JP2000301680A - 化粧シート及びそれを用いた化粧材 - Google Patents
化粧シート及びそれを用いた化粧材Info
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Abstract
は、ポリ塩化ビニルを用いた化粧シートに比較して熱成
形性、耐候性、透明性が劣る等の問題がある。 【解決手段】 着色基材シート11として非結晶性ポリエ
チレンテレフタレートシートを用い、該着色基材シート
11の上に絵柄層12を形成した後、透明なPOフィルム13
aを接着剤層14を介してラミネートして積層シートを作
製し、更に、その積層シートの透明なPOフィルム13a
の上にフッ素基を含有する熱硬化性樹脂からなる透明な
トップコート層16を形成し、裏面の着色基材シート11に
易接着層15を形成して、熱成形性に優れ、且つ耐摩耗
性、耐擦傷性、耐汚染性、耐候性に優れた化粧シート1
を作製する。
Description
具の表面化粧、車両の内装等に用いられる化粧シート及
びそれを用いた化粧材に関するものである。特に、化粧
シートを用いて真空成形により成形品表面を装飾する場
合においても、良好な表面装飾ができるように真空成形
適性を改良したものである。
具、キャビネット等の表面装飾材として用いられる化粧
シートは、その基材シートにポリ塩化ビニルシートが多
く使用されている。例えば、ポリ塩化ビニルシートに木
目模様等を印刷し、これに透明なポリ塩化ビニルシート
を積層したものや、更に、透明なポリ塩化ビニルシート
にエンボス加工を施したものがある。また、ポリ塩化ビ
ニルシートに代わるものとして、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等のポリオレフィン系樹脂シートを使用した化
粧シートが提案されている(特開昭54ー62255号
公報参照)。
ートとして、基材シートにアクリル樹脂シートを用い、
表面にポリオレフィン系樹脂シートを用いたもの、又は
基材シートにポリ塩化ビニルシートを用い、表面にアク
リル樹脂シートを用いた化粧シートも使用されている。
ル製のシートを用いた化粧シートは、廃棄されて焼却さ
れた場合、塩酸ガスやダイオキシンの発生の恐れがある
と言われているため、使用後の廃棄処理に問題がある。
また、耐熱性が不足するとか、可塑剤のブリードアウト
により表面が汚染される等の問題があった。また、ポリ
エチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂シ
ートを使用した化粧シートは、極性基を持たないため、
絵柄層を形成する場合、印刷インキとの接着力を向上さ
せるために、オレフィン系樹脂シートの表面にコロナ放
電処理やプライマー層を形成する方法等の易接着層を設
ける必要があった。更に、ポリオレフィン系樹脂シート
を用いた化粧シートは、真空成形により成形品表面を装
飾する場合、ポリ塩化ビニルを用いた化粧シートに比較
して真空成形適性が劣る等の問題があった。
た化粧シートは、凹凸形状を有する立体成形品の表面装
飾に用いた場合、真空成形により形成された絞り部分が
熱をかけることにより戻りが生じたり、表面の艶の変化
が生じたりする。また、アクリル樹脂フィルムを基材フ
ィルムに用いた場合、アクリル樹脂フィルムが耐溶剤性
が悪いため、印刷適性に劣る。例えば、ベタ印刷後に3
着色刷りした場合、フィルムの膨潤により見当合わせが
困難である。更に、基材フィルムにアクリル樹脂フィル
ムを用い、表面フィルムにポリオレフィン樹脂フィルム
を用いた場合、伸度が乏しく、真空成形により立体成形
品の表面装飾を行う際、複雑な形状の成形品には困難で
ある。
一短があり必ずしも満足できるものではない。通常、建
築物の壁、天井等の内装、家具、キャビネット等の表面
装飾材として用いられる化粧シートには、下記のような
機能が要求される。 (1)ポリ塩化ビニルを用いた化粧シートと同等の熱成
形適性。 特に、温度変化に伴う一定荷重時の伸度の変化がポリ塩
化ビニルと同等の緩やかに連続的に変化すること。ま
た、加熱→冷却→加熱の繰り返しの温度変化に対しても
物性の劣化が少ないこと。 (2)耐クリープ変形性。 外装材や内装材には建具や家具による一定荷重が長時間
かけられる場合が多く、クリープ変形が生じると、荷重
部分がめくれたり剥がれたりする。従って、極力クリー
プ変形が生じない材料であることが求められる。 (3)耐寒折り曲げ強度。 寒冷地でVカット加工(化粧シートを積層した化粧材を
折り曲げ加工をした際に、化粧材にV字状の溝を形成し
て折り曲げ加工を行うこと、以下単にVカット加工とい
う)等の折り曲げ加工を行う際に、応力緩和が不十分な
場合は、折り曲げ部に白化、亀裂、破断等が生じる。
り化粧シートが膨潤、変形するのを防止する。多層構造
の化粧シートの場合も同様である。 (5)破断時伸度、耐衝撃強度。 Vカット加工時の折り曲げ部の亀裂を防止するために、
この特性が要求される。 (6)適度な曲げ弾性率をもつ。 曲げ加工部での化粧シートの追従性が十分であるために
必要とされる。 (7)透明性が良好。 (8)エンボス加工等に伴う加熱と冷却によっても、再
結晶による白化、濁りが生じないこと。 (9)易接着性。 (10)耐候性に優れる。
リル樹脂を用いた従来の化粧シートのもつ問題点を解消
することを目的として鋭意研究した結果、非結晶性ポリ
エチレンテレフタレート樹脂シートとポリオレフィン系
樹脂フィルム又はアクリル樹脂フィルムを組み合わせる
ことにより、ポリ塩化ビニル系樹脂を用いた化粧シート
と同等の熱成形性、耐候性、透明性、及び被着体との易
接着性をもつ化粧シートが得られることを見い出し、本
発明に到った。
に、化粧シートの構成を以下のようにした。着色基材シ
ート、絵柄層、及び透明な保護層からなる化粧シートに
おいて、前記着色基材シートがポリエステル樹脂からな
り、前記透明な保護層がアクリル樹脂又はポリオレフィ
ン系樹脂からなることを特徴とする化粧シートとした。
また、前記着色基材シートに用いるポリエステル樹脂
が、非結晶性のポリエチレンテレフタレート樹脂である
ことを特徴とする化粧シートとした。更に、前記着色基
材シートに、絵柄層、接着剤層、ポリオレフィン系樹脂
からなる透明な保護層がこの順に積層されていることを
特徴する化粧シート、又は、前記着色基材シートに、絵
柄層、易接着層、アクリル樹脂からなる透明な保護層が
この順に積層されていることを特徴する化粧シートとし
た。そして、前記透明な保護層の上にトップコート層を
形成し、裏面の着色基材シートに易接着層を形成したこ
とを特徴する化粧シートとした。更に、前記トップコー
ト層が、フッ素基を含有する熱硬化性樹脂からなり、厚
さが1〜10μmであること、又はトップコート層が、
抗菌剤を添加した樹脂層からなることを特徴とする化粧
シートとした。また、前記化粧シートの着色基材シート
側を被着体に貼着して化粧材とした。
として、非結晶性ポリエチレンテレフタレートからなる
着色シートを用い、表面の保護フィルムとして透明なポ
リオレフィンフィルム又はアクリル樹脂フィルムを使用
し、その表面フィルムと基材シートの中間に印刷等によ
り絵柄層を設け、その両方のフィルムを熱融着法又は接
着剤により積層したことを特徴とするものである。そし
て、化粧シートを上記構成にすることにより、真空成形
適性を改良して、従来のポリ塩化ビニルフィルムを用い
た化粧シートと同等な熱成形性を有するようにしたもの
である。また、保護層の上にトップコート層を設けて、
