JP5088691B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車や各種産業機械の変速機などに利用可能なトロイダル型無段変速機に関する。
例えば自動車用変速機として用いるダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機は、図5および図6に示すように構成されている。図5に示すように、ケーシング50の内側には入力軸1が回転自在に支持されており、この入力軸1の外周には、2つの入力側ディスク2,2と2つの出力側ディスク3,3とが取り付けられている。また、入力軸1の中間部の外周には出力歯車4が回転自在に支持されている。この出力歯車4の中心部に設けられた円筒状のフランジ部4a,4aには、出力側ディスク3,3がスプライン結合によって連結されている。
入力軸1は、図中左側に位置する入力側ディスク2とカム板(ローディングカム)7との間に設けられたローディングカム式の押圧装置12を介して、駆動軸22により回転駆動されるようになっている。また、出力歯車4は、2つの部材の結合によって構成された仕切壁(中間壁)13に対しアンギュラ玉軸受107を介して支持されるとともに、この仕切壁13を介してケーシング50内に支持されており、これにより、入力軸1の軸線Oを中心に回転できる一方で、軸線O方向の変位が阻止されている。
出力側ディスク3,3は、入力軸1との間に介在されたニードル軸受5,5によって、入力軸1の軸線Oを中心に回転自在に支持されている。また、図中左側の入力側ディスク2は、入力軸1にボールスプライン6を介して支持され、図中右側の入力側ディスク2は、入力軸1にスプライン結合されており、これら入力側ディスク2は入力軸1と共に回転するようになっている。また、入力側ディスク2,2の内側面(凹面;トラクション面とも言う)2a,2aと出力ディスク3,3の内側面(凹面;トラクション面とも言う)3a,3aとの間には、パワーローラ11(図6参照)が回転自在に挟持されている。
図5中右側に位置する入力側ディスク2の内周面2cには、段差部2bが設けられ、この段差部2bに、入力軸1の外周面1aに設けられた段差部1bが突き当てられるとともに、入力側ディスク2の背面(図5の右面)は、入力軸1の外周面に形成されたネジ部に螺合されたローディングナット9に突き当てられている。これによって、入力側ディスク2の入力軸1に対する軸線O方向の変位が実質的に阻止されている。また、カム板7と入力軸1の鍔部1dとの間には、皿ばね8が設けられており、この皿ばね8は、各ディスク2,2,3,3の凹面2a,2a,3a,3aとパワーローラ11,11の周面11a,11aとの当接部に押圧力を付与する。
図5のA−A線に沿う断面図である図6に示すように、ケーシング50の内側であって、出力側ディスク3,3の側方位置には、両ディスク3,3を両側から挟む状態で一対のヨーク23A,23Bが支持されている。これら一対のヨーク23A,23Bは、鋼等の金属のプレス加工あるいは鍛造加工により矩形状に形成されている。そして、後述するトラニオン15の両端部に設けられた枢軸14を揺動自在に支持するため、ヨーク23A,23Bの四隅には、円形の支持孔18が設けられるとともに、ヨーク23A,23Bの幅方向の中央部には、円形の係止孔19が設けられている。
一対のヨーク23A,23Bは、ケーシング50の内面の互いに対向する部分に形成された支持ポスト64,68により、支持ポスト64,68を支点として揺動できるように支持されている。これらの支持ポスト64,68はそれぞれ、入力側ディスク2の内側面2aと出力側ディスク3の内側面3aとの間にある第1キャビティ221および第2キャビティ222にそれぞれ対向する状態で設けられている。
したがって、ヨーク23A,23Bは、各支持ポスト64,68に支持された状態で、その一端部が第1キャビティ221の外周部分に対向するとともに、その他端部が第2キャビティ222の外周部分に対向している。
第1および第2のキャビティ221,222は同一構造であるため、以下、第1キャビティ221のみについて説明する。
図6に示すように、ケーシング50の内側において、第1キャビティ221には、入力軸1に対し捻れの位置にある一対の枢軸(傾転軸)14,14を中心として揺動する一対のトラニオン15,15が設けられている。なお、図6においては、入力軸1の図示は省略している。各トラニオン15,15は、その本体部である支持板部16の長手方向(図6の上下方向)の両端部に、この支持板部16の内側面側に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部20,20を有している。そして、この折れ曲がり壁部20,20によって、各トラニオン15,15は、パワーローラ11を収容するための凹状の収容空間であるポケット部Pを形成している。また、各折れ曲がり壁部20,20の外側面には、各枢軸14,14が互いに同心的に設けられている。
