で、前記インナシャフトと前記アウタシャフトとを互いに軸方向に離れる方向に、或は、互いに軸方向に近付く方向に変位させる事により行える。又、上記インナシャフトと上記アウタシャフトとを、上記インナ側、アウタ側各案内部同士を互いに対向させて配置した状態で、これらインナ側、アウタ側各案内部同士の間に上記転動体を(例えば押し込み治具等を用いて)押し込む事によっても行える。そして、この様な相対変位に伴って、上記インナ側、アウタ側各案内部のうちの少なくとも何れかの案内部の案内面に、上記転動体との当接に基づく塑性変形部を、この案内面のうちの少なくとも上記伸縮軸の使用時に上記各転動体が上記案内面に対し相対変位する範囲に形成する。
尚、上述の様に塑性変形部を形成する為の転動体は、通常数量を多く製作している為、この様に製作された多数の転動体のうちから径寸法の大小によって仕分けをする事で、径寸法の差が非常に少ない(殆どない)転動体を揃える事ができる。この為、組み付けるべき転動体として同寸法のものを多数入手する事や、この組み付けるべき転動体と同大且つ同形状の転動体を多数入手する事は、容易且つ低コストで行える。何れにしても、上述の様な塑性変形部の形成は、上記伸縮軸の使用開始に先立って行う。又、上記伸縮軸を構成する転動体自体により塑性変形部を形成した場合には、この塑性変形部を形成した状態で、完成状態となる。一方、上記伸縮軸を構成する転動体と同大且つ同形状である、別の転動体により塑性変形部を形成した場合には、この塑性変形部を形成した後、この塑性変形部を形成した転動体を取り出す。そして、この様に転動体を取り出してから、上記伸縮軸を構成する転動体を組み付けた状態で、完成状態となる。上述した様に、同大且つ同形状の転動体は容易且つ低コストで入手できる為、上記塑性変形部の形成は、上記伸縮軸を構成する転動体自体を用いても良いし、この伸縮軸を構成する転動体と同大且つ同形状である、別の転動体を用いても良い(塑性変形部を形成する転動体と完成後の状態での転動体とを同じものとしても良いし、互いに別の転動体としても良い)。
又、上述の様な本発明の製造方法により造る伸縮軸は、例えば、上記塑性変形部の端部に、伸縮軸を構成する転動体、又は、この伸縮軸を構成する転動体とは別の、同大且つ同形状の転動体の転動面に倣った段差凹面部を形成する。この為に、本発明の伸縮軸の製造方法を実施する場合に、例えば、上記転動体と上記インナ側、アウタ側各案内部との相対変位を、このインナ側、アウタ側各案内部のうちで塑性変形部を形成する案内面のうちの軸方向全体に亙って行わず(案内部の軸方向全体に亙って塑性変形部を形成せずに)、この案内部の途中で終える様にする。そして、この様な相対変位に基づいて上記塑性変形部を形成する事により、この塑性変形部の端部に、伸縮軸を構成する転動体、又は、この伸縮軸を構成する転動体と別の、この転動体と同大且つ同形状の転動体の転動面に倣った、上記段差凹面部を形成する。
又、上述の様な本発明の製造方法により造る伸縮軸は、例えば、上記各転動体を、上記インナ側、アウタ側各案内部同士の間に、それぞれ複数個ずつ、軸方向に直列に並べた状態で配置する。そして、上記塑性変形部を、上記インナ側、アウタ側各案内部の案内面のうちで、少なくとも使用時に上記各転動体がこの案内面に対し相対変位する範囲に形成する。この場合に、この塑性変形部は、上記案内部の軸方向に亙り連続した状態で形成する(1本の軸方向に長い塑性変形部とする)事ができる他、それぞれの転動体に対応する状態で軸方向に不連続に(それぞれが軸方向に間隔を開けた状態で)形成する(各転動体の個数分の塑性変形部とする)事もできる。即ち、上記塑性変形部を、各転動体の軸方向に関するピッチよりも小さくし、これら各転動体の個数分設ける事ができる他、このピッチよりも大きくし、軸方向に長い1本の塑性変形部を設ける事もできる。
又、上述の様な本発明の伸縮軸の製造方法では、上記転動体と上記インナ側、アウタ側各案内部とを相対変位させる作業を、インナ、アウタ両シャフト同士の間にトルク(回転力)を加えた状態で行う。即ち、上記インナ側案内部と上記アウタ側案内部との間に、上記伸縮軸を構成する転動体、又は、この伸縮軸を構成する転動体と別の、この転動体と同大且つ同形状の転動体を組み付けた状態で、上記インナ、アウタ両シャフト同士の間に何れかの方向のトルクを加えつつ(インナシャフト又はアウタシャフトに時計方向のトルクを加えつつ、或は、反時計方向のトルクを加えつつ)、このインナシャフとアウタシャフトとを互いに軸方向に変位させる。或は、上記インナ側、アウタ側各案内部同士の間に上記転動体を押し込みつつ、同じく上記インナ、アウタ両シャフト同士の間に何れかの方向のトルクを加える。そして、この様にトルクを加えつつ、上記両シャフトを軸方向に相対変位させる事により、上記転動体の転動面と上記インナ側、アウタ側各案内部の案内面とに高い面圧を加えつつ、上記塑性変形部を形成する。
