JP2006342841A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 入力側ディスクを入力軸に支持するボールスプラインのディスク側係止溝にディスク側係止環を装着する際に、入力軸の小径部側への入力側ディスクの軸方向移動量を規制しなくてもボールの脱落を防止する構造とし、ディスク側係止環の装着作業の簡便化を図る。
【解決手段】 ローディングカム装置9、皿ばね42および入力側ディスク2Bを上方に移動し、入力側ディスク2Bのディスク側係止溝49を入力軸1の小径部51に整合させたときに、自由長の状態となっている皿ばね42の上端部42aが、内径側および外径側ボールスプライン溝46、47同士の間に挿入されている複数個のボール48のうち最下端のボールを支持する。また、最下端のボールの近傍に設けられている隙間Eは、ボールの直径Bd×((√3)/2)より小さな隙間となっているので、この隙間Eから最下端のボールが外部に脱落するおそれがない。
【選択図】図3

Description

本発明は、自動車や各種産業機械の変速機などに利用可能なトロイダル型無段変速機に関する。
自動車用変速機として、図5および図6に略示する様なトロイダル型無段変速機が使用されている。このトロイダル型無段変速機は、入力軸1と同心に入力側ディスク2を支持し、この入力軸1と同心に配置した出力軸3の端部に出力側ディスク4を固定している。トロイダル型無段変速機を納めたケーシングの内側には、前記入力軸1並びに出力軸3に対して捻れの位置にある枢軸5、5を中心として揺動するトラニオン6、6を設けている。
これら各トラニオン6、6は、それぞれの両端部外面に枢軸5、5を設けている。また、これら各トラニオン6、6の中間部には変位軸7、7の基端部を支持し、枢軸5、5を中心として各トラニオン6、6を揺動させることにより、各変位軸7、7の傾斜角度の調節を自在としている。各トラニオン6、6に支持した変位軸7、7の周囲には、それぞれパワーローラ8、8を回転自在に支持している。そして、これら各パワーローラ8、8を、入力側および出力側ディスク2、4の、互いに対向する内側面2a、4a同士の間に挟持している。これら各内側面2a、4aは、それぞれ断面が、枢軸5を中心とする円弧を回転させて得られる凹面をなしている。そして、球状凸面に形成した各パワーローラ8、8の周面8a、8aを、内側面2a、4aに当接させている。
入力軸1と入力側ディスク2との間には、ローディングカム装置9が設けられ、このローディングカム装置9によって、入力側ディスク2を出力側ディスク4に向け、弾性的に押圧自在としている。ローディングカム装置9は、入力軸1と共に回転するカム板10と、保持器11により転動自在に保持した複数個(例えば4個)のローラ12、12とから構成している。カム板10の片側面(図5、6の左側面)には、円周方向に亙る凹凸面であるカム面13を形成し、前記入力側ディスク2の外側面(図5,6の右側面)にも、同様のカム面14を形成している。そして、複数個のローラ12、12を、前記入力軸1の中心に関し放射方向の軸を中心とする回転自在に支持している。
上述の様に構成するトロイダル型無段変速機の使用時、入力軸1の回転に伴ってカム板10が回転すると、カム面13が複数個のローラ12、12を、入力側ディスク2の外側面に形成したカム面14に押圧する。この結果、入力側ディスク2が、複数のパワーローラ8、8に押圧されると同時に、1対のカム面13、14と複数個のローラ12、12との押し付け合いに基づいて、入力側ディスク2が回転する。そして、この入力側ディスク2の回転が、複数のパワーローラ8、8を介して出力側ディスク4に伝達され、この出力側ディスク4に固定の出力軸3が回転する。
入力軸1と出力軸3との回転速度比(変速比)を変える場合、先ず、入力軸1と出力軸3との間で減速を行なう場合には、各枢軸5、5を中心として各トラニオン6、6を所定方向に揺動させる。そして、各パワーローラ8、8の周面8a、8aが、図5に示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの中心寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの外周寄り部分とにそれぞれ当接するように、各変位軸7、7を傾斜させる。反対に、増速を行なう場合には、枢軸5、5を中心として各トラニオン6、6を反対方向に揺動させる。そして、各パワーローラ8、8の周面8a、8aが図6に示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの外周寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの中心寄り部分とに、それぞれ当接するように、これら各変位軸7、7を傾斜させる。各変位軸7、7の傾斜角度を図5、図6との中間にすれば、入力軸1と出力軸3との間で、中間の変速比が得られる。
