JP2012112483A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機 Download PDF

Info

Publication number
JP2012112483A
JP2012112483A JP2010263255A JP2010263255A JP2012112483A JP 2012112483 A JP2012112483 A JP 2012112483A JP 2010263255 A JP2010263255 A JP 2010263255A JP 2010263255 A JP2010263255 A JP 2010263255A JP 2012112483 A JP2012112483 A JP 2012112483A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
trunnion
yokes
contact
oil
oil hole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010263255A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5673022B2 (ja
Inventor
Hirotaka Kishida
寛孝 岸田
Takashi Imanishi
尚 今西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2010263255A priority Critical patent/JP5673022B2/ja
Publication of JP2012112483A publication Critical patent/JP2012112483A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5673022B2 publication Critical patent/JP5673022B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Friction Gearing (AREA)

Abstract

【課題】トラニオンやヨークの加工コストを増加させることなく、トラニオンとヨークとの接触による摩擦および摩耗を抑制できるトロイダル型無段変速機を提供する。
【解決手段】トラニオン15のヨーク23A、23Bと対向するそれぞれの端面には、潤滑油用の油路になる油穴74,75の閉塞すべき開口部が設けられている。これらの開口部には、対抗するヨーク23A,23Bに接触する接触部材83が取り付けられている。この接触部材83は、油穴74,75の開口部を閉塞するとともに、トラニオン15とヨーク23A,23Bとの接触を防止し、トラニオン15のヨーク23A,23Bとの接触による磨耗を抑制している。さらに、トラニオン15とヨーク23A,23Bとの間の摩擦を低減している。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車や各種産業機械の変速機などに利用可能なトロイダル型無段変速機に関する。
例えば自動車用変速機として用いるダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機は、図3および図4に示すように構成されている。図3に示すように、ケーシング50の内側には入力軸(中心軸)1が回転自在に支持されており、この入力軸1の外周には、2つの入力側ディスク2,2と2つの出力側ディスク3,3とが取り付けられている。また、入力軸1の中間部の外周には出力歯車4が回転自在に支持されている。この出力歯車4の中心部に設けられた円筒状のフランジ部4a,4aには、出力側ディスク3,3がスプライン結合によって連結されている。
入力軸1は、図中左側に位置する入力側ディスク2とカム板7との間に設けられたローディングカム式の押圧装置12を介して、駆動軸22により回転駆動されるようになっている。また、出力歯車4は、2つの部材の結合によって構成された仕切壁13を介してケーシング50内に支持されており、これにより、入力軸1の軸線Oを中心に回転できる一方で、軸線O方向の変位が阻止されている。
出力側ディスク3,3は、入力軸1との間に介在されたニードル軸受5,5によって、入力軸1の軸線Oを中心に回転自在に支持されている。また、図中左側の入力側ディスク2は、入力軸1にボールスプライン6を介して支持され、図中右側の入力側ディスク2は、入力軸1にスプライン結合されており、これら入力側ディスク2は入力軸1と共に回転するようになっている。また、入力側ディスク2,2の内側面(凹面)2a,2aと出力側ディスク3,3の内側面(凹面)3a,3aとの間には、パワーローラ11(図4参照)が回転自在に挟持されている。
図3中右側に位置する入力側ディスク2の内周面2cには、段差部2bが設けられ、この段差部2bに、入力軸1の外周面1aに設けられた段差部1bが突き当てられるとともに、入力側ディスク2の背面(図3の右面)がローディングナット9に突き当てられている。これによって、入力側ディスク2の入力軸1に対する軸線O方向の変位が実質的に阻止されている。また、カム板7と入力軸1の鍔部1dとの間には、皿ばね8が設けられており、この皿ばね8は、各ディスク2,2,3,3の凹面2a,2a,3a,3aとパワーローラ11,11の周面11a,11aとの当接部に押圧力を付与する。
