JP6005402B2 - 等速自在継手の外側継手部材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、等速自在継手の外側継手部材の製造方法に関する。
自動車や各種産業機械の動力伝達系を構成する等速自在継手は、駆動側と従動側の二軸をトルク伝達可能に連結すると共に、上記二軸が作動角をとっても等速でトルクを伝達し得る構造を備えており、角度変位のみを許容する固定式等速自在継手と、角度変位および軸方向変位の双方を許容する摺動式等速自在継手とに大別される。例えば、エンジンから駆動車輪に動力を伝達する動力伝達装置としてのドライブシャフトにおいては、エンジン側(インボード側)に摺動式等速自在継手が配置され、駆動車輪側(アウトボード側)に固定式等速自在継手が配置される。
固定式又は摺動式を問わず、等速自在継手は主要な構成部材として、内径面に複数のトラック溝が設けられたカップ部と、カップ部の底部から軸方向に延びた軸部とを有する外側継手部材を備える。この外側継手部材は、棒状素材に鍛造加工やしごき加工等の塑性加工を施すことでカップ部及び軸部となる部分を一体的に粗成形し、その後、この粗成形された素形材に機械加工や塑性加工を施すことで素形材を最終形状(完成品形状)に仕上げる、という手順を踏んで製造されることが多い。棒状素材に機械加工を施すだけで最終形状を得る場合に比べ、製造コストの低廉化及び歩留向上を図る上で有利であるからである。
ところで、外側継手部材の軸部に必要とされる軸方向寸法は用途や車種によって異なり、特に長寸の軸部を有する外側継手部材が必要となる場合には、カップ部及び長寸の軸部を塑性加工で精度良く一体成形することが困難となる。このような場合、例えば下記の特許文献1に開示された技術手段、具体的には、棒状素材に後方押し出し加工を施すことにより、一端側及び他端側にカップ状部及び短軸部がそれぞれ設けられた中間成形品(素形材)を得る工程と、この素形材の短軸部に対し、別途製作しておいた軸部と略同径の軸部材を摩擦圧接により接合する工程と、カップ状部にしごき加工を施す工程とを有する外側継手部材の製造方法を採用することが考えられる。かかる手法によれば、軸部長さを、素形材の短軸部に接合する軸部材で調整することができるので、長寸軸部を有する外側継手部材を比較的容易に製造することができる。
特開平11−77222号公報
近年、自動車の燃費向上対策の一環として、等速自在継手の軽量化が推進されている。そのため、外側継手部材の軸部は必要とされる機械的強度等を満足し得る範囲で小径化(薄肉化)されつつあるが、軸部に必要とされる特性(機械的強度等)が軸部の軸方向各所で異なることや、軸部の軸方向一又は複数箇所に軸受等の機能部品が取り付けられることなどを理由として、軸部は、その軸方向各所で径が異なる異径軸(段付き軸)とされる場合が多い。
具体的な一例を挙げると、図5(a)に示すように、カップ部101及び軸部102を備えた外側継手部材100において、軸部102が、小径部103と、その軸方向両側に設けられた大径部104,105とを有するものとされる場合がある。ところが、このような軸部102を備えた外側継手部材100を得るために特許文献1の技術手段を採用すると、図5(b)に示すように、素形材111の短軸部112に対し、該短軸部112と略同径の軸部材113を接合し、その後、軸部材113の外径面を機械加工で大きく切除することによって(切除する部位は、図5(b)中クロスハッチングで示す領域)小径部103、ひいては軸部102の最終形状を得る必要が生じる。従って、外側継手部材の製作に多大な手間とコストを要することに加え、製品歩留が低下するという問題がある。このような問題は、軸部102が長寸化すればするほど一層顕在化する。
このような実情に鑑み、本発明の主な課題は、カップ部及び軸部を備え、軸部が小径部及びその軸方向両側に設けられた大径部を有する外側継手部材を低コストに製造可能とし、もって等速自在継手の低コスト化に寄与することにある。
上記の課題を解決するために創案された本発明は、内径面に複数のトラック溝が設けられたカップ部と、カップ部の底部から軸方向に延びた軸部とを備え、軸部が、小径部及びその軸方向両側に設けられた大径部を有する等速自在継手の外側継手部材を製造するための方法であって、外側継手部材の素形材を軸方向一箇所で分断することにより、それぞれが分断面を有する第1及び第2の分断部材を形成する分断工程と第1の分断部材の分断面と第2の分断部材の分断面間に配置した軸素材の一端面及び他端面対向する分断面にそれぞれ接合することにより、小径部が軸素材で構成された途中製品を得る接合工程とを有し接合工程の後、途中製品を構成する軸素材の外表面に後加工を施さずに、途中製品を完成品形状に仕上げることを特徴とする。
