JP4962153B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車や各種産業機械の変速機などに利用可能なトロイダル型無段変速機に関する。
例えば自動車用変速機として用いるダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機は、図7および図8に示すように構成されている。図7に示すように、ケーシング50の内側には入力軸1が回転自在に支持されており、この入力軸1の外周には、2つの入力側ディスク2,2と2つの出力側ディスク3,3とが取り付けられている。また、入力軸1の中間部の外周には出力歯車4が回転自在に支持されている。この出力歯車4の中心部に設けられた円筒状のフランジ部4a,4aには、出力側ディスク3,3がスプライン結合によって連結されている。
入力軸1は、図中左側に位置する入力側ディスク2とカム板(ローディングカム)7との間に設けられたローディングカム式の押圧装置12を介して、駆動軸22により回転駆動されるようになっている。また、出力歯車4は、2つの部材の結合によって構成された仕切壁(中間壁)13に対しアンギュラ玉軸受107を介して支持されるとともに、この仕切壁13を介してケーシング50内に支持されており、これにより、入力軸1の軸線Oを中心に回転できる一方で、軸線O方向の変位が阻止されている。
出力側ディスク3,3は、入力軸1との間に介在されたニードル軸受5,5によって、入力軸1の軸線Oを中心に回転自在に支持されている。また、図中左側の入力側ディスク2は、入力軸1にボールスプライン6を介して支持され、図中右側の入力側ディスク2は、入力軸1にスプライン結合されており、これら入力側ディスク2は入力軸1と共に回転するようになっている。また、入力側ディスク2,2の内側面(凹面;トラクション面とも言う)2a,2aと出力側ディスク3,3の内側面(凹面;トラクション面とも言う)3a,3aとの間には、パワーローラ11(図8参照)が回転自在に挟持されている。
図7中右側に位置する入力側ディスク2の内周面2cには、段差部2bが設けられ、この段差部2bに、入力軸1の外周面1aに設けられた段差部1bが突き当てられるとともに、入力側ディスク2の背面(図7の右面)は、入力軸1の外周面に形成されたネジ部に螺合されたローディングナット9に突き当てられている。これによって、入力側ディスク2の入力軸1に対する軸線O方向の変位が実質的に阻止されている。また、カム板7と入力軸1の鍔部1dとの間には、皿ばね8が設けられており、この皿ばね8は、各ディスク2,2,3,3の凹面2a,2a,3a,3aとパワーローラ11,11の周面11a,11aとの当接部に押圧力を付与する。
図7のA−A線に沿う断面図である図8に示すように、ケーシング50の内側であって、出力側ディスク3,3の側方位置には、両ディスク3,3を両側から挟む状態で一対のヨーク23A,23Bが支持されている。これら一対のヨーク23A,23Bは、鋼等の金属のプレス加工あるいは鍛造加工により矩形状に形成されている。そして、後述するトラニオン15の両端部に設けられた枢軸14を揺動自在に支持するため、ヨーク23A,23Bの四隅には、円形の支持孔18が設けられるとともに、ヨーク23A,23Bの幅方向の中央部には、円形の係止孔19が設けられている。
一対のヨーク23A,23Bは、ケーシング50の内面の互いに対向する部分に形成された支持ポスト64,68により、支持ポスト64,68を支点として揺動できるように支持されている。これらの支持ポスト64,68はそれぞれ、入力側ディスク2の内側面2aと出力側ディスク3の内側面3aとの間にある第1キャビティ221および第2キャビティ222にそれぞれ対向する状態で設けられている。
したがって、ヨーク23A,23Bは、各支持ポスト64,68に支持された状態で、その一端部が第1キャビティ221の外周部分に対向するとともに、その他端部が第2キャビティ222の外周部分に対向している。
第1および第2のキャビティ221,222は同一構造であるため、以下、第1キャビティ221のみについて説明する。
図8に示すように、ケーシング50の内側において、第1キャビティ221には、入力軸1に対し捻れの位置にある一対の枢軸(傾転軸)14,14を中心として揺動(傾転)する一対のトラニオン15,15が設けられている。なお、図8においては、入力軸1の図示は省略している。各トラニオン15,15は、その本体部である支持板部16の長手方向(図8の上下方向)の両端部に、この支持板部16の内側面(パワーローラ11)側に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部20,20を有している。そして、この折れ曲がり壁部20,20によって、各トラニオン15,15には、パワーローラ11を収容するための凹状のポケット部Pが形成される。また、各折れ曲がり壁部20,20の外側面には、各枢軸14,14が互いに同心的に設けられている。
支持板部16の中央部には円孔21が形成され、この円孔21には変位軸23の基端部(第1の軸部)23aが支持されている。そして、各枢軸14,14を中心として各トラニオン15,15を揺動(傾転)させることにより、これら各トラニオン15,15の中央部に支持された変位軸23の傾斜角度を調節できるようになっている。また、各トラニオン15,15の内側面から突出する変位軸23の先端部(第2の軸部)23bの周囲には、各パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の間に挟持されている。なお、各変位軸23,23の基端部23aと先端部23bとは、互いに偏心している。
また、前述したように、各トラニオン15,15の枢軸14,14はそれぞれ、一対のヨーク23A,23Bに対して揺動自在および軸方向(図8の上下方向)に変位自在に支持されており、各ヨーク23A,23Bにより、トラニオン15,15はその水平方向の移動を規制されている。前述したように、各ヨーク23A,23Bの四隅には円形の支持孔18が4つ設けられており、これら支持孔18にはそれぞれ、トラニオン15の両端部に設けた枢軸14がラジアルニードル軸受(傾転軸受)30を介して揺動自在(傾転自在)に支持されている。また、前述したように、ヨーク23A,23Bの幅方向(図8の左右方向)の中央部には、円形の係止孔19が設けられており、この係止孔19の内周面は円筒面として、支持ポスト64,68を内嵌している。すなわち、上側のヨーク23Aは、ケーシング50に固定部材52を介して支持されている支持ポスト64(球面ポスト)によって揺動自在に支持されており、下側のヨーク23Bは、支持ポスト68(球面ポスト)およびこれを支持する駆動シリンダ31の上側シリンダボディ61によって揺動自在に支持されている。