化粧シートの耐摩耗性、耐候性、耐擦傷性、耐汚染性等
の物性を向上させ、更に、トップコート層に抗菌剤を添
加して防菌性及び防カビ性を付与したものである。ま
た、被着体との接着性を良好にするために、裏面に易接
着層を形成すると共に、前記化粧シートを被着体に貼着
して化粧材とした。
発明を詳細に説明する。図1は本発明の化粧シートの一
例を示した模式断面図である。図2は本発明の化粧シー
トの別の態様で、透明な保護層にポリオレフィンフィル
ム(以下POフィルムという)用いた場合の模式断面図
である。図3は本発明の化粧シートの別の態様で、透明
な保護層にアクリル樹脂フィルム(以下アクリルフィル
ムという)用いた場合の模式断面図である。図4は本発
明の化粧シートの別の態様で、透明な保護層にPOフィ
ルムを用い、更に、その表面にトップコート層設け、裏
面に易接着層を設けたときの模式断面図である。図5は
本発明の化粧シートの別の態様で、トップコート層に抗
菌剤を添加したときの模式断面図である。
トの保護層にPOフィルムを用いたときの化粧材の模式
断面図である。図7は本発明の化粧材の別の態様で、化
粧シートの保護層にアクリルフィルムを用いたときの化
粧材の模式断面図である。図8は本発明の化粧シートを
作製するときの説明図である。図9は本発明の化粧シー
トで、トップコート層に抗菌剤を添加した化粧シート
(以下抗菌性化粧シートとする)を作製するときの説明
図である。図10は保護層にアクリルフィルムを用いた
化粧シートを作製し、その化粧シートを被着体に貼着し
て化粧材を作製するときの説明図である。
するときの説明図である。図12は実施例2により化粧
シートを作製するときの説明図である。図13は実施例
3により化粧シートを作製するときの説明図である。図
14は真空成形適性試験により化粧シートの良否を判定
するときの説明図である。
に、基本的には、着色基材シート11として非結晶性ポ
リエチレンテレフタレートからなる着色シートを用い、
その着色基材シート11に印刷等により絵柄層12を設
け、透明な保護層13として透明なPOフィルム又はア
クリルフィルムを用いて、この印刷シートと透明なフィ
ルム(保護層)を熱融着(又は接着剤)により積層した
ものである。また、化粧シート1の別な態様として、図
2に示すように、着色基材シート11に絵柄層12を設
け、この着色基材シート11に接着剤を用いてPOフィ
ルム13aをラミネートして化粧シート1としたものが
ある。また、透明な保護層13としてアクリルフィルム
を用いる場合は、図3に示すように、絵柄層12を形成
した着色基材シート11の上に易接着層15を形成し、
アクリルフィルム13bを熱融着して化粧シート1とし
たものである。
4に示すように、表面の耐摩耗性、耐擦傷性、耐候性、
耐汚染性等の物性を向上させるために、保護層としての
POフィルム13a(又はアクリルフィルム)の上にト
ップコート層16を形成し、積層シートの裏面に被着体
との接着性を向上させるために、易接着層15を形成し
たものもある。また、図5に示すように、表面のトップ
コート層16に抗菌剤17を添加して、防菌性及び防カ
ビ性を付与した抗菌性化粧シート1aとすることもあ
る。尚、図5に示した抗菌性化粧シート1aは、透明な
保護層13としてPOフィルムを用い、その上に抗菌剤
17を含有するトップコート層16を形成した構成とな
っているが、透明な保護層13としてアクリルフィルム
を用いた場合も、前記と同様に、抗菌剤17を含有する
トップコート層16を形成することができる。
7に示すように、前記化粧シート1を合板、成形品等の
被着体20に貼着して作製したものである。即ち、図6
に示すように、着色基材シート11に絵柄層12、接着
剤層14、POフィルム13a、トップコート層16を
積層した化粧シート1を、化粧シート1の裏面に形成し
た易接着層15を介して、被着体20に熱融着又は接着
剤を用いて接着して化粧材2とするものである。また、
着色基材シート11に絵柄層12、易接着層14、アク
リルフィルム13b、トップコート層16を積層した化
粧シート1を、前記と同様に接着して化粧材2とするも
のである。尚、図5に示すように、トップコート層16
として抗菌剤17を含有するトップコート層16を形成
した化粧シート1を用いれば、表面に防菌性及び防カビ
性を有する化粧材を得ることができる。
は非結晶性ポリエチレンテレフタレートに着色剤を添加
してシート化したものが使用される。非結晶性ポリエチ
レンテレフタレートとしては、イーストマンケミカル社
のPETG(商品名)、三井・デュポンポリケミカル
(株)のシーラーPT(商品名)が使用できるが、イー
ストマンケミカル社のPETG(商品名)が好適であ
る。また、非結晶性ポリエチレンテレフタレートのシー
ト(又はフィルム)として、鐘紡(株)、帝人(株)、
東洋紡績(株)、ポリテック(株)等から販売されてい
るAーPETシート(又はフィルム)も使用できる。
リエチレンテレフタレート(以下PETとする)のエチ
レングリコール成分の一部を、1,4−シクロヘキサン
ジメタノールで置換したもので、テレフタル酸とエチレ
ングリコールと1,4−シクロヘキサンジメタノールの
共重合体であり、エチレングリコールと1,4−シクロ
ヘキサンジメタノールの成分比を変えることによりPE
Tの結晶性をなくしたものである。そして、PETGを
用いて作製した着色シートは、低温時の衝撃強度に優れ
ており、加工性がよいので、常温で白化せずに折り曲げ
加工ができる。また、ガラス転移点は約81℃で、70
℃から粘着性を帯び、約130〜140℃でヒートシー
ルが可能である。従って、本発明において表面の保護層
として用いるポリオレフィンフィルムやアクリルフィル
ムと熱融着が可能である。
に添加される着色剤は、基材シートに化粧シートとして
の必要な色彩をもたせるものであり、必要に応じて、顔
料又は染料からなる着色剤が使用される。非結晶性ポリ
エチレンテレフタレートの着色は、用途に応じて透明着
色、不透明着色が用いられるが、一般的には、被着体の
表面を隠蔽することが必要であり、着色不透明が好まし
い。着色剤として、チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群
青、コバルトブルー、チタン黄、カーボンブラック等の
無機顔料、イソインドリノン、バンザイエローA、キナ
クリドン、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブ
ルー等の有機顔料あるいは染料、アルミニウム、真珠等
の金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸亜鉛
等、の箔粉からなる真珠光沢顔料等が用いられる。ま
た、必要に応じて、無機充填剤を添加してもよく、炭酸
カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルク、シリカ
(二酸化珪素)、アルミナ(酸化アルミニウム)等の粉
末等が挙げられる。
Oフィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、
エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プテンー1
共重合体、プロピレン・ブテンー1共重合体、ポリブテ
ン一1、ブテンー1・プロピレン・エチレン・3元共重
合体、ブテンー1・ヘキセンー1・オクテンー1・3元
共重合体、ポリメチルペンテン等の樹脂単独又は2種以
