JP2000170859A - 無段変速機の可変プーリ装置 - Google Patents

無段変速機の可変プーリ装置

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JP2000170859A
JP2000170859A JP10349038A JP34903898A JP2000170859A JP 2000170859 A JP2000170859 A JP 2000170859A JP 10349038 A JP10349038 A JP 10349038A JP 34903898 A JP34903898 A JP 34903898A JP 2000170859 A JP2000170859 A JP 2000170859A
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Japan
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pulley
belt
component
cylinder chamber
pulley component
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JP10349038A
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English (en)
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Koichi Kayashima
浩一 萱嶋
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Vベルトの巻掛け径が大きいときのプーリた
わみ変形を抑える。 【解決手段】 可動プーリ部品14が油圧力でプーリ回
転軸方向に移動し、ベルト巻掛け直径が変化する。シリ
ンダ室外壁部28がVベルト1の可動範囲より外側に設
けられているので、ベルト巻掛け直径が最大のときで
も、Vベルト1と対向する位置で油圧力が背後から可動
プーリ部品14に加わる。油圧力が、プーリを移動する
だけでなく、たわみ変形を抑える。またベルト巻掛け直
径が最大のときのVベルト1より外側で、固定プーリ軸
受16が固定プーリ部品12を支持している。軸受16
が、固定プーリ部品12を回転可能に支持するだけでな
く、たわみ変形も抑制している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Vベルト式無段変
速機の可変プーリ装置に関し、特に、プーリおよびVベ
ルトの信頼性の向上に関する。
【0002】
【従来の技術】ベルト式の無段変速機(CVT)は、駆
動側と従動側のプーリ径(ベルト巻掛け直径)を制御し
て変速比を無段階・連続的に変化させる装置であり、車
両の性能向上に寄与するものとして注目されている。例
えば、特開平10−169736号公報には、一般的な
ベルト式無段変速機のプーリ構造が記載されている。
【0003】この種の変速機では、駆動側と従動側の各
プーリが、固定プーリ部品と可動プーリ部品に分かれて
いる。両プーリ部品の円錐面はVベルトを挟んで向き合
っており、そして、可動プーリ部品が固定プーリ部品に
対して軸方向に相対移動可能に設けられている。
【0004】変速比を変更するときは、可動プーリ部品
に対して背面から与えられる油圧が制御され、可動プー
リ部品が軸方向に移動してベルト巻掛け直径が変化す
る。駆動側と従動側の巻掛け直径を連動して制御するこ
とで、変速比を無段階に変えることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】可動プーリ部品が駆動
プーリ部品に近づいた状態では、ベルト巻掛け直径すな
わちプーリ径が大きくなり、Vベルトの巻掛け位置がプ
ーリ中心から離れる。そして、図2に示すようにベルト
張力に起因するプーリのたわみ変形量が大きくなり、プ
ーリ各所に発生する応力が大きくなる。図3を参照する
と、Vベルトはプーリの全周には掛かっていないので、
プーリの回転に伴ってたわみ位置が円周方向に移動し、
プーリにはたわみ荷重が繰り返し加わる。この繰り返し
作用するたわみ荷重がプーリに疲労をもたらし、寿命の
低下を招くことになる。
【0006】またプーリのたわみ変形には、ベルト寿命
の低下をも招き得るという不利がある。図2に示される
