JP3677391B2 - 可変径プーリ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
慣性部材の遠心力を用いてベルトの有効径を変更する遠心式の可変径プーリに関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
従来より、ベルトに対する有効径を変化させることのできる可変径プーリを用いたベルト伝動装置が提供されている。このベルト伝動装置では、油圧アクチュエータや電動モー夕等の駆動手段にて駆動される変速比調整用のテンショナによって、ベルトの張力を増大させつつベルトをたぐり寄せ、これにより、可変径プーリの有効径を変更して変速するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このベルト伝動装置では、変速比調整用のテンショナ、このテンショナを駆動させる駆動機構、およびこの駆動機構の動作を制御するためのコントローラ等の機構を用いることが必要であり、このため、部品点数が多くて構造が複雑であると共に製造コストが高く、また、配置スペースを広くとるという問題がある。
【0004】
そこで、遠心力により旋回径を増大させる慣性部材によってプーリ主体を軸方向に押して変速する可変径プーリが提供されている(例えば特開平2−169824号公報)。この場合、可変径プーリの構造を簡素化でき、ベルト伝動装置に適用された場合に、ベルト伝動装置の構造を簡素化できると共に、製造コストや配置スペースを削減することができる。
【0005】
上記の慣性部材は遠心方向にいくにしたがって幅の狭くなる楔状の収容空間に配置されているが、慣性部材が摺動する面がテーパ面であり、特にテーパ面の径方向外方に外筒部が一体に形成されている場合には、加工が困難であり、加工精度が期待できない。このため、テーパ面からなる摺動面の表面粗さが悪くなり、変速時のヒステリシスが大きい。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、スムーズな変速が可能な可変径プーリを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための課題解決手段として、請求項1記載の発明の態様は、遠心力により旋回径を増大させる慣性部材によって一対のプーリ主体の少なくとも一方を軸方向に押し、上記一対のプーリ主体に巻き回されたベルトの有効径を変更する可変径プーリにおいて、上記慣性部材の移動を案内する一対の案内面のうちの一方が、プーリ主体の軸心に対して直交する平面からなり、上記慣性部材は上記一対の案内面に転動する転動部材からなり、上記転動部材は外ローラとこの外ローラを同心に貫通する内ローラとを含み、両ローラは軸受を介して互いに相対回転自在に連結され、対応する案内面にそれぞれ転動し、上記内ローラを案内する案内面は、外ローラの一部を収容しつつ外ローラの変位を許容する溝の両縁部に形成され、溝の底部が外ローラとの接触を回避していると共に、溝の両内壁面が外ローラの軸方向変位を規制していることを特徴とするものである。
【0008】
本態様では、一対の案内面のうちの一方がプーリ主体の軸心に対して直交するので、双方がテーパ面からなる場合と比較して、案内面の加工コストを安くすることができる。また、上記一方の案内面の加工精度を高くできるので、表面粗さを良好にでき、その結果、慣性部材が変位する際の抵抗を少なくして変速時のヒステリシスを低減することができる。
【0009】
また、上記慣性部材上記一対の案内面に転動する転動部材からなるので、スムーズな変速が可能となる。
【0010】
また、上記転動部材は外ローラとこの外ローラを同心に貫通する内ローラとを含み、両ローラは軸受を介して互いに相対回転自在に連結され、上記一対の案内面にそれぞれ転動するので、下記の効果を奏することができる。
【0011】
すなわち、転動部材に含まれる両ローラが両案内面に対して転がり移動することになり、非常にスムーズな移動が可能となる。したがって、一対の案内面がなす角度を小さくすることも可能となり、結果として、可変径プーリの小型化を図ることができる。なお、軸受としてはすべり軸受を用いても良いし、転がり軸受を用いても良い。
【0012】
また、上記内ローラを案内する案内面は、外ローラの一部を収容しつつ外ローラの変位を許容する溝の両縁部に形成され、溝の底部が外ローラとの接触を回避していると共に、溝の両内壁面が外ローラの軸方向変位を規制しているので、下記の効果を奏することができる。
【0013】
