JP2010190379A - トロイダル型無段変速機及び無段変速装置 - Google Patents

トロイダル型無段変速機及び無段変速装置 Download PDF

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メーケル イエルグ
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テンベルゲ ペータ
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Abstract

【課題】変速動作を軽い力で円滑に行わせて、動力損失を低く抑え、且つ、優れた耐久性を確保できると言った利点を損なう事なく、低コストで造れる構造を実現する。
【解決手段】揺動ユニット33を構成するホルダ部材34は、それぞれに傾転軸部37、37を設けた1対の端部ブラケット35、35を部分筒状の連結部材57により結合固定して成る。同じく、上記トラニオン11aは、両端部に設けた内側傾転軸43、43を、前記両端部ブラケット35、35に、前記両傾転軸部37、37に対し傾斜した状態で形成した支持円孔41、41の内側に枢支している。パワーローラ12aを上記トラニオン11aの中間部に、揺動変位及び回転を可能に支持している。複数の揺動ユニットを構成する前記各ホルダ部材34同士の間に、それぞれの傾転軸部37、37を中心とするこれら各ホルダ部材34の傾斜角度を、機械的に同期させる同期手段を設ける。
【選択図】図2

Description

この発明は、自動車用の自動変速機として利用するトロイダル型無段変速機の改良に関する。具体的には、変速動作を軽い力で円滑に行わせて、動力損失を低く抑え、且つ、優れた耐久性を確保でき、しかも低コストで造れる構造の実現を図るものである。
自動車用変速装置としてトロイダル型無段変速機を使用する事が多くの刊行物に記載され、且つ、一部で実施されて周知である。又、動力損失を低く抑え、且つ、優れた耐久性を確保できるトロイダル型無段変速機として、例えば特許文献1に記載された構造が知られている。本発明は、この特許文献1に記載された従来構造を改良して低コスト化を図るものである。そこで、先ず、この特許文献1に記載されたトロイダル型無段変速機の構造及び作用に就いて、図7〜18により説明する。
このトロイダル型無段変速機は、図7〜8に示す様に、入力回転軸1の両端部に1対の入力側ディスク2a、2bを、それぞれがトロイド曲面であって軸方向片側面である、入力側側面3、3を互いに対向させた状態で、互いに同心に設けている。これら両入力側ディスク2a、2bのうちの一方(図7〜8の左方)の入力側ディスク2aは前記入力回転軸1の一端部に外嵌固定し、他方(図7〜8の右方)の入力側ディスク2bは、前記入力回転軸1の他端部に、軸方向の移動可能に支持している。又、この他方の入力側ディスク2bを前記一方の入力側ディスク2aに向けて、油圧式の押圧装置4により押圧自在としている。更に、前記一方の入力側ディスク2aの外側面に入力歯車5を、この入力側ディスク2aと同心に設けている。トロイダル型無段変速機の運転時には、前記押圧装置4に油圧を導入して、前記両入力側ディスク2a、2bに互いに近付く方向の力を付与しつつ、前記入力歯車5及び前記入力回転軸1を介してこれら両入力側ディスク2a、2bを、互いに同期して回転させる。
又、前記入力回転軸1の中間部周囲に一体型の出力側ディスク6を、この入力回転軸1に対する相対回転を自在に設けている。この出力側ディスク6の軸方向両側面を、それぞれがトロイド曲面であって、それぞれが軸方向片側面でもある、出力側側面7、7としている。又、前記出力側ディスク6の外周縁部には出力歯車8を設けて、この出力側ディスク6から動力を取り出せる様にしている。この出力側ディスク6は、図17にその全体を示す様な支持フレーム9に、回転自在に支持している。又、前記入力回転軸1も前記支持フレーム9に対し、回転自在に支持している。
前記両入力側ディスク2a、2bの入力側側面3、3と、前記出力側ディスク6の出力側側面7、7との間部分(1対のキャビティ部分)には、それぞれ図9〜16に示す様なパワーローラユニット10、10を、各キャビティ毎に複数個ずつ(図示の例では3個ずつ合計6個)配置している。これら各パワーローラユニット10、10は、それぞれ、トラニオン11に対してパワーローラ12を、揺動ブロック13と、スラスト転がり軸受14とを介して、揺動変位及び回転を自在に支持して成る。尚、前記トラニオン11と前記揺動ブロック13とを組み合わせたものが、特許請求の範囲に記載した揺動ユニットに相当する。
前記トラニオン11は、両端部に互いに同心に設けられた1対の傾転軸15、15同士の間に、これら両傾転軸15、15に対し平行な支持梁部16を設けて成る。そして、前記揺動ブロック13はこの支持梁部16に、この支持梁部16側に設けた凸円筒面部とこの揺動ブロック13側に設けた凹円筒面部との係合により、揺動変位可能に支持している。前記パワーローラ12は前記揺動ブロック13の内側面に、前記スラスト転がり軸受14により、回転自在に支持している。又、このスラスト転がり軸受14を構成する外輪17を前記揺動ブロック13の内側面に、図16に示す様に、傾斜軸18を中心とする揺動変位を自在に支持する事で、前記パワーローラ12を前記揺動ブロック13の内側面に、揺動及び回転自在に支持している。
前記傾斜軸18は、図13〜16に示す様に、前記外輪17の外側面に、この外輪17の径方向に、且つ、前記両傾転軸15、15の中心軸に対し傾斜した状態で配置している。即ち、前記傾斜軸18は、前記外輪17の外側面に形成した凹部19に嵌合固定している。この傾斜軸18を前記外輪17に結合固定した状態で、この傾斜軸18の中心軸イは、図18に示す様に、前記両傾転軸15、15の中心軸ロに対し、所定角度θ(例えば5〜15度程度)だけ傾斜する。尚、これら両傾転軸15、15の中心軸ロと前記傾斜軸18の中心軸イとは、同一の仮想平面上に位置する(これら両中心軸イ、ロが互いに交差する)。
前記揺動ブロック13の内側面と前記外輪17の外側面との間隔は、この傾斜軸18から離れる程広くなる。又、この傾斜軸18の軸方向両端部と、前記揺動ブロック13の内側面でこの傾斜軸18の軸方向両端部に対向する部分に形成した断面半円弧状の凹部19aとを、ラジアルニードル軸受20、20を介して係合させて、前記外輪17を前記揺動ブロック13に対し、前記傾斜軸18を中心として、軽い力での揺動変位を可能に支持している。又、前記傾斜軸18を前記トラニオン11に対し、大きな力が作用した場合に、前記各傾転軸15、15の軸方向の変位を可能に支持している。この為に、前記トラニオン11の折れ曲がり部21、21の互いに対向する内面と前記傾斜軸18の軸方向両端面との間に、それぞれ鋼球22、22と皿板ばね23、23とを、互いに直列に設けている。これら各皿板ばね23、23の弾力は、トロイダル型無段変速機の運転時に、前記各ディスク2a、2b、6の側面3、7から前記パワーローラ12を介して前記トラニオン11に加わる、所謂2Ftと呼ばれる力でも撓み切らない程度に、十分に大きくしている。即ち、前記皿板ばね23、23との存在に基づき、前記各ディスク2a、2b、6の回転方向に関する、前記各パワーローラ12、12の取付位置が多少ずれた場合にも、このずれを或る程度吸収できる様にしている。
