JP2009150537A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】パワーローラ8bを各ディスクの軸方向に変位させて、構成各部材の弾性変形量の変化に拘らず、このパワーローラ8bの周面と上記各ディスクとの接触状態を適正に維持できる、簡単で低コストに構成でき、しかも優れた耐久性を有する構造を実現する。
【解決手段】上記パワーローラ8bをトラニオン9bの支持梁部34に対し、揺動変位自在に係合させる。このパワーローラ8bに加わるトラクション力を上記トラニオン9bに、スラスト玉軸受36の外輪37の外周面46と、このトラニオン9bに形成した段差面45との係合に基づいて伝達する。この外周面46のうちでこの段差面45と対向する部分に、曲率半径が他の部分よりも大きいトラクション力支持面47を形成する。
【選択図】図1

Description

この発明は、自動車用の自動変速機として利用するトロイダル型無段変速機の改良に関する。具体的には、トラニオンに対するパワーローラの変位を円滑に行なわせて、高い伝達効率を確保できる構造の実現を図るものである。
[従来技術の説明]
自動車用変速装置としてトロイダル型無段変速機を使用する事が、例えば特許文献1、2、非特許文献1、2等の多くの刊行物に記載され、且つ、一部で実施されて周知である。図11は、現在実施されているトロイダル型無段変速機の基本構成を示している。先ず、この従来構造に就いて、簡単に説明する。1対の入力側ディスク1a、1bを入力回転軸2に対し、それぞれがトロイド曲面(断面円弧形の凹面)であって特許請求の範囲に記載した軸方向片側面に相当する入力側内側面3、3同士を互いに対向させた状態で、互いに同心に、且つ、同期した回転を自在に支持している。
又、上記入力回転軸2の中間部周囲に、中間部外周面に出力歯車4を固設した出力筒5を、この入力回転軸2に対する回転を自在に支持している。又、この出力筒5の両端部に出力側ディスク6、6を、スプライン係合により、この出力筒5と同期した回転自在に支持している。この状態で、それぞれがトロイド曲面であって特許請求の範囲に記載した軸方向片側面に相当する、上記両出力側ディスク6、6の出力側内側面7、7が、上記両入力側内側面3、3に対向する。
又、上記入力回転軸2の周囲で上記入力側、出力側両内側面3、7同士の間部分(キャビティ)に、それぞれの周面を球状凸面としたパワーローラ8、8を、2個ずつ配置している。これら各パワーローラ8、8は、それぞれトラニオン9、9の内側面に、基半部と先半部とが偏心した支持軸10、10と複数の転がり軸受とを介して、これら各支持軸10、10の先半部回りの回転、及び、これら各支持軸10、10の基半部を中心とする若干の揺動変位自在に支持されている。
又、上記各トラニオン9、9は、それぞれの長さ方向(図11の表裏方向)両端部にこれら各トラニオン9、9毎に互いに同心に設けられた傾転軸を中心として揺動変位自在である。これら各トラニオン9、9を揺動(傾斜)させる動作は、油圧式のアクチュエータにより、これら各トラニオン9、9を上記各傾転軸の軸方向に変位させる事により行なう。変速時には、上記各アクチュエータへの圧油の給排により、上記各トラニオン9、9を上記各傾転軸の軸方向に変位させる。この結果、上記各パワーローラ8、8の周面と上記入力側、出力側各内側面3、7との接触部(トラクション部)の接線方向に作用する力の方向が変化する(サイドスリップが発生する)ので、上記各トラニオン9、9が上記各傾転軸を中心として揺動変位する。
上述の様なトロイダル型無段変速機の運転時には、駆動軸11により一方(図11の左方)の入力側ディスク1aを、ローディングカム式の押圧装置12を介して回転駆動する。この結果、前記入力回転軸2の両端部に支持された1対の入力側ディスク1a、1bが、互いに近づく方向に押圧されつつ同期して回転する。そして、この回転が、上記各パワーローラ8、8を介して前記両出力側ディスク6、6に伝わり、前記出力歯車4から取り出される。
上記入力回転軸2と上記出力歯車4との回転速度の比を変える場合で、先ず入力回転軸2と出力歯車4との間で減速を行なう場合には、上記各トラニオン9、9を図11に示す位置に揺動させ、上記各パワーローラ8、8の周面を、上記各入力側ディスク1a、1bの入力側内側面3、3の中心寄り部分と上記両出力側ディスク6、6の出力側内側面7、7の外周寄り部分とにそれぞれ当接させる。反対に、増速を行なう場合には、上記各トラニオン9、9を図11と反対方向に揺動させ、上記各パワーローラ8、8の周面を、上記両入力側ディスク1a、1bの入力側内側面3、3の外周寄り部分と上記両出力側ディスク6、6の出力側内側面7、7の中心寄り部分とにそれぞれ当接させる。上記各トラニオン9、9の揺動角度を中間にすれば、上記入力回転軸2と出力歯車4との間で、中間の速度比(変速比)を得られる。
上述の様なトロイダル型無段変速機の運転時には、動力の伝達に供される各部材、即ち、入力側、出力側各ディスク1a、1b、6と上記各パワーローラ8、8とが、前記押圧装置12が発生する押圧力(推力)に基づいて弾性変形する。そして、この弾性変形に伴って、上記各ディスク1a、1b、6が軸方向に変位する。又、上記押圧装置12が発生する押圧力は、上記トロイダル型無段変速機により伝達するトルクが大きくなる程大きくなり、それに伴って上記各部材の弾性変形量も多くなる。従って、上記トルクの変動に拘らず、上記入力側、出力側各側面3、7と上記各パワーローラ8、8の周面との接触状態を適正に維持する為に、これら各パワーローラ8、8を上記各トラニオン9、9に対し、上記各ディスク1a、1b、6の軸方向に変位させる機構が必要になる。図11に記載した従来構造の第1例の場合には、上記各パワーローラ8、8を支持した前記各支持軸10、10の先半部を、同じく基半部を中心として揺動変位させる事により、上記各パワーローラ8、8を上記軸方向に変位させる様にしている。
