JP6787026B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents
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また、特許文献1には、トロイダル型無段変速機において、支持軸に供給される潤滑油をトラニオンの孔内に密封するシール部について記載されている。
さらに、特許文献3には、スラストニードル軸受において、他方の軌道輪に、鍔と保持器の間を通る突壁を設け、突壁に、一方の軌道輪の軌道面に対してニードル側に進むに連れて漸次接近する傾斜面を形成することにより、スラストニードル軸受内に入った潤滑油の一部が、軌道輪の軌道面と傾斜面と鍔とで形成される空間に保持することについて記載されている。
パワーローラはそのスラスト荷重を受けながら、さらにローディングカム式の押圧装置によって押付けられて、軸方向に移動するディスクに合わせて揺動するため、パワーローラの背面(外側面)とトラニオンの内側面との間に前記スラストニードル軸受が設けられている。
スラストニードル軸受にはトラニオン、パワーローラの外輪に加工された油穴より潤滑油を供給しているが、潤滑油の供給油穴は、剛性ダウンが懸念されるため多くは設けられず、また油量においてもパワーローラの軸受(スラスト玉軸受)、支持軸(変位軸)のラジアルニードル軸受への必要流量の確保のため、スラストニードル軸受への供給量は少ないうえ、供給された潤滑油がスラストニードル軸受の外周側から漏れ出て、潤滑油不足の虞がある。
その結果、パワーローラの背面およびスラストニードル軸受のレース面にはフレッチングが発生している場合が多い。スラストニードル軸受にフレッチングが発生すると、パワーローラがスムーズに揺動できない他、パワーローラの組付け寸法が変わり伝達効率のダウンが懸念される。
前記トラニオンの内側面に前記軸受の外側において設けられたシール受面と、前記外輪の外周面に設けられ、かつ前記シール受面に密接して前記軸受の潤滑油を密封するシール部材とを備えていることを特徴とする。
また、シール部材が外輪の外周面に設けられているので、外輪の径方向外側においてシール部材をシール受面に密接させることができる。したがって、軸受に、より十分に潤滑油を確保できる。
また、軸受からの潤滑油の漏れを低減できるので、パワーローラの回転を支持する支持軸の軸受への潤滑流量を確保し、ポンプロスも低減することができる。
前記密接部の締め代は、トロイダル型無段変速機の運転時における前記トラニオンの変形量よりも大きく設定されているのが好ましい。
なお、本実施形態のトロイダル型無段変速機の主な特徴は、トラニオンにシール部材を設ける点であり、その他の構成および作用は図6および図7に示す従来のトロイダル型無段変速機と同様であるので、以下では実施の形態の特徴部分について説明し、それ以外の部分については、図6および図7と同一の符号を付してその説明を省略または簡略化する。
トラニオン15は、上下に長尺な支持板部16と、この支持板部16の両端部(上下端部)に、この支持板部16の内側面側に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部20,20を有している。この折れ曲がり壁部20,20によって、トラニオン15には、パワーローラ11を収容するための凹状のポケット部Pが形成されている。また、各折れ曲がり壁部20,20の外側面には、枢軸14,14が互いに同心的に設けられている。
このうち、スラスト玉軸受24は、パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、パワーローラ11の回転を許容するものである。このようなスラスト玉軸受24はそれぞれ、複数個ずつの玉(以下、転動体という)26,26と、これら各転動体26,26を転動自在に保持する円環状の保持器27と、円環状の外輪28とから構成されている。また、スラスト玉軸受24の内輪軌道はパワーローラ11の外側面(大端面)に、外輪軌道は外輪28の内側面にそれぞれ形成されている。
このようなスラストニードル軸受25は、パワーローラ11から外輪28に加わるスラスト荷重を支承しつつ、パワーローラ11および外輪28が変位軸23の基端部23aを中心として揺動することを許容する。
油路80はトラニオン15外から潤滑油を当該トラニオン15の内部に導入するための導入油路80であって、トラニオン15の下側の折れ曲がり壁部20に枢軸14の軸方向と平行に設けられた油路80aと、この油路80aに接続されるとともに、枢軸14の軸方向に対して傾斜して設けられた油路80bとから構成されている。
また、油路81の下端部に油路80bが接続されている。油路81はトラニオン15の支持板部16を上下に貫通して設けられており、油路81の上下端部の開口にはそれぞれ栓部材81aが嵌め込まれている。この油路81の中間部には、支持軸23の基端部23aを支持するラジアルニードル軸受23cを嵌め込むための孔が設けられており、この孔を介して油路81からラジアルニードル軸受23cに潤滑油が供給されるようになっている。
また、油路81の中央部には油路83が接続されている。この油路83はパワーローラ11側に潤滑油を供給するものであり、その先端部は支持板部16の内側面の凹所17の底面に開口している。この油路83からスラストニードル軸受25に潤滑油が供給されるようになっている。
また、外輪28には油路75が設けられている。油路75は外輪28をその厚さ方向に貫通して設けられており、この油路75からスラスト玉軸受24に潤滑油を供給するようになっている。
本体部110aの内径は、外輪28の外径より所定寸法だけ小さくなっており、これによって、本体部110aは外輪28の外周面に弾性的に圧着された状態で嵌め込まれている。
密接部110bは、本体部110aのシール受面100側を向く内周縁部から径方向外側にシール部材110の軸と傾斜してシール受面100側に向けて延在するような、円錐筒状に形成されており、その先端縁部がシール受面100に弾性的に密接している。
したがって、凹所17に設けられたスラストニードル軸受25に供給される潤滑油は密接部110bによってその内側に密封されている。