すなわち、内ローラおよび外ローラをそれぞれ案内する一対の案内面を互いに近づけて配置できるので、一層の小型化を図ることができる。また、溝内に一部が収容される外ローラは変位するときに溝により軸方向変位を規制されるので、軸方向にがたつくことがない。しかも、内ローラはその両端部が溝の両縁部によって案内されるので、両ローラがスムーズに変位できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面を参照しつつ説明する。
【0015】
図1は本発明の一実施形態に係る可変径プーリの断面図である。本可変径プーリは、巻きかけられたベルトの有効径を変化させることのできるものであり、駆動プーリおよび従動プーリの少なくとも一方に適用される。
【0016】
図1を参照して、本可変径プーリは、回転軸1の周囲に軸方向に移動自在な第1および第2の環状のプーリ主体2,3を備えており、これらプーリ主体2,3の互いの対向面にそれぞれ動力伝達面4,5を形成している。これら一対の動力伝達面4,5は互いに逆向きに傾斜したテーパ状にされており、両動力伝達面4,5によって、断面略台形形状の動力伝達リング6が、両プーリ主体2,3の軸心Kに対して図1に示すように偏心可能に挟持されている。Lはベルト7の幅中心の位置(以下、ベルトセンタLという)である。
【0017】
この動力伝達リング6の外周面にはベルト7への伝動面8が形成され、この伝動面8にベルト7が巻き掛けられている。伝動面8にはベルト7のリブと噛み合う周溝が形成されている。動力伝達リング6の両側面はそれぞれ対応する動力伝達面4,5と接触してトルクを伝達する動力伝達面9,10を構成している。
【0018】
また、可変径プーリは、第1および第2のプーリ主体2,3を互いに近づく方向に付勢する付勢手段としてのダイヤフラムスプリング11を備えており、このダイヤフラムスプリング11は、回転軸1の基端のボス部50にねじ結合により一体回転可能に固定された環状フランジ付きの連結部材12に各複数の第1および第2の連結軸51,52を介して一体回転可能に連結されている。上記の連結部材12を介して伝達されるトルクがねじ締め方向に働くようにされており、固定が緩むことがないようになっている。
【0019】
上記のダイヤフラムスプリング11の内径部14および外径部15は、第1および第2のプーリ主体3にそれぞれ一体回転可能に係合されている。これにより、両プーリ主体2,3とダイヤフラムスプリング11が回転軸1と一体に回転するようになっている。例えば本可変径プーリを駆動プーリに適用した場合には、回転軸1、ダイヤフラムスプリング11、両プーリ主体2,3および動力伝達リング6を介してベルト7へトルクが伝達される。
【0020】
図1および図2を参照して、ダイヤフラムスプリング11の内径部14および外径部15には、それぞれ円周等配に配置された放射状の連結溝16,17が形成されている。また、ダイヤフラムスプリング11の径方向の中間部において、上述した第1および第2の連結軸51,52を貫通させてダイヤフラムスプリング11と連結部材12とをトルク伝達可能に連結する連結孔31が円周等配に形成されている。
【0021】
第1のプーリ主体2は、上記テーパ状の動力伝達面4を備える穴付き円板部18と、この円板部18の内周にキー30によって一体回転可能に結合されたボス部19とを備えている。ボス部19の一端には小径のねじ部53が形成され、このねじ部53にねじ込んだナット54がワッシャ55を介して円板部18を押圧し、円板部18の内周面がボス部19の外周に形成されたテーパ面56に圧接されて、円板部18がボス部19に軸方向に一体移動可能に固定されている。ボス部19と円板部18との相対回転がキー30によって規制されているので、ナット54を締めつける際に、円板部18を固定することで、ねじ部53の回り止めが達成できる。これにより、回り止めが容易に行えるので、可変径プーリの内部の材料を傷めることなく、ナット54の締め付けを容易に実施できる。
【0022】
ボス部19の他端には軸方向中間部まで延びる筒状部57が形成され、この筒状部57内に回転軸1が同軸上に挿入されている。そして、ボス部19は回転軸1の周面に滑り軸受としてのブッシュ20を介して軸方向にスライド自在に支持されている。
【0023】
第2のプーリ主体3は、穴付き円板部21と、この円板部21の内周に形成された円筒状のボス部22とを備えている。円板部21は上記の動力伝達面5を形成している。第2のプーリ主体3のボス部22は、第1のプーリ主体2のボス部19を取り囲み、この第1のプーリ主体2のボス部19によって滑り軸受としてのブッシュ23を介して軸方向にスライド自在に支持されている。
【0024】
