JP2006207698A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機 Download PDF

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Abstract

【課題】 少ないの給油量で効果的にスラスト転がり軸受を冷却することができて、潤滑油供給のためのポンプの動力損失を低減でき、変速機の効率を向上させることができる。
【解決手段】 本発明のトロイダル型無段変速機は、パワーローラ11とトラニオン15との間に介在され且つパワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつパワーローラ11を回転可能に支持するスラスト転がり軸受24とを備え、スラスト転がり軸受24には、内輪側に外輪側よりも潤滑油が多く供給されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車や各種産業機械の変速機などに利用可能なトロイダル型無段変速機に関する。
例えば自動車用変速機として用いるダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機は、図15および図16に示すように構成されている。図15に示すように、ケーシング50の内側には入力軸(中心軸)1が回転自在に支持されており、この入力軸1の外周には、2つの入力側ディスク2,2と2つの出力側ディスク3,3とが取り付けられている。また、入力軸1の中間部の外周には出力歯車4が回転自在に支持されている。この出力歯車4の中心部に設けられた円筒状のフランジ部4a,4aには、出力側ディスク3,3がスプライン結合によって連結されている。
入力軸1は、図中左側に位置する入力側ディスク2とカム板7との間に設けられたローディングカム式の押圧装置12を介して、駆動軸22により回転駆動されるようになっている。また、出力歯車4は、2つの部材の結合によって構成された仕切壁13を介してケーシング50内に支持されており、これにより、入力軸1の軸線Oを中心に回転できる一方で、軸線O方向の変位が阻止されている。
出力側ディスク3,3は、入力軸1との間に介在されたニードル軸受5,5によって、入力軸1の軸線Oを中心に回転自在に支持されている。また、図中左側の入力側ディスク2は、入力軸1にボールスプライン6を介して支持され、図中右側の入力側ディスク2は、入力軸1にスプライン結合されており、これら入力側ディスク2は入力軸1と共に回転するようになっている。また、入力側ディスク2,2の内側面(凹面)2a,2aと出力ディスク3,3の内側面(凹面)3a,3aとの間には、パワーローラ11(図16参照)が回転自在に挟持されている。
図15中右側に位置する入力側ディスク2の内周面2cには、段差部2bが設けられ、この段差部2bに、入力軸1の外周面1aに設けられた段差部1bが突き当てられるとともに、入力側ディスク2の背面(図15の右面)がローディングナット9に突き当てられている。これによって、入力側ディスク2の入力軸1に対する軸線O方向の変位が実質的に阻止されている。また、カム板7と入力軸1の鍔部1bとの間には、皿ばね8が設けられており、この皿ばね8は、各ディスク2,2,3,3の凹面2a,2a,3a,3aとパワーローラ11,11の周面11a,11aとの当接部に押圧力を付与する。
図16は、図15のC−C線に沿う断面図である。同図に示すように、ケーシング50の内側には、入力軸1に対し捻れの位置にある一対の枢軸(傾転軸)14,14を中心として揺動(傾転)する一対のトラニオン15,15が設けられている。なお、図16においては、入力軸1の図示は省略している。各トラニオン15,15は、支持板部16の長手方向(図16の上下方向)の両端部に、この支持板部16の内側面側に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部20,20を有している。そして、この折れ曲がり壁部20,20によって、各トラニオン15,15には、パワーローラ11を収容するための凹状のポケット部Pが形成される。また、各折れ曲がり壁部20,20の外側面には、各枢軸14,14が互いに同心的に設けられている。
支持板部16の中央部には円孔21が形成され、この円孔21には変位軸23の基端部(第1の軸部)23aが支持されている。そして、各枢軸14,14を中心として各トラニオン15,15を揺動させることにより、これら各トラニオン15,15の中央部に支持された変位軸23の傾斜角度を調節できるようになっている。また、各トラニオン15,15の内側面から突出する変位軸23の先端部(第2の軸部)23bの周囲には、ニードル軸受69を介して各パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の間に挟持されている。なお、各変位軸23,23の基端部23aと先端部23bとは、互いに偏心している。
