JP4171876B2 - トロイダル型無段変速機用バリエータ部品の加工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に自動車や産業機器の変速機として使用するトロイダル型無段変速機に使用され、エンジンやモータからの駆動力をトロイダル型無段変速機に伝達するのに用いられるバリエータ部品の加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のダブルキャビティ型のハーフトロイダル型無段変速機における主要部を構成するバリエータ部を図5に示す。図5に示すように、従来のトロイダル型無段変速機50は、第1のキャビティ51を構成する第1の入力ディスク53及び第1の出力ディスク54と、第2のキャビティ52を構成する第2の入力ディスク55及び第2の出力ディスク56とを備えている。
第1の入出力ディスク53,54の間に一対のパワーローラ57が設けられている。パワーローラ57の外周面は、各ディスク53,54のトロイダル面53a,54aに接している。
第2の入出力ディスク55,56の間にも一対のパワーローラ57が設けられており、パワーローラ57の外周面が、各ディスク55,56のトロイダル面55a,56aに接している。これらパワーローラ57はパワーローラ軸受58によってトラニオン59に回転自在に取付けられている。トラニオン59は、それぞれトラニオン軸60を中心にして揺動自在である。
【0003】
第1の入力ディスク53は、入力軸として機能する回転軸(CVT軸)61に、第1のボールスプライン62によって回り止めがなされた状態で軸線方向に相対移動可能に取付けられている。第2の入力ディスク55は、回転軸61に、第2のボールスプライン63によって回り止めがなされた状態で軸線方向に相対移動可能に取付けられている。
したがって、入力ディスク53,55は回転軸61と一体に回転する。回転軸61は、エンジン等の駆動源によって回転する駆動軸64に、ニードル軸受65を介して相対回転可能に連結されている。
【0004】
出力ディスク54,56は、入力ディスク53,55の間に設けられている。第1の出力ディスク54は第1の入力ディスク53に対向し、第2の出力ディスク56は第2の入力ディスク55に対向している。
この出力ディスク54,56は、回転軸61に、ニードル軸受66,67を介して相対回転自在に支持されている。出力ディスク54,56は、連結部材68によって連結され、互いに同期して回転する。連結部材68には出力ギヤ69が設けられている。出力ギヤ69は図示しない出力軸と連動して回転する。
【0005】
第1の入力ディスク53の背面側に、押圧機構として機能するローディングカム機構70が設けられている。ローディングカム機構70は、駆動力伝達用溝71aが形成されたバリエータ部品71(カムディスク)とローラ72とを含んでいる。
バリエータ部品71は、回転軸61に対して、スラスト軸受73を介して回動自在に支持されている。バリエータ部品71と入力ディスク53との相互対向部にそれぞれカム面74,75が形成され、カム面74,75間にローラ72が挟み込まれている。バリエータ部品71の動力伝達用溝71aには、駆動軸64に形成された突起部64aが係合している。
【0006】
ローラ72がカム面74,75間に挟み込まれた状態で駆動軸64が回転すると、バリエータ部品71が回転することにより、第1の入力ディスク53が第1の出力ディスク54に向かって押圧されるとともに、第1の入力ディスク53がバリエータ部品71とともに回転する。
また、バリエータ部品71が受ける反力がスラスト軸受73を介して回転軸61に加わるため、第2の入力ディスク55が第2の出力ディスク56に向かって押圧される。したがって、駆動軸64からバリエータ部品71に伝達されたエンジンの回転力は、入力ディスク53,55を回転させ、入力ディスク53,55の回転が、パワーローラ57を介して出力ディスク54,56に伝わることにより、出力ギヤ69が回転する。
【0007】
回転軸61と出力ギヤ69との回転速度比(変速比)を変更するに際し、回転軸61と出力ギヤ69との間で減速を行うには、トラニオン59を揺動させ、パワーローラ57の周面が、入力ディスク53,55のトロイダル面53a,55aの中心寄り部分と出力ディスク54、56のトロイダル面54a,56aの外周寄り部分とにそれぞれ当接するようにトラニオン軸60を傾斜させる。