ところで、図7は、入力軸1の外周にボールスプラインを介して入力側ディスク2が支持されている状態を示す図である(例えば、特許文献1参照)。
入力側ディスク2を入力軸1に支持するボールスプライン40は、入力側ディスク2の内周面に形成した内径側ボールスプライン溝46と、入力軸1の中間部外周面に形成した外径側ボールスプライン溝47と、これら両ボールスプライン溝46、47同士の間に転動自在に設けられた複数個のボール48、48とを備えている。
また、入力側ディスク2と、この入力側ディスク2と対向する出力側ディスク4(図7では図示せず)との間の入力軸1の外周には、小径部51が全周に亙って形成されている。
また、入力側ディスク2の内周面で、この入力側ディスク2の内側面2a寄り(図7の左寄り)部分にはディスク側係止溝49が、入力側ディスク2の内周面に形成した内径側ボールスプライン溝46を直角方向に横切る状態で、全周に亙って形成されている。このディスク側係止溝49に、ディスク側係止環50が装着されている。
また、小径部51に対して外径側ボールスプライン溝47の反対側端部には、シャフト側係止溝52が、入力軸1の外周面に形成した外径側ボールスプライン溝47を直角方向に横切る状態で、全周に亙って形成されている。そして、このシャフト側係止溝52に、シャフト側係止環53が装着されている。そして、このシャフト側係止環53がシャフト側係止溝52に装着されることで、複数のボール48、48が、入力側ディスク2の外側面側に抜け出ることを防止する。
ところで、入力軸1の外周に入力側ディスク2を組み立てる際には、入力軸1に設けたシャフト側係止溝52に、予めシャフト側係止環53を装着しておく。この状態でシャフト側係止環51の外周縁は、入力軸1の外周面から突出しない。次いで、入力軸1に、ローディングカム装置9の構成各部材、入力側ディスク2を外嵌する。この際、この入力側ディスク2には、まだディスク側係止環50を装着しない。そして、入力軸1に入力側ディスク2を外嵌し、内径側および外径側ボールスプライン溝46、47同士を整合させた状態で、これら両ボールスプライン溝46、47同士の間に複数個のボール48、48を挿入する。
そして、入力側ディスク2を小径部51側に軸方向に移動し、ディスク側係止溝49と小径部51とを整合させた状態で、この小径部51を通じてディスク側係止溝49にディスク側係止環50を装着する。
特開平11−051135号公報
しかしながら、ディスク側係止溝49と小径部51とを整合させるために入力側ディスク2を小径部51側の軸方向に移動する際には、入力側ディスク2の内径側の外側面70とシャフト側係止溝52に装着したシャフト側係止環53との間に、ボール48の直径よりも大きな隙間が生じると、内径側および外径側ボールスプライン溝46、47同士の間に挿入しているボール48が外部に脱落してしまうおそれがある。
このため、ディスク側係止溝49にディスク側係止環50を装着する際には、ボール48が外部に脱落しないように、入力側ディスク2の小径部51側への軸方向移動量を規制する必要があり、ディスク側係止環50を装着する作業が面倒でトロイダル型無段変速機の製造コストを高くする原因となっている。