図4は、図3のA−A線に沿う断面図である。図4に示すように、ケーシング50の内側には、入力軸1に対し捻れの位置にある一対の枢軸14,14を中心として揺動する一対のトラニオン15,15が設けられている。なお、図4においては、入力軸1の図示は省略している。各トラニオン15,15は、支持板部16の長手方向(図4の上下方向)の両端部に、この支持板部16の内側面側に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部20,20を有している。そして、この折れ曲がり壁部20,20によって、各トラニオン15,15には、パワーローラ11を収容するための凹状のポケット部Pが形成される。また、各折れ曲がり壁部20,20の外側面には、各枢軸14,14が互いに同心的に設けられている。
支持板部16の中央部には円孔21が形成され、この円孔21には変位軸23の基端部(第1の軸部)23aが支持されている。そして、各枢軸14,14を中心として各トラニオン15,15を揺動させることにより、これら各トラニオン15,15の中央部に支持された変位軸23の傾斜角度を調節できるようになっている。また、各トラニオン15,15の内側面から突出する変位軸23の先端部(第2の軸部)23bの周囲には、各パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の間に挟持されている。なお、各変位軸23,23の基端部23aと先端部23bとは、互いに偏心している。
また、各トラニオン15,15の枢軸14,14はそれぞれ、一対のヨーク23A,23Bに対して揺動自在および軸方向(図4の上下方向)に変位自在に支持されており、各ヨーク23A,23Bにより、トラニオン15,15はその水平方向の移動を規制されている。各ヨーク23A,23Bは鋼等の金属のプレス加工あるいは鍛造加工により矩形状に形成されている。各ヨーク23A,23Bの四隅には円形の支持孔18が4つ設けられており、これら支持孔18にはそれぞれ、トラニオン15の両端部に設けた枢軸14がラジアルニードル軸受30を介して揺動自在に支持されている。また、ヨーク23A,23Bの幅方向(図3の左右方向)の中央部には、円形の係止孔19が設けられており、この係止孔19の内周面は球状凹面として、球面ポスト64,68を内嵌している。すなわち、上側のヨーク23Aは、ケーシング50に固定部材52を介して支持されている球面ポスト64によって揺動自在に支持されており、下側のヨーク23Bは、球面ポスト68およびこれを支持する駆動シリンダ31の上側シリンダボディ61によって揺動自在に支持されている。
なお、各トラニオン15,15に設けられた各変位軸23,23は、入力軸1に対し、互いに180度反対側の位置に設けられている。また、これらの各変位軸23,23の先端部23bが基端部23aに対して偏心している方向は、両ディスク2,2,3,3の回転方向に対して同方向(図4で上下逆方向)になっている。また、偏心方向は、入力軸1の配設方向に対して略直交する方向になっている。したがって、各パワーローラ11,11は、入力軸1の長手方向に若干変位できるように支持される。その結果、押圧装置12が発生するスラスト荷重に基づく各構成部材の弾性変形等に起因して、各パワーローラ11,11が入力軸1の軸方向に変位する傾向になった場合でも、各構成部材に無理な力が加わらず、この変位が吸収される。
また、パワーローラ11の外側面とトラニオン15の支持板部16の内側面との間には、パワーローラ11の外側面の側から順に、スラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受(スラスト軸受)24と、スラストニードル軸受25とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受24は、各パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11の回転を許容するものである。このようなスラスト玉軸受24はそれぞれ、複数個ずつの玉(以下、転動体という)26,26と、これら各転動体26,26を転動自在に保持する円環状の保持器27と、円環状の外輪28とから構成されている。また、各スラスト玉軸受24の内輪軌道は各パワーローラ11の外側面(大端面)に、外輪軌道は各外輪28の内側面にそれぞれ形成されている。
また、スラストニードル軸受25は、トラニオン15の支持板部16の内側面と外輪28の外側面との間に挟持されている。このようなスラストニードル軸受25は、パワーローラ11から各外輪28に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これらパワーローラ11および外輪28が各変位軸23の基端部23aを中心として揺動することを許容する。
さらに、各トラニオン15,15の一端部(図4の下端部)にはそれぞれ駆動ロッド(トラニオン軸)29,29が設けられており、各駆動ロッド29,29の中間部外周面に駆動ピストン(油圧ピストン)33,33が固設されている。そして、これら各駆動ピストン33,33はそれぞれ、上側シリンダボディ61と下側シリンダボディ62とによって構成された駆動シリンダ31内に油密に嵌装されている。これら各駆動ピストン33,33と駆動シリンダ31とで、各トラニオン15,15を、これらトラニオン15,15の枢軸14,14の軸方向に変位させる駆動装置32を構成している。