なお、各トラニオン15,15に設けられた各変位軸23,23は、入力軸1に対し、互いに180度反対側の位置に設けられている。また、これらの各変位軸23,23の先端部23bが基端部23aに対して偏心している方向は、両ディスク2,2,3,3の回転方向に対して同方向(図8で上下逆方向)となっている。また、偏心方向は、入力軸1の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、各パワーローラ11,11は、入力軸1の長手方向に若干変位できるように支持される。その結果、押圧装置12が発生するスラスト荷重に基づく各構成部材の弾性変形等に起因して、各パワーローラ11,11が入力軸1の軸方向に変位する傾向となった場合でも、各構成部材に無理な力が加わらず、この変位が吸収される。
また、パワーローラ11の外側面とトラニオン15の支持板部16の内側面との間には、パワーローラ11の外側面の側から順に、スラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受24と、スラストニードル軸受25とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受24は、各パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11の回転を許容するものである。このようなスラスト玉軸受24はそれぞれ、複数個ずつの玉26,26と、これら各玉26,26を転動自在に保持する円環状の保持器27と、円環状の外輪28とから構成されている。また、各スラスト玉軸受24の内輪軌道は各パワーローラ11の外側面(大端面)に、外輪軌道は各外輪28の内側面にそれぞれ形成されている。
また、スラストニードル軸受25は、トラニオン15の支持板部16の内側面と外輪28の外側面との間に挟持されている。このようなスラストニードル軸受25は、パワーローラ11から各外輪28に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これらパワーローラ11および外輪28が各変位軸23の基端部23aを中心として揺動することを許容する。
さらに、各トラニオン15,15の一端部(図8の下端部)にはそれぞれ駆動ロッド(枢軸14から延びる軸部)29,29が設けられており、各駆動ロッド29,29の中間部外周面に駆動ピストン(油圧ピストン)33,33が固設されている。そして、これら各駆動ピストン33,33はそれぞれ、上側シリンダボディ61と下側シリンダボディ62とによって構成された駆動シリンダ31内に油密に嵌装されている。これら各駆動ピストン33,33と駆動シリンダ31とで、各トラニオン15,15を、これらトラニオン15,15の枢軸14,14の軸方向に変位させる駆動装置32を構成している。
このように構成されたトロイダル型無段変速機の場合、駆動軸22の回転は、押圧装置12を介して、各入力側ディスク2,2および入力軸1に伝えられる。そして、これら入力側ディスク2,2の回転が、一対のパワーローラ11,11を介して各出力側ディスク3,3に伝えられ、更にこれら各出力側ディスク3,3の回転が、出力歯車4より取り出される。
入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比を変える場合には、一対の駆動ピストン33,33を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン33,33の変位に伴って、一対のトラニオン15,15が互いに逆方向に変位(オフセット)する。例えば、図8の左側のパワーローラ11が同図の下側に、同図の右側のパワーローラ11が同図の上側にそれぞれ変位する。その結果、これら各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の内側面2a,2a,3a,3aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン15,15が、ヨーク23A,23Bに枢支された枢軸14,14を中心として、互いに逆方向に揺動(傾転)する。
その結果、各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各内側面2a,3aとの当接位置が変化し、入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比が変化する。また、これら入力軸1と出力歯車4との間で伝達するトルクが変動し、各構成部材の弾性変形量が変化すると、各パワーローラ11,11およびこれら各パワーローラ11,11に付属の外輪28,28が、各変位軸23,23の基端部23a、23aを中心として僅かに回動する。これら各外輪28,28の外側面と各トラニオン15,15を構成する支持板部16の内側面との間には、それぞれスラストニードル軸受25,25が存在するため、前記回動は円滑に行われる。したがって、前述のように各変位軸23,23の傾斜角度を変化させるための力が小さくて済む。
ところで、上記構成のトロイダル型無段変速機において、トラニオン15,15の傾転角度すなわちトラニオン15,15に支持されたパワーローラ11,11の傾転角度が所定範囲を越えると、パワーローラ11,11の入力側および出力側ディスク2,3との接触部分(接触楕円)の一部が入力側ディスク2もしくは出力側ディスク3の内側面からはみ出した状態となる。この場合に、前記接触部分における面圧が高くなる。
そこで、トラニオン15,15の傾転角度の範囲は、トラニオンの左右への傾転角度が大きくなった際に、トラニオン15,15に接触する板状のストッパにより規制されている(例えば、特許文献1参照)。
また、ヨーク23Bに、当該ヨーク23Bの内側面から突出し、トラニオン15,15に接触するストッパを設けたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
図9に示すように、ストッパ41をヨーク23Bのトラニオン15の折れ曲がり壁部20に当接する位置に設けたものも知られているが、特許文献2においては、トラニオン15の支持板部16側が当接するようにストッパをヨーク23Bに設けている。
また、トラニオン15のストッパに当接する接触部位の耐摩耗性および耐衝撃性を上げるために、前記接触部位に高周波熱処理(焼き入れ)を施しているものが知られている。また、特許文献2においても、前記接触部位に高周波熱処理を施していることが記載されている。
