JP2007292145A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機 Download PDF

Info

Publication number
JP2007292145A
JP2007292145A JP2006118549A JP2006118549A JP2007292145A JP 2007292145 A JP2007292145 A JP 2007292145A JP 2006118549 A JP2006118549 A JP 2006118549A JP 2006118549 A JP2006118549 A JP 2006118549A JP 2007292145 A JP2007292145 A JP 2007292145A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
input
input shaft
side disk
supported
casing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006118549A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4758809B2 (ja
Inventor
Hiroshi Ishikawa
宏史 石川
Toshishige Sano
敏成 佐野
Masami Sugaya
正美 菅谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Toyota Motor Corp
Original Assignee
NSK Ltd
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd, Toyota Motor Corp filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2006118549A priority Critical patent/JP4758809B2/ja
Publication of JP2007292145A publication Critical patent/JP2007292145A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4758809B2 publication Critical patent/JP4758809B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】ケーシングに対して入力軸を正確に位置決めすることができ、それにより、ディスクとパワーローラとの接点位置を正確に規定して所望の動力伝達効率および耐久性を得ることができるトロイダル型無段変速機を提供する。
【解決手段】このトロイダル型無段変速機では、入力軸1の第1の端部1dに配置される軸受100の径方向の隙間が最も大きく設定され、これにより、回転トルクが入力される第1の端部1d以外の第2の端部1eおよび中央部で入力軸1が実質的に支持されることになるため(この場合、出力側ディスク3は仕切壁13により位置が出ており、入力軸1は軸受101,102,103によりケーシング50に対して位置が出る)、ケーシング50に対して入力軸1を正確に位置決めすることが可能になる。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車や各種産業機械の変速機などに利用可能なトロイダル型無段変速機に関する。
例えば自動車用変速機として用いるダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機は、図3および図4に示すように構成されている。図3に示すように、ケーシング50の内側には入力軸1が回転自在に支持されており、この入力軸1の外周には、2つの入力側ディスク2,2と2つの出力側ディスク3,3とが取り付けられている。また、入力軸1の中間部の外周には出力歯車4が回転自在に支持されている。この出力歯車4の中心部に設けられた円筒状のフランジ部4a,4aには、出力側ディスク3,3がスプライン結合によって連結されている。
入力軸1は、図中左側に位置する入力側ディスク2とカム板(ローディングカム)7との間に設けられたローディングカム式の押圧装置12を介して、駆動軸22により回転駆動されるようになっている。また、出力歯車4は、2つの部材の結合によって構成された仕切壁(中間壁)13に対しアンギュラ軸受107を介して支持されるとともに、この仕切壁13を介してケーシング50内に支持されており、これにより、入力軸1の軸線Oを中心に回転できる一方で、軸線O方向の変位が阻止されている。
出力側ディスク3,3は、入力軸1との間に介在されたニードル軸受5,5によって、入力軸1の軸線Oを中心に回転自在に支持されている。また、図中左側の入力側ディスク2は、入力軸1にボールスプライン6を介して支持され、図中右側の入力側ディスク2は、入力軸1にスプライン結合されており、これら入力側ディスク2は入力軸1と共に回転するようになっている。また、入力側ディスク2,2の内側面(凹面;トラクション面とも言う)2a,2aと出力ディスク3,3の内側面(凹面;トラクション面とも言う)3a,3aとの間には、パワーローラ11(図4参照)が回転自在に挟持されている。
図3中右側に位置する入力側ディスク2の内周面2cには、段差部2bが設けられ、この段差部2bに、入力軸1の外周面1aに設けられた段差部1bが突き当てられるとともに、入力側ディスク2の背面(図3の右面)は、入力軸1の外周面に形成されたネジ部に螺合されたローディングナット9に突き当てられている。これによって、入力側ディスク2の入力軸1に対する軸線O方向の変位が実質的に阻止されている。また、カム板7と入力軸1の鍔部1dとの間には、皿ばね8が設けられており、この皿ばね8は、各ディスク2,2,3,3の凹面2a,2a,3a,3aとパワーローラ11,11の周面11a,11aとの当接部に押圧力を付与する。
