JP4867840B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車や各種産業機械の変速機などに利用可能なトロイダル型無段変速機に関する。
例えば自動車用変速機として用いるダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機は、図7および図8に示すように構成されている。図7に示すように、ケーシング50の内側には入力軸(回転中心軸)1が回転自在に支持されており、この入力軸1の外周には、2つの入力側ディスク2,2と2つの出力側ディスク3,3とが取り付けられている。また、入力軸1の中間部の外周には出力歯車4が回転自在に支持されている。この出力歯車4の中心部に設けられた円筒状のフランジ部4a,4aには、出力側ディスク3,3がスプライン結合によって連結されている。
入力軸1は、図中左側に位置する入力側ディスク2とカム板(ローディングカム)7との間に設けられたローディングカム式の押圧装置12を介して、駆動軸22により回転駆動されるようになっている。また、出力歯車4は、2つの部材の結合によって構成された仕切壁13を介してケーシング50内に支持されており、これにより、入力軸1の軸線Oを中心に回転できる一方で、軸線O方向の変位が阻止されている。
出力側ディスク3,3は、入力軸1との間に介在されたニードル軸受5,5によって、入力軸1の軸線Oを中心に回転自在に支持されている。また、図中左側の入力側ディスク2は、入力軸1にボールスプライン6を介して支持され、図中右側の入力側ディスク2は、入力軸1にスプライン結合されており、これら入力側ディスク2は入力軸1と共に回転するようになっている。また、入力側ディスク2,2の内側面(凹面;トラクション面とも言う)2a,2aと出力ディスク3,3の内側面(凹面;トラクション面とも言う)3a,3aとの間には、パワーローラ11(図8参照)が回転自在に挟持されている。
図7中右側に位置する入力側ディスク2の内周面2cには、段差部2bが設けられ、この段差部2bに、入力軸1の外周面1aに設けられた段差部1bが突き当てられるとともに、入力側ディスク2の背面(図7の右面)は、入力軸1の外周面に形成されたネジ部に螺合されたローディングナット9に突き当てられている。これによって、入力側ディスク2の入力軸1に対する軸線O方向の変位が実質的に阻止されている。また、カム板7と入力軸1の鍔部1dとの間には、皿ばね8が設けられており、この皿ばね8は、各ディスク2,2,3,3の凹面2a,2a,3a,3aとパワーローラ11,11の周面11a,11aとの当接部に押圧力を付与する。
図7のA−A線に沿う断面図である図8に示すように、ケーシング50の内側であって、出力側ディスク3,3の側方位置には、両ディスク3,3を両側から挟む状態で一対のヨーク23A,23Bが支持されている。これら一対のヨーク23A,23Bは、鋼等の金属のプレス加工あるいは鍛造加工により矩形状に形成されている。そして、後述するトラニオン15の両端部に設けられた枢軸14を揺動自在に支持するため、ヨーク23A,23Bの四隅には、円形の支持孔18が設けられるとともに、ヨーク23A,23Bの幅方向の中央部には、円形の係止孔19が設けられている。
一対のヨーク23A,23Bは、ケーシング50の内面の互いに対向する部分に形成された支持ポスト64,68により、僅かに変位できるように支持されている。これらの支持ポスト64,68はそれぞれ、入力側ディスク2の内側面2aと出力側ディスク3の内側面3aとの間にある第1キャビティ221および第2キャビティ222にそれぞれ対向する状態で設けられている。
したがって、ヨーク23A,23Bは、各支持ポスト64,68に支持された状態で、その一端部が第1キャビティ221の外周部分に対向するとともに、その他端部が第2キャビティ222の外周部分に対向している。
第1および第2のキャビティ221,222は同一構造であるため、以下、第1キャビティ221のみについて説明する。
図8に示すように、ケーシング50の内側において、第1キャビティ221には、入力軸1に対し捻れの位置にある一対の枢軸14,14を中心として揺動する一対のトラニオン15,15が設けられている。なお、図8においては、入力軸1の図示は省略している。各トラニオン15,15は、その本体部である支持板部16の長手方向(図8の上下方向)の両端部に、この支持板部16の内側面側に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部20,20を有している。そして、この折れ曲がり壁部20,20によって、各トラニオン15,15には、パワーローラ11を収容するための凹状のポケット部Pが形成される。また、各折れ曲がり壁部20,20の外側面には、各枢軸14,14が互いに同心的に設けられている。
支持板部16の中央部には円孔21が形成され、この円孔21には変位軸23の基端部(第1の軸部)23aが支持されている。そして、各枢軸14,14を中心として各トラニオン15,15を揺動させることにより、これら各トラニオン15,15の中央部に支持された変位軸23の傾斜角度を調節できるようになっている。また、各トラニオン15,15の内側面から突出する変位軸23の先端部(第2の軸部)23bの周囲には、各パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の間に挟持されている。なお、各変位軸23,23の基端部23aと先端部23bとは、互いに偏心している。