なお、図9に示すトロイダル型無段変速機においては、図中上下の支持ポスト64,68が一体に接合されて1本の一体型ポスト65となっている。また、一体型ポスト65は、その上端部が支持ポスト64と同様の機能を有し、かつ、下端部が支持ポスト68と同様の機能を有するものとなっている。すなわち、一体型ポスト65の上端部が支持ポスト64として、ヨーク23Aを揺動自在に支持するとともに、固定部材52を介してケーシング50に支持されている。
また、一体型ポスト65の下端部が支持ポスト68として、ヨーク23Bを揺動自在に支持するとともに、駆動シリンダ31の上側シリンダボディに支持されている。
また、一体型ポスト65は、1つのキャビティ221に配置される一対のトラニオン15,15(パワーローラ11,11)の間の中央に配置されており、その配置位置が、入力軸1と直交する位置となっている。したがって、一体型ポスト65の長手方向の中央部には、入力軸1が貫通する貫通孔66が形成されている。また、一体型ポスト65の上下の端部は、その断面が円形とされるが、貫通孔66が形成される中央部は、入力軸1と直交する概略板状とされ、この一体型ポスト65の板状の中央部に、円形の貫通孔66が形成されるとともに、前後の側面の貫通孔66の周囲に貫通孔66と同心でかつ貫通孔66より径の大きな凹部661が形成されている。
また、トロイダル型無段変速機では、上述のようにトラニオン15に支持されたパワーローラ11を傾転軸方向に上下に移動(オフセット)することで変速(トラニオン15の傾転移動)する構成となっている。そして、上下方向のオフセットは、上述の駆動ピストン33,33と駆動シリンダ31とで行う。この場合に制御によっては、ピストン33の端面と駆動シリンダ31の内端面が接触することが考えられる。このため、ピストン33の端面と駆動シリンダ31の内端面の接触部分に磨耗が発生することが懸念される。また、トラニオン15の一方の枢軸14に接合し、かつ、ピストン33が取り付けられる駆動ロッド29の端部には、ピストン33を固定するナットが取り付けられているが、ピストン33端面と、駆動シリンダ31の内端面が接触した状態でトラニオン15が傾転した際にナットに当該ナットを外す回転方向の力がかかることが懸念される。
そこで、従来、ピストン33の端面と、駆動シリンダ31の内端面とが接触しないように、駆動シリンダ31を構成するシリンダボディと、駆動ロッド29のピストン33が固定される部分の上下の駆動シリンダ31の外側となる部分にそれぞれ取り付けられたワッシャとが、ピストンを枢軸14の軸方向に沿って変速機を減速させる方向もしくは加速させる方向に移動させた際に接触して、トラニオン15の枢軸14の軸方向に沿った移動を規制するトロイダル型無段変速機が知られている(例えば、特許文献3参照)。これにより、ピストン33の端面と駆動シリンダ31の内端面が接触する前に、ピストン33の移動が規制される。
また、トラニオン15の上側の枢軸14において、上側のヨーク23Aより上側となる位置にワッシャを設け、このワッシャが枢軸14と一体に回転する際にヨーク23Aに設けたストッパに当接することによりトラニオン15の傾転範囲を規制するとともに、ワッシャがヨーク23Aに当接することで、ヨーク23Aとトラニオン15との間での枢軸14の軸方向の変位を規制したものが知られている(例えば、特許文献4参照)。
また、上述のように、従来、トラニオン15およびパワーローラ11を傾転させて、変速比を変更する際には、トラニオン15を枢軸14の軸方向に移動してパワーローラ11の位置を入出力側ディスク2,3から枢軸14の軸方向にオフセットしていたが、トラニオン15を枢軸14の軸方向に沿って移動することなく、トラニオン15を枢軸14の軸周りに強制的に回転駆動することで、パワーローラ11を傾転して変速比を変更することも考えられている。
実開平6−43404号公報 特開2003−336708号公報 特開2000−18355号公報 特開2003−222217号公報
しかしながら、特許文献1に示される方法では、傾転範囲を規制する板状ストッパを取り付けるためのボルト等が必要となり、部品点数が多くなるとともに、組立作業が煩雑になる。
また、特許文献2や図9に示されるように、ヨークにストッパがあるのでは、ヨークの平らな板部にストッパとして凸部を作る必要があり、凸部によりヨークの重量が重くなるという問題がある。
また、特許文献2に示すように、トラニオンのストッパ接触部位に高周波熱処理を行う場合には、複雑な形状のトラニオンの一部に高周波熱処理を行う必要があり、コストが高くなってしまう。
特に、特許文献2に記載されているように、ラジアルニードル軸受(傾転軸受)により回転自在に支持されるトラニオンの枢軸の表面部も傾転軸受との当接による磨耗を防止するために熱処理(焼き入れ)が行われる。
そして、トラニオンにおいて、上述のストッパとの接触部位の熱処理部分と、枢軸表面の熱処理部分とが近接していると、一方の熱処理を施した部分に他方の熱処理における焼き戻しにより硬度の低下が生じてしまうなどの問題が発生する可能性がある。
すなわち、1つの部材としてのトラニオンの近接する二箇所で異なる熱処理を別々に行う場合に、より慎重な処理が求められ、処理コストが高くなってしまう。
また、トラニオンの枢軸方向の移動範囲も規制する場合には、上述のトラニオンの傾転範囲の規制機構に加えて、特許文献3に示されるようなトラニオンの枢軸方向の移動範囲を規制する機構を持たなければならず、さらに、構造が複雑になったり、部品点数が多くなったりするとともに、組立作業がより煩雑になる。
また、特許文献4では、トラニオンの傾転範囲を規制する機構と、ヨークとトラニオンとの枢軸の軸方向に沿った変位を規制する機構との両方に、枢軸に固定されるワッシャが共通して使用されるが、必ずしも駆動シリンダに対してトラニオンの枢軸の軸方向に沿った移動を規制しておらず、駆動シリンダの内端面と、ピストンの端面との接触を防止できない可能性があるとともに、2つの機構でワッシャが共通で使用されているが2つの機構全体としては部品点数が多く、必ずしも簡略な構造となっていない。
また、トラニオンを強制的に回転駆動して傾転させるタイプでは、トラニオンを枢軸方向に移動させる必要がなくなる。しかし、このようにトラニオンを強制的に回転駆動するようなトロイダル型無段変速機では、トルクが負荷され、各部が変形しても、パワーローラにサイドスリップ力が発生しないように、パワーローラは、入力軸と枢軸の延長線との両方に直交して、入力軸と枢軸の延長線との最短距離となる線分上に回転中心が位置する状態となっている必要がある。
また、トルクが負荷されると、入出力側ディスクから挟まれるように押された状態のパワーローラに傾転軸の軸方向に移動するように力がかかってしまう。
そして、パワーローラが枢軸方向に位置ずれして上述のようにオフセットされた状態となると、パワーローラを枢軸回りに回転させる力(サイドスリップ力)が作用してしまうことになり、上述のように傾転する。そこで、パワーローラがオフセットされないように強固に支持することが好ましい。