図3のA−A線に沿う断面図である図4に示すように、ケーシング50の内側であって、出力側ディスク3,3の側方位置には、両ディスク3,3を両側から挟む状態で一対のヨーク23A,23Bが支持されている。これら一対のヨーク23A,23Bは、鋼等の金属のプレス加工あるいは鍛造加工により矩形状に形成されている。そして、後述するトラニオン15の両端部に設けられた枢軸14を揺動自在に支持するため、ヨーク23A,23Bの四隅には、円形の支持孔18が設けられるとともに、ヨーク23A,23Bの幅方向の中央部には、円形の係止孔19が設けられている。
一対のヨーク23A,23Bは、ケーシング50の内面の互いに対向する部分に形成された支持ポスト64,68により、僅かに変位できるように支持されている。これらの支持ポスト64,68はそれぞれ、入力側ディスク2の内側面2aと出力側ディスク3の内側面3aとの間にある第1キャビティ221および第2キャビティ222にそれぞれ対向する状態で設けられている。
したがって、ヨーク23A,23Bは、各支持ポスト64,68に支持された状態で、その一端部が第1キャビティ221の外周部分に対向するとともに、その他端部が第2キャビティ222の外周部分に対向している。
第1および第2のキャビティ221,222は同一構造であるため、以下、第1キャビティ221のみについて説明する。
図4に示すように、ケーシング50の内側において、第1キャビティ221には、入力軸1に対し捻れの位置にある一対の枢軸14,14を中心として揺動する一対のトラニオン15,15が設けられている。なお、図4においては、入力軸1の図示は省略している。各トラニオン15,15は、その本体部である支持板部16の長手方向(図4の上下方向)の両端部に、この支持板部16の内側面側に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部20,20を有している。そして、この折れ曲がり壁部20,20によって、各トラニオン15,15には、パワーローラ11を収容するための凹状のポケット部Pが形成される。また、各折れ曲がり壁部20,20の外側面には、各枢軸14,14が互いに同心的に設けられている。
支持板部16の中央部には円孔21が形成され、この円孔21には変位軸23の基端部(第1の軸部)23aが支持されている。そして、各枢軸14,14を中心として各トラニオン15,15を揺動させることにより、これら各トラニオン15,15の中央部に支持された変位軸23の傾斜角度を調節できるようになっている。また、各トラニオン15,15の内側面から突出する変位軸23の先端部(第2の軸部)23bの周囲には、各パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の間に挟持されている。なお、各変位軸23,23の基端部23aと先端部23bとは、互いに偏心している。
また、前述したように、各トラニオン15,15の枢軸14,14はそれぞれ、一対のヨーク23A,23Bに対して揺動自在および軸方向(図4の上下方向)に変位自在に支持されており、各ヨーク23A,23Bにより、トラニオン15,15はその水平方向の移動を規制されている。前述したように、各ヨーク23A,23Bの四隅には円形の支持孔18が4つ設けられており、これら支持孔18にはそれぞれ、トラニオン15の両端部に設けた枢軸14がラジアルニードル軸受(傾転軸受)30を介して揺動自在(傾転自在)に支持されている。また、前述したように、ヨーク23A,23Bの幅方向(図4の左右方向)の中央部には、円形の係止孔19が設けられており、この係止孔19の内周面は球状凹面として、支持ポスト64,68を内嵌している。すなわち、上側のヨーク23Aは、ケーシング50に固定部材52を介して支持されている球面ポスト64によって揺動自在に支持されており、下側のヨーク23Bは、球面ポスト68およびこれを支持する駆動シリンダ31の上側シリンダボディ61によって揺動自在に支持されている。
なお、各トラニオン15,15に設けられた各変位軸23,23は、入力軸1に対し、互いに180度反対側の位置に設けられている。また、これらの各変位軸23,23の先端部23bが基端部23aに対して偏心している方向は、両ディスク2,2,3,3の回転方向に対して同方向(図4で上下逆方向)となっている。また、偏心方向は、入力軸1の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、各パワーローラ11,11は、入力軸1の長手方向に若干変位できるように支持される。その結果、押圧装置12が発生するスラスト荷重に基づく各構成部材の弾性変形等に起因して、各パワーローラ11,11が入力軸1の軸方向に変位する傾向となった場合でも、各構成部材に無理な力が加わらず、この変位が吸収される。
また、パワーローラ11の外側面とトラニオン15の支持板部16の内側面との間には、パワーローラ11の外側面の側から順に、スラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受24と、スラストニードル軸受25とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受24は、各パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11の回転を許容するものである。このようなスラスト玉軸受24はそれぞれ、複数個ずつの玉26,26と、これら各玉26,26を転動自在に保持する円環状の保持器27と、円環状の外輪28とから構成されている。また、各スラスト玉軸受24の内輪軌道は各パワーローラ11の外側面(大端面)に、外輪軌道は各外輪28の内側面にそれぞれ形成されている。
