JP3558829B2 - Vベルト式無段変速機構 - Google Patents

Vベルト式無段変速機構 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、トランスアクスル内に組み込まれているVベルト式無段変速機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
無段変速機構を組み込んだトランスアクスルとして、例えば特開平8−338511号公報に記載の装置が知られている。
【0003】
この公報の装置は、入力軸上に配設したプライマリプーリと、出力軸上に配設したセカンダリプーリと、これらプライマリプーリ及びセカンダリプーリとを相互に繋ぐVベルトとで構成したVベルト式無段変速機構を備えており、エンジンの回転力がトルクコンバータ、前後進切換機構を介して入力軸に伝達され、Vベルト式変速機構により回転比が変更されて出力軸に伝達された後、駆動ギヤ、アイドラギヤ等の伝達ギヤ、差動装置を介して所定の変速比で左右のドライブシャフトに伝達されるようになっている。
【0004】
ここで、図10に示すものは、出力軸1上に配設したセカンダリプーリ2を示す示すものである(出力軸1を境として左右対象なので半分の断面のみを示している。)
セカンダリプーリ2は、出力軸1に一体形成した固定プーリ3と、出力軸1の軸心に沿って移動可能とされて固定プーリ3との間にV字状溝を形成している可動プーリ4と、固定プーリ3と対向しない可動プーリ4の背面側に設けたセカンダリシリンダ室5とを備えている。そして、セカンダリシリンダ室5にセカンダリ油圧の供給制御を行うと、可動プーリ4が出力軸1の軸心に沿って移動してセカンダリプーリ8とVベルト6との接触位置半径が変化し、プライマリプーリ及びセカンダリプーリ6間の回転比が変更されるようになっている。
【0005】
ここで、セカンダリシリンダ室5は、第1シリンダ部材7、第2シリンダ部材8及びピストン部材9により形成されている。
第1シリンダ部材7は、可動プーリ4の背面側に位置する縮径部4aに圧入状態で外嵌した筒状の嵌合部7aと、この嵌合部7aの基端部から径方向外方に延びる壁部7bと、壁部7bの外周端から可動プーリ4に対して離間する方向に延びる外筒部7cとを備えた部材である。
【0006】
また、ピストン部材9は略円盤形状の部材であり、中央部に形成した内径部9aを出力軸14の外周に固定し、外周部9bを第1シリンダ部材7の外筒部7cの内周面に液密を保持しながら摺動自在に当接している。また、第2シリンダ部材8は、ピストン部材9を外側から覆うように第1シリンダ部7の外筒部7cに固定されている。なお、符号Sは、ピストン部材9に一端側が支持された状態で可動プーリ4を固定プーリ3側に押圧するリターンスプリングである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、第1シリンダ部材7は、その壁部7bの外面を可動プーリ4の背面4bに突き当てた状態で配置されているが、背面4b及び壁部7bの外面の両者を平坦面形状として形成していないので、背面4b及び壁部7bの外面は局部的に当接し、しかも、部材毎に局部的に当接する位置が異なる。
【0008】
一方、セカンダリシリンダ室5にセカンダリ油圧が供給されると、第1シリンダ部材7の内壁全域に矢印で示す作動油の圧力が作用して外筒部7cを内側から押し拡げようとする曲げモーメントが作用するので、外筒部7c及び壁部7bの境界の屈曲部7dに曲げ応力が集中して加わる。
【0009】
ここで、背面4bの外径側(外筒部7c側)の近く(図10の○印Aで示す位置)に、前述した背面4b及び壁部7bの外面が局部的に当接していると、その当接部分に近い前記屈曲部7dに大きな曲げ応力が加わる。また、外筒部7cに作用する曲げモーメントの反力は縮径部4aに外嵌した嵌合部7aが受け持っているが、局部的に当接している位置が背面4bの内径側(嵌合部7a側)の近く(図10の○印Bで示す位置)であると、曲げモーメントが増大して嵌合部26aを引き抜こうとする外力(引き抜き力)Fが増大する。