一方、特許文献3には、変速比の変更と、入力側、出力側各ディスクの軸方向への各パワーローラの変位とを、全く別の機構により行なわせる様にした、トロイダル型無段変速機が記載されている。この従来構造の第2例のトロイダル型無段変速機は、図12〜13に示す様な変速機構を備える。この図12〜13に示した従来構造の第2例の場合、入力回転軸2の周囲で入力側、出力側両ディスク1、6同士の間部分に揺動フレーム13を、この入力回転軸2を中心とする揺動を可能に設けている。そして、この揺動フレーム13の径方向外端部に設けた支持板部14、14同士の間に、それぞれの内側面にパワーローラ8a、8aを回転自在に支持した3個のトラニオン9a、9aを、それぞれの両端部に設けた傾転軸15、15を中心とする揺動のみ可能として支持している。これら各トラニオン9a、9aは、先に述べた図11に示した構造とは異なり、上記揺動フレーム13に対し傾転軸15、15の軸方向に変位する事はない。この状態で上記各パワーローラ8a、8aの中心軸の延長線α、αは、上記両ディスク1、6の中心軸β上で交差する。
又、上記各傾転軸15、15のうち、図12〜13の上端部に位置する2本の傾転軸15、15を除く残りの傾転軸15、15には、セクター歯車16、16aを固定している。そして、円周方向に隣り合うトラニオン9a、9aに関するセクター歯車16、16a同士を噛合させている。この構成により、総てのトラニオン9a、9aが、変速比を変える方向に関して同じ方向に、同じ角度だけ傾斜する様にしている。更に、上記各セクター歯車16、16aのうちの何れか1個(図12〜13の右下部)のセクター歯車16aを、カム装置17及びアクチュエータ18により、当該セクター歯車16aを固定した傾転軸15を中心として揺動させる様にしている。
上記カム装置17は、上記1個のセクター歯車16aに支持したカムフォロア19と、トロイダル型無段変速機を収納したハウジング20の内面に固定したカム部材21とから成る。そして、このカム部材21に設けたカム溝22と上記カムフォロア19とを係合させている。又、上記アクチュエータ18は、油圧複動型のもので、ピストン23に設けた長孔に係合したピン24の動きを、結合ブラケット25を介して前記揺動フレーム13に伝達し、この揺動フレーム13を、前記入力回転軸2を中心として揺動させる。この揺動フレーム13の揺動に伴って、上記1個のセクター歯車16aに支持したカムフォロア19と上記カム溝22との位置関係が変化し、このセクター歯車16aが上記傾転軸15を中心として揺動する。更に、このセクター歯車16aの動きが、残りのセクター歯車16、16を介して総てのトラニオン9a、9aに伝わる。この結果、これら各トラニオン9a、9aの内側面に支持された、前記各パワーローラ8a、8aが、前記入力側、出力側両ディスク1、6同士の間の変速比を変える方向に関して、同じ方向に同じ角度だけ揺動し、この変速比が所望値に調整される。
上述の様な特許文献3に記載された構造では、変速時に上記各パワーローラ8a、8aは、前記揺動フレーム13との相対位置関係に関しては、図13の表裏方向に揺動するのみである。言い換えれば、変速動作の為にこれら各パワーローラ8a、8aが上記揺動フレーム13に対して、(この揺動フレーム13と共に上記入力回転軸2の回転方向又は反回転方向に変位する事はあっても)上記各傾転軸15、15の軸方向(延長線α、αに対し直角方向)に変位する事はない。又、上記揺動フレーム13は、上記入力側、出力側両ディスク1、6同士の間位置に、変速の為に必要な角度だけ揺動変位可能に支持されているのみであり、上記両ディスク1、6の軸方向(図13の表裏方向)に変位する事はない。従って、上記各トラニオン9a、9aも、上記両ディスク1、6の軸方向に変位する事はない。
一方、トロイダル型無段変速機の運転時には、上記両ディスク1、6の内側面3、7と上記各パワーローラ8a、8aの周面との転がり接触部(トラクション部)の面圧を確保する為に加える力により、上記各部材1、6、8aが弾性変形する。そして、このうちの各パワーローラ8a、8aは、図13の表裏方向に変位する。前述の図11に示した構造の場合には、各パワーローラ8、8を各トラニオン9、9に対し、基半部と先半部とを互いに偏心した支持軸(偏心軸)10、10により揺動変位可能に支持する事により、構成各部材の弾性変形に伴う上記各パワーローラ8、8の変位を可能にしていた。但し、図12〜13に示した構造の場合には、単に偏心軸により上記各パワーローラ8a、8aの揺動変位を許容するだけの構造は、採用できない。
この理由は、単に偏心軸によりこれら各パワーローラ8a、8aを揺動させただけの構造では、偏心量を回転半径とする円弧運動に基づいてこれら各パワーローラ8a、8aが、上記各傾転軸15、15の軸方向(延長線α、αに対し直角方向)に、僅かとは言え変位する為である。前述の図11に示した構造部分で説明した通り、上記各パワーローラ8a、8aが上記各傾転軸15、15の軸方向に変位すると、上記各トラクション部にサイドスリップが発生し、上記各パワーローラ8a、8aを介して前記各トラニオン9a、9aに、上記各傾転軸15、15を中心に揺動させる方向(変速比を変える方向)の力が加わる。この様な力は、上記変位が0.1〜0.2mm程度の場合でも発生する。上述の様なサイドスリップが発生し、上述の様な力が加わったままの状態でトロイダル型無段変速機の運転を継続する事が好ましくないのは当然である。具体的には、上記サイドスリップは伝達効率及び耐久性の低下に、上記力は実際に変速比を変更する際に必要とされる力の増大に、それぞれ結び付く。