また、スラストニードル軸受25は、トラニオン15の支持板部16の内側面と外輪28の外側面との間に挟持されている。このようなスラストニードル軸受25は、パワーローラ11から各外輪28に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これらパワーローラ11および外輪28が各変位軸23の基端部23aを中心として揺動することを許容する。
さらに、各トラニオン15,15の一端部(図4の下端部)にはそれぞれ駆動ロッド(枢軸14から延びる軸部)29,29が設けられており、各駆動ロッド29,29の中間部外周面に駆動ピストン(油圧ピストン)33,33が固設されている。そして、これら各駆動ピストン33,33はそれぞれ、上側シリンダボディ61と下側シリンダボディ62とによって構成された駆動シリンダ31内に油密に嵌装されている。これら各駆動ピストン33,33と駆動シリンダ31とで、各トラニオン15,15を、これらトラニオン15,15の枢軸14,14の軸方向に変位させる駆動装置32を構成している。
このように構成されたトロイダル型無段変速機の場合、駆動軸22の回転は、押圧装置12を介して、各入力側ディスク2,2および入力軸1に伝えられる。そして、これら入力側ディスク2,2の回転が、一対のパワーローラ11,11を介して各出力側ディスク3,3に伝えられ、更にこれら各出力側ディスク3,3の回転が、出力歯車4より取り出される。
入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比を変える場合には、一対の駆動ピストン33,33を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン33,33の変位に伴って、一対のトラニオン15,15が互いに逆方向に変位する。例えば、図4の左側のパワーローラ11が同図の下側に、同図の右側のパワーローラ11が同図の上側にそれぞれ変位する。その結果、これら各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の内側面2a,2a,3a,3aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン15,15が、ヨーク23A,23Bに枢支された枢軸14,14を中心として、互いに逆方向に揺動する。
その結果、各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各内側面2a,3aとの当接位置が変化し、入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比が変化する。また、これら入力軸1と出力歯車4との間で伝達するトルクが変動し、各構成部材の弾性変形量が変化すると、各パワーローラ11,11およびこれら各パワーローラ11,11に付属の外輪28,28が、各変位軸23,23の基端部23a、23aを中心として僅かに回動する。これら各外輪28,28の外側面と各トラニオン15,15を構成する支持板部16の内側面との間には、それぞれスラストニードル軸受25,25が存在するため、前記回動は円滑に行われる。したがって、前述のように各変位軸23,23の傾斜角度を変化させるための力が小さくて済む。
ところで、上記構成のトロイダル型無段変速機において、一般に、出力側ディスク3は、出力歯車4とキーやスプラインによりインロー結合されており(例えば、特許文献1ないし特許文献4参照)、その結果、仕切壁13を介してケーシング50に支持されることになる。一方、入力側ディスク2は入力軸1に支持されており、また、入力軸1は、一般に、その両端と中央とに配置された軸受により、出力側ディスク3や出力歯車4等を介してケーシング50に支持される。すなわち、出力側ディスク3と入力側ディスク2との位置関係は、入力側ディスク2を支持する入力軸1の位置により決まってしまう。そのため、ディスク2,3とパワーローラ11との接点位置を正確に規定して所望の動力伝達効率を得るためには、ケーシング50に対して入力軸1を正確に位置決めして、入力軸1と出力側ディスク3との相対的位置を正確に規定し、それにより、出力側ディスク3に対して入力側ディスク2を正確に位置決めする必要がある。
特開平11−166605号公報 特開平11−280861号公報 特開平11−280862号公報 特開平11−280863号公報
しかしながら、従来の入力軸1の支持構造では、軸受の位置や隙間の大きさ等に起因して、出力側ディスク3の支持系と入力側ディスク2の支持系とをバランス良く位置決めすることが難しく、そのため、ケーシング50に対して入力軸1を正確に位置決めして、入力軸1と出力側ディスク3との相対的位置を正確に規定することが難しい。したがって、動力伝達時における出力ディスク3(出力歯車4)や入力軸1の倒れにより、入力側ディスク2および出力側ディスク3においてパワーローラ11の接触位置が所定の位置からずれてしまい、伝達効率や耐久性の低下、あるいは振動が大きくなる虞がある。
本発明は、前記事情に鑑みて為されたもので、ケーシングに対して入力軸を正確に位置決めすることができ、それにより、ディスクとパワーローラとの接点位置を正確に規定して所望の動力伝達効率および耐久性を得ることができるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載のトロイダル型無段変速機は、ケーシングと、このケーシングの内側で互いの内側面同士を対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、前記入力側ディスクを支持し且つ入力される回転トルクにより前記入力側ディスクと一体で回転する入力軸と、前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間に挟持されるパワーローラとを備えるトロイダル型無段変速機であって、前記入力軸は、前記回転トルクが入力される第1の端部と、これと反対側に位置する第2の端部とを有するとともに、前記第1および第2の端部とこれらの端部間の中央部とに配置される軸受により支持され、これらの軸受のうち、前記第1の端部に配置される軸受の径方向の隙間が最も大きいことを特徴とする。