【0010】
このように、背面4b及び壁部7bの外面の局部的に当接する位置が変化すると屈曲部7dの曲げ応力、嵌合部7aの引き抜き力Fが増減するが、部材毎に局部的に当接する位置が異なり、その位置を予測することができないので、最大の曲げ応力に耐え得る屈曲部7dと、最大の引き抜き力Fに耐え得る嵌合部7aとなるように第1シリンダ部材7を設計しなければならず、部材コストの高騰化を招くおそれがある。
【0011】
そこで、この発明は上記従来技術の未解決の課題に着目してなされたものであり、可動プーリの背面及び壁部が当接する位置を特定することにより、プーリシリンダ室を構成するシリンダ部材の応力設計を高精度に行うことができるVベルト式無段変速機構を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、軸上に一体形成した固定プーリと、前記軸の軸線方向に移動可能に配置して前記固定プーリとの間にV字状溝を形成した可動プーリと、前記固定プーリ及び可動プーリ間に配置したVベルトと、前記固定プーリと対向しない前記可動プーリの背面側の前記軸と直交する径方向に連続した背面に当接するシリンダ部材を配設し、当該シリンダ部材にて流体圧供給制御により前記可動プーリを移動させて前記V字状溝の幅を変化させるプーリシリンダ室を形成したVベルト式無段変速機構において、前記シリンダ部材は、前記可動プーリの背面側に形成した縮径部に外嵌する嵌合部と、この嵌合部から前記可動プーリの背面に対向するように前記軸と直交する径方向外方に連続に形成して前記可動プーリの背面に当接する壁部と、この壁部の外周側に形成した屈曲部を介して前記可動プーリから離間する方向に延在する外筒部とを備えているとともに、対向する前記可動プーリの背面及び前記シリンダ部材の壁部の特定位置が局部的に当接するように、前記シリンダ部材の壁部の一部に、前記可動プーリの背面に向けて環状に突出する突出部を形成した。
【0013】
また、請求項2記載の発明は、軸上に一体形成した固定プーリと、前記軸の軸線方向に移動可能に配置して前記固定プーリとの間にV字状溝を形成した可動プーリと、前記固定プーリ及び可動プーリ間に配置したVベルトと、前記固定プーリと対向しない前記可動プーリの背面側の前記軸と直交する径方向に連続した背面に当接するシリンダ部材を配設し、当該シリンダ部材にて流体圧供給制御により前記可動プーリを移動させて前記V字状溝の幅を変化させるプーリシリンダ室を形成したVベルト式無段変速機構において、前記シリンダ部材は、前記可動プーリの背面側に形成した縮径部に外嵌する嵌合部と、この嵌合部から前記可動プーリの背面に対向するように前記軸と直交する径方向外方に連続に形成して前記可動プーリの背面に当接する壁部と、この壁部の外周側に形成した屈曲部を介して前記可動プーリから離間する方向に延在する外筒部とを備えているとともに、対向する前記可動プーリの背面及び前記シリンダ部材の壁部の特定位置が局部的に当接するように、前記可動プーリの背面の一部に、前記シリンダ部材の壁部に向けて環状に突出する突出部を形成した。
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のVベルト式無段変速機構において、前記突出部を、前記嵌合部及び前記屈曲部間の略中間位置に設けた。
【0014】
また、請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載のVベルト式無段変速機構において、前記突出部を、前記嵌合部に近い位置に設けた。
さらに、請求項5記載の発明は、請求項1又は2記載のVベルト式無段変速機構において、前記突出部を、前記屈曲部に近い位置に設けた。
【0015】
【発明の効果】