上述の様に構成する本発明の伸縮軸の製造方法によれば、インナ側、アウタ側各案内部の案内面に圧痕を生じにくくでき、伸縮を円滑に行える構造を、安価に実現できる。
即ち、インナ側、アウタ側各案内部同士の間に設けられた各転動体が、このインナ側、アウタ側各案内部(例えばインナ側、アウタ側各凹溝)の案内面(例えば内面)に形成した塑性変形部と接触した状態でトルク伝達が行われる為、この接触部の面積の増大、延いては、面圧の低下を図れる。この為、上記インナ側、アウタ側各案内部の案内面に圧痕を生じにくくでき、インナシャフトとアウタシャフトとの相対変位(伸縮軸の伸縮)を円滑に行える。又、上記塑性変形部は、伸縮軸を構成する転動体、又は、この伸縮軸を構成する転動体とは別の、この転動体と同大且つ同形状の転動体の転動面と上記インナ側、アウタ側各案内部の案内面とを当接させた状態で、上記伸縮軸の軸方向に相対変位させる事により形成できる。即ち、互いに組み合わされたインナ、アウタ各シャフトのインナ側、アウタ側各案内部の形状に対応した(一品一様の)塑性変形部を、上記転動体により形成できる。同大且つ同形状の転動体は容易に入手できる為、上述の様な塑性変形部を形成した構造を安価に製造できる他、組み付け状態で、上記塑性変形部と上記各転動体との位置関係がずれる事も防止できる。この為、この面からも、これら各転動体の転動面と相手面との接触部に過大面圧が加わる事の防止、延いては、これら各面に圧痕が生じる事を防止できる。しかも、上記インナ側、アウタ側各案内部は、上記塑性変形部の形成に伴って加工硬化する為、この面からも、圧痕を生じにくくできる。
本発明の実施の形態の第1例を示す断面図。 図1のA部拡大図。 本例の構造と従来の構造との違い説明する為の模式図で、(イ)は本例の構造を、(ロ)は従来の構造を、それぞれ示している。 塑性変形部を形成する状態の第1例を示す、図1のB−B断面に相当する図。 塑性変形部を形成する状態の第2例を示す、図4と同様の図。 塑性変形部を形成した後に、玉を取り出した状態で示す、図5と同様の図。 塑性変形部を形成する状態の第3例を示す、図4と同様の図。 同第4例を示す、図4と同様の図。 同第5例を示す、図1と同方向から見た断面図。 本発明の実施の形態の第2例を示す断面図。 図10のC部拡大図。 本発明の実施の形態の第3例を示す断面図。 同第4例を示す断面図。 同第5例を示す断面図。 同第6例を示す断面図。 同第7例を示す断面図。 同第8例を示す断面図。 同第9例を示す断面図。 同第10例を示す断面図。 図19のD部拡大図。 自動車用操舵装置の1例を示す、部分縦断側面図。 本発明の対象となる伸縮軸の1例を示す断面図。 図22のE−E断面に相当する図。 図22のF部拡大図。 別例を示す図24と同様の図。 位置関係がずれた状態を示す、図25と同様の図。 圧痕が生じる状態の2例を示す、図23と同方向から見た部分拡大図。 転動体の変位を規制する段差部と転動体とが当接した状態を示す、図23と同方向から見た部分拡大図。 図28のG部拡大図。 圧痕が生じる原因を説明する為の、図23と同方向から見た部分拡大図。
[実施の形態の第1例]
図1〜9は、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例の伸縮軸16は、例えば前述の図21に示した中間シャフト5やステアリングシャフト3等の、トルク(回転力)の伝達と軸方向の伸縮との両方の機能を必要とされる、各種シャフトとして使用するものである。この為に、本例の場合には、例えば前述の図22〜23に示した構造と同様に、インナシャフト9aと、アウタシャフト10aと、それぞれが転動体に相当する複数の玉11、11とを備える。このうちのインナシャフト9aは、外周面の円周方向複数個所(2個所)に、径方向内方に凹入する状態で、インナ側案内部に相当するインナ側凹溝12a、12aを、それぞれ軸方向に形成している。
又、上記アウタシャフト10aは、上記インナシャフト9aを挿入自在としており、内周面の円周方向複数個所(2個所)で上記各インナ側凹溝12a、12aと整合する位置に、径方向外方に凹入する状態で、アウタ側案内部に相当するアウタ側凹溝13a、13aを、それぞれ軸方向に形成している。又、上記各玉11、11は、上記インナ側、アウタ側各凹溝12a、13a同士の間に、それぞれ配置されている。これら各玉11、11は、上記インナ側、アウタ側各凹溝12a、13a同士の間に、それぞれ複数個ずつ、軸方向に直列に並べた状態で配置している(例えば図23参照)。そして、上記アウタシャフト10aと上記インナシャフト9aとを、上記各玉11、11を介して、互いの間での回転力の伝達及び軸方向の相対変位を可能に組み合わせている。