この請求項1に記載された発明においては、第1の端部に配置される軸受の径方向の隙間が最も大きく設定され、これにより、回転トルクが入力される第1の端部以外の第2の端部および中央部で入力軸が実質的に支持されることになるため(この場合、出力側ディスクがケーシングに支持され、入力軸が第2の端部および中央部で軸受によりケーシングに対して支持されることが好ましい)、ケーシングに対して入力軸を正確に位置決めすることが可能になる。したがって、入力軸と出力側ディスクとの相対的位置を正確に規定し、それにより、出力側ディスクに対して入力側ディスクを正確に位置決めすることができるようになり、その結果、ディスクとパワーローラとの接点位置を正確に規定して所望の動力伝達効率および耐久性を得ることができるようになる。
また、請求項2に記載されたトロイダル型無段変速機は、請求項1に記載された発明において、前記中央部に配置される軸受がころ軸受であり、このころ軸受のころにはクラウニングが施されていることを特徴とする。
この請求項2に記載された発明においては、中央部のころ軸受にクラウニングを設けているため、入力軸を傾ける力が作用しても、軸受への負担を小さくする(応力集中を防ぐ)ことが可能となり、入力側ディスクおよび出力側ディスクの規定位置からの相対的なズレを最小限に抑えることができる。
また、請求項3に記載されたトロイダル型無段変速機は、ケーシングと、このケーシングの内側で互いの内側面同士を対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、前記入力側ディスクを支持し且つ入力される回転トルクにより前記入力側ディスクと一体で回転する入力軸と、前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間に挟持されるパワーローラとを備えるトロイダル型無段変速機であって、互いに対向する前記入力側ディスクおよび出力側ディスクの対を2つ備え、前記入力軸は、前記入力側ディスクの一方を支持し且つ前記回転トルクが入力される第1の端部と、これと反対側に位置し且つ前記入力側ディスクの他方を支持する第2の端部とを有し、前記一対の出力側ディスクはそれぞれ対応する入力側ディスクと対向するように前記入力軸の中央部に位置して前記ケーシングに支持され、前記入力軸は、前記一対の出力側ディスク間の中央と前記第1および第2の端部うちの少なくとも一方とに配置される軸受により支持されていることを特徴とする。
この請求項3に記載された発明においては、ケーシングに支持される一対の出力側ディスク間の中央に配置される軸受により入力軸が支持されるため、動力伝達時における出力ディスクや入力軸の倒れを抑制でき、入力側ディスクおよび出力側ディスクおいてパワーローラの接触位置が所定の位置からずれてしまうことを防止できるとともに、入力軸が第1および第2の端部うちの少なくとも一方に配置される軸受によっても更に支持されるため、ケーシングに対して入力軸を正確に位置決めすることが可能になる。したがって、入力軸と出力側ディスクとの相対的位置を正確に規定し、それにより、出力側ディスクに対して入力側ディスクを正確に位置決めすることができるようになり、その結果、ディスクとパワーローラとの接点位置を正確に規定して所望の動力伝達効率および耐久性を得ることができるようになる。
また、請求項4に記載されたトロイダル型無段変速機は、請求項3に記載された発明において、前記入力軸は、その第2の端部が軸受を介してケーシングに支持されていることを特徴とする。
この請求項4に記載された発明においては、請求項3の構成に加えて、入力軸の第2の端部が軸受を介してケーシングに支持されているため、ケーシングに対する入力軸の位置決め精度が向上する
本発明のトロイダル型無段変速機によれば、ケーシングに対して入力軸を正確に位置決めすることができ、それにより、ディスクとパワーローラとの接点位置を正確に規定することができる。したがって、所望の動力伝達効率および耐久性を得ることが可能になる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明の特徴は、入力軸の支持構造にあり、その他の構成および作用は前述した従来の構成および作用と同様であるため、以下においては、本発明の特徴部分についてのみ言及し、それ以外の部分については、図3および図4と同一の符号を付して簡潔に説明するに留める。
図1は本発明の第1の実施形態を示している。図示のように、一対の出力側ディスク3はそれぞれ、対応する入力側ディスク2と対向するように入力軸1の中央部に位置して出力歯車4と結合されており、仕切壁13を介してケーシング50に支持されている。また、入力軸1は、回転トルクが入力される第1の端部としての鍔部1dと、これと反対側に位置する第2の端部1eとを有するとともに、第1および第2の端部1d,1eに配置される軸受100,101と第1および第2の端部1d,1e間の中央部(出力歯車4のフランジ部4aに隣接して各出力側ディスク3の内周面)に配置される軸受102,103とにより支持されている。
入力軸1の鍔部1dとカム板7との間には、スラスト荷重を支承自在なアンギュラ型の玉軸受(アンギュラ軸受)190が介挿されている。また、鍔部(第1の端部)1dに隣接する図中左側に位置する入力側ディスク2とカム板7との間には第1の皿ばね8が設けられ、第2の端部1eに隣接する図中右側に位置する入力側ディスク2とローディングナット9との間には第2の皿ばね10が設けられている。これらの皿ばね8,10は、各ディスク2,2,3,3の凹面2a,2a,3a,3aとパワーローラ11,11の周面(トラクション面)11a,11a(図4参照)との当接部に押圧力を付与する。