請求項1及び請求項2記載の発明によると、流体圧供給制御によってプーリシリンダ室内に流体が供給されると、シリンダ部材の外筒部及び壁部を押し拡げようとする曲げモーメントが作用するが、可動プーリの背面及び前記シリンダ部材の壁部の特定位置で局部的に当接する突出部を設けているので、壁部及び外筒部の間に設けた屈曲部に加わる曲げ応力の値と、可動プーリの縮径部が外嵌する嵌合部に加わる曲げモーメントの反力による引き抜き力の値を、局部的に当接する部分を支点とした力として正確に算出し、シリンダ部材の応力設計を高精度に行うことができる。また、屈曲部の必要な曲げ耐力と、嵌合部の必要な引き抜き耐力を算出してシリンダ部材の応力設計を行うことで、必要以上に強固な耐力構造でシリンダ部材を形成しなくてもよいので、低コストのシリンダ部材を提供することができる。
また、通常、可動プーリの背面側は砥石を使用した研削加工によって形成されているが、請求項2記載の発明のように可動プーリの背面の一部にシリンダ部材の壁部に向けて環状に突出する突出部を形成すると、可動プーリの背面側の全域が削り取られないことから、研削量を削減しながら研削時間を短縮することができ、可動プーリのコスト削減化を図ることができる。
【0016】
また、請求項3記載の発明によると、突出部を嵌合部及び屈曲部間の略中間位置に設けたことにより、突出部と屈曲部が近接していないので屈曲部にはさほど大きな曲げ応力が加わらず、また、大きな曲げモーメンも発生しないので嵌合部に作用する引き抜き力もさほど大きな値とならない。そのため、屈曲部の曲げ耐力及び嵌合部の引き抜き耐力を小さな値に設定してシリンダ部材の応力設計を高精度に行うことができるとともに、必要以上に強固な耐力構造で屈曲部及び嵌合部を形成しなくてもよいので、低コストのシリンダ部材を提供することができる。
【0017】
また、請求項4記載の発明によると、突出部を嵌合部に近い位置に設けたことにより、外筒部及び壁部を変形しようとする大きな曲げモーメントが作用し、曲げモーメントの反力を受ける嵌合部には大きな値の引き抜き力が作用する。ここで、外筒部及び壁部が同時に変形しようとするため、嵌合部には曲げモーメントが集中的に加わらない。このため、嵌合部の引き抜き耐力を大きな値にし、屈曲部の曲げ耐力を小さくしてシリンダ部材の応力設計を高精度に行うことができる。また、必要以上に強固な耐力構造で屈曲部を形成しなくてもよいので、低コストのシリンダ部材を提供することができる。
【0018】
また、請求項5記載の発明によると、突出部を屈曲部に近い位置に設けたことにより、外筒部のみを押し拡げようとする小さな曲げモーメントしか作用しないので、曲げモーメントの反力を受け持つ嵌合部には小さな値の引き抜き力しか作用しない。このため、嵌合部の引き抜き耐力を小さな値にしてシリンダ部材の応力設計を高精度に行うことができるとともに、必要以上に強固な耐力構造で嵌合部を形成しなくてもよいので、低コストのシリンダ部材を提供することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、図10に示した構成と同一構成部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0021】
図1は、トランスアクスルに内蔵されているVベルト式無段変速機構を示すものである。
このVベルト式無段変速機構は、ベアリング10、12に回転自在に支持された入力軸14と、入力軸14上に配設されているプライマリプーリ16と、ベアリング18、20に回転自在に支持されて入力軸14と平行に延在する出力軸22と、出力軸22上に配設したセカンダリプーリ24と、プライマリプーリ16及びセカンダリプーリ24の相互を繋ぐVベルト26とを備えた機構である。そして、入力軸14には、図示しないエンジンからトルクコンバータ及び前後進切換え装置を介して回転駆動力が伝達される。また、出力軸22に伝達された回転力は、駆動ギヤ28、図示しないアイドラギヤ等の伝達ギヤを介して差動装置に伝達されて所定の変速比で左右のドライブシャフトに伝達される。
【0022】