上混合したものから作製されるフィルムが使用される。
本発明においては、上記ポリオレフィン樹脂の中で、ア
イソタクチックポリプロピレンとアタクチックポリプロ
ピレンの混合系からなる複合立体構造を有する軟質ポリ
プロピレン系樹脂を成膜したもので、無色又は着色透明
なフィルムが好適である。この軟質ポリプロピレン系樹
脂としては、(A)アタクチックポリプロピレンが10
〜90重量%と、(B)アイソタクチックポリプロピレ
ンが90〜10重量%とからなる軟質ポリプロピレンが
使用される。
としては、(イ)マグネシウム、チタン、ハロゲン原子
及び電子供与体を必須成分として含有する固体触媒成
分、(ロ)有機アルミニウム化合物、及び(ハ)下記の
一般式〔化1〕で表されるアルコキシ基含有芳香族化合
物、の組み合わせからなる触媒の存在下でプロピレンを
重合させることにより得られるもので、数平均分子量
(Mn)が25,000以上で、且つ重量平均分子量
(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)
が7以下で、沸騰ヘプタンに可溶性のポリプロピレンが
用いられる。
は炭素数1〜10の炭化水素基、水酸基又はニトロソ
基、mは1〜6の整数、nは0又は1〜(6−m)の整
数である。
プロピレンとしては、メルトインデックスが0.1〜4
g/10分で、沸騰ヘプタンに不溶性のポリプロピレン
が用いられる。
クポリプロピレンとアイソタクチックポリプロピレンの
ブレンド樹脂)は、破断伸び(Tb )が400%以上、
好ましくは500〜700%、100%伸長後の残留伸
び(PS1oo )が80%以下、好ましくは50〜75
%、及び破断時応力(MB )と降伏時応力(MY )との
比(MB /MY )が1.0以上、好ましくはl.5〜
3.5の範囲にあることが望ましい。
(A)成分のアタクチックポリプロピレンは、沸騰ヘプ
タンに可溶性であって、数平均分子量(Mn)が25,
000以上、好ましくは30,000〜60,000の
範囲にあり、かつ重量平均分子量(Mw)と数平均分子
量(Mn)との比(Mw/Mn)が7以下、好ましくは
2〜6の範囲にあるものが用いられる。このMnが2
5,000未満のものやMw/Mn比が7を超えるもの
では、得られる樹脂における該アタクチックポリプロピ
レンの力学特性への寄与効果が十分に発揮されず、得ら
れる樹脂の破断時応力(MB )と降伏時応力(MY )と
の比が1.0未満になったり、100%伸長後の残留伸
び(PS100 )が80%を超えたりして、望ましくな
い。
レンはプロピレンの単独重合体であってもよいし、プロ
ピレン単位と40重量%以下、好ましくは30重量%以
下の他の炭素数2〜30のα−オレフィン単位とを含有
するプロピレン共重合体であってもよい。また、このア
タクチックポリプロピレンは1種用いてもよいし、2種
以上組み合わせて用いてもよい。このような(A)成分
のアタクチックポリプロピレンは公知の方法(特公平6
−23278号公報等)によって製造することができ
る。
る(B)成分のアイソタクチックポリプロピレンは、メ
ルトインデックス(MI)が0.1〜4g/10分で、
沸騰ヘプタンに不溶性の結晶性アイソタクチックポリプ
ロピレンが用いられる。メルトインデックスが0.1g
/10分未満では溶融特性が低く、シート成形が困難に
なるし、4g/10分を超えると機械的強度が不充分と
なってVカット加工が良好に行えなくなる虞れがある。
ロピレンとしては、アイソタクチックの立体規則性を有
するプロピレン単独重合体であってもよいし、該立体規
則性を有するプロピレンと他のα−オレフィンとの共重
合体であってもよい。この共重合体に用いられるα−オ
レフィンとしては、炭素数2〜8のもの、例えば、エチ
レン、ブテン−1、ペンテン−1、へプテン−1、オク
テン−1などが好ましく、中でもエチレン及びブテン−
1が好適である。また、共重合体としては、前記の他の
α−オレフィン単位を通常40重量%以下、好ましくは
30重量%以下含有するブロック共重合体やランダム共
重合体が用いられる。
ロピレンの好ましいものとしては、プロピレン単独重合
体、及びエチレン単位1〜30重量%、好ましくは3〜
25重量%を含有するプロピレンとエチレンとのランダ
ム共重合体、又はブロック共重合体が挙げられる。この
ようなアイソタクチックポリプロピレンの製造について
は、特に制限はなく、従来の結晶性ポリプロピレンの製
造の中から任意の方法を選択して用いることができる。
上記軟質ポリプロピレン樹脂においては、この(B)成
分のアイソタクチックポリプロピレンは1種用いてもよ
いし、2種以上を組み合わせてもよい。
前記(A)成分のアタクチックポリプロピレンの含有量
が、10〜90重量%、好ましくは25〜80重量%
で、(B)成分のアイソタクチックポリプロピレンの含
有量が、90〜l0重量%、好ましくは75〜20重量
%になるような割合で用いられる。
は、樹脂の降伏時応力(MY )が大きくなりすぎて、破
断時応力(MB )と降伏時応力(MY )との比MB /M
Y が1.0未満となり、かつ100%伸長後の残留伸び
(PS100 )も80%より大きくなって、本発明の目的
が達成できなくなる。一方、(A)成分の含有量が90
重量%を超えると破断時応力(MB )が小さくなりすぎ
て、該MB /MY 比が1.0未満となり、かつ機械的強
度が低下する虞れがある。また、(B)成分の比率を高
くすることにより、得られる軟質ポリプロピレンのヤン
グ率は高くなる。(A)成分と(B)成分の特に好まし
い比率は1:1である。
シートの表面層として必要な機能を補強するために、必
要に応じて各種添加剤、補強材、充填剤、例えば、紫外
線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止
剤、難燃剤、滑剤等が添加される。紫外線吸収剤、光安
定剤は、樹脂により良好な耐候性(耐光性)を付与する
ためのものであり、その添加量は、通常、紫外線吸収
剤、光安定剤共に、0.5〜10重量%程度である。一
般的には、紫外線吸収剤と光安定剤を併用するのが好ま
しい。
ル、ベンゾフェノン、サリチル酸エステル等の有機物、
又は、0.2μm以下の微粒子状の酸化亜鉛、酸化セリ
ウム、酸化チタン等の無機物を用いることができる。ま
た、光安定剤としては、ビス−(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス−(N
−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジニル)セバケート、その他、ヒンダードアミン系ラジ
カル捕捉剤、ピペリジル系ラジカル捕捉剤等が使用され
る。
向上させるためには、他の光安定剤としてラジカル捕捉
剤を添加することが好ましい。このラジカル捕捉剤とし
ては、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジニル)セバケート、ビス−(N−メチル−2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケ
ート、その他、例えば、特公平4−82625号公報に
開示されている化合物等のヒンダードアミン系ラジカル
捕捉剤、ピペリジル系ラジカル捕捉剤等が使用される。
フィルムは、前記のアイソタクチックポリプロピレン、
アタクチックポリプロピレン、その他の添加剤をブレン
ドしたものをカレンダー法等により成膜して、無色又は
