JP2015224665A - トロイダル型無段変速機のディスク熱処理方法 - Google Patents

トロイダル型無段変速機のディスク熱処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】トロイダル型無段変速機のディスクに形成された浸炭硬化層を除去する手間を省いて、熱処理に起因する割れが発生するのを抑制できるとともに、必要な部分に所定の深さの硬化層を形成できるトロイダル型無段変速機のディスク熱処理方法を提供する。【解決手段】出力側ディスク3Aの全体に、ギヤ部3bの熱処理条件に合わせた浸炭処理または浸炭窒化処理を施した後、当該処理によって形成された浸炭硬化層40を除去することなく、トラクション面3aにのみ追加焼入れ処理を施すので、浸炭硬化層40を除去する手間を省いて、熱処理に起因する割れが発生するのを抑制できるとともに、トラクション面3aに所定の深さの硬化層を形成できる。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車や各種産業機械の変速機などに利用可能なトロイダル型無段変速機のディスク熱処理方法に関する。
例えば自動車用変速機として用いるダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機は、図3および図4に示すように構成されている。図3に示すように、ケーシング50の内側には入力軸1が回転自在に支持されており、この入力軸1の外周には、2つの入力側ディスク2,2と2つの出力側ディスク3,3とが取り付けられている。また、入力軸1の中間部の外周には出力歯車4が回転自在に支持されている。この出力歯車4の中心部に設けられた円筒状のフランジ部4a,4aには、出力側ディスク3,3がスプライン結合によって連結されている。
入力軸1は、図中左側に位置する入力側ディスク2とカム板(ローディングカム)7との間に設けられたローディングカム式の押圧装置12を介して、駆動軸22により回転駆動されるようになっている。また、出力歯車4は、2つの部材の結合によって構成された仕切壁13を介してケーシング50内に支持されており、これにより、入力軸1の軸線Oを中心に回転できる一方で、軸線O方向の変位が阻止されている。
出力側ディスク3,3は、入力軸1との間に介在されたニードル軸受5,5によって、入力軸1の軸線Oを中心に回転自在に支持されている。また、図中左側の入力側ディスク2は、入力軸1にボールスプライン6を介して支持され、図中右側の入力側ディスク2は、入力軸1にスプライン結合されており、これら入力側ディスク2は入力軸1と共に回転するようになっている。また、入力側ディスク2,2の内側面(凹面;トラクション面とも言う)2a,2aと出力ディスク3,3の内側面(凹面;トラクション面とも言う)3a,3aとの間には、パワーローラ11(図4参照)が回転自在に挟持されている。
図3中右側に位置する入力側ディスク2の内周面2cには、段差部2bが設けられ、この段差部2bに、入力軸1の外周面1aに設けられた段差部1bが突き当てられるとともに、入力側ディスク2の背面(図3の右面)は、入力軸1の外周面に形成されたネジ部に螺合されたローディングナット9に突き当てられている。これによって、入力側ディスク2の入力軸1に対する軸線O方向の変位が実質的に阻止されている。また、カム板7と入力軸1の鍔部1dとの間には、皿ばね8が設けられており、この皿ばね8は、各ディスク2,2,3,3の凹面2a,2a,3a,3aとパワーローラ11,11の周面11a,11aとの当接部に押圧力(予圧)を付与する。
図4は、図3のA−A線に沿う断面図である。図4に示すように、ケーシング50の内側には、入力軸1に対し捻れの位置にある一対の枢軸14,14を中心として揺動する一対のトラニオン15,15が設けられている。なお、図4においては、入力軸1の図示は省略している。各トラニオン15,15は、支持板部16の長手方向(図4の上下方向)の両端部に、この支持板部16の内側面側に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部20,20を有している。そして、この折れ曲がり壁部20,20によって、各トラニオン15,15には、パワーローラ11を収容するための凹状のポケット部Pが形成される。また、各折れ曲がり壁部20,20の外側面には、各枢軸14,14が互いに同心的に設けられている。