しかし、パワーローラは、後端側をトラニオンに支持された状態、すなわち、片持ち構造のため、パワーローラの支持軸が傾むいてパワーローラが僅かにオフセットしてしまい、サイドスリップ力が働き僅かに傾転してしまうことで、強制的にトラニオンを枢軸回りに回転して変速比を制御する際に、上述のオフセットに基くサイドスリップ力によるトラニオンの枢軸回りの回転が加わり、制御が不安定になってしまう。
本発明は、前記事情に鑑みて為されたもので、トラニオンの傾転範囲を規制することができ、かつ、傾転範囲を規制する機構における部品点数の増加を防止し、組立作業を効率化できるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載のトロイダル型無段変速機は、互いの内側面同士を対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、これらの両ディスク間に挟持される複数のパワーローラと、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの中心軸に対して捻れの位置にあり且つ互いに同心的に設けられた一対の枢軸を中心に傾転するとともに、前記各パワーローラを回転自在に支持する複数のトラニオンと、前記各トラニオンを前記枢軸の軸方向に変位させる駆動装置と、前記各トラニオンの前記各枢軸をそれぞれ傾転自在且つ軸方向に変位自在に支持するとともに、前記トラニオンの変位により揺動する一対のヨークと、ケーシングに固定されるとともに、前記一対のヨークをそれぞれ揺動自在に支持するポストとを備えるトロイダル型無段変速機において、
前記パワーローラの回転中心部を貫通し、当該パワーローラと同心的に設けられ、当該パワーローラを回転自在に支持し、先端部が当該パワーローラ先端から突出する支持軸を備え、
前記ポストは、前記枢軸の軸方向に沿って前記一対のヨーク間に架け渡されるように形成されるとともに、前記パワーローラの先端側に配置され、かつ、前記トラニオンの傾転に対応して移動する前記支持軸先端おり、
前記規制部材は、前記支持軸先端部の前記パワーローラの傾転に基く移動に沿って形成されるとともに、前記支持軸先端部が挿入される溝とされ、
前記溝の前記枢軸の軸方向に沿った幅が前記支持軸先端部の前記枢軸の軸方向に沿った径より広くされ、
前記トラニオンが前記枢軸の軸方向に沿って移動した際に、前記溝内に挿入される前記支持軸先端部が、前記溝の両内側面のうちの一方の内側面に接触することで、前記トラニオンの枢軸の軸方向に沿った移動範囲が前記溝に規制されることを特徴とする部の移動範囲を規制する規制部材を備えていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明において、パワーローラを回転自在に支持する支持軸をポストまで延長し、ポストに規制部材を設けることで、パワーローラおよびトラニオンの傾転範囲を規制できる。したがって、部品点数の増加を抑え、簡単な構造とし、組立作業を容易なものとすることができる。また、規制部材がトラニオンに直接接触しないので、トラニオンの枢軸以外の部分に熱処理を施す必要がなくなり、近接する二箇所に熱処理を施すことによる問題が発生しない。また、ヨークに規制部材を設けることもないので、ヨークに影響がない。
なお、入出力側ディスクからパワーローラに当該パワーローラの回転中心軸方向に沿うとともに、トラニオンの支持板部側に向う押し付け力が作用した状態では、トラニオンとパワーローラが一体に回転するので、トラニオンに支持軸が保持されていないくても、パワーローラと一体に傾転する支持軸の傾転が規制されることで、トラニオンの傾転もパワーローラと一体に規制されることになる。また、基本的にパワーローラ11の枢軸周りの回転範囲が規制されれば、パワーローラ11,11の入力側および出力側ディスク2,3との接触部分(接触楕円)の一部が入力側ディスク2もしくは出力側ディスク3の内側面からはみ出した状態となるのを防止できるので、実際には、トラニオンではなく、パワーローラの枢軸周りの回転が規制されればよく、支持軸の枢軸周りの回転範囲を規制すれば、支持軸を中心として回転するように設けられたパワーローラの枢軸周りの回転範囲、すなわち、傾転範囲が規制されることになる。
また、ポストに支持軸の先端部が挿入されるとともに、支持軸の先端部の傾転による移動方向に沿った溝を設けることにより、溝の長さ(支持軸先端部の傾転による移動方向の長さ)範囲でトラニオンの傾転範囲を規制し、溝の幅(枢軸の軸方向に沿った長さ)の範囲でトラニオンの枢軸の軸方向に沿った移動範囲を規制することができる。
すなわち、支持軸を延長し、かつ、ポストに溝を設けるだけの構成でトラニオンの傾転移動範囲と、枢軸の軸方向移動範囲の両方を規制でき、これらを両方規制する構成としても部品点数が増えることがない。従って、組立作業が煩雑になることもない。
本発明によれば、パワーローラを回転自在に支持する支持軸の先端部の移動範囲をポストに形成された規制部材で規制することで、部品点数を増やすことなく、トラニオンの傾転範囲を規制することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態について説明する。なお、本発明の特徴は、トラニオンの傾転範囲を規制するストッパとして機能するとともにヨークを支持するポストと、傾転範囲が規制される際に前記ポストと接触するパワーローラの支持軸とからなり、これによりトラニオンの傾転範囲を規制する構造にあり、その他の構成および作用は前述した従来の構成および作用と同様であるため、以下においては、本発明の特徴部分についてのみ言及し、それ以外の部分については、図7〜図9と同一の符号を付して簡潔に説明するに留める。
図1〜図3は本発明の第1の実施形態を示している。図1〜図3に示すように、本実施形態においては、パワーローラ11を支持する軸部のオフセットを回避しつつ、トラニオン15に対してパワーローラ11を円滑に揺動且つ転がり案内できるような構造が採用されている。より具体的には、外輪28は、スラスト玉軸受24の外輪を形成する概略円板状の外輪本体部28aと、この外輪本体部28aの内側面の中心から垂直に延び、パワーローラ11を回転可能に支持する支持軸28bとから成っている。
外輪28は、トラニオン15の内側の凹状のポケット部P内に収容されている。そして、トラニオン15の支持板部16の内側面と一対の折れ曲がり壁部20,20とにより形成された凹状のポケット部Pは、外輪28およびパワーローラ11を収容する収容空間となっている。なお、ここで、パワーローラ11の回転中心軸方向に沿う方向において、パワーローラ11に対してトラニオン15の支持板部16側を後方とし、支持板部16に対してパワーローラ11側を前方とする。
