JP2023091224A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】軸とディスクとの間に設けられて、ディスクを回転可能に支持する軸受の焼き付きや摩耗を防止できるともに、ディスクの疲労破壊を防止できるトロイダル型無段変速機を提供する。【解決手段】第2ディスク2は、軸孔2Aの内径面2fに軸方向と交差して設けられて、軸受70が当接する当接面2gを有し、出力歯車40は、軸孔2Aに挿入されるスリーブ42と、スリーブ42の外周面に設けられて、内径面2fに設けられた内径側スプライン部45bとスプライン結合するスプライン部45aとを有し、軸受70は、軸方向における一端部が第2ディスク2の当接面2gに当接し、他端部がスリーブ42の先端面42bに当接することで、軸方向に位置決めされている。【選択図】図2

Description

本発明は、自動車、航空機の発電機または各種産業機械の変速機などに利用可能なトロイダル型無段変速機に関する。
例えば自動車用変速機として用いるダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機は、図7および図8に示すように構成されている。図7に示すように、ケーシング50の内側には入力軸1が回転自在に支持されており、この入力軸1の外周には、2つの入力側ディスク2,2と2つの出力側ディスク3,3とが取り付けられている。また、入力軸1の中間部の外周には出力歯車(伝達歯車)4が回転自在に支持されている。この出力歯車4の中心部に設けられた円筒状のフランジ部(スリーブ)4a,4aには、出力側ディスク3,3がスプライン結合によって連結されている。
入力軸1は、図7中左側に位置する入力側ディスク2とカム板(ローディングカム)7との間に設けられたローディングカム式の押圧装置12を介して、駆動軸22により回転駆動されるようになっている。また、出力歯車4は、2つの部材の結合によって構成された仕切壁13を介してケーシング50内に支持されており、これにより、入力軸1の軸線Oを中心に回転できる一方で、軸線O方向の変位が阻止されている。
出力側ディスク3,3は、入力軸1との間に介在されたニードル軸受5,5によって入力軸1の軸線Oを中心に回転自在に支持されている。また、図7中左側の入力側ディスク2は、入力軸1にボールスプライン6を介して支持され、図7中右側の入力側ディスク2は、入力軸1にスプライン結合されており、これら入力側ディスク2は入力軸1とともに回転するようになっている。また、入力側ディスク2,2の内側面(凹面;トラクション面とも言う)2a,2aと出力ディスク3,3の内側面(凹面;トラクション面とも言う)3a,3aとの間には、パワーローラ11(図8参照)が回転自在に挟持されている。
図7中右側に位置する入力側ディスク2の内周面2cには、段差部2bが設けられ、この段差部2bに、入力軸1の外周面1aに設けられた段差部1bが突き当てられるとともに、入力側ディスク2の背面(図7の右面)は、入力軸1の外周面に形成されたネジ部に螺合されたローディングナット9に突き当てられている。これによって、入力側ディスク2の入力軸1に対する軸線O方向の変位が実質的に阻止されている。また、カム板7と入力軸1の鍔部1dとの間には、皿ばね8が設けられており、この皿ばね8は、各ディスク2,2,3,3の凹面2a,2a,3a,3aとパワーローラ11,11の周面11a,11aとの当接部に押圧力(予圧)を付与する。
図8は、図7のA-A線に沿う断面図である。図8に示すように、ケーシング50の内側には、入力軸1に対し捻れの位置にある一対の枢軸14,14を中心として揺動する一対のトラニオン15,15が設けられている。なお、図8においては、入力軸1の図示は省略している。各トラニオン15,15は、支持板部16の長手方向(図8の上下方向)の両端部に、この支持板部16の内側面側に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部20,20を有している。そして、この折れ曲がり壁部20,20によって、各トラニオン15,15には、パワーローラ11を収容するための凹状のポケット部Pが形成される。また、各折れ曲がり壁部20,20の外側面には、各枢軸14,14が互いに同心的に設けられている。
支持板部16の中央部には円孔21が形成され、この円孔21には変位軸23の基端部23aが支持されている。そして、各枢軸14,14を中心として各トラニオン15,15を揺動させることにより、これら各トラニオン15,15の中央部に支持された変位軸23の傾斜角度を調節できるようになっている。また、各トラニオン15,15の内側面から突出する変位軸23の先端部23bの周囲には、各パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の間に挟持されている。なお、各変位軸23,23の基端部23aと先端部23bとは、互いに偏心している。