更に本例の場合には、上述の様な伸縮軸16の使用に先立ち(中間シャフト5やステアリングシャフト3として組み込むのに先立ち)、図2に示す様に、上記アウタ側、インナ側各凹溝13a、12aのうちの少なくとも何れか(本例の場合は両方)の凹溝13a、12aの内面(案内面)に、上記伸縮軸16を構成する玉11、又は、この伸縮軸16を構成する玉11とは別で、この玉11と同大且つ同形状の玉11の転動面との当接に基づき塑性変形部17を、予め形成している。この塑性変形部17は、上記アウタ側、インナ側各凹溝13a、12aの内面のうちの、少なくとも使用時に上記各玉11がこの内面に対し相対変位する範囲に形成している。即ち、上記内面のうちで上記各玉11が使用時に相対変位する範囲に(伸縮軸16の軸方向に亙って)、上記玉11との当接に基づきこの玉11の転動面に対応する凹面状の塑性変形部17を、上記伸縮軸16の使用開始に先立ち、予め形成している。
本例の場合、この様な伸縮軸16を、次の様にして造る。即ち、例えば図4に示す様に、上記インナ側凹溝12aと上記アウタ側凹溝13aとの間で、上記伸縮軸16を構成する玉11、又は、この伸縮軸16を構成する玉11とは別で、この玉11と同大且つ同形状の玉11を、これらインナ側凹溝12aとアウタ側凹溝13aの内面に当接させた状態で、これらインナ側、アウタ側各凹溝12a、13aに対し、上記伸縮軸16の軸方向に相対変位させる。何れにしても、上記塑性変形部17を形成する為の玉11の外径は、上記インナシャフト9aとアウタシャフト10aとにトルクが加わらない中立状態での、互いに対向する上記インナ側凹溝12aの内面とアウタ側凹溝13aと内面とにより構成される空間(隙間空間)の、軸に直交する仮想平面上での断面形状に関する内接円よりも大きくする。
そして、上記塑性変形部17を加工する為の相対変位は、例えば、上記図4に示す様に、上記インナ側凹溝12aと上記アウタ側凹溝13aとの間に上記玉11を組み付けた状態で、前記インナシャフト9aと前記アウタシャフト10aとを互いに軸方向に離れる方向に、或は、互いに軸方向に近付く方向に変位させる事により行う。或は、図5に示す様に、上記インナシャフト9aと上記アウタシャフト10aとを、上記インナ側、アウタ側各凹溝12a、13a同士が互いに対向する状態で配置した状態で、これらインナ側、アウタ側各凹溝12a、13a同士の間に上記玉11を、押し込み治具18を用いて押し込む事により行う事もできる。又、図7に示す様に、互いに直列に且つ突き合わされた状態で配置された複数の玉11、11を、押し込み治具18で押し込む事により行う事もできる。又、図8に示す様に、保持器19により、上記伸縮軸16の軸方向に互いに離隔した状態で各玉11、11を配置した状態で、押し込み治具18で押し込む事により行う事もできる。
そして、この様な相対変位に伴って、上記インナ側、アウタ側各凹溝12a、13aのうちの少なくとも何れか(より好ましくは両方)の凹溝12a、13aの内面に、上記玉11との当接に基づく塑性変形部17を、この内面のうちの少なくとも上記伸縮軸16の使用時に上記各玉11が上記内面に対し相対変位する範囲に形成する。この場合に、この塑性変形部17は、上記凹溝12a、13aの軸方向に亙り連続した状態で形成する(1本の軸方向に長い塑性変形部17とする)事ができる他、それぞれの玉11、11に対応する状態で軸方向に不連続に(それぞれが軸方向に間隔を開けた状態で)形成する(各玉11の個数分の塑性変形部17、17とする)事もできる。即ち、上記塑性変形部17の長さを、上記各玉11、11の軸方向に関するピッチP(例えば図8参照)よりも小さくし、これら各玉11、11の個数分設ける事ができる他、このピッチPよりも大きくし、軸方向に長い1本の塑性変形部17を設ける事もできる。
尚、上述の様に塑性変形部17を形成する上記各玉11、11は、通常数量を多く製作している為、この様に製作された多数の玉11、11のうちから径寸法の大小によって仕分けをする事で、径寸法の差が非常に少ない(殆どない)玉11、11を揃える事ができる。この為、前記伸縮軸16を構成する玉11、11として同寸法のものを多数入手する事や、この伸縮軸16を構成する玉11、11とは別で、この玉11、11と同大且つ同形状の玉11、11を多数入手する事は、容易且つ低コストで行える。何れにしても、上述の様な塑性変形部17の形成は、上記伸縮軸16の使用開始に先立って行う。又、上記伸縮軸16を構成する玉11、11により塑性変形部17を形成した場合には、この塑性変形部17を形成した状態で、完成状態となる。