これに反して、増速を行うには、トラニオン59を揺動させ、パワーローラ57の周面が、入力ディスク53,55のトロイダル面53a,55aの外周寄り部分と出力ディスク54,56のトロイダル面54a,56aの中心寄り部分とにそれぞれ当接するようにトラニオン軸60を傾斜させる。また、中間の変速比を得るには、トラニオン軸60の傾斜角度を上記の減速、増速の中間位置にする。
【0008】
上記バリエータ部品71は、図6(a),(b)に示すように、中央部に回転軸61が挿入される軸孔71bが形成されており、動力伝達用溝71aは、駆動軸64側に円環形に突出した突部71cの円周方向に等間隔で6個配されている。動力伝達用溝71aは、所定の溝幅L1及び溝長さL2を有する。そして、幅方向の側部の角は、面取りが施される。
【0009】
バリエータ部品71は、図6(a),(b)に示す加工方法によって動力伝達用溝71aが作成される。図6(a)に示すように、溝幅L1と同一径の転削工具(エンドミル)80を用いた場合、バリエータ部品71の鉛直方向に転削工具80を対峙させ、この転削工具80を自転させながら、転削工具80の外周刃で両方の溝側面を切削加工する。この時、転削工具80の底刃で溝底面を切削加工し、この動作を6回繰り返すことにより、6個の動力伝達用溝71aを作成する。
【0010】
また、図6(a)に示すように、溝幅L1よりも小さい径の転削工具(エンドミル)81を用いた場合、バリエータ部品71の鉛直方向に転削工具81を対峙させ、この転削工具81を自転させながら、転削工具81の外周刃で一方の溝側面を切削加工する。この時、転削工具81の底刃で溝底面を切削加工する。
次に、転削工具81を円周方向に移動させてから、転削工具81の外周刃で他方の溝側面を切削加工する。この時、転削工具81の底刃で溝底面を切削加工し、この動作を6回繰り返すことにより、6個の動力伝達用溝71aを作成する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記トロイダル型無段変速機用バリエータ部品の加工方法において、転削工具80,81は、剛性が比較的低いため、撓みが生じることがあるので、100〜200mm/分が限度であり、それ以上切削送りを速くすることが難く、加工時間が長くなるという問題点があった。
また、溝幅L1と同一径の転削工具80を用いた場合に、転削工具80に撓みが生じると、両方の溝側面の仕上がりに差が出易いという問題点があった。
【0012】
また、溝幅L1よりも小さい径の転削工具81を用いた場合、溝幅L1と同一径の転削工具80を用いた場合の切削移動量が(溝長さL2+工具径)であるのに対し、(溝長さL2+工具径)×2以上となり、加工時間が著しく長くなるという問題点があった。
更に、幅方向の側部の角を面取りする際に、転削工具80,81とは別の面取り転削工具を用いなければならず、面取り転削工具も転削工具80,81と同様にして繰り返し切削移動させなければならないので、加工時間を延長する原因となっていた。
【0013】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、バリエータ部品の動力伝達用溝を短時間で加工することにより、生産性の向上を図ることができるトロイダル型無段変速機用バリエータ部品の加工方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載のトロイダル型無段変速機用バリエータ部品の加工方法は、トロイダル型無段変速機の回転軸が挿通され、駆動軸に係合される複数対の動力伝達用溝を有するバリエータ部品を加工するトロイダル型無段変速機用バリエータ部品の加工方法であって、前記動力伝達用溝の溝側面切削用切れ刃と、溝底面切削用切れ刃、及び溝の両側面が前記バリエータ部品の端面と成す稜線を面取り切削する面取り切削用切れ刃とを有するブローチ工具を用い、前記動力伝達用溝を、対向する一対毎に、前記動力伝達用溝の溝側面加工と溝底面加工とを同時的に行い、角部面取り加工を連続的に行うブローチ加工により切削することを特徴とする。
【0015】
上記構成のトロイダル型無段変速機用バリエータ部品の加工方法によれば、動力伝達用溝は、ブローチ加工により対向する一対毎に切削されるので、1回の切削送りで、2個の動力伝達用溝が同時に作成されるため、加工時間の大幅な短縮ができ、生産性の向上を図ることができる。また、ブローチ加工が動力伝達用溝の溝側面加工と溝底面加工とを同時的に行い、角部面取り加工を連続的に行うので、加工時間を更に短縮することができ、また、ブローチ工具により一貫した加工を行うことができる。