このように構成されたトロイダル型無段変速機の場合、入力軸1の回転は、押圧装置12を介して、各入力側ディスク2,2に伝えられる。そして、これら入力側ディスク2,2の回転が、一対のパワーローラ11,11を介して各出力側ディスク3,3に伝えられ、更にこれら各出力側ディスク3,3の回転が、出力歯車4より取り出される。
入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比を変える場合には、一対の駆動ピストン33,33を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン33,33の変位に伴って、一対のトラニオン15,15が互いに逆方向に変位する。例えば、図4の左側のパワーローラ11が同図の下側に、同図の右側のパワーローラ11が同図の上側にそれぞれ変位する。その結果、これら各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の内側面2a,2a,3a,3aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン15,15が、ヨーク23A,23Bに枢支された枢軸14,14を中心として、互いに逆方向に揺動する。
その結果、各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各内側面2a,3aとの当接位置が変化し、入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比が変化する。また、これら入力軸1と出力歯車4との間で伝達するトルクが変動し、各構成部材の弾性変形量が変化すると、各パワーローラ11,11およびこれら各パワーローラ11,11に付属の外輪28,28が、各変位軸23,23の基端部23a、23aを中心として僅かに回動する。これら各外輪28,28の外側面と各トラニオン15,15を構成する支持板部16の内側面との間には、それぞれスラストニードル軸受25,25が存在するため、前記回動は円滑に行われる。したがって、前述のように各変位軸23,23の傾斜角度を変化させるための力が小さくて済む。
ところで、トラクションドライブ式のトロイダル型無段変速機は、高い圧力下でガラス状に遷移する特殊な油(トラクション油)を用いて動力を伝達している。そのため、動力伝達状態では、ディスク2,3とパワーローラ11,11の接触点に、伝達するトルクに比例した押し付け力を与える必要がある。押し付け力を与えることにより両ディスク2,3に挟まれたパワーローラ11,11と、当該パワーローラ11,11を支持するトラニオン15,15とは外側に逃げるような大きな力を受ける。この力を支持するためにトラニオン15,15の上下には上述のヨーク23A,23Bが配置され、トラニオン15の枢軸14,14が支持されている。
このヨーク23A,23Bによりトラニオン15,15の外側への移動を規制している。なお、ヨーク23A,23Bが無い場合には、パワーローラ11,11が正しい位置からずれて効率の低下、寿命の低下を引き起こす虞がある。このヨーク23A,23Bは、上述の球面ポスト64,68や、ピンや突起等を中心として揺動するが、トラニオン15,15とヨーク23A、23Bの隙間を規制するものは無く、トラニオン15,15とヨーク23A、23Bは接触する可能性が高い。
この状態でトラニオン15,15が傾転軸(枢軸14,14の中心軸ロ)を中心とした回転運動(傾転運動)を行うと、トラニオン15,15の肩部(折れ曲がり壁部20,20の支持板部16側になる基端部)とヨーク23A,23Bが擦れ合うことによって摩擦抵抗が大きくなる。摩擦抵抗が大きくなると、傾転運動の妨げになり、動作が不安定になる虞がある。
この問題に対処するため、ヨーク23A,23Bのトラニオン15,15と接触する部分に突起を設け、接触面積を減らし傾転時の摩擦を低減することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、トラニオン15,15とヨーク23A,23Bが接触することによってトラニオン15,15のヨーク23A,23Bとの接触部分に摩耗が生じる。そこで、トラニオン15,15のヨーク23A、23Bと接触する部分に焼入れを施して表面硬度を高めることによって、摩耗を防ぐことが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、トラニオン15,15の枢軸14に設けられて傾転軸受になるラジアルニードル軸受30と当該トラニオン15,15の肩部との間にプレートを挟んで保持する構成とし、このプレートとヨーク23A,23Bとを接触させることによって、トラニオン15,15の摩耗を抑制することが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