支持板部16の中央部には円孔21が形成され、この円孔21には支軸としての変位軸23の基端部(第1の軸部)23aが支持されている。そして、各枢軸14,14を中心として各トラニオン15,15を揺動させることにより、これら各トラニオン15,15の中央部に支持された変位軸23の傾斜角度を調節できるようになっている。また、各トラニオン15,15の内側面から突出する変位軸23の先端部(第2の軸部)23bの周囲には、各パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の間に挟持されている。なお、各変位軸23,23の基端部23aと先端部23bとは、互いに偏心している。なお、パワーローラ11,11の中心部には、変位軸23の先端部23bが貫通する貫通孔11bが設けられている。そして、パワーローラ11,11の貫通孔11bの内周面と変位軸23の先端部23bの外周面との部分には、パワーローラ11,11を先端部23bに対して回転自在とするラジアルニードル軸受202が設けられている。
また、前述したように、各トラニオン15,15の枢軸14,14はそれぞれ、一対のヨーク23A,23Bに対して揺動自在および軸方向(図6の上下方向)に変位自在に支持されており、各ヨーク23A,23Bにより、トラニオン15,15はその水平方向の移動を規制されている。前述したように、各ヨーク23A,23Bの四隅には円形の支持孔18が4つ設けられており、これら支持孔18にはそれぞれ、トラニオン15の両端部に設けた枢軸14がラジアルニードル軸受(傾転軸受)30を介して揺動自在(傾転自在)に支持されている。また、前述したように、ヨーク23A,23Bの幅方向(図5の左右方向)の中央部には、円形の係止孔19が設けられており、この係止孔19の内周面は円筒面として、支持ポスト64,68を内嵌している。すなわち、上側のヨーク23Aは、ケーシング50に固定部材52を介して支持されている球面ポスト64によって揺動自在に支持されており、下側のヨーク23Bは、球面ポスト68およびこれを支持する駆動シリンダ31の上側シリンダボディ61によって揺動自在に支持されている。
なお、各トラニオン15,15に設けられた各変位軸23,23は、入力軸1に対し、互いに180度反対側の位置に設けられている。また、これらの各変位軸23,23の先端部23bが基端部23aに対して偏心している方向は、両ディスク2,2,3,3の回転方向に対して同方向(図6で上下逆方向)となっている。また、偏心方向は、入力軸1の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、各パワーローラ11,11は、入力軸1の長手方向に若干変位できるように支持される。その結果、押圧装置12が発生するスラスト荷重に基づく各構成部材の弾性変形等に起因して、各パワーローラ11,11が入力軸1の軸方向に変位する傾向となった場合でも、各構成部材に無理な力が加わらず、この変位が吸収される。
また、パワーローラ11の外側面とトラニオン15の支持板部16の内側面との間には、パワーローラ11の外側面の側から順に、スラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受24と、スラストニードル軸受25とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受24は、各パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11の回転を許容するものである。このようなスラスト玉軸受24はそれぞれ、複数個ずつの玉(転動体)26,26と、これら各玉26,26を転動自在に保持する円環状の保持器27と、円環状の外輪28とから構成されている。また、各スラスト玉軸受24の内輪軌道は各パワーローラ11の外側面(大端面)に、外輪軌道は各外輪28の内側面にそれぞれ形成されている。