第2のプーリ主体3の動力伝達面5の背面からなる後述する第1の案内面24(すなわち円板部21の背面)には、ねじ58によって筒状部59が一体回転可能に固定されている。この筒状部59は上記第1の案内面24から後方へ延び、その先端には、ダイヤフラムスプリング11の外径部15の複数の連結溝17にそれぞれ嵌め入れられる複数の板状の連結突起33が円周等配で放射状に形成されている。第2のプーリ主体3の第1の案内面24がダイヤフラムスプリング11の外径部15によって筒状部59を介して押圧されて、第2のプーリ主体3が第1のプーリ主体2へ近づく方向に付勢されている。
【0025】
第1のプーリ主体2のボス部19は、第2のプーリ主体3のボス部22を貫通して第2のプーリ主体3の動力伝達面5の背面である第1の案内面24側へ延びており、ボス部19が第2のプーリ主体3の背面側へ延びる部分を構成している。この背面側へ延びる部分としてのボス部19の端部(すなわち筒状部59の端部)には、当該端部とダイヤフラムスプリング11の内径部14とを一体回転可能に連結するための環状の連結部25が一体に形成されている。
【0026】
この連結部25は、ダイヤフラムスプリング11の内径部14を軸方向に押すための円板状の押圧板部26と、この押圧板部26に円周等配で放射状に形成された複数の連結突起27とを形成している。上記の押圧板部26がダイヤフラムスプリング11の内径部14によって押圧され、連結部材25を介して第1のプーリ主体2が第2のプーリ主体3へ近づく方向に付勢されている。また、複数の連結突起27は、ダイヤフラムスプリング11の内径部14の複数の連結溝16にそれぞれ嵌め入れられている。
【0027】
第2のプーリ主体3の背面からなる第1の案内面24と、これに対向する対向面からなる第2の案内面40を有する対向部材41との間に、ローラからなる慣性部材42が複数介在している。上記第1の案内面24は、軸心Kに対して直交する面からなる。
【0028】
上記の対向部材41は、第1のプーリ主体2のボス部19に嵌合するとともに、連結部25に突き当てられて第1のプーリ主体2に対する軸方向移動が規制された円筒状のボス部43と、このボス部43の一端から径方向外方へ延びるように一体に形成された円錐板部44とを備えている。円錐板部44の内面が、上記第1の案内面24に対向する円錐テーパ状の対向面からなる第2の案内面40となっている。
【0029】
そして、これら第1および第2の案内面24,40との間に慣性部材42を収容するための環状の収容空間45が区画されている。この収容空間45は径方向外方へいくほど幅狭となる断面楔状の空間である。また、収容空間45の内周は第2のプーリ主体3のボス部22によって区画される一方、収容空間45の外周は第2のプーリ主体3の筒状部59によって区画されている。46は対向部材41の第2の案内面40に一体に形成され、ローラからなる慣性部材42の両端面に当接して、各慣性部材42の遠心方向および求心方向への移動を案内する案内板であり、三角形形状をしている。これら案内板46はローラからなる慣性部材が両案内板46間に形成される溝から脱落することがないように、十分な大きさに設定されている。
【0030】
上記の連結部材12は、回転軸1のボス部50にねじ嵌合された筒状部28と、この筒状部の一端に一体に形成されて径方向外方へ延びる環状フランジ29とを含んでおり、全体が断面L字形形状をなしている。
【0031】
また、上記の環状フランジ29には、当該環状フランジ29を軸方向に貫通して複数の貫通孔35が円周等配に形成され、各貫通孔35には上記各連結軸51,52が挿通されて固定されている。これらの連結軸51,52は回転軸1の軸方向に平行に形成され、ダイヤフラムスプリング11の連結孔31に嵌め入れられてダイヤフラムスプリング11と連結部材12とをトルク伝達可能に連結する。
【0032】
図2を参照して、連結孔31は径方向に沿って長い長孔からなり、図3に示すように、その内面に径方向に沿って長い互いに平行な一対の係合面36,37を形成している。一方、上記第1の連結軸51はいわゆる二面幅をとった断面形状をしており、連結孔31の一対の係合面36,37にそれぞれ係合する一対の係合面38,39を有している。
【0033】
連結孔31の一対の係合面36,37は、対応する第1の連結軸51の一対の係合面38,39よりも、ダイヤフラムスプリング11の径方向に長くなるように設定されている。また、各係合面36〜39は、ダイヤフラムスプリング11の軸方向(図3において紙面に垂直な方向)および径方向(図3において上下方向)に平行な面となっている。連結孔31の両係合面36,37間の幅は、連結軸13の両係合面38,39間の幅と略等しく設定されている。このようにして、上記第1の連結軸51はダイヤフラムスプリング11の周方向Rの変位のみを規制するように連結孔31の内面に係合されていることになる。すなわち、第1の連結軸51は、当該第1の連結軸51が挿入される連結孔31の周辺部分の軸方向変位および径方向変位を許容しており、トルク伝達のみに寄与する。