この為に前記特許文献3に記載された構造では、図14〜16に示した様な構造により、上記各部材1、6、8aの弾性変形に伴って、このうちの各パワーローラ8a、8aを、入力側、出力側両ディスク1、6の軸方向(図13の表裏方向)にのみ変位させる様にしている。この構造に使用する、トラニオン9aに対し上記パワーローラ8aを回転自在に支持する為の支持軸10aは、互いに偏心した基部26と支持軸部27とを備える。一方、上記トラニオン9aの内側面中間部に、円形凹部28を形成している。そして、この円形凹部28に円形の(厚肉円盤状の)クランク部材29を、回転可能に内嵌している。又、このクランク部材29の一部で、このクランク部材29の中心から外れた位置に、円孔30を形成している。これらクランク部材29の外周面の中心軸X29と円孔30の中心軸X30との偏心量δ2 は、上記基部26の中心軸X26と支持軸部27の中心軸X27との偏心量δ1 と等しい(δ2 =δ1 )。そして、上記基部26を、上記円孔30に、がたつきなく、且つ、揺動可能に内嵌している。従って、上記基部26の中心軸X26と上記円孔30の中心軸X30とは互いに一致する。勿論、上記支持軸部27の周囲に回転自在に支持した上記パワーローラ8aの中心軸X8は、この支持軸部27の中心軸X27と一致する。
更に、上記トラニオン9aの一部で、上記円形凹部28の底部片隅部に整合する部分に、前記傾転軸15、15の軸方向に長い長孔31を、この円形凹部28の底面と上記トラニオン9aの外側面とを連通する状態で形成している。そして、前記支持軸10aのうちで上記基部26の基端面{図15の(B)の右端面}の片隅部に突設したガイドロッド32を上記長孔31に、この長孔31の長さ方向(前記各傾転軸15、15の軸方向、図15の上下方向)の変位を可能に支持している。
前記特許文献3に記載された構造の場合、上述の様な構成により、前記入力側、出力側両ディスク1、6の軸方向片側面である、入力側、出力側両内側面3、7の軸方向変位に伴って、上記パワーローラ8aを、図16の(A)に矢印aで示す様に、この軸方向にのみ変位させる。このパワーローラ8aがこの矢印a方向に変位する際、上記ガイドロッド32は、図16の(B)に矢印bで示す様に、上記長孔31の内側で、上記各傾転軸15、15の軸方向に変位する。この際、クランク部材29の外周面の中心軸X29を中心とする円孔30の中心軸X30の偏心量δ2 に基づく円弧運動と、基部26の中心軸X26と支持軸部27の中心軸X27との偏心量δ1 に基づく円弧運動とを相殺して、上記支持軸部27に直線運動させる。
図11に示した従来構造の第1例にしても、図12〜16に示した従来構造の第2例にしても、各パワーローラ8、8aを各ディスク1、1a、1b、6の軸方向に変位させて、構成各部材の弾性変形量の変化に拘らず、これら各ディスク1、1a、1b、6と上記各パワーローラ8、8の周面との接触状態を適正に維持できる。但し、何れの構造の場合も、これら各パワーローラ8、8を上記軸方向に変位させる為の構造が複雑で、部品製作、部品管理、組立作業が何れも面倒になり、コストが嵩む事が避けられない。特許文献4には、トラニオンの内側面と、パワーローラを回転自在に支持する為のスラスト玉軸受の外輪との間に直動型の転がり軸受を設ける事で、上記パワーローラの各ディスクの軸方向の変位を許容する構造が記載されている。この様な特許文献4に記載された構造にしても、同様の問題を生じる。
[先発明の説明]
この様な問題を解決する為の技術として、特願2006−250530(特開2008−25821)に開示された発明がある。この先発明の構造の1例に就いて、図17〜22により説明する。この先発明のトロイダル型無段変速機の特徴は、トラニオン9bに対しパワーローラ8bを、入力側、出力側各ディスク1a、1b、6(図11参照)の軸方向の変位を可能に支持する部分の構造にある。トロイダル型無段変速機全体としての構造及び作用は、前述の図11〜13に示した構造を含め、従来から知られている構造と同様である。この為、従来と同様に構成する部分に就いては、図示並びに説明を、省略若しくは簡略にし、以下、先発明構造の特徴部分を中心に説明する。
先発明のトロイダル型無段変速機を構成するトラニオン9bは、両端部に互いに同心に設けられた1対の傾転軸15、15と、これら両傾転軸15、15同士の間に存在し、少なくとも上記入力側、出力側両ディスク1a、1b、6の径方向(図18、20〜22の上下方向)に関する内側(図18、20〜22の上側)の側面を円筒状凸面33とした、支持梁部34とを備える。上記両傾転軸15、15は、それぞれラジアルニードル軸受35、35を介して、ヨーク(図示せず)或いは揺動フレーム13の支持板部14、14(図12〜13参照)に、揺動を可能に支持する。又、上記円筒状凸面33の中心軸イは、図18、21に示す様に、上記両傾転軸15、15の中心軸ロと平行で、これら両傾転軸15、15の中心軸ロよりも、上記各ディスク1a、1b、6の径方向に関して外側(図18、20〜22の下側)に存在する。又、上記支持梁部34とパワーローラ8bの外側面との間に設けるスラスト玉軸受36を構成する外輪37の外側面に、部分円筒面状の凹部38を、この外側面を径方向に横切る状態で設けている。そして、この凹部38と、上記支持梁部34の円筒状凸面33とを係合させ、上記トラニオン9bに対し上記外輪37を、上記各ディスク1a、1b、6の軸方向に関する揺動変位を可能に支持している。尚、本例の場合には、この凹部38の断面形状の曲率半径r38とこの円筒状凸面33の断面形状の曲率半径r33(図22)とを一致させて、これら凹部38と円筒状凸面33とを、直接当接させている。尚、この凹部38側の曲率半径r38を、この円筒状凸面33側の曲率半径r33よりも大きく(r38>r33)しても良い。