一方、上記伸縮軸16を構成する玉11、11とは別で、この玉11、11と同大且つ同形状の玉11、11により塑性変形部17を形成した場合には、この塑性変形部17を形成した後、図6に示す様に、この塑性変形部17を形成した玉11、11を取り出す。そして、この様に玉11、11を取り出してから、伸縮軸16を構成する玉11、11を組み付けた状態で、完成状態となる。上述した様に、同大且つ同形状の玉11、11は容易且つ安価に入手できる為、上記塑性変形部17の形成は、上記伸縮軸16を構成する玉11、11を用いて行っても良いし、この伸縮軸16を構成する玉11、11とは別で、この玉11、11と同大且つ同形状の玉11、11を用いて行っても良い(塑性変形部17を形成する玉11、11と完成後の状態での玉11、11とを同じものとしても良いし、互いに異なる玉11、11としても良い)。
又、本例の場合には、図6に示す様に、上記塑性変形部17の端部に、伸縮軸16を構成する玉11、11、又は、この伸縮軸16を構成する玉11、11とは別で、この玉11、11と同大且つ同形状の玉11、11の転動面に倣った段差凹面部20を形成している。この為に、本例の場合には、上記各玉11、11と上記インナ側、アウタ側各凹溝12a、13aとの相対変位を、このインナ側、アウタ側各凹溝12a、13aのうちで塑性変形部17を形成する凹溝12a、13aの軸方向全長に亙って行わず(凹溝12a、13aの軸方向全長に亙って塑性変形部17を形成せずに)、この凹溝12a、13aの途中で終える様にしている。そして、この様な相対変位に基づいて上記塑性変形部17を形成する事により、この塑性変形部17の端部に、伸縮軸16を構成する玉11、11、又は、この伸縮軸16を構成する玉11、11とは別で、この玉11、11と同大且つ同形状の玉11、11の転動面に倣った段差凹面部20を形成している。尚、この様な段差凹面部20は、各玉11、11と当接する事によりこれら各玉11、11の変位を制限し、前記インナシャフト9aとアウタシャフト10aとがそれ以上相対変位しない様にする。即ち、この様な各玉11、11と各段差凹面部20との当接に基づいて、これらインナシャフト9aとアウタシャフト10aとの相対変位量(伸縮軸の伸縮量)を規制している。
又、上述の様な塑性変形部17は、次の様に形成する。即ち、図9に示す様に、上記玉11と上記インナ側、アウタ側各凹溝12a、13aとを相対変位させる作業を、上記インナ、アウタ両シャフト9a、10a同士の間にトルク(回転力)Tを加えた状態で行う。即ち、上記インナ側凹溝12aと上記アウタ側凹溝13aとの間に、伸縮軸16を構成する玉11、11、又は、この伸縮軸16を構成する玉11、11とは別で、この玉11、11と同大且つ同形状の玉11、11を組み付けた状態で、上記インナ、アウタ両シャフト9a、10a同士の間に何れかの方向のトルクTを加えつつ(インナシャフト9a又はアウタシャフト10aに時計方向のトルクTを加えつつ、或は、反時計方向のトルクを加えつつ)、このインナシャフ9aとアウタシャフト10aとを互いに軸方向に相対変位させる。或は、前述の図5、7、8に示す様に、上記インナ側、アウタ側各凹溝12a、13a同士の間に上記玉11、11を押し込み治具18により押し込みつつ、図9に示す様に、同じく上記インナ、アウタ両シャフト9a、10a同士の間に何れかの方向のトルクTを加える。そして、この様にトルクTを加えつつ相対変位させる事により、上記各玉11、11の転動面と上記インナ側、アウタ側各凹溝12a、13aの内面とに高い面圧を加えつつ、上記塑性変形部17を形成する。
上述の様に構成する本例の場合には、圧痕を生じにくくでき、伸縮を円滑に行える構造を、低コストで実現できる。
即ち、インナ側、アウタ側各凹溝12a、13a同士の間に設けられた各玉11、11が、これらインナ側、アウタ側各凹溝12a、13aの内面に形成した塑性変形部17と接触した状態でトルク伝達が行われる為、この接触部の面積の増大、延いては、面圧の低下を図れる。即ち、図3の(イ)に示す様に、塑性変形部17を設けた構造の場合には、同図の(ロ)に示す様な、塑性変形部17を設けていない構造に比べ、上記接触部の面積の増大、延いては、面圧の低下を図れる。この為、上記インナ側、アウタ側各凹溝12a、13aに圧痕を生じにくくでき、インナシャフト9aとアウタシャフト10aとの相対変位(伸縮軸の伸縮)を円滑に行える。