前記プライマリプーリ16は、入力軸14に一体形成した固定プーリ16aと、入力軸14の軸心に沿って移動可能とされて固定プーリ16aとの間にV字状溝を形成している可動プーリ16bと、固定プーリ16aと対向しない可動プーリ16bの背面側に設けたプライマリシリンダ室30とを備えている。
【0023】
また、セカンダリプーリ24は、出力軸22に一体形成した固定プーリ24aと、出力軸22の軸心に沿って移動可能とされて固定プーリ22aとの間にV字状溝を形成している可動プーリ22bと、固定プーリ22aと対向しない可動プーリ22bの背面側に設けたセカンダリシリンダ室32とを備えている。
【0024】
そして、セカンダリシリンダ室32は、図2に示すように、第1シリンダ部材7、第2シリンダ部材8及びピストン部材9により形成されており、第1シリンダ部材7の筒状に形成した嵌合部7aは、可動プーリ24bの背面側に形成した縮径部24cに圧入により外嵌されている。
【0025】
ここで、可動プーリ24bの背面には、第1シリンダ部材7の壁部7bに向けて僅かに突出する環状のプーリ側突出部24dが形成されている。そして、プーリ側突出部24dと第1シリンダ部材の嵌合部7a間の距離をdとし、プーリ側突出部24dと第1シリンダ部材7の屈曲部7d間の距離をdとすると、距離d、dが略同一距離(d≒d)に設定し、すなわち、嵌合部7a及び屈曲部7d間の略中間位置にプーリ側突出部24dが形成されている。 上記構成の可動プーリ24bを使用すると、図3に示すように、第1シリンダ部材7の壁部7bの外面が、嵌合部7a及び屈曲部7d間の略中間の位置でプーリ側突出部24dに局部的に当接する。そして、作動油供給によって第1シリンダ部材7の外筒部7aを外側(図3の二点鎖線の状態から実線で示す状態)へ変形しようする曲げモーメントが作用するが、前述したように可動プーリ24b及び壁部7bの局部的に当接する位置が特定されているので、屈曲部7dに加わる曲げ応力と、曲げモーメントの反力によって嵌合部7aに加わる引き抜き力Fの値を正確に算出することがでる。したがって、屈曲部7dの曲げ耐力と、嵌合部7aの引き抜き耐力とを最適な値に設定して第1シリンダ部材7を形成することができる。
【0026】
また、プーリ側突出部24dが、嵌合部7a及び屈曲部7d間の略中間位置の壁部7bに当接すると、その当接位置と屈曲部7dが近接していないので屈曲部7dにさほど大きな曲げ応力が加わらず、また、大きな曲げモーメンも発生しないので嵌合部7aに作用する引き抜き力Fもさほど大きな値とならない。そのため、屈曲部7d及び嵌合部7aをさほど強固な耐力構造で形成しなくてもよいので、低コストの第1シリンダ部材7を提供することができる。
【0027】
さらに、通常、可動プーリ24bの背面側は、砥石を使用した研削加工によって成形されるが、本実施形態では背面側の全域を削り取らずにプーリ側突出部24dを残した状態で成形しており、研削量を削減しながら研削時間を短縮することができるので、可動プーリ24bのコスト低減化も図ることができる。
【0028】
次に、図4に示すものは、本発明の第2実施形態を示すものである。
本実施形態では、可動プーリ24bの背面の外周側に、環状のプーリ側突出部24eを形成している。
【0029】
上記構成の可動プーリ24dを使用すると、屈曲部7d近くの壁部7bの外面にプーリ側突出部24eが局部的に当接するものと特定することができるので、第1実施形態と同様に、屈曲部7dの曲げ耐力と、嵌合部7aの引き抜き耐力とを最適な値に設定した第1シリンダ部材7を形成することができる。
【0030】
また、プーリ側突出部24eが壁部7bの屈曲部7d近くで当接すると屈曲部7dには大きな曲げ応力が加わるので、屈曲部7dを強固な耐力構造として形成しなければならない。しかし、作動油がセカンダリシリンダ室32に供給されると外筒部7aのみを外側(図4の二点鎖線の状態から実線で示す状態)へ変形しようする小さな曲げモーメントしか作用しないので、曲げモーメントの反力を受け持つ嵌合部7aには小さな値の引き抜き力Fしか作用しない。したがって、嵌合部7aをさほど強固な耐力構造で形成しなくてよい。
