JP2007107628A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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功久 小林
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Abstract

【課題】 入力軸と入力側ディスクとの間に設けられるボールスプラインにおけるボールの抜け止めを行なう止め輪の疲労に対する耐久性向上および脱落防止を図る。
【解決手段】 入力軸1と入力側ディスク2との間に介挿されたボールベアリング6が、入力側ディスク2の内周面に形成された第1のボールスプライン溝102と、第1のスプライン溝と対向して入力軸の外周面に形成された第2のボールスプライン溝101と、第1のボールスプライン溝と第2のボールスプライン溝との間に転動自在に介在されたボール96と、第1および第2のボールスプライン溝からのボールの抜けを防止するためにボールの両側に設けられた止め輪200,202とから成る。この場合、出力側ディスク3に近い第1の止め輪200を形成する素線の外径R1は、反対側の第2の止め輪202を形成する素線の外径R2よりも大きく設定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車や各種産業機械の変速機などに利用可能なトロイダル型無段変速機に関する。
例えば自動車用変速機として用いるダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機は、図5および図6に示すように構成されている。図5に示すように、ケーシング50の内側には入力軸(中心軸)1が回転自在に支持されており、この入力軸1の外周には、2つの入力側ディスク2,2と2つの出力側ディスク3,3とが取り付けられている。また、入力軸1の中間部の外周には出力歯車4が回転自在に支持されている。この出力歯車4の中心部に設けられた円筒状のフランジ部4a,4aには、出力側ディスク3,3がスプライン結合によって連結されている。
入力軸1は、図中左側に位置する入力側ディスク2とカム板7との間に設けられたローディングカム式の押圧装置12を介して、駆動軸22により回転駆動されるようになっている。また、出力歯車4は、2つの部材の結合によって構成された仕切壁13を介してケーシング50内に支持されており、これにより、入力軸1の軸線Oを中心に回転できる一方で、軸線O方向の変位が阻止されている。
出力側ディスク3,3は、入力軸1との間に介在されたニードル軸受5,5によって、入力軸1の軸線Oを中心に回転自在に支持されている。また、図中左側の入力側ディスク2は、入力軸1にボールスプライン6を介して支持され、図中右側の入力側ディスク2は、入力軸1にボールスプライン6を介して支持され或いはスプライン結合されており(図示の例ではスプライン結合されている)、これら入力側ディスク2は入力軸1と共に回転するようになっている。また、入力側ディスク2,2の内側面(凹面)2a,2aと出力ディスク3,3の内側面(凹面)3a,3aとの間には、パワーローラ11(図6参照)が回転自在に挟持されている。
図5中右側に位置する入力側ディスク2の内周面2cには、段差部2bが設けられ、この段差部2bに、入力軸1の外周面1aに設けられた段差部1bが突き当てられるとともに、入力側ディスク2の背面(図5の右面)がローディングナット9に突き当てられている。これによって、入力側ディスク2の入力軸1に対する軸線O方向の変位が実質的に阻止されている(ボールスプライン6を介して支持される場合は入力側ディスク2の入力軸1に対する軸線O方向の変位が許容される)。また、カム板7と入力軸1の鍔部1dとの間には、皿ばね8が設けられており、この皿ばね8は、各ディスク2,2,3,3の凹面2a,2a,3a,3aとパワーローラ11,11の周面11a,11aとの当接部に押圧力を付与する。
図5のA−A線に沿う断面図である図6に示すように、ケーシング50の内側であって、出力側ディスク3,3の側方位置には、両ディスク3,3を両側から挟む状態で一対のヨーク23A,23Bが支持されている。これら一対のヨーク23A,23Bは、鋼等の金属のプレス加工あるいは鍛造加工により矩形状に形成されている。そして、後述するトラニオン15の両端部に設けられた枢軸14を揺動自在に支持するため、ヨーク23A,23Bの四隅には、円形の支持孔18が設けられるとともに、ヨーク23A,23Bの幅方向の中央部には、円形の係止孔19が設けられている。