なお、ここでいう「外側継手部材の素形材」とは、棒状素材に所定の加工を施すことによって完成品形状に粗成形されたカップ状部及び軸状部を一体に有する素材をいう。また、ここでいう「非加工面」とは、所定形状を得るための機械加工や塑性加工の他、研削・研磨等、軸素材の表面状態を変化させるような加工が施されておらず、軸素材の表面状態そのままの面であることを意味する。例えば、軸素材として圧延により製作された圧延軸を使用した場合には、小径部の外表面は“圧延肌”とされる。
上記構成によれば、外側継手部材の素形材を分断するという加工は必要となるものの、小径部が軸素材で構成されると共に、小径部の外表面が非加工面とされていること、すなわち軸素材の外表面に機械加工等が施されることなく、軸素材をそのまま小径部として用いていることから、総合的に見るとこの種の外側継手部材を低コストに製造することができる。具体的には、軸素材として、形成すべき小径部に対応した外径寸法を具備するものを使用すると共に、外側継手部材の素形材として、分断される部位の外径寸法が、小径部の軸方向両側に設けられる大径部に概ね等しいものを使用すれば、軸素材の一端面及び他端面を対向する分断面にそれぞれ接合してなる(軸素材の一端面及び他端面に、外側継手部材の素形材を分断することによって形成された二部材をそれぞれ接合してなる)途中製品を製作した後に、途中製品に施すべき仕上げ加工を大幅に簡略化することができる。従って、本発明によれば、カップ部及び軸部を備え、軸部が小径部及びその軸方向両側に設けられた大径部を有する外側継手部材を低コストに製造することができ、等速自在継手の低コスト化に寄与することができる。
上記構成において、軸素材の一端面及び他端面を対向する分断面と接合するための方法は任意であるが、両者間に高い接合強度を比較的容易に得ることができる摩擦圧接の他、溶接、特にレーザ溶接あるいは電子ビーム溶接が好適である。また軸素材としても、中空をなすパイプ材、又は中実をなすバー材を問わず採用することができる。なお、軸素材としてパイプ材を用いれば、軸部の小径部が中空をなす外側継手部材を得ることができ、軸素材としてバー材を用いれば、軸部の小径部が中実をなす外側継手部材を得ることができる。
上記構成において、小径部(軸素材)は、小径部を除く部位(外側継手部材の素形材)と組成を同じくする材料で形成されたものとすることができる他、小径部を除く部位とは組成の異なる材料で形成されたものとすることもできる。後者の構成であれば、外側継手部材の小径部に、小径部を除く部位とは異なる特性を付与することができる。
以上に示す本発明に係る外側継手部材と、外側継手部材のカップ部の内周に収容された内側継手部材と、外側継手部材と内側継手部材の間に配置されたトルク伝達部材とで等速自在継手を構成することができる。本発明に係る外側継手部材は、角度変位および軸方向変位の双方を許容するいわゆる摺動式等速自在継手のみならず、角度変位のみを許容するいわゆる固定式等速自在継手の外側継手部材として採用することができる。また、上記の等速自在継手は、ドライブシャフトやプロペラシャフト等の動力伝達部材の構成部材として活用することができる。
以上に示すように、本発明によれば、カップ部及び軸部を備え、軸部が小径部及びその軸方向両側に設けられた大径部を有する外側継手部材を低コストに製造することができる。これにより、この種の外側継手部材を備えた等速自在継手の低コスト化を図ることができる。
本発明に係る外側継手部材を備えたドライブシャフトの概略正面図である。 本発明の一実施形態に係る外側継手部材の拡大正面図である。 (a)図は、図2に示す外側継手部材の素形材の正面図、(b)図は、(a)図に示す素形材を二部材に分断した状態を示す正面図である。 最終的に外側継手部材に仕上げられる途中製品の正面図である。 (a)図は、近年採用されることがある外側継手部材の一例を示す正面図であり、(b)図は、(a)図に示す外側継手部材を従来方法で製造する際の途中段階を模式的に示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に、動力伝達装置の一例としてのドライブシャフト1の概略正面図を示す。このドライブシャフト1は、自動車のエンジンから駆動車輪に動力を伝達するものであり、エンジン側(図中右側であって、以下「インボード側」ともいう)に配置される摺動式等速自在継手10と、駆動車輪側(図中左側であって、以下「アウトボード側」ともいう)に配置される固定式等速自在継手20と、両等速自在継手10,20をトルク伝達可能に連結する中間シャフト2とを備える。