また、前述したように、各トラニオン15,15の枢軸14,14はそれぞれ、一対のヨーク23A,23Bに対して揺動自在および軸方向(図8の上下方向)に変位自在に支持されており、各ヨーク23A,23Bにより、トラニオン15,15はその水平方向の移動を規制されている。前述したように、各ヨーク23A,23Bの四隅には円形の支持孔18が4つ設けられており、これら支持孔18にはそれぞれ、トラニオン15の両端部に設けた枢軸14がラジアルニードル軸受30を介して揺動自在に支持されている。また、前述したように、ヨーク23A,23Bの幅方向(図8の左右方向)の中央部には、円形の係止孔19が設けられており、この係止孔19の内周面は球状凹面として、支持ポスト64,68を内嵌している。すなわち、上側のヨーク23Aは、ケーシング50に固定部材52を介して支持されている球面ポスト64によって揺動自在に支持されており、下側のヨーク23Bは、球面ポスト68およびこれを支持する駆動シリンダ31の上側シリンダボディ61によって揺動自在に支持されている。
なお、各トラニオン15,15に設けられた各変位軸23,23は、入力軸1に対し、互いに180度反対側の位置に設けられている。また、これらの各変位軸23,23の先端部23bが基端部23aに対して偏心している方向は、両ディスク2,2,3,3の回転方向に対して同方向(図8で上下逆方向)となっている。また、偏心方向は、入力軸1の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、各パワーローラ11,11は、入力軸1の長手方向に若干変位できるように支持される。その結果、押圧装置12が発生するスラスト荷重に基づく各構成部材の弾性変形等に起因して、各パワーローラ11,11が入力軸1の軸方向に変位する傾向となった場合でも、各構成部材に無理な力が加わらず、この変位が吸収される。
また、パワーローラ11の外側面とトラニオン15の支持板部16の内側面との間には、パワーローラ11の外側面の側から順に、スラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受(スラス軸受)24と、スラストニードル軸受25とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受24は、各パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11の回転を許容するものである。このようなスラスト玉軸受24はそれぞれ、複数個ずつの玉(転動体)26,26と、これら各玉26,26を転動自在に保持する円環状の保持器27と、円環状の外輪28とから構成されている。また、各スラスト玉軸受24の内輪軌道は各パワーローラ11の外側面(大端面)に、外輪軌道は各外輪28の内側面にそれぞれ形成されている。
また、スラストニードル軸受25は、トラニオン15の支持板部16の内側面と外輪28の外側面との間に挟持されている。このようなスラストニードル軸受25は、パワーローラ11から各外輪28に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これらパワーローラ11および外輪28が各変位軸23の基端部23aを中心として揺動することを許容する。
さらに、各トラニオン15,15の一端部(図8の下端部)にはそれぞれ駆動ロッド(枢軸14から延びる軸部)29,29が設けられており、各駆動ロッド29,29の中間部外周面に駆動ピストン(油圧ピストン)33,33が固設されている。そして、これら各駆動ピストン33,33はそれぞれ、上側シリンダボディ61と下側シリンダボディ62とによって構成された駆動シリンダ31内に油密に嵌装されている。これら各駆動ピストン33,33と駆動シリンダ31とで、各トラニオン15,15を、これらトラニオン15,15の枢軸14,14の軸方向に変位させる駆動装置32を構成している。
このように構成されたトロイダル型無段変速機の場合、駆動軸22の回転は、押圧装置12を介して、各入力側ディスク2,2および入力軸1に伝えられる。そして、これら入力側ディスク2,2の回転が、一対のパワーローラ11,11を介して各出力側ディスク3,3に伝えられ、更にこれら各出力側ディスク3,3の回転が、出力歯車4より取り出される。
入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比を変える場合には、一対の駆動ピストン33,33を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン33,33の変位に伴って、一対のトラニオン15,15が互いに逆方向に変位する。例えば、図8の左側のパワーローラ11が同図の下側に、同図の右側のパワーローラ11が同図の上側にそれぞれ変位する。その結果、これら各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の内側面2a,2a,3a,3aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン15,15が、ヨーク23A,23Bに枢支された枢軸14,14を中心として、互いに逆方向に揺動する。