また、各トラニオン15,15の枢軸14,14はそれぞれ、一対のヨーク23A,23Bに対して揺動自在および軸方向(図16の上下方向)に変位自在に支持されており、各ヨーク23A,23Bにより、トラニオン15,15はその水平方向の移動を規制されている。各ヨーク23A,23Bは鋼等の金属のプレス加工あるいは鍛造加工により矩形状に形成されている。各ヨーク23A,23Bの四隅には円形の支持孔18が4つ設けられており、これら支持孔18にはそれぞれ、トラニオン15の両端部に設けた枢軸14がラジアルニードル軸受30を介して揺動自在に支持されている。また、ヨーク23A,23Bの幅方向(図16の左右方向)の中央部には、円形の係止孔19が設けられており、この係止孔19の内周面は球状凹面として、球面ポスト64,68を内嵌している。すなわち、上側のヨーク23Aは、ケーシング50に固定部材52を介して支持されている球面ポスト64によって揺動自在に支持されており、下側のヨーク23Aは、球面ポスト68及びこれを支持する駆動シリンダ31の上側シリンダボディ61によって揺動自在に支持されている。
なお、各トラニオン15,15に設けられた各変位軸23,23は、入力軸1に対し、互いに180度反対側の位置に設けられている。また、これらの各変位軸23,23の先端部23bが基端部23aに対して偏心している方向は、両ディスク2,2,3,3の回転方向に対して同方向(図16で上下逆方向)となっている。また、偏心方向は、入力軸1の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、各パワーローラ11,11は、入力軸1の長手方向に若干変位できるように支持される。その結果、押圧装置12が発生するスラスト荷重に基づく各構成部材の弾性変形等に起因して、各パワーローラ11,11が入力軸1の軸方向に変位する傾向となった場合でも、各構成部材に無理な力が加わらず、この変位が吸収される。
また、パワーローラ11の外側面(大端面)とトラニオン15の支持板部16の内側面との間には、パワーローラ11の外側面の側から順に、スラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受24と、スラストニードル軸受25とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受24は、各パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11の回転を許容するものである。このようなスラスト玉軸受24はそれぞれ、複数個ずつの玉(転動体)26,26と、これら各玉26,26を転動自在に保持する円環状の保持器27と、円環状の外輪28と、内輪としてパワーローラ11とから構成されている。また、各スラスト玉軸受24の内輪軌道は各パワーローラ11の外側面に、外輪軌道は各外輪28の内側面にそれぞれ形成されている。
また、スラストニードル軸受25は、トラニオン15の支持板部16の内側面と外輪28の外側面との間に挟持されている。このようなスラストニードル軸受25は、パワーローラ11から各外輪28に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これらパワーローラ11および外輪28が各変位軸23の基端部23aを中心として揺動することを許容する。
さらに、各トラニオン15,15の一端部(図16の下端部)にはそれぞれ駆動ロッド(トラニオン軸)29,29が設けられており、各駆動ロッド29,29の中間部外周面に駆動ピストン(油圧ピストン)33,33が固設されている。そして、これら各駆動ピストン33,33はそれぞれ、上側シリンダボディ61と下側シリンダボディ62とによって構成された駆動シリンダ31内に油密に嵌装されている。これら各駆動ピストン33,33と駆動シリンダ31とで、各トラニオン15,15を、これらトラニオン15,15の枢軸14,14の軸方向に変位させる駆動装置32を構成している。
このように構成されたトロイダル型無段変速機の場合、入力軸1の回転は、押圧装置12を介して、各入力側ディスク2,2に伝えられる。そして、これら入力側ディスク2,2の回転が、一対のパワーローラ11,11を介して各出力側ディスク3,3に伝えられ、更にこれら各出力側ディスク3,3の回転が、出力歯車4より取り出される。