又、本例の場合には、上記外輪37の内側面中央部に支持軸10bを、この外輪37と一体に固設して、上記パワーローラ8bをこの支持軸10bの周囲に、ラジアルニードル軸受39を介して、回転自在に支持している。又、上記外輪37及び上記支持軸10bの内部に、上記スラスト玉軸受36及び上記ラジアルニードル軸受39に潤滑油を供給する為の下流側給油路40を、上記支持梁部34の内部に、この下流側給油路40に繋がる上流側給油路41を、それぞれ設けている。上記外輪37の外側面でこの下流側給油路40の上流端開口を囲む部分には、この外輪37の揺動方向に長い凹部42を形成して、この外輪37の揺動変位に拘らず、上記両通油路40、41同士が互いに連通する様にしている。更に、上記支持梁部34の外部に、この上流側給油路41に繋がる給油パイプ43を設けている。この給油パイプ43の上流側端部は、上記トラニオン9bの端部に設けた、同期ケーブルを架け渡す為のプーリ44の内径側に開口させ、このプーリ44の内径側を通じて、潤滑油の供給を可能にしている。
又、先発明の場合には、上記トラニオン9bの内側面のうち、上記支持梁部34の両端部と1対の傾転軸15、15との連続部に、互いに対向する1対の段差面45、45を設けている。これら両段差面45、45同士の間隔は、上記外輪37の外径よりも極く僅か(例えば数十μm程度)だけ大きい。従って、上記凹部38と上記円筒状凸面33とを当接させた状態で、上記外輪37の外周面が、上記両段差面45、45に当接若しくは近接対向する。即ち、上記外輪37をこれら両段差面45、45同士の間に、上記パワーローラ8bからこの外輪37に加わるトラクション力を何れかの段差面45、45で支承可能な状態に組み付けている。
上述の様に構成する先発明のトロイダル型無段変速機によれば、上記パワーローラ8bを前記各ディスク1a、1b、6の軸方向に変位させて、構成各部材の弾性変形量の変化に拘らず、このパワーローラ8bの周面と上記各ディスク1a、1b、6との接触状態を適正に維持できる構造を、簡単で低コストに構成できる。
即ち、トロイダル型無段変速機の運転時に、入力側、出力側各ディスク1a、1b、6、各パワーローラ8bの弾性変形に基づき、これら各パワーローラ8bをこれら各ディスク1a、1b、6の軸方向に変位させる必要が生じると、これら各パワーローラ8bを回転自在に支持している前記スラスト玉軸受36の外輪37が、外側面に設けた部分円筒面状の凹部38と支持梁部34の円筒状凸面33との当接面を滑らせつつ、この円筒状凸面33の中心軸イを中心として揺動変位する。この揺動変位に基づき、上記各パワーローラ8bの周面のうちで、上記各ディスク1a、1b、6の軸方向片側面と転がり接触する部分が、これら各ディスク1a、1b、6の軸方向に変位し、上記接触状態を適正に維持する。前述した通り、上記円筒状凸面33の中心軸イは、変速動作の際に各トラニオン9bの揺動中心となる傾転軸15、15の中心軸ロよりも、上記各ディスク1a、1b、6の径方向に関して外側に存在する。従って、上記円筒状凸面33の中心軸イを中心とする揺動変位の揺動半径は、上記変速動作の際の揺動半径よりも大きく、上記入力側ディスク1a、1bと出力側ディスク6との間の変速比の変動に及ぼす影響は少ない(無視できるか、容易に修正できる範囲に留まる)。
この様に接触状態を適正に維持する為に必要とされる、上記凹部38と円筒状凸面33との加工は容易であり、又、別途特殊な部品が必要になる事もない。この為、簡単で低コストに構成できる。
又、上記パワーローラ8bから外輪37に加わるトラクション力を何れかの段差面45で支承するので、このパワーローラ8bがトラニオン9bの内側面で、各傾転軸15、15の軸方向に変位する事を確実に防止して、トロイダル型無段変速機の変速動作の安定性を確保できる。
先発明に係るトロイダル型無段変速機の運転時には、上述の様に、上記パワーローラ8bから外輪37に加わるトラクション力を何れかの段差面45で支承する。トロイダル型無段変速機の技術分野で所謂2Ftと呼ばれる、上記トラクション力は、相当に大きい。一方、上記外輪37の外周面46は凸円筒面であるのに対して、上記両段差面45、45は、前記支持梁部34を中心とする上記外輪37の揺動変位を可能にする為、前記支持梁部34の中心軸に対し直交する方向に存在する、互いに平行な平坦面とする必要がある。この為、この段差面45と上記外周面46との当接面積は小さく、上記外輪37に加わるトラクション力をこの段差面45で支承する状態では、上記段差面45と上記外周面46との当接部に大きな面圧が作用する。この当接部に大きな面圧が作用した状態で、上記トロイダル型無段変速機の変速比変更に伴って上記段差面45と上記外周面46とが摺動すると、これら両面45、46に早期摩耗等の損傷を生じる可能性がある。又、摺動しない場合でも、上記段差面45側に圧痕が生じる可能性がある。