また、トラニオン15,15とヨーク23A、23Bとの接触部において、どちらかに枢軸14,14の中心軸を中心とする円弧状の溝を設け、当該溝に複数個のボールを配置することによって、トラニオン15,15とヨーク23A,23Bとを転がり接触させ、摩擦と摩耗の両方を低減することが提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特開平7−174201号公報 特開2004−286053号公報 特開2005−121045号公報 特開2001−323982号公報
ところで、前記特許文献1の発明では、ヨークにトラニオンと接触する突起を設けることによって、摩擦を低減することができるが、ヨークとの接触によるトラニオンの摩耗を抑制することができない。また、ヨークに突起を設けることによって、コストの増加を招くことになる。
また、特許文献2の発明では、焼入れすることによって、トラニオンの摩耗を抑制できるが、摩擦を低減できるとは限らない。また、トラニオンに仕上げ加工が必要になりコストの増加を避けられない。
また、特許文献3の発明では、トラニオンやヨークの加工コストが増加することがないが、摩擦を低減できるとは限らない。
また、特許文献4の発明では、摩擦および摩耗の両方を低減できるが、例えば、トラニオンに円弧状の溝を形成するとともに、当該溝がボールの転送面になることから溝の表面加工が必要になり、加工コストが増加する。また、組み立て時にボールが落ちたり、位置ずれしたりしないようにする必要があり、作業性が悪いといった問題がある。
本発明は、前記事情に鑑みて為されたもので、トラニオンやヨークの加工コストを増加させることなく、トラニオンとヨークとの接触による摩擦および摩耗を抑制できるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載のトロイダル型無段変速機は、互いの内側面同士を対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、これらの両ディスク間に挟持される複数のパワーローラと、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの中心軸に対して捻れの位置にあり且つ互いに同心的に設けられた一対の枢軸を中心に傾転するとともに、前記各パワーローラを回転自在に支持する複数のトラニオンと、前記トラニオンを前記枢軸の軸方向に変位させる駆動装置と、前記トラニオンの前記一対の枢軸をそれぞれ揺動自在かつ軸方向に変位自在に支持するとともに、前記トラニオンの変位により揺動する一対のヨークとを備えているトロイダル型無段変速装置において、
前記トラニオンの前記ヨークと対向する少なくとも一方の端面には、潤滑油用の油路になる油穴の閉塞すべき開口部が設けられ、
当該開口部に前記ヨークに接触する接触部材が取り付けられて、前記開口部を閉塞していることを特徴とする。
本発明のトロイダル型無段変速機によれば、トラニオンの端面に形成された開口部に取り付けられた接触部材がヨークに接触し、トラニオンをヨークに接触しない構造とすることができるので、トラニオンの摩耗を抑制できる。また、接触部材はその形状によって、ヨークとの接触面を小さくすることが可能であり、トラニオンとヨークとの間に生じる摩擦力を低減することができる。
また、潤滑油の油路になる油穴の閉塞すべき開口部に接触部材を取り付けて閉塞することによって、開口部を閉塞するプラグを別途必要としない。すなわち、接触部材は、トラニオンとヨークとの直接の接触を規制するとともに、トラニオンに固定した状態でヨークに接触して、トラニオンの磨耗と、トラニオンとヨークとの間の摩擦とを低減し、かつ、油穴の開口部を閉塞するプラグ(栓)としても機能する。
これにより、接触部材のためだけにトラニオンに取付孔を設ける必要がなく、接触部材が油穴のプラグ兼ね、接触部材を油穴の開口部に取り付けることによってプラグの取り付けも行われることから、組み立て作業効率の向上と、コストの低減を図ることができる。
本発明の実施の形態のトロイダル型無段変速機を示す要部断面図である。 前記トロイダル型無段変速機のパワーローラを備えたトラニオンを示す斜視図である。 従来から知られているハーフトロイダル型無段変速機の具体的構造の一例を示す断面図である。 図3のA−A線に沿う断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、この実施形態のトロイダル型無段変速機の特徴は、トラニオンのヨークに接触する部分の構造にあり、その他の構成および作用は前述した従来の構成および作用と同様であるため、以下においては、第1実施形態の特徴部分について言及し、それ以外の部分については、図3および図4と同一の符号を付して簡潔に説明するに留める。
なお、図1および図2に示すように、この実施形態においては、図3および図4に示す構造と異なり、パワーローラ11を回転自在に支持するための変位軸23と、スラスト玉軸受24の外輪28とが一体に形成されえている。また、トラニオン15には、トラニオン15の上下の折れ曲がり壁部20,20の先端部同士の間に配置されるとともに、上下端部が折れ曲がり壁部20,20の先端部に固定された補強材17が設けられている。
補強材17は、上述のように入力側および出力側ディスク2,3に挟まれたパワーローラ11,11が外側に逃げるような大きな力を受け、トラニオン15の支持板部16を押圧した際に、トラニオン15の支持板部16が変形して湾曲するのを防止するものである。支持板部16が湾曲すると、その上下端部の折れ曲がり壁部20,20の先端部同士が近づくことになるが、折れ曲がり壁部20,20の先端部同士が近づくのを補強材17が規制することによって、トラニオン15が湾曲するのを防止している。