それぞれが以上に述べた様に構成する、複数組(図示の例では6組)の前記各パワーローラユニット10、10は、図17に示す様な支持フレーム9の支持環部24、24に、それぞれの両端部に設けた前記傾転軸15、15を中心とする揺動変位のみ自在に、ラジアル転がり軸受25、25により支持する。前記各パワーローラユニット10、10は、前記支持フレーム9に揺動変位のみ自在に支持した状態で、次述する同期手段26により前記各トラニオン11、11の揺動角度を機械的に同期させつつ、次述する変位駆動手段27により所望角度揺動変位させられる様に構成している。
前記同期手段26は、前記各トラニオン11、11の端部に設けた前記各傾転軸15、15にそれぞれ固定した、セクター歯車28、28同士を、互いに噛合させて成る。又、前記変位駆動手段27は、互いに異なるキャビティ内に存在する3個ずつのトラニオン11、11のうち、前記各ディスク2a、2b、6の回転方向に関する位相が互いに一致する部分に存在する1個ずつ、合計2個のトラニオン11、11を、逆方向(変速比の変化方向に関して互いに同方向)に、同じ角度ずつ、互いに同期して揺動変位させる様に構成している。この為に、前記各ディスク2a、2b、6の側方に、軸方向片半部と軸方向他半部とで螺旋方向を互いに逆にした送りねじ杆29を、前記各ディスク2a、2b、6の中心軸と平行に、回転のみ自在に支持した状態で、配置している。そして、図示しない電動モータ等の回転駆動手段により前記送りねじ杆29を、所望の方向に所望角度(360度以上を含む)だけ、回転駆動自在としている。
又、前記送りねじ杆29の軸方向片半部と同他半部とに、それぞれ送りナット30、30を螺合させ、これら両送りナット30、30と、両キャビティ毎に1個ずつのセクター歯車28、28とを、係止切り欠き31、31と係止ピン32、32との係合に基づき、動力の伝達自在に組み合わせている。この構成により、前記送りねじ杆29の軸方向に関する、前記両送りナット30、30の動きを、それぞれのトラニオン11、11に伝達自在としている。
上述の様に構成する従来構造のトロイダル型無段変速機の変速比を変更する際には、前記変位駆動手段27により、互いに異なるキャビティに設置した前記2個のトラニオン11、11を逆方向(変速比の変化方向に関して互いに同方向)に、同じ角度ずつ、互いに同期して揺動変位させる。同時に、前記同期手段26により、前記両キャビティ毎に残り2個ずつ、合計残り4個のトラニオン11、11も、これら両キャビティ同士の間で逆方向(変速比の変化方向に関して互いに同方向)に、同じ角度ずつ、互いに同期して揺動変位させる。この様にして、合計6個のトラニオン11、11の傾斜角度を、目標とする変速比に見合う角度とする。
この様にして行う変速動作の開始時に、前記6個のトラニオン11、11の傾斜角度は、直ちに目標とする変速比に見合う角度に変更される。同時に、前記各揺動ブロック13の傾斜角度も、前記各トラニオン11、11と同期して、前記目標とする変速比に見合う角度に変更される。これに対して、前記外輪17を含むスラスト転がり軸受14及び前記各パワーローラ12、12は、前記傾斜軸18を中心として、前記各揺動ブロック13に対し傾斜する。そして、この傾斜に伴って、これら各パワーローラ12、12が、前記各傾転軸15、15の方向に変位する。この変位の結果、前記トラクション部にサイドスリップが発生して、前記各パワーローラ12、12が、前記外輪17を含むスラスト転がり軸受14と共に、目標とする変速比に見合う角度に向けて揺動変位する。
この際の各部の挙動に就いて、図18を参照しつつ、更に詳しく説明する。変速動作を行う際には、先ずトラニオン11及び揺動ブロック13を、その両端部に設けた傾転軸15、15を中心として、図18の矢印α方向に、所望角度(変化させるべき変速比の大きさに見合う角度)だけ揺動変位させる。各部の揺動変位に対する抵抗の相違に基づき、この様なトラニオン11及び揺動ブロック13の揺動変位の直後には、前記外輪17及びパワーローラ12は揺動変位せずにそのままの位置に留まる傾向になる。この為、このパワーローラ12は前記揺動ブロック13に対し、傾斜軸18を中心として、図18の矢印β方向に揺動変位する。尚、実際には、パワーローラ12が揺動変位せずに、前記揺動ブロック13がこのパワーローラ12に対し揺動変位するが、このパワーローラ12の動きを説明する面からは、同様に考えられる。
そして、前記パワーローラ12が前記矢印β方向に揺動変位する結果、このパワーローラ12の中心が、各ディスク2a(2b)、6の回転方向に関して変位する。即ち、前記矢印β方向の揺動変位に伴って前記パワーローラ12の中心が、図18に矢印γで示す様に変位する。この矢印γの方向は、前記傾斜軸18の中心軸に対し直角方向であり、前記各ディスク2a(2b)、6の中心軸の方向に対し傾斜している。従って、前記図18に矢印γ方向の変位に伴って前記パワーローラ12の中心が、前記各ディスク2a(2b)、6の回転方向に関して(例えば図18のδ分)変位する。
この結果、従来から実施されている一般的なトロイダル型無段変速機と同様に、前記各パワーローラ12の周面と前記各ディスク2a、2b、6の側面3、7との接触部(トラクション部)の接線方向に作用する力の方向が変化し(サイドスリップが発生し)、前記各パワーローラ12が前記各傾斜軸18を中心として揺動変位する。この様なサイドスリップに基づく揺動変位の方向は、変速動作の開始時に於ける前記矢印β、γ方向の変位を打ち消す方向(変速動作の開始時に於ける矢印β、γ方向とは逆方向で同じ変位量)になる。そして、この様な前記傾斜軸18を中心とする、前記パワーローラ12の変速動作の開始時に於ける矢印β、γ方向とは逆方向の揺動変位は、このパワーローラ12の傾斜角度が、前記目標とする変速比に見合う角度になるまで行われる。言い換えれば、前記パワーローラ12が目標とする変速比に見合う角度まで揺動した状態で、このパワーローラ12及び前記外輪17を含むスラスト転がり軸受14の揺動が停止する。この様に、このパワーローラ12及びスラスト転がり軸受14の揺動が停止した状態で、このパワーローラ12と前記トラニオン11との位置関係が、変速動作開始以前と同じ、中立状態になる。
