JPS5831501B2 - Ｖベルト式自動変速機のドリブンクラツチ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はＶベルト式自動変速機におけるトリフンクラ
ッチ製造に関するものである。

一般に、Ｖベルト式自動変速機とは原動機関の駆動軸に
取り付けられたドライブクラッチと、動力が伝達される
側の従動軸に取り付けられたドリブンクラッチ、両クラ
ッチ間に設けられたＶベルトにより構成され、原動機関
にて発生した動力を、従動軸に伝達すると同時に所要の
トルク変換を自動的に行うものである。

これらの作動に関して、原動機関の回転速度が低い領域
にある時にはドライブクラッチのシーブ間隔が拡（また
一方ドリブンクラッチのシーブ間隔は狭く、従って、前
者の調車径は後者の調車径より小さくなるよう設定され
、比較的大きなトルク比を得て動力が、従動軸に伝達さ
れる。

原動機関の回転速度が上昇するに伴いドライブクラッチ
及びドリブンクラッチにおいて、遠心力又はスプリング
力、或いは油圧・空気圧等のシーブ推力調整手段により
、ドライブクラッチのシーブ間隔がせばまるとともにド
リブンクラッチのシーブ間隔が拡がり、トルク比を除々
に低減させながら動力の伝達が行なわれる。

これらの一般的な作動とともに、従動軸に急激な負荷の
増減を生じた場合に対応するところの負荷の増減を直接
感知し作動しトルク比を自動的に調整する調圧カム或い
は原動機関のブースト圧力等の間接的な感知により油圧
・空気圧等により作動する装置によるフィードバック作
用をともなったトルク変換が行なわれる。

以上の如きＶベルト自動変速機は小型乗用自動車とか、
ゴルフカート、農業運搬車、雪上車等の軽量車輌に現在
幅広く用いられており、原動機関の高回転高出力化にと
もなって軽量小型にして安全性の高い構造が求められ、
しかも容易にトルク変換特性を変更・調整することが出
来る構造が望まれている。

この発明はこのような構造をドリブンクラッチに附与す
ることを目的とする。

従来例を示す第１図のものは、従動軸１の軸端部に固定
シーブ（２）が固着され、固定シーブに相対して■形溝
を形成する可動シーブ３が摺動可能に嵌合せられ、更に
可動シーブ３の背面側にカムブラケット４が固定シーブ
と一体に固着され、カムブラケット４と、可動シーブ３
との間に設げたカム機構５およびコイルスプリング６を
介して、可動シーブ３を固定シーブ２側へ常に押圧する
ことにより、両シーブ２，３間にＶベルト７が常に圧接
状態に保持せられて、両者の摩擦により、従動軸１に動
力が伝達される様に構成されている。

この従来の構造においては、可動シーブ３の背面側にカ
ム機構部があり、Ｖベルト７による荷重点が従動軸１の
先端にががるので軸支承部がら遠く従動軸に大きな曲げ
モーメントがかかる上にカム機構部が開放されているの
で装置の損傷時の部材の飛散などの危険性がある。

第２図に示す他の従来例では、第１図に示した欠点を解
決したもので、実開昭５１−８８７７７号（又は米国特
許第４０３３１９５号）に公開せられたもので従動軸１
に可動シーブ３が摺動可能に嵌合され、この可動シーブ
３に相対して軸端側に、軸端を固定した円筒形状部分２
ａを背面に有する固定シーブ２を設け、円筒状部分２ａ
内において固定シーブ２の背面に接触部２ｂを軸端方向
に突設し、この接触部２ｂに対接するカム部４ａを有す
るカムブラケット４が可動シーブ３の延設部３ａに固着
し、カムブラケット４と固定シーブ２との間に圧縮捩り
スプリング６を設けた構造のもので、第１図に例示した
構造のドリブンクラッチの欠点を補うものであるが、こ
れでは構造が複雑であり、大型になり、従って重量も比
較的大きくなるという欠点がある。

この発明は、上記の欠点を排する目的でなされたもので
、第３図以降の実施例についてこの発明を説明する。

第１の実施例を示す第３図において１は従動軸で軸端部
に固定シーブ２を嵌入し、ボルト１４で先端を固定し、
嵌入部をキー９で固定する。

嵌入部は円筒部２ａを形成し円筒部２ａの外周に可動シ
ーブ３に固設した可動フランジ８の延設部８ａを摺動自
在に嵌合する。

１０はブッシングである。

可動シーブ３と、可動フランジ８とは、ボルト１２によ
り、一体化せしめる。

４はカムブラケットで固定シーブ２と可動シーブ３及び
、可動フランジ８とで形成する室内で、固定シーブ２に
ボルト１３により固設せられる。

可動シーツ３の延設部は、カムブラケット４の外周部に
周囲して、カムブラケット４の傾斜カム面４ａに突起部
３ａを突設せしめてブッシング１１を介して、カム面４
ａに当接係合せしめると共に、上記カムブラケット４の
内周部には伸張捩りスプリング６を介在せしめ端部を夫
々カムブラケット４及び可動フランジ８に係止せしめる
。