一対のヨーク23A,23Bは、ケーシング50の内面の互いに対向する部分に形成された支持ポスト64,68により、僅かに変位できるように支持されている。これらの支持ポスト64,68はそれぞれ、入力側ディスク2の内側面2aと出力側ディスク3の内側面3aとの間にある第1のキャビティ221および第2のキャビティ222にそれぞれ対向する状態で設けられている。
したがって、ヨーク23A,23Bは、各支持ポスト54,68に支持された状態で、その一端部が第1のキャビティ221の外周部分に対向するとともに、その他端部が第2のキャビティ222の外周部分に対向している。
第1および第2のキャビティ221,222は同一構造であるため、以下、第1のキャビティ221のみについて説明する。
図6に示すように、ケーシング50の内側において、第1のキャビティ221には、入力軸1に対し捻れの位置にある一対の枢軸14,14を中心として揺動する一対のトラニオン15,15が設けられている。なお、図6においては、入力軸1の図示は省略している。各トラニオン15,15は、その本体部である支持板部16の長手方向(図6の上下方向)の両端部に、この支持板部16の内側面側に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部20,20を有している。そして、この折れ曲がり壁部20,20によって、各トラニオン15,15には、パワーローラ11を収容するための凹状のポケット部Pが形成される。また、各折れ曲がり壁部20,20の外側面には、各枢軸14,14が互いに同心的に設けられている。
支持板部16の中央部には円孔21が形成され、この円孔21には変位軸23の基端部(第1の軸部)23aが支持されている。そして、各枢軸14,14を中心として各トラニオン15,15を揺動させることにより、これら各トラニオン15,15の中央部に支持された変位軸23の傾斜角度を調節できるようになっている。また、各トラニオン15,15の内側面から突出する変位軸23の先端部(第2の軸部)23bの周囲には、各パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の間に挟持されている。なお、各変位軸23,23の基端部23aと先端部23bとは、互いに偏心している。
また、前述したように、各トラニオン15,15の枢軸14,14はそれぞれ、一対のヨーク23A,23Bに対して揺動自在および軸方向(図6の上下方向)に変位自在に支持されており、各ヨーク23A,23Bにより、トラニオン15,15はその水平方向の移動を規制されている。前述したように、各ヨーク23A,23Bの四隅には円形の支持孔18が4つ設けられており、これら支持孔18にはそれぞれ、トラニオン15の両端部に設けた枢軸14がラジアルニードル軸受30を介して揺動自在に支持されている。また、前述したように、ヨーク23A,23Bの幅方向(図5の左右方向)の中央部には、円形の係止孔19が設けられており、この係止孔19の内周面は球状凹面として、支持ポスト64,68を内嵌している。すなわち、上側のヨーク23Aは、ケーシング50に固定部材52を介して支持されている球面ポスト64によって揺動自在に支持されており、下側のヨーク23Bは、球面ポスト68およびこれを支持する駆動シリンダ31の上側シリンダボディ61によって揺動自在に支持されている。
なお、各トラニオン15,15に設けられた各変位軸23,23は、入力軸1に対し、互いに180度反対側の位置に設けられている。また、これらの各変位軸23,23の先端部23bが基端部23aに対して偏心している方向は、両ディスク2,2,3,3の回転方向に対して同方向(図6で上下逆方向)となっている。また、偏心方向は、入力軸1の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、各パワーローラ11,11は、入力軸1の長手方向に若干変位できるように支持される。その結果、押圧装置12が発生するスラスト荷重に基づく各構成部材の弾性変形等に起因して、各パワーローラ11,11が入力軸1の軸方向に変位する傾向となった場合でも、各構成部材に無理な力が加わらず、この変位が吸収される。