図1に示す摺動式等速自在継手10はいわゆるトリポード型等速自在継手(TJ)であり、有底筒状のカップ部12及びその底部から軸方向に延びた軸部13を有する外側継手部材11と、外側継手部材11のカップ部12の内周に収容された内側継手部材17と、外側継手部材11と内側継手部材17の間に配置されたトルク伝達部材としてのローラ19とを備える。内側継手部材17は、ローラ19を回転自在に支持する3本の脚軸18が円周方向等間隔に設けられたトリポード部材で構成される。
外側継手部材11を構成する軸部13には、その軸方向に離間した二箇所に第1及び第2大径部15,16が設けられている。第1大径部15には、サポートベアリング6の内輪が固定され、第2大径部16の外径面には、図示しないデファレンシャルのケースに固定したシール装置7の内径端部が摺動可能に接触している。第1大径部15のうち、サポートベアリング6の内輪が固定される領域よりも軸端側には環状溝が設けられており、この環状溝に嵌合した止め輪により、サポートベアリング6の軸端側への移動が規制される。なお、サポートベアリング6の外輪は、図示しないブラケットを介してエンジンに固定されている。これにより、ドライブシャフト1の作動時(運転時)等における外側継手部材11の振れが可及的に防止される。
固定式等速自在継手20はいわゆるバーフィールド型等速自在継手(BJ)であり、有底筒状のカップ部21a及びその底部から軸方向に延びた軸部21bを有する外側継手部材21と、外側継手部材21のカップ部21aの内周に収容された内側継手部材22と、外側継手部材21のカップ部21aと内側継手部材22の間に配置されたトルク伝達部材としてのボール23と、外側継手部材21のカップ部21aの内径面と内側継手部材22の外径面との間に配され、ボール23を保持する保持器24とを備える。なお、この固定式等速自在継手20として、アンダーカットフリー型等速自在継手(UJ)が用いられる場合もある。
中間シャフト2は、中実軸又は中空軸とされ、その両端部外径にトルク伝達用の連結部(スプライン)3,3を有する。そして、インボード側のスプライン3を摺動式等速自在継手10の内側継手部材17の孔部とスプライン嵌合させることにより、中間シャフト2と摺動式等速自在継手10の内側継手部材17とがトルク伝達可能に連結される。またアウトボード側のスプライン3を固定式等速自在継手20の内側継手部材22の孔部とスプライン嵌合させることにより、中間シャフト2と固定式等速自在継手20の内側継手部材22とがトルク伝達可能に連結される。
摺動式等速自在継手10の内部空間と固定式等速自在継手20の内部空間にはグリース等の潤滑剤が封入されている。潤滑剤の外部漏洩や継手外部からの異物侵入を防止するため、摺動式等速自在継手10の外側継手部材11と中間シャフト2の間、および固定式等速自在継手20の外側継手部材21と中間シャフト2の間には、筒状のブーツ4,5がそれぞれ装着されている。
次に、摺動式等速自在継手10の外側継手部材11の詳細構造を、図2を参照しながら説明する。
外側継手部材11は、有底筒状のカップ部12と、カップ部12の底部から軸方向に延びた軸部13とからなり、カップ部12の内径面の円周方向三等分位置にはトラック溝(図示せず)が設けられている。軸部13は、上述したように、サポートベアリング6(の内輪)が固定される第1大径部15と、シール装置7の内径端部が摺動可能に接触した第2大径部16と、両大径部15,16間に設けられ、両大径部15,16よりも小径の小径部14とを備え、軸部13の軸端外径にはトルク伝達用連結部としてのスプライン8が設けられている。なお、本実施形態では、サポートベアリング6の取り付け性を高めるために、第2大径部16の最大径部の外径寸法が、第1大径部15の外径寸法D1よりも僅かに小さく設定されている。サポートベアリング6の取り付け性に問題がなければ、第2大径部16の最大径部の外径寸法と、第1大径部15の外径寸法D1とを同一に設定しても構わない。