特開平3−74667号公報 特開2001−165262号公報 独国特許出願公開第10246432号明細書(DE10246432A1) 特開2003−294099号公報 青山元男著、「別冊ベストカー 赤バッジシリーズ245/クルマの最新メカがわかる本」、株式会社三推社/株式会社講談社、平成13年12月20日、p.92−93 田中裕久著、「トロイダルCVT」、株式会社コロナ社、2000年7月13日
本発明は、上述の様な事情に鑑み、各パワーローラを各ディスクの軸方向に変位させて、構成各部材の弾性変形量の変化に拘らず、これら各パワーローラの周面とこれら各ディスクとの接触状態を適正に維持できる、簡単で低コストに構成でき、しかも優れた耐久性を有する構造を実現すべく発明したものである。
本発明のトロイダル型無段変速機は、前述した従来から知られているトロイダル型無段変速機と同様に、少なくとも1対のディスクと、複数のトラニオンと、複数のパワーローラとを備える。
このうちの、少なくとも1対のディスクは、それぞれが断面円弧形のトロイド曲面である互いの軸方向片側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、相対回転を自在に支持されている。
又、上記各トラニオンは、軸方向に関してこれら各ディスクの軸方向片側面同士の間位置の円周方向に関して複数個所に、これら各ディスクの中心軸に対し捩れの位置にある傾転軸を中心とする揺動変位を自在に設けられている。
更に、上記各パワーローラは、上記各トラニオンの内側面に、それぞれスラスト転がり軸受を介して回転自在に支持され、球状凸面としたそれぞれの周面を、上記両ディスクの軸方向片側面にそれぞれ当接させている。
又、本発明のトロイダル型無段変速機に於いては、前述した先発明に係るトロイダル型無段変速機と同様に、上記各トラニオンは、両端部に互いに同心に設けられた上記1対の傾転軸と、これら両傾転軸同士の間に存在し、少なくとも上記両ディスクの径方向に関する内側の側面を、上記両傾転軸の中心軸と平行でこの傾転軸の中心軸よりも上記両ディスクの径方向に関して外側に存在する中心軸を有する、円筒状凸面とした支持梁部とを備えたものである。
又、上記各スラスト転がり軸受は、この支持梁部と上記各パワーローラの外側面との間に設けられたもので、この支持梁部側に設けられた外輪と、この外輪の内側面に設けられた外輪軌道と上記パワーローラの外側面に設けられた内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体とを備えたものである。
そして、上記外輪は、外側面に設けられた部分円筒面状の凹部と上記支持梁部の円筒状凸面とを係合させる事により上記各トラニオンに対し、上記両ディスクの軸方向に関する揺動変位を可能に支持されている。
又、これら各トラニオンの内側面のうち、上記支持梁部の両端部と1対の傾転軸との連続部に、互いに対向する1対の段差面が設けられており、上記外輪がこれら両段差面同士の間部分に、パワーローラからこの外輪に加わるトラクション力を何れかの段差面で支承可能な状態に係合している。
更に、本発明のトロイダル型無段変速機の場合には、上記外輪の外周面のうち、上記両段差面に対向する部分の周方向に関する曲率半径を、残りの部分の曲率半径よりも大きくしている。
この様に、上記外輪の外周面のうちで上記両段差面に対向する部分の曲率半径を残りの部分の曲率半径よりも大きくする程度は、著しくする程、上記外周面と上記両段差面との当接部の接触面積を大きく(広く)して、これら両面の摩耗を抑えられる。
最も好ましくは、請求項2に記載した様に、上記外周面のうちで上記両段差面に対向する部分の周方向に関する曲率半径を無限大とし、この部分の形状を、これら両段差面と平行な平坦面とする。言い換えれば、上記外輪の外周面の直径方向反対側2個所位置に、それぞれが上記支持梁部の中心軸に対し直交する方向に存在する、互いに平行な平坦面を形成する。
又、好ましくは、請求項3に記載した様に、上記外輪の外周面のうちで周方向に関する曲率半径を異ならせた部分(請求項2の場合には平坦面を設けた部分)から軸方向に外れた部分に、この外輪を加工する際にシューを当接(滑り接触)させる為の、中心軸に対し直交する方向の断面を円形とした円筒面を設ける。
上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段変速機によれば、前述した先発明に係るトロイダル型無段変速機と同様に、各パワーローラを各ディスクの軸方向に変位させて、構成各部材の弾性変形量の変化に拘らず、これら各パワーローラの周面とこれら各ディスクとの接触状態を適正に維持できる構造を、簡単で低コストに構成できる。
即ち、トロイダル型無段変速機の運転時に、入力側、出力側各ディスク、各パワーローラの弾性変形に基づき、これら各パワーローラをこれら各ディスクの軸方向に変位させる必要が生じると、これら各パワーローラを回転自在に支持している各スラスト転がり軸受の外輪が、外側面に設けた部分円筒面状の凹部と支持梁部の円筒状凸面との係合部を中心として揺動変位する。この揺動変位に基づき、上記各パワーローラの周面のうちで、上記各ディスクの軸方向片側面と転がり接触する部分が、これら各ディスクの軸方向に変位し、上記接触状態を適正に維持する。上記円筒状凸面の中心軸は、変速動作の際に各トラニオンの揺動中心となる傾転軸の中心軸よりも、上記各ディスクの径方向に関して外側に存在する。従って、上記円筒状凸面の中心軸を中心とする揺動変位の揺動半径は、上記変速動作の際の揺動半径よりも大きく、上記入力側ディスクと出力側ディスクとの間の変速比の変動に及ぼす影響は少ない(無視できるか、容易に修正できる範囲に留まる)。