本発明は、前記事情に鑑みて為されたもので、入力側ディスクを入力軸に支持するボールスプラインのディスク側係止溝にディスク側係止環を装着する際に、入力軸の小径部側への入力側ディスクの軸方向移動量を規制しなくてもボールの脱落を防止する構造とし、ディスク側係止環の装着作業の簡便化を図ることができるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明のトロイダル型無段変速機は、入力軸と、この入力軸の中間部周囲にボールスプラインを介して支持することにより、前記入力軸に対する軸方向に亙る変位とこの入力軸と同期した回転を自在とした入力側ディスクと、この入力側ディスクと内側面同士を対向させた状態で前記入力軸の中間部周囲に、この入力軸に対する相対回転を自在として支持した出力側ディスクと、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスク同士の間の前記入力軸に設けた小径部と、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの内側面同士の間に挟持されたパワーローラと、前記入力軸の一部と前記入力側ディスクとの間に設けられ、この入力側ディスクを前記出力側ディスクに向け押圧しつつこの入力側ディスクを回転駆動するローディングカム装置と、このローディングカム装置を構成するローディングカムおよびこれに対向する前記入力側ディスクの外側面の間に、トロイダル無段変速機の運転時に発生するスラスト荷重の作用方向に関して前記ローディングカムと並列に設けられ、前記出力側ディスクに向けて弾性的に押圧する予圧ばねとを備え、前記ボールスプラインは、前記入力側ディスクの内周面に形成した内径側ボールスプライン溝と、前記入力軸の中間部外周面に形成した外径側ボールスプライン溝と、これら内径側および外径側ボールスプライン溝同士の間に転動自在に設けられた複数個のボールと、前記入力側ディスクの内周面の内側面寄り部分に形成された係止溝と、この係止溝に係止して前記複数個のボールが前記入力側ディスクの内側面側に変位するのを制限する係止環とを備えてなるトロイダル型無段変速機において、
前記ローディングカム装置、前記予圧ばねおよび前記入力側ディスクを、前記入力軸の前記小径部側に向けて一体的に移動し、前記入力側ディスクに形成した前記係止溝を前記小径部に整合させることで、前記小径部を通じて前記係止環を前記係止溝に装着可能とし、
前記小径部側に移動した前記予圧ばねが、前記内径側および外径側ボールスプライン溝同士の間に設けられている複数個のボールを前記入力側ディスクの外側面側から支持するとともに、前記入力側ディスクの外側面と前記ボールを支持する前記予圧ばねの支持位置との間に設けられている隙間を前記ボールの直径×((√3)/2)より小さな値に設定したことを特徴とする。
本発明のトロイダル型無段変速機によれば、ローディングカム装置、予圧ばねおよび入力側ディスクを入力軸の小径部側に向けて一体的に移動し、入力側ディスクに形成したボールスプラインの係止溝を入力軸の小径部に整合させると、予圧ばねが、ボールスプラインの内径側および外径側ボールスプライン溝同士の間に設けられている複数個のボールを入力側ディスクの外側面側から支持するとともに、入力側ディスクの外側面と、ボールを支持する予圧ばねの支持位置との間に設けられている隙間をボールの直径×((√3)/2)より小さな値に設定しているので、入力軸の小径部側への入力側ディスクの軸方向移動量を規制しなくても、ボールスプラインのボールの脱落を防止する構造とし、ディスク側係止環の装着作業の簡便化を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機を示している。
このダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機は、ケーシング(図示せず)の内側に入力軸1が回転自在に支持されており、この入力軸1の外周に、2つの入力側ディスク2A,2Bと2つの出力側ディスク4,4とが取り付けられている。
入力軸1の中間部の外周には出力歯車21が回転自在に支持されている。この出力歯車21の中心部に設けられた円筒状のスリーブ部35に、出力側ディスク4,4がスプライン結合によって連結されている。
入力軸1は、ローディングカム装置9および図中左側に位置する入力側ディスク2Bを介して、駆動軸(図示せず)から回転が伝達されるようになっている。また、出力歯車21は、2つの部材の結合によって構成された仕切壁43を介してケーシング内に支持されており、これにより、入力軸1の軸線を中心に回転できる一方で、軸線方向の変位が阻止されている。
ローディングカム装置9は、駆動軸から回転が伝達されるカム板10と、保持器11により転動自在に保持されている複数個のローラ12、12とから構成されており、複数のローラ12、12は、カム板10の外周側に円周方向に亙って凹凸面として設けたカム面13と、入力側ディスク2Bの外径側の外側面の円周方向に亙って凹凸面として設けたカム面14との間で挟持されている。