軸部13を構成する第1大径部15と小径部14との間、及び小径部14と第2大径部16との間には接合部B,Bがそれぞれ設けられ、この接合部B,Bを介して小径部14の一端及び他端が第1及び第2大径部15,16の端部にそれぞれ接合されている。また本実施形態では、小径部14が、小径部14を除く部位とは組成の異なる材料で形成されている。ここでは、小径部14がS40C(機械構造用の中炭素鋼)で形成され、小径部14を除く部位がS53C(機械構造用の高炭素鋼)で形成されている。
小径部14の外表面は、所定形状を得るための機械加工や塑性加工の他、研磨・研削等の表面仕上げが施されていない非加工面とされ、小径部14の基材として用いた軸素材40(図4参照)の表面状態が維持されている。因みに、本実施形態では、軸素材40として、圧延により作製された圧延軸を用いている。従って、小径部14の外表面は圧延肌とされる。
図示は省略しているが、外側継手部材11のうち、特に高い強度が必要とされる部位には表面硬化層が形成される。表面硬化層は、例えば、軸部13の第1大径部15、スプライン8の形成領域および小径部14の他、カップ部12の内径面(特にトラック溝の形成領域)に形成される。
上記構成の外側継手部材11は、例えば、(1)素形材製作工程、(2)分断工程、(3)接合工程、(4)スプライン等の形成工程、(5)熱処理工程及び(6)表面仕上げ工程を順に経て製造される。以下、各工程について詳述する。
(1)素形材製作工程
この工程では、上記の外側継手部材11を得る上でのベースとなる部材、詳細には、図3(a)に示すように、有底筒状のカップ状部32と、カップ状部32の底部から軸方向に延びた中実軸状の軸状部33とを一体に有する素形材31を作製する。カップ状部32の内径面には、仕上がり形状(完成品形状)のトラック溝(図示せず)が設けられている。
軸状部33は、一端がカップ状部32の底部に繋がった第1軸状部34と、一端が第1軸状部34の他端に繋がった第2軸状部35とからなり、その軸方向寸法は、図2に示す外側継手部材11の軸部13に比べ、少なくとも小径部14の軸方向寸法分だけ短寸に形成されている。第1軸状部34の外径寸法D3は、外側継手部材11の軸部13に設けられる第1大径部15の外径寸法D1(図2参照)よりも僅かに大きく設定されており、第2軸状部35の外径寸法は、軸部13のうち、第2大径部16よりも軸端側の部分の最大外径寸法よりも僅かに大きく設定されている。また、第1軸状部34の軸方向寸法は、外側継手部材11の第1大径部15と第2大径部16の軸方向寸法の合計値よりも僅かに長寸に設定される。以上の構成を有する素形材31は、例えば、中実の棒状素材に鍛造加工やしごき加工などの塑性加工を施すことによって製造され、ここでは棒状素材として、S53C(機械構造用の高炭素鋼)で形成されたものが使用される。
(2)分断工程
この工程では、上記の(1)素形材製作工程で製作した素形材31を軸方向の一箇所で分断することにより、図3(b)に示すような二部材(第1分断部材41と第2分断部材42)を形成する。素形材31は、第1軸状部34の軸方向範囲内で分断される。より詳細に述べると、素形材31は、第1軸状部34を、第1大径部15(図2参照)の軸方向寸法に概ね等しい分断片34aと、第2大径部16(図2参照)の軸方向寸法に概ね等しい分断片34bとに分断し得る軸方向位置[図3(a)中に点線で示す位置]で切断される。これにより、図3(b)に示すように、カップ状部32及び分断片34aからなる第1分断部材41と、分断片34b及び第2軸状部35からなる第2分断部材42とが作製される。第1分断部材41の端面41a及び第2分断部材42の端面42aの何れか一方又は双方には、平面度や表面粗さを向上するための仕上げ加工を施しても良い。
(3)接合工程
接合工程を図4に示す。この工程では、図3に示す素形材31の分断面間(第1分断部材41の端面41aと第2分断部材42の端面42aとの間)に軸素材40を配置し、軸素材40の一端面40a及び他端面40bを、対向する分断面(第1分断部材41の端面41a及び第2分断部材42の端面42a)にそれぞれ接合することにより、軸方向寸法が外側継手部材11の軸部13(図2参照)と略同寸の軸部51を有する途中製品50を得る。軸素材40としては、S40C(機械構造用の中炭素鋼)で形成された径一定のバー材であって、外径寸法が、外側継手部材11の小径部14の外径寸法D2と同寸のものが使用される。
そして、図4に示すように、第1分断部材41、軸素材40及び第2分断部材42を同軸配置し、摩擦圧接、レーザ溶接あるいは電子ビーム溶接等の適宜の手段により、軸素材40の一端面40aとこれに対向する第1分断部材41の端面41aを接合すると共に、軸素材40の他端面40bとこれに対向する第2分断部材42の端面42aを接合し、第1分断部材41と軸素材40の間、及び軸素材40と第2分断部材42の間に接合部B,Bをそれぞれ形成する。これにより、軸方向寸法が外側継手部材11の軸部13と略同寸の軸部51を有する途中製品50が得られる。