１５，１６は従動軸１の支承部ベアリングである。

第７図に示すものは第２の実施例で従動軸１の先端にボ
ルト１４によって固定シーブ２を固設し従動軸１に嵌入
する円筒部２ａを短くし、可動フランジ８の延設部８ａ
を上記円筒部２ａ上に嵌合せしめず従動軸１の外周に摺
動自在に直接嵌入せしめるもので、固定シーブ２０円筒
部２ａ端部と、可動フランジ８の延設部８ａの端部を接
触せしめる。

従って、可動フランジが軸支承部方向に移動した場合に
は、両端部間には空隙ができ、固定シーブと可動シーブ
が最も近づいた状態では端部は接触する。

又、第８図および第９図に示すものは、第３の実施例を
示すもので、第］、第２の実施例におけるカム面４ａと
、ブッシング１１との関係を反対にしたもので、即ち、
可動シーブ３の円筒部から内側に突出部を突出せしめる
のではなく、円筒部の内側に傾斜して突出せしめた面に
カム面３ ａ’を形成し、このカム面３ ａ／に対応す
るブッシング１１を固定シーブ２に固設したカウンター
ブラケット４′から、円筒外に突出せしめた突出部４ａ
′に取りつげるものである。

次に、この発明の作用について説明する。

駆動軸からＶベルト７を通じて伝達された動力は固定シ
ーブ２及び、可動シーブ３とで構成されるドリブンクラ
ッチとＶベルトが常に圧接状態に保持されて両者の摩擦
により従動軸１に伝達せられる。

エンジンの回転速度が上昇すると駆動軸側のＶベルトの
調車径が大きくなるに伴い、従動軸のＶベルトの調車径
が小さくなり、可動シーブ３を固定シーブ２から離間せ
しめる。

この時伸張波りスプリング６のねじりトルク及び伸張力
に抗してＶベルト７が両シーブ間を拡げる働きをすると
共に、カム面４ａと同面上を摺動する突起部３ａにつげ
たブッシング１１がカムの傾斜面を移動して、あるいは
第３の実施例の場合はカム面３ａ′と同面上を摺動する
突起部４ａ′につげたブッシング１１がカムの傾斜面を
移動して、可動フランジ８及び固定シーブ２に固設した
ブラケット４又は４１に係止するスプリングによって得
られる調車推力、更にはカム機構部にて発生した調車推
力によりドライブクラッチの調車推力とバランスを保ち
ながら所要のトルク変換特性を得るようにしたものであ
る。

トルク変換の調整をする場合には、ボルト１２を取外し
可動シーブ３と可動フランジ８との相対的円周方向の位
置関係を第６図に示す伸張捩りスプリングの捩り状態指
示位置に従って、可動シーブ３と可動フランジ８とを相
対的に調節し、ボルト１２で再固着することによって、
トルク変換の調整ができるとともに使用中でもスプリン
グ６の使用角度を知ることが出来る。

この種のＶベルト式自動変速機に関して米国特許第３５
３４６２２号、第３５９９５０４号等があり、これらの
先行技術と本発明と共通して相異するところは固定シー
ブ又は可動シーブの背面と、可動シーブ又は固定シーブ
の延設部に一体化された部材により囲まれた空間に圧縮
捩りスプリングが設けられている関係上、その空間の軸
方向長さは、スプリング密着長と可動シーブのストロー
ク長さが、最少限度要求とされるため長くなり従ってト
リフンクラッチ全体が軸方向に相当延長された構造とな
らざるを得ない点にある。

更に前記先行技術のもは、トルク変換特性を変更、調整
する意図にてスプリングの捩り角度を変更する場合に、
構造上、カム機構部まで分解を要する点においても異っ
ている。

以上の如く本発明のものは従動軸に固着された固定シー
ブと、この固定シーブに相対して可動フランジを脱着可
能にして一体化した可動シーブとより、それら両シーブ
の外周部には■溝を形成し、内周部には空間を形威し、
その空間内に可動シーブ方向に伸びたブラケットが固定
シーブと一体的に固着され、固定シーブ方向に伸びた可
動シーブの延設部と前記ブラケットとの間にカム機構を
内在させるとともに、前記空間内において可動シーブが
固定シーブより離れる方向と摺動するにともない従動軸
方向に拡がる空間に、固定シーブ又は固定シーブに固設
されたブラケットと前記可動フランジに夫々の端部な係
止した伸張捩りスプリングを設けたものでありカム機構
とか、スプリング機構は両シーブ間におさまって、外部
に露出していないので故障が少く、万一破損した場合で
も部品が外部に直接飛び散る等の危険がないばかりか、
機構の内蔵部分のスプリングは、伸張捩りスプリングを
使用しているので無駄なスペースをとらずにすむので小
さく収まり、従って重量が軽くなるという効果があり構
造が簡単なところから製作も容易であり、構造上におい
ても無駄がない。