また、トラニオン15の支持板部16と外輪本体部28aとの間には、パワーローラ11に加わるスラスト方向(パワーローラ11の小端面側から大端面側に向かう方向)の荷重を支承するスラスト転がり軸受が介挿されている。
これにより、スラスト転がり軸受に押し付けられた状態で、外輪本体部28aは、パワーローラ11の回転中心軸と直交するとともに枢軸14,14と直交する方向に移動可能となる。
また、支持軸28bとパワーローラ11との間には、ラジアル転がり軸受が介挿されている。
また、支持軸28bは、パワーローラ11を貫通してパワーローラ11の前方に突出した状態とされ、止め輪により、パワーローラ11を回転可能に保持するようになっており、外輪28からパワーローラ11が脱落しない構造となっている。
すなわち、支持軸28bは、パワーローラ11の回転中心部を貫通し、当該パワーローラ11と同心的に設けられ、当該パワーローラ11を回転自在に支持し、先端部が当該パワーローラ11の先端から突出するように形成されている。
また、支持軸28bの先端部28cは、一体型ポスト65の入力軸1にほぼ沿う側面71に形成された溝72内に挿入されるようになっており、支持軸28bは、パワーローラ11の先端面から一体型ポスト65に達する位置まで前方に突出して形成されている。
なお、一体型ポスト65は、変速の中立位置で互いに対向する一対のパワーローラ11の間の中央に配置されている。
また、支持軸28bの先端部28cは、支持軸28bのトラニオン15が傾転した際の移動方向の略沿う方向、すなわち、パワーローラ11の回転中心軸方向と枢軸14,14の軸方向との両方に直交する方向の幅が、先端部28cより後方となる支持軸28bの本体より狭くされている。なお、先端部28cの枢軸14,14の軸方向に沿う長さは、先端部28cと支持軸28bの本体部とで同じとされている。
そして、幅が狭くされた先端部28cは、先端面が略円弧状の湾曲面とされている。
一体型ポスト65は、従来の一体型のポストとほぼ同様の構成を有するものとなっている。すなわち、一体型ポスト65の基本形状は、従来と同様となっており、上側の支持ポスト64と下側の支持ポスト68とを一体に連結した形状となっている。
この例において、一体型ポスト65は、そのパワーローラ11と対向し、入力軸1の軸方向に略沿う側面71,71が、枢軸14,14を中心として一体に傾転するトラニオン15、パワーローラ11、支持軸28bに対応して、枢軸14,14の中心を中心とする円弧に略沿った形状に湾曲して形成されている。
そして、一体型ポスト65の左右の側面71,71には、支持軸28bの先端部28cが挿入される溝72が形成されている。溝72は、基本的に入力軸1の軸方向に沿って形成されるが、上述の湾曲した側面に形成されるとともに、溝72の底部が溝72の長さ方向に沿って枢軸14,14を中心とする円弧状とされている。
すなわち、トラニオン15が枢軸14,14回りに傾転した際の支持軸28bの先端部28cの移動軌跡に沿って形成されている。
そして、溝72の長さ方向の左右両端部73,73には、支持軸28bの先端部28cが当接するようになっている。なお、左右両端部73,73においては、支持軸28bの先端部28cの湾曲した形状に対応して湾曲して形成され、先端部28cが溝72の左右両端部73,73の浅くなる底部に面接触するようになっている。
これにより、支持軸28bの先端部28cのトラニオン15の傾転に基く円弧状の移動が溝72の左右両端部73,73間の範囲に規制されるようになっている。
なお、入出力側ディスク2,3からパワーローラ11に作用する当該パワーローラ11の回転中心軸方向に沿った押付力により、パワーローラ11がトラニオン15の支持板部16に押し付けられた状態では、パワーローラ11およびトラニオン15が略一体に回転するので、支持軸28bの先端部28cの回転移動範囲が規制されることで、支持軸28bに支持されたパワーローラ11とトラニオン15との両方の傾転範囲が規制される。
また、基本的にパワーローラ11の枢軸14,14周りの回転移動範囲(傾転範囲)が規制されることで、パワーローラ11,11の入力側および出力側ディスク2,3との接触部分(接触楕円)の一部が入力側ディスク2もしくは出力側ディスク3の内側面からはみ出した状態となるのを確実に防止できる。
ここで、溝72は、その位置と両端部73,73間の範囲がパワーローラ11,11の入力側および出力側ディスク2,3との接触部分の一部が入力側ディスク2もしくは出力側ディスク3の内側面からはみ出した状態となるのを防止できる配置に設計されている。
したがって、溝72の範囲内で支持軸28bの先端部28cの移動範囲が規制されることで、支持軸28bに回転自在に支持されたパワーローラ11の傾転範囲が、当該パワーローラ11,11の入力側および出力側ディスク2,3との接触部分の一部が入力側ディスク2もしくは出力側ディスク3の内側面からはみ出した状態となるのを防止できる範囲とされる。
また、実際に支持軸28bの先端部28cの枢軸14回りの傾転移動の範囲を決めているのは、支持軸28bの先端部28cが予め設定された傾転範囲内で最も大きく左右に傾転した場合に先端部28cが接触する溝72の両端部73,73であり、この溝72の両端部73,73がトラニオン15の傾転に対応して移動する支持軸28bの先端部28cの移動範囲を規制する規制部材となる。
すなわち、一体型ポスト65は、枢軸14,14の軸方向に沿って一対のヨーク23A,23B間に架け渡されるように形成されるとともに、パワーローラ11の先端側に配置され、かつ、トラニオン15の傾転に対応して移動する支持軸28bの先端部28cの移動範囲を規制する規制部材を備えていることになる。
なお、パワーローラ11を傾転するためにトラニオン15が枢軸14,14の軸方向に沿って移動するように駆動装置32に駆動されることから、支持軸28b(の先端部28c)は、枢軸14,14の軸方向に沿って僅かに上下に移動可能である。したがって、溝72は、その枢軸14,14の軸方向に沿った幅が支持軸28bの先端部28cの枢軸14,14の軸方向に沿った径より長くされ、支持軸28bおよびパワーローラ11の枢軸14,14の軸方向に沿った移動を許容するようになっている。
以上のような第1の実施形態のトロイダル型無段変速機によれば、基本的にパワーローラ11の傾転範囲を規制する部材は、従来からある支持軸28bと一体型ポスト65とから構成されることになり、トロイダル型無段変速機の組み付け時(組立作業時)に、傾転範囲を規制するために部品点数が増加することがなく、組立作業が煩雑になるのを防止することができる。