(4)スプライン等の形成工程
この工程では、以上のようにして得られた途中製品50に切削(旋削)加工や転造加工を施すことにより、途中製品50を、その外径面の一部領域を除いて最終形状に仕上げる。具体的には、途中製品50を構成するカップ状部32の外径面に切削加工を施すことにより、カップ状部32の外径面を最終形状(図2参照)に仕上げ、途中製品50を構成する軸部51の外径面の軸方向所定部位に切削加工を施すことにより、止め輪嵌合用の周方向溝や所定の段付き形状を得る。また、途中製品50のうち、軸部51の軸端に転造加工を施し、スプライン8(図2参照)を成形する。さらに、上記の(3)接合工程において、接合部Bの外径端部にバリが生成された場合には、このバリを除去する。
(5)熱処理工程
この工程では、上記の(4)スプライン等の形成工程を経た途中製品50に熱処理を施し、表面硬化層を形成する。本実施形態では、途中製品50を構成するカップ状部32の内径面の他、途中製品50を構成する軸部51のうち、第1大径部15および小径部14となる領域やスプライン8の形成領域に表面硬化層を形成する。もちろん、これ以外の領域、もしくは途中製品50全域に表面硬化層を形成することも可能である。熱処理の手法に特段の限定はなく、浸炭処理、窒化処理、高周波焼入れ等、公知の手法を採用することができる。
(6)表面仕上げ工程
この工程では、(5)熱処理工程を経た途中製品50のうち、特に高い表面精度が必要とされる部位に研削加工を施す。具体的には、軸部51の外径面のうち、サポートベアリング6の内輪が固定されることになる領域(第1大径部15の一部領域)と、シール装置7の内径端部が摺動接触する領域(第2大径部16の一部領域)とに研削加工を施す。これにより、図2に示す完成品としての外側継手部材11が得られる。
以上で説明したように、本発明では、小径部14の軸方向両側に大径部15,16が設けられた軸部13を有する外側継手部材11が、当該外側継手部材の素形材31を軸方向一箇所で分断して形成された第1分断部材41及び第2分断部材42と、分断面間(第1分断部材41の端面41aと第2分断部材42の端面42aとの間)に配置され、一端面40a及び他端面40bが対向する分断部材41,42の端面41a,42aにそれぞれ接合された軸素材40とを用いて形成され、さらには、小径部14が軸素材40で構成されると共に、小径部40の外表面が非加工面とされている。このような構成によれば、素形材31を分断するという加工が必要にはなるものの、小径部14が軸素材40で構成されると共に、小径部14の外表面が非加工面(軸素材40として圧延軸を用いた本実施形態では圧延肌)とされていること、すなわち軸素材40の外表面に機械加工等の後加工が施されることなく、軸素材40をそのまま小径部14として用いていることから、総合的に見ると外側継手部材11を低コストに製造することができる。
より詳しく述べると、以上で説明したように、軸素材40として、小径部14に対応した外径寸法を具備するものを使用すると共に、外側継手部材の素形材31として、分断される部位(第1軸状部34)の外径寸法が、小径部14の軸方向両側に設けられる大径部15,16に概ね等しい径とされたものを使用すれば、上記の途中製品50を作製した後に途中製品50に施すべき仕上げ加工は、小径部14となる領域以外に施せば足りる。そのため、仕上げ加工を大幅に簡略化すると共に、仕上げ加工による削り代を大幅に少なくすることができる。従って、本発明によれば、カップ部12及び軸部13を備え、軸部13が小径部14及びその軸方向両側に設けられた大径部15,16を有する外側継手部材11を低コストに製造することができ、等速自在継手(摺動式等速自在継手)10の低コスト化に寄与することができる。