ように、プーリのたわみによりベルトとプーリが偏った
接触をすることになり、ベルトの寿命が低下してしま
う。
【0007】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、ベルト巻掛け直径が大きいときのた
わみ変形を低減または防止できる無段変速機の可変プー
リ装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、Vベルトを挟んで対向し、それぞれがV
ベルトに接触する円錐面を有する固定プーリ部品および
可動プーリ部品と、油圧力で可動プーリ部品を固定プー
リ部品に対してプーリ回転軸方向に移動させて、ベルト
巻掛け直径を変化させる油圧機構と、を含む無段変速機
の可変プーリ装置において、ベルト巻掛け直径が最大の
ときのVベルトに可動プーリ部品を挟んで対向する位置
で油圧力が可動プーリ部品に加わるように前記油圧機構
が設けられていることを特徴とする。
【0009】本発明によれば、Vベルトがプーリ中心か
ら離れているときでも、可動プーリ部品を挟んでVベル
トと対向する位置に油圧力を作用させることができる。
背面からの油圧力によりたわみ荷重が相殺され、たわみ
変形が抑えられる。プーリ背面の油圧は本来は可動プー
リ部品を移動するためのものであるが、本発明ではこの
油圧をプーリ移動用だけでなくたわみ変形の抑制にも利
用しているので、簡単な構造でたわみ防止を図れる。
【0010】好ましくは、さらに、前記固定プーリ部品
の円錐面に対する背面が軸受によりプーリ回転軸方向に
支持されており、軸受支持位置は、ベルト巻掛け直径が
最大のときのVベルトと固定プーリ部品を挟んで対向す
る位置またはそれよりも外周側である。この態様では、
固定側についても、プーリ中心から離れた位置で背面を
軸受支持することにより、たわみ変形を抑えることがで
きる。本来は固定プーリ部品を回転可能に軸支する軸受
に、たわみ変形の抑制機能をも持たせているので、簡単
な構造でたわみ防止を図れる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
(以下、実施形態という)について、図面を参照し説明
する。
【0012】図1は、車両に搭載される無段変速機の可
変プーリ装置の断面図であり、駆動側プーリ装置10と
従動側プーリ装置50にVベルト1が巻き掛けられてい
る。Vベルト1では、図1および図2に示す断面形状の
多数枚のプレート1aが長手方向に重ねられている。そ
して、プレート1aの両肩部にそれぞれ帯状部材1bが
掛けられている。例えば、プレート1aの枚数は約40
0枚であり、帯状部材1bは、厚さ約0.2mmのマレ
ージング鋼帯を9枚程度積層した構造を有する。
【0013】駆動側プーリ装置10は、固定プーリ部品
12(シャフト付きプーリ)および可動プーリ部品14
(スライディングプーリ)を有する。固定プーリ部品1
2は、Vベルト1に面接触する固定側円錐面12aと、
その反対側の背面12bを有する。そして、固定プーリ
部品12は、背面12bにて固定プーリ軸受16により
ハウジング18に対して回転可能に支持されている。軸
受16はボールベアリングであり、固定プーリ部品12
をラジアル方向およびスラスト方向(プーリ回転軸方
向)に支持している。
【0014】固定プーリ部品12には駆動シャフト20
(メインシャフト)が一体化されている。駆動シャフト
20のスプライン穴20aに原動機(図示せず)の出力
軸が連結される。原動機は例えばエンジンで、トルクコ
ンバータを介して無段変速機に連結される。図示されて
いないが、駆動シャフト20の先端部(図1左側)もボ
ール軸受により回転可能に支持されている。
【0015】駆動シャフト20は可動プーリ部品14の
中央貫通穴にはまっており、両者の間にボールスプライ
ン構造22が設けられ、これにより可動プーリ部品14
は固定プーリ部品12に対して軸方向に相対的に移動で
きる。
【0016】可動プーリ部品14の円錐面14a(Vベ
ルト1に面接触)は、Vベルト1を挟んで固定プーリ部
品12の円錐面12aと向き合っている。そして背面1
4bには、可動プーリ部品14を移動させるための油圧
機構が設けられている。
【0017】駆動側プーリ装置10の油圧機構について
は、コンパクトな構造で大きな力を発生するためにダブ
ルピストン構造が採用されている。駆動シャフト20に
はアウタシリンダ24およびインナシリンダ26が取り