また、各トラニオン15,15の枢軸14,14はそれぞれ、一対のヨーク23A,23Bに対して揺動自在および軸方向(図8の上下方向)に変位自在に支持されており、各ヨーク23A,23Bにより、トラニオン15,15はその水平方向の移動を規制されている。各ヨーク23A,23Bは鋼等の金属のプレス加工あるいは鍛造加工により矩形状に形成されている。各ヨーク23A,23Bの四隅には円形の支持孔18が4つ設けられており、これら支持孔18にはそれぞれ、トラニオン15の両端部に設けた枢軸14がラジアルニードル軸受30を介して揺動自在に支持されている。また、ヨーク23A,23Bの幅方向(図8の左右方向)の中央部には、円形の係止孔19が設けられており、この係止孔19の内周面は円筒面として、球面ポスト64,68を内嵌している。すなわち、上側のヨーク23Aは、ケーシング50に固定部材52を介して支持されている球面ポスト64によって揺動自在に支持されており、下側のヨーク23Bは、球面ポスト68およびこれを支持する駆動シリンダ31の上側シリンダボディ56によって揺動自在に支持されている。
なお、各トラニオン15,15に設けられた各変位軸23,23は、入力軸1に対し、互いに180度反対側の位置に設けられている。また、これらの各変位軸23,23の先端部23bが基端部23aに対して偏心している方向は、両ディスク2,2,3,3の回転方向に対して同方向(図8で上下逆方向)となっている。また、偏心方向は、入力軸1の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、各パワーローラ11,11は、入力軸1の長手方向に若干変位できるように支持される。その結果、押圧装置12が発生するスラスト荷重に基づく各構成部材の弾性変形等に起因して、各パワーローラ11,11が入力軸1の軸方向に変位する傾向となった場合でも、各構成部材に無理な力が加わらず、この変位が吸収される。
また、パワーローラ11の外側面とトラニオン15の支持板部16の内側面との間には、パワーローラ11の外側面の側から順に、スラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受(スラスト軸受)24と、スラストニードル軸受25とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受24は、各パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11の回転を許容するものである。このようなスラスト玉軸受24はそれぞれ、複数個ずつの玉(以下、転動体という)26,26と、これら各転動体26,26を転動自在に保持する円環状の保持器27と、円環状の外輪28とから構成されている。また、各スラスト玉軸受24の内輪軌道は各パワーローラ11の外側面(大端面)に、外輪軌道は各外輪28の内側面にそれぞれ形成されている。
また、スラストニードル軸受25は、トラニオン15の支持板部16の内側面と外輪28の外側面との間に挟持されている。このようなスラストニードル軸受25は、パワーローラ11から各外輪28に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これらパワーローラ11および外輪28が各変位軸23の基端部23aを中心として揺動することを許容する。
さらに、各トラニオン15,15の一端部(図8の下端部)にはそれぞれ駆動ロッド(トラニオン軸)29,29が設けられており、各駆動ロッド29,29の中間部外周面に駆動ピストン(油圧ピストン)33,33が固設されている。そして、これら各駆動ピストン33,33はそれぞれ、上側シリンダボディ56と下側シリンダボディ57とによって構成された駆動シリンダ31内に油密に嵌装されている。これら各駆動ピストン33,33と駆動シリンダ31とで、各トラニオン15,15を、これらトラニオン15,15の枢軸14,14の軸方向に変位させる駆動装置32を構成している。
このように構成されたトロイダル型無段変速機の場合、入力軸1の回転は、押圧装置12を介して、各入力側ディスク2,2に伝えられる。そして、これら入力側ディスク2,2の回転が、一対のパワーローラ11,11を介して各出力側ディスク3,3に伝えられ、さらにこれら各出力側ディスク3,3の回転が、出力歯車4より取り出される。
入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比を変える場合には、一対の駆動ピストン33,33を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン33,33の変位に伴って、一対のトラニオン15,15が互いに逆方向に変位する。例えば、図8の左側のパワーローラ11が同図の下側に、同図の右側のパワーローラ11が同図の上側にそれぞれ変位する。