その結果、各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各内側面2a,3aとの当接位置が変化し、入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比が変化する。また、これら入力軸1と出力歯車4との間で伝達するトルクが変動し、各構成部材の弾性変形量が変化すると、各パワーローラ11,11およびこれら各パワーローラ11,11に付属の外輪28,28が、各変位軸23,23の基端部23a、23aを中心として僅かに回動する。これら各外輪28,28の外側面と各トラニオン15,15を構成する支持板部16の内側面との間には、それぞれスラストニードル軸受25,25が存在するため、前記回動は円滑に行われる。したがって、前述のように各変位軸23,23の傾斜角度を変化させるための力が小さくて済む。
ところで、上記構成のトロイダル型無段変速機では、前述したように、入力側ディスク2から出力側ディスク3に対して押し付け力を円滑に伝えるべくトラニオン15に対してパワーローラ11が揺動できるように、パワーローラ11を支持する変位軸23の先端部23bと基端部23aとが互いにオフセットしている。すなわち、パワーローラ11をトラニオン15に対して支持する支軸(変位軸23の基端部23a)すなわち内孔21の軸心に対してパワーローラ11の回転軸(変位軸23の先端部23b)が偏心している。これは、図9に示すように外輪28と変位軸23とが一体となった構造においても同様である。
しかしながら、このような構造では、変位軸23のオフセット形状を実現するために加工コストが増大することは避けられず、また、前記オフセットに伴う制約によりトラニオン15の小型・軽量化が阻害されてしまう。更に、パワーローラ11をはじめとする変位軸23周りでの揺動回転動作により、スラスト荷重を支持する軸受が滑り運動を行なうこととなるため、揺動抵抗が大きくなってしまうという問題もある。
そのため、従来から、様々な工夫により、パワーローラ11を支持する軸部のオフセットを回避するようにした技術が提案されてきている。例えば、入出力側ディスク2,3から受ける当該パワーローラ11の回転中心軸方向の押し付け力によって、トラニオン15のパワーローラ収納部となるポケット部Pに配置されたころ軸受に、外輪28を当接させる構造とする(例えば、特許文献1〜5参照)。これによって、外輪28とともにパワーローラ11が、入力軸1の軸方向(実際には、パワーローラ11の回転中心軸と直交するとともに枢軸14と直交する方向に)に沿ってスライドできるようになっており、変位軸23を必要とせず、パワーローラ11の回転中心となる部分に直線状の軸があればよい。
しかし、パワーローラ11に対する回転中心軸方向の押し付け力が無い場合、たとえば、トロイダル型無段変速機の組み付け作業中は、スラスト軸受24およびパワーローラ11をトラニオン15に保持させる機能がなく、組み付け中にパワーローラ11を落下させてしまう可能性がある。
そこで、外輪28の背面に入力軸1の軸方向に沿ったアリ溝を有する部材が設けられ、トラニオン15に前記アリ溝に係止する係止部材が設けられ、外輪28を入力軸1の軸方向に沿って移動可能な状態で、外輪28がトラニオン15から外れるのを防いでいるものが知られている(例えば、特許文献6参照)。
また、外輪28の背面にトラニオン15側に突出する筒部を設け、この筒部をころ軸受の保持器と係合させることで、外輪28がトラニオン15から外れるのを防いでいるものが知られている(例えば、特許文献7参照)。
また、ころ軸受を磁力を発生する部材として、磁力により外輪28がトラニオン15から外れるのを防いでいるものも知られている(例えば、特許文献8参照)。
なお、組み付け時にトラニオンにパワーローラを保持する治具を使用して、組み付け中のパワーローラの脱落を防止する方法も知られている。
特開2001−12574号公報 特開2002−235826号公報 特開2003−294099号公報 特開2004−138249号公報 特開2004−169785号公報 特開2005−30444号公報 特開2004−197902号公報 特開2004−278577号公報
しかしながら、特許文献6における構造では、アリ溝を有する部材や、アリ溝に係止する部材により煩雑な構造となりコストが増加するとともに、トラニオンに係止部材に取り付けたり、外輪にアリ溝を有する部材を取り付けたりする工程が増え、組み付け作業が煩雑になる。
また、特許文献7における構造でも、ころ軸受の保持器や、保持器に係合する筒部の構造が煩雑になり、構造的にコストが増加する可能性があるとともに、トラニオンへの外輪およびパワーローラの組み付ける際の手間が増える可能性が高い。
また、特許文献8における構造では、ころ軸受で十分な磁力が発生しないと、外輪およびパワーローラがトラニオンから脱落する可能性を否定できないが、大きな磁力を発生する構成とした場合に、大幅なコストアップとなる可能性が高い。
また、外輪に内輪となるパワーローラが保持されず、上述の押し付け力が作用していない状態で、外輪からパワーローラが落下可能となった構造のトロイダル型無段変速機も知られているが、この場合に、上述のようにトラニオンに外輪を保持させても、パワーローラが外輪から外れて落下する可能性がある。
本発明は、前記事情に鑑みて為されたもので、極めて簡潔な構造で、トラニオンから外輪およびパワーローラの脱落を防止できるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明のトロイダル型無段変速機は、それぞれの内側面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間に挟持されたパワーローラと、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの回転中心軸に対して捻れの位置にあり且つ互いに同心的に設けられた一対の枢軸を中心に揺動するとともに、前記各パワーローラを回転自在に支持するトラニオンと、前記パワーローラに加わるスラスト方向の荷重を支承するスラスト軸受とを備え、前記スラスト軸受は、前記パワーローラによって形成される内輪と、外輪と、これらの内輪と外輪との間で転動する転動体とを有して成るトロイダル型無段変速機において、