図1に示すように、この実施形態のトロイダル型無段変速機のトラニオン15と、一体になった外輪28および変位軸23とには、パワーローラ11の周面11a、変位軸23の基端部23aを回転自在に支持する軸受(ラジアルニードル軸受35)、基端部23aの回転に基づく外輪28の揺動を支持する軸受(スラストニードル軸受25)、パワーローラ11を回転自在に支持する軸受(スラスト玉軸受24、ラジアルニードル軸受36)等に潤滑油を送るための油路として複数の油穴71〜78および油穴81,82が設けられている。
ラジアルニードル軸受35は、トラニオン15の支持板部16に設けられた孔に挿入された変位軸23の基端部23aの周囲に配置されて、トラニオン15に対して、基端部23aを回転自在に支持する。また、ラジアルニードル軸受36は、変位軸23の先端部23bの周囲に配置されて、先端部23bが挿入されたパラーローラ11を先端部23bに対して回転自在に支持する。
上述の油穴71〜74には、トラニオン15の上側の枢軸14に設けられて、上側の枢軸14の上端側から潤滑油を受ける第1の油穴71と、上側の折れ曲がり壁部20に設けられて、第1の油穴71からの潤滑油をパワーローラ11の外周面11aに供給する第2の油穴72と、上側の折れ曲がり壁部20に設けられて、第1の油穴71からの潤滑油を後述の第4の油穴74に供給する第3の油穴73と、支持板部16の上部に設けられて第3の油穴73からの潤滑油を変位軸23の基端部23aのラジアルニードル軸受35に供給する第4の油穴74とがある。
また、上述の油穴75〜78には、支持板部16の中央部から下部に設けられて第4の油穴74からの潤滑油をラジアルニードル軸受35を介して受けて、後述の第6の油穴76および第7の油穴77に供給する第5の油穴75と、支持板部16の中央部に設けられて、第5の油穴75の上端部からの潤滑油をスラストニードル軸受25に供給する第6の油穴76と、第5の油穴75の下端部からの潤滑油を後述の第8の油穴78に供給する第7の油穴77と、第7の油穴77からの潤滑油をパワーローラ11の周面11aに供給する第8の油穴78とがある。
また、上述の油穴81,82には、変位軸23の先端部23bから外輪28に渡って貫通して設けられて、第6の油穴76からの潤滑油を、スラストニードル軸受25を介して受けて、先端部23bの先端面側を介してラジアルニードル軸受36に供給する第9の油穴81と、外輪28を貫通して設けられて、第6の油穴76からの潤滑油を、スラストニードル軸受25を介して受けて、スラスト玉軸受24に供給する第10の油穴81とがある。
第3の油穴73および第7の油穴77には、穴あけ加工のために必要な開口部がそれぞれ形成されるが、プラグ79,80が開口部に圧入されることにより、開口部が閉塞されている。
また、第4の油穴74および第5の油穴75にも穴あけ加工のために開口部がそれぞれ形成される。第4の油穴74および第5の油穴75の開口部は、第3の油穴73および第7の油穴77の開口部と同様に潤滑油を流すために閉塞される必要がある。
第4の油穴74および第5の油穴75はそれぞれ、パワーローラ11の背面側に配置されるトラニオン15の支持板部16に、枢軸14の軸方向と平行に形成されている。また、第4の油穴74および第5の油穴75は、対向する一対のパワーローラ11,11の配置において、枢軸14より外側に配置されている。また、第4の油穴74と、第5の油穴75とは、それらの中心軸が一直線上に配置されている。
第4の油穴74の開口部は、トラニオン15の上側のヨーク23Aに対向する端面、すなわち、支持板部16から、一対のパワーローラ11の配置において内側になる方向に延出する上側の折れ曲がり壁部20の基端部の上面に形成されている。また、第5の油穴75の開口部は、トラニオン15の下側のヨーク23Bに対向する端面、すなわち、支持板部16から、一対のパワーローラ11の配置において内側になる方向に延出する下側の折れ曲がり壁部20の基端部の下面に形成されている。
これら第4の油穴74および第5の油穴75の開口部にはそれぞれ、接触部材83,83が圧入されて取り付けられている。これにより、第4の油穴74および第5の油穴75の開口部は、接触部材83,83により閉塞されている。すなわち、油穴の開口部を閉塞するプラグに代えて接触部材83,83により第4の油穴74と第5の油穴75の開口部が閉塞されている。
接触部材83,83は、前記開口部に圧入された状態で、開口部が形成されたトラニオン15の端面より突出した状態になっている。接触部材83,83のトラニオン15の端面より突出した部分の形状は、概略円錐状で、円錐の先端を丸めた形状になっている。したがって、先端部は概略球面状になっており、後述のようにヨーク23A,23Bと点接触するようになっている。なお、接触部材83,83の第4および第5の油穴74,75に圧入されている部分は、例えば、円柱状になっている。