また、一対の出力側ディスク3,3間に挟まれた出力歯車4は、軸受107,107を介して仕切壁13によりケーシング50に支持されている。出力歯車4を支持する軸受107,107には、一般にアンギュラ軸受が用いられる。また、出力歯車4としては、強度確保やノイズを小さくするため、一般に、はすば歯車が使用される。
本実施形態においては、入力軸を支持する軸受100,101,102,103のうち、第1の端部としての鍔部1dに配置される軸受100の径方向の隙間が最も大きく設定されている。具体的には、第1の端部としての鍔部1dに位置する軸受100の径方向隙間をa、中央部に位置する軸受102,103の径方向隙間をb、第2の端部1eに位置する軸受101の径方向隙間をcとすると、b=c<aとなるように設定されている。また、中央部に位置する軸受102,103はころ軸受であり、このころ軸受102,103のころには図1の(e)に示すようにクラウニング(応力集中を防ぐために端部付近に設けた緩やかな傾斜部)120が施されている。
このように、本実施形態においては、第1の端部としての鍔部1dに配置される軸受100の径方向の隙間が最も大きく設定され、これにより、回転トルクが入力される鍔部1d以外の第2の端部1eおよび中央部で入力軸1が実質的に支持されることになるため(この場合、出力側ディスク3は仕切壁13により位置が出ており、入力軸1は軸受101,102,103によりケーシング50に対して位置が出る)、ケーシング50に対して入力軸1を正確に位置決めすることが可能になる。したがって、入力軸1と出力側ディスク3との相対的位置を正確に規定し、それにより、出力側ディスク3に対して入力側ディスク2を正確に位置決めすることができるようになり、その結果、ディスク2,3とパワーローラ11との接点位置を正確に規定して所望の動力伝達効率および耐久性を得ることができるようになる。
また、本実施形態においては、中央部に配置される軸受102,103がころ軸受であり、このころ軸受102,103のころにはクラウニング120が施されている。このように中央部のころ軸受102,103にクラウニング120を設ければ、入力軸1を傾ける力が作用しても、軸受102,103への負担を小さくする(応力集中を防ぐ)ことが可能となり、入力側ディスク2および出力側ディスク3の規定位置からの相対的なズレを最小限に抑えることができる。
図2の(a)は本発明の第2の実施形態を示している。図示のように、一対の出力側ディスク3はそれぞれ対応する入力側ディスク2と対向するように入力軸1の中央部に位置してケーシング50(出力歯車4および仕切壁13を介して)に支持され、入力軸1は、一対の出力側ディスク3,3間の中央に位置する軸受130と第2の端部1eに位置する軸受101とにより支持されている(第1の実施形態と同様に、第1の端部1dに軸受100が配置されても良い)。この場合、入力軸1の第2の端部は、軸受101を介してケーシング50に支持されている。
また、出力歯車4を支持する左右のアンギュラ軸受107,107においては、「軸受の玉と内外輪との両接点を結ぶ線」と入力軸1との接点同士の距離がアンギュラ軸受107同士の距離よりも大きく設定されている。すなわち、アンギュラ軸受107は、出力歯車4のフランジ部4aの両側に軸受102,103を設ける場合(図2の(b)参照)のような「逆ハ字」ではなく、「ハ字」となるように形成されている。このようにすれば、出力歯車4にかかるモーメントをアンギュラ軸受107,107で受け持つことができるため、耐久性が向上する。
以上のように、本実施形態においては、ケーシング50に支持される一対の出力側ディスク3,3間の中央に配置される軸受130により入力軸1が支持されるため、動力伝達時における出力ディスク3や入力軸1の倒れを抑制でき、入力側ディスク2および出力側ディスク3おいてパワーローラ11の接触位置が所定の位置からずれてしまうことを防止できるとともに、入力軸1が第1および第2の端部1d,1eうちの少なくとも一方に配置される軸受101(100)によっても更に支持されるため、ケーシング50に対して入力軸1を正確に位置決めすることが可能になる。したがって、入力軸1と出力側ディスク3との相対的位置を正確に規定し、それにより、出力側ディスク3に対して入力側ディスク2を正確に位置決めすることができるようになり、その結果、ディスク2,3とパワーローラ11との接点位置を正確に規定して所望の動力伝達効率および耐久性を得ることができるようになる。
また、本実施形態においては入力軸1の第2の端部1eが軸受101を介してケーシング50に支持されているため、ケーシング50に対する入力軸1の位置決め精度が向上する。
本発明は、シングルキャビティ型やダブルキャビティ型などの様々なハーフトロイダル型無段変速機に適用することができる。
(a)は本発明の第1の実施形態に係るトロイダル型無段変速機の要部断面図、(b)は入力軸の中央部に位置する軸受近傍の拡大断面図、(c)は入力軸の第2の端部に位置する軸受近傍の拡大断面図、(d)は入力軸の第1の端部に位置する軸受近傍の拡大断面図、(e)は入力軸の中央部に位置する軸受のころの正面図である。 (a)は本発明の第2の実施形態に係るトロイダル型無段変速機の要部断面図、(b)は(a)と比較されるトロイダル型無段変速機の要部断面図である。 従来から知られているトロイダル型無段変速機の具体的構造の一例を示す断面図である。 図3のA−A線に沿う断面図である。
符号の説明
1 入力軸
1d 鍔部(第1の端部)
1e 第2の端部
2 入力側ディスク
3 出力側ディスク
11 パワーローラ
50 ケーシング
100,101,102,103,130 軸受
120 クラウニング