上述の様に特許文献1に記載されたトロイダル型無段変速機は、前記各トラニオン11、11の傾斜角度を目標とする変速比に見合う角度にする事で、変速動作を開始させるが、これら各トラニオン11、11の傾斜角度を変える動作は、変速比変更の為のきっかけに過ぎない。従って、両キャビティ毎に1個ずつ、合計2個のトラニオン11、11を傾斜させる為の変位駆動手段27を構成する回転駆動手段の出力は小さくて済み、この変位駆動手段27を含むトロイダル型無段変速機の小型・軽量化を図れる。又、この変位駆動手段27により前記2個のトラニオン11、11を介して全部で6個のトラニオン11、11を揺動変位させる為に要するエネルギが少なくて済む為、トロイダル型無段変速機のシステム全体として考えた場合の伝達効率を向上させる事ができる。特に、前記回転駆動手段を電動モータとすれば、変速比変更の為のエネルギによる損失を僅少に抑えられる。
更に、特許文献1に記載されたトロイダル型無段変速機によれば、前記各パワーローラ12を前記各ディスク2a、2b、6の軸方向に変位させて、構成各部材の弾性変形量の変化に拘らず、これら各パワーローラ12、12の周面と前記各ディスク2a、2b、6の側面との接触状態を適正に維持できる。即ち、トロイダル型無段変速機の運転に伴って前記各ディスク2a、2b、6及び前記各パワーローラ12、12等が弾性変形した状態でも、前記各面同士の転がり接触部である各トラクション部の面圧を適正に維持する為には、前記トルクの変動に伴って、前記各パワーローラ12、12を前記各ディスク2a、2b、6の軸方向に変位させる必要がある。前記特許文献1に記載された従来構造の場合には、前記各パワーローラ12、12の変位を、前記揺動ブロック13を前記支持梁部16に対し揺動変位させる事で補償する。そして、前記各トラクション部の接触状態を適正に維持する。
上述の様に構成され作用する従来構造の場合、変速動作を軽い力で円滑に行わせて、動力損失を低く抑え、且つ、優れた耐久性を確保できるが、コストを抑える面からは改良の余地がある。この理由は、微妙な形状に加工する必要がある部品が複数種類存在する為である。例えば、前記従来構造の場合には、前記傾斜軸18を前記外輪17に支持固定する為にこの外輪17の外側面に凹部19を、揺動ブロック13の内側面に凹部19aを、それぞれ形成する事に加えて、前記傾斜軸18の両端部を前記トラニオン11の折れ曲がり部21、21同士の間に支持する必要がある。変速動作を安定させる為には、先ず、前記支持梁部16と前記揺動ブロック13との位置関係、この揺動ブロック13の形状精度及び寸法精度を厳密に規制する事に加えて、前記トラニオンの両端部に形成した傾転軸15、15と前記傾斜軸18との位置関係を厳密に規制する必要がある。例えば、前記揺動ブロック13の内側面に凹部19aを、所定方向に傾斜させた状態で形成する作業は面倒で、この揺動ブロック13の製造コストが嵩む。又、前記傾斜軸18を前記折れ曲がり部21、21同士の間に、所定の位置関係で支持する作業も面倒で、コスト上昇の原因となる。
尚、本発明に関連する刊行物として、上述した特許文献1の他、特許文献2がある。
特開2008−95874号公報 特許第2682090号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、特許文献1に記載された従来構造が有する、変速動作を軽い力で円滑に行わせて、動力損失を低く抑え、且つ、優れた耐久性を確保できると言った利点を損なう事なく、低コストで造れる構造の実現を図るべく発明したものである。
本発明のトロイダル型無段変速機及び無段変速装置のうち、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機の発明は、特許文献1に記載されて従来から知られているトロイダル型無段変速機と同様に、少なくとも1対のディスクと、複数の揺動ユニットと、これら各揺動ユニットと同数のパワーローラと、同期手段と、変位駆動手段とを備える。
前記各ディスクは、それぞれが断面円弧形のトロイド曲面である互いの軸方向片側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、相対回転を自在に支持されている。
又、前記各揺動ユニットは、軸方向に関して前記各ディスクの軸方向片側面同士の間位置の、これら各ディスクの回転方向に関して複数個所に、これら各ディスクの中心軸に対し捩れの位置にある傾転軸を中心とする揺動変位を自在に設けられている。
又、前記各パワーローラは、これら各揺動ユニットに回転自在に支持され、球状凸面としたそれぞれの周面を、前記各ディスクの軸方向片側面に、それぞれ当接させている。
又、前記同期手段は、前記各揺動ユニットの揺動角度を、機械的に同期させる。
更に、前記変位駆動手段は、少なくとも1個の揺動ユニットを、当該揺動ユニットの両端部に設けた前記傾転軸を中心として揺動変位させる。
特に、本発明のトロイダル型無段変速機に於いては、前記各揺動ユニットは、それぞれが、ホルダ部材とトラニオンとを組み合わせたユニット構造である。
そして、このうちのホルダ部材は、それぞれに前記傾転軸を設けた1対の端部ブラケットを部分筒状の連結部材により、それぞれの傾転軸を互いに同心に且つ反対側に向けた状態で結合固定したものである。
又、前記トラニオンは、両端部に互いに同心に設けた1対の内側傾転軸を、前記両端部ブラケットの互いに対向する面に互いに同心に、且つ、前記両傾転軸に対し傾斜した状態で形成した支持円孔の内側に枢支する事により、前記ホルダ部材に対し揺動変位自在に支持したものであって、前記各パワーローラを、前記両内側傾転軸に対し偏心した状態で中間部に設けられた支持梁部に、スラスト転がり軸受を介して揺動変位を可能に支持している。
更に、前記各揺動ユニットを構成する前記各ホルダ部材同士の間に、前記各傾転軸を中心とするこれら各ホルダ部材の傾斜角度を機械的に同期させる同期手段を設けている。
上述の様な本発明のトロイダル型無段変速機を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した発明の様に、前記ホルダ部材毎に1対の支持円孔の奥端面と内側傾転軸との間に弾性部材を、それぞれ軸方向に圧縮した状態で設ける。そして、これら各内側傾転軸の軸方向に関する、各トラニオンに支持された各パワーローラの初期位置を弾性的に調節可能とする。
更に、請求項3に記載した無段変速装置の発明は、上述した構成を有するトロイダル型無段変速機と、動力の伝達方向に関して、このトロイダル型無段変速機よりも前側に設けた前後進切換ユニットとを備える。又、このトロイダル型無段変速機のうちのホルダ部材を構成する連結部材の一部で、トラニオンの揺動方向に関して両端縁部と、スラスト転がり軸受を構成する外輪の外側面とを、この外輪が前記トラニオンに対し所定角度以上揺動変位した状態で衝合させる。そして、前記前後進切換ユニットが後退状態に切り替えられた状態で、前記スラスト転がり軸受により回転自在に支持されたパワーローラの傾転角を規制する為のストッパ機構を構成する。