前記トラニオンの前記外輪の外周面に対向する部分に、前記パワーローラの回転中心軸と直交するとともに前記枢軸と直交する方向に沿って溝が形成され、
前記外輪の外周部に、前記溝に挿入可能に外周に沿って外側に突出する突出部が、外周に沿って円環状に形成され
前記突出部の前記パワーローラの回転中心軸方向に沿った幅が、前記溝の前記パワーローラの回転中心軸方向に沿った幅より狭くされ、
記パワーローラに、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクから当該パワーローラの回転中心軸方向に沿って前記トラニオン側に押し付け力が作用するとともに、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクに当接して前記パワーローラが回転可能な状態では、前記溝のほぼ中央に前記突出部が配置されることを特徴とする。
また、本発明のトロイダル型無段変速機は、それぞれの内側面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間に挟持されたパワーローラと、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの回転中心軸に対して捻れの位置にあり且つ互いに同心的に設けられた一対の枢軸を中心に揺動するとともに、前記各パワーローラを回転自在に支持するトラニオンと、前記パワーローラに加わるスラスト方向の荷重を支承するスラスト軸受とを備え、前記スラスト軸受は、前記パワーローラによって形成される内輪と、外輪と、これらの内輪と外輪との間で転動する転動体とを有して成るトロイダル型無段変速機において、
前記トラニオンの前記パワーローラの外周面に対向する部分に、前記パワーローラの回転中心軸と直交するとともに前記枢軸と直交する方向に延び、かつ、パワーローラの後方側を向く段差面が設けられ、
前記パワーローラの外周部に、該パワーローラが前方に移動すると前記段差面に当接する当接面が設けられ、
前記パワーローラが前記当接面を前記段差面に案内させた状態で、当該パワーローラの回転中心軸と直交するとともに前記枢軸と直交する方向にスライド移動可能となっていることを特徴とする。
本発明においては、基本的に上記の発明において、外輪に設けられていた当接面をパワーローラに設けたものであり、外輪がパワーローラに代わる以外は、上記の発明の構成と同様の効果を奏することができる。
さらに、パワーローラが外輪に保持されておらず、外輪からパワーローラが脱落可能な構成となっていても、パワーローラの当接面がトラニオンの段差面に当接することで、パワーローラおよび外輪の脱落が防止されるので、トラニオンに保持された外輪に対してパワーローラだけ脱落するようなことを確実に防止することができる。
本発明のトロイダル型無段変速機によれば、簡潔な構造で、かつ、トラニオンに外輪およびパワーローラを容易に組み付け可能な構造で、トロイダル型無段変速機におけるトラニオンの組み付けに際して、外輪およびトラニオンが脱落してしまうのを防止することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明の特徴は、トラニオンに対するパワーローラの支持構造にあり、その他の構成および作用は前述した従来の構成および作用と同様であるため、以下においては、本発明の特徴部分についてのみ言及し、それ以外の部分については、図7〜図9と同一の符号を付して簡潔に説明するに留める。
図1は本発明の第1の実施形態を示している。図示のように、本実施形態においては、パワーローラ11を支持する軸部のオフセットを回避しつつ、トラニオン15に対してパワーローラ11を円滑に揺動且つ転がり案内できるような構造が採用されている。より具体的には、外輪28は、スラスト玉軸受24の外輪を形成する概略円板状の外輪本体部28aと、この外輪本体部28aの内側面の中心から垂直に延び、パワーローラ11を回転可能に支持する軸部28bとから成っている。外輪本体部28aは、パワーローラ11の回転中心軸すなわち軸部28bの回転中心軸と同心の外周面110を有している。
外輪28は、トラニオン15の内側の凹状のポケット部P内に収容されている。そして、トラニオン15の支持板部16の内側面と一対の折れ曲がり壁部20,20とにより形成された凹状のポケット部Pは、外輪28およびパワーローラ11を収容する収容空間となっている。なお、ここで、パワーローラ11の回転中心軸方向に沿う方向において、パワーローラ11に対してトラニオン15の支持板部16側を後方とし、支持板部16に対してパワーローラ11側を前方とする。
また、トラニオン15の支持板部16と外輪本体部28aとの間には、パワーローラ11に加わるスラスト方向(パワーローラ11の小端面側から大端面側に向かう方向)の荷重を支承するスラスト転がり軸受130が介挿されている。なお、スラスト転がり軸受130は、支持板部16の一方の折れ曲がり壁部20に近い方と、他方の折れ曲がり壁部20に近い方とに二分されて構成されている。そして、支持板部16の前面のスラスト転がり軸受130が配置される一端部側と他端部側は、互いに近づくにつれて、後方側に向かうように斜めに形成されている。そして、この支持板部16の一端部側と他端部側に分かれて配置されるスラスト転がり軸受130も同様に斜めとなっている。