着色透明なフィルムとして使用される。以上のようにし
て得られたフィルムは、本発明の化粧シートの保護層
(表面フィルム)として各種条件を満足するものであ
る。フィルムの厚さは50〜200μmの範囲で使用さ
れるが、好ましくは100μm程度である。
ルフィルムとしては、下記のアクリル系樹脂をカレンダ
ー法等により所定の厚さに成膜したものが使用される。
透明アクリルフィルムの厚さは、20〜100μmが好
ましい。アクリル系樹脂としては、ポリ(メタ)アクリ
ル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メ
タ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチ
ル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブ
チル共重合体、(メタ)アクリル酸エチル−(メタ)ア
クリル酸ブチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル
酸メチル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸メチ
ル共重合体等の(メタ)アクリル酸エステルを含む単独
又は共重合体からなるアクリル樹脂が使用される。(但
し、ここで(メタ)アクリルとはアクリル又はメタアク
リルを意味するものとし、以下同様の意味で用いるもの
とする。)
ついて説明する。先ず、前記非晶質ポリエチレンテレフ
タレート樹脂及び着色剤を用いて、公知の方法によりシ
ート化して、図8(a)に示すように、着色基材シート
11を作製する。次に、図8(b)に示すように、着色
基材シート11に絵柄層12を設けて印刷シート3とす
る。
ために設けられるものであり、グラビア印刷、オフセッ
ト印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転写
印刷等公知の印刷法を用いて形成される。絵柄層の模様
としては、木目模様、石目模様、皮絞模様、幾何学図
形、文字、記号、或いは全面べタ印刷等がある。絵柄層
を設ける印刷インキとしては、バインダーとして、塩素
化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリ
オレフィン、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル、
酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、セルロ
ース系樹脂、等を一種又は二種以上混合した樹脂を用
い、これに公知の顔料、染料、充填剤、その他の添加剤
等を添加したものが用いられる。透明なPOフィルム1
3aに直接印刷する場合は、バインダーとして塩素化ポ
リオレフィン、ポリウレタン、アクリル等は接着性の点
で好ましいが、易接着性プライマー層を適当に選択して
形成すれば、この他のバインダーを用いても十分な接着
性を得ることができる。インキの着色剤としては、前述
のように、着色基材シートの着色剤として挙げたものが
使用できる。
ピレンとアタクチックポリプロピレンからなる軟質ポリ
プロピレンを用いて、これに必要に応じて、紫外線吸収
剤や光安定剤を添加してブレンド物を作り、これをカレ
ンダー法等により所定の厚さの透明なフィルムを作製し
て、図8(c)に示すように、透明なPOフィルム13
aとする。
成した着色基材シート11と透明なPOフィルム13a
を、接着剤を用いてドライラミネーション法にて積層
し、図8(d)に示すようにな化粧シート1を得る。ま
た、エンボスロール又はエンボス版を用いて、化粧シー
トの表面にエンボス模様を形成するには、印刷シート3
と透明なPOフィルム13aを積層した後、、エンボス
法によりエンボス模様を形成する。絵柄層12を形成し
た着色基材シート11(印刷シート3)の上に透明なP
Oフィルムを積層する方法として、印刷シート3の絵柄
層12の上に、前述した軟質ポリプロピレンをエクスト
ルージョン法により溶融押し出してラミネートすること
もできる。更に、図8(e)に示すように、化粧シート
1の耐摩耗性、耐擦傷性、耐薬品性、耐汚染性等を向上
させるために、POフィルム13aの上にトップコート
層16を形成し、化粧シート1の着色基材シート面には
被着体との接着性を向上させるために、易接着層15が
形成される。
クリル樹脂、フッ素基を含有する熱硬化性樹脂、ポリウ
レタン樹脂、エポキシ樹脂、塩素化ポリオレフィン、電
離放射線硬化性樹脂等がが使用されるが、フッ素基を含
有する熱硬化性樹脂、又は電離放射線硬化性樹脂が好ま
しい。トップコート層の形成方法としては、グラビアコ
ード、或いはロールコート、ナイフコート、エアーナイ
フ等の方法を用いることができる。
硬化性樹脂としては、フルオロオレフィン系重合体に硬
化剤としてポリイソシアネート化合物等を配合してなる
フッ素系熱硬化性樹脂、及び、低分子量のフッ素化合物
を添加混合したフッ素添加二液硬化性ウレタン系樹脂が
使用される。フルオロオレフィン系重合体に硬化剤とし
てポリイソシアネート化合物等を配合してなるフッ素系
熱硬化性樹脂としては、フルオロオレフィン単位に基づ
くフッ素含有量が10重量%以上で、且つ溶剤に可溶な
ヒドロキシル基を有するフッ素共重合体が挙げられる。
るフッ素系添加剤としては、分子中にアルキル基の水素
原子がすべてフッ素原子に置換したパーフルオロアルキ
ル基と親水性基もしくは親油性基をもつ界面活性剤であ
る。そして、このパーフルオロアルキル基の表面移行性
を利用して樹脂の表面改質を行うものであって、同一分
子内においてパーフルオロアルキル基を集合化させ、表
面配向性を向上させたものであり、少量の添加で樹脂表
面に移行し、樹脂表面をフッ素改質する。フッ素系界面
活性剤の添加量としては、樹脂固形分に対して0.5〜
1.0重量部の添加で樹脂表面はフッ素改質され、二液
硬化性ウレタン系樹脂表面は撥水撥油化、耐汚染化、非
粘着化される。
としては、分子中に重合不飽和結合又はカチオン重合性
官能基を有するプレポリマー(所謂オリゴマーも包含す
る)及び/又はモノマーを適宜混合した組成物で、電離
放射線により硬化可能なものが用いられる。尚、ここ
で、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線の中で、分
子を重合或いは架橋し得るエネルギー量子を有するもの
を意味し、通常、電子線又は紫外線が用いられる。
は、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリ
ロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、エポキシ
基等のカチオン重合性官能基又はチオールを2個以上有
する単量体、プレポリマー、オリゴマーからなるもので
ある。これら、単量体、又はプレポリマーは単体で用い
るか、又は数種類混合して用いる。尚、ここで、(メ
タ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタアク
リロイル基の意味で用いており、以下(メタ)は同様の
意味で用いるものとする。
は、不飽和ジカルボン酸と多価アルコールの縮合物等の
不飽和ポリエステル類、ポリエステルメタクリレート、
ポリエーテルメタクリレート、ポリオールメタクリレー
ト、メラミンメタクリレート等のメタクリレート類、ポ
リエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレ
タンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリオ
ールアクリレート、メラミンアクリレート等のアクリレ
ート類、カチオン重合型エポキシ化合物等が挙げられ
る。分子量としては、通常250〜10,000程度の
ものが用いられる。ラジカル重合性不飽和基を有するポ
リマーとしては、上記ポリマーの重合度を10,000
程度以上としたものが用いられる。
ーの例としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボ
ラック型エポキシ樹脂等のエポキシ系樹脂、脂肪族系ビ
ニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル等のビニルエー
テル系樹脂のプレポリマーが挙げられる。
としては、上記カチオン重合性官能基を有するプレポリ
マーの単量体が利用できる。チオール基を有する単量体
の例としては、トリメチロールプロパントリチオグリコ
レート、トリメチロールプロパントリチオプロピレー
ト、ジペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等
がある。
マーの例としては、ポリエステル(メタ)アクリレー
ト、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)
アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリア
ジン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリ
レート等が使用できる。分子量としては、250〜10
0,000程度のものが用いられる。
量体の例としては、(メタ)アクリレート化合物の単官
能単量体、例えば、メチル(メタ)アクリレート、2−
エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチ
ル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
量体の例としては、ジエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート等が挙げられる。
視光線にて硬化させる場合には、電離放射線硬化型樹脂
中に光重合開始剤を添加する。ラジカル重合性不飽和基
を有する樹脂系の場合は、光重合開始剤として、アセト
フェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベ
ンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等を単独又は混合
して用いることができる。また、カチオン重合性官能基
を有する樹脂系の場合は、光重合開始剤として、芳香族
ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨード
ニウム塩、メタセロン化合物、ベンゾインスルホン酸エ
ステル等を単独又は混合物として用いることができる。
尚、これらの光重合開始剤の添加量としては、該電離放
射線硬化型樹脂100重量部に対して、0.1〜10重
量部程度である。
て各種添加剤を添加する場合がある。これらの添加剤と
しては、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポ
リ酢酸ビニル、アクリル樹脂、セルロース系樹脂等の熱
可塑性樹脂、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、
アルミナ等の微粉末からなる体質顔料(充填剤)、線
量、顔料等の着色剤等がある。
しては、グラビアコート、グラビアリバースコート、グ
ラビアオフセットコート、スピンナーコート、ロールコ
ート、リバースロールコート、キスコート、ディップコ
ート、シルクスクリーンコートによるベタコート、ワイ
ヤーバーコート、コンマコート、スプレーコート、フロ
ートコート、かけ流しコート、刷毛塗り、スプレーコー
ト等を用いることができる。その中でもグラビアコート
が好ましい。
射線照射装置としては、紫外線照射装置や電子線照射装
置が用いられる。紫外線照射装置としては、例えば、超
高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアー
ク、ブラックライトランプ、メタルハライドランプ等の
光源が使用される。紫外線の波長としては、通常、19
0〜380nmの波長領域が主として用いられる。電子
線照射装置としては、コックロフトワルト型、バンデグ
ラフ型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型或いは直線
型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器
が用いられる。
100〜1000KeV、好ましくは100〜300K
eVで照射し、吸収線量としては、通常、1〜300k
Gy(キログレイ)程度である。吸収線量が1kGy未
満では、塗膜の硬化が不十分となり、又、照射量が30
0kGyを超えると硬化した塗膜及び基材が黄変した
り、損傷したりする。また、紫外線照射の場合、その照
射量は50〜1000mJ/cm2 の範囲が好ましい。
紫外線照射量が50mJ/cm2 未満では、塗膜の硬化
が不十分となり、また、照射量が1000mJ/cm2
を超えると硬化した塗膜が黄変したりする。また、電離
放射線の照射方法として、先ず紫外線を照射して電離放
射線硬化性樹脂を少なくとも表面が指触乾燥する程度以
上に硬化させ、而る後に、電子線を照射して塗膜を完全
に硬化させる方法もある。
て、表面のトップコート層に抗菌剤を添加して、防菌性
及び防カビ性を付与した化粧シートについて説明する。
図9(a)及び(b)に示すように、前述と同様に、非
晶質ポリエチレンテレフタレートからなる着色基材シー
ト11に絵柄層12を形成して印刷シート3を作製し、
また、透明なPOフィルム13aを別途用意する。次い
で、印刷シート3と透明なPOフィルム13aを接着剤
を用いてラミネートし、図9(c)に示すような積層シ
ート4を作製する。
3a面に抗菌剤17を含有するトップコート層16を形
成し、積層シート4の裏面(着色基材シート側)に易接
着層15を形成して抗菌性化粧シート1aを作製する。
トップコート層16に用いる樹脂としては、前述のトッ
プコート層に用いた樹脂が使用され、抗菌剤としては下
記のものが使用される。
しては、一般に市販されている工業用抗菌剤が使用でき
る。抗菌剤には有機系抗菌剤と無機系抗菌剤があり、本
発明においてはいずれも使用することができる。 無機系抗菌剤として、特公昭63ー54013号公
報、特開平4ー300975号公報、特許第25295
74号公報等に開示されているゼオライト、アパタイ
ト、ガラス、シリカゲル、リン酸塩、リン酸ジルコニウ
ム等のイオン交換可能なイオンの一部又は全部を、銀、
銅、亜鉛、錫、鉛、水銀、コバルト、アンモニウム等の
イオンで置換したイオン交換体がある。中でも、ゼオラ
イト、リン酸ジルコニウムのイオン交換可能なイオンの
一部を銀イオンで置換したものが、安全性や実積面から
望ましい。ゼオライト、リン酸ジルコニウムに担持させ
た金属イオンの含有量としては、銀イオンの場合は0.