また、スラストニードル軸受25は、トラニオン15の支持板部16の内側面と外輪28の外側面との間に挟持されている。このようなスラストニードル軸受25は、パワーローラ11から各外輪28に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これらパワーローラ11および外輪28が各変位軸23の基端部23aを中心として揺動することを許容する。
さらに、各トラニオン15,15の一端部(図6の下端部)にはそれぞれ駆動ロッド(枢軸14から延びる軸部)29,29が設けられており、各駆動ロッド29,29の中間部外周面に駆動ピストン(油圧ピストン)33,33が固設されている。そして、これら各駆動ピストン33,33はそれぞれ、上側シリンダボディ61と下側シリンダボディ62とによって構成された駆動シリンダ31内に油密に嵌装されている。これら各駆動ピストン33,33と駆動シリンダ31とで、各トラニオン15,15を、これらトラニオン15,15の枢軸14,14の軸方向に変位させる駆動装置32を構成している。
このように構成されたトロイダル型無段変速機の場合、駆動軸22の回転は、押圧装置12を介して、各入力側ディスク2,2および入力軸1に伝えられる。そして、これら入力側ディスク2,2の回転が、一対のパワーローラ11,11を介して各出力側ディスク3,3に伝えられ、更にこれら各出力側ディスク3,3の回転が、出力歯車4より取り出される。
入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比を変える場合には、一対の駆動ピストン33,33を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン33,33の変位に伴って、一対のトラニオン15,15が互いに逆方向に変位(オフセット)する。例えば、図6の左側のパワーローラ11が同図の下側に、同図の右側のパワーローラ11が同図の上側にそれぞれ変位する。その結果、これら各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の内側面2a,2a,3a,3aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン15,15が、ヨーク23A,23Bに枢支された枢軸14,14を中心として、互いに逆方向に揺動(傾転)する。
その結果、各パワーローラ11,11の周面(トラクション面)11a,11aと各内側面2a,3aとの当接位置が変化し、入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比が変化する。また、これら入力軸1と出力歯車4との間で伝達するトルクが変動し、各構成部材の弾性変形量が変化すると、各パワーローラ11,11およびこれら各パワーローラ11,11に付属の外輪28,28が、各変位軸23,23の基端部23a、23aを中心として僅かに回動する。これら各外輪28,28の外側面と各トラニオン15,15を構成する支持板部16の内側面との間には、それぞれスラストニードル軸受25,25が存在するため、前記回動は円滑に行われる。したがって、前述のように各変位軸23,23の傾斜角度を変化させるための力が小さくて済む。
ところで、上述のようなトロイダル型無段変速機では、たとえば、パワーローラ11と入出力側ディスク2,3とのトラクション部分等で、高い表面硬度が要求され、各種熱処理により硬度を高めている。
そして、熱処理の一つとして、高周波熱処理(高周波焼入れ)も行われている(たとえば、特許文献1参照)。
パワーローラ11においては、図7に仮想線で示す部分、たとえば、上記トラクション部となる周面11aと、トラニオン15の支持板部16側を向く基端側端面(大端面)11cのスラスト玉軸受24の玉26,26の内輪側軌道となる部分と、前記貫通孔11bの内周面のラジアルニードル軸受202のニードルの外輪側軌道となる部分と、前記貫通孔11bの内周面と基端側端面11cとの角部とにおいて硬さを必要としている。
これらのパワーローラ11の硬さを必要とする部分に高周波焼入れを施すことを考えた場合に、一つの高周波コイルでパワーローラ11の上述の部分全体を一度に高周波焼入れすることは困難である。たとえば、パワーローラ11の多くの部分の外周が高周波コイルに囲まれた状態となってしまい、高周波コイルに対して、パワーローラ11を出し入れ可能とするように配置することができない。
そこで、高周波コイルをたとえば図8に示すように、パワーローラ11の周面11a用の第1コイル210と、パワーローラ11の基端側端面11cおよび貫通孔11bの内周面用の第2コイル220とに分けることが考えられる。