上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段変速機及び無段変速装置によれば、特許文献1に記載された従来構造が有する、変速動作を軽い力で円滑に行わせて、動力損失を低く抑え、且つ、優れた耐久性を確保できると言った利点を損なう事なく、低コストで造れる構造の実現を図れる。この点に就いて、以下に説明する。
先ず、トロイダル型無段変速機の変速比を変更する際には、変位駆動手段により何れかの揺動ユニットのホルダ部材を揺動させ、1対の傾転軸を中心とする当該ホルダ部材の傾斜角度を、目標とする変速比に見合う角度とする。同時に、他のホルダ部材の傾斜角度も、同期手段の働きにより、目標とする変速比に見合う角度とする。この際、前記各ホルダ部材の傾斜角度は、直ちに目標とする変速比に見合う角度に変更される。これに対して各揺動ユニットを構成するトラニオンは、内側傾転軸を中心として前記各ホルダ部材に対し揺動しつつ、そのままの位置に留まる傾向になる。この様な、前記内側傾転軸を中心とする前記各トラニオンと前記各ホルダ部材との揺動変位に伴って、これら各トラニオンに回転及び揺動変位のみ自在に(内側傾転軸の軸方向に関する変位を阻止された状態で)支持された各パワーローラが、各ディスクの回転方向に関して変位する。
この結果、一般的なトロイダル型無段変速機の場合と同様に、前記各パワーローラの周面と前記各ディスクの軸方向片側面との接触部(トラクション部)の接線方向に作用する力の方向が変化し(サイドスリップが発生し)、前記各パワーローラが前記各トラニオンと共に、これら各トラニオンの両端部に設けた内側傾転軸を中心として揺動変位する。この様な、これら各内側傾転軸を中心とする、前記各パワーローラを支持した前記各トラニオンの揺動変位は、これら各パワーローラ及び各トラニオンの傾斜角度が、前記目標とする変速比に見合う角度になるまで行われる(目標とする変速比に見合う角度まで揺動してから停止する)。この様に、前記各パワーローラ及び前記各トラニオンが停止した状態で、これら各パワーローラ及び各トラニオンと前記各ホルダ部材との位置関係が、変速動作開始以前と同じ、中立状態となる。要するに、本発明のトロイダル型無段変速機により変速動作を行う際には、先ず、前記各ホルダ部材の傾斜角度が目標とする変速比に見合う角度に変化する。次いで、これら各ホルダ部材の揺動変位を追う様にして、前記各パワーローラが前記各トラニオンと共に揺動変位し、これら各パワーローラ及び各トラニオンの傾斜角度が、目標とする変速比に見合う角度になる。
上述の様に本発明のトロイダル型無段変速機は、ホルダ部材の傾斜角度を目標とする変速比に見合う角度にする事で、変速動作を開始させるが、このホルダ部材の傾斜角度を変える動作は、前述した特許文献1に記載された従来構造の場合と同様に、変速比変更の為のきっかけに過ぎない。即ち、前記変速動作に伴って前記各パワーローラを、トラクション部に作用する力の大きさ及び方向とは関係なく、傾斜させる事はない。従って、前記各ホルダ部材を傾斜させる為の変位駆動手段の出力は小さくて済み、この変位駆動手段を含むトロイダル型無段変速機の小型・軽量化を図れる。又、この変位駆動手段により前記各ホルダ部材を揺動変位させる為に要するエネルギが少なくて済む為、トロイダル型無段変速機のシステム全体として考えた場合の伝達効率を向上させる事ができる。しかも、従来から一般的に実施されているトロイダル型無段変速機の様に、運転中、各パワーローラにより伝達されるトルクを、油圧により支承する必要がなく、この油圧を発生させる為のポンプを運転する事に伴うロスをなくせる。
更に、目標とする変速比を実現する為に、前記各パワーローラの傾斜角度を変更する為の力は、従来から実施されている一般的なトロイダル型無段変速機と同様に、トラクション部に発生するサイドスリップを利用する。このサイドスリップを利用した変速動作は無理なく行われる。従って、変速動作を迅速に行っても、トラクション部を構成する各面に有害な力が作用する事が殆どない。この為、変速動作の迅速性確保とトラクション面の疲労抑制とを高次元で両立させられる。
尚、本発明のトロイダル型無段変速機による変速動作の速度は、前記変位駆動手段により前記何れかのトラニオンの傾斜角度を変更する速度を変える事で、任意に調節できる。即ち、従来から実施されている一般的なトロイダル型無段変速機で周知の様に、パワーローラを各ディスクの回転方向にずらせる量を多くする程、トラクション部に生じるサイドスリップが大きくなり、変速動作の速度が速くなる。一方、本発明のトロイダル型無段変速機の場合には、前記内側傾転軸を中心とする、前記各ホルダ部材に対する、前記各トラニオンと前記各パワーローラとの揺動変位量に比例して、前記各ディスクの回転方向に関するこれら各パワーローラのずれ量が多くなる。そこで、速い変速動作が必要な場合には前記変位駆動手段により前記各ホルダ部材の傾斜角度を変更する速度を速くし、変速動作を遅くする場合には、この傾斜角度を変更する速度を遅くする。遅い変速動作で大きな変速比変更を行う際には、前記変位駆動手段及び同期手段により前記各ホルダ部材の傾斜角度を緩徐に変更すれば、前記各パワーローラを支持した前記各トラニオンが、これら各ホルダ部材の動きを少しだけ遅れた状態で追いかける様にして、揺動変位する。
本発明のトロイダル型無段変速機の場合には、上述の様な機能を果たさせる為に、特にコストが嵩む事はない。この理由は、微妙な形状に加工する必要がある部品が、ホルダ部材のみで済み、しかも、このホルダ部材の加工も比較的容易に行える為である。
又、請求項2に記載した発明の様に、各パワーローラの初期位置を弾性的に調節可能に弾性支持すれば、前記各ディスクの回転方向に関する、前記各パワーローラの取付位置が多少ずれた場合にも、このずれを或る程度吸収できる。そして、一部のパワーローラが過大な動力を伝達し、当該パワーローラの耐久性が損なわれる事を防止できる。
更に、請求項3に記載した無段変速装置の発明によれば、後退時に各パワーローラの周面と各ディスクの側面との各トラクション部(転がり接触部)で発生するサイドスリップが過大になる事を防止できる。即ち、動力の伝達方向に関して、トロイダル型無段変速機よりも前側に前後進切換ユニットを設けた無段変速装置の場合、後退時には前記各パワーローラ及び前記各ディスクの回転方向が、前進時とは逆になる。この結果、前記各トラクション部で発生するサイドスリップの方向が、前記各パワーローラ及び前記各トラニオンと前記各ホルダ部材との位置関係を前記中立状態とする方向とは、逆の方向になる。従って、何らの対策も施さないと、前記各トラクション部で過大なサイドスリップが発生し、トロイダル型無段変速機を組み込んだ無段変速装置による動力伝達を行えなくなる。これに対して請求項3に記載した発明によれば、後退時に前記各トラクション部で発生する前記逆方向のサイドスリップに拘らず、このサイドスリップが過大になる事を防止できる。この為、後退時にも、伝達効率は低下するにしても、動力の伝達を行える。