その結果、これら各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の内側面2a,2a,3a,3aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン15,15が、ヨーク23A,23Bに枢支された枢軸14,14を中心として、互いに逆方向に揺動(傾転)する。
その結果、各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各内側面2a,3aとの当接位置が変化し、入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比が変化する。また、これら入力軸1と出力歯車4との間で伝達するトルクが変動し、各構成部材の弾性変形量が変化すると、各パワーローラ11,11およびこれら各パワーローラ11,11に付属の外輪28,28が、各変位軸23,23の基端部23a、23aを中心として僅かに回動する。これら各外輪28,28の外側面と各トラニオン15,15を構成する支持板部16の内側面との間には、それぞれスラストニードル軸受25,25が存在するため、前記回動は円滑に行われる。したがって、前述のように各変位軸23,23の傾斜角度を変化させるための力が小さくて済む。
特開2003-4114号公報 特開2003-166609号公報 特開2004-347047号公報
ところで、トロイダル型無段変速機では、ディスク(入力側ディスクまたは出力側ディスク)と軸との間にころ軸受またはケージ&ローラを介在させることによって、軸によってディスクが回転可能に支持されている。ディスクと軸の回転の向きは反対であり、両者の間にある軸受は相対回転を支持する必要がある。高速回転で用いられる航空機向けのトロイダル型無段変速機では、当該軸受の相対回転数は最大3万rpm程度となり、軸受の保持器と軸方向の位置を支持するための相手部品が接触すると焼き付きや保持器摩耗が懸念され、最終的には保持器破損に至る可能性がある。
保持器が破損すると、ディスクや軸の振れが大きくなり、トロイダル型無段変速機の非同期が発生し動力伝達不可となる可能性がある。また、保持器破損時に周辺部品に衝撃を与えディスクや軸の割れが発生する可能性がある。
図9に示す従来技術では、軸受70の保持器72は、ディスク2のスプライン加工された段差部(スプライン部の軸方向端面)2dおよびシム73、止め輪74で軸方向に支持されている。一方でディスク内径面2cはパワーローラ11からの法線力の影響により内側に変形するため、ディスク内径面2cに設けられた止め輪溝部2eが高応力となる。航空機向けのディスク2は約2万rpm(300Hz以上)で回転し、かつ本変形はディスク1回転あたり2回発生するため、ディスクの疲労破壊の懸念がある。
また、図10に示すように、ディスク2の内径側に設けられた内径側スプライン部S1とディスク2の軸孔に挿入されるスリーブ4aの外径側に設けられたスプライン部S2とがスプライン結合しているが、ディスク2のスプライン加工された段差部(内径側スプライン部の軸方向端面)2dは内径側スプライン部S1が径方向に凹凸となる凹凸形状が周方向に沿って延在しており、軸受70の保持器72(図9参照)との接触面(ハッチングで示す)Cが不連続面であるため、保持器端面の摩耗が進展する懸念がある。
なお、航空機向けのトロイダル型無段変速機では、符号1Aで示す軸は出力軸であり、この出力軸1Aによって入力側ディスク2が軸受70を介して回転可能に支持されている。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、軸とディスクとの間に設けられて、ディスクを回転可能に支持する軸受の焼き付きや摩耗を防止できるともに、ディスクの疲労破壊を防止できるトロイダル型無段変速機を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明のトロイダル型無段変速機は、軸と、この軸にそれぞれの内側面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的にかつ前記軸と一体的に回転可能に設けられた第1ディスクおよび前記軸に対して回転可能に設けられた第2ディスクと、これら両ディスクの間に挟持されるパワーローラと、前記軸と前記第2ディスクとの間に設けられた軸受と、前記第2ディスクの回転を出力する出力部材とを備えたトロイダル型無段変速機において、
前記第2ディスクは、前記軸が挿通される軸孔の内径面に軸方向と交差して設けられて、前記軸受が当接する当接面を有し、