また、外輪本体部28aの背面のスラスト転がり軸受130に接触する外周部も中心に向うにつれて後方側に向かうように斜めとなっている。
これにより、スラスト転がり軸受130に押し付けられた状態で、外輪本体部28aは、パワーローラ11の回転中心軸と直交するとともに枢軸14,14と直交する方向に移動可能で、かつ、枢軸14,14方向に沿った移動を規制された状態となる。
また、軸部28bとパワーローラ11との間には、ラジアル転がり軸受140が介挿されている。
また、軸部28bの先端部は、パワーローラ11を貫通してパワーローラ11の前方に突出した状態とされ、止め輪150により、パワーローラ11を回転可能に保持するようになっており、外輪28からパワーローラ11が脱落しない構造となっている。
そして、この実施形態において、トラニオン15の外輪28の外周面に対向する部分となる一対の折れ曲がり壁部20,20の互いに対向する内側面には、それぞれ、パワーローラ11の回転中心軸と直交するとともに枢軸14,14と直交する方向に沿って溝160,160が形成されている。
この溝160は、断面矩形状で、枢軸14の軸方向に沿う前側の内側面が外輪の後方側を向く段差面161とされている。従って、段差面161は、パワーローラ11の回転中心軸と直交するとともに枢軸14,14と直交する方向に延びて形成されている。
また、この段差面161を有する溝160は、折れ曲がり壁部20,20のパワーローラ11の回転中心軸と直交するとともに枢軸14,14と直交する方向に沿った幅の全幅に渡って形成され、溝160の左右端部が折れ曲がり壁部20,20の左右側面に開口した状態となっている。
また、外輪28の外輪本体部28aの外周部には、前記溝160に挿入可能に外周に沿って外側に突出する突出部170が設けられている。突出部170は、この例において、外周に沿って円環状に形成されている。また、突出部170のパワーローラ11の回転中心軸方向に沿った幅が、溝160のパワーローラ11の回転中心軸方向に沿った幅より狭くされている。
そして、外輪本体部28aの外周部に設けられた円環状の突出部170は、断面矩形状の形成されるとともに、前側を向く側面が前記溝160の段差面161と対向する当接面171とされている。
段差面161と当接面171は、互いに略平行に配置されるようになっている。また、パワーローラ11に、入出力側ディスク2,3から当該パワーローラ11の回転中心軸方向にそって後方側(トラニオン15の支持板部16側)に押し付け力が作用するとともに、入出力側ディスク2,3に当接してパワーローラが回転可能な状態では、溝160のほぼ中央に突出部170が配置されるようになっている。
そして、上述のように溝160の幅の方が突出部170の幅より広いので、溝160の前後の内側面(前側が段差面161)と、突出部170の前後の側面(前側が当接面171)とが接触しないようになっている。
また、上述のように、パワーローラ11にその回転中心軸方向に沿った押し付け力が作用した状態で、斜めの一対のスラスト転がり軸受130により、パワーローラ11および外輪28の枢軸14の軸方向に沿った移動が規制された際に、溝160の底面と、突出部170の先端面(最外周面)とが接触しないように設定されている。そして、外輪28およびパワーローラ11は、トラニオン15に取り付けられた状態で、パワーローラ11の回転中心軸と直交するとともに枢軸14,14と直交する方向に移動自在となる。
したがって、トロイダル型無段変速機にパワーローラ11を備えたトラニオン15を組み付けた状態では、トラニオン15の溝160と、外輪28の突出部170とが接触することがなく、トロイダル型無段変速機の動作に溝160や突出部170が影響を与えることがない。
一方、トロイダル型無段変速機の組み付け作業時においては、まず、パワーローラ11と一体に組み立てられえた外輪28をトラニオン15に取り付ける。この際には、トラニオン15の側方から、パワーローラ11の回転中心軸と直交するとともに枢軸14,14と直交する方向に沿って、トラニオン15のポケット部Pにパワーローラ11および外輪28(スラスト軸受24を含む)を挿入することになる。さらに、この際には、トラニオン15の一対の折れ曲がり壁部20,20の側面に開口する溝160端部から外輪28の突出部170を挿入し、溝160に突出部170を沿わせながら外輪を移動することで、トラニオン15のポケット部Pにパワーローラ11を配置する。
そして、パワーローラ11を保持したトラニオン15をトロイダル型無段変速機に組み付けることになるが、この際にパワーローラ11がトラニオン15に対して前方に移動すると、パワーローラ11と一体となった外輪28の突出部170の当接面171が、トラニオン15の溝160の段差面161に当接し、パワーローラ11および外輪2の前方への移動が規制され、トラニオン15からパワーローラ11が落下するのが防止される。
すなわち、トラニオン15の一対の折れ曲がり壁部20,20の互いに対向する内側面に夫々形成された溝160に外輪28の突出部170が挿入されることで、外輪28および外輪28に保持されたパワーローラ11の当該パワーローラ11の回転中心軸方向に沿った移動が規制される。
以上のような本実施形態のトロイダル型無段変速機によれば、パワーローラ11を支持する軸部のオフセットを回避しつつ、トラニオン15に対してパワーローラ11を円滑に揺動且つ転がり案内できるような構造とするために、トラニオン15に対してパワーローラ11が保持されない状態となっても、上述のトラニオン15の段差面161とパワーローラ11を保持する外輪28の当接面171とにより、トロイダル型無段変速機の組み付け作業中にトラニオン15からパワーローラ11が脱落するのを防止することができる。