すなわち、一体型ポスト65に溝72を形成し、支持軸28bに左右幅が後方側より狭くなる先端部28cを加工して形成するが、一体型ポスト65および支持軸28bに部品を取り付けるような作業は必要としない。
また、トラニオン15の支持板部16の上下端部の左右側面をストッパに当接して傾転範囲を規制することもないので、トラニオン15に熱処理を施すことがなく、熱処理によりトラニオン15に問題が生じることもない。
図4は本発明の第2の実施形態を示している。本実施形態は、第1の実施形態における一体型ポスト65に形成された溝72の枢軸方向に沿った幅を規定し、かつ、外輪28の背面からトラニオン15の支持板部16に形成された案内溝に挿入される後軸28dを設けたものである。以下に、第2実施形態の第1実施形態と異なる部分についてのみ言及し、それ以外の部分については、図1〜図3と同一の符号を付して簡潔に説明するに留める。
後軸28dは、第1の実施形態のトロイダル型無段変速機に設けても良いものであるが、トラニオン15に対する支持軸28bを有する外輪28の枢軸14,14の軸方向に沿った移動を規制するもので、トラニオン15と一体に支持軸28bを枢軸14,14の軸方向に移動可能としたものである。
また、これにより、支持軸28bの枢軸14,14の軸方向に沿った移動を規制すると、トラニオン15の枢軸14,14の軸方向に沿った移動も規制されるようになっている。
後軸28dは、支持軸28bと同心的に設けられるとともに、外輪本体部28aの中心から前方に延出する支持軸28bに対して、外輪本体部28aの中心から後方に突出するように形成されている。
これにより、支持軸28b、外輪本体部28a、後軸28dが同一心上に配置されている。
そして、後軸28dは、後述の第3の実施形態でも用いられるもので、第3の実施形態のトロイダル型無段変速機を示す図6(b)に示すように、円柱状に形成されるとともに、支持板部16に形成された案内溝161内に挿入されるようになっている。
なお、外輪本体部28aの背面と、トラニオン15の支持板部16の前面との間には、スラスト転がり軸受25aが配置されている。
この案内溝161は、枢軸14,14の軸方向とパワーローラ11の回転中心軸方向との両方に直交する方向に沿って形成されている。
また、案内溝161は、その枢軸14,14の軸方向に沿った幅が、後軸28dの径とほぼ等しくされている。なお、案内溝161の内側面と後軸28dの外周との間には、案内溝161の長さ方向(枢軸14,14の軸方向とパワーローラ11の回転中心軸方向との両方に直交する方向)にそって、当該案内溝161内に挿入された後軸28dがスライド移動可能な程度の僅かなクリアランスが設定されているが、案内溝161に挿入された後軸28dの枢軸14,14の軸方向に沿った移動を規制するようになっている。
また、案内溝161の長さは、トラニオン15に対するパワーローラ11(支持軸28b)の枢軸14,14の軸方向とパワーローラ11の回転中心軸方向との両方に直交する方向への移動範囲を規制するものとなっている。
このような後軸28dと、トラニオン15の支持板部16の案内溝161により、支持軸28bにかかる枢軸14,14の軸方向に沿った力を後軸28dを介して支持板部16に伝達可能となっている。
一方、一体型ポスト65に形成され、両端部73,73が規制部材として作用する溝72は、支持軸28bの先端部28cのパワーローラ11の傾転に基く移動に沿って形成されるとともに、支持軸28bの先端部28cが挿入されるものである。
また、第1の実施形態で記載したように、溝72の枢軸14,14の軸方向に沿った幅は、支持軸28bの先端部28c先端部の径より広くされている。
また、トラニオン15が駆動装置32により枢軸14,14の軸方向に沿って移動した際に、溝72内に挿入される支持軸28bの先端部28cが、溝72の両内側面のうちの一方の内側面に接触することで、トラニオン15の枢軸14,14の軸方向に沿った移動範囲が溝72に規制されるようになっている。
ここで、図4に示すように、トラニオン15が枢軸14,14の軸方向に沿った移動範囲の中央の中立位置にある場合の支持軸28bの先端部28cの上端と、溝72の上側の内側面との間隔をAとする。一方、駆動ピストン33の上端と、駆動シリンダ31の内側の上端(天井面)との間隔をBとする。この場合に、この例において、A<Bとなっている。また、支持軸28bの先端部28cの下端と、溝72の下側の内側面との間隔に対する駆動ピストン33の下端と、駆動シリンダ31の内側の下端(底面)との間隔の関係も同様となっている。
すなわち、駆動シリンダ31内の駆動ピストン33の上下の移動範囲に対して、駆動ピストン33と一体に移動する支持軸28bの先端部28cの溝72内の上下の移動範囲が狭くなっている。これにより、駆動ピストン33が上方に移動して、駆動シリンダ31の天井面に接触する前に、支持軸28bの先端部28cが溝72の上側の内側面に接触する。これにより、上述のように後軸28dによりトラニオン15と支持軸28bとが一体に枢軸14,14の軸方向に沿って移動自在となっているので、トラニオン15に枢軸14および駆動ロッド29を介して一体に接続された状態の駆動ピストン33の移動が停止し、駆動ピストン33が駆動シリンダ31の天井面に接触するのが防止される。
同様に、駆動ピストン33が下方に移動して、駆動シリンダ31の底面に接触する前に、支持軸28bの先端部28cが溝72の下側の内側面に接触する。これにより、上述の場合と同様に駆動ピストン33の移動が停止し、駆動ピストン33が駆動シリンダ31の底面に接触するのが防止される。
以上のような構成により、第2の実施形態のトロイダル型無段変速機は、第1の実施形態と同様の作用効果を奏するとともに、駆動ピストン33の上下端が駆動シリンダ31の上下の端面に接触するのを防止し、例えば、接触するとともにトラニオンが傾転することで、駆動ピストン33および駆動シリンダ31が磨耗するのを防止することができる。
図5および図6は本発明の第3の実施形態を示している。本実施形態は、第1および第2の実施形態において、駆動装置32によりトラニオン15およびパワーローラ11を枢軸14,14の軸方向に移動することで、パワーローラ11を傾転させて変速比を変更していたのに対して、トラニオン15およびパワーローラ11の枢軸14,14の軸方向に沿った位置を固定し、トラニオン15およびパワーローラ11を回転駆動することにより、変速比を変更するようにし、この際に、一体型ポスト65に設けられ、支持軸28bの先端部28cが挿入される溝72に支持軸28bを溝72の長さ方向に移動自在に支持させる構造としたものである。従って、トラニオン15を枢軸14,14の軸方向に沿って移動させるための構造が無いことを除いて、第3の実施形態のトロイダル型無段変速機は、第1の実施形態と同様の構成を有するものであり、第3の実施形態の第1の実施形態と異なる部分についてのみ言及し、それ以外の部分については、図1〜図3と同一の符号を付して簡潔に説明するに留める。