【0031】
次に、図5に示すものは、本発明の第3実施形態を示すものである。
本実施形態では、可動プーリ24bの背面の内周側に、環状のプーリ側突出部24fを形成している。
【0032】
上記構成の可動プーリ24dを使用すると、嵌合部7a近くの壁部7bの外面にプーリ側突出部24fが局部的に当接するものと特定することができるので、第1及び第2実施形態と同様に、屈曲部7dの曲げ耐力と、嵌合部7aの引き抜き耐力とを最適な値に設定して第1シリンダ部材7を形成することができる。
また、作動油供給によって第1シリンダ部材7に作用する曲げモーメントは、外筒部7a及び壁部7bを外側(図5の二点鎖線の状態から実線で示す状態)へ変形しようする大きな曲げモーメントが作用し、曲げモーメントの反力をうける嵌合部7aには大きな値の引き抜き力Fが作用するので、大きな耐力構造で嵌合部7aを形成しなければならない。しかし、屈曲部7dには小さな曲げ応力しか加わらないので、小さな耐力構造の屈曲部7dを形成することができる。
【0033】
次に、図6に示すものは、本発明の第4実施形態を示すものである。
本実施形態では、可動プーリ24bの背面24gにプーリ側突出部を形成せず、第1シリンダ部材7の壁部7bの一部を外側に膨出させて背面24g向けて僅かに突出する環状のシリンダ側突出部7eが形成されている。そして、シリンダ側突出部7eと嵌合部7a間の距離をdとし、シリンダ側突出部7eと屈曲部7d間の距離をdとすると、距離d、dが略同一距離(d≒d)に設定し、すなわち、嵌合部7a及び屈曲部7d間の略中間位置にシリンダ側突出部7eが形成されている。
【0034】
上記構成の第1シリンダ部材7を使用すると、図7に示すように、可動プーリ24bの背面24gとシリンダ側突出部7eとが局部的に当接する位置が特定されるので、上記各実施形態と同様に、屈曲部7dの曲げ耐力と、嵌合部7aの引き抜き耐力とを最適な値に設定して第1シリンダ部材7を形成することができる。
【0035】
そして、本実施形態では、シリンダ側突出部7eが壁部7bの外面に当接すると、その当接位置と屈曲部7dが近接していないので屈曲部7dにさほど大きな曲げ応力が加わらず、また、大きな曲げモーメンも発生しないので嵌合部7aに作用する引き抜き力Fもさほど大きな値とならない。そのため、第1実施形態と同様に、屈曲部7d及び嵌合部7aをさほど強固な耐力構造で形成しなくてもよいので、低コストの第1シリンダ部材7を提供することができる。
【0036】
また、図8に示すものは本発明の第5実施形態を示すものであり、壁部7bの屈曲部7dの近くに環状のシリンダ側突出部7fを形成している。
本実施形態によると、可動プーリ24dの背面24gに対してシリンダ側突出部7fが屈曲部7d近くで当接するので、第2実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0037】
さらに、図9に示すものは本発明の第6実施形態を示すものであり、壁部7bの嵌合部7aの近くに環状のシリンダ側突出部7gを形成している。
本実施形態によると、可動プーリ24dの背面24gに対してシリンダ側突出部7gが嵌合部7a近くで当接するので、第3実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0038】
なお、本実施形態では、セカンダリプーリ24のセカンダリシリンダ室32を構成する第1シリンダ部材7と可動プーリ7bについて説明したが、本発明の要旨がこれに限定されるものではなく、図1に示すように、プライマリプーリ16のプライマリシリンダ室30を構成しているピストン部材38と可動プーリ16bの背面との突き当て部分(図1の○印Cで示す位置)に、可動プーリ16bの背面及びピストン部材38の一方に、局部的に当接する環状の突起部を設けた構造としても、同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トランスアクスル内に配設したVベルト式無段変速機構を示す図である。