入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比を変える場合には、一対の駆動ピストン33,33を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン33,33の変位に伴って、一対のトラニオン15,15が互いに逆方向に変位する。例えば、図16の左側のパワーローラ11が同図の下側に、同図の右側のパワーローラ11が同図の上側にそれぞれ変位する。その結果、これら各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の内側面2a,2a,3a,3aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン15,15が、ヨーク23A,23Bに枢支された枢軸14,14を中心として、互いに逆方向に揺動する。
その結果、各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各内側面2a,3aとの当接位置が変化し、入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比が変化する。また、これら入力軸1と出力歯車4との間で伝達するトルクが変動し、各構成部材の弾性変形量が変化すると、各パワーローラ11,11及びこれら各パワーローラ11,11に付属の外輪28,28が、各変位軸23,23の基端部23a、23aを中心として僅かに回動する。これら各外輪28,28の外側面と各トラニオン15,15を構成する支持板部16の内側面との間には、それぞれスラストニードル軸受25,25が存在するため、前記回動は円滑に行われる。したがって、前述のように各変位軸23,23の傾斜角度を変化させるための力が小さくて済む。
また、このようなトロイダル型無段変速機において、パワーローラ11と入出力側ディスク2,3との動力伝達は、これらの部材表面の損傷を防止するべく、油膜を介したトラクション力により非接触で行なわれる。そのため、パワーローラ11と入出力側ディスク2,3との間に形成されるトラクション面には、トルクを非接触で伝達するための油膜を形成できる十分な量の潤滑油(トラクション油)を供給する必要があるとともに、パワーローラに加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ前記パワーローラを回転可能に支持するスラスト玉軸受24に対しても十分な潤滑を行なう必要がある(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
特開平11−94042号公報 特開2000−193057号公報
ところで、スラスト玉軸受24には、従来から既に玉26と内輪軌道、外輪軌道との間の油膜形成のために十分な量の油が供給されており、油の量は冷却機能の要求によって決定されている。そして、スラスト玉軸受24において、内輪としてのパワーローラ11と外輪28とでは発熱量が違っている。すなわち、パワーローラ11では、内輪軌道における発熱のほかに、ディスク2,3とのトラクション動力伝達部における発熱があり、外輪28よりも高温になりがちで、より多くの冷却を必要とする。パワーローラ11のトラクション動力伝達部における発熱は、伝達する動力が大きいほど大きくなり、グロススリップの発生する可能性が高くなる。このグロススリップを防ぐために、潤滑(冷却)は非常に重要である。
ところが、従来、スラスト玉軸受24には、内輪側と外輪側とで供給する潤滑油の量を変えることなく、同じように潤滑油を供給しているので、スラスト玉軸受24の内輪であるパワーローラ11を冷却するために必要な潤滑油量と同じ程度の量が外輪28側にも供給されており、その結果スラスト玉軸受24に供給される潤滑油の量が多くなり、このため潤滑油を供給するポンプの大型化を招き、ポンプ部分での動力損失が大きくなり、変速機の効率を低下させる原因となっている。
本発明は、前記事情に鑑みて為されたもので、少ないの給油量で効果的にスラスト転がり軸受を冷却することができて、潤滑油供給のためのポンプの動力損失を低減でき、変速機の効率を向上させることができるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載のトロイダル型無段変速機は、回転トルクが入力される入力軸と、それぞれの内側面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に前記入力軸に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間に挟持されたパワーローラと、所定の傾転軸を中心に傾転可能で且つ軸部を介して前記パワーローラを回転自在に支持するトラニオンと、前記パワーローラと前記トラニオンとの間に介在され且つ前記パワーローラに加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ前記パワーローラを回転可能に支持するスラスト転がり軸受とを備え、前記スラスト転がり軸受は、前記パワーローラによって形成される内輪と、外輪と、これらの内輪および外輪との間で転動する複数の転動体と、これらの複数の転動体を転動自在に保持する保持器とを備えて成るトロイダル型無段変速機において、前記スラスト転がり軸受には、前記内輪側に前記外輪側よりも潤滑油が多く供給されていることを特徴とする。