付けられている。可動プーリ部品14はシリンダ室外壁
部28(円筒形状)を介してリング型のピストンプレー
ト30につながっていて、これらの要素は一体的に設け
られている。
【0018】そして、インナシリンダ26、シリンダ室
外壁部28、および可動プーリ部品14(背面14b)
によって第1シリンダ室32が形成され、一方、アウタ
シリンダ24、インナシリンダ26およびピストンプレ
ート30により第2シリンダ室34が形成されている。
第1シリンダ室32は、インナシリンダ26に設けられ
た第1のOリング36によってシールされている。第2
シリンダ室34は、ピストンプレート30の内外周に設
けられた第2のOリング38および第3のOリング40
によりシールされている。
【0019】油圧制御手段としての変速制御部(図示せ
ず)が油圧供給装置(図示せず)を使って駆動シャフト
20のオイル穴42に油圧を供給すると、この油圧は、
ポート44を経由して第1油圧室32に伝わり、さらに
連結ポート46を経由して第2油圧室34に伝わる。第
1油圧室32では油圧が背面14bに作用しており、こ
こでは可動プーリ部品14自身が油圧機構のピストンと
して機能している。また、第2油圧室34では油圧がピ
ストンプレート30に作用し、この圧力も可動プーリ部
品14の背面14bに作用する。シリンダ室外壁部28
は、第2油圧室34の油圧力を背面14bに伝えるピス
トン連結部として機能している。
【0020】次に、従動側プーリ装置50の構成を説明
する。従動側プーリ装置50の構成は、油圧機構がシン
グルピストンタイプであることを除いて概ね駆動側と同
様であり、重複部分の詳細な説明は省略する。
【0021】従動側プーリ装置50は固定プーリ部品5
2(シャフト付きプーリ)および可動プーリ部品54
(スライディングプーリ)を有する。駆動側と比べて、
固定、可動プーリ部品52、54の左右の位置関係が逆
になっている。
【0022】固定プーリ部品52は、背面52bにて固
定プーリ軸受56によりハウジング58に対して回転可
能に支持されている。固定プーリ部品52に一体化され
た従動シャフト60は変速機の出力軸であり、図示しな
い車輪へと連結されている。そして、従動シャフト60
は出力側でボール軸受61により図示しないハウジング
に軸支されている。
【0023】従動シャフト60は可動プーリ部品54の
中央貫通穴にはまっており、両者が相対移動できるよう
にボールスプライン構造62が設けられている。可動プ
ーリ部品54の背面54bには、駆動側と同様にプーリ
移動用の油圧機構が設けられている。ただし、駆動側と
比較して大きな力が不要なことから、従動側にはシング
ルピストンタイプの油圧機構が設けられている。
【0024】すなわち、従動シャフト60にはシリンダ
64およびカバー65が取り付けられている。可動プー
リ部品54は、円筒形状のシリンダ室外壁部66を介し
てバックプレート部68につながっており、これらの要
素は一体的に設けられている。そして、シリンダ64、
可動プーリ部品54の背面54bおよびシリンダ室外壁
部66によってシリンダ室70が形成されている。シリ
ンダ室70は、シリンダ64の外周部のOリング72に
よってシールされている。
【0025】従動シャフト60のオイル穴74から供給
された油圧は、ポート76、78を介してシリンダ室7
0に伝わり、油圧が背面54bに作用する。可動プーリ
部品54自身が油圧機構のピストンとして機能してい
る。
【0026】また、シリンダ64と従動シャフト60の
間にはスプリング80が軸方向に伸縮可能に設けられて
いる。スプリング80は圧縮状態で設置され、油圧が作
用していない状態でも可動プーリ部品54を固定プーリ
部品52の方向へ付勢する機能をもつ。
【0027】ところで、図1は、減速比が最も大きい状
態である。駆動側プーリ装置10のベルト巻掛け直径が
最も大きくなっており、Vベルト1は最外径にある。一
方、従動側プーリ装置50のベルト巻掛け直径は最も小
さくなっている。
【0028】駆動側では、第1シリンダ室32および第
2シリンダ室34に設定範囲の最大油圧が供給され、可
動プーリ部品14が固定プーリ部品12の方へ最大限に
移動している。固定プーリ部品12の円錐面12aと可
動プーリ部品14の円錐面14aの隙間が狭まり、Vベ
ルト1はプーリ中心軸から最も離れた位置で駆動側プー
リに巻き掛けられている。
【0029】一方、従動側では、シリンダ室70に設定