又、上記塑性変形部17は、例えば図4に示した様に、伸縮軸16を構成する玉11、11、又は、この伸縮軸16を構成する玉11、11とは別で、この玉11、11と同大且つ同形状の玉11、11の転動面と上記インナ側、アウタ側各凹溝12a、13aの内面とを当接させた状態で、これら各面を、上記伸縮軸16の軸方向に相対変位させる事により形成できる。即ち、互いに組み合わされたインナ、アウタ各シャフト9a、10aのインナ側、アウタ側各凹溝12a、13aの形状に対応した(一品一様の)塑性変形部17を、上記玉11により形成できる。ここで、同大且つ同形状の玉11、11は、上述した様に容易に入手できる為、上述の様な塑性変形部17を形成した構造を安価に製造できる他、組み付け状態で、上記塑性変形部17と上記各玉11、11との位置関係がずれる事も防止できる。この為、この面からも、過大面圧の防止、延いては、圧痕が生じる事を防止できる。しかも、上記インナ側、アウタ側各凹溝12a、13aは、上記塑性変形部17の形成に伴って加工硬化する為、この面からも、圧痕を生じにくくできる。
[実施の形態の第2例]
図10〜11は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合は、インナ、アウタ両シャフト9a、10aの円周方向等間隔6個所位置に、それぞれインナ側、アウタ側各凹溝12a、13aを形成している。又、6本のインナ側凹溝12a、12aのうちの3本のインナ側凹溝12a、12aの内面と各玉11、11の転動面との間に、これら各玉11、11をアウタ側凹溝13a、13aの内面に向けて押し付ける為の弾性部材21、21を設けている。この様な本例の場合には、これら各弾性部材21、21により押し付けられた各玉11、11により、インナ、アウタ両シャフト9a、10aが円周方向や径方向にがたつくのが防止される。又、大きなトルクが加わると、上記各弾性部材21、21が設置されていないインナ側、アウタ側各凹溝12a、13aに配置された各玉11、11の転動面と、これらインナ側、アウタ側各凹溝12a、13aの内面との当接に基づいて、上記大きなトルクの伝達が行われる。この様な本例の場合も、少なくとも、この様な大きなトルク伝達を行うインナ側、アウタ側各凹溝12a、13aの内面に、塑性変形部17(図11)を予め形成している。尚、図11の破線は、この塑性変形部17が形成される前の形状を、同じく実線は、塑性変形部17が形成された後の(塑性変形17の形成に伴いその端縁が盛り上がった)状態を、それぞれ示している。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第3例]
図12は、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合は、インナ、アウタ両シャフト9a、10aの円周方向等間隔3個所位置に、それぞれインナ側、アウタ側各凹溝12a、13aを形成している。又、これと共に、これらインナ側、アウタ側各凹溝12a、13aの内面に塑性変形部17(図2等参照)を形成している。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第4例]
図13は、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合は、インナ、アウタ両シャフト9a、10aの円周方向等間隔4個所位置に、それぞれインナ側、アウタ側各凹溝12a、13aを形成している。又、これと共に、これらインナ側、アウタ側各凹溝12a、13aの内面に塑性変形部17(図2等参照)を形成している。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第5例]
図14は、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例の場合は、上述した実施の形態の第4例(図13)と同様に、インナ、アウタ両シャフト9a、10aの円周方向等間隔4個所位置に、それぞれインナ側、アウタ側各凹溝12a、13aを形成している。但し、本例の場合には、4本のインナ側、アウタ側各凹溝12a、13aのうちの、2本のインナ側、アウタ側各凹溝12a、13a同士の間に、複数の玉11、11を設けている。塑性変形部17(図2等参照)は、これら各玉11、11を設けたインナ側、アウタ側各凹溝12a、13aの内面に形成している。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1、4例と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第6例]
図15は、本発明の実施の形態の第6例を示している。本例の場合は、前述した実施の形態の第4例(図13)と同様に、インナ、アウタ両シャフト9b、10aの円周方向等間隔4個所位置に、それぞれインナ側、アウタ側各凹溝12a、13aを形成している。そして、本例の場合には、インナシャフト9bを充実(中実)シャフトとしている(第4例の様な中空シャフトとしていない)。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1、4例と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第7例]