【0034】
第1の連結軸51が連結孔31の径方向に沿って長い一対の係合面36,37に接触するので、接触面積を広く確保でき、ダイヤフラムスプリング11に負荷される応力を一層軽減することができる。その結果、耐久性を向上することができる。
【0035】
一方、第2の連結軸52は、当該第2の連結軸52が対応する連結孔31の周辺部分においてダイヤフラムスプリング11の軸方向変位を規制する。この連結孔31の径方向位置(図1において軸線Kからの距離dで示す)は、内径部14と外径部15とを相等しいストローク量で互いに逆向きに変位させることが可能となる位置である。
【0036】
図4(a)および(b)を参照して、第2の連結軸52は、円柱状の大径部60と、この大径部60の端部に一体に形成された円柱状の小径部61と、この小径部61の端部に一体に形成されたストッパ部62とを備えており、小径部61の周囲にダイヤフラムスプリング11が嵌められる。
【0037】
小径部62は、連結孔31の幅eに略等しい径を持っており、ストッパ部62の周面は、連結孔31の幅eに等しい二面幅をなして互いに対向する一対の平坦面64と、連結孔31の幅eよりも大きい径の一対の円弧面65とを含んでいる。組立時に、第2の連結軸52を連結孔31に係合する際には、図4(a),(b)の状態に対して第2の連結軸52を90°回転させてストッパ部62の一対の平坦面63を連結孔31の係合面36,37に沿わせた状態で挿入し、小径部61が連結孔31に係合するようにした後、第2の連結軸52を90°回転させて、図4(a),(b)に示す組立状態とする。
【0038】
大径部60と小径部61との間の段部は、ダイヤフラムスプリング11の傾斜時に、図5(a)および図5(b)に示すように、ダイヤフラムスプリング11の連結孔31の周辺部分を沿わせてこれを受ける傾斜状の受け面63に構成されている。この受け面63はテーパ面からなる。このように傾斜状の受け面63を設けることにより、大径部60と小径部61との間の段部が傾斜していない場合と比較して、小径部61の長さf[図4(b)参照]を短くできるので、小径部61におけるダイヤフラムスプリング11の軸方向の遊びを少なくすることができる。
【0039】
本実施形態では、ベルト7の走行速度が増して可変径プーリの回転速度が増すと、ローラからなる慣性部材42が収容空間45内を遠心方向に(図1に示す状態から図6に示す状態へと)自動的に変位することにより、ダイヤフラムスプリング11と共働して両プーリ主体2,3を介して動力伝達リング6を上記軸心Kと同心位置に付勢し、ベルト7に対する有効径Dを変化させることができる。
【0040】
慣性部材42を案内する第1の案内面24がプーリ主体2の軸心Kに対して直交するので、第1の案内面24を加工し易く、加工コストを安くすることができる。特に、収容空間45の外周を区画する筒状部59を、第2プーリ主体3と別体にしてねじ止めするようにしたので、第1の案内面24の加工をより容易に行うことができる。
【0041】
また、加工が容易であることから、第1の案内面24の加工精度を高くできるので、表面粗さを良好にでき、その結果、慣性部材42が変位する際の抵抗を少なくして変速時のヒステリシスを低減することができる。特に、慣性部材42が転動部材としてのローラからなるので、スムーズな変速が可能である。
【0042】
次いで、図7および図8は本発明の他の実施の形態の要部の断面図および一部破断斜視図を示している。これらの図を参照して、本実施の形態が図1の実施の形態と異なるのは下記である。すなわち、第2のプーリ主体3の背面からなる第1の案内面24と、後述する案内溝74を含む対向部材41Aの対向面47との間に区画される収容空間45に慣性部材70が収容されている。この慣性部材70は、転動部材としての、外ローラ71および内ローラ72を含んでおり、内ローラ72は、外ローラ71を同心に貫通している。両ローラ71,72は軸受73を介して相対回転自在に連結されている。軸受73としては、例えばメタル製のブッシュ等のすべり軸受、又は転がり軸受を用いることができる。
【0043】
外ローラ71は第2のプーリ主体3の背面からなる第1の案内面24によって案内されて転動する。一方、対向部材41の対向面47に放射状の延びるように形成された案内溝74の両縁部からなる第2の案内面75,75によって、内ローラ72の両端部78,78がそれぞれ案内されて転動する。
【0044】
案内溝74は外ローラ71の一部を収容しつつ外ローラ71の変位を許容し、且つ案内溝74の底部76と外ローラ71の外周面79との接触は回避されている。また、案内溝74の両内壁面77,77が外ローラ71の両端面80,80にそれぞれ当接することにより、外ローラ71の軸方向変位を規制している。他の構成については図1の実施の形態と同様である。