また、パワーローラ11の外側面とトラニオン15の支持板部16の内側面との間には、パワーローラ11の外側面の側から順に、スラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受24と、スラストニードル軸受25とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受24は、各パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11の回転を許容するものである。このようなスラスト玉軸受24はそれぞれ、複数個ずつの玉26,26と、これら各玉26,26を転動自在に保持する円環状の保持器27と、円環状の外輪28とから構成されている。また、各スラスト玉軸受24の内輪軌道は各パワーローラ11の外側面(大端面)に、外輪軌道は各外輪28の内側面にそれぞれ形成されている。
また、スラストニードル軸受25は、トラニオン15の支持板部16の内側面と外輪28の外側面との間に挟持されている。このようなスラストニードル軸受25は、パワーローラ11から各外輪28に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これらパワーローラ11および外輪28が各変位軸23の基端部23aを中心として揺動することを許容する。
さらに、各トラニオン15,15の一端部(図6の下端部)にはそれぞれ駆動ロッド(枢軸14から延びる軸部)29,29が設けられており、各駆動ロッド29,29の中間部外周面に駆動ピストン(油圧ピストン)33,33が固設されている。そして、これら各駆動ピストン33,33はそれぞれ、上側シリンダボディ61と下側シリンダボディ62とによって構成された駆動シリンダ31内に油密に嵌装されている。これら各駆動ピストン33,33と駆動シリンダ31とで、各トラニオン15,15を、これらトラニオン15,15の枢軸14,14の軸方向に変位させる駆動装置32を構成している。
このように構成されたトロイダル型無段変速機の場合、駆動軸22の回転は、押圧装置12を介して、各入力側ディスク2,2および入力軸1に伝えられる。そして、これら入力側ディスク2,2の回転が、一対のパワーローラ11,11を介して各出力側ディスク3,3に伝えられ、更にこれら各出力側ディスク3,3の回転が、出力歯車4より取り出される。
入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比を変える場合には、一対の駆動ピストン33,33を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン33,33の変位に伴って、一対のトラニオン15,15が互いに逆方向に変位する。例えば、図6の左側のパワーローラ11が同図の下側に、同図の右側のパワーローラ11が同図の上側にそれぞれ変位する。その結果、これら各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の内側面2a,2a,3a,3aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン15,15が、ヨーク23A,23Bに枢支された枢軸14,14を中心として、互いに逆方向に揺動する。
その結果、各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各内側面2a,3aとの当接位置が変化し、入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比が変化する。また、これら入力軸1と出力歯車4との間で伝達するトルクが変動し、各構成部材の弾性変形量が変化すると、各パワーローラ11,11およびこれら各パワーローラ11,11に付属の外輪28,28が、各変位軸23,23の基端部23a、23aを中心として僅かに回動する。これら各外輪28,28の外側面と各トラニオン15,15を構成する支持板部16の内側面との間には、それぞれスラストニードル軸受25,25が存在するため、前記回動は円滑に行われる。したがって、前述のように各変位軸23,23の傾斜角度を変化させるための力が小さくて済む。