前記出力部材は、前記軸孔に挿入される筒状のスリーブと、当該スリーブの外周面に設けられて、前記内径面に設けられた内径側スプライン部とスプライン結合するスプライン部とを有し、
前記スリーブの先端面は、前記内径側スプライン部より軸受側に位置し、
前記軸受は、当該軸受の軸方向における一端部が前記第2ディスクの前記当接面に当接し、他端部が前記スリーブの前記先端面に当接することで、軸方向に位置決めされていることを特徴とする。
ここで、前記出力部材としては、例えば歯車部を有する出力歯車が挙げられる。この出力歯車は、第2ディスクの回転がスプライン結合によって伝達可能なスリーブと、このスリーブに設けられた歯車部とを有している。そして、第2ディスクの回転は、スリーブおよび歯車部を介して、出力軸に伝達される。
また、前記当接面は軸方向と交差して設けられるが、軸方向と直交して設けられるのが好ましい。
また、前記出力部材は、前記出力歯車に限らず、ベルトやチェーン等によって、第2ディスクの回転を出力するようにしてもよい。この場合でも出力部材は前記軸孔に挿入される筒状のスリーブを有し、第2ディスクの回転は、スリーブおよびベルトやチェーン等を介して、出力軸に伝達される。
本発明においては、軸受の一端部が第2ディスクの内径面に設けられた当接面に当接するので、従来のような止め輪嵌込み用の止め輪溝部を第2ディスクの内径面に設ける必要がない。このため、止め輪溝部が高応力となることに起因する第2ディスクの疲労破壊を防止できる。
また、軸受の他端部が内径側スプライン部より軸受側に位置するスリーブの先端面に当接するので、軸受は内径側スプライン部の軸方向端面に当接することはない。このため、軸受との接触面が不連続面となることがないので、軸受の焼き付きや摩耗を防止できる。
また、本発明の前記構成において、前記スリーブは、スリーブ本体と、このスリーブ本体に固定されて、先端部が前記軸受側に突出する筒状の突出部とを有し、
前記軸受の他端部は、前記突出部の先端面に当接してもよい。
このような構成によれば、突出部がスリーブ本体と別体であるので、突出部をスリーブ本体と別材料で形成したり、突出部に表面処理を施すことによって、軸受に当接する突出部の先端面の耐摩耗性を向上させることができ、また、突出部の軸方向の長さを調整することによって、当該突出部の先端面に軸受を確実に当接させることができる。
また、本発明の前記構成において、前記軸受の他端部が当接する前記先端面の最外径は、前記内径側スプライン部のスプライン小径より小さくてもよい。
このような構成によれば、軸受の他端部が当接する先端面の最外径が、内径側スプライン部のスプライン小径より小さいので、先端面は内径側スプライン部より径方向内側に位置する。このため、軸受を、内径側スプライン部の軸方向端面に当接させることなく、確実に先端面に当接させることができる。
本発明によれば、軸とディスクとの間に設けられて、ディスクを回転可能に支持する軸受の焼き付きや摩耗を防止できるともに、ディスクの疲労破壊を防止できる。
本発明の第1の実施形態に係るトロイダル型無段変速機を示すもので、要部の断面図である。 同、拡大断面図である。 同、スプライン結合部を軸方向から見た図である。 同、軸受の斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係るトロイダル型無段変速機を示すもので、要部の拡大断面図である。 本発明の第3の実施形態に係るトロイダル型無段変速機を示すもので、軸受の斜視図である。 従来のトロイダル型無段変速機の一例を示す断面図である。 図7におけるA-A線に沿う断面図である。 従来の航空機向けのトロイダル型無段変速機の一例を示すもので、要部の拡大断面図である。 同、スプライン結合部を軸方向から見た図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係るトロイダル型無段変速機の要部を示す断面図、図2は同拡大断面図である。なお、図7および図8に示す従来技術では、出力側ディスク3を軸受5を介して入力軸1によって回転可能に支持した場合を例にとって説明したが、本実施形態では、入力側ディスク2を軸受70を介して出力軸1Aによって回転可能に支持した場合を例にとって説明する。但し、本実施形態のトロイダル型無段変速機と従来のトロイダル型無段変速機では、入力側ディスク2と出力側ディスク3との間に挟持されるパワーローラ11、入力側ディスク2と出力側ディスク3とのうちの一方のディスク2(3)を他方のディスク3(2)に向けて押圧する押圧装置12等の他の構成は共通するので、その説明を省略する。また、図1においてハッチングは省略している。