1〜15重量%、銅又は亜鉛イオンの場合は0.1〜8
重量%が好ましい。また、上記金属イオンで置換したイ
オン交換体を更にアンモニウムイオンで置換したものも
ある。(特公平4ー28646号公報、特許第2529
574号公報等に開示)
p−アミノベンゼンスルホンアミド、スルファチアゾー
ル、スルファピリジン、スルファピダイアジン等のスル
ファ剤、ジメチルジチオカルバメート、エチレンビスチ
オカルバメート、等のジチオカルバミン酸塩、2−(2
−フリル)−3−(5−ニトロ−2−フリル)アクリル
アミド等が挙げられる。
としては、10,10′−オキシビスフェノキシアルシ
ン、トリメトキシシリルプロピルオクタデシルアンモニ
ウムクロライド、2−(4−チアゾリル)−ベンズイミ
ダゾール、ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜
鉛、2−N−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オ
ン、2,3,5,6,−チトクロロ−4−(メチルチ
オ)−フタルイミド、N−(フルオロジクロロメチルチ
オ)フロルイミド、グリセオフルビン、トリコマイシ
ン、アンホテリシンB等がある。
ペニシリン、ジクロキサシリン等のペニシリン、セファ
ロチン、セファゾリン等のセファロスポリン、硫酸スト
レプトマイシン、パロモマイシン(硫酸塩)等のストレ
プトマイシン、エリスロマイシン、ジョサマイシン等の
エリスロマイシン、テトラサイクリン、硝酸ロリテトラ
サイクリン等のテトラサイクリン、クロランフェニコー
ル、チアンフェニコールアミン酢酸エステル塩酸塩等の
クロランフェニコール等がある。
形成する場合、抗菌剤の含有量は0.01〜10重量%
の範囲で使用されるが、好ましくは0.1〜3.0重量
%の範囲である。抗菌剤の含有量が0.01重量%未満
では十分な抗菌作用が得られない。また、含有量が10
重量%を超える場合は、これ以上添加してもそれほど抗
菌効果は高まらず、経済的なデメリットが大きくなる。
又、透明性が悪くなる場合がある。抗菌剤を含有するト
ップコート層の厚さは3〜10μの範囲で形成する方が
よい。抗菌剤を含有するトップコート層の厚さが3μ以
下では加工上の問題があり、実用的でなくなる。また、
10μを超える場合は、10μ以下で十分な抗菌性能を
発揮させることができるので、経済的に不利となる。
して化粧材として使用され、所定の成形加工等を施し
て、各種用途に用いることができる。本発明の化粧材は
以下のように作製される。即ち、前述のように、図10
(a)に示すように、着色基材シート11に絵柄層12
及び易接着層15を形成して印刷シート3を作製する。
次に、透明な保護層として透明なアクリルフィルムを用
いて、図10(b)に示すように、前記印刷フィルムと
アクリルフィルム13bを熱融着によりラミネートして
積層シート4を作製する。次いで、図10(c)に示す
ように、アクリルフィルム13bの上に、トップコート
層16を形成し、裏面の着色基材シート11に易接着層
15を形成して化粧シート1を得る。次に、上記化粧シ
ート1を、図10(d)に示すように、合板、立体成形
品等の被着体20に着色基材シート側を貼着して、化粧
材2を作製する。
の板材、シート(或いはフィルム)、或いは各種立体形
状物品(成形品)が対象となる。例えば、射出成形品等
の曲面を有する成形品に対しても、本発明の化粧シート
を接着することができる。被着体として立体成形品が使
用される場合は、多くは真空成形法が用いられるが、本
発明の化粧シートは、立体成形品のR部分、又は逆R部
分にも接着性が良く、良好な表面化粧を行うことができ
る。更に、凹凸のある表面に対しても、凹部に絞り込ま
れ、且つその絞り込まれた部分が加熱により戻りを生じ
ることもなく、化粧シートにより優れた凹凸表面を形成
することができる。
ム)のいずれにも用いられる素材としては、木材単板、
木材合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MD
F)等の木材板、木質繊維板等の水質板、鉄、アルミニ
ウム等の金属、アクリル、ポリカーボネート、エチレン
・酢酸ビニル共重合体、エチレンビニルアセテート、ポ
リエステル、ポリスチレン、ポリオレフィン、ABS、
フェノール樹脂、ポリ塩化ビニル、セルロース系樹脂、
ゴム等の樹脂が挙げられる。
例えば、次の〜の方法を挙げることができる。即
ち、 接着剤層を間に介して板状基材に加圧ローラーで加
圧して積層する方法、 特公昭50−19132号公報、特公昭43−27
488号公報等に記載されるように、化粧シートを射出
成形の雌雄両金型間に挿入して、両金型を閉じ、雄型の
ゲートから溶融樹脂を射出充填した後、冷却して樹脂成
形品の成形と同時にその表面に化粧シートを接着積層す
る、いわゆる射出成形同時ラミネート法、 特公昭56−45768号公報、特公昭60−58
014号公報等に記載されるように、化粧シートを成形
品の表面に接着剤を介して対向なしいは載置し、成形品
側からの真空吸引による圧力差により化粧シートを成形
品表面に積層する、いわゆる真空プレス積層方法、
3−2666号公報等に記載されるように、円柱、多角
柱等の柱状基材の長軸方向に、化粧シートを間に接着剤
層を介して供給しつつ、多数の向きの異なるローラーに
より、柱状体を構成する複数の側面に順次化粧シートを
加圧接着して積層してゆく、いわゆるラッピング加工方
法、 実公大15−31122号公報、特開昭48−47
972号公報等に記載されるように、先ず化粧シートを
板状基材に接着剤層を介して積層し、次いで板状基材の
化粧シートとは反対側の面に、化粧シートと板状基材と
の界面に到達するように、断面がV字状、又はU字状溝
を切削し、次いで該溝内に接着剤を塗布した上で、該溝