図16は、本発明の実施の形態の第7例を示している。上述した実施の形態の第6例(図15)の場合は、4本のインナ側、アウタ側各凹溝12a、13aの総てに、複数の玉11、11を設けている。これに対して、本例の場合には、インナ側凹溝12a、12aを2本にすると共に、これら2本のインナ側凹溝12a、12aと、これら各インナ側凹溝12a、12aと対向する各アウタ側凹溝13a、13aとの間にのみ、上記各玉11、11を設けている。塑性変形部17(図2等参照)は、これら各玉11、11を設けたインナ側、アウタ側各凹溝12a、13aの内面に形成している。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1、4例と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第8例]
図17は、本発明の実施の形態の第8例を示している。本例の場合には、インナ、アウタ両シャフト9a、10aの円周方向等間隔3個所位置に、それぞれインナ側、アウタ側各凹溝12a、13aを、円周方向に関して隣接する状態で2本ずつ、合計6本形成している。この様な本例の場合も、上記インナ側、アウタ側各凹溝12a、13aの内面に、塑性変形部17(図2等参照)を予め形成している。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第9例]
図18は、本発明の実施の形態の第9例を示している。上述の実施の形態の第8例の場合は、アウタシャフト10aの外周面を円筒面としているのに対して、本例の場合には、アウタシャフト10bの外周面を、このアウタシャフト10bの内周面に倣った形状としている(アウタシャフト10bの肉厚を、全周に亙って略同じとしている)。
その他の部分の構成及び作用は、上述した実施の形態の第8例と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第10例]
図19〜20は、本発明の実施の形態の第10例を示している。前述の実施の形態の第1〜9例の場合は、転動体として玉11、11を使用しているのに対して、本例の場合には、転動体として円筒ころ22、22を使用している。この為に、本例の場合には、インナシャフト9cの外周面の円周方向複数個所(3個所)に、このインナシャフト9cの軸方向に亙り平面状のインナ側案内部23、23を、それぞれ形成している。又、アウタシャフト10cの内周面の円周方向複数個所(3個所)で上記各インナ側案内部23、23と整合する位置に、このアウタシャフト10cの軸方向に亙り平面状のアウタ側案内部24、24を、それぞれ形成している。そして、上記各インナ側案内部23、23と各アウタ側案内部24、24との間に、上記各円筒ころ22、22を設けている。
この様な本例の場合も、上記インナ側、アウタ側各案内部23、24の互いに対向する案内面に、図20に詳細に示す様に、塑性変形部17aを予め形成している。即ち、上記インナ側案内部23、23と上記アウタ側案内部24、24との間で、伸縮軸16を構成する円筒ころ22、22、又は、この伸縮軸16を構成する円筒ころ22、22とは別で、この円筒ころ22、22と同大且つ同形状の円筒ころ22、22を、これらインナ側、アウタ側各案内部23、24の各案内面に当接させた状態で、これらインナ側、アウタ側各案内部23、24に対し、伸縮軸16の軸方向に相対変位させる。そして、この相対変位と、上記各円筒ころ22、22の転動面と上記各案内面との当接に基づいて、図21に破線で示す状態から実線で示す状態に塑性変形させ、これら各案内面に上記塑性変形部17aを形成している。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1〜9例と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
1 ステアリングホイール
2 ステアリングギヤユニット
3 ステアリングシャフト
4a、4b 自在継手
5 中間シャフト
6 入力軸
7 タイロッド
8 電動モータ
9、9a、9b、9c インナシャフト
10、10a、10b、10c アウタシャフト
11 玉
12、12a インナ側凹溝
13、13a アウタ側凹溝
14 凹部
15 段差部
16 伸縮軸
17、17a 塑性変形部
18 押し込み治具
19 保持器
20 段差凹面部
21 弾性部材
22 円筒ころ
23 インナ側案内部
24 アウタ側案内部