本発明のトロイダル型無段変速機によれば、スラスト転がり軸受には内輪側に外輪側よりも潤滑油が多く供給されるので、スラスト転がり軸受の内輪であるパワーローラの冷却に必要な潤滑油量を内輪側で確保できる一方、この内輪側よりも少ない潤滑油量で外輪側を冷却できる。したがって、スラスト転がり軸受に供給する潤滑油の総量が少なくても、パワーローラを冷却することができるので、潤滑油供給のためのポンプの動力損失を低減でき、変速機の効率を向上させることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明の特徴は、スラスト転がり軸受に対する潤滑油の供給形態にあり、その他の構成および作用は前述した従来の構成および作用と同様であるため、以下においては、本発明の特徴部分についてのみ言及し、それ以外の部分については、図15および図16と同一の符号を付して簡潔に説明するに留める。
図1および図2は本発明の第1の実施形態を示している。本実施の形態では、パワーローラ11の周囲の軸受に対して潤滑油を供給するため、トラニオン15から外輪28および変位軸(軸部)23にわたって一連の油路(油穴)が、従来と同様に設けられている。具体的には、トラニオン15には、駆動シリンダ31内に通じ、潤滑油が供給される第1の油路(油穴)70が形成されている。また、変位軸23には、第1の油路70に連通し且つ変位軸23の軸方向に沿って延びる第2の油路(油穴)72が形成されている。第2の油路72の先端部は変位軸23を貫通しておらず、行き止りになっている。さらに、変位軸23には、第2の油路72と連通し且つ変位軸23の径方向に貫く第3の油路(油穴)74および第4の油路(油穴)76が形成されている。また、外輪28には、第1の油路70に連通し且つ外輪28の径方向と直交する方向に貫く複数の第5の油路(油穴)78が形成されている。
第3の油路74は、その両端が変位軸23の両側でそれぞれ、スラスト玉軸受(スラスト転がり軸受)24の内径側に対向するように開口している。第1の油路70および第2の油路72を通じて供給された潤滑油が、これらの開口(油吐出口)からスラスト玉軸受24の内径側に供給される。また、第4の油路76は、第3の油路74よりも変位軸23の先端側において、その両端が変位軸23の両側でそれぞれ開口しており、第1の油路70および第2の油路72を通じて供給された潤滑油が、これらの開口(油吐出口)からニードル軸受69に供給される。また、第1の油路70および第5の油路78を通じてスラスト玉軸受24の内径側に潤滑油が供給される。
スラスト玉軸受24の円環状の保持器27には、複数のポケット81が周方向に等間隔に形成されている。また、保持器27の両面にはそれぞれ、半径方向に内周端から外周端まで延びる凹溝82が、各ポケット81の中心部を横切るようにして周方向に等角度間隔で形成されている。凹溝82のうち、内輪であるパワーローラ11側のポケット81より内周側の部分には、他の部分よりも深く切り欠かれた切り欠き83が形成されている。これらの凹溝82および切り欠き83は、潤滑油を供給する油路を形成している。
以上のように、本実施形態にあっては、スラスト玉軸受24の保持器27に設けられている油路において、内輪であるパワーローラ11側の内周側に、凹溝82より深く切り欠いた切り欠き83を形成しているので、スラスト玉軸受24に供給される潤滑油が外輪28側よりも内輪側に多く流れる。このため、スラスト玉軸受24の内輪であるパワーローラ11の冷却に必要な潤滑油量を内輪側で十分確保できる一方、この内輪側よりも少ない潤滑油量で外輪28側を冷却できる。したがって、スラスト玉軸受24に供給する潤滑油の総量が少なくても、パワーローラ11を冷却することができるので、潤滑油供給のためのポンプの動力損失を低減でき、変速機の効率を向上させることができる。
なお、本実施形態では、凹溝82の部分に切り欠き83を形成したが、図3に示すように、油路としての切り欠き83Aを、凹溝82とは違う箇所で、保持器27の内輪側の面の内周側に複数形成するようにしてもよい。また、図4に示すように、保持器27の内輪側の内周側に周方向に全周に渡る切り欠き83Bを形成するようにしてもよい。この切り欠き83Bの断面形状は、図5に示すように、方形状でもよいし、図6に示すように、傾斜面を有する台形状もよいし、さらには曲面等を有する形状などの他の形状でもよい。切り欠き83、83Aの形状についても同様である。さらには、図7に示すように、保持器27の内輪側の内周側に面取り85を施して、油路としてもよい。これらの場合にも、スラスト玉軸受24の内輪側に外輪28側よりも多くの潤滑油が供給される。