【0017】
本発明の請求項2記載のトロイダル型無段変速機用バリエータ部品の加工方法は、前記動力伝達用溝は、素材に下溝を形成する成形工程と、該下溝に位相を合わせた状態で前記ブローチ工具を相対的に移動させることにより前記ブローチ加工を行うブローチ工程とを含む工程により加工されることを特徴とする請求項1記載のトロイダル型無段変速機用バリエータ部品の加工方法である。
【0018】
前記構成のトロイダル型無段変速機用バリエータ部品の加工方法によれば、素材に下溝を形成する成形工程と、該下溝に位相を合わせた状態でブローチ工具を相対的に移動させることにより溝切削を行うブローチ工程とを含む工程により動力伝達用溝を加工するので、成形工程とブローチ工程とを連続的に設定できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のトロイダル型無段変速機用バリエータ部品の加工方法の一実施形態を図1乃至図4に基づいて詳細に説明する。図1は本発明のトロイダル型無段変速機用バリエータ部品の加工方法の一実施形態を示し、(a)はバリエータ部品の平面図であり、(b)は断面図である。図2は本発明のトロイダル型無段変速機用バリエータ部品の加工方法の一実施形態を示す加工の流れを説明する各工程の正面図である。図3は図2におけるトロイダル型無段変速機用バリエータ部品の加工方法の主要部を説明し、(a)は平面図、(b)は断面図である。図4は図2におけるトロイダル型無段変速機用バリエータ部品の加工方法のワーク(素材)に形成した下溝を説明する断面図である。
【0022】
図1(a)及び(b)に示すように、本実施形態のトロイダル型無段変速機用バリエータ部品の加工方法によって作成されたバリエータ部品10は、入力ディスク側に配される円筒部11の中央部に回転軸が挿入される軸孔12が形成され、つば部13を介して円筒部11とは反対の駆動軸側に円環形に突部14が突出形成され、突部14の円周方向に等間隔に6個の動力伝達用溝15が3対となって配されている。
【0023】
動力伝達用溝15は、第1の溝部15aと第4の溝部15dとが円周方向に180度の範囲を置いて一対に配され、第2の溝部15bと第5の溝部15eとが円周方向に180度の範囲を置いて一対に配され、第3の溝部15cと第6の溝部15fとが円周方向に180度の範囲を置いて一対に配される。
また、動力伝達用溝15は、所定の溝幅L1及び溝長さL2で溝深さL3を有する。そして、動力伝達用溝15の各溝部における幅方向の側部の角は、面取りが施されている。
【0024】
図2に示すように、トロイダル型無段変速機用バリエータ部品の加工には、主として、ワークチャック機構20、ワーク位相割り出し機構21、ワーク保持機構22、ブローチ盤23が用いられる。ワークチャック機構20は、ワーク40における溝対称度の基準外径もしくは基準内径を把持する機構である。また、ワーク位相割り出し機構21は、ワーク40の軸心まわりにワークチャック機構20を位相割り出しする。
【0025】
ブローチ盤23は、ワーク40を軸心方向に往復移動するための前後スライド機構と、直角方向(法線方向)に往復移動するブローチ送りスライド機構とを有する。各スライド機構は、スライドベース26と、ツール取付ベース27とからなり、ツール取付ベース27にブローチ工具28が固定されている。ブローチ工具28は、サーフェスブローチ工具であって、溝幅L1に対応した幅寸法を有している。
【0026】
図3(b)に示すように、ブローチ工具28は、溝側面切削用切れ刃28aと、溝底面切削用切れ刃28bとを有する。また、図3(a)に示すように、ブローチ盤23には、ブローチ工具28と同列に面取り工具29が配されている。面取り工具29は、動力伝達用溝15の両側面がワーク40の端面と成す稜線を面取り切削する面取り切削用切れ刃29aを有する。
【0027】
先ず、トロイダル型無段変速機用バリエータ部品の加工では、1軸シャトル30により搬入ポジションP1に置かれたワーク40が、カバー31によって覆われた位相決定ポジションP2に搬送される。この時、ワーク40には、動力伝達用溝15成形用の下溝が前段の成形工程によって成形されている。