を折り曲げ、箱体又は柱状体を成形するいわゆる、Vカ
ット又はUカット加工方法等が挙げられる。
貼り合わせる方法としては、前記方法の中で、ラッピン
グ加工法、射出成形同時ラミネート法、真空プレス積層
方法、等が好ましい。以上のようにして作製した化粧材
は、各種用途に使用することができる。例えば、壁、天
井、床等の建築物の内装、窓枠、扉、手すり等の建具の
表面化粧、家具又は弱電・OA機器のキャビネットの表
面化粧、自動車、電車等の車両の内装、航空機の内装、
窓硝子の化粧等に利用できる。そのために、化粧シート
が直接素材等に接着できない場合は、適当な易接着層又
は接着剤層を介して被着体に接着する。しかし、化粧シ
ートが熱融着等で被着体に接着可能な場合は、易接着層
又は接着剤層は省略してもよい。
に説明する。 (実施例1)先ず、非晶質ポリエチレンテレフタレート
樹脂としてイーストマンケミカル社のPETG(商品
名)を用い、これに着色剤を添加して着色樹脂を調製
し、この着色PETGを用いて押出し法によりシートを
作製し、厚さ60μmの不透明な着色基材シート11を
得た。次いで、この着色基材シート11に、木目柄をグ
ラビア印刷して絵柄層12を形成し、更にその絵柄層1
2の上にアクリル系樹脂からなるプライマー液を塗工し
て易接着層14を形成して、図11(a)に示すような
印刷シート3を作製した。
保護層として、鐘淵化学工業(株)製のポリメチルメタ
クリレート(PMMA)フィルム(グレードSD00
4)で、厚さ50μmの透明なアクリルフィルム13b
を用意した。
刷フィルム3とアクリルフィルム13bを重ね合わせ、
エンボス版を用いてダブリングエンボス法により、印刷
フィルム3とアクリルフィルム13bを加熱、加圧して
熱融着すると共に、アクリルフィルム13bにエンボス
模様18を形成して、図11(c)に示すように、エン
ボス積層シート5を作製した。
透明なアクリルフィルム13bにワイピング加工により
二液硬化型のワイピングインキ(昭和インク工業(株)
製)を塗布し、図11(d)に示すように、エンボス凹
部18aに着色インキ19を充填した。更に、ワイピン
グ加工したアクリルフィルムの上に、フッ素系アクリル
ウレタン樹脂をバインダーとするオーバープリントイン
キ(昭和インク工業(株)製、OPFインキと硬化剤を
100:12の割合で混合したもの)をコーティングし
て、図11(e)に示すように、トップコート層16を
形成し、次いで、化粧シート裏面の着色基材シート11
に、前記と同様にアクリル系樹脂からなる易接着層15
を形成して、化粧シート1を作製した。
晶質ポリエチレンテレフタレート樹脂としてイーストマ
ンケミカル社のPETG(商品名)を用いて、厚さ60
μmの不透明な着色基材シート11を得た。次いで、こ
の着色基材シート11に、実施例1と同様に、絵柄層1
2及び易接着層15を形成して、図12(a)に示すよ
うな印刷シート3を作製した。
示すように、厚さ50μmの透明なアクリルフィルム1
3bを用意し、このアクリルフィルム13bと印刷シー
ト3をダブリングエンボス法により積層して、図12
(c)に示すように、エンボス積層シート5を作製し
た。次いで、実施例1と同様に、上記エンボス模様18
を形成した透明なアクリルフィルム13bにワイピング
加工により、図12(d)に示すように、エンボス凹部
18aに着色インキ19を充填した。
ル社製、バイナジン)を添加したオーバープリントイン
キ(昭和インク工業(株)製、抗菌OPインキと硬化剤
を100:5の割合で混合したもの)をコーティングし
て、図12(e)に示すように、抗菌剤17を1重量%
含有するトップコート層16を形成し、更に、化粧シー
トの裏面の着色基材シート11に、アクリル系樹脂から
なる易接着層15を形成して、図12(e)に示すよう
に、抗菌性化粧シート1aを作製した。
トを用いて、この着色基材シート11に、実施例1と同
様に絵柄層12を形成して、図13(a)に示すような
印刷シート3を作製した。一方、透明な保護層として、
アイソタクチックポリプロピレンとアタクチックポリプ
ロピレンを1:1の割合でブレンドした樹脂に、ベンゾ
トリアゾール系紫外線吸収剤を3000ppm、光安定
剤としてヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤を5000
ppm添加したブレンド樹脂を用いて、カレンダー法に
より厚さ60μmの透明な軟質ポリプロピレンフィルム
(以下軟質PPフィルム13cとする)を作製した。
刷フィルム3と透明な軟質PPフィルム13cを接着剤
を用いてドライラミネーション法によりラミネートして
積層シートを作製し、この積層シートの透明な軟質PP
フィルム13c面にエンボスロールを用いてエンボス模
様18を形成して、図13(c)に示すように、エンボ
ス積層シート5を作製した。次いで、実施例2と同様
に、上記エンボス模様18を形成した透明な軟質PPフ
ィルム13cにワイピング加工により、図13(d)に
示すように、エンボス凹部18aに着色インキ19を充
填した。更にその上に、実施例2と同様に、有機系抗菌
剤を添加したオーバープリントインキをコーティングし
て、図13(e)に示すように、抗菌剤17を1重量%
含有するトップコート層16を形成し、次いで、化粧シ
ートの裏面の着色基材シート11に易接着層15を形成
して、抗菌性化粧シート1aを作製した。
て、延伸倍率3倍の透明な二軸延伸アイソタクチックポ
リプロピレンフィルム(厚さ100μm)、基材シート
として、延伸倍率3倍の着色不透明な二軸延伸アイソタ
クチックポリプロピレンシート(厚さ80μm)を用
い、実施例3と同様に化粧シートを作製した。 (比較例2)基材シートとして比較例1で用いたPPシ
ートを用い、保護層として実施例1で用いたアクリルフ
ィルムを用いて、実施例3と同様に化粧シートを作製し