Claims (1)

  1. 外周面の円周方向の少なくとも1個所に、インナ側案内部を軸方向に設けたインナシャフトと、内周面の円周方向の少なくとも1個所で上記インナ側案内部と整合する位置に、アウタ側案内部を軸方向に設けた、上記インナシャフトを挿入自在なアウタシャフトと、上記インナ側案内部と上記アウタ側案内部との間に設けられた複数の転動体とを備え、上記インナシャフトと上記アウタシャフトとを、互いの間での回転力の伝達及び軸方向の相対変位を可能に組み合わせた伸縮軸の製造方法であって、
    上記インナ側案内部と上記アウタ側案内部との間で、伸縮軸を構成する転動体又はこの伸縮軸を構成する転動体と別で、この転動体と同大且つ同形状の転動体を、これらインナ側案内部とアウタ側案内部とのうちの少なくとも何れかの案内部の案内面に当接させた状態で、これらインナ側、アウタ側各案内部に対し、上記伸縮軸の軸方向に相対変位させる作業を、上記インナ、アウタ両シャフト同士の間にトルクを加えた状態で行い、当該案内部の案内面に、上記転動体との当接に基づく塑性変形部を、この案内面のうちの少なくとも上記伸縮軸の使用時に上記各転動体が上記案内面に対し相対変位する範囲に形成する事を特徴とする伸縮軸の製造方法。
JP2010003929A 2010-01-12 2010-01-12 伸縮軸の製造方法 Active JP5077360B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010003929A JP5077360B2 (ja) 2010-01-12 2010-01-12 伸縮軸の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010003929A JP5077360B2 (ja) 2010-01-12 2010-01-12 伸縮軸の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011144820A JP2011144820A (ja) 2011-07-28
JP5077360B2 true JP5077360B2 (ja) 2012-11-21