位相決定ポジションP2では、位相決め装置32により位相合わせが行われ、位相を変えることなく、ワークチャック機構20により、ワーク40における溝対称度の基準外径もしくは基準内径がチャックされる。
【0028】
次に、加工ステーション33にワーク40が搬送され、ワークインデックスにより第1回目に加工を行う溝部が割り出される。ここで、ワークチャック機構20により、ワーク40における溝対称度の基準外径もしくは基準内径がチャックされた状態で、ワーク40がブローチ盤23に近づく方向に前進移動され、加工浮きを防止するためのワークストッパ34にワーク40が突き当たる。
そこで、ワークストッパ34とワークチャック機構20とによりワーク40を挟み込むことにより、ブローチ盤23に対するワーク40の位置決めがされる。そして、ブローチ盤23によりブローチ工具28が切削送りされ、第1回目の切削加工を行う。
【0029】
図3(a)及び(b)に示すように、第1回目の切削加工では、ブローチ工具28により、動力伝達用溝15のうち、対向する第1の溝部15aと第4の溝部15dとの180度位相の2個の溝が切削加工される。そして、ブローチ工具28による第1の溝部15aと第4の溝部15dとの切削加工が終了したところで、ブローチ工具28と同列に配置した面取り工具29により、第1の溝部15aと第4の溝部15dとの幅方向の側部の角に対する面取り加工が行われる。そして、ブローチ工具28が戻され、加工ステーション33が後退される。
【0030】
次に、加工ステーション33は、ワークインデックスにより第2回目の切削加工を行う溝部が割り出されてワーク40が120度回動され、ワーク40がブローチ盤23に近づく方向にワークストッパ34に突き当たるまで再度前進移動される。そして、ブローチ盤23によりブローチ工具28が切削送りされ、第2回目の切削加工を行い、第2の溝部15bと第5の溝部15eとの切削加工が行われ、面取り工具29による面取り加工も連続して行われる。
【0031】
次に、上記同様にして、加工ステーション33は、ワークインデックスにより第3回目の切削加工を行う溝部が割り出されてワーク40が120度回動され、ワーク40がブローチ盤23に近づく方向にワークストッパ34に突き当たるまで再び前進移動される。そして、ブローチ盤23によりブローチ工具28が切削送りされて第3回目の切削加工を行い、第3の溝部15cと第6の溝部15fとの切削加工が行われ、面取り工具29による面取り加工も連続して行われる。
【0032】
3対の溝部である溝部15a,15d、溝部15b,15e、溝部15c,15fに対するブローチ工具28による切削加工が終了したところで、ワーク40が搬出ポジションP3に搬送されて搬出される。
【0033】
図4に示すように、ブローチ盤23のブローチ工具28による切削加工は、ワーク40に予め形成されている下溝40aに対して、図中斜線で示す取代40bに対応して行われる。このブローチ工具28による切削加工によって、対向配置された溝側面40cと溝底面40d及び、ワーク40の端面と成す稜線を面取りした面取り面40eをもつ所定の溝幅L1及び溝長さL2で溝深さL3の動力伝達用溝15が形成される。
【0034】
このようなトロイダル型無段変速機用バリエータ部品10の加工では、第1,第2,第3回の3回の切削加工により、動力伝達用溝15における溝部が同時に2個づつ6個作成されるとともに、連続的に面取り加工も行われる。これにより、従来の加工方法に比べて、加工時間の大幅な短縮を実現できる。勿論、面取りも同時的に施されるため、加工時間の短縮は著しい。
また、ブローチ工具28による切削加工を行うため、精度の高い溝幅寸法L1をもつ動力伝達用溝15を得ることができる。
【0035】
本実施形態のトロイダル型無段変速機用バリエータ部品10の加工方法によれば、ブローチ加工により、動力伝達用溝15が、対向する一対毎に切削される。したがって、1回の切削送りで動力伝達用溝15の2個づつの溝部15a,15d、15b,15e、15c,15fが同時的に作成されるため、加工時間の大幅な短縮ができ、生産性の向上を図ることができる。
【0036】
また、ブローチ加工が、動力伝達用溝15の溝側面加工と溝底面加工とを同時的に行い、角部面取り加工を連続的に行うので、加工時間を更に短縮することができる。