本実施形態のトロイダル型無段変速機は、航空機(の発電機)向けのダブルキャビティ型のハーフトロイダル型無段変速機であり、一方のキャビティ内に配置された入力側ディスク(第2ディスク)2と、出力側ディスク(第1ディスク)3とが、出力軸(軸)1Aの周りに取り付けられている。なお、図1では、トロイダル型無段変速機の2つのキャビティのうち一方のキャビティおよびその近傍を図示しているが、他方のキャビティは、一方のキャビティの左側に後述する出力歯車40を挟んで配置されている。
出力側ディスク3は出力軸1Aと一体的に回転可能に設けられ、入力側ディスク2は出力軸1Aに対して軸受70を介して回転可能に設けられている。入力側ディスク2と出力側ディスク3との間にはパワーローラ11が設けられ、当該パワーローラ11は両ディスク2,3の間に挟持されている。
また、本実施形態では、出力側ディスク3を押圧装置12によって入力側ディスク2に向けて押圧するようになっている。
図2および図4に示すように、前記軸受70は、出力軸1Aと入力側ディスク2との間で転動可能な複数の円筒状のころ71と、これら複数のころ71を転動可能に保持し、かつ出力軸1Aに装着される円筒状の保持器72を備えている。
保持器72の外周面(外径面)72aには、所定の等しい角度間隔をもって複数の保持穴72dが保持器72の径方向に開口して形成されている。各保持穴72dは、出力軸1Aと入力側ディスク2との間で転動するころ71を転動自在に保持できるようになっている。
このような軸受70は、図2に示すように、出力軸1Aと入力側ディスク2との間に設けられている。
また、入力側ディスク2は、径方向中央部に断面円形状でかつ軸方向に延在する軸孔2Aを有しており、この軸孔2Aに出力軸1Aが挿通されている。軸孔2Aの一端は入力側ディスク2の小端面側(図2において、軸方向右側)で開口し、他端は入力側ディスク2の大端面側(図2において、軸方向左側)で開口している。
また、軸孔2Aの内径面2fには、円環状の当接面2gが軸方向と直交(交差)して設けられている。当該当接面2gは、軸孔2Aに軸受70を設けるために形成された断面コ字形の凹部の一方(図2おいて右方)の内側面によって構成されている。当接面2gは入力側ディスク2の小端面側(図2において、軸方向右側)に配置されており、当該当接面2gの内径d1は、軸受70の保持器72の外径d2より小さく、かつ保持器72の内径d3より大きくなっている。
そして、軸受70は、当該軸受70の軸方向における一端部(図2において軸方向右端部)、つまり保持器72の軸方向における一端面が当接面2gに当接している。具体的には、保持器72の軸方向における一端面(図2において右端面)は円環状に形成されており、当該一端面の外周側略半分が当接面2gに当接している。
上述したように、当接面2gの内径d1は、軸受70の保持器72の外径d2より小さく、かつ保持器72の内径d3より大きくなっているので、保持器72の軸方向における一端面を当接面2gに確実に当接させることができる。
また、入力側ディスク2の回転は出力歯車40によって出力される。この出力歯車40は、入力側ディスク2の外側(軸方向外側)に配置された歯車部41と、この歯車部41の径方向中央部側(図2において出力軸1A側)の右端部に設けられた円筒状のスリーブ42とを備えている。このスリーブ42は入力側ディスク2の軸孔2Aと同軸に配置され、当該スリーブ42の先端側略半分が軸孔2Aに挿入されている。なお、図示は省略しているが、歯車部41の径方向中央部側の左端部には、前記スリーブ42と同様のスリーブが対称的に設けられており、このスリーブは、歯車部41の左側に配置されている他方のキャビティ(図示略)に設けられた入力側ディスク(図示略)の軸孔に同様にして挿入されている。
また、スリーブ42の先端部の外径面には、径方向に凹凸となる凹凸形状が周方向に沿って延在(連続)し、かつ軸方向に延在するスプライン部45aが設けられている。
一方、入力側ディスク2の軸孔2Aの前記スプライン部45aと径方向において対向する内径面2fには、径方向に凹凸となる凹凸形状が周方向に沿って延在(連続)し、かつ軸方向に延在する内径側スプライン部45bが設けられている。内径側スプライン部45bと前記スプライン部45aとは軸方向においてほぼ同長さとなっている。
そして、この内径側スプライン部45bとスリーブ42の外径側のスプライン部45aとがスプライン結合することによって、入力側ディスク2の回転が内径側スプライン部45b、スプライン部45a、スリーブ42を介して歯車部41に伝達され、当該歯車部41を介して、図示しない出力軸に伝達される。
また、前記スリーブ42の先端部は、外周部が軸方向に対して傾斜するように面取りされることによって、傾斜面42aを有しており、この傾斜面42aの先端側に先端面42bが設けられている。この先端面42bはスリーブ42の軸方向と直交する円環状の平滑面(図3においてハッチングで示す)となっており、内径側スプライン部45bより軸受70側に位置している。