支持板部16の中央部には円孔21が形成され、この円孔21には変位軸23の基端部(第1の軸部)23aが支持されている。そして、各枢軸14,14を中心として各トラニオン15,15を揺動させることにより、これら各トラニオン15,15の中央部に支持された変位軸23の傾斜角度を調節できるようになっている。また、各トラニオン15,15の内側面から突出する変位軸23の先端部(第2の軸部)23bの周囲には、各パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の間に挟持されている。なお、各変位軸23,23の基端部23aと先端部23bとは、互いに偏心している。
また、各トラニオン15,15の枢軸14,14はそれぞれ、一対のヨーク23A,23Bに対して揺動自在および軸方向(図4の上下方向)に変位自在に支持されており、各ヨーク23A,23Bにより、トラニオン15,15はその水平方向の移動を規制されている。各ヨーク23A,23Bは鋼等の金属のプレス加工あるいは鍛造加工により矩形状に形成されている。各ヨーク23A,23Bの四隅には円形の支持孔18が4つ設けられており、これら支持孔18にはそれぞれ、トラニオン15の両端部に設けた枢軸14がラジアルニードル軸受30を介して揺動自在に支持されている。また、ヨーク23A,23Bの幅方向(図3の左右方向)の中央部には、円形の係止孔19が設けられており、この係止孔19の内周面は円筒面として、球面ポスト64,68を内嵌している。すなわち、上側のヨーク23Aは、ケーシング50に固定部材52を介して支持されている球面ポスト64によって揺動自在に支持されており、下側のヨーク23Bは、球面ポスト68およびこれを支持する駆動シリンダ31の上側シリンダボディ61によって揺動自在に支持されている。
なお、各トラニオン15,15に設けられた各変位軸23,23は、入力軸1に対し、互いに180度反対側の位置に設けられている。また、これらの各変位軸23,23の先端部23bが基端部23aに対して偏心している方向は、両ディスク2,2,3,3の回転方向に対して同方向(図4で上下逆方向)となっている。また、偏心方向は、入力軸1の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、各パワーローラ11,11は、入力軸1の長手方向に若干変位できるように支持される。その結果、押圧装置12が発生するスラスト荷重に基づく各構成部材の弾性変形等に起因して、各パワーローラ11,11が入力軸1の軸方向に変位する傾向となった場合でも、各構成部材に無理な力が加わらず、この変位が吸収される。
また、パワーローラ11の外側面とトラニオン15の支持板部16の内側面との間には、パワーローラ11の外側面の側から順に、スラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受(スラスト軸受)24と、スラストニードル軸受25とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受24は、各パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11の回転を許容するものである。このようなスラスト玉軸受24はそれぞれ、複数個ずつの玉(以下、転動体という)26,26と、これら各転動体26,26を転動自在に保持する円環状の保持器27と、円環状の外輪28とから構成されている。また、各スラスト玉軸受24の内輪軌道は各パワーローラ11の外側面(大端面)に、外輪軌道は各外輪28の内側面にそれぞれ形成されている。
また、スラストニードル軸受25は、トラニオン15の支持板部16の内側面と外輪28の外側面との間に挟持されている。このようなスラストニードル軸受25は、パワーローラ11から各外輪28に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これらパワーローラ11および外輪28が各変位軸23の基端部23aを中心として揺動することを許容する。
さらに、各トラニオン15,15の一端部(図4の下端部)にはそれぞれ駆動ロッド(トラニオン軸)29,29が設けられており、各駆動ロッド29,29の中間部外周面に駆動ピストン(油圧ピストン)33,33が固設されている。そして、これら各駆動ピストン33,33はそれぞれ、上側シリンダボディ61と下側シリンダボディ62とによって構成された駆動シリンダ31内に油密に嵌装されている。これら各駆動ピストン33,33と駆動シリンダ31とで、各トラニオン15,15を、これらトラニオン15,15の枢軸14,14の軸方向に変位させる駆動装置32を構成している。