ところで、上記構成のトロイダル型無段変速機においては、入力軸1と入力側ディスク2との間に、軸方向の抵抗を減少させるベアリング手段が設けられている。押圧装置12を用いる図5に示す構成では、前記ベアリング手段として一般にボールスプライン6が設けられる。このボールスプライン6は、押圧装置12の作動に伴う各構成部材の弾性変形によってディスク2が入力軸1の軸線方向に変位することを許容するためのものであり、図7に示すように、入力側ディスク2の内周面に形成された第1のボールスプライン溝102と、入力軸1の外周面に形成された第2のボールスプライン溝101と、これらのボールスプライン溝101,102間に転動自在に介在された複数のボール96とから成る。また、ボールスプライン6において、入力側ディスク2の内周面の内側面2a寄り部分に形成された係止溝102aには、ボール96を抜け止めするための第1の係止環としての第1の止め輪120Aが係止されている。また、ボール96に対して係止溝102aと反対側の位置には、入力軸1の外周面に係止溝101aが形成されており、この係止溝101aにはボール96を抜け止めするための第2の係止環としての第2の止め輪120Bが係止されている。なお、これらの止め輪120A,120Bは、従来、その線径が互いに同一に設定されている。
特開2002−221264号公報
トロイダル型無段変速機では、入出力側ディスク2,3とパワーローラ11との接触点に発生する接線力(トラクション力)で動力を伝達するため、接触点に大きな接触面押し付け力を発生させる必要がある。このため、前述したような押圧装置12あるいは油圧装置等によって入力側ディスク2に推力を与えている。同一キャビティ内の入出力側ディスク2,3間に介在するパワーローラ11は、通常、2〜3個であるため、外周側でパワーローラ11とディスク2とが接触している場合は、前記推力によって入力側ディスク2が弾性変形する。これにより、ボールスプライン溝102がパワーローラ11と同位相にある場合、ボールスプライン溝102は、図8に示すように、キャビティ221の中心に近い側(出力側ディスク3と対向する側;図8の(b)の右側)がその反対側に対して相対的に大きくなったテーパ状に広がる。また、ボールスプライン溝102がパワーローラ11間の中間位相にある場合、ボールスプライン溝102の変形は、図9に示すように、内周面全体にわたって変形量が小さいため、キャビティ中心に近い側と反対側間でのテーパーは微小となり、ほぼ円筒形状となる。したがって、ボールスプライン溝102内に位置するボール96は、ディスク2の回転に伴い、キャビティ221の中心側(図8の(b)の右側)へと押し出される力を受け、止め輪120Aをキャビティ221側に向けて押圧する。この現象は、同一キャビティ内に2個のパワーローラ11がある場合には1回転当り2回生じ、同一キャビティ内に3個のパワーローラ11がある場合には1回転当り3回生じるため、止め輪120Aが経時的に疲労する。また、ボール96が止め輪120Aを押した際に、止め輪120Aがボールスプライン溝102から外れてしまう虞もある。
本発明は、前記事情に鑑みて為されたもので、入力軸と入力側ディスクとの間に設けられるボールスプラインにおけるボールの抜け止めを行なう止め輪の疲労に対する耐久性向上および脱落防止を図ることができるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載のトロイダル型無段変速機は、入力軸に結合され且つ該入力軸と一体で回転する入力側ディスクと、この入力側ディスクとの間に設けられたパワーローラを介して前記入力側ディスクの回転力を所定の変速比で受ける出力側ディスクと、前記入力軸と前記入力側ディスクとの間に設けられたベアリング手段とを備えて成るトロイダル型無段変速機において、前記ベアリング手段は、前記入力側ディスクの内周面に形成された第1のボールスプライン溝と、前記第1のスプライン溝と対向して前記入力軸の外周面に形成された第2のボールスプライン溝と、前記第1のボールスプライン溝と前記第2のボールスプライン溝との間に転動自在に介在されたボールと、前記第1および第2のボールスプライン溝からの前記ボールの抜けを防止するために前記ボールの両側に設けられた止め輪とから成り、前記止め輪は、前記ボールに対して前記出力側ディスクに近い前記ボールスプライン溝の一方側に設けられた第1の止め輪と、前記ボールに対して前記出力側ディスクから遠い前記ボールスプライン溝の他方側に設けられた第2の止め輪とから成り、前記第1の止め輪を形成する素線の外径は、前記第2の止め輪を形成する素線の外径よりも大きく設定されていることを特徴とする。