さらに、トラニオン15の段差面161およびパワーローラ11の突出部170は、容易かつ比較的低コストに形成することが可能である。また、トラニオン15にパワーローラ11を取り付ける際も、トラニオン15の側方からパワーローラ11をスライド移動して簡単に取り付け可能である。
図2は本発明の第2の実施形態を示している。本実施形態は、第1の実施形態において、パワーローラ11のトラニオン15の前側への移動による脱落を防止するためにトラニオン15の段差面161に当接する当接面171を外輪28に設けていたのに対して、当接面191をパワーローラ11に設け、トラニオン15の段差面181の位置をパワーローラ11の外周側に移動したものである。その他の構成は、第1の実施形態と同様であるので、同一構成要素に同一符号を付してその説明を省略する。
図2に示すように、トラニオン15の一対の折れ曲がり壁部20,20の互いに対向する内側面の先端部側(前部側)には、枢軸14,14の軸方向に沿って、互いに近づく方向に突出する突出部180が形成されている。この突出部180は、断面矩形状に形成されている。
また、この断面矩形状の突出部180の後部側に段差が形成され、この段差のパワーローラ11の後方側を向く面が段差面181とされている。
したがって、トラニオン15のパワーローラ11の外周面に対向する一対の折れ曲がり壁部20,20の内側面に、パワーローラ11の回転中心軸と直交するとともに枢軸14,14と直交する方向に延び、かつ、パワーローラ11の後方側を向く段差面181が設けられている。
一方、パワーローラ11の外周面の後端部側(大端面側)の外周部に、外周に沿うとともに外側に向けて突出する円環状の突出部190が形成されている。
そして、突出部190は断面矩形状に形成され、この突出部190の前側を向く面が当接面191とされている。
すなわち、パワーローラ11の外周部に、パワーローラ11が前方に移動すると段差面181に当接する当接面191が設けられている。
そして、第2の実施形態のトロイダル型無段変速機においても、第1の実施形態の場合と同様に、パワーローラ11の当接面191をトラニオン15の段差面181に沿わせて案内させた状態で、パワーローラ11および外輪28を、パワーローラ11の回転中心軸と直交するとともに枢軸14,14と直交する方向に移動可能となっている。
また、第1の実施形態と同様に、パワーローラ11の当接面191をトラニオン15の段差面181に沿わせて案内させた状態で、パワーローラ11および外輪18(スラスト軸受24を含む)を、トラニオン15の側方向からポケット部Pに挿入可能となっている。
また、上述のようにパワーローラ11を保持したトラニオン15をトロイダル型無段変速機に組み付けることで、入出力側ディスク2,3からパワーローラ11にその回転中心軸方向の押し付け力が作用した状態では、段差面181に対して当接面191が離れるようになっている。これにより、パワーローラ11の回転が段差面181と当接面191とにより妨げられることがなく、パワーローラ11が円滑に回転可能となっている。
以上の構成により、第2の実施形態においても、当接面171を外輪28に設けた第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
図3は本発明の第3の実施形態を示している。本実施形態は、第2の実施形態において、第1の実施形態と同様に、外輪28の軸部28bにパワーローラ11が止め輪150で回転自在に保持されていたの対して、外輪28にパワーローラ11が保持されず、上述の押し付け力が作用していない状態では、外輪28からパワーローラ11が脱落可能な構成となっている。その他の構成は、トラニオン15の段差面181およびパワーローラ11の当接面191も含めて、第2の実施形態と同様であるので、同一構成要素に同一符号を付してその説明を省略する。
第3の実施形態では、パワーローラ11に対して外輪28と一体の軸部28bが貫通した状態となっておらず、軸部28bの先端部がパワーローラ11内に納まった状態なっている。また、パワーローラ11の軸部28bを挿入する穴も、後端側(大端面側)が開口し、前端側(小端面側)が開口せず閉塞して袋状の穴となっている。
これにより、外輪28に対してパワーローラ11が保持されていない構成となっているが、第2の実施形態と同様に、段差面181により前方への移動が規制される当接面191がパワーローラ11の後端部の外周に形成されているので、段差面181に当接面191が当接することで、パワーローラ11の前方への移動が規制されるため、外輪28からパワーローラ11が前側に移動して脱落することがなく、外輪28にパワーローラ11が保持されていない構造でも、第1および第2の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
言い換えれば、第2および第3実施形態に示すように、パワーローラ11に当接面191を設ける構成とすれば、外輪28にパワーローラ11が保持されない構造でも、トロイダル型無段変速機の組み付け作業中にトラニオン15からパワーローラ11が脱落するようなことがない。