この様に接触状態を適正に維持する為に必要とされる、上記凹部と円筒状凸面との加工は容易であり、又、別途特殊な部品が必要になる事もない。この為、簡単で低コストに構成できる。
更に、本発明の構造によれば、上記各スラスト転がり軸受の外輪の外周面と、各トラニオンの内側面に設けた段差面との当接面積を広くできる。この為、トロイダル型無段変速機の運転時に、2Ftと呼ばれる大きなトラクション力を、上記外周面と上記段差面との当接部で支承しても、この当接部の面圧を抑えられる。この結果、この段差面に圧痕や早期摩耗等の損傷を生じる事を防止できる。
尚、前述した特願2006−250530の明細書及び図面には、トラニオンと外輪との間に設けたスラストニードル軸受やブラケットにより、上記トラクション力を、この外輪から上記トラニオンに伝達する構造が記載されている。この様な構造によれば、上述した様な、段差面に圧痕や摩耗が生じる事を防止できるが、その代わりに、部品点数の増大に基づいて製造コストが嵩む。本発明の場合には、この様なコスト上昇を抑えつつ、上記圧痕や摩耗の発生を抑えられる。
[実施の形態の第1例]
図1〜3は、請求項1にのみ対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例及び後述する第2〜3例の特徴は、前述した先発明の構造を前提として、スラスト玉軸受36を構成する外輪37の外周面46と、トラニオン9bの内側面に形成した段差面45、45との当接面積を確保する為の構造にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図17〜22で説明した先発明に係る構造と同様である。就いては、この先発明に係る構造と同様の部分に関しては、重複する図示並びに説明を、省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
上記外輪37のうち、最もパワーローラ8b側に存在し、最も外径が大きくなった部分の直径方向反対側2個所位置で、それぞれ上記段差面45、45と対向する部分に、それぞれトラクション力支持面47、47を形成している。これら両トラクション力支持面47、47は、上記外輪37の外周面46と同様に部分凸円筒面であるが、それぞれの曲率半径R47が、この外周面46のうちで上記両トラクション力支持面47、47から外れた部分の曲率半径r46よりも大きい(R47>r46)。即ち、上記外周面46のうちで上記両トラクション力支持面47、47から外れた部分の曲率中心が、上記外輪37の中心軸上の点Oに存在するのに対して、上記両トラクション力支持面47、47の曲率中心は、上記点Oを通過する、支持梁部34の中心軸に平行な仮想直線α上で、この点Oよりも遠い側に存在する。
上述の様なトラクション力支持面47、47を設けた上記外輪37を備えたスラスト玉軸受36を上記トラニオン9bに組み付けた状態で、上記両トラクション力支持面47、47は、上記両段差面45、45に、当接若しくは近接対向する。即ち、前述した2Ftと呼ばれるトラクション力を支承する側では、上記トラクション力支持面47と上記段差面45とが当接して、上記パワーローラ8bから上記外輪37に伝達された上記トラクション力を、上記トラニオン9bに伝達する。これに対して、反対側のトラクション力支持面47と段差面45とは、前述した様な、数十μm程度の微小隙間を介して近接対向する。エンジンブレーキ作動時等、トロイダル型無段変速機を通過するトルクの方向が逆転した場合には、上記反対側のトラクション力支持面47と段差面45とが当接する。
本例の構造によれば、上記両トラクション力支持面47、47の曲率半径R47が大きい分、上記トラクション力を伝達する側のトラクション力支持面47と段差面45との当接面積を広くできる。この為、これら両面47、45同士の当接部の面圧を抑えて、この段差面45に圧痕や早期摩耗等の損傷を生じる事を防止できる。
又、本例の構造によれば、上記両トラクション力支持面47、47を形成する事に伴って、前記支持梁部34の軸方向に関する、上記外輪37の幅寸法(短径)D37を、上記両トラクション力支持面47、47を形成しない場合に比べて小さくできる。そして、この幅寸法D37を小さくできる分だけ、上記両段差面45、45同士の間隔D45、延いては、これら両段差面45、45同士の間に存在する、上記支持梁部34の軸方向長さL34を短くできる。この結果、トロイダル型無段変速機の運転時に、前記パワーローラ8bから加わるスラスト荷重に基づく、上記支持梁部34の弾性変形量を少なく抑えられる。この支持梁部34が弾性変形すると、上記両段差面45、45同士の間隔が僅かとは言え縮まる。従って、変速動作を可能にすべく、上記外輪37がこれら両段差面45、45同士の間で強く挟持される(噛み込まれる)のを防止する為には、これら両段差面45、45同士の間隔D45(=L34)を、上記支持梁部34の軸方向に関する上記外輪37の幅寸法D37よりも大きくする必要がある。