図1〜6は、本発明の実施の形態の1例を示している。本例のトロイダル型無段変速機は、前述の図7〜8に示した、特許文献1に記載された従来構造と同様に、入力回転軸1の両端部に1対の入力側ディスク2a、2bを、それぞれがトロイド曲面である入力側側面3を互いに対向させた状態で、互いに同心に設けている。これら両入力側ディスク2a、2bのうちの一方(図1の左方)の入力側ディスク2aは前記入力回転軸1の一端部に外嵌固定し、他方(図1の右方)の入力側ディスク2bは、前記入力回転軸1の他端寄り部分に、軸方向の移動自在に支持している。又、この他方の入力側ディスク2bを前記一方の入力側ディスク2aに向けて、油圧式の押圧装置4により押圧自在としている。更に、前記入力回転軸1の他端部でこの押圧装置4から突出した部分に入力歯車5を固設している。トロイダル型無段変速機の運転時には、前記押圧装置4に油圧を導入して、前記両入力側ディスク2a、2bに互いに近付く方向の力を付与しつつ、前記入力歯車5及び前記入力回転軸1を介してこれら両入力側ディスク2a、2bを、互いに同期して回転させる。
又、前記入力回転軸1の中間部周囲に一体型の出力側ディスク6を、この入力回転軸1に対する相対回転を自在に設けている。この出力側ディスク6の軸方向両側面を、それぞれがトロイド曲面である出力側側面7としている。又、前記出力側ディスク6の外周縁部には出力歯車8を設けて、この出力側ディスク6から動力を取り出せる様にしている。この出力側ディスク6は、支持フレーム9aに、回転自在に支持している。又、前記入力回転軸1も前記支持フレーム9aに対し、回転自在に支持している。以上の構成に就いては、前記入力歯車5の設置位置等の細かい点を除き、前述した特許文献1に記載された従来構造と同様であるから、詳しい図示並びに説明は省略する。
前記両入力側ディスク2a、2bの入力側側面3と、前記出力側ディスク6の出力側側面7との間部分(1対のキャビティ部分)には、それぞれ図2〜3に示す様な揺動ユニット33、33を、各キャビティ毎に複数個ずつ(図示の例では3個ずつ合計6個)配置している。これら各揺動ユニット33、33は、それぞれ、図5に示したホルダ部材34と、図2〜4に示したトラニオン11aとを組み合わせたユニット構造である。尚、これらホルダ部材34とトラニオン11aとを組み立てる作業は、このうちのホルダ部材34を構成する1対の端部ブラケット35、35同士を、連結部材57により結合固定する作業と同時に行う。
前記ホルダ部材34は、前記両端部ブラケット35、35同士を、前記連結部材57により結合固定して成る。これら両端部ブラケット35、35は、互いに同形状の部材を軸方向に反転して使用するもので、ホルダ部材34として組み立てた状態での中央側から順番に、外向フランジ状の結合用鍔部36と、軸方向中間部の傾転軸部37と、この傾転軸部37と同軸でこの傾転軸部37よりも小径のスプライン軸部38とを備える。この傾転軸部37が、前記各揺動ユニット33、33の揺動中心としての傾転軸となる。この為に、この傾転軸部37の外周面と前記結合用鍔部36の外側面(この傾転軸部37側に位置し、組立状態で互いに反対側となる面)との連続部に、アンギュラ型の内輪軌道39を設けている。又、前記結合用鍔部36の内側面(前記傾転軸部37と反対側に位置し、組立状態で互いに対向する面)の半円周部分には、前記連結部材57の端縁部を内嵌する為の係止溝40を形成している。更に、前記傾転軸部37の内部には、支持円孔41を形成している。この支持円孔41は、この傾転軸部37に対し傾斜した状態で形成しており、この傾転軸部37の内側面の中央位置から径方向に外れた部分に開口し、且つ、その中心軸は、この傾転軸部37の中心軸に対し傾斜している。
前記両端部ブラケット35、35と前記連結部材57とは、この連結部材57の両端部をこれら両端部ブラケット35、35の係止溝40、40に内嵌した状態で、締り嵌め、接着、かしめ、溶接等により固定して、前記ホルダ部材34とする。この様にホルダ部材34を組み立てた状態で、前記両端部ブラケット35、35に設けた支持円孔41、41は、互いに同心になる。前記トラニオン11aは、その両端部をこれら両支持円孔41、41の内側に、ラジアルニードル軸受42、42を介して、揺動変位自在に支持する。
前記トラニオン11aは、前述した特許文献1に記載された従来構造を構成するトラニオン11(例えば図9、10、13参照)と類似する形状を有するもので、支持梁部16aの両側に、それぞれがこの支持梁部16aに対し偏心した、1対の内側傾転軸43、43を有する。これら両内側傾転軸43、43は、互いに同心で、前記支持梁部16aの両端部と、それぞれ折れ曲がり部44、44を介して連続している。又、この支持梁部16aの外周面のうちで、前記両内側傾転軸43、43が偏心している側部分は、部分凸円筒面部45としている。更に、これら両内側傾転軸43、43の先半部(前記両折れ曲がり部44、44から遠い側の半部)には、それぞれ保持凹孔46、46を形成している。これら両保持凹孔46、46は、それぞれ前記両内側傾転軸43、43の先端面中央部に開口している。そして、これら両保持凹孔46、46の奥端面と前記両支持円孔41、41の奥端面との間に、弾性部材である皿板ばね51、51と滑り軸受52、52等のスラスト軸受とを、前記両保持凹孔46、46の奥端面の側から順番に、互いに直列に配置している。この構成により、前記ホルダ部材34に対する前記トラニオン11aの軸方向位置を、大きな力が加わった状態で若干の調節を可能としている。
又、前記両折れ曲がり部44、44の互いに対向する面は、少なくとも前記部分凸円筒面部45の周方向に関して互いに平行な、ガイド平面47、47としている。そして、これら両ガイド平面47、47同士の間に、スラスト転がり軸受14aを構成する外輪17aを、前記部分凸円筒面部45に沿った揺動変位を可能に配置している。この為に、この外輪17aの外側面(トロイダル型無段変速機への組み付け状態で、前記各ディスク2a、2b、6の径方向外側となる面で、図2、4、6の上面)には、前記部分凸円筒面部45と揺動変位可能に係合する、部分凹円筒面部48を形成している。又、前記外輪17aの内側面(トロイダル型無段変速機への組み付け状態で、前記各ディスク2a、2b、6の径方向内側となる面で、図2、4、6の下面)には、支持軸49を突設している。そして、この支持軸49の周囲にパワーローラ12aを配置し、これら支持軸49の外周面とパワーローラ12aの内周面との間にラジアルニードル軸受50を設けている。このパワーローラ12aは、このラジアルニードル軸受50と前記スラスト転がり軸受14aとにより前記外輪17aに対し、スラスト荷重及びラジアル荷重を支承しつつ、回転自在に支持している。トロイダル型無段変速機の組立状態で前記パワーローラ12aの周面は、図6に示す様に、前記各ディスク2a、2b、6の側面3、7と転がり接触する。