範囲の最小油圧が供給され、可動プーリ部品54が固定
プーリ部品52から最も離れた位置にある。従って、固
定プーリ部品52と可動プーリ部品54の円錐面52
a、54aの隙間が広く、Vベルト1はプーリ中心軸に
最も近い位置で従動側プーリに巻き掛けられている。
【0030】減速比を小さくするときは、図1の状態か
ら駆動側プーリ装置10の油圧を低減させるとともに、
従動側プーリ装置50の油圧を増大する。これにより、
駆動側では両プーリ部品12、14が離れ、プーリ径が
小さくなる。一方、従動側では両プーリ部品52、54
が近づき、プーリ径が大きくなる。従って、減速比が小
さくなる。反対に減速比を大きくするときには逆の油圧
制御を行えばよい。
【0031】このような油圧制御は、図示しない変速制
御装置によって行われる。変速制御装置は油圧制御機能
をもち、駆動シャフト20のオイル穴42、および、従
動シャフト60のオイル穴74への供給油圧を制御す
る。
【0032】減速比が最も小さくなるとき、駆動側では
油圧が最低値まで落とされ、可動プーリ部品14が固定
プーリ部品12から最も離れる。一方、従動側では油圧
が最高値まで増大され、可動プーリ部品54が固定プー
リ部品52に最も近づく。Vベルト1は、駆動側でプー
リ中心軸に近づき、従動側でプーリ中心軸から離れる。
【0033】「たわみ抑制」次に、本発明に特徴的なた
わみ抑制構造について説明する。
【0034】図1では、駆動側においてVベルト1がプ
ーリ中心から大きく離れている。従って、Vベルト1か
ら両側のプーリ部品12、14に対して回転軸方向に作
用するたわみモーメントが大きくなる。従来の構造で
は、たわみモーメントによる変形が大きく、プーリ背面
のシリンダ室外壁部の付け根などに比較的大きな応力が
生じる。そしてプーリ回転に伴う繰返し応力の作用でプ
ーリ寿命が短くなる。
【0035】また従来は、プーリたわみ変形により、V
溝円錐面の開き角度とVベルト1の両接触面のなす角度
とが不一致になり、Vベルト1と円錐面の接触領域が偏
り、その結果としてVベルト1の寿命低下も招き得る。
【0036】上記の問題は、従動側においてVベルト1
がプーリ中心から大きく離れているとき(減速比が小さ
いとき)についても同様である。
【0037】そこで、上記プーリおよびベルトの寿命に
悪影響を及ぼすプーリたわみ変形を最小限に抑えるた
め、本実施形態では下記の構造を採用している。なお、
ここでは駆動側の構成をとりあげて説明するが、図1か
ら明らかなように、従動側にも同様の構成が採用されて
おり、同様の効果が得られる。
【0038】「可動プーリ部品側の構造」本実施形態で
は、ベルト巻掛け直径が最大のときのVベルト1に可動
プーリ部品14を挟んで対向する位置で油圧力が可動プ
ーリ部品14に加わるように、油圧機構が設けられてい
る。これを実現するため、可動プーリ部品14の背面1
4bへの油圧力作用領域が、Vベルト1の半径方向移動
範囲(巻掛け最大直径)より外側に広く設定されている
(圧力作用領域の外周縁がVベルト1より外側)。
【0039】具体的には、図1に示すように、可動プー
リ部品14の外径を固定プーリ部品12の外径よりも大
きくしてある。シリンダ室外壁部28は、可動プーリ部
品14の外周部の近傍から突出しており、突出部の直径
がベルト巻掛け直径の最大値より大きい。第1シリンダ
室32は図1のVベルト1の内側から外側まで広がって
いる。第2シリンダ室34の油圧力は、シリンダ室外壁
部28を介して、すなわちVベルト1より外側で背面1
4bに作用する。
【0040】従って、Vベルト1がプーリ中心から最も
離れるとき、すなわちVベルト1が最外径にあるときで
も、可動プーリ部品14を挟んでVベルト1と対向する
位置で油圧力を背面14bに作用させることができる。
これにより油圧力でたわみ荷重が相殺され、可動側のプ
ーリたわみ変形を抑えることが可能となる。
【0041】なお、従来の油圧機構を見ると、固定プー
リ部品12と可動プーリ部品14の外径が同等であり、
第1シリンダ室32の外径が小さく、油圧力は中心付近
で作用していた。これは、油圧機構が、専ら可動プーリ
部品14を軸方向に移動させる力を発生するために用い
られているからである。
【0042】また、本発明によらない別のたわみ抑制策
としては、例えばプーリの肉厚を増大することも考えら
れるが、これでは変速機の重量増加や寸法増大を招く。