Family

ID=44459856

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010003929A Active JP5077360B2 (ja) 2010-01-12 2010-01-12 伸縮軸の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5077360B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106062397A (zh) * 2014-07-03 2016-10-26 日本精工株式会社 伸缩式旋转传递轴
CN107850129A (zh) * 2015-07-27 2018-03-27 日本精工株式会社 伸缩式旋转传递轴及其制造方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004330922A (ja) * 2003-05-08 2004-11-25 Koyo Seiko Co Ltd ステアリング軸
JP4457309B2 (ja) * 2005-07-08 2010-04-28 株式会社ジェイテクト 伸縮自在シャフトを製造する方法
JP2008006903A (ja) * 2006-06-28 2008-01-17 Jtekt Corp 伸縮軸の内軸およびこれの製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106062397A (zh) * 2014-07-03 2016-10-26 日本精工株式会社 伸缩式旋转传递轴
US10330141B2 (en) 2014-07-03 2019-06-25 Nsk Ltd. Extensible rotation transmission shaft
CN107850129A (zh) * 2015-07-27 2018-03-27 日本精工株式会社 伸缩式旋转传递轴及其制造方法
CN107850129B (zh) * 2015-07-27 2020-07-03 日本精工株式会社 伸缩式旋转传递轴及其制造方法
US10717459B2 (en) 2015-07-27 2020-07-21 Nsk Ltd. Telescopic rotation transmission shaft and method for producing same

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011144820A (ja) 2011-07-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3371034B1 (en) Method for manufacturing rack bar
EP2711575A1 (en) Rotation transmitting apparatus, vehicle steering system, and intermediate shaft
US9566998B2 (en) Inner shaft for extendable and contractible shaft and manufacturing method thereof
US9951806B2 (en) Telescopic shaft
CN109642603B (zh) 用于机动车辆的转向轴
CN109477527B (zh) 伸缩轴
JP5062135B2 (ja) 伸縮式回転伝達軸
WO2017038681A1 (ja) ラック軸及びその製造方法
JP6005402B2 (ja) 等速自在継手の外側継手部材の製造方法
EP2738408B1 (en) Cruciform-shaft universal joint and method for producing same
JP5077360B2 (ja) 伸縮軸の製造方法
JP5958203B2 (ja) ステアリング装置の製造方法
JP5083157B2 (ja) 伸縮式回転伝達軸
JP2013194904A (ja) シャフトと筒体の圧入構造
JP2008213756A (ja) 自動車用ステアリング装置及び自動車用ステアリング装置用ラックの製造方法
JP5157771B2 (ja) 伸縮式回転伝達軸
JP6471803B2 (ja) 伸縮式回転伝達軸及びその製造方法
WO2017051657A1 (ja) トリポード型等速自在継手
JP2014226691A (ja) 等速自在継手用外側継手部材の製造方法および外側継手部材に加工される中間鍛造品
JP2013053691A (ja) 等速自在継手用外側継手部材およびその製造方法
JP2010116955A (ja) 伸縮式回転伝達軸
JP2008101656A (ja) 固定式等速自在継手
JP2011205807A (ja) ロータハブ及びその製造方法
JP2013174253A (ja) 十字軸式自在継手
KR20130129772A (ko) 자동차용 유니버설 조인트

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110801

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120419

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120424

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120607

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120731

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120813

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150907

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5077360

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150