図8は本発明の第2の実施形態を示している。本実施の形態では、第1の実施の形態の切り欠き83に代えて、スラスト玉軸受24の保持器27のうちの内輪側にのみ、油路としての凹溝82Aが追加で形成されている。これらの半径方向に内周端から外周端まで延びる凹溝82Aは、各ポケット81の間に、周方向に等角度間隔で形成されている。本実施の形態のそれ以外の構成は、第1の実施の形態と同様である。
本実施形態にあっては、スラスト玉軸受24の保持器27の内輪側に凹溝82Aが追加され、内輪側の方が外輪側よりも油路の断面積が大きいので、スラスト玉軸受24に供給される潤滑油が外輪側よりも内輪側に多く供給される。したがって、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、保持器27の内輪側に凹溝82Aを追加する代わりに、保持器27の内輪側の凹溝82の幅を広くしたり、あるいは深さを深くするようにしてもよい。このようにしても、内輪側の方が外輪側よりも油路の断面積が大きくなるので、外輪側よりも内輪側に潤滑油が多く供給される。
図9および図10は本発明の第3の実施形態を示している。本実施の形態では、第1の実施の形態の切り欠き83に代えて、スラスト玉軸受24の保持器27のうちの内輪側の面が内周側に窪むテーパ状に形成されている。本実施の形態のそれ以外の構成は、第1の実施の形態と同様である。
本実施形態にあっては、スラスト玉軸受24の保持器27の内輪側の面が内周側に窪んでいるテーパ状に形成されているので、スラスト玉軸受24に供給される潤滑油が外輪側よりも内輪側に多く集まる。したがって、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、保持器27の内輪側の面は、全体的にテーパ状でなく、図11に示すように、部分的にテーパ状に形成されていてもよい。
図12は本発明の第4の実施形態を示している。本実施の形態では、第1の実施の形態の切り欠き83に代えて、スラスト玉軸受24の保持器27のうちの内輪側の面に、複数の突起87が形成されている。これらの突起87は、各ポケット81の間に形成されている。突起87の形状は、円柱状、球状、棒状など、どのような形状でもよい。本実施の形態のそれ以外の構成は、第1の実施の形態と同様である。
本実施形態にあっては、スラスト玉軸受24の保持器27の内輪側の面に、突起87が形成されているので、内輪と保持器27との間の間隔が外輪と保持器27との間の間隔よりも常に大きくなるため、スラスト玉軸受24に供給される潤滑油が外輪側よりも内輪側に多く供給される。したがって、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、保持器27の外輪側の面にも突起を設けるようにしてもよいが、この場合には、内輪側の突起の高さを外輪側の突起の高さよりも高くする。
図13は本発明の第5の実施形態を示している。本実施の形態では、前述の各実施の形態のように、保持器27の構造によって、スラスト玉軸受24に供給される潤滑油が外輪側よりも内輪側に多く供給されるようにするのではなく、スラスト玉軸受24を支持する変位軸23の油路の構造によって、スラスト玉軸受24の外輪側よりも内輪側に潤滑油を多く供給するようにしたものである。
本実施の形態では、第2の油路72と連通し且つ変位軸23を径方向に貫く第3の油路が、1つではなく、2の油路(油穴)74a、74bとなっている。これらの油路74aおよび74bは、その両端が変位軸23の両側でそれぞれ、スラスト玉軸受24の内径側に対向するように開口している。そして、油路74aは外輪28側に開口し、一方油路74bは内輪であるパワーローラ11側に開口しており、油路74bの径の方が油路74aの径よりも大きく設定されている。なお、保持器27の両面にはそれぞれ、従来の保持器と同様に、油路としての凹溝82が形成されている。本実施の形態のそれ以外の構成は、第1の実施の形態と同様である。
本実施形態にあっては、スラスト玉軸受24に潤滑油を供給する変位軸23の油路を2つの油路74aと油路74bとに分け、内輪側の油路74bの径を外輪28側の油路74aの径よりも大きくしたので、スラスト玉軸受24のうち外輪側よりも内輪側に潤滑油を多く供給することができる。したがって、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
図14は本発明の第6の実施形態を示している。本実施の形態では、第5の実施の形態の2つの油路74aと油路74bに代えて、第2の油路72と連通しかつ開口(油吐出口)がスラスト玉軸受24の保持器27のうちの内輪側に位置している油路(油穴)74Cが変位軸23に形成されている。本実施の形態のそれ以外の構成は、第5の実施の形態と同様である。