出力側ディスク4,4は、入力軸1との間に介在されたニードル軸受16,16によって、入力軸1の軸線を中心に回転自在に支持されている。
また、図中左側の入力側ディスク2Bは、入力軸1にボールスプライン40を介して支持され、図中右側の入力側ディスク2Aは、入力軸1にスプライン結合されており、これら入力側ディスク2A,2Bは入力軸1と共に回転するようになっている。
また、入力側ディスク2A,2Bの内側面2a,2aと出力側ディスク4,4の内側面4a,4aとの間には、パワーローラ8が回転自在に挟持されている(図5、図6参照)。
入力軸1の一端部(図1の右端部)にスプライン結合により連結されている右側の入力側ディスク2Aは、ローディングナット38によりこの入力側ディスク2Aの外側面が抑え付けられている。これによって、右側の入力側ディスク2Aの入力軸1に対する軸線方向の変位が実質的に阻止されている。
一方、入力軸1の左側の端部に一体に形成した外向フランジ状の鍔部1aの片側面には、アンギュラ型の内輪軌道62が形成されている。
この内輪軌道62と、外輪63の内周面に形成したアンギュラ型の外輪軌道64との間に複数個の玉65、65を配置してアンギュラ型の玉軸受66を構成している。
外輪63は、円筒部67と、この円筒部67の左側の端部で一体形成した外向鍔部53aとを備えている。そして、ローディングカム装置9のカム板10の直径方向中間部に設けた円筒部56の内周面が、円筒部67の外周面にがたつきなく、且つ軸方向に変位自在に外嵌されているとともに、外向鍔部53aとカム板10の中間部外側面との間に、皿ばね57が配置されている。
また、外輪63の内径寄り部分と入力側ディスク2Bとの間に、スラストニードル軸受55と、予圧ばねとしての皿ばね42とが、外輪63の側から順番に、軸方向に互いに直列に配置されている。
皿ばね42は、入力軸1の外周に配置され、入力側ディスク2Bの内径側の外側面70とスラストニードル軸受55との間で挟み込まれており、自身の撓みにより入力側ディスク2Bとローディングカム装置9とを互いに離隔させつつ、入力側ディスク2Bを入力側ディスク2Aに向け弾性的に押圧する。
ここで、図3に示すように、皿ばね42の外径寸法Aは、ローディングカム装置9のカム板10の内径部10bの内径寸法Bより大きな寸法に設定されている(A>B)。
また、ローディングカム装置9側の入力側ディスク2Bを支持するボールスプライン40は、図2にも示すように、入力側ディスク2Bの内周面に形成した内径側ボールスプライン溝46と、入力軸1の中間部外周面に形成した外径側ボールスプライン溝47と、これら両ボールスプライン溝46、47同士の間に転動自在に設けられた複数個のボール48、48とを備えている。
また、入力側ディスク2Bと、この入力側ディスク2Bと対向する出力側ディスク4との間の入力軸1の外周部分には、小径部51が全周に亙って形成されている。
入力側ディスク2Bの内周面で、この入力側ディスク2Bの内側面2a寄り(図2の右寄り)部分にはディスク側係止溝49が形成されている。このディスク側係止溝49に、ディスク側係止環50が装着されている。ディスク側係止環50は、ステンレスのばね鋼、耐油性および耐熱性を有する合成樹脂等の弾性材により、欠円環状に形成されており、自由状態で直径を広げる方向の弾力を付与している。
また、小径部51に対して外径側ボールスプライン溝47の反対側端部には、シャフト側係止溝52が形成されている。そして、このシャフト側係止溝52に、シャフト側係止環53が装着されている。シャフト側係止環53は、ディスク側係止環50とは逆に、自由状態で外径を縮める方向の弾力を有する。このシャフト側係止環53がシャフト側係止溝52に装着されることで、前記複数のボール48、48が、入力側ディスク2Bの内径側の外側面70側に抜け出ることを防止する。
次に、ディスク側係止溝49にディスク側係止環50を装着するまでの作業手順について、図3を参照しながら説明する。なお、この作業は、入力側ディスク2Bの内側面2aが上方を向くように行なう方が、重力が各部材を落ち着かせる方向に作用するので好ましい。したがって、入力軸1を鉛直方向に向け、各部材を入力軸1に対して上方から配置する手順について説明する。