このように構成されたトロイダル型無段変速機の場合、入力軸1の回転は、押圧装置12を介して、各入力側ディスク2,2に伝えられる。そして、これら入力側ディスク2,2の回転が、一対のパワーローラ11,11を介して各出力側ディスク3,3に伝えられ、更にこれら各出力側ディスク3,3の回転が、出力歯車4より取り出される。
入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比を変える場合には、一対の駆動ピストン33,33を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン33,33の変位に伴って、一対のトラニオン15,15が互いに逆方向に変位する。例えば、図4の左側のパワーローラ11が同図の下側に、同図の右側のパワーローラ11が同図の上側にそれぞれ変位する。
その結果、これら各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の内側面2a,2a,3a,3aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン15,15が、ヨーク23A,23Bに枢支された枢軸14,14を中心として、互いに逆方向に揺動(傾転)する。
その結果、各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各内側面2a,3aとの当接位置が変化し、入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比が変化する。また、これら入力軸1と出力歯車4との間で伝達するトルクが変動し、各構成部材の弾性変形量が変化すると、各パワーローラ11,11およびこれら各パワーローラ11,11に付属の外輪28,28が、各変位軸23,23の基端部23a、23aを中心として僅かに回動する。これら各外輪28,28の外側面と各トラニオン15,15を構成する支持板部16の内側面との間には、それぞれスラストニードル軸受25,25が存在するため、前記回動は円滑に行われる。したがって、前述のように各変位軸23,23の傾斜角度を変化させるための力が小さくて済む。
ところで、前述したようなトロイダル型無段変速機の部品点数の低減化および小型化を図るべく、特許文献1には、一対の出力側ディスク3,3と出力歯車4とを一体とする中間ディスクの構造が記載されている。すなわち、図5に示すように、一体型の出力側ディスク(中間ディスク)3Aの外周にギヤ部3bを形成して成る構造を開示している。
なお、図5において、図3に示すトロイダル型無段変速機と主な共通部材については同一符号を付してその説明を省略する。
一方、出力側ディスク等のディスクのトラクション面には、高い繰り返し曲げ応力・引っ張り応力がかかることから、ある一定の深い浸炭層等の硬化層が必要である。一般的にトラクション面はギヤ部よりも浸炭層(硬化層)を深くする必要があり、さらに、トラクション面が形成されている部分とギヤ部が形成されている部分とでは厚さが異なるため、ディスクの全体にトラクション面に合わせた浸炭処理を行うと、ギヤ部には必要以上の深さの浸炭層(硬化層)ができるという問題があった。
そこで、特許文献1に記載のトロイダル型無段変速機では、ディスク(出力側ディスク)の素材全体にトラクション面に合わせた浸炭処理または浸炭窒化処理を施し、その後、当該処理が施された素材のギヤ部となる部分の浸炭硬化層を除去したうえでギヤ部を形成し、このギヤ部の形成後にギヤ部にのみ高周波焼入れを施すことで、トラクション面とギヤ部とにそれぞれ最適な浸炭硬化層の深さを付与している。
特開平11−141637号公報
しかしながら、前記従来の技術では、ディスクの素材全体にトラクション面に合わせた浸炭処理または浸炭窒化処理を施しているので、ギヤ部となる部分にもトラクション面と同様の深さを有する浸炭硬化層が形成される。したがって、この浸炭硬化層を切削等によって除去するのに手間がかかるうえ、この除去作業の際に、ギヤ部に割れが発生するおそれがあり、また、ギヤ部の薄肉部に必要以上に浸炭が入り、運転時に割れが発生するおそれもある。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、トロイダル型無段変速機のディスクに形成された浸炭硬化層を除去する手間を省いて、熱処理に起因する割れが発生するのを抑制できるとともに、必要な部分に所定の深さの硬化層を形成できるトロイダル型無段変速機のディスク熱処理方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明のトロイダル型無段変速機のディスク熱処理方法は、少なくとも一対のディスクと、対向する前記ディスクの間に挟持されたパワーローラとを備えたトロイダル型無段変速機の前記ディスクを熱処理するトロイダル型無段変速機のディスク熱処理方法であって、