一方、先行技術との比較においても伸張スプリングを使
用することによって、ドリブンクラッチ全体が短かくな
り軽量による以外に従来のものでは全分解しないとトル
ク変換特性の変更ができなかったが、この発明ではスプ
リングの捩り角度を変更しトルク変換特性を調整するた
めにボルトを外すと可動フランジと可動シーブとの相対
的円周方向位置を変更でき伸張捩りスプリングの捩り角
度を変更しトルク変換特性の調整を容易にすることがで
きるという特徴がある。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は従来例を示す２例の側断面図、第３図
は実施例によって本発明を説明する側断面図、第４図は
第３図のＡ−Ａ断面矢視図、第５図はＢ−Ｂ断面矢視図
、第６図はＣ矢視図である、第７図は本発明の第２の実
施例を示す側断面図、第８図は第３の実施例を示す側断
面隠、第９図は第８図の一部斜視図である。 第１０図ａ、ｂ、ｃは本発明の位置関係を説明するため
に模型的に画いた駆動機構のａ平面、ｂ起動時の側面図
、Ｃ駆動時の側面図である。 １・・・・・・従動軸、２・・・・・・固定シーン、３
・・・・・・可動シーツ、３ａ・・・・・・突起部、３
ａ′・・・・・・カム面、２ａ円筒部、４・°°・°°
カムブラケット、４ａ・・・・・・カム面、４ａｌ・・
・・・・突起部、５・・・・・・カム機構、６・・・・
・・スプリング、Ｉ・・・・・・Ｖベルト、８・・・・
・・可動フランジ、８ａ・・・・・・延設部、９・・・
・・・キー、１０・・・・・・ブツシュ１１・・・・・
・ブッシング、１２，１３，１４・・・・・・ボルト、
Ａ・・・・・・エンジン、Ｂ・−・・・・ドライブクラ
ッチ、Ｃ・・・・・・ドリブンクラッチ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 従動軸に固着された固定シーブと、該固定シーブに
   相対し可動フランジを一体的に固設した可動シーブとに
   より外周部にＶ溝を、内周部に両シーブにより囲周せら
   れた空間を形成し、該空間内に、上記固定シーブ又は固
   定シーブに固設したブラケットと前記可動フランジに夫
   々の端部な係止した伸張捩りスプリングを設けると共に
   、上記ブラケットを可動シーブ方向に延設せしめて構成
   し可動シーブの延設部との間に調圧カム機構を内在せし
   めてなるＶベルト式自動変速機のドリブンクラッチ装置
   。 ２ 前記伸張捩りスプリングは可動シーブが固定シーブ
   より離れるに従い拡がる空間内に夫々の端部を係止した
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載のドリブン
   クラッチ装置。 ３ 前記固定シーブに固設したブラケットにカム面を形
   成し、該ブラケットの外周な囲周せしめた可動シーブの
   延設部から突起を内半径方向に突出せしめ、上記カム面
   に当接せしめることを特徴とする特許請求の範囲第１項
   又は第２項記載のドリブンクラッチ装置。 ４ 前記可動シーブの延設部にカム面を形成し、該延設
   部により囲周せしめられたブラケットから突起を外半径
   方向に突出せしめ、上記カム面に当接せしめることを特
   徴とする特許請求の範囲第１項又は第２項記載のドリブ
   ンクラッチ装置。 ５ 前記固定シーブを従動軸に嵌入せしめた円筒部の外
   周に前記可動フランジを摺動自在に嵌合せしめたことを
   特徴とする特許請求の範囲第３項、又は第４項記載のド
   リブンクラッチ装置。 ６ 前記可動フランジが従動軸に直接摺動自在に嵌合せ
   しめて構成したことを特徴とする特許請求の範囲第３項
   、又は第４項記載のドリブンクラッチ装置。 ７ 前記可動シーブに前記可動フランジを脱着可能にし
   て一体化せしめ、可動シーブに対する可動フランジの円
   周方向位置を任意に選択可能にし、可動フランジにその
   一端を係止された伸張捩りスプリングの捩り角度を調整
   するように構成した特許請求の範囲第５項、又は第６項
   記載のドリブンクラッチ装置。 ８ 前記可動フランジ及び前記可動シーブの外面に前記
   伸張捩りスプリングの捩り状態を表示したことを特徴と
   する特許請求の範囲第７項記載のドリブンクラッチ装置
   。