また、接触部材83,83の突出長さは、トラニオン15の端面から、当該端面に対向するヨーク23A,23Bに至る長さより、少しだけ短いものになっている。したがって、トラニオン15の上側のヨーク23Aに対向する端面の開口部に圧入された接触部材83は、上側のヨーク23Aの下側の側面に略接触した状態になっている。また、トラニオン15の下側のヨーク23Bと対向する端面の開口部に圧入された接触部材83は、下側のヨーク23Bの上側の側面に略接触した状態になっている。すなわち、接触部材83,83の球面状の先端部がヨーク23A,23Bの側面に略接触した状態になっており、状況に応じて実際に接触する。
これにより、トラニオン15とヨーク23A、23Bとの間に第4の油穴74および第5の油穴75にそれぞれ圧入された接触部材83,83が介在し、トラニオン15とヨーク23A,23Bとが接触しない状態になっている。
また、上下の接触部材83,83は、ヨーク23A、23Bと略接触した状態に維持されるようになっている。
第4の油穴74および第5の油穴75に接触部材83,83を圧入することにより、上述のように第4の油穴74および第5の油穴75が閉塞されることから、接触部材83,83は、ヨーク23A,23Bに接触する機能に加えて、油穴74,75の開口部を閉塞するプラグとしての機能を有する。
このトロイダル型無段変速機にあっては、接触部材83,83がヨーク23A,23Bに接触し、トラニオン15はヨーク23A,23Bに接触しないことからトラニオン15の摩耗を抑制することができる。また、トラニオン15の摩耗を抑制するために、トラニオン15のヨーク23Aと接触する部分に焼入れ等の処理をする必要がなく、トラニオン15の加工コストの低減を図ることができる。
また、接触部材83の突出部分が概略円錐状で先端部が略球面になっていることから、接触部材83、83とヨーク23A,23Bとの接触面積が略点になり、これらの間に作用する摩擦を低減することができる。この際にトラニオン15,15やヨーク23A,23Bに突起等を形成する必要がないので、加工コストの低減を図ることができる。
接触部材83,83の突出長さを調整することにより、トラニオン15とヨーク23A、23Bとの隙間を容易に設定することができ、前記隙間を管理することができる。たとえば、接触部材83,83のトラニオン15の端面からの突出長さの異なる複数種の接触部材83,83を用意しておくことにより、突出長さの異なる接触部材83,83から使用する接触部材83,83を選択することにより、トラニオン15とヨーク23A、23Bとの隙間を所定の間隔にしたり、所定の間隔から変更したりすることができる。
接触部材83,83が軸受等に潤滑油を供給するためにトラニオン15に形成された油穴74,75に取り付けられるので、接触部材83,83を取り付けるための専用の取付孔を設ける必要がなく、加工コストの低減を図ることができる。
また、接触部材83,83がプラグを兼ねることから、専用のプラグを必要とせずコストの低減を図ることができる。さらに、接触部材83,83を取り付けることによって、第4および第5の油穴74,75の開口部が閉塞されることから、作業効率の向上を図ることができる。
なお、接触部材83,83は、突出部分が概略円錐状である必要はなく、例えば、球状であってもよい。また、トラニオン15の端面に広い面積で接触する鍔状の構造を有するものであってもよい。
接触部材83,83のヨーク23A,23Bと接触する部分は、面積が狭く、かつ、摩耗しないように硬度が高くされている(例えば、トラニオン15の硬度より高くされている)必要がある。
また、上述の接触部材83,83がヨーク23A,23Bと略接触した状態に保持された場合に、接触部材83,83無しでトラニオン15,15とヨーク23A,23Bとの間に隙間がある場合よりも、ヨーク23A,23Bに支持される複数のトラニオン15、例えば、4つのトラニオン15は、ヨーク23A,23Bの揺動により正確に同期して上下に移動することになり、トラニオン15同士をヨーク23A,23Bを用いてより確実に同期させることが可能になる。
なお、第4および第5の油穴74,75のトラニオンの端面側端部の内周に雌ネジを形成し、接触部材83の基端部の外周に雄ねじを形成して、接触部材83,83を第4および第5の油穴74,75にネジとして固定する構成としても良いし、その他の方法、たとえば、溶接により接触部材83,83を第4および第5の油穴74,75の開口部に取り付ける構造としてもよい。しかし、加工コストや、作業のし易さや、密閉度等を考慮した場合に、第4および第5の油穴74,75の開口部に接触部材83,83を圧入することが好ましい。
また、接触部材83,83としては、例えば、規格品の球体を用いることも可能であり、安価に手に入れることができる。なお、上述のように、接触部材83,83は、硬度、特に表面硬度がトラニオン15の硬度より高いことが好ましい。すなわち、接触部材83,83は、トラニオン15より硬い部材から形成されることが好ましい。なお、接触部材83,83とトラニオン15とが同じ材質であってもよく、この場合に、焼入れ等の熱処理により、接触部材83が硬くされていることが好ましい。
本発明は、シングルキャビティ型やダブルキャビティ型などの様々なハーフトロイダル型無段変速機に適用することができる。
1 入力軸(中心軸)
2 入力側ディスク
3 出力側ディスク
11 パワーローラ(内輪)
14 枢軸
15 トラニオン
23A ヨーク
23B ヨーク
32 駆動装置
74 第4の油穴(油穴)
75 第5の油穴(油穴)
83 接触部材