上述の様に、前記ホルダ部材34と前記トラニオン11aとを組み合わせ、更に前記パワーローラ12aを回転自在且つ揺動変位可能に支持した、各揺動ユニット33、33は、前記内輪軌道39、39を利用して構成した転がり軸受53、53により前記支持フレーム9aに対し、揺動変位自在に支持している。本例の場合にこれら両転がり軸受53、53は、アンギュラコンタクト型の玉軸受であって、前記各揺動ユニット33、33を前記支持フレーム9aに対し、スラスト荷重及びラジアル荷重を支承しつつ、揺動のみ自在に支持する。
又、前記各揺動ユニット33、33を構成する、前記各ホルダ部材34、34の両端部に設けた、前記スプライン軸部38、38には、それぞれセクター歯車28、28aをスプライン係合させ、更に止め輪54、54により抜け止めを図っている。そして、同一キャビティ内に存在し、前記各ディスク2a、2b、6の回転方向に関して隣り合う前記各ホルダ部材34、34の端部に固定した前記各セクター歯車28、28a同士を、互いに噛合させている。この構成により、前記各揺動ユニット33、33の揺動角度を同期させる同期手段を構成している。
更に、前記各セクター歯車28、28aのうち、各キャビティ内に存在する1個ずつのセクター歯車28a、28aを、径方向反対側2箇所位置にそれぞれ歯を形成したものとしている。そして、一方(図1の下側)の歯を隣のセクター歯車28に噛合させると共に、他方(図1の上方)の歯を、ウォーム軸55に形成したウォーム歯と噛合させている。このウォーム軸55は前記支持フレーム9aに対し、回転のみ自在に支持している。又、軸方向片半部に形成したウォーム歯の方向と、同他半部に形成したウォーム歯の方向とを、互いに逆にしている。又、前記ウォーム軸55の中間部には従動歯車56を形成し、この従動歯車56と、図示しない電動モータ等の駆動源に結合した駆動歯車とを噛合させて、前記ウォーム軸55を、所望方向に所望角度だけ回転駆動自在としている。この構成により、1対のキャビティ毎に1個ずつの揺動ユニット33、33を揺動変位させる、変位駆動手段を構成している。
上述の様に構成する本例のトロイダル型無段変速機は次の様にして、前記入力歯車5に入力された動力を、所望の変速比で変速してから、前記出力歯車8から取り出す。先ず、前記入力歯車5の回転が、前記入力回転軸1を介して、前記両入力側ディスク2a、2bに伝わり、これら両入力側ディスク2a、2bが回転する。次いで、これら両入力側ディスク2a、2bの回転が、前記各パワーローラ12aに伝わって、これら各パワーローラ12aが、前記外輪17aの内側面に突設した、前記支持軸49の周囲で回転する。次いで、これら各パワーローラ12aの回転が、前記出力側ディスク6に伝わり、この出力側ディスク6が回転するので、この出力側ディスク6の回転を前記出力歯車8から取り出す。尚、この様なトロイダル型無段変速機の運転時には、前記押圧装置4に圧油を送り込む事で、前記各ディスク2a、2b、6の側面3、7を前記各パワーローラ12aの周面に押し付ける。
この様にして、前記入力歯車5からこの出力歯車8に動力を伝達するのに伴って、前記各パワーローラ12aから前記外輪17aに、ラジアル、スラスト両方向の荷重が加わる。このうちのラジアル荷重は、トロイダル型無段変速機の技術分野で2Ftと呼ばれて広く知られたもので、前記両入力側ディスク2a、2bから前記各パワーローラ12aを介して前記出力側ディスク6に動力を伝達する事に伴って発生する。この様なラジアル荷重は、前記外輪17aの外周面の一部が、前記1対のガイド平面47、47のうちの何れか一方のガイド平面47に押し付けられる事により支承される。これに対して前記スラスト荷重は、ハーフトロイダル型の無段変速機特有の荷重で、前記押圧装置4による、前記各ディスク2a、2b、6の側面3、7の前記各パワーローラ12aの周面への押し付けに伴って発生する。この様なスラスト荷重は、前記トラニオン11a、前記ホルダ部材34を介して、前記支持フレーム9aに伝わり、この支持フレーム9aにより支承する。
前記入力歯車5と前記出力歯車8との間の変速比を変更する場合には、前記ウォーム軸55を所定方向に回転させて、前記両セクター歯車28a、28aを、互いに逆方向に同じ角度だけ揺動させる。同時に、これら両セクター歯車28a、28aと前記各セクター歯車28、28との噛合に基づいて、総てのセクター歯車28、28aを、同じ角度だけ揺動変位させる。これら各セクター歯車28、28aの揺動角度は同じで、揺動方向は、異なるキャビティ同士の間で互いに逆方向となる。この結果、前記各ホルダ部材34、34が、それぞれの両端部に設けた1対の傾転軸部37、37を中心として、互いに同じ角度ずつ揺動変位する。前記各ホルダ部材34、34の揺動角度は、前記ウォーム軸55の回転角度により制御し、目標とする変速比に見合う角度とする。
この様にして、前記各ホルダ部材34、34の揺動角度を目標とする変速比に見合う角度とする場合に、これら各ホルダ部材34、34の傾斜角度は、直ちに目標とする変速比に見合う角度に変更される。これに対してこれら各ホルダ部材34、34と共に前記各揺動ユニット33、33を構成する、前記各トラニオン11aは、それぞれの両端部に設けた1対の内側傾転軸43、43を中心として前記各ホルダ部材34、34に対し揺動しつつ、そのままの位置に留まる傾向になる。この理由は、前記各内側傾転軸43、43と前記各ホルダ部材34、34との揺動変位は、前記ラジアルニードル軸受42、42の存在に基づいて軽く行われるのに対して、前記各トラニオン11aと前記各ホルダ部材34、34とが揺動変位する事に対する抵抗は、これよりも大きい為である。そして、前記各内側傾転軸43、43を中心とする前記各トラニオン11aと前記各ホルダ部材34、34との揺動変位に伴って、前述の図18で説明した従来構造と同様に、前記各トラニオン11aに回転及び揺動変位のみ自在に支持された前記各パワーローラ12aが、前記各ディスク2a、2b、6の回転方向に関して変位する。
この結果、従来から既に公然と実施されている一般的なトロイダル型無段変速機の場合と同様に、前記各パワーローラ12aの周面と前記各ディスク2a、2b、6の側面3、7との接触部(トラクション部)の接線方向に作用する力の方向が変化し(サイドスリップが発生し)、前記各パワーローラ12aが前記各トラニオン11aと共に、これら各トラニオン11aの両端部に設けた前記各内側傾転軸43、43を中心として揺動変位する。この様な、これら各内側傾転軸43、43を中心とする、前記各パワーローラ12aを支持した前記各トラニオン11aの揺動変位は、これら各パワーローラ12a及び各トラニオン11aの傾斜角度が、前記目標とする変速比に見合う角度になるまで行われる。即ち、先に目標とする変速比に見合う位置に迄揺動変位している、前記各ホルダ部材34、34を追いかける様にして、前記各トラニオン11aが揺動変位する。そして、これら各トラニオン11aが目標とする変速比に見合う角度まで揺動した状態で、前記各トラニオン11aの揺動変位が停止する。