【図2】本発明に係わる第1実施形態のセカンダリプーリの要部を示す断面図である。
【図3】図2で示した第1実施形態の模式図である。
【図4】セカンダリプーリの第2実施形態を示す模式図である。
【図5】セカンダリプーリの第3実施形態を示す模式図である。
【図6】第4実施形態のセカンダリプーリの要部を示す断面図である。
【図7】図6で示した第4実施形態を示す模式図である。
【図8】セカンダリプーリの第5実施形態を示す模式図である。
【図9】セカンダリプーリの第6実施形態を示す模式図である。
【図10】従来のVベルト式無段変速機構を構成するセカンダリプーリの要部を示す断面図である。
【符号の説明】
7 第1シリンダ部材
7a 嵌合部
7b 壁部
7c 外筒部
7d 屈曲部
7e、7f、7g シリンダ側突出部(突出部)
16 プライマリプーリ
22 出力軸(軸)
24 セカンダリプーリ
24d、24e、24f プーリ側突出部(突出部)
24a 固定プーリ
24b 可動プーリ
26 Vベルト
32 セカンダリシリンダ室(プーリシリンダ室)

Claims (5)

  1. 軸上に一体形成した固定プーリと、前記軸の軸線方向に移動可能に配置して前記固定プーリとの間にV字状溝を形成した可動プーリと、前記固定プーリ及び可動プーリ間に配置したVベルトと、前記固定プーリと対向しない前記可動プーリの背面側の前記軸と直交する径方向に連続した背面に当接するシリンダ部材を配設し、当該シリンダ部材にて流体圧供給制御により前記可動プーリを移動させて前記V字状溝の幅を変化させるプーリシリンダ室を形成したVベルト式無段変速機構において、
    前記シリンダ部材は、前記可動プーリの背面側に形成した縮径部に外嵌する嵌合部と、この嵌合部から前記可動プーリの背面に対向するように前記軸と直交する径方向外方に連続に形成して前記可動プーリの背面に当接する壁部と、この壁部の外周側に形成した屈曲部を介して前記可動プーリから離間する方向に延在する外筒部とを備えているとともに、対向する前記可動プーリの背面及び前記シリンダ部材の壁部の特定位置が局部的に当接するように、前記シリンダ部材の壁部の一部に、前記可動プーリの背面に向けて環状に突出する突出部を形成したことを特徴とするVベルト式無段変速機構。
  2. 軸上に一体形成した固定プーリと、前記軸の軸線方向に移動可能に配置して前記固定プーリとの間にV字状溝を形成した可動プーリと、前記固定プーリ及び可動プーリ間に配置したVベルトと、前記固定プーリと対向しない前記可動プーリの背面側の前記軸と直交する径方向に連続した背面に当接するシリンダ部材を配設し、当該シリンダ部材にて流体圧供給制御により前記可動プーリを移動させて前記V字状溝の幅を変化させるプーリシリンダ室を形成したVベルト式無段変速機構において、
    前記シリンダ部材は、前記可動プーリの背面側に形成した縮径部に外嵌する嵌合部と、この嵌合部から前記可動プーリの背面に対向するように前記軸と直交する径方向外方に連続に形成して前記可動プーリの背面に当接する壁部と、この壁部の外周側に形成した屈曲部を介して前記可動プーリから離間する方向に延在する外筒部とを備えているとともに、対向する前記可動プーリの背面及び前記シリンダ部材の壁部の特定位置が局部的に当接するように、前記可動プーリの背面の 一部に、前記シリンダ部材の壁部に向けて環状に突出する突出部を形成したことを特徴とするVベルト式無段変速機構。
  3. 前記突出部を、前記嵌合部及び前記屈曲部間の略中間位置に設けたことを特徴とする請求項1又は2記載のVベルト式無段変速機構。
  4. 前記突出部を、前記嵌合部に近い位置に設けたことを特徴とする請求項1又は2記載のVベルト式無段変速機構。
  5. 前記突出部を、前記屈曲部に近い位置に設けたことを特徴とする請求項1又は2記載のVベルト式無段変速機構。
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