本実施形態では、トラニオン15を枢軸14,14の軸方向に移動しないことから、図6に示すように、上下のヨーク231A,231Bは、揺動せずに例えばケーシング50に固定された状態となっている。
また、トラニオン15の上下の枢軸14,14は、それぞれ上下のヨーク231A,231Bに対して、ラジアル軸受30a,30aを介して枢軸14,14の軸心回りに回転自在に取り付けられている。なお、枢軸14,14およびラジアル軸受30a,30aは、上下のヨーク231A,231Bに挟まれた状態で、枢軸14,14の軸方向に沿った移動が規制された状態となっており、入出力側ディスク2,3に対してパワーローラ11が枢軸14,14の軸方向に移動しないようになっている。
このような状態で上側の枢軸14,14には、枢軸14,14を延長するように伝達軸114,114が接続されている。枢軸14,14と伝達軸114,114とは同心的に配置されている。
そして、伝達軸114,114の上端部には、伝達軸114,114と同心的かつ一体に回転自在にピニオン113,113が固定されている。
そして、伝達軸114,114は、ピニオン113,113を挟んだ状態の上下2箇所でラジアル軸受115,115により回転自在に支持されている。なお、ラジアル軸受115,115は、ケーシング50に固定されている。
そして、左右のピニオン113,113の間には、左右側縁部にラック112,112を備えたラック駆動軸111が配置されている。ラック駆動軸111は、入力軸1と平行に配置され、入力軸1の軸方向に沿って駆動されるようになっている。そして、ラック駆動軸111を入力軸1の軸方向に沿って移動させることで、左右のラック112,112が入力軸1の軸方向に沿って移動するとともに、左右のラック112,112に噛み合っている左右のピニオン113,113が回転するようになっている。これにより、ピニオン113,113と一体に回転する伝達軸114,114が接続されている枢軸14,14が回転し、トラニオン15,15および互いに対向するパワーローラ11,11が傾転することになる。
そして、入出力側ディスク2,3に挟持された状態の一対のパワーローラ11が互いに逆方向に同期して回転し、変速比が変更されるようになっている。すなわち、本実施形態では、直接パワーローラ11を傾転させるように駆動することで変速比が決定可能となっている。なお、左右側縁部にラック112,112を備えたラック駆動軸111は、図示しない駆動手段により、ラック駆動軸111の軸方向、すなわち、入力軸1の軸方向に沿って任意の移動量で移動可能となっており、これにより、トラニオン15,15およびパワーローラ11,11の傾転角度を任意の傾転角度とすることができるようになっている。
すなわち、本実施形態においては、トロイダル型無段変速機が、トラニオン15,15を前記枢軸14,14回りに回転駆動する駆動手段を備え、駆動手段の一部として、左右側縁部にラック112,112を備えたラック駆動軸111と、当該ラック112,112と、ラック112,112に噛み合うとともに、枢軸14,14に同心的に接合された伝達軸114,114を備えるものとなっている。
そして、本実施形態においても、溝72を有する一体型ポスト65が用いられるが、上述のようにヨーク231A、231Bが揺動せずに固定された状態となっていることから、ヨーク231Aおよび231Bを揺動自在に支持するポストは必要なく、この例において、一体型ポスト65は、例えば、支持軸28bの先端部28cをパワーローラ11の傾転に基いて移動可能に支持するためのものとなっている。
一体型ポスト65は、その中央部に入力軸1が貫通する貫通孔66が形成されている。そして、一体型ポスト65は、その上下端部が上下のヨーク231A,231Bを揺動自在に支持するのではなく、これらヨーク231A,231Bに固定的に支持されている以外の構成は、第1および第2の実施形態と同様の構成となっている。
ここで、一体型ポスト65のパワーローラ11,11に対向する側面71,71にそれぞれ形成される溝72,72は、その枢軸14,14の軸方向に沿った幅が異なる以外は、第1および第2の実施形態と同様の構成となっている。
第1および第2の実施形態では、トラニオン15の枢軸14,14の軸方向に沿った移動に伴なって、支持軸28b、28bの先端部28c、28cが枢軸14,14の軸方向に移動することから、溝72,72の枢軸14,14の軸方向に沿った幅が、当該溝72,72に挿入される先端部28c、28cの径より広くされていたが、この例では、トラニオン15および支持軸28b,28bの先端部28c,28cが枢軸14,14の軸方向に移動しないことから、溝72,72の枢軸14,14の軸方向に沿った幅と、同じく枢軸14,14の軸方向に沿った先端部28c、28cの径とがほぼ等しくされている。
なお、先端部28c、28cは、トラニオン15,15およびパワーローラ11,11の傾転に応じて溝72沿って溝72内を移動するので、先端部28c、28cの枢軸方向に沿った径に対して、溝72,72の同方向の幅が先端部28c、28cを円滑に溝72,72沿って移動可能となる程度のクリアランス分だけ広くなっている。
ただし、溝72,72に挿入された支持軸28b、28bの先端部28c、28cは、枢軸14,14の軸方向に沿った移動を溝72,72により規制されるように溝72,72に挿入されている必要があり、先端部28c、28cの溝72,72の長さ方向に沿った円滑な移動を妨げない範囲で、上述のクリアランスはできるだけ小さい方が好ましい。
そして、支持軸28b、82bが溝72,72に挿入された状態で、溝72,72の左右端部73,73に接触することでパワーローラ11,11およびトラニオン15,15の傾転範囲が規制される構成は、第1および第2の実施形態と同様である。
それに加えて、本実施形態では、上述のように溝72,72により支持軸28b、28bの先端部28c、28cが、パワーローラ11,11およびトラニオン15,15の傾転による移動を規制範囲内で許容された状態で、枢軸14,14の軸方向に沿った移動が規制されるようになっている。すなわち、支持軸28b,28bの先端部28c,28cが溝72,72に挿入されることで、支持軸28b,28bの先端部28c,28cが溝72,72の範囲内でトラニオン15,15の傾転に基づく移動が規制されるとともに、溝72,72に支持されることになる。
また、第2の実施形態と同様に、図6(b)に示すように、外輪28の背面から後方に突出する後軸28dがトラニオン15の支持板部16に形成された案内溝161に挿入され、後軸28dの枢軸14の軸方向と、後軸28dの軸方向(パワーローラ11,11の回転中心軸方向)との両方向に直交する方向への移動を許容した状態で、枢軸14,14の軸方向に沿った移動を規制している。