図4は本発明の第4の実施形態を示している。本実施形態は、第1〜第3の実施形態において、斜めの一対のスラスト転がり軸受130により、トロイダル型無段変速機に組みつけられて上述の押し付け力が作用した状態で、外輪29およびパワーローラ11の枢軸14,14の軸方向に沿った移動が規制されていたの対して、トラニオン15の一対の折れ曲がり壁部20,20の互いに対向する内側面に、外輪28の外周面110が当接する案内面部120,120を設けることで、外輪29およびパワーローラ11の枢軸14,14の軸方向に沿った移動を規制している。
その他の構成は、トラニオン15の段差面161およびパワーローラ11の当接面171も含めて、第1の実施形態と同様であるので、同一構成要素に同一符号を付してその説明を省略する。
外輪本体部28aの外周面110にはクラウニングが施されている。
外輪28は、トラニオン15の内側の凹状のポケット部P内に収容されており、トラニオン15には、この外輪本体部28aの外周面110に対向する位置に、互いに対向しかつパワーローラ11の回転中心軸(回転軸)と直交捩れ方向に沿って延びる一対の案内面部120,120が形成されている。より詳しく説明すると、一対の案内面部120,120は、パワーローラ11の回転中心軸(回転軸)と直交するとともに枢軸14と直交する方向に延びている。各案内面部120は、各案内面部120は、トラニオン15の折れ曲がり壁部20の内側面から内側に向かってほぼ四角板状に少し突出している突出部のほぼ四角形の平面からなる先端面(前面)により形成されている。各案内面部120は、トラニオン15の折れ曲がり壁部20において、ディスク2,3の回転中心軸に沿う方向のほぼ中央部に形成されている。各案内面部120は、高周波焼入れなどにより硬度が高められ、また研削加工により面粗度が高められている。これらの案内面部120,120の間の距離は、外輪本体部28aの外径寸法よりも僅かに大きく設定されている。
また、案内面部120,120および外輪28の外輪本体部28aの外周面110の少なくとも一方に、摩擦係数低減処理が施されている。摩擦係数低減処理としては、例えば、案内面部120,120および外輪本体部28aの外周面110の少なくとも一方に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)あるいは二硫化モリブデン(MoS)などの皮膜を形成する。
また、トラニオン15の支持板部16の内側面と一対の折れ曲がり壁部20,20とにより形成された凹状のポケット部Pは、外輪28およびパワーローラ11を収容する収容空間となっており、この収容空間のうち、外輪28を収容する外輪収容空間の枢軸に沿う方向の寸法がパワーローラ11を収容するパワーローラ収容空間の枢軸に沿う方向の寸法よりも小さく設定されている。
また、トラニオン15と外輪本体部28aとの間には、パワーローラ11に加わるスラスト方向(パワーローラ11の小端面側から大端面側に向かう方向)の荷重を支承するスラスト転がり軸受130が介挿されている。
また、軸部28bとパワーローラ11との間には、ラジアル転がり軸受140が介挿されている。
したがって、上記構成では、パワーローラ11に対してラジアル方向(トラニオン15の枢軸14に沿う方向;図中y方向)の接線力が作用すると、パワーローラ11が枢軸14,14の一方側(図中y方向)に変位し、これに伴い外輪本体部28aの外周面110がトラニオン15の案内面部120,120の一方に押し付けられる。そして、外輪本体部28aはこの案内面部120上を転がることができる。すなわち、外輪本体部28aおよびパワーローラ11は、トラニオン15に対してパワーローラ11の回転中心軸と直交するとともに枢軸14と直交する方向に移動することができる。
このような構造のトロイダル型無段変速機においても、トラニオン15の折れ曲がり壁部20,20の内側面に上述の溝160を形成することにより、段差面161を設け、外輪28の外周面に突出部170を設けることにより、当接面171を設けることで、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
なお、上述の押し付け力が作用し、かつ、外輪28の外周面110が案内面部120,120のどちらかに接触した状態で、トラニオン15の溝160の前後の内側面(段差面161を含む)および底面と、外輪28の突出部170の前後の側面(当接面171を含む)と外周面とが接触しないようになっている。
図5は本発明の第5の実施形態を示している。本実施形態は、第1の実施形態と同様に、パワーローラ11のトラニオン15の前側への移動による脱落を防止するためにトラニオン15の段差面161に当接する当接面171を外輪28に設けるとともに、案内面部120を有する第4の実施形態に対して、第2の実施形態と同様に、当接面191をパワーローラ11に設け、トラニオン15の段差面181の位置をパワーローラ11の外周側に移動したものである。
すなわち、パワーローラ11の枢軸14,14の軸方向に沿った移動を規制する構成は第4実施形態と同様であり、それ以外の構成は、トラニオン15の段差面181およびパワーローラ11の当接面191も含めて、第2の実施形態と同様であり、第2の実施形態および第4の実施形態と同一構成要素に同一符号を付してその説明を省略する。
第5の実施形態においては、第4の実施形態と同様に案内面部120を有する構成において、第2の実施形態と同様の構造を有するもので、基本的に第2の実施形態と同様の作用効果を奏するものとなっている。
図6は本発明の第6の実施形態を示している。本実施形態は、第5の実施形態に対して、第3の実施形態と同様に、外輪28にパワーローラ1が保持されない構造としたものである。