これに対して、上記間隔D45をこの幅寸法D37よりも大きくする程度を著しくすると、上記トロイダル型無段変速機の伝達トルクが小さく、上記支持梁部34の弾性変形量が少ない状態で、この支持梁部34に沿う、上記外輪37の変位可能量が大きくなる。そして、この外輪37の変位可能量が大きくなると、この外輪37を含む前記スラスト玉軸受36により支持された上記パワーローラ8bが、上記トロイダル型無段変速機によるトルク伝達方向の反転時(例えば、「加速⇔減速」が切り換わる瞬間)に、上記支持梁部34の軸方向に大きく変位する。この軸方向への変位は、トロイダル型無段変速機の変速比変更に結び付く為、この変速比が不用意に変化しない様にする為には、上記外輪37が上記支持梁部34の軸方向に変位した分だけ、前記トラニオン9bを逆方向に変位させる必要がある。この様な動作が必要になると、トルクの伝達方向が反転する場合に於ける、トロイダル型無段変速機の変速比保持の安定性が損なわれる(所望の変速比を得る為の制御の応答性が悪化する)。
これに対して本例の構造の場合には、前述した様に、上記両トラクション力支持面47、47を形成する事に伴って、上記支持梁部34の軸方向長さL34を短くでき、その分だけ、この支持梁部34の曲げ剛性を高くできる。従って、トロイダル型無段変速機の運転時に、この支持梁部34の弾性変形に基づいて上記両段差面45、45同士の間隔が縮まる程度を小さく抑えられる。そして、この程度を小さくできる分、トルク非伝達状態で、上記両段差面45、45同士の間隔D45(=L34)を、上記支持梁部34の軸方向に関する上記外輪37の幅寸法D37よりも大きくする程度を少なく抑えられる。この結果、上記トロイダル型無段変速機の伝達トルクが小さく、上記支持梁部34の弾性変形量が少ない状態での、この支持梁部34に沿う上記外輪37の変位可能量を小さくできて、上記トルク反転時に於ける、所望の変速比を得る為の制御の応答性を向上させられる。尚、本例の場合には、変速比を変えるのに、前述の図11に示した従来構造の第1例と同様、前記トラニオン9bを、傾転軸15、15の軸方向に変位させる。
[実施の形態の第2例]
図4〜8は、請求項1、2に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、外輪37の外周面46のうちで、トラニオン9bの内側面に設けた1対の段差面45、45に対向する部分の、周方向に関する曲率半径を、無限大としている。そして、この部分に、これら両段差面45、45と平行な平坦面である、1対のトラクション力支持面47a、47aを設けている。言い換えれば、上記外輪37の外周面46の直径方向反対側2個所位置に、それぞれが上記トラニオン9bの支持梁部34の中心軸に対し直交する方向に存在する、互いに平行な平坦面である、上記両トラクション力支持面47a、47aを形成している。
この様な本例の場合、上述した実施の形態の第1例の場合に比べても、上記両段差面45、45と上記両トラクション力支持面47a、47aとの当接面積をより広くできる。そして、これら各面45、47aの損傷を、より有効に防止できる。更に、支持梁部34の軸方向に関する上記外輪37の幅寸法D37をより小さく、この支持梁部34の軸方向長さL34をより短くでき、この支持梁部34の曲げ剛性をより高くできて、トルク反転時に於ける、所望の変速比を得る為の制御の応答性を、より向上させられる。尚、上記両トラクション支持面47a、47aの周方向両端部と上記外周面46の残り部分とは、凸曲面により滑らかに連続させる事が、上記各面45、47aの摺れ合い部に潤滑油を取り込み易くする面から好ましい。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例と同様であるから、重複する説明は省略する。
尚、図6〜8に本例の構造に関する斜視図を示す。このうちの図6は、図4に示した構造に、スラスト玉軸受36を構成する部材及びパワーローラ8bを取り付けると共に、左右方向を逆にした状態で、ディスクの径方向に関して内径側から斜めに見た斜視図であり、図7は、スラスト玉軸受36及びパワーローラ8bをトラニオン9bから分離した状態で示した斜視図であり、図8はスラスト玉軸受36及びパワーローラ8bのみを取り出した状態で示した斜視図である。これら図4〜8に関しても、上述した図1〜5と同様に、先発明に係る構造と同等部分には、同一符号を付している。
[実施の形態の第3例]
図9〜10は、請求項1〜3に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、スラスト玉軸受36を構成する外輪37の外周面のうちで、1対のトラクション力支持面47aを設けた部分からこの外輪37の軸方向に関して(各ディスクの径方向に関して外側に)外れた部分に、この外輪37を加工する際にシューを当接(滑り接触)させる為のシュー用円筒面48を設けている。このシュー用円筒面48は、上記外輪37の中心軸に対し直交する方向の断面を円形とした円筒面であり、その外径を、上記トラクション力支持面47aを設けた部分の外周面の外径(外接円の直径)よりも小さくしている。又、本例の場合には、上記外輪37の外側面の径方向外側に全周に亙り、上記シュー用円筒面48から面取り部49を介して連続する状態でバッキングプレート用段差面50を、この外輪37の中心軸に対し直交する状態で設けている。このバッキングプレート用段差面50は、上記外輪37を加工する際に、バッキングプレートを当接させて、この外輪37の軸方向の位置決めを図る為のものである。
この様な本例の場合には、上記外輪37を加工する際に、センタ加工をする為のセンタを当接させる部分(例えばセンタ穴)を設けなくても(乃至はセンタを当接させる部分を設ける事ができなくても)、この外輪37の加工を、上記シュー用円筒面48にシューを当接(滑り接触)させると共に、上記バッキングプレート用段差面50にバッキングプレートを当接させた状態で行える。この為、上記外輪37の加工を精度良く行える。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第2例と同様であるから、重複する説明は省略する。