Claims (4)

  1. ケーシングと、このケーシングの内側で互いの内側面同士を対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、前記入力側ディスクを支持し且つ入力される回転トルクにより前記入力側ディスクと一体で回転する入力軸と、前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間に挟持されるパワーローラとを備えるトロイダル型無段変速機において、
    前記入力軸は、前記回転トルクが入力される第1の端部と、これと反対側に位置する第2の端部とを有するとともに、前記第1および第2の端部とこれらの端部間の中央部とに配置される軸受により支持され、これらの軸受のうち、前記第1の端部に配置される軸受の径方向の隙間が最も大きいことを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 前記中央部に配置される軸受がころ軸受であり、このころ軸受のころにはクラウニングが施されていることを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
  3. ケーシングと、このケーシングの内側で互いの内側面同士を対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、前記入力側ディスクを支持し且つ入力される回転トルクにより前記入力側ディスクと一体で回転する入力軸と、前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間に挟持されるパワーローラとを備えるトロイダル型無段変速機において、
    互いに対向する前記入力側ディスクおよび出力側ディスクの対を2つ備え、前記入力軸は、前記入力側ディスクの一方を支持し且つ前記回転トルクが入力される第1の端部と、これと反対側に位置し且つ前記入力側ディスクの他方を支持する第2の端部とを有し、前記一対の出力側ディスクはそれぞれ対応する入力側ディスクと対向するように前記入力軸の中央部に位置して前記ケーシングに支持され、前記入力軸は、前記一対の出力側ディスク間の中央と前記第1および第2の端部うちの少なくとも一方とに配置される軸受により支持されていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  4. 前記入力軸は、その第2の端部が軸受を介してケーシングに支持されていることを特徴とする請求項3に記載のトロイダル型無段変速機。
JP2006118549A 2006-04-21 2006-04-21 トロイダル型無段変速機 Active JP4758809B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006118549A JP4758809B2 (ja) 2006-04-21 2006-04-21 トロイダル型無段変速機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006118549A JP4758809B2 (ja) 2006-04-21 2006-04-21 トロイダル型無段変速機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007292145A true JP2007292145A (ja) 2007-11-08
JP4758809B2 JP4758809B2 (ja) 2011-08-31