Claims (1)

  1. 互いの内側面同士を対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、これらの両ディスク間に挟持される複数のパワーローラと、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの中心軸に対して捻れの位置にあり且つ互いに同心的に設けられた一対の枢軸を中心に傾転するとともに、前記各パワーローラを回転自在に支持する複数のトラニオンと、前記トラニオンを前記枢軸の軸方向に変位させる駆動装置と、前記トラニオンの前記一対の枢軸をそれぞれ揺動自在かつ軸方向に変位自在に支持するとともに、前記トラニオンの変位により揺動する一対のヨークとを備えているトロイダル型無段変速装置において、
    前記トラニオンの前記ヨークと対向する少なくとも一方の端面には、潤滑油用の油路になる油穴の閉塞すべき開口部が設けられ、
    当該開口部に前記ヨークに接触する接触部材が取り付けられて、前記開口部を閉塞していることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
JP2010263255A 2010-11-26 2010-11-26 トロイダル型無段変速機 Active JP5673022B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010263255A JP5673022B2 (ja) 2010-11-26 2010-11-26 トロイダル型無段変速機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010263255A JP5673022B2 (ja) 2010-11-26 2010-11-26 トロイダル型無段変速機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012112483A true JP2012112483A (ja) 2012-06-14
JP5673022B2 JP5673022B2 (ja) 2015-02-18