本発明の実施の形態の第1例を示す側面図。 パワーローラ及びスラスト玉軸受の一部の部品を省略して示す、図1の上方から見た図。 トラニオンを除いて図2と同方向から見た図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図2と同様の図。 同じく図3と同様の図。 同じく斜視図。 スラスト玉軸受及びパワーローラをトラニオンから分離した状態で示す斜視図。 スラスト玉軸受及びパワーローラのみを取り出し、これら両部材の軸方向に関して図6〜7と反対側から見た状態で示す斜視図。 本発明の実施の形態の第3例を示す、図7と同様の図。 同じく、図8と同様の図。 従来構造の第1例を示す断面図。 同第2例を示す要部斜視図。 図12の一部を取り出して各ディスクの軸方向から見た図。 トラニオンとパワーローラとを取り出した状態で示す分解斜視図。 組み立てた状態で、(A)はトラニオンの内側面側から見た図、(B)は断面図。 同じ状態で、(A)はトラニオンの内側面側から見た斜視図、(B)は一部を切断した状態で外側面側から見た斜視図。 先発明の構造の1例を示す、要部斜視図。 同正面図。 図18の上方から見た平面図。 図18の右方から見た側面図。 図19のA−A断面図。 図18のB−B断面図。
符号の説明
1、1a、1b 入力側ディスク
2 入力回転軸
3 入力側内側面
4 出力歯車
5 出力筒
6 出力側ディスク
7 出力側内側面
8、8a、8b パワーローラ
9、9a、9b トラニオン
10、10a、10b 支持軸
11 駆動軸
12 押圧装置
13 揺動フレーム
14 支持板部
15 傾転軸
16、16a セクター歯車
17 カム装置
18 アクチェータ
19 カムフォロア
20 ハウジング
21 カム部材
22 カム溝
23 ピストン
24 ピン
25 結合ブラケット
26 基部
27 支持軸部
28 円形凹部
29 クランク部材
30 円孔
31 長孔
32 ガイドロッド
33 円筒状凸面
34 支持梁部
35 ラジアルニードル軸受
36 スラスト玉軸受
37 外輪
38 凹部
39 ラジアルニードル軸受
40 下流側給油路
41 上流側給油路
42 凹部
43 給油パイプ
44 プーリ
45 段差面
46 外周面
47、47a トラクション力支持面
48 シュー用円筒面
49 面取り部
50 バッキングプレート用段差面

Claims (3)

  1. それぞれが断面円弧形のトロイド曲面である互いの軸方向片側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、相対回転を自在に支持された少なくとも1対のディスクと、軸方向に関してこれら各ディスクの軸方向片側面同士の間位置の円周方向に関して複数個所に、これら各ディスクの中心軸に対し捩れの位置にある傾転軸を中心とする揺動変位を自在に設けられた複数のトラニオンと、これら各トラニオンの内側面に、それぞれスラスト転がり軸受を介して回転自在に支持され、球状凸面としたそれぞれの周面を、上記両ディスクの軸方向片側面にそれぞれ当接させた複数のパワーローラとを備えたトロイダル型無段変速機に於いて、上記各トラニオンは、両端部に互いに同心に設けられた上記1対の傾転軸と、これら両傾転軸同士の間に存在し、少なくとも上記両ディスクの径方向に関する内側の側面を、上記両傾転軸の中心軸と平行でこの傾転軸の中心軸よりも上記両ディスクの径方向に関して外側に存在する中心軸を有する、円筒状凸面とした支持梁部とを備えたものであり、上記各スラスト転がり軸受は、この支持梁部と上記各パワーローラの外側面との間に設けられたもので、この支持梁部側に設けられた外輪と、この外輪の内側面に設けられた外輪軌道と上記パワーローラの外側面に設けられた内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体とを備えたものであって、上記外輪は、外側面に設けられた部分円筒面状の凹部と上記支持梁部の円筒状凸面とを係合させる事により上記各トラニオンに対し、上記両ディスクの軸方向に関する揺動変位を可能に支持されており、これら各トラニオンの内側面のうち、上記支持梁部の両端部と1対の傾転軸との連続部に、互いに対向する1対の段差面が設けられており、上記外輪がこれら両段差面同士の間部分に、パワーローラからこの外輪に加わるトラクション力を何れかの段差面で支承可能な状態に係合しており、この外輪の外周面のうち、これら両段差面に対向する部分の周方向に関する曲率半径が、残りの部分の曲率半径よりも大きくなっている事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 両段差面に対向する部分の周方向に関する曲率半径が無限大で、この部分の形状が、これら両段差面と平行な平坦面である、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機。
  3. 外輪の外周面のうちで周方向に関する曲率半径を異ならせた部分から軸方向に外れた部分に、この外輪を加工する際にシューを当接させる為の、中心軸に対し直交する方向の断面を円形とした円筒面を設けた、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
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