すなわち、パワーローラ11の枢軸14,14の軸方向に沿った移動を規制する構成は第4および第5の実施形態と同様であり、それ以外の構成は、トラニオン15の段差面181およびパワーローラ11の当接面191も含めて、第3の実施形態と同様であり、第3の実施形態および第5の実施形態と同一構成要素に同一符号を付してその説明を省略する。
第6の実施形態においては、第5の実施形態と同様に案内面部120を有する構成において、第3の実施形態と同様の構造を有するもので、基本的に第3の実施形態と同様の作用効果を奏するものとなっている。すなわち、外輪28にパワーローラ11が保持されていなくとも、トラニオン15の段差面181にパワーローラ11の当接面191が接触することで、パワーローラ11のトラニオン15からの落下を防止することができる。
本発明は、様々な形態のシングルキャビティ型およびダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機に適用することができる。
本発明の第1の実施形態に係るトロイダル型無段変速機のパワーローラを保持したトラニオンを示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るトロイダル型無段変速機のパワーローラを保持したトラニオンを示す断面図である。 本発明の第3の実施形態に係るトロイダル型無段変速機のパワーローラを保持したトラニオンを示す断面図である。 本発明の第4の実施形態に係るトロイダル型無段変速機のパワーローラを保持したトラニオンを示す断面図である。 本発明の第5の実施形態に係るトロイダル型無段変速機のパワーローラを保持したトラニオンを示す断面図である。 本発明の第6の実施形態に係るトロイダル型無段変速機のパワーローラを保持したトラニオンを示す断面図である。 従来から知られているトロイダル型無段変速機の具体的構造の一例を示す断面図である。 図7のA−A線に沿う断面図である。 外輪と変位軸とが一体化された従来のトロイダル型無段変速機の要部断面図である。
符号の説明
2 入力側ディスク
3 出力側ディスク
11 パワーローラ(内輪)
14 枢軸
15 トラニオン
24 スラスト玉軸受(スラスト軸受)
26 玉(転動体)
28 外輪
161 段差面
171 当接面
181 段差面
191 当接面

Claims (2)

  1. それぞれの内側面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間に挟持されたパワーローラと、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの回転中心軸に対して捻れの位置にあり且つ互いに同心的に設けられた一対の枢軸を中心に揺動するとともに、前記各パワーローラを回転自在に支持するトラニオンと、前記パワーローラに加わるスラスト方向の荷重を支承するスラスト軸受とを備え、前記スラスト軸受は、前記パワーローラによって形成される内輪と、外輪と、これらの内輪と外輪との間で転動する転動体とを有して成るトロイダル型無段変速機において、
    前記トラニオンの前記外輪の外周面に対向する部分に、前記パワーローラの回転中心軸と直交するとともに前記枢軸と直交する方向に沿って溝が形成され、
    前記外輪の外周部に、前記溝に挿入可能に外周に沿って外側に突出する突出部が、外周に沿って円環状に形成され
    前記突出部の前記パワーローラの回転中心軸方向に沿った幅が、前記溝の前記パワーローラの回転中心軸方向に沿った幅より狭くされ、
    記パワーローラに、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクから当該パワーローラの回転中心軸方向に沿って前記トラニオン側に押し付け力が作用するとともに、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクに当接して前記パワーローラが回転可能な状態では、前記溝のほぼ中央に前記突出部が配置されることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. それぞれの内側面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間に挟持されたパワーローラと、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの回転中心軸に対して捻れの位置にあり且つ互いに同心的に設けられた一対の枢軸を中心に揺動するとともに、前記各パワーローラを回転自在に支持するトラニオンと、前記パワーローラに加わるスラスト方向の荷重を支承するスラスト軸受とを備え、前記スラスト軸受は、前記パワーローラによって形成される内輪と、外輪と、これらの内輪と外輪との間で転動する転動体とを有して成るトロイダル型無段変速機において、
    前記トラニオンの前記パワーローラの外周面に対向する部分に、前記パワーローラの回転中心軸と直交するとともに前記枢軸と直交する方向に延び、かつ、パワーローラの後方側を向く段差面が設けられ、
    前記パワーローラの外周部に、該パワーローラが前方に移動すると前記段差面に当接する当接面が設けられ、
    前記パワーローラが前記当接面を前記段差面に案内させた状態で、当該パワーローラの回転中心軸と直交するとともに前記枢軸と直交する方向にスライド移動可能となっていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
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