前記ディスクの全体に浸炭処理または浸炭窒化処理を施した後、当該処理によって形成された浸炭硬化層を除去することなく、必要な部分にのみ追加焼入れ処理を施すことを特徴とする。
ここで、前記「必要な部分」としては、例えばトロイダル型無段変速機のディスクにおいて、深い硬化層が必要なトラクション面が挙げられるが、これに限ることはない。
本発明においては、ディスクの全体に浸炭処理または浸炭窒化処理を施した後、当該処理によって形成された浸炭硬化層を除去することなく、必要な部分にのみ追加焼入れ処理を施すので、つまり形成された浸炭硬化層はそのままとして必要な部分にのみ追加焼入れ処理を施すので、ディスクに形成された浸炭硬化層を除去する手間を省くことができ、その分ディスクの製作コストを抑えることができるとともに、浸炭硬化層の除去作業の際に熱処理に起因する割れが発生するのを抑制でき、さらに必要な部分に所定の深さの硬化層を形成できる。
本発明の前記構成において、前記ディスクは、その外周部に設けられたギヤ部と、側面部に設けられたトラクション面とを有し、
前記ギヤ部の熱処理条件に合わせて前記ディスクの全体に浸炭処理または浸炭窒化処理を施した後、当該処理によって形成された浸炭硬化層を除去することなく、前記トラクション面にのみ追加焼入れ処理を施してもよい。
このような構成によれば、ギヤ部の浸炭硬化層を除去する手間を省いて、ギヤ部に熱処理に起因する割れが発生するのを抑制できるとともに、トラクション面に所定の深さの硬化層を形成できる。
本発明の前記構成において、前記トラクション面への追加焼入れ処理が、高周波焼入れ処理であってもよい。
このような構成によれば、トラクション面への焼入れ深さを容易に調整できるとともに、短時間で焼入れ処理できるので、トラクション面に所望の深さの硬化層を容易に形成できる。
本発明によれば、トロイダル型無段変速機のディスクに形成された浸炭硬化層を除去する手間を省いて、熱処理に起因する割れを抑制できるとともに、必要な部分に所定の深さの硬化層を形成できる。
本発明の実施形態に係るトロイダル型無段変速機のディスク熱処理方法を説明するためのもので、ディスクの半断面図である。 同、ディスクの表面全体に浸炭硬化層を形成した状態を示すディスクの半断面図である。 従来のトロイダル型無段変速機の一例を示す断面図である。 図3におけるA−A線に沿う断面図である。 外周部にギヤ部が形成された出力側ディスクを有する従来のトロイダル型無段変速機の断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明に係るトロイダル型無段変速機のディスク熱処理方法によって熱処理され、製造されたディスク(出力側ディスク)の一例を示す半断面図である。
図1に示すように、ディスク(出力側ディスク)3Aの両側面でパワーローラと当接するトラクション面3aには、ハッチングで示すように、第1の硬化層41,41が形成され、ディスク3Aの外周面でギヤ部3bを形成した部分には第2の硬化層42が形成されている。
これら第1、第2の硬化層41,42のうち、第1の硬化層41の有効深さH41が第2の硬化層42の有効深さH42よりも深く(H41>H42)なっている。
なお、図1においては、硬化層41,42をハッチングで示し、その内側のディスク3Aについては、図示を見易くするためハッチングを省略している。
このような硬化層41,42を有するディスク3Aは以下のようにして熱処理されて製造される。
まず、炭素鋼等の金属材料に鍛造若しくは削り出し加工を施して、ディスク3A用の素材を造る。なお、この素材はディスク3Aより所定寸法だけ大きく形成する。
次に、前記素材に鍛造等の加工を施すことにより、軸方向両側面に断面円弧状のトラクション面3aを形成し、さらに、素材の外周縁部に間欠的に切削加工を施すことにより、ギヤ部3bを形成することによって、硬化層41,42を有しないディスク3Aを得る。