本発明のトロイダル型無段変速機においては、ディスクへの推力の付与に伴ってボールから押圧力を受ける第1の止め輪の線径を第2の止め輪の線径よりも大きく設定しているので、第2の止め輪よりも大きな力を受ける第1の止め輪の疲労に対する耐久性を高めることができる。また、ボールと第1の止め輪との接触点を通る水平線(入力軸と平行な線)と、ボールの中心と第1の止め輪の素線断面の中心とを結ぶ接触圧作用線との間の成す角度は、第1の止め輪の線径が大きければ大きいほど増大するので、ボールが第1の止め輪を押圧する際の押圧力、すなわち、第1の止め輪をボールスプライン溝(あるいは、第1の止め輪を係止するためにボールスプライン溝に設けられた係止溝)に対して押し付ける押し付け力の分力も第1の止め輪の線径の増大に伴って大きくなる。そのため、第1の止め輪の線径を従来よりも大きく設定することにより、第1の止め輪が従来よりもボールスプライン溝から外れ難くなる。さらに、第1の止め輪を係止するためにボールスプライン溝に係止溝を設ける場合には、第1の止め輪の線径を従来よりも大きく設定することにより、係止溝の溝底の径も大きくなるので、ボールが第1の止め輪を押圧することにより係止溝に生じる応力の集中を緩和することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明の特徴は、入力軸と入力側ディスクとの間に介挿されるベアリング手段の構造にあり、その他の構成および作用は前述した従来の構成および作用と同様であるため、以下においては、本発明の特徴部分についてのみ言及し、それ以外の部分については、図5〜図9と同一の符号を付して簡潔に説明するに留める。
図1は本発明の実施形態を示している。図1の(a)に示すように、入力軸1と入力側ディスク2との間には、軸方向の抵抗を減少させるベアリング手段が設けられている。具体的に、このベアリング手段は、押圧装置12の作動に伴う各構成部材の弾性変形によって入力側ディスク2が入力軸1の軸線方向に変位することを許容するためのものであり、入力側ディスク2の内周面に形成された第1のボールスプライン溝102と、入力軸1の外周面に形成された第2のボールスプライン溝101と、これらのボールスプライン溝101,102間に転動自在に介在された複数のボール96とから成るボールスプライン6によって構成されている。
また、ボールスプライン6において、入力側ディスク2の内周面の内側面2a寄り部分(ボール96に対して出力側ディスク3に近い第1のボールスプライン溝102の一方側)に形成された係止溝102aには、ボール96を抜け止めするための第1の係止環としての第1の止め輪200が係止されている。また、ボール96に対して係止溝102aと反対側の位置(ボール96に対して出力側ディスク3から遠いボールスプライン溝101の他方側)には、入力軸1の外周面に係止溝101aが形成されており、この係止溝101aにはボール96を抜け止めするための第2の係止環としての第2の止め輪202が係止されている。この場合、図1の(b)(c)にそれぞれ示すように、第1の止め輪200を形成する素線の外径R1は、第2の止め輪202を形成する素線の外径R2よりも大きく設定されている。なお、第1の止め輪200および第2の止め輪202はそれぞれ、入力側ディスク2に設けてもよいし、あるいは入力軸1に設けてもよい。
このように、ディスク2への推力の付与(押圧装置12による)に伴ってボール96から押圧力を受ける第1の止め輪200の線径R1を第2の止め輪202の線径R2よりも大きく設定すると、第2の止め輪202よりも大きな力を受ける第1の止め輪200の疲労に対する耐久性を向上させることができる。
また、図2に示すように、ボール96と第1の止め輪200との接触点P1を通る水平線(入力軸1と平行な線)L1と、ボール96の中心O3と第1の止め輪200の素線断面の中心O1とを結ぶ接触圧作用線M1との間の成す角度θ1は、第1の止め輪200の線径R1が大きければ大きいほど増大する。例えば、ボール96と本実施形態に係る第1の止め輪200との接触点P1を通る水平線L1と、ボール96の中心O3と第1の止め輪200の素線断面の中心O1とを結ぶ接触圧作用線M1との間の成す角度θ1は、ボール96と破線で示される従来の線径の止め輪120との接触点P2を通る水平線L2と、ボール96の中心O3と従来の止め輪120の素線断面の中心O2とを結ぶ接触圧作用線M2との間の成す角度θ2よりも大きくなる。したがって、ボール96が本実施形態に係る第1の止め輪200を押圧する際の押圧力、すなわち、第1の止め輪200を係止溝102aに対して押し付ける押し付け力Fの分力F1は、ボール96が従来の止め輪120を押圧する際の押圧力、すなわち、止め輪120を係止溝102aに対して押し付ける押し付け力F’の分力F2よりも大きくなる。そのため、第1の止め輪200の線径R1を従来よりも大きく設定することにより、具体的には、従来と同様の線径と略同様に設定された第2の止め輪202の線径R2よりも第1の止め輪200の線径R1を大きく設定することにより、第1の止め輪200が従来よりもボールスプライン溝102から外れ難くなる。