このように、高周波コイルを二つに分けることで、パワーローラ11の高周波焼入れが必要な部分の全てに焼き入れを施すことが可能となる。
ここで、たとえば、最初に第2コイル220を用いてパワーローラ11の基端側端面11cおよび貫通孔11bの内周面を高周波焼き入れし、ついで、第1コイル210を用いてパワーローラ11の周面11aを高周波焼き入れすること、すなわち、焼き入れを2段階に分けて行うことも可能となる。
しかし、パワーローラ11の比較的近接する部分を別々に焼き入れした場合に、互いに干渉し、たとえば、先に焼き入れした部分が次の焼き入れで焼き戻されてしまったり、焼き入れ部分の重ね合わせにより割れが発生したりしてしまう。
したがって、二つの高周波コイル(第1コイル210および第2コイル220)を用いて焼き入れを行う場合に、二つの高周波コイルで同時にパワーローラ11に高周波焼き入れを施すことが好ましい。
特開2005−140184号公報
しかしながら、二つの高周波コイルで同時にパワーローラ11に高周波焼き入れを施した場合に、第1コイル210と、第2コイル220とのそれぞれからの磁力の差で、パワーローラ11がどちらかのコイルに引っ張られる状態となる。ここで、高周波焼き入れされるパワーローラ11が強固に固定されていないと、パワーローラ11がどちらかのコイルに接触してしまうような事態も発生する可能性がある。
ここで、第1コイル210および第2コイル220の両方に覆われていない部分は、中立時のパワーローラ11の入出力側ディスク2,3の中心軸(入力軸1)側を向く先端面11d(先端側端面:小端面)だけであり、高周波焼入れ時にパワーローラ11をチャック(着脱自在に掴んで保持)するには、この先端面11d部分を保持する必要がある。
この場合に、パワーローラの貫通孔11bに先端側からチャック部材を挿入し、このチャック部材を貫通孔11bの内周面を押し広げるように押圧してパワーローラ11をチャックすることが考えられるが、チャック部材が貫通孔11b内に配置される高周波用の第2コイル220に接触してしまう可能性がある。
また、パワーローラ11によっては、ラジアルニードル軸受202が配置される部分が貫通孔11bのように貫通していないものも知られており、このようなパワーローラ11においては、その先端側が閉塞して孔の無い状態となっているので、孔を使ってパワーローラ11をチャックすることが難しい。
すなわち、パワーローラ11を保持することが難しいことから、上述のような方法で、二つ以上の高周波コイルを用いてパワーローラ11に一度に高周波焼き入れを施すことが困難であった。
本発明は、前記事情に鑑みて為されたもので、パワーローラの高い表面硬度を必要とする部分に高周波焼き入れを施す際に、高周波焼き入れを必要とされる部分に複数の高周波コイルを用いて同時に高周波焼き入れを施すものとし、複数の高周波コイルの磁力の違いにより、移動するように力のかかるパワーローラを容易に固定することができるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載のトロイダル型無段変速機は、互いの内側面同士を対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、これらの両ディスク間に挟持される複数のパワーローラと、当該パワーローラを回転自在に支持する軸受とを備え、前記パワーローラを前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの中心軸に対して捻れの位置にあり且つ互いに同心的に設けられた一対の枢軸を中心に傾転可能とするトロイダル型無段変速機において、
前記パワーローラは、当該パワーローラの前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの中心軸側を向く先端面に、当該パワーローラに高周波焼入れを施す際に、当該パワーローラを保持する保持手段に係合して着脱自在に固定される凹部および凸部のうちの少なくとも一方からなる被保持部が設けられているとともに、
前記パワーローラの周面、基端側端面および中心部の貫通孔の内周面に、複数の高周波コイルによる高周波焼き入れが同時に施されることを特徴とする。
本発明によれば、パワーローラの先端面に設けられた凹部および凸部のうちの少なくとも一方からなる被保持部をチャック等の保持手段で保持することにより、パワーローラは、保持手段により着脱自在に強固に固定されることが可能となり、上述のように二つの高周波コイルを用いて一度に高周波焼き入れを行う際に、パワーローラが一方の高周波コイルに吸い寄せられて接触してしまうようなことがなく、容易に複数の高周波コイルを用いて、パワーローラの複数箇所を同時に高周波焼き入れすることが可能となる。