本実施形態にあっては、スラスト玉軸受24に潤滑油を供給する変位軸23の油路74Cの油吐出口を内輪側に設けたので、スラスト玉軸受24のうち外輪側よりも内輪側に潤滑油を多く供給することができる。したがって、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、図14のように、油路74Cの油吐出口から吐出される潤滑油が内輪であるパワーローラ11に直接掛かるようにすると、冷却効率をさらに高めることができる。
なお、前述の各実施の形態において、保持器27の材質は、金属、合成樹脂などとすることができる。
また、前述の各実施の形態では、変位軸23と外輪28とを別体に構成したが、これらを一体にしてもよい。また、前述の各実施の形態では、変位軸23の先端部がパワーローラ11から突出しているが、パワーローラの小端部が閉塞され、変位軸23が突出しない構造でもよい。また、前述の各実施の形態では、変位軸23の後端部がトラニオン15から突出しているが、トラニオン15の外側面側が閉塞され、変位軸23が突出しない構造でもよい。また、変位軸23ではなく、変位していない軸(軸部)を用いてスラスト玉軸受(スラスト転がり軸受)24を支持する構造のトロイダル型無段変速機にも、本発明を適用することができる。
また、前述の各実施の形態を適宜組み合わせて用いることができる。
本発明は、シングルキャビティ型やダブルキャビティ型などの様々なハーフトロイダル型無段変速機に適用することができる。
本発明の第1の実施形態に係るトロイダル型無段変速機を示す図であって、要部の断面図である。 同、保持器を内輪側から見た斜視図である。 本発明の第1の実施形態の変形例を示す図であって、保持器を内輪側から見た斜視図である。 本発明の第1の実施形態の他の変形例を示す図であって、保持器を内輪側から見た斜視図である。 切り欠きの断面形状の例を示す図であって、図4のA−A線に沿う断面図である。 切り欠きの断面形状の他の例を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態のさらに他の変形例を示す図であって、保持器を内輪側から見た斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る保持器を内輪側から見た斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係る保持器を内輪側から見た斜視図である。 図9のB−B線に沿う断面図である。 本発明の第3の実施形態の変形例に係る保持器の断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る保持器を内輪側から見た斜視図である。 本発明の第5の実施形態に係るトロイダル型無段変速機を示す図であって、要部の断面図である。 本発明の第6の実施形態に係るトロイダル型無段変速機を示す図であって、要部の断面図である。 従来から知られているハーフトロイダル型無段変速機の具体的構造の一例を示す断面図である。 図15のC−C線に沿う断面図である。
符号の説明
1 入力軸
2 入力側ディスク
3 出力側ディスク
11 パワーローラ(内輪)
15 トラニオン
23 変位軸(軸部)
24 スラスト玉軸受(スラスト転がり軸受)
26 玉(転動体)
27 保持器
28 外輪

Claims (1)

  1. 回転トルクが入力される入力軸と、それぞれの内側面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に前記入力軸に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間に挟持されたパワーローラと、所定の傾転軸を中心に傾転可能で且つ軸部を介して前記パワーローラを回転自在に支持するトラニオンと、前記パワーローラと前記トラニオンとの間に介在され且つ前記パワーローラに加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ前記パワーローラを回転可能に支持するスラスト転がり軸受とを備え、前記スラスト転がり軸受は、前記パワーローラによって形成される内輪と、外輪と、これらの内輪および外輪との間で転動する複数の転動体と、これらの複数の転動体を転動自在に保持する保持器とを備えて成るトロイダル型無段変速機において、
    前記スラスト転がり軸受には、前記内輪側に前記外輪側よりも潤滑油が多く供給されていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
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