ところで、外側継手部材11のうち、ローラ19が転動するトラック溝を有するカップ部12や、軸部13の軸端に設けられるスプライン8には、その機能上、高い耐摩耗性や疲労強度が必要とされるところ、外側継手部材11を構成する軸部13のうち、小径部14が設けられる軸方向略中央部は、等速自在継手10の作動時に負荷されるねじり応力に耐え得るねじり剛性を具備していれば足りる。そして、小径部14(軸素材40)の形成材料として用いた中炭素鋼は、高炭素鋼に比べてねじり剛性が高く、一方、小径部14を除く部位(素形材31)の形成材料として用いた高炭素鋼は、中炭素鋼に比べて耐摩耗性や疲労強度等に優れる。従って、上記のように、軸部13の小径部14を、小径部14を除く部位とは異なる組成の材料で形成すれば(小径部14を別部材で形成すれば)、外側継手部材11に求められる性能を最適化することができる。具体的には、外側継手部材11の小径部14に高いねじり剛性を付与することができる一方で、カップ部12や軸部13のスプライン8に高い耐摩耗性や疲労強度を付与することができる。
また、本実施形態では、外側継手部材11の軸部13を構成する小径部14を、S53C(機械構造用の高炭素鋼)に比べて安価な機械構造用の中炭素鋼で形成しているので、外側継手部材11全体を機械構造用の高炭素鋼で形成する場合に比べ、外側継手部材11を低コスト化することができる。
以上、本発明の一実施形態に係る外側継手部材11について説明を行ったが、外側継手部材11には、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことが可能である。例えば、図示は省略するが、外側継手部材11の軸部13の小径部14を中空状に形成することも可能である。このようにすれば、外側継手部材11を軽量化することができる。
また、以上で説明した外側継手部材11の製造手順では、(1)素形材製作工程において、棒状素材に鍛造加工やしごき加工を施すことにより、内径面に完成品形状のトラック溝が設けられたカップ状部32と、その底部から軸方向に延びた軸状部33とを一体に有する素形材31を得るようにしたが、カップ状部32の内径面に設けるべき完成品形状のトラック溝は、(3)接合工程において作製した途中製品50にしごき加工を施すことで形成するようにしても構わない。
以上では、摺動式等速自在継手10としてのトリポード型等速自在継手の外側継手部材11に本発明を適用した場合について説明を行ったが、本発明は、ダブルオフセット型等速自在継手(DOJ)等、他の摺動式等速自在継手の外側継手部材、さらには固定式等速自在継手20の外側継手部材21にも好ましく適用することができる。また、以上では、ドライブシャフト1を構成する等速自在継手の外側継手部材に本発明を適用する場合について説明を行ったが、本発明は、プロペラシャフト等、他の動力伝達装置を構成する等速自在継手の外側継手部材にも好ましく適用することができる。
1 ドライブシャフト
10 摺動式等速自在継手
11 外側継手部材
12 カップ部
13 軸部
14 小径部
15 第1大径部
16 第2大径部
20 固定式等速自在継手
31 外側継手部材の素形材
32 カップ状部
33 軸状部
34 第1軸状部
35 第2軸状部
40 軸素材
41 第1分断部材
41a 端面(分断面)
42 第2分断部材
42a 端面(分断面)
50 途中製品
B 接合部

Claims (5)

  1. 内径面に複数のトラック溝が設けられたカップ部と、カップ部の底部から軸方向に延びた軸部とを備え、軸部が、小径部及びその軸方向両側に設けられた大径部を有する等速自在継手の外側継手部材を製造するための方法であって、
    外側継手部材の素形材を軸方向一箇所で分断することにより、それぞれが分断面を有する第1及び第2の分断部材を形成する分断工程と前記第1の分断部材の分断面と前記第2の分断部材の分断面間に配置した軸素材の一端面及び他端面対向する前記分断面にそれぞれ接合することにより、前記小径部が前記軸素材で構成された途中製品を得る接合工程とを有し
    前記接合工程の後、前記途中製品を構成する前記軸素材の外表面に後加工を施さずに、前記途中製品を完成品形状に仕上げることを特徴とする等速自在継手の外側継手部材の製造方法
  2. 摩擦圧接により、前記軸素材の一端面及び他端面を、対向する前記分断面とそれぞれ接合させる請求項1に記載の等速自在継手の外側継手部材の製造方法
  3. 溶接により、前記軸素材の一端面及び他端面を、対向する前記分断面とそれぞれ接合させる請求項1に記載の等速自在継手の外側継手部材の製造方法
  4. 前記小径部が中実をなす請求項1〜3の何れか一項に記載の等速自在継手の外側継手部材の製造方法
  5. 前記小径部が、小径部を除く部位とは組成の異なる材料で形成されている請求項1〜4の何れか一項に記載の等速自在継手の外側継手部材の製造方法
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