すなわち、トロイダル型無段変速機の運転時には、トラクション部からパワーローラ11、外輪28を介してトラニオン15の支持板部16に加わるスラスト荷重により、トラニオン15が外輪28を設置した側が凹となる方向に弓なりに弾性変形する。これに伴って、図4(a)に示すように、シール受面100も凹曲面状に弾性変形する。
したがって、シール受面100が凹曲面状に弾性変形しても、シール部材110の密接部110bの先端部が常にシール受面100に弾性的に密接するように、密接部110bの締め代が設定されている。
また、トロイダル型無段変速機の運転時にトラニオン15には、上述したスラスト荷重等が繰り返し作用するため、図4(b)に示すように、シール受面100の表面にうねりが生じる場合がある。
したがって、シール受面100の表面にうねりが生じるように変形しても、シール部材110の密接部110bの先端部が常にシール受面100に弾性的に密接するように、密接部110bの締め代が設定されている。
このように、外輪28が揺動するために、この揺動に伴って、当該外輪28の外周面に設けられているシール部材110も、図5に示すように、変位軸23の基端部23aの中心O回りに矢印方向に揺動する。
したがって、外輪28が揺動する際のシール部材110のシール受面100に対する接触部、すなわち、密接部110bの先端部の移動範囲よりも、シール受面100が大きい形状となっている。つまり、シール受面100は、密接部110bの先端部の移動範囲を含むような大きな形状となっている。なお、図5において、シール受面100にはハッチングを施している。
また、スラストニードル軸受25からの潤滑油の漏れを低減できるので、パワーローラ11の回転を支持する支持軸23のラジアルニードル軸受23dへの潤滑流量を確保し、ポンプロスも低減することができる。
また、凹所117には、平板リング状のレース125aが設けられており、このレース125aと、パワーローラ11の外輪28との間にスラストニードル軸受125が設けられている。外輪28の外周部の外側面側にリング状の凹部が形成され、この凹部にスラストニードル軸受125の一部が嵌め込まれている。また、外輪28は支持軸23と一体的に形成されている。
また、油路81は支持板部16を上下に貫通しておらず、油路81の先端部が油路83に接続されている。この油路83から凹所117に設けられたレース125aの内側に潤滑油が供給され、ここから外輪28とレース125aとの間の隙間を通ってスラストニードル軸受125に潤滑油が供給されるようになっている。
このシール受面101にシール部材111が密接されている。シール部材111は、前記シール部材110と同様に、円形リング状の本体部111aと、この本体部111aの内周縁部に当該本体部111aと一体的に形成された密接部111bとから構成されているが、密接部111bは前記密接部110bより長くなっている。これは、シール受面101が凹所117の底面に形成されているためである。そして、この密接部111bの先端部が上述した前記密接部110bと同様の締め代にて、シール受面101に弾性的に密接している。また、密接部111bの先端部の移動範囲よりも、シール受面101が大きい形状となっている。
本実施の形態では、上述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
3 出力側ディスク
11 パワーローラ
14 枢軸
15 トラニオン
25,125 スラストニードル軸受(軸受)
28 外輪
100,101 シール受面
110,111 シール部材
Claims (1)
- それぞれの内側面どうしを互いに対向させた状態で互いに同心的にかつ回転自在に設けられた入力側ディスクおよび出力側ディスクと、これら両ディスクの間に挟持されるパワーローラと、このパワーローラを回転自在に支持するとともに、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの中心軸に対して捻れの位置にある枢軸を中心に傾転するトラニオンと、前記トラニオンの内側面と前記パワーローラの外輪の外側面との間に設けられ、前記パワーローラから前記トラニオンに加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、前記パワーローラの揺動を許容する軸受と、を備えたトロイダル型無段変速機において、
前記トラニオンの内側面に前記軸受の外側において設けられたシール受面と、前記外輪の外周面に設けられ、かつ前記シール受面に密接して前記軸受の潤滑油を密封するシール部材とを備え、
前記シール部材は、前記外輪の外周面に設けられた本体部と、この本体部に一体的に設けられて前記シール受け面に弾性的に密接する密接部とを備え、
前記密接部の締め代は、トロイダル型無段変速機の運転時における前記トラニオンの変形量よりも大きく設定されていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
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JP2016202184A JP6787026B2 (ja) | 2016-10-14 | 2016-10-14 | トロイダル型無段変速機 |
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JP2016202184A JP6787026B2 (ja) | 2016-10-14 | 2016-10-14 | トロイダル型無段変速機 |
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Family Cites Families (2)
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2016
- 2016-10-14 JP JP2016202184A patent/JP6787026B2/ja active Active
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