先ず、入力軸1に設けたシャフト側係止溝52に、予めシャフト側係止環53を装着しておく。この状態でシャフト側係止環53の外周縁は、入力軸1の外周面から突出しない。
次いで、入力軸1に、玉軸受66、皿ばね57、スラストニードル軸受55、ローディングカム装置9、皿ばね42の構成各部材を外嵌する。
次いで、入力軸1に入力側ディスク2Bを外嵌し、内径側および外径側ボールスプライン溝46、47同士を整合させた状態で、これら両ボールスプライン溝46、47同士の間に複数個のボール48、48を挿入する。
次いで、ローディングカム装置9、皿ばね42および入力側ディスク2Bを上方に移動していき、入力側ディスク2Bのディスク側係止溝49を入力軸1の小径部51に整合させる。
このとき、カム板10の上方に位置している皿ばね42は、前述したように外径寸法Aがカム板10の内径部10bの内径寸法Bより大きな寸法に設定されているので、カム板10の内径側の内側面(図3では上方を向いている面)10aに当接しながら上方に移動していく。
この皿ばね42は、軸方向の圧縮力が加わらず自由長の状態とされて配置されており、この皿ばね42のばね上端42aは、内径側および外径側ボールスプライン溝46、47同士の間に挿入されている複数個のボール48、48のうち最も下端のボール48を下側から支持しながら上方に移動していく。
ここで、本実施の形態では、入力側ディスク2Bの内径側の外側面(図3では下方を向いている面)70とカム板10の内径側の内側面10aとの軸方向の寸法をCとし、自由長の状態となっている皿ばね42の軸方向の最大寸法をDとすると、
C > D … (1)
の関係を有しており、入力側ディスク2Bの内径側の外側面70と皿ばね42のばね上端42aとの間には隙間E(=C−D)が設けられている。
そして、この隙間Eは、ボール48の直径Bdに対して以下の関係を有している。
E < Bd×((√3)/2) … (2)
上記の(2)式から明らかなように、入力側ディスク2Bの内径側の外側面70と皿ばね42のばね上端42aとの間に設けた隙間Eは、ボール48が通過できないボール48の直径Bd×((√3)/2)より小さな隙間に設定されている。
なお、ローディングカム装置9を持ち上げて、ローディングカム装置9、皿ばね42および入力側ディスク2Bを上方に移動する際、図4に示すように、入力側ディスク2Bが皿ばね42に持ち上げられて、C≦Dとなる場合もあり、この場合には、隙間E≦0となる。
このように、ローディングカム装置9、皿ばね42および入力側ディスク2Bを上方に移動し、入力側ディスク2Bのディスク側係止溝49を入力軸1の小径部51に整合させたときに、自由長の状態となっている皿ばね42の上端部42aが、内径側および外径側ボールスプライン溝46、47同士の間に挿入されている複数個のボール48、48のうち最下端のボール48を支持する。また、最下端のボール48の近傍に設けられている隙間Eは、ボール48の直径Bd×((√3)/2)より小さな隙間となっているので、この隙間Eから最下端のボール48が外部に脱落するおそれがない。
そして、皿ばね42が最下端のボール48を支持し、且つ最下端のボール48の近傍に設けた隙間Eをボール48の直径Bd×((√3)/2)より小さな隙間に設定してボール48が外部へ脱落するのを防止した状態で、小径部51に整合したディスク側係止溝49にディスク側係止環50を装着する。
したがって、本実施の形態は、ボールスプライン40のディスク側係止溝49にディスク側係止環50を装着するために、ローディングカム装置9とともに皿ばね42および入力側ディスク2Bを入力軸1の小径部51の位置まで上方に移動すると、カム板10の上方に位置している皿ばね42が外部への脱落を防止しながらボール48を支持するので、小径部51側への入力側ディスク2の移動量を規制せずに、ディスク側係止環50の装着作業を簡単に行なうことができる。
なお、皿ばね42が最下端のボール48を支持するようにローディングカム装置9および入力側ディスク2Bを上方に移動する際には、ローディングカム装置9のローラ12が、カム底にあることが必要であり、少なくともディスク側係止溝49にディスク側係止環50を装着するまでは、ローディングカム装置9および入力側ディスク2Bをクランプするなどし、ローラ12の位置を規制することが好ましい。