また、ワーク40に下溝40aを形成する成形工程と、下溝40aに位相を合わせた状態でブローチ工具28を相対的に移動させることにより溝切削を行うブローチ工程とを含む工程により動力伝達用溝15を加工するので、成形工程とブローチ工程とを連続的に設定できる。
更に、ブローチ加工に用いるブローチ工具28が、動力伝達用溝15の溝側面切削用切れ刃28aと、溝底面切削用切れ刃28b、及び溝の両側面がバリエータ部品の端面と成す稜線を面取り切削する面取り切削用切れ刃29aとを有するため、ブローチ工具28により一貫で加工を行うことができる。
【0037】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜な変形、改良等が可能である。例えば、動力伝達用溝が、対向する4対の8個の溝部を有する場合や、対向する5対の10個の溝部を有する場合、及び1対又は2対の溝部を有する場合においても、ワークインデックスによる割り出しを変更するだけで、上記と同様の加工方法によって動力伝達用溝を短時間で作成することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のトロイダル型無段変速機用バリエータ部品の加工方法によれば、動力伝達用溝は、ブローチ加工により対向する一対毎に切削される。したがって、1回の切削送りで、2個の動力伝達用溝が作成されるため、加工時間の大幅な短縮ができ、生産性の向上を図ることができる。
【0039】
また、ブローチ加工が、動力伝達用溝の溝側面加工と溝底面加工とを同時に行い、角部面取り加工を連続的に行うようにしているので、加工時間を更に短縮することができる。
また、素材に下溝を形成する成形工程と、該下溝に位相を合わせた状態でブローチ工具を相対的に移動させることにより、溝切削を行うブローチ工程とを含む工程により動力伝達用溝を加工するので、成形工程とブローチ工程とを連続的に設定できる。
【0040】
更に、ブローチ加工に用いるブローチ工具が、動力伝達用溝の溝側面切削用切れ刃と、溝底面切削用切れ刃、及び溝の両側面がバリエータ部品の端面と成す稜線を面取り切削する面取り切削用切れ刃とを有するので、ブローチ工具により一貫して加工を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトロイダル型無段変速機用バリエータ部品の加工方法の一実施形態を示し、(a)はバリエータ部品の平面図、(b)は(a)の断面図である。
【図2】本発明のトロイダル型無段変速機用バリエータ部品の加工方法の一実施形態を示す加工の流れを説明する各工程の正面図である。
【図3】図2におけるトロイダル型無段変速機用バリエータ部品の加工方法を示し、(a)は主要部を説明する平面図、(b)は(a)の断面図である。
【図4】図2におけるトロイダル型無段変速機用バリエータ部品の加工方法の素材に形成した下溝を説明する断面図である。
【図5】従来のトロイダル型無段変速機の断面図である。
【図6】従来のトロイダル型無段変速機用バリエータ部品の加工方法を示し、(a)はバリエータ部品の平面図、(b)は(a)の断面図である。
【符号の説明】
10 バリエータ部品
15 動力伝達用溝
28 ブローチ工具
28a 溝側面切削用切れ刃
28b 溝底面切削用切れ刃
29 面取り工具
29a 面取り切削用切れ刃
Claims (2)
- トロイダル型無段変速機の回転軸が挿通され、駆動軸に係合される複数対の動力伝達用溝を有するバリエータ部品を加工するトロイダル型無段変速機用バリエータ部品の加工方法であって、
前記動力伝達用溝の溝側面切削用切れ刃と、溝底面切削用切れ刃、及び溝の両側面が前記バリエータ部品の端面と成す稜線を面取り切削する面取り切削用切れ刃とを有するブローチ工具を用い、
前記動力伝達用溝を、対向する一対毎に、前記動力伝達用溝の溝側面加工と溝底面加工とを同時的に行い、角部面取り加工を連続的に行うブローチ加工により切削することを特徴とするトロイダル型無段変速機用バリエータ部品の加工方法。 - 前記動力伝達用溝は、素材に下溝を形成する成形工程と、該下溝に位相を合わせた状態で前記ブローチ工具を相対的に移動させることにより前記ブローチ加工を行うブローチ工程とを含む工程により加工されることを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機用バリエータ部品の加工方法。
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