これにより、複数箇所を焼入れするものとしても、互いの焼き入れが干渉することなどによる不具合の発生を防止することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明の特徴は、パワーローラの先端面のチャックに保持される被保持部の構造にあり、その他の構成および作用は前述した従来の構成および作用と同様であるため、以下においては、本発明の特徴部分についてのみ言及し、それ以外の部分については、図5および図6と同一の符号を付して簡潔に説明するに留める。
図1および図2は本発明の第1の実施形態を示している。図1に示すように、パワーローラの先端面には、その中心部に設けられた貫通孔11bの開口部の周囲に筒状の被保持部となる凸部230が設けられている。
この凸部230は、たとえば、軸方向の長さが短い円筒状に形成され、保持手段としてのチャック240により、着脱自在かつ強固に捕まれて固定することが可能なものとなっている。また、凸部230の外周面は、パワーローラ11の回転中心軸方向に沿った面となっている。
また、筒状となった凸部230の内側の孔部分は、貫通孔11bに連通し、貫通孔11bと同径で同軸上に形成された状態となっている。したがって、凸部230の外径は、貫通孔11bより大きなものとなっている。また、筒状の凸部230の厚みは、チャック240に挟むように掴まれても変形しないように設定されている。
なお、チャック240は、たとえば、円弧状の二つの部材により凸部230を挟むように掴むことが可能となっている。
そして、被保持部としての円筒状の凸部230をチャック240に掴んだ状態に固定するとともに、第1コイル210および第2コイル220により、パワーローラ11の周面11a、基端側端面11cおよび貫通孔11bの内周面のそれぞれ高い硬度が必要な部分に同時に高周波焼き入れを施すことができる。
この際に、複数の高周波コイル、すなわち、第1コイル210および第2コイル220により同時に高周波焼き入れを行う際に、これら第1コイル210および第2コイル220で発生する磁力の差により一方のコイルにパワーローラ11が吸い寄せられるような状況となっても、パワーローラ11がチャック240により強固に保持されているので、焼き入れ中のパワーローラ11が動いて第1コイル210もしくは第2コイル220に接触してしまうような事態を防止することができる。
すなわち、パワーローラ11を比較的低コストで硬度を高められる高周波焼き入れを用いて、パワーローラの複数箇所の硬度を高めるものとしても、一度に高周波焼き入れが可能となり、複数回の高周波焼き入れによる問題が発生することがなく、低コストに硬度の向上を図ることができる。
なお、凸部230の形状は、円筒状に限られるものではなく、多角形の筒状であってもよい。この場合にチャック240も凸部230の形状に対応して、多角形の外周面に対応する形状を有するものとする必要がある。
また、凸部230は、完全な筒状でなくてもよく、切れ目等が形成されることにより、周方向に環状に連続せずに、複数に分断された状態となっていてもよい。
図3は、本発明の第2実施形態のトロイダル型無段変速機のパワーローラ11を示すものであり、この例においては、パワーローラ11の先端面11dに、被保持部として円環状の溝部250が形成されている。
なお、第2の実施形態のパワーローラ11は、その被保持部の形状が異なる以外は、第1の実施形態のパワーローラ11と同様の構成を有するものである。
そして、溝部250は、パワーローラ11の先端面11dにおいて、貫通孔11bの開口部の外周に沿って当該開口部を囲む状態に形成されている。そして、溝部250の内側の内周面および外側の内周面は、パワーローラ11の回転中心軸方向に沿った面となっている。
また、溝部250の内側の内周面と貫通孔11bの内周面との間となる部分は、筒状となっており、第1実施形態の凸部230とほぼ同様の形状となっている。したがって、第2の実施形態においても、溝部250内にチャックの先端部を挿入し、当該溝部250の内側の内周面を挟んだ状態に掴むことが可能となっている。
これにより、第2の実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