Family

ID=38762955

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006118549A Active JP4758809B2 (ja) 2006-04-21 2006-04-21 トロイダル型無段変速機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4758809B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2199633A1 (en) 2008-12-18 2010-06-23 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Input shaft support structure
JP2013145027A (ja) * 2012-01-16 2013-07-25 Nsk Ltd トロイダル型無段変速機
CN109185430A (zh) * 2018-11-09 2019-01-11 上海索达传动机械有限公司 变速箱及重型卡车

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11166605A (ja) * 1997-12-05 1999-06-22 Nippon Seiko Kk トロイダル型無段変速機用出力側ディスクユニット
JP2000205362A (ja) * 1999-01-20 2000-07-25 Nsk Ltd トロイダル型無段変速機
JP2000257578A (ja) * 1999-03-10 2000-09-19 Mitsubishi Electric Corp 二段スクリュー圧縮機
JP2001260670A (ja) * 2000-03-22 2001-09-26 Jatco Transtechnology Ltd ハイブリッド車両の変速機ユニット
JP2002106656A (ja) * 2000-09-29 2002-04-10 Toyota Motor Corp 無段変速機
JP2002276752A (ja) * 2001-03-15 2002-09-25 Nsk Ltd トロイダル型無段変速機
JP2006083957A (ja) * 2004-09-16 2006-03-30 Nsk Ltd トロイダル型無段変速機

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11166605A (ja) * 1997-12-05 1999-06-22 Nippon Seiko Kk トロイダル型無段変速機用出力側ディスクユニット
JP2000205362A (ja) * 1999-01-20 2000-07-25 Nsk Ltd トロイダル型無段変速機
JP2000257578A (ja) * 1999-03-10 2000-09-19 Mitsubishi Electric Corp 二段スクリュー圧縮機
JP2001260670A (ja) * 2000-03-22 2001-09-26 Jatco Transtechnology Ltd ハイブリッド車両の変速機ユニット
JP2002106656A (ja) * 2000-09-29 2002-04-10 Toyota Motor Corp 無段変速機
JP2002276752A (ja) * 2001-03-15 2002-09-25 Nsk Ltd トロイダル型無段変速機
JP2006083957A (ja) * 2004-09-16 2006-03-30 Nsk Ltd トロイダル型無段変速機

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2199633A1 (en) 2008-12-18 2010-06-23 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Input shaft support structure
JP2010144818A (ja) * 2008-12-18 2010-07-01 Toyota Motor Corp インプットシャフトの支持構造
JP2013145027A (ja) * 2012-01-16 2013-07-25 Nsk Ltd トロイダル型無段変速機
CN109185430A (zh) * 2018-11-09 2019-01-11 上海索达传动机械有限公司 变速箱及重型卡车

Also Published As

Publication number Publication date
JP4758809B2 (ja) 2011-08-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5077834B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP4758809B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP2003343673A (ja) トロイダル型無段変速機
JP4923989B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP5803188B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP6024186B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP2008002599A (ja) トロイダル型無段変速機
JP4894178B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP4640635B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP4972931B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP4947492B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP5817282B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP4587119B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP5003140B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP4941714B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP6488566B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP6528359B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP2016080117A (ja) トロイダル型無段変速機
JP4706959B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP5115712B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP2008111488A (ja) トロイダル型無段変速機
JP4605460B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP4983363B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP2015090159A (ja) トロイダル型無段変速機
JP2007107628A (ja) トロイダル型無段変速機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090217

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110215

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110418

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110530

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110603

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4758809

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140610

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250