【0045】
本実施の形態では、図1の実施の形態と同様の作用効果を奏することに加えて、両ローラ71,72が両案内面24,75に対してそれぞれ転がり移動することになり、非常にスムーズな変速が可能となる。したがって、両案内面24,75がなす角度θを小さくすることも可能となり、結果として、可変径プーリの小型化を図ることができる。
【0046】
また、両ローラ71,72をそれぞれ案内する両案内面24,75を互いに近づけて配置できるので、可変径プーリの一層の小型化を図ることができる。また、案内溝74の内壁面77,77によって外ローラ71のがたつき防止し、また、案内溝74の両縁部としての第2の案内面75,75によって内ローラ72の両端部78,78を案内するので、両ローラ71、72がスムーズに変位でき、この点からもスムーズな変速が可能となる。
【0047】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更を施すことができる。
【0048】
【発明の効果】
請求項1記載の発明では、一対の案内面のうちの一方がプーリ主体の軸心に対して直交するので、双方がテーパ面からなる場合と比較して、案内面の加工コストを安くすることができる。また、上記一方の案内面の加工精度を高くできるので、表面粗さを良好にでき、その結果、慣性部材が変位する際の抵抗を少なくして変速時のヒステリシスを低減することができる。
【0049】
また、転動部材を用いるので、スムーズな変速が可能となる。
【0050】
また、転動部材に含まれる両ローラが両案内面に対して転がり移動することになり、非常にスムーズな変速が可能となる。したがって、一対の案内面がなす角度を小さくすることも可能となり、結果として、可変径プーリの小型化を図ることができる。
【0051】
また、内ローラおよび外ローラをそれぞれ案内する一対の案内面を互いに近づけて配置できるので、一層の小型化を図ることができる。また、溝の内壁面によって外ローラのがたつき防止しつつ、溝の両縁部によって内ローラの両端部を案内するので、両ローラがスムーズに変位できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の可変径プーリの断面図であり、回転速度が遅くて動力伝達リングが偏心している状態を示している。
【図2】ダイヤフラムスプリングの側面図である。
【図3】ダイヤフラムスプリングの連結孔と第1の連結軸の組み合わせ状態を示す略図であり、(a)は正面図を示し、(b)は側面図を示している。
【図4】ダイヤフラムスプリングの連結孔と第2の連結軸の組み合わせ状態を示す略図であり、(a)は正面図を示し、(b)は側面図を示している。
【図5】ダイヤフラムスプリングの連結孔と第2の連結軸の組み合わせ状態を示す略図であり、(a)は動力伝達リングが偏心した図1の状態に対応し、(b)は動力伝達リングが同心位置にある図6に状態に対応している。
【図6】動力伝達リングが同心位置へ変位した偏心した際の可変径プーリの断面図である。
【図7】本発明の他の実施の形態の可変径プーリの要部の概略断面図である。
【図8】図7の可変径プーリの要部の一部破断斜視図である。
【符号の説明】
1 回転軸
2 第1のプーリ主体
3 第2のプーリ主体
4,5 動力伝達面
6 動力伝達リング
7 ベルト
11 ダイヤフラムスプリング
24 第1の案内面
40 第2の案内面
41 対向部材
42 慣性部材(転動部材)
45 収容空間
47 対向面
70 慣性部材
71 外ローラ(転動部材)
72 内ローラ(転動部材)
73 軸受
74 案内溝
75 第2の案内面
76 底部
77 内壁面
78 両端部
79 外周面
80 両端面

Claims (1)

  1. 遠心力により旋回径を増大させる慣性部材によって一対のプーリ主体の少なくとも一方を軸方向に押し、上記一対のプーリ主体に巻き回されたベルトの有効径を変更する可変径プーリにおいて、
    上記慣性部材の移動を案内する一対の案内面のうちの一方が、プーリ主体の軸心に対して直交する平面からなり、
    上記慣性部材は上記一対の案内面に転動する転動部材からなり、
    上記転動部材は外ローラとこの外ローラを同心に貫通する内ローラとを含み、両ローラは軸受を介して互いに相対回転自在に連結され、対応する案内面にそれぞれ転動し、
    上記内ローラを案内する案内面は、外ローラの一部を収容しつつ外ローラの変位を許容する溝の両縁部に形成され、溝の底部が外ローラとの接触を回避していると共に、溝の両内壁面が外ローラの軸方向変位を規制していることを特徴とする可変径プーリ。
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