また、新たなたわみ防止構造を設けることも考えられる
が、油圧機構があるためにスペースがとりにくい、新た
な機構のためにコストが増大する、といった不利があ
る。
【0043】これに対し、本実施形態では、上記の油圧
機構を改良し、本来は可動プーリ部品を移動するために
設けられている油圧機構を利用して、さらにプーリのた
わみ変形を防止している。従って、プーリの肉厚増大に
たよらず、また、別途の支持部などのたわみ防止機構を
新設することもなく、簡単な構造でプーリたわみ変形を
最小限に抑えることができている。
【0044】なお、本実施形態では、シリンダ室外壁部
28の直径をVベルト1の巻掛け最大直径よりも大きく
設定し、これにより好ましい効果を得ているが、両者は
実質的に同等であってもよい。
【0045】「固定プーリ部品側の構造」固定側では、
固定プーリ部品12の背面12bを支持する軸受16の
位置が、図1の状態のVベルト1よりも外側であり、す
なわち、ベルト巻掛け直径が最大のときのVベルト1よ
りも外周側にある。さらに言い換えれば、固定プーリ軸
受16は、Vベルト1の半径方向移動範囲よりも外側に
ある。
【0046】具体的には、図1において、固定プーリ部
品12の背面12bからは、Vベルト1と略対向する位
置で軸受支持部12cが突出している。そして、固定プ
ーリ軸受16は、軸受支持部12cの外側に嵌まる形状
をもっている。固定プーリ軸受16は、軸受支持部12
cにて固定プーリ部品12をラジアル方向に支持する。
さらに固定プーリ軸受16は背面12bに当接し、この
背面12bをスラスト方向に支持している。これにより
外径側で背面12bがプーリ回転軸方向に支持されてい
る。
【0047】従って、Vベルト1がプーリ回転軸から離
れているときでも、固定プーリ部品12は、Vベルト1
より外周側で背面から支持される。この支持力でたわみ
変形が抑制され、たわみ変形にともなうプーリ各所の応
力も低減することができる。
【0048】ここで、従来の装置を見ると、前述の特開
平10−169736号公報にも示されるように、固定
プーリ部品は中央のシャフトで軸受により支持されてい
る。従来の軸受は専らシャフトの支持に用いられてお
り、この機能を果たすためには、軸受はプーリ中央付近
を支持する小径のものでよかった。
【0049】また、本発明によらない別のたわみ抑制策
としては、可動側でも説明したように、例えばプーリの
肉厚を増大することも考えられるが、これでは変速機の
重量増加や寸法増大を招く。また、新たなたわみ防止構
造を設けることも考えられるが、新たな機構のためにコ
ストが増大するなどの不利がある。
【0050】これに対し、本実施形態では、軸受の位置
とサイズの変更により、固定プーリ部品の背面が軸受で
スラスト方向に支持されている。軸受が、部材を回転可
能に支持するという本来の機能のみでなく、さらに、プ
ーリたわみ変形の抑制機能をも果たしている。従って、
プーリの肉厚増大にたよらず、また、別途の支持部など
のたわみ防止機構を新設することもなく、簡単な構造で
プーリたわみ変形を最小限に抑えることができている。
【0051】なお、本実施形態では、固定プーリ軸受1
6の直径をVベルト1の巻掛け最大直径よりも大きく設
定し、これにより好ましい効果を得ているが、両者は実
質的に同等であってもよい。
【0052】「従動側プーリ装置50の構造」ここまで
は、専ら駆動側プーリ装置10の構造について説明して
きたが、従動側プーリ装置50においても同様の構造が
設けられている。図1では、従動側プーリ装置50にお
いてVベルト1はプーリ中心に近づいている。しかし、
減速比を小さくするとVベルト1はプーリ中心から遠ざ
かり、それとともに、Vベルト1がプーリをたわませよ
うとするモーメントが大きくなる。
【0053】本実施形態では、可動プーリ部品54の外
径が固定プーリ部品52の外径よりも大きい。そして、
可動プーリ部品54の外周部の近傍からシリンダ室外壁
部66が突出している。ベルト巻掛け直径が最大になっ
たときでも、Vベルト1はシリンダ室70の外周側まで
移動せず、従ってVベルト1と反対側から可動プーリ部
品54に油圧力が作用する。
【0054】また、固定プーリ部品52の背面52bか
らは、ベルト巻掛け直径が最大の時のVベルト1と対向
する位置で軸受支持部52cが突出している。そして、
固定プーリ軸受56は、軸受支持部52cの外側に嵌ま
る形状をもっている。
【0055】このような構成により、従動側において