Family

ID=46496919

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010263255A Active JP5673022B2 (ja) 2010-11-26 2010-11-26 トロイダル型無段変速機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5673022B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014196824A (ja) * 2013-03-07 2014-10-16 日本精工株式会社 摩擦ローラ式減速機

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10205601A (ja) * 1997-01-22 1998-08-04 Nissan Motor Co Ltd トロイダル型無段変速機
JPH10205599A (ja) * 1997-01-20 1998-08-04 Nissan Motor Co Ltd トロイダル型無段変速機
JP2010032033A (ja) * 2008-07-01 2010-02-12 Nissan Motor Co Ltd 摩擦車式無段変速機のオイル供給構造
JP2010190386A (ja) * 2009-02-20 2010-09-02 Nsk Ltd トロイダル型無段変速機
JP2011127631A (ja) * 2009-12-15 2011-06-30 Nsk Ltd トロイダル型無段変速機

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10205599A (ja) * 1997-01-20 1998-08-04 Nissan Motor Co Ltd トロイダル型無段変速機
JPH10205601A (ja) * 1997-01-22 1998-08-04 Nissan Motor Co Ltd トロイダル型無段変速機
JP2010032033A (ja) * 2008-07-01 2010-02-12 Nissan Motor Co Ltd 摩擦車式無段変速機のオイル供給構造
JP2010190386A (ja) * 2009-02-20 2010-09-02 Nsk Ltd トロイダル型無段変速機
JP2011127631A (ja) * 2009-12-15 2011-06-30 Nsk Ltd トロイダル型無段変速機

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014196824A (ja) * 2013-03-07 2014-10-16 日本精工株式会社 摩擦ローラ式減速機

Also Published As

Publication number Publication date
JP5673022B2 (ja) 2015-02-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5077834B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP3932027B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP5673022B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP4706920B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP2008032084A (ja) トロイダル型無段変速機
JP2015152109A (ja) トロイダル型無段変速機
JP5772026B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP4984138B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP5051438B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP4972931B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP4587120B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP2015148265A (ja) トロイダル型無段変速機のトラニオン
JP6183163B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP4605460B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP2007205546A (ja) トロイダル型無段変速機
JP4734892B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP2013108511A (ja) トロイダル型無段変速機
JP5082498B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP2006207698A (ja) トロイダル型無段変速機
JP2008111488A (ja) トロイダル型無段変速機
JP2007146873A (ja) トロイダル型無段変速機
JP2006132677A (ja) トロイダル型無段変速機
JP2015152145A (ja) トロイダル型無段変速機
JP2016223574A (ja) トロイダル型無段変速機
JP2012163193A (ja) トロイダル型無段変速機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20131114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140422

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140424

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140619

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141202

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141215

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5673022

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150