た。
1、2で作製した化粧シートについて、下記の試験を行
ない、その性能を比較した。
ように、サイズ100mm×100mmで厚さ30mm
のラワン合板20aの中央表面に、角度90°で深さ5
mmの溝を形成し、この溝を形成した合板20aの上に
接着剤を塗布した化粧シート1を重ね、真空成形法にて
化粧シート1を合板20aに接着した。化粧シートを接
着した合板を取り出し、表面及び断面を目視にて観察し
て、図14(b)に示すように、合板20aの溝に化粧
シート1が綺麗に入り込んでいるのを○、図14(c)
に示すように、化粧シート1が溝から浮いているのを×
として判定した。
作成した化粧シートを接着した合板を試料として、この
試料を80±3℃のオーブンに2時間、次に−20±3
℃の冷凍庫に2時間、再度80±3℃のオーブンに2時
間放置するのを繰り返し、これを10回繰り返した後、
試料の表面及び断面を目視にて観察して、図14(b)
に示すように、化粧シートが溝に挿入されているのを
○、図14(c)に示すように、化粧シートが溝から浮
いているのを×として判定した。
した化粧シートの上記性能試験の結果を表1に示した。
表1の結果から分かるように、実施例1、2、3で作製
した化粧シートは、真空成形試験において、溝への入り
込みが十分で、真空成形適性が良好であった。また、寒
熱繰り返し試験においても、浮きは生じず、化粧シート
として満足できるものであった。
結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂を使用し、表面
の透明な保護層層としてPOフィルム又はアクリルフィ
ルムを使用しているので、化粧シートが焼却処理された
場合でも塩酸ガスやダイオキシン等の有害ガスが発生す
る恐れがなくなる。また、本発明の化粧シートは、基材
シートに非結晶性ポリエチレンテレフタレートシート、
表面の保護層にアイソタクチックポリプロピレンとアタ
クチックポリプロピレンの混合系の軟質ポリプロピレ
ン、又はアクリルフィルムを使用しているので、真空成
形適性に優れており、真空成形法により凹凸形状を有す
る立体成形物の表面装飾に利用した場合、凹部への入り
込みがよく、優れた表面装飾ができる。従って、本発明
の化粧シートは凹凸形状を有する立体成形物に対しても
利用できることが予想できる。
縮が少ないため、凹凸形状を有する立体成形物の表面装
飾に使用された場合、加熱、冷却を繰り返しても、立体
成形物の凹部に入り込んだ化粧シートの浮き現象が見ら
れず、表面の凹凸形状に戻りが見られない。即ち、本発
明の化粧シートは耐候性にも優れたものである。そし
て、本発明の化粧シートには、エンボス加工とワイピン
グ加工を施すことができるので、従来のポリ塩化ビニル
樹脂を用いた化粧シートと同等の意匠性を付与すること
ができる。
スチック、紙、木材、金属板、無機系素材等あらゆる基
材に貼付することによりその表面に抗菌性能を付与する
ことができるので、室内水回り関係や高温多湿の場所及
び病院その他衛生的な環境を必要とする場所で使用され
る各種備品(電気製品、キャビネット、各種器具等)に
対し、抗菌性能を付与することができる。また、本発明
の抗菌性化粧シートを、既存の電気製品、キャビネッ
ト、各種器具等に貼付することにより、抗菌性能を付与
することができるので、細菌の汚染防止に経済的負担が
少なくて済む。
である。
層にPOフィルムを用いた場合の模式断面図である。
層にアクリルフィルムを用いた場合の模式断面図であ
る。
層にPOフィルムを用い、更に、その表面にトップコー
ト層設け、裏面に易接着層を設けたときの模式断面図で
ある。
ト層に抗菌剤を添加したときの模式断面図である。
保護層にPOフィルムを用いたときの化粧材の模式断面
図である。
明な保護層にアクリルフィルムを用いたときの化粧材の
模式断面図である。
ある。
剤を添加した化粧シートを作製するときの説明図であ
る。
トを作製し、その化粧シートを被着体に貼着して化粧材
を作製するときの説明図である。
説明図である。
説明図である。
説明図である。
判定するときの説明図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 着色基材シート、絵柄層、及び透明な保
護層からなる化粧シートにおいて、前記着色基材シート
がポリエステル樹脂からなり、前記透明な保護層がアク
リル樹脂又はポリオレフィン系樹脂からなることを特徴
とする化粧シート。 - 【請求項2】 前記ポリエステル樹脂が、非結晶性のポ
リエチレンテレフタレート樹脂であることを特徴とする
請求項1に記載の化粧シート。 - 【請求項3】 前記着色基材シートに、絵柄層、接着剤
層、ポリオレフィン系樹脂からなる透明な保護層がこの
順に積層されていることを特徴する請求項1又は請求項
2に記載の化粧シート。 - 【請求項4】 前記着色基材シートに、絵柄層、易接着
層、アクリル樹脂からなる透明な保護層がこの順に積層
されていることを特徴する請求項1又は請求項2に記載
の化粧シート。 - 【請求項5】 前記透明な保護層の上にトップコート層
を形成し、裏面の着色基材シートに易接着層を形成した
ことを特徴する請求項1乃至請求項4のいずれかに記載
の化粧シート。 - 【請求項6】 前記トップコート層が、フッ素基を含有
する熱硬化性樹脂からなり、その厚さが1〜10μmで
あることを特徴とする請求項5に記載の化粧シート。 - 【請求項7】 前記トップコート層が、抗菌剤を添加し
た樹脂層からなることを特徴とする請求項5又は請求項
6に記載の化粧シート。 - 【請求項8】 請求項1乃至請求項7に記載の化粧シー
トの着色基材シート側を被着体に貼着したことを特徴と
する化粧材。
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