また、一般に、入力側ディスク2は、ローディングに伴い、図3の下半分に示すように、弾性変形分だけキャビティ221の中心側へ(矢印方向へ)前進する。そのため、入力軸1側のボールスプライン溝101の外径有効長さの余裕代を極力短くした場合には、ディスク2の前進量が多いと、入力軸1のバックアップが無い状態となって、ディスク2の内周に装着された止め輪が外れる虞がある。しかし、本実施形態の第1の止め輪200は、前述した理由により、このような事態を回避できる。
また、図4に示すような減速時には、入力側ディスク2とパワーローラ11との接触位置Sがディスク2の小端面側にくる。特に、最減速・最大トルク時には、接触面押圧力fが最大となるため、ディスク2内周部には大きな応力が発生し、第1の止め輪200を係止する係止溝102aにも大きな応力が発生する。しかしながら、本実施形態のように第1の止め輪200の線径R1を従来よりも大きく設定する(第2の止め輪202の線径R2よりも大きく設定する)と、係止溝102aの溝底の径も大きくなるため、係止溝102aに生じる応力の集中を緩和することができる。
本発明は、シングルキャビティ型やダブルキャビティ型などの様々なハーフトロイダル型無段変速機の他、トラニオンが無いフルトロイダル型無段変速機にも適用することができる。
(a)は本発明の実施形態に係るトロイダル型無段変速機の要部断面図、(b)は第2の止め輪の平面図、(c)は第1の止め輪の平面図である。 第1の止め輪をボールスプライン溝に対して押し付ける押し付け力の分力が第1の止め輪の線径の増大に伴って大きくなることを示すための説明図である。 ローディングに伴って入力側ディスクが弾性変形分だけキャビティの中心側へと前進する様子を示す断面図である。 減速時におけるディスクとパワーローラとの接触位置および接触面押圧力fを示す断面図である。 従来から知られているトロイダル型無段変速機の具体的構造の一例を示す断面図である。 図5のA−A線に沿う断面図である。 入力側ディスクと入力軸との間に介在された従来のボールスプラインを示す断面図である。 ボールスプライン溝がパワーローラと同位相にある場合におけるボールスプライン溝の変形状態を示すもので、(a)は入力側ディスクの正面図、(b)は入力側ディスクの断面図である。 ボールスプライン溝がパワーローラ間の中間位相にある場合におけるボールスプライン溝の状態を示すもので、(a)は入力側ディスクの正面図、(b)は入力側ディスクの断面図である。
符号の説明
1 入力軸
2 入力側ディスク
3 出力側ディスク
6 ボールスプライン(ベアリング手段)
11 パワーローラ
98 ボール
101 第2のボールスプライン溝
102 第1のボールスプライン溝
200 第1の止め輪
202 第2の止め輪

Claims (1)

  1. 入力軸に結合され且つ該入力軸と一体で回転する入力側ディスクと、この入力側ディスクとの間に設けられたパワーローラを介して前記入力側ディスクの回転力を所定の変速比で受ける出力側ディスクと、前記入力軸と前記入力側ディスクとの間に設けられたベアリング手段とを備えて成るトロイダル型無段変速機において、
    前記ベアリング手段は、前記入力側ディスクの内周面に形成された第1のボールスプライン溝と、前記第1のスプライン溝と対向して前記入力軸の外周面に形成された第2のボールスプライン溝と、前記第1のボールスプライン溝と前記第2のボールスプライン溝との間に転動自在に介在されたボールと、前記第1および第2のボールスプライン溝からの前記ボールの抜けを防止するために前記ボールの両側に設けられた止め輪とから成り、
    前記止め輪は、前記ボールに対して前記出力側ディスクに近い前記ボールスプライン溝の一方側に設けられた第1の止め輪と、前記ボールに対して前記出力側ディスクから遠い前記ボールスプライン溝の他方側に設けられた第2の止め輪とから成り、前記第1の止め輪を形成する素線の外径は、前記第2の止め輪を形成する素線の外径よりも大きく設定されていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015031355A (ja) * 2013-08-05 2015-02-16 本田技研工業株式会社 動力伝達機構

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