も、駆動側と同様に、固定プーリ部品52および可動プ
ーリ部品54の外周部のたわみ変形を抑えることができ
る。
【0056】以上、本発明の好適な実施形態を説明した
が、この実施形態は、本発明の範囲内で任意に変形可能
である。例えば、本発明のたわみ防止構造は、必要に応
じて駆動側と従動側のどちらか一方に採用されてもよ
い。また、可動プーリ部品と固定プーリ部品のどちらか
一方に採用されてもよい。また、ボール軸受以外の軸受
が採用されてもよい。さらにまた、本発明は、自動車の
原動機用の無段変速機に限らず、その他の任意の無段変
速機に適用可能なことはもちろんである。
【0057】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、簡単な構造でプーリのたわみ変形を抑えることがで
き、これにより、プーリおよびベルトの寿命の向上を図
ることできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態のプーリ装置を示す断面図
である。
【図2】 Vベルト張力によるプーリたわみ変形の様子
を示す図である。
【図3】 プーリへのVベルト巻掛け範囲を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 Vベルト、10 駆動側プーリ装置、12,52
固定プーリ部品、12a,14a,52a,54a 円
錐面、12b,14b,52b,54b 背面、14,
54 可動プーリ部品、16,56 固定プーリ軸受、
20 駆動シャフト、28 シリンダ室外壁部、32
第1シリンダ室、34 第2シリンダ室、50 従動側
プーリ装置、60 従動シャフト、66 シリンダ室外
壁部、70 シリンダ室。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Vベルトを挟んで対向し、それぞれがV
    ベルトに接触する円錐面を有する固定プーリ部品および
    可動プーリ部品と、 油圧力で可動プーリ部品を固定プーリ部品に対してプー
    リ回転軸方向に移動させて、ベルト巻掛け直径を変化さ
    せる油圧機構と、 を含む無段変速機の可変プーリ装置において、 ベルト巻掛け直径が最大のときのVベルトに可動プーリ
    部品を挟んで対向する位置で油圧力が可動プーリ部品に
    加わるように前記油圧機構が設けられていることを特徴
    とする無段変速機の可変プーリ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の無段変速機の可変プー
    リ装置において、 前記固定プーリ部品の円錐面に対する背面が軸受により
    プーリ回転軸方向に支持されており、軸受支持位置は、
    ベルト巻掛け直径が最大のときのVベルトと固定プーリ
    部品を挟んで対向する位置またはそれよりも外周側であ
    ることを特徴とする無段変速機の可変プーリ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の無段変速機の可変プー
    リ装置において、 前記可動プーリ部品の円錐面に対する背面からは油圧シ
    リンダ室の壁面を形成するシリンダ室外壁が突出してお
    り、 シリンダ室外壁の突出部の直径が、前記ベルト巻掛け直
    径の最大値以上に設定されていることを特徴とする無段
    変速機の可変プーリ装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の無段変速機の可変プー
    リ装置において、 前記可動プーリ部品の背面側には第2の油圧シリンダ室
    が設けられており、第2の油圧シリンダ室の油圧力は、
    前記シリンダ室外壁を介して前記可動プーリ部品の背面
    に伝えられることを特徴とする無段変速機の可変プーリ
    装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002174309A (ja) * 2000-12-07 2002-06-21 Fuji Heavy Ind Ltd ベルト式無段変速機
CN102812267A (zh) * 2010-03-04 2012-12-05 丰田自动车株式会社 车辆用带式无级变速器
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