また、案内溝161が形成されるトラニオン15は、上述のように上下のヨーク231A,231Bにより枢軸14,14の軸方向に沿った移動が規制されている。
従って、外輪28として、一体に同心上に形成される支持軸28bの先端部28cおよび後軸28dがそれぞれ枢軸14,14への軸方向への移動が規制されている。
すなわち、支持軸28bの先端側が一体型ポスト65により枢軸14,14の軸方向に沿って移動しないように支持され、支持軸28bの後端側がトラニオン15により枢軸の軸方向に沿って移動しないように支持されている。
以上の構成から、パワーローラ11,11の回転中心に配置されて、パワーローラ11,11を回転自在に支持する支持軸28b、28bの前後端部が枢軸14,14の軸方向に沿って移動しないように支持された状態となり、パワーローラ11,11の枢軸14,14の軸方向に沿った移動が阻止される。
ここで、中立位置で、入力軸1とパワーローラ11,11の回転中心軸とが直交する状態において、前記回転中心軸と一致する入出力側ディスク2,3の1つの半径に沿った線(枢軸14の中心線に直交した状態に繋がり、入力軸1の中心線に直交した状態に繋がる線、枢軸14の中心線と、入力軸1の中心線とを最短でつなぐ線分)に対して、パワーローラ11,11の回転中心軸が前記線に直交する枢軸14,14の軸方向に移動すると、パワーローラ11,11に枢軸14,14を傾転中心とする傾転方向への力が作用することになる。また、パワーローラ11,11の回転中心軸が枢軸14,14の軸方向に傾いても、パワーローラ11,11に枢軸14,14を傾転中心とする傾転方向への力が作用することになる。なお、前記線とパワーローラ11,11の回転中心軸が一致するか接している状態(交点を有して交差した状態)では、傾転方向への力が作用しない。
そして、本実施形態では、駆動手段によりトラニオン15,15を枢軸14,14の軸周りに回転駆動(傾転駆動)して、トラニオン15,15およびパワーローラ11,11を任意の傾転角度とすることにより所望の変速比を得られるように制御しているので、上述のようにパワーローラ11,11が枢軸14,14の軸方向に移動したり、パワーローラ11,11の回転中心軸が傾いたりすることで、パワーローラ11,11に傾転するように力が作用すると、所望の変速比となるように設定されたパワーローラ11,11の傾転角度が僅かにでもずれる可能性があり、変速比の制御が不安定となる。
それに対して、本実施形態では、パワーローラ11,11の回転中心に配置されて、パワーローラ11,11を回転自在に支持する支持軸28b、28bが先端側と後端側の両方において、枢軸14,14の軸方向に沿って移動しないように支持されるので、パワーローラ11,11が枢軸14,14の軸方向に移動したり、パワーローラ11,11の回転中心軸が傾いたりすることが防止され、安定した変速比の制御を行うことができる。
本発明は、シングルキャビティ型やダブルキャビティ型などの様々なハーフトロイダル型無段変速機に適用することができる。
本発明の第1の実施形態に係るトロイダル型無段変速機のパワーローラ、支持軸およびトラニオンと一体型ポストとを示す斜視図である。 前記パワーローラ、支持軸およびトラニオンと一体型ポストとを示す斜視図である。 図1のB−B線に沿う断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るトロイダル型無段変速機の入力軸に直交する断面を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態に係るトロイダル型無段変速機を示す平面図である。 図5のC−C線に沿う断面図(a)と、この断面図のZ−Z線に沿う要部断面図(b)である。 従来から知られているトロイダル型無段変速機の具体的構造の一例を示す断面図である。 図7のA−A線に沿う断面図である。 従来のヨークにストッパを有するトロイダル型無段変速機の断面図である。である。
符号の説明
2 入力側ディスク
3 出力側ディスク
11 パワーローラ
14 枢軸
15 トラニオン
23A,23B ヨーク
28b 支持軸
28c 支持軸の先端部
32 駆動装置
50 ケーシング
65 一体型ポスト(ポスト)
72 溝(規制部材)
73 溝の端部(規制部材)
111 ラック駆動軸(駆動手段)
112 ラック(駆動手段)
113 ピニオン(駆動手段)

Claims (1)

  1. 互いの内側面同士を対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、これらの両ディスク間に挟持される複数のパワーローラと、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの中心軸に対して捻れの位置にあり且つ互いに同心的に設けられた一対の枢軸を中心に傾転するとともに、前記各パワーローラを回転自在に支持する複数のトラニオンと、前記各トラニオンを前記枢軸の軸方向に変位させる駆動装置と、前記各トラニオンの前記各枢軸をそれぞれ傾転自在且つ軸方向に変位自在に支持するとともに、前記トラニオンの変位により揺動する一対のヨークと、ケーシングに固定されるとともに、前記一対のヨークをそれぞれ揺動自在に支持するポストとを備えるトロイダル型無段変速機において、
    前記パワーローラの回転中心部を貫通し、当該パワーローラと同心的に設けられ、当該パワーローラを回転自在に支持し、先端部が当該パワーローラ先端から突出する支持軸を備え、
    前記ポストは、前記枢軸の軸方向に沿って前記一対のヨーク間に架け渡されるように形成されるとともに、前記パワーローラの先端側に配置され、かつ、前記トラニオンの傾転に対応して移動する前記支持軸先端部の移動範囲を規制する規制部材を備えており、
    前記規制部材は、前記支持軸先端部の前記パワーローラの傾転に基く移動に沿って形成されるとともに、前記支持軸先端部が挿入される溝とされ、
    前記溝の前記枢軸の軸方向に沿った幅が前記支持軸先端部の前記枢軸の軸方向に沿った径より広くされ、
    前記トラニオンが前記枢軸の軸方向に沿って移動した際に、前記溝内に挿入される前記支持軸先端部が、前記溝の両内側面のうちの一方の内側面に接触することで、前記トラニオンの枢軸の軸方向に沿った移動範囲が前記溝に規制されることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
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