本発明は、ダブルキャビティ式やシングルキャビティ式のハーフトロイダル型のほか、トラニオンを有しないフルトロイダル型などの様々な形態のトロイダル型無段変速機に適用することができる。
本発明の実施の形態に係るダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機を示す断面図である。 図1の要部を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る係止溝に係止環を装着するまでの作業手順を示す図である。 ローディングカム装置を持ち上げた状態の他の例を示す断面図である。 従来から知られているトロイダル型無段変速機の基本構成を、最大減速時の状態で示す側面図である。 同じく最大増速時の状態で示す側面図である。 従来のボールスプラインに係止溝および係止環を設けたトロイダル型無段変速機を示す要部断面図である。
符号の説明
1 入力軸
2A,2B 入力側ディスク
2a 内側面
4 出力側ディスク
4a 内側面
8 パワーローラ
9 ローディングカム装置
10 カム板(ローディングカム)
40 ボールスプライン
42 皿ばね(予圧ばね)
46 内径側ボールスプライン溝
47 外径側ボールスプライン溝
48 ボール
49 ディスク側係止溝(係止溝)
50 ディスク側係止環(係止環)
51 小径部
52 シャフト側係止溝
53 シャフト側係止環
70 入力側ディスクの外側面
Bd ボールの直径
E 隙間

Claims (1)

  1. 入力軸と、この入力軸の中間部周囲にボールスプラインを介して支持することにより、前記入力軸に対する軸方向に亙る変位とこの入力軸と同期した回転を自在とした入力側ディスクと、この入力側ディスクと内側面同士を対向させた状態で前記入力軸の中間部周囲に、この入力軸に対する相対回転を自在として支持した出力側ディスクと、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスク同士の間の前記入力軸に設けた小径部と、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの内側面同士の間に挟持されたパワーローラと、前記入力軸の一部と前記入力側ディスクとの間に設けられ、この入力側ディスクを前記出力側ディスクに向け押圧しつつこの入力側ディスクを回転駆動するローディングカム装置と、このローディングカム装置を構成するローディングカムおよびこれに対向する前記入力側ディスクの外側面の間に、トロイダル無段変速機の運転時に発生するスラスト荷重の作用方向に関して前記ローディングカムと並列に設けられ、前記出力側ディスクに向けて弾性的に押圧する予圧ばねとを備え、前記ボールスプラインは、前記入力側ディスクの内周面に形成した内径側ボールスプライン溝と、前記入力軸の中間部外周面に形成した外径側ボールスプライン溝と、これら内径側および外径側ボールスプライン溝同士の間に転動自在に設けられた複数個のボールと、前記入力側ディスクの内周面の内側面寄り部分に形成された係止溝と、この係止溝に係止して前記複数個のボールが前記入力側ディスクの内側面側に変位するのを制限する係止環とを備えてなるトロイダル型無段変速機において、
    前記ローディングカム装置、前記予圧ばねおよび前記入力側ディスクを、前記入力軸の前記小径部側に向けて一体的に移動し、前記入力側ディスクに形成した前記係止溝を前記小径部に整合させることで、前記小径部を通じて前記係止環を前記係止溝に装着可能とし、
    前記小径部側に移動した前記予圧ばねが、前記内径側および外径側ボールスプライン溝同士の間に設けられている複数個のボールを前記入力側ディスクの外側面側から支持するとともに、前記入力側ディスクの外側面と前記ボールを支持する前記予圧ばねの支持位置との間に設けられている隙間を前記ボールの直径×((√3)/2)より小さな値に設定したことを特徴とするトロイダル型無段変速機。
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JPH11210853A (ja) * 1997-11-21 1999-08-03 Nippon Seiko Kk トロイダル型無段変速機用入力側ディスクユニット
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