この様に、前記各パワーローラ12a及び前記各トラニオン11aが停止した状態で、これら各パワーローラ12a及び各トラニオン11aと前記各ホルダ部材34、34との位置関係が、変速動作開始以前と同じ、中立状態となる。この状態では、前記各パワーローラ12aの中心軸の延長線が前記各傾転軸部37、37の中心軸の延長線と交叉する状態となり、前記各トラクション部でのサイドスリップが消滅する。要するに、本例のトロイダル型無段変速機により変速動作を行う際には、先ず、前記各ホルダ部材34、34の傾斜角度が目標とする変速比に見合う角度に変化する。次いで、これら各ホルダ部材34、34の揺動変位を追う様にして、前記各パワーローラ12aが前記各トラニオン11aと共に揺動変位し、これら各パワーローラ12a及び各トラニオン11aの傾斜角度が、目標とする変速比に見合う角度になる。
上述の様に本例のトロイダル型無段変速機は、前記各ホルダ部材34、34の傾斜角度を目標とする変速比に見合う角度にする事で、変速動作を開始させるが、これら各ホルダ部材34、34の傾斜角度を変える動作は、前述した特許文献1に記載された従来構造の場合と同様に、変速比変更の為のきっかけに過ぎない。即ち、前記変速動作に伴って前記各パワーローラ12aを、トラクション部に作用する力の大きさ及び方向とは関係なく、傾斜させる事はない。従って、前記各ホルダ部材34、34を傾斜させる為の変位駆動手段を構成する、図示しない電動モータ等の出力は小さくて済み、この変位駆動手段を含むトロイダル型無段変速機の小型・軽量化を図れる。又、この変位駆動手段により前記各ホルダ部材34、34を揺動変位させる為に要するエネルギが少なくて済む為、トロイダル型無段変速機のシステム全体として考えた場合の伝達効率を向上させる事ができる。しかも、従来から一般的に実施されているトロイダル型無段変速機の様に、運転中、前記各パワーローラ12aにより伝達されるトルク(に伴って加わる、前述した2Ftと呼ばれる力)を、油圧により支承する必要がなく、この油圧を発生させる為のポンプを運転する事に伴うロスをなくせる。
更に、目標とする変速比を実現する為に、前記各パワーローラ12aの傾斜角度を変更する為の力は、従来から実施されている一般的なトロイダル型無段変速機と同様に、前記各トラクション部に発生するサイドスリップを利用する。このサイドスリップを利用した変速動作は無理なく行われる。従って、変速動作を迅速に行っても、前記各トラクション部を構成する各面に有害な力が作用する事が殆どない。この為、変速動作の迅速性確保とトラクション面の疲労抑制とを高次元で両立させられる。
尚、本例のトロイダル型無段変速機による変速動作の速度は、前記電動モータ等の回転速度を変え、前記ウォーム軸55の回転速度を変える事により、前記各ホルダ部材34、34の傾斜角度を変更する速度を変える事で、任意に調節できる。即ち、従来から実施されている一般的なトロイダル型無段変速機で周知の様に、前記各パワーローラ12aを前記各ディスク2a、2b、6の回転方向にずらせる量を多くする程、前記各トラクション部に生じるサイドスリップが大きくなり、変速動作の速度が速くなる。一方、本例のトロイダル型無段変速機の場合には、前記内側傾転軸43、43を中心とする、前記各トラニオン11aと前記各パワーローラ12aとの、前記各ホルダ部材34、34に対する揺動変位量に比例して、前記各ディスク2a、2b、6の回転方向に関するこれら各パワーローラ12aのずれ量が多くなる。そこで、速い変速動作が必要な場合には前記ウォーム軸55の回動量を多くして、前記各ホルダ部材34、34の傾斜角度の変化量を大きくし、変速動作を遅くする場合には、この傾斜角度の変化量を少なくする。遅い変速動作で大きな変速比変更を行う際には、前記電動モータ等により前記各ホルダ部材34、34の傾斜角度を緩徐に変更すれば、前記各パワーローラ12aを支持した前記各トラニオン11aが、前記各ホルダ部材34、34の動きを少しだけ遅れた状態で追いかける様にして、揺動変位する。
又、本例の構造の場合には、前記各皿板ばね51、51により前記各トラニオン11aを前記各ホルダ部材34、34に対し、前記各内側傾転軸43、43の軸方向に関する若干の変位を可能に支持している。この為、前記各ディスク2a、2b、6の回転方向(図2、4の左右方向)に関する、前記各パワーローラ12aの取付位置が多少ずれた場合にも、このずれを或る程度吸収できる。そして、一部のパワーローラ12aが過大な動力を伝達(過大なサイドスリップが発生)し、当該パワーローラ12aの耐久性が損なわれる事を防止できる。
又、大きなトルク伝達に伴って前記各ディスク2a、2b、6が弾性変形し、前記各パワーローラ12aがこれら各ディスク2a、2b、6の軸方向に変位する場合には、前記各外輪17aが前記各トラニオン11aに対し揺動変位する。これら外輪17aとトラニオン11aとは、この外輪17aの外側面に形成した部分凹円筒面部48と、このトラニオン11aの支持梁部16aに形成した部分凸円筒面部45との係合により、大きな力が加わった場合に、これら両円筒面部48、45の曲率中心軸を中心とする揺動変位を可能に係合している。従って、前記各ディスク2a、2b、6の弾性変形に基づく、これら各ディスク2a、2b、6の軸方向への、前記各パワーローラ12aの変位は、円滑に行われる。
更に、本例の構造の場合には、前記各ホルダ部材34、34を構成する、前記各連結部材57により、これら各ホルダ部材34、34に対する前記各パワーローラ12aの傾斜角度を制限する為のストッパ機構を設けている。即ち、前記各連結部材57の軸方向両端部を軸方向中間部よりも、前記各トラニオン11aの揺動方向に関して突出させている。そして、これら各連結部材57の軸方向両端部と、前記スラスト転がり軸受14aを構成する外輪17aの外側面とを近接対向させている。具体的には、各連結部材57の軸方向両端部とこの外輪17aの外側面との間に存在する隙間58、58の幅寸法W(図6参照)を、前記各連結部材57に対して前記外輪17aが、中立位置を中心として、±3〜6度程度(好ましくは±4〜5度程度)だけ揺動変位可能とする大きさとしている。従って、前記ウォーム軸55を停止させ、前記各ホルダ部材34、34を揺動変位しない様にした状態では、前記各パワーローラ12aは、前記各隙間58、58に見合う角度分のみ、揺動変位可能になる。