次に、トラクション面3aとギヤ部3bが形成されたディスク3Aの全体に浸炭処理または浸炭窒化処理を施すことによって、図2に示すように、ディスク3Aの表面全体に所定の深さを有する浸炭硬化層40を形成する。
なお、図2においては、浸炭硬化層40をハッチングで示し、その内側のディスク3Aについては図示を見易くするためハッチングを省略している。
この浸炭硬化層40を形成する場合の熱処理条件は、ギヤ部3bの熱処理条件と合わせる。したがって、ギヤ部3bに形成された浸炭硬化層40は、前記第2の硬化層42となる。
次に、図1に示すように、トラクション面3aにのみ追加焼入れ処理を施す。この追加焼入れ処理は、例えば高周波焼入れ処理によって行う。この追加焼入れ処理によって、トラクション面3aには、浸炭硬化層40の内側に硬化層43が形成される。そして、この硬化層43と浸炭硬化層40とによって前記第1の硬化層41が形成される。
最後に、前記トラクション面3aとギヤ部3bの表面部分に研削等の仕上げ加工を施して、これら各表面部分を所望形状の平滑面とする。
本実施の形態によれば、ディスク3Aの全体に浸炭処理または浸炭窒化処理を施した後、当該処理によって形成された浸炭硬化層40を除去することなく、トラクション面3aにのみ追加焼入れ処理を施すので、つまり形成された浸炭硬化層40はそのままとしてトラクション面3aにのみ追加焼入れ処理を施すので、ディスク3Aに形成された浸炭硬化層40を除去する手間を省くことができ、その分ディスク3Aの製作コストを抑えることができるとともに、浸炭硬化層40を切削等によって除去する手間も必要がなく、さらに、この除去作業の際に、ギヤ部に割れが発生するおそれもなく、また、ギヤ部の薄肉部に必要以上に浸炭が入るおそれもなく、運転時に割れが発生するおそれもない。
さらに追加熱処理によってトラクション面3aに所定の深さの硬化層41を形成できる。
また、トラクション面3aへの追加焼入れ処理が、高周波焼入れ処理であるので、トラクション面3aへの焼入れ深さを容易に調整できるとともに、短時間で焼入れ処理できるので、トラクション面3aに所望の深さの硬化層41を容易に形成できる。
なお、本実施の形態では、トラクション面3aの追加焼入れ処理として、高周波焼入れ処理を採用したが、これに限ることはなく、ギヤ部3bの硬化層(浸炭層)42の厚さが必要以上に大きくならない方法であればその他の焼入れ処理を採用してもよい。
また、本実施の形態では、追加焼入れ処理を施す必要な部分をトラクション面3aとしたが、これに限ることはなく、ディスク3Aの表面全体に形成された浸炭硬化層40より深い硬化層が必要な部分であれば、その部分にのみ追加焼入れ処理を施せばよい。
さらに、本実施の形態ではダブルキャビティ式ハーフトロイダル型無段変速機のディスクに本発明を適用する場合を例にとって説明したが、これに限ることなく、本発明はシングルキャビティ式ハーフトロイダル型無段変速機のディスクや、フルトロイダル型無段変速機のディスクにも適用することができる。
2 入力側ディスク(ディスク)
3A 出力側ディスク(ディスク)
11 パワーローラ
3a トラクション面
3b ギヤ部
40 浸炭硬化層

Claims (3)

  1. 少なくとも一対のディスクと、対向する前記ディスクの間に挟持されたパワーローラとを備えたトロイダル型無段変速機の前記ディスクを熱処理するトロイダル型無段変速機のディスク熱処理方法であって、
    前記ディスクの全体に浸炭処理または浸炭窒化処理を施した後、当該処理によって形成された浸炭硬化層を除去することなく、必要な部分にのみ追加焼入れ処理を施すことを特徴とするトロイダル型無段変速機のディスク熱処理方法。
  2. 前記ディスクは、その外周部に設けられたギヤ部と、側面部に設けられたトラクション面とを有し、
    前記ギヤ部の熱処理条件に合わせて前記ディスクの全体に浸炭処理または浸炭窒化処理を施した後、当該処理によって形成された浸炭硬化層を除去することなく、前記トラクション面にのみ追加焼入れ処理を施すことを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機のディスク熱処理方法。
  3. 前記トラクション面への追加焼入れ処理が、高周波焼入れ処理であることを特徴とする請求項2に記載のトロイダル型無段変速機のディスク熱処理方法。
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