そして、前記軸受70は、軸方向における一端部(保持器72の一端面)が前記当接面2gに当接し、他端部(保持器72の他端面)がスリーブ42の先端面42bに当接することで、軸方向に位置決めされている。また、保持器72の径方向中央部側の他端面に先端面42bが当接している。
また、軸受70の保持器72の他端面が当接するスリーブ42の先端面42bの最外径D1は、内径側スプライン部45bのスプライン小径D2より小さくなっている。なお、スプライン小径D2とは、内径側スプライン部45bの径方向に凹凸となる凹凸部において径方向内方に凸となり、かつ径方向に対向する一対の凸間の距離のことを意味する。
このように第1の実施形態によれば、軸受70の一端部(保持器72の一端面)が入力側ディスク2の内径面2fに設けられた当接面2gに当接するので、従来のような止め輪嵌込み用の止め輪溝部を入力側ディスク2の内径面に設ける必要がない。このため、止め輪溝部が高応力となることに起因する入力側ディスク2の疲労破壊を防止できる。
また、軸受70の他端部(保持器72の他端面)が内径側スプライン部45bより軸受70側に位置するスリーブ42の先端面42bに当接するので、軸受70は内径側スプライン部45bの軸方向端面に当接することはない。このため、軸受70との接触面が不連続面となることがないので、軸受70の焼き付きや摩耗を防止できる。
さらに、軸受70の他端部(保持器72の他端面)が当接する先端面42bの最外径D1が、内径側スプライン部45bのスプライン小径D2より小さいので、先端面42bは内径側スプライン部45bより径方向内側に位置する。このため、軸受70の他端部を、内径側スプライン部45bの軸方向端面に当接させることなく、確実にスリーブ42の先端面42bに当接させることができる。
(第2の実施形態)
図5は第2の実施形態に係るトロイダル型無段変速機の要部を示す断面図である。第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、出力歯車40のスリーブ42の構成であるので、以下ではこの点について説明し、第1の実施形態と同一構成には、同一符号を付してその説明を省略する。
第1の実施形態では、スリーブ42の先端部は、外周部が軸方向に対して傾斜するように面取りされることによって、傾斜面42aを有していたのに対し、第2の実施形態では、スリーブ42の先端部が断面L字形に切り欠かれることによって、段差面42cと、この段差面42cから突出する突出部42dを有している。突出部42dは円筒状に形成さされており、その先端部に先端面42eが設けられている。この先端面42eはスリーブ42の軸方向と直交する円環状の平滑面となっており、内径側スプライン部45bより軸受70側に位置している。
そして、前記軸受70は、軸方向における一端部(保持器22の一端面)が前記当接面2gに当接し、他端部(保持器22の他端面)がスリーブ42の先端面42eに当接することで、軸方向に位置決めされている。また、保持器72の他端面の径方向中央部側に先端面42eが当接している。
また、図3に示すように、軸受70の他端部(保持器72の他端面)が当接するスリーブ42の先端面42eの最外径D1は、内径側スプライン部45bのスプライン小径D2より小さくなっている。
第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第3の実施形態)
図6は第3の実施形態に係るトロイダル型無段変速機の要部を示す断面図である。第32の実施形態が第2の実施形態と異なる点は、出力歯車40のスリーブ42の構成であるので、以下ではこの点について説明し、第2の実施形態と同一構成には、同一符号を付してその説明を省略する。
第3の実施形態では、スリーブ42は、スリーブ本体43と、このスリーブ本体43に固定されて、先端部が軸受70側に突出する円筒状の突出部44とを有している。
スリーブ本体43の先端部には、当該スリーブ本体43の先端面から軸方向に延在して形成された断面円形状の凹部43aが設けられている。
一方、突出部44は、スリーブ本体43とは別体に形成されたものであり、前記凹部43aにスリーブ本体43の先端面から圧入されることで、スリーブ本体43に固定されている。この状態において、突出部44の先端部はスリーブ本体43の先端面から突出しており、突出している突出部の先端面44aはスリーブ42の軸方向と直交する円環状の平滑面となっており、内径側スプライン部45bより軸受70側に位置している。
そして、前記軸受70は、軸方向における一端部(保持器72の一端面)が前記当接面2gに当接し、他端部(保持器72の他端面)が突出部44の先端面44aに当接することで、軸方向に位置決めされている。また、保持器72の他端面の径方向中央部側に先端面44aが当接している。