この様なストッパ機構を組み込む理由は、前記各ディスク2a、2b、6及び前記各パワーローラ12aが逆方向に回転する場合に、前記各トラクション部に作用するサイドスリップが過大になる事を防止する為である。即ち、トロイダル型無段変速機を自動車用自動変速機の変速ユニットとして使用する場合、特許文献2に記載されている構造の如く、動力の伝達方向に関してこのトロイダル型無段変速機よりも前側に、前後進切換ユニットを設ける事が考えられる。この様な構造を採用した場合、この前後進切換ユニットが後退状態に切り替えられた状態では、前記各トラクション部で発生するサイドスリップの方向が、前記各パワーローラ12a及び前記各トラニオン11aと前記各ホルダ部材34、34との位置関係を中立状態とする方向には加わらない。即ち、後退状態では、前記各トラクション部で発生するサイドスリップが、前記各パワーローラ12a及び各トラニオン11aと前記各ホルダ部材34、34との位置関係を、中立状態からずらす方向に加わる。この為、何らの対策も施さない場合には、この中立状態からのずれが大きくなり、前記各トラクション部で発生するサイドスリップが過大になって、トロイダル型無段変速機の伝達効率及び耐久性が著しく損なわれる。そこで本例の場合には、上述の様なストッパ機構を設けて、後退時にも、前記トロイダル型無段変速機の伝達効率及び耐久性が著しく損なわれない様にしている。
本発明を実施する場合に、変位駆動手段は、図示の構造に限らず、前述の特許文献1に記載された構造等、他の構造を採用する事もできる。又、同期手段にしても、各ホルダ部材同士の揺動角度を機械的に同期させられる構造であれば、図示の例以外の構造を採用する事もできる。
本発明の実施の形態の1例の全体構成を示す斜視図。 一部を省略して示す、図1のA−A断面図。 一部を省略して示す、図2のB−B線で切断した状態で示す斜視図。 トラニオンとパワーローラとを取り出して図2の斜め上方から見た斜視図。 ホルダ部材を図4と同方向から見た斜視図。 一部を省略して示す、図1のC−C断面図。 従来構造の1例の全体構成を示す斜視図。 図7のD−D線で切断した状態で示す斜視図。 変位駆動手段により変位駆動されるパワーローラユニットを取り出して示す斜視図。 同じく側面図。 図10の下方から見た図。 同じく右方から見た図。 パワーローラユニットを、トラニオンの中心軸を含む仮想平面で切断した状態で見た斜視図。 同じくトラニオンの中心軸に対し交叉する仮想平面で切断した状態で示す斜視図。 同じくトラニオンの軸方向中央部で、このトラニオンの中心軸に対し直交する仮想平面で切断した状態で見た斜視図。 同じくトラニオンの軸方向端部寄り部分で、このトラニオンの中心軸に対し直交する仮想平面で切断した状態で見た斜視図。 支持フレームの斜視図。 トラニオンと揺動ブロックとの相対変位に基づいてパワーローラが各ディスクの回転方向に変位する状況を説明する為の模式図。
1 入力回転軸
2a、2b 入力側ディスク
3 入力側側面
4 押圧装置
5 入力歯車
6 出力側ディスク
7 出力側側面
8 出力歯車
9、9a 支持フレーム
10 パワーローラユニット
11、11a トラニオン
12、12a パワーローラ
13 揺動ブロック
14、14a スラスト転がり軸受
15 傾転軸
16、16a 支持梁部
17、17a 外輪
18 傾斜軸
19、19a 凹部
20 ラジアルニードル軸受
21 折れ曲がり部
22 鋼球
23 皿板ばね
24 支持環部
25 ラジアル転がり軸受
26 同期手段
27 変位駆動手段
28、28a セクター歯車
29 送りねじ杆
30 送りナット
31 係止切り欠き
32 係止ピン
33 揺動ユニット
34 ホルダ部材
35 端部ブラケット
36 結合用鍔部
37 傾転軸部
38 スプライン軸部
39 内輪軌道
40 係止溝
41 支持円孔
42 ラジアルニードル軸受
43 内側傾転軸
44 折れ曲がり部
45 部分凸円筒面部
46 保持凹孔
47 ガイド平面
48 部分凹円筒面部
49 支持軸
50 ラジアルニードル軸受
51 皿板ばね
52 滑り軸受
53 転がり軸受
54 止め輪
55 ウォーム軸
56 従動歯車
57 連結部材
58 隙間

Claims (3)

  1. それぞれが断面円弧形のトロイド曲面である互いの軸方向片側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、相対回転を自在に支持された少なくとも1対のディスクと、軸方向に関してこれら各ディスクの軸方向片側面同士の間位置の、これら各ディスクの回転方向に関して複数個所に、これら各ディスクの中心軸に対し捩れの位置にある傾転軸を中心とする揺動変位を自在に設けられた複数の揺動ユニットと、これら各揺動ユニットに回転自在に支持され、球状凸面としたそれぞれの周面を前記各ディスクの軸方向片側面にそれぞれ当接させた、前記各揺動ユニットと同数のパワーローラと、これら各揺動ユニットの揺動角度を同期させる為の同期手段と、少なくとも1個の揺動ユニットを当該揺動ユニットの両端部に設けた前記傾転軸を中心として揺動変位させる為の変位駆動手段とを備えたトロイダル型無段変速機に於いて、前記各揺動ユニットは、それぞれがホルダ部材とトラニオンとを組み合わせたユニット構造であり、このうちのホルダ部材は、それぞれに前記傾転軸を設けた1対の端部ブラケットを部分筒状の連結部材により、それぞれの傾転軸を互いに同心に且つ反対側に向けた状態で結合固定したものであり、前記トラニオンは、両端部に互いに同心に設けた1対の内側傾転軸を、前記両端部ブラケットの互いに対向する面に互いに同心に、且つ、前記両傾転軸に対し傾斜した状態で形成した支持円孔の内側に枢支する事により、前記ホルダ部材に対し揺動変位自在に支持したものであって、前記各パワーローラを、前記両内側傾転軸に対し偏心した状態で中間部に設けられた支持梁部に、スラスト転がり軸受を介して揺動変位を可能に支持しており、前記各揺動ユニットを構成する前記各ホルダ部材同士の間に、前記各傾転軸を中心とするこれら各ホルダ部材の傾斜角度を機械的に同期させる同期手段を設けている事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 1対の支持円孔の奥端面と内側傾転軸との間に弾性部材を、それぞれ軸方向に圧縮した状態で設ける事により、これら各内側傾転軸の軸方向に関する、各トラニオンに支持された各パワーローラの初期位置を弾性的に調節可能とした、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機。
  3. 請求項1又は請求項2に記載したトロイダル型無段変速機と、動力の伝達方向に関して、このトロイダル型無段変速機よりも前側に設けた前後進切換ユニットとを備え、このトロイダル型無段変速機のうちのホルダ部材を構成する連結部材の一部で、トラニオンの揺動方向に関して両端縁部と、スラスト転がり軸受を構成する外輪の外側面とを、この外輪が前記トラニオンに対し所定角度以上揺動変位した状態で衝合させる事により、前記前後進切換ユニットが後退状態に切り替えられた状態で、前記スラスト転がり軸受により回転自在に支持されたパワーローラの傾転角を規制する為のストッパ機構を構成した無段変速装置。
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