なお、被保持部としての溝部250内に先端部が挿入されたチャックを外側に開いて、溝部250の外側となる内周面に押し付けることによっても、チャックによってパワーローラ11を保持することが可能となる。したがって、チャックは、溝部250の内側の内周面を挟んで保持するものに限られるものではなく、押し広げられることにより、溝部250の外側の内周面を押圧して保持するものであってもよい。
また、溝部250は、円環状に限られるものではなく、多角形の環状であってもよい。
また、溝部250は、環状に連続するものに限られず、複数の凹部が互いに間隔をあけて環状に並んだ状態となっていてもよい。
図4は、本発明の第3の実施形態のトロイダル型無段変速機のパワーローラ11を示すものであり、この例においては、パワーローラ11の先端面11dに、被保持部として円柱状(円板状)の凹部260が形成されている。
なお、第3実施形態のパワーローラ11は、その被保持部の形状が異なる以外は、第1実施形態のパワーローラ11と同様の構成を有するものである。
そして、凹部260は、パワーローラ11の先端面11dにおいて、その中央部を凹ませた状態に形成されている。そして、凹部260の内周面は、パワーローラ11の回転中心軸方向に沿った面となっている。
そして、凹部260にチャックの先端部を挿入して押し広げた状態とすることで、凹部260を介してパワーローラ11を着脱自在に掴んだ状態に保持することが可能となっている。
これにより、第3の実施形態においても、第1の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
なお、凹部260の形状は円板状に限られるものではなく、多角形板状であってもよい。
また、上述の各例では、被保持部が凹部もしくは凸部だけから形成され、凹部と凸部とが組み合わされた形状となっていないが、たとえば、第1の実施形態の円環状の凸部230の周囲に第2の実施形態の円環状の凹部250を形成してこれらの組み合わせを被保持部としてもよい。
この場合に、凸部230を大きく突出させたり、凹部250を大きく凹ませたりすることなく、被保持部となる部分のパワーローラ11の回転中心軸方向に沿った長さを長く確保し、チャックにより掴みやすく、かつ安定して掴める構造とすることができる。
本発明は、シングルキャビティ型やダブルキャビティ型などの様々なトロイダル型無段変速機に適用することができる。
本発明の第1の実施形態に係るトロイダル型無段変速機のパワーローラを示す断面図である。 チャックに保持されて高周波焼き入れされる際の前記パワーローラを説明するための図面である。 本発明の第2の実施形態に係るトロイダル型無段変速機のパワーローラを示す断面図である。 本発明の第3の実施形態に係るトロイダル型無段変速機のパワーローラを示す断面図である。 従来のトロイダル型無段変速機における要部断面図である。 図5のA−A線に沿う断面図である。 パワーローラの高周波焼き入れされる部分を説明するための図面である。 パワーローラの高周波焼き入れを説明するための図面である。
符号の説明
2 入力側ディスク
3 出力側ディスク
11 パワーローラ
230 凸部(被保持部)
240 チャック(保持手段)
250 溝部(被保持部)
260 凹部(被保持部)

Claims (1)

  1. 互いの内側面同士を対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、これらの両ディスク間に挟持される複数のパワーローラと、当該パワーローラを回転自在に支持する軸受とを備え、前記パワーローラを前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの中心軸に対して捻れの位置にあり且つ互いに同心的に設けられた一対の枢軸を中心に傾転可能とするトロイダル型無段変速機において、
    前記パワーローラは、当該パワーローラの前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの中心軸側を向く先端面に、当該パワーローラに高周波焼入れを施す際に、当該パワーローラを保持する保持手段に係合して着脱自在に固定される凹部および凸部のうちの少なくとも一方からなる被保持部が設けられているとともに、
    前記パワーローラの周面、基端側端面および中心部の貫通孔の内周面に、複数の高周波コイルによる高周波焼き入れが同時に施されることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
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