また、図3に示すように、軸受70の他端部(保持器72の他端面)が当接する突出部44の先端面44aの最外径D1は、内径側スプライン部45bのスプライン小径D2より小さくなっている。
第3の実施形態によれば、第2の実施形態と同様の効果を得ることができる他、以下のような効果を得ることができる。
突出部44がスリーブ本体43と別体であるので、突出部44をスリーブ本体43と別材料で形成したり、突出部44に表面処理を施すことによって、軸受70の保持器72に当接する突出部44の先端面44aの耐摩耗性を向上させることができ、また、突出部44の軸方向の長さを調整することによって、当該突出部44の先端面44aに軸受70の保持器72を確実に当接させることができる。
なお、第1~第3の実施形態では、前記軸受70の軸方向における一端部(保持器72の一端面)を入力側ディスク2の小端面側の内径に設けられた当接面2gに当接したが、軸受70の軸方向における一端部を、従来と同様に、ディスク内径面に設けられた止め輪溝部に嵌め込まれた止め輪にシムを介して当接してもよいし、当該止め輪に直接当接してもよい。この場合、止め輪溝部が高応力となることに起因する第2ディスク2の疲労破壊は防止できないが、軸受の焼き付きや摩耗は防止できる。
また、第1~第3の実施形態では、本発明を航空機向けのトロイダル型無段変速機を対象として説明したが、本発明はその他の用途(例えば自動車の変速機用)にも適用できる。
また、第1~第3の実施形態では本発明を、ダブルキャビティ型のハーフトロイダル型無段変速機に適用する場合を例にとって説明したが、これに限ることなく、本発明はダブルキャビティ型のフルトロイダル型無段変速機にも適用でき、さらに、シングルキャビティ型のハーフトロイダル型無段変速機や、シングルキャビティ型のフルトロイダル型無段変速機にも適用できる。
さらに、第1~第3の実施形態では、出力側ディスク3を押圧装置12によって押圧する場合を例にとって説明したが、トロイダル型無段変速機では、入力側ディスクと出力側ディスクの入出力関係を逆にする場合もある。したがって、本発明は入力側ディスク2を押圧装置12によって押圧する場合にも適用できる。つまり、図7および図8に示すように、入力軸1と、この入力軸1にボールスプラインによってスプライン結合されて入力軸1と一体で回転する入力側ディスク2と、入力側ディスク2に対向し、かつ入力軸1に対して回転可能に設けられた出力側ディスク3とを備えたトロイダル型無段変速機にも適用できる。
1A 出力軸(軸)
2 入力側ディスク(第2ディスク)
2A 軸孔
2g 当接面
2f 内径面
3 出力側ディスク(第1ディスク)
11 パワーローラ
40 出力歯車(出力部材)
42 スリーブ
42a,42e 先端面
43 スリーブ本体
44 突出部
44a 先端面
45a スプライン部
45b 内径側スプライン部
70 軸受
72 保持器

Claims (3)

  1. 軸と、この軸にそれぞれの内側面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的にかつ前記軸と一体的に回転可能に設けられた第1ディスクおよび前記軸に対して回転可能に設けられた第2ディスクと、これら両ディスクの間に挟持されるパワーローラと、前記軸と前記第2ディスクとの間に設けられた軸受と、前記第2ディスクの回転を出力する出力部材とを備えたトロイダル型無段変速機において、
    前記第2ディスクは、前記軸が挿通される軸孔の内径面に軸方向と交差して設けられて、前記軸受が当接する当接面を有し、
    前記出力部材は、前記軸孔に挿入される筒状のスリーブと、当該スリーブの外周面に設けられて、前記内径面に設けられた内径側スプライン部とスプライン結合するスプライン部とを有し、
    前記スリーブの先端面は、前記内径側スプライン部より軸受側に位置し、
    前記軸受は、当該軸受の軸方向における一端部が前記第2ディスクの前記当接面に当接し、他端部が前記スリーブの前記先端面に当接することで、軸方向に位置決めされていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 前記スリーブは、スリーブ本体と、このスリーブ本体に固定されて、先端部が前記軸受側に突出する筒状の突出部とを有し、
    前記軸受の他端部は、前記突出部の先端面に当接していることを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
  3. 前記軸受の他端部が当接する前記先端面の最外径は、前記内径側スプライン部のスプライン小径より小さいことを特徴とする請求項1